JP2630488B2 - 平版印刷用原版 - Google Patents

平版印刷用原版

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JP2630488B2
JP2630488B2 JP19909090A JP19909090A JP2630488B2 JP 2630488 B2 JP2630488 B2 JP 2630488B2 JP 19909090 A JP19909090 A JP 19909090A JP 19909090 A JP19909090 A JP 19909090A JP 2630488 B2 JP2630488 B2 JP 2630488B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子写真方式で製版される電子写真平版印
刷用原版に関するものであり、特に、該平版印刷用原版
の光導電層形成用組成物の改良に関する。
(従来技術及びその問題点) 現在ダイレクト製版用の平版印刷用原版には多種のも
のが提案され且つ実用化されているが、中でも、導電性
支持体上に酸化亜鉛のごとき光導電性粒子及び結着樹脂
を主成分とした光導電層を設けた感光体を通常の電子写
真工程を経て、感光体表面に親油性の高いトナー画像を
形成させ、続いて該表面をエッチ液と言われる不感脂化
液で処理し非画像部分を選択的に親水化することによっ
てオフセット原版を得る技術が広く用いられている。
かかる平版印刷用原版の光導電層を形成するために使
用される結着樹脂は、先ず第1にそれ自体の成膜性およ
び光導電性粉末の結着樹脂中への分散能力が優れるとと
もに、形成された記録体層の基材に対する接着性が良好
であり、しかも記録体層の光導電層は帯電能力に優れ、
暗減衰が小さく、光減衰が大きく、前露光疲労が少な
く、且つ、撮像時の湿度の変化によってこれら特性を安
定に保持していることが必要である等の各種の静電特性
および優れた撮像性を具備する必要がある。
第2に、平版印刷用原版から良好な印刷物を得るに
は、感光体表面が不感脂化処理液となじみ易く、非画像
部が充分に親水化されると同時に耐水性を有し、更に印
刷においては、画像を有する光導電層が離脱しないこ
と、及び湿し水とのなじみがよく、印刷枚数が多くなっ
ても汚れが発生しない様に充分に非画像部の親水性が保
持されること等の性能を有する必要がある。これらの性
能には、光導電層中の酸化亜鉛と結着樹脂の比率が影響
することは、既に知られており、例えば、光導電層の酸
化亜鉛粒子に対する結着樹脂の比率を小さくすれば、光
導電層表面の不感脂化性が向上し、地汚れは少なくなる
が、他方で光導電層自体の内部凝集力が低下し、機械的
強度不足による耐刷力の低下が生じる。逆に、結着樹脂
の比率を大きくすると、耐刷力は向上するが、地汚れが
増大する。特に地汚れは、光導電層表面の不感脂化性の
良否に関係する現象であることは言うまでもないが、光
導電層表面の不感脂化性は、光導電層中の酸化亜鉛と結
着樹脂の比率のみによって左右されるものではなく、結
着樹脂の種類によっても、大きく左右されることが明ら
かになってきている。
古くから公知の樹脂として、例えばシリコーン樹脂
(特公昭34-6670号)、スチレン−ブタジエン樹脂(特
公昭35-1960号)、アルキッド樹脂、マレイン酸樹脂、
ポリアミド(特公昭35-11219号)、酢酸ビニル樹脂(特
公昭41-2425号)、酢酸ビニル共重合体(特公昭41-2426
号)、アクリル樹脂(特公昭35-11216号)、アクリル酸
エステル共重合体(例えば特公昭35-11219号、特公昭36
-8510号、特公昭41-13946号等)等が知られている。し
かし、これらの樹脂を用いた電子写真式平版印刷用原版
においては、1)光導電性粉体との親和性が不足し、塗
工液の分散性が不良となる。2)光導電層の帯電性が低
い、3)複写画像の画像部(特に網点再現性・解像力)
の品質が悪い、4)複写画像作成時の環境(例えば高温
高湿、低温低湿)にその画質が影響されやすい、5)感
光層の膜強度・接着性が充分でなく、オフセット印刷時
に感光層の脱離等が生じ印刷枚数が多くできない、等の
いずれかの問題があった。
また、電子写真感光体としての静電特性と印刷原版と
しての印刷特性を両立させた光導電層用の結着樹脂とし
て、例えば、特公昭50-31011号では、フマル酸存在下で
(メタ)アクリレート系モノマーと他のモノマーと共重
合させた、w 1.8×104〜10×104でTg10〜80℃の樹脂
と、(メタ)アクリレート系モノマーとフマル酸以外の
他のモノマーとから成る共重合体とを併用したもの、又
特開昭53-54027号では、カルボン酸基をエステル結合か
ら少なくとも原子数7個離れて有する置換基をもつ(メ
タ)アクリル酸エステルを含む三元共重合体を用いるも
の、又特開昭54-20735号、特開昭57-202544号では、ア
クリル酸及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを
含む4元又は5元共重合体を用いるもの、又特開昭58-6
8046号では、炭素数6〜12のアルキル基を置換基とする
(メタ)アクリル酸エステル及びカルボン酸含有のビニ
ルモノマーを含む3元共重合体を用いるもの等が光導電
層の不感脂化性の向上に効果があると記載されている。
しかし、上記した静電特性・耐湿特性及び耐久性に効果
があるとされる樹脂であっても、現実に評価してみると
特に帯電性、暗電荷保持性、光感度の静電特性、光導電
層の平滑性等に問題があり、実用上満足できるものでは
なかった。
また、結着樹脂として、分解により親水性基を生成す
る官能基を含有する樹脂を用いるものが検討されてお
り、例えば分解によりヒドロキシル基を生成する官能基
を含有するもの(特開昭62-195684号、同62-210475号、
同62-210476号)や分解によりカルボキシル基を生成す
る官能基を含有するもの(特開昭62-212669号)等が開
示されている。
これらの樹脂は不感脂化液又は印刷時に用いる湿し水
により加水分解又は加水素分解されて親水性基を生成す
る樹脂であり、これらを平版印刷用原版の結着樹脂とし
て用いると、親水性基自身をはじめから含有する樹脂を
用いた場合に該親水性基と光導電性酸化亜鉛粒子表面と
の強い相互作用によって生ずると思われる種々の問題
(平滑性の悪化、あるいは暗電荷保持量や光感度等の電
子写真特性の悪化等)を回避できるとともに、不感脂化
液により親水化される非画像部の親水性が、樹脂中にお
いて分解により生成される上記親水性基によってより一
層高められる為、画像部の親油性と非画像部の親水性が
明確となり、印刷時に非画像部にインキが付着するのを
防止し、その結果として地汚れのない鮮明な画質の印刷
物を多数枚印刷することが可能となると記載されてい
る。
しかしながら、今日電子写真方式による平版印刷にお
いてもより一層の効率化が要求されており、具体的に
は、製版スピードの向上、エッチング処理スピードの向
上、あるいは印刷時のスタートから鮮明な画質(特に地
汚れのない)の印刷物を得ること(損紙の減少)等が重
要な課題となってきているにも拘らず、上記の分解によ
り親水性基を生成する結着樹脂を用いたオフセット原版
では、エッチング処理スピードの向上又は損紙の減少と
いう課題に対しては、未だその性能を充分に達成してい
るとは言い難かった。
更に、平版印刷用原版の光導電層中に親水性樹脂粒子
を含有させる技術が特開平1-232356号及び同1-261657号
に記載されている。親水性樹脂を光導電層中に粒子とし
て含有させることにより、分子の状態で存在するものに
比して比表面積が小さくなり、酸化亜鉛表面との相互作
用が少なくなるため、親水性を保持するにも拘らず電子
写真特性を阻害せず、良好な印刷特性を得ることができ
る。しかしながら、このような親水性樹脂粒子を用いて
も、いまだ十分に満足できる電子写真特性を維持するこ
とができず、また、地汚れの発生等の印刷性においても
更なる向上が望まれる。
他方、前記の静電特性、印刷物の地汚れ等の問題を解
決するものとして、電子写真感光体の結着樹脂として、
酸性基を重合体の側鎖に含有する共重合成分を0.05〜10
重量%含有する重量平均分子量103〜104の樹脂を用いる
もの(特開昭63-217354号)、酸性基を重合体主鎖の末
端に結合する重量平均分子量103〜104の樹脂を用いるも
の(特開昭64-70761号)、更に硬化性基含有共重合成分
を含有する樹脂を用いるもの(特開平1-100554号、特願
昭63-39691号)、架橋剤と併用するもの(特開昭1-1025
73号、同2-874号)、重量平均分子量104以上の高分子量
の樹脂と組合せて用いるもの(特開昭63-220149号、同6
3-220148号、同64-564号、特開平1-280761号、同1-1166
43号、同1-169455号)、熱及び/又は光硬化性樹脂と組
合せて用いるもの(特開平1-102573号、同2-34859号)
がそれぞれ開示されている。
しかしながら、これらの樹脂を用いても、著しく過酷
な条件に感光体がさらされると、安定した高性能の維持
において問題があるとともに、印刷性においても十分に
満足できるものではないことが判った。即ち、帯電過程
で帯電速度を早めると、帯電ムラが発生し、それに起因
した複写画像でのムラが生じたり、あるいは感光体を複
写機への補てん等で感光体表面に蛍光灯等の光照射を受
けた直後に複写操作を行った場合に得られる複写画像の
劣化(特に画像濃度の低下、解像力の低下、地カブリの
発生等)が生じてしまう(いわゆる前露光疲労)ことが
判った。
更には、電子写真式平版印刷用原版として用いた場合
に、前記の様な条件では、複写画像が悪化した原版とな
り、オフセットマスターとして印刷しても、得られる印
刷物は、画像の低下及び地カブリが生じてしまうという
重大な問題となって現れた。
本発明は、以上の様な従来の電子写真式平版印刷用原
版の有する課題を改良するものである。
本発明の目的は、静電特性、とくに複写画像形成時に
苛酷な条件下におかれても帯電特性及び前露光疲労性が
改良された電子写真式平版印刷用原版を提供することで
ある。
本発明の他の目的は、不感脂化性に優れ、とくにエッ
チング処理から印刷工程において迅速化を行っても非画
像部の親水性が充分保持され、地汚れが発生せず、かつ
高耐刷力を有する平版印刷用原版を提供することであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明の上記の目的は、導電性支持体上に、少なくと
も1層の光導電性酸化亜鉛と結着樹脂とを含有する光導
電層を設けてなる電子写真式平版印刷用原版において、
前記光導電層中に前記光導電性酸化亜鉛粒子の最大粒子
径と同じかそれより小さい平均粒子径を有する親水性樹
脂粒子を含有し、かつ前記結着樹脂が下記樹脂〔A〕の
少なくとも1種及び樹脂〔B〕の少なくとも1種を含有
してなることを特徴とする平版印刷用原版により達成さ
れることが見出された。
樹脂〔A〕: 1×103〜1×104の重量平均分子量を有し、下記一般
式(I)で示される重合成分を30重量%以上、及び-PO3
H2基、-SO3H基、‐COOH基、 {Rは炭化水素基又は‐OR′基(R′は炭化水素基を示
す)を示す}及び環状酸無水物含有基から選択される少
なくとも1種の酸性基を含有する重合成分を0.5〜10重
量%含有し、且つ該重合体主鎖の片末端に上記と同様の
酸性基から選ばれる少なくとも1種の酸性基を結合して
成る樹脂。
一般式(I) 〔式(I)中、a1、a2は各々、水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基又は炭化水素基を表わす。R1は炭化水素基
を表わす。〕 結着樹脂〔B〕: 下記一般式(IVa)及び(IVb)で示される重合体成分
のうち少なくとも1種を含有する重合体主鎖の一方の末
端にのみ下記一般式(III)で示される重合性二重結合
基を結合して成る重量平均分子量2×104以下の一官能
性マクロモノマーと下記一般式(V)で示されるモノマ
ーとから少なくとも成る共重合体である樹脂。
一般式(III) 〔式(III)中、V0は、‐COO-、‐OCO-、-CH2OCO-、-CH
2COO-、‐O-、-SO2-、‐CO-、‐CONHCOO-、‐CONHCONH
-、-CONHSO2-、 又は を表わす(P0は、水素原子又は炭化水素基を表わす)。
c1、c2は、互いに同じでも異なってもよく、水素原
子、ハロゲン原子、シアノ基、炭化水素基、‐COO-Z31
又は炭化水素を介した‐COO-Z31(Z31は水素原子又は置
換されてもよい炭化水素基を示す)を表わす。〕 一般式(IVa) 一般式(IVb) 〔式(IVa)又は(IVb)中、V1は、式(III)中のV0
同一の内容を表わす。
Q41は、炭素数1〜18の脂肪族基又は炭素数6〜12の
芳香族基を表わす。
d1、d2は、互いに同じでも異なってもよく、式(II
I)中のc1、c2と同一の内容を表わす。
Q40は−CN、−CONH2又は を表わす。
ここでTは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ア
ルコキシ基又は−COOZ32(Z32はアルキル基、アラルキ
ル基又はアリール基を示す)を表わす。〕 一般式(V) 〔式(V)中、V2は、式(IVa)中のV1と同一の内容を
表わす。
Q42は、式(IVa)中のQ41と同一の内容を表わすe1、e
2は互いに同じでも異なってもよく、式(III)中のc1
c2と同一の内容を表わす。〕 即ち、本発明の平版印刷原版では、光導電層中に親水
性樹脂を粒子として分散させるとともに結着樹脂とし
て、特定の繰り返し単位の重合体成分と酸性基(以下本
明細書中では特にことわらない限り酸性基の語の中に環
状酸無水物含有基も含むものとする)含有の重合体成分
とを含有し、かつ酸性基を重合体主鎖の片末端に結合す
る低分子量の樹脂〔A〕と、一般式(IVa)又は(IVb)
の重合体成分を少なくとも含有する重合体主鎖の一方の
末端に重合性二重結合基を結合する一官能性マクロモノ
マー(M)と一般式(V)のモノマーとを各々少なくと
も1種含むクシ型共重合体から成る樹脂〔B〕とを少な
くとも用いることを特徴とする。
前述の如く、光導電層に親水性樹脂粒子を含有させる
技術及び電子写真感光体の結着樹脂として、酸性基を側
鎖に含有する樹脂又は酸性基を重合体主鎖末端に結合す
る樹脂を用いる技術はそれぞれ公知であるが、本発明の
如く、光導電層に親水性樹脂粒子を含有させたときの結
着樹脂として、本発明に従う特定の樹脂、即ち、酸性基
を重合体の側鎖と重合体主鎖の末端とに同時に含有する
樹脂〔A〕更には上記クシ型共重合体から成る樹脂
〔B〕を用いることにより、驚くべきことにこれらの公
知技術のみでは未解決であった上記課題が解決されるこ
と、即ち静電特性(とくに帯電特性及び前露光疲労性)
及び印刷特性が飛躍的に向上することが見出された。
本発明では、低分子量体の樹脂〔A〕は、少なくとも
光導電性酸化亜鉛、分光増感剤及び親水性樹脂粒子の存
在する分散系において、分光増感剤の光導電性酸化亜鉛
への吸着を阻害することなく有効に酸化亜鉛の化学量論
的な欠陥に吸着し、且つ酸化亜鉛の表面の被覆性を適切
に向上させることを可能とし、酸化亜鉛のトラップを補
償し且つ酸化亜鉛と分光増感剤の増感効果を補償すると
ともに湿度特性を飛躍的に向上させ、更に酸化亜鉛の分
散が充分に行なわれ、凝集を抑制することが判った。そ
して、本発明に従う親水性樹脂粒子は、上記の如き相互
作用を阻害せず、しかも良好な印刷特性を発現するもの
と思われる。
そして、更に、樹脂〔B〕は、樹脂〔A〕を用いたこ
とによる電子写真特性の高性能を全く阻害せずに、樹脂
〔A〕のみでは不充分な光導電層の機械的強度を充分な
らしめるものである。
これは、本発明に従い光導電性酸化亜鉛の結着樹脂と
して樹脂〔A〕と樹脂〔B〕を各々の樹脂の重量平均分
子量並びに樹脂中の酸性基の含有量及び結合位置等を特
定化することで、無機光導電体、分光増感剤、親水性樹
脂粒子及び樹脂の共存する分散状態において、各々の相
互作用の強さを適度に変えることができ、且つその状態
が安定に保持できるためと推定される。その事により、
帯電特性が一層改良され帯電ムラがなくなり且つ前露光
疲労性が更に改善されるものと推定される。
また、本発明では、光導電体表面の平滑性が滑らかと
なる。電子写真式平版印刷用原版として光導電層表面の
平滑性の粗い感光体を用いると、光導電性酸化亜鉛粒子
及び前記した親水性樹脂粒子と結着樹脂の分散状態が適
切ではなく、凝集物が存在する状態で光導電層が形成さ
れるため、不感脂化処理液による不感脂化処理をしても
非画像部の親水化が均一に充分に行なわれず、印刷時に
印刷インキの付着を引き起こし、結果として印刷物の非
画像部の地汚れを生じてしまう。
本発明の樹脂を用いた場合に無機光導電体と結着樹脂
の吸着・被覆の相互作用が適切に行なわれ、且つ光導電
層の膜強度が保持されるものである。
更には、帯電ムラ、前露光疲労等によって起こる画質
の劣化あるいは地カブリの発生等がなくなるため、平版
印刷用原版として用いた場合に、非常に良好な印刷画像
の印刷物が得られる。
更には、低分子量の樹脂〔A〕としては、下記一般式
(IIa)及び一般式(IIb)で示される、ベンゼン環又は
ナフタレン環を含有する、特定の置換基をもつメタクリ
レート成分と酸性基含有成分とを含有する、末端に酸性
基を結合した樹脂〔A〕(以降、この低分子量体を樹脂
〔A′〕とする)であることが好ましい。
一般式(IIa) 一般式(IIb) 〔式(IIa)および(IIb)中、A1及びA2は互いに独立に
各々水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、塩素原子、
臭素原子、-COD1又は-COOD2(D1及びD2は各々炭素数1
〜10の炭化水素基を示す)を表わす。
B1及びB2は各々‐COO-とベンゼン環を結合する、単結
合又は連結原子数1〜4個の連結基を表わす。〕 樹脂〔A′〕を用いる樹脂〔A〕の場合よりも、より
一層電子写真特性(特にV10,D.R.R,E1/10)の向上が達
成できる。
この事の理由は不明であるが、1つの理由として、メ
タクリレートのエステル成分であるベンゼン環又はナフ
タレン環の平面性効果により、膜中の酸化亜鉛界面での
これらポリマー分子鎖の配列が適切に行なわれることに
よるものと考えられる。
また、樹脂〔B〕は、更に、重合体主鎖の末端に-PO3
H2基、-SO3H基、‐COOH基、 (R0は前記Rと同一の内容を表わす)および環状酸無水
物含有基から選ばれる少なくとも1つの酸性基を結合し
て成る重合体(以降この高分子量体をとくに樹脂
〔B′〕とする)であることが好ましい。
樹脂〔B′〕を用いると、静電特性、特にD.R.R.及び
E1/10がより良好となり、樹脂〔A〕を用いたことによ
る優れた特性を全く妨げず、その効果は特に高温・高
湿、低温・低湿等の如き環境変化においても変動が殆ど
なく好ましい。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明において、前記の親水性樹脂粒子は、高次の網
目構造を形成しているものであってもよい。
なお、本発明における上記の親水性樹脂粒子とは、上
記した平均粒子径を有し、かつ該樹脂粒子を任意の可溶
性溶媒に溶解したものを塗布して形成した該樹脂のフィ
ルムが、蒸留水に対する接触角(ゴニオメーターにて測
定)50度以下の値、好ましくは30度以下の値を示すもの
をいう。
本発明において、親水性樹脂は、光導電層中に粒子と
して分散し、かつその平均粒子径が光導電性酸化亜鉛粒
子の最大粒子と同じか、それよりも小さい。
酸化亜鉛粒子径よりも大きな粒径の該樹脂粒子が存在
すると、電子写真特性が劣化してくる(特に均一な帯電
性が得られなくなる)結果として複写画像において、画
像部の濃度ムラ、文字・細線の切れ、飛び、あるいは非
画像部の地カブリ等が発生してしまう。
具体的には、本発明の親水性樹脂粒子は最大粒子の粒
子径が10μm以下であり、好ましくは5μm以下であ
る。そして、粒子の平均粒子径は1.0μm以下であり、
好ましくは0.5μm以下である。
なお、親水性樹脂粒子は、粒子径が小さい程比表面積
が大きくなり、上記の電子写真特性上良好な作用を持た
らし、コロイド粒子(0.01μm以下)程度でも充分であ
るが、余り小さくなり過ぎると分子分散の場合と同様の
弊害が生じて来るため0.001μm以上で用いるのが好ま
しい。
また本発明において、高次の網目構造を形成している
親水性樹脂粒子であれば、印刷時の湿し水で溶出するこ
とはなく、かなり多数枚の印刷を行っても良好な印刷特
性を維持することができる。
本発明において、上記のような高次の網目構造を形成
していない親水性樹脂粒子(以下、単に親水性樹脂粒
子)又は高次の網目構造を形成している親水性樹脂粒子
(以下、単に網目親水性樹脂粒子)は、光導電性酸化亜
鉛100重量部に対して0.1〜5重量%の使用量で用いるこ
とが好ましい。親水性樹脂粒子又は網目親水性樹脂粒子
が0.1重量%より少ないと非画像部の親水性が充分とな
らず、逆に5重量%より多いと非画像部の親水性の向上
は更に図られるが、電子写真特性が劣化し、複写画像が
悪化してしまう。
本発明の親水性樹脂粒子には、合成親水性樹脂と天然
親水性樹脂とがあり、本発明ではいずれも好ましく用い
ることができる。
また、網目親水性樹脂粒子は、これらを改質したもの
が好ましく用いられる。
例えば、p.Molyneax「Water−Soluble Synthetic Pol
ymers:Properties and Behavior」Vol.I及びVol.II CRC
Press.Inc.(1982年)、C.A.Finch「Chemistry and Te
chnology of Water−Soluble Polymers」Plenam Press
(1973年)、中村亦夫「水溶性高分子」化学工業社(19
68年)、界面化学研究会「水溶性高分子水分散型樹脂の
最新加工・改質技術と用途開発」経営開発センター出版
部(1981年)、Davidson「Water Soluble Resin」Reinh
old(1968年)等の総説引例の材料が挙げられる。
このうち、合成親水性樹脂としては、分子構造中に、
エーテル基、エチレンオキサイド基、‐OH基、‐SH基、
‐COOH基、-SO2H基、-SO3H基、-PO3H2基、‐CN基、-CON
H2基、‐CHO基、-SO2Q1基、 窒素原子を少なくとも1個含有する4員〜6員環複素環
又はオルガノシラン基から選ばれた親水性基を少なくと
も1種含有するものが挙げられる。
上記親水性基において、Q1は炭素数1〜6の置換され
てもよ炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、2−クロロエチル基、2−ブロムエ
チル基、2−フロロエチル基、3−クロロプロピル基、
3−メトキシプロピル基、2−メトキシブチル基、ベン
ジル基、フェニル基、プロペニル基、メトキシメチル
基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基等)を表
す。
Q2は、炭素数1〜6の置換されてもよい脂肪族基(具
体的には、Q1と同様の置換基を表わす)又は-OE1(E1
Q2と同一の内容を表わす)を表わす。
Q3及びQ4は各々同じでも異なってもよく、水素原子又
は炭素数1〜6の置換されてもよい炭化水素基(具体的
には、Q1と同一の内容を表わす)を表わす。但し、Q3
びQ4の炭素数の総和は8以内のものを表わす。
Q5、Q6及びQ7は、各々、同じでも異なってもよく、
Q3、Q4と同一の内容を表わす。
は、陰イオンを表わし、例えば、ハロゲンイオン
(例えば、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン
等)、パークロレートイオン、テトラフッ素ボレートイ
オン、ヒドロオキシイオン、カルボキシレートイオン
(例えば、アセトネートイオン、プロピオネートイオン
等)、スルホネートイオン(例えば、メタンスルホネー
トイオン、ベンゼンスルホネートイオン、p−トルエン
スルホネートイオン等)が挙げられる。
rは、1又は2を表わし、r=1の場合は、-Q57
おいて少なくとも1種の酸性基(-SO3H、-PO3H2、‐COO
H)が置換基として含有される。
具体的には、 等が挙げられる。
又、上記‐COOH基、-SO2H基、-SO3H基、-PO3H2基、 は各々、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム等)アルカリ土類金属(例えば、カルシウ
ム、マグネシウム等)、亜鉛、アルミニウム等の金属塩
又は有機塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジン、
モルホリン、ピペラジン等)との塩を形成していてもよ
い。
又、上記の窒素原子を少なくとも1個含有する4員〜
6員環形成の複素環としては、例えば、ピリジン環、ペ
ペリジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラジン
環、ピロリジン環、ピロリン環、イミダゾリン環、ピラ
ゾリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、ピロリドン
環等が挙げられる。これらの複素環は置換基を含有して
もよく、置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ
素原子、塩素原子、臭素原子等)、炭素数1〜8の置換
されてもよい炭化水素基(例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、2−クロロエチル基、2−
ブロモエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノ
エチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル
基、2−ブトキシエチル基、2−カルボキシエチル基、
カルボキシメチル基、3−スルホプロピル基、4−スル
ホブチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−エ
トキシカルボニルエチル基、2−メタンスホニルエチル
基、ベンジル基、カルボキシベンジル基、カルボキシメ
チルベンジル基、フェニル基、カルボキシフェニル基、
スルホフェニル基、メタンスルホニルフェニル基、エタ
ンスルホニルフェニル基、カルボキシメチルフェニル
基、メトキシフェニル基、クロロフェニル基等)、-OE2
基(E2は、上記炭素数1〜8の置換されてもよい炭化水
素基と同一の内容を表わす)又は-COOE3基(E3はE2と同
一の内容を表わす)等が挙げられる。
又、オルガノシラン基としては、例えば、下記一般式
(VII)で示される繰返単位が挙げられる。
式(VII)中、A0は、炭素数1〜4の置換されてもよ
いアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、2−クロロエチル基、2−メトキシエチ
ル基、2−シアノエチル基等)、-OE4(E4は、A0中の炭
素数1〜4の置換されてもよいアルキル基と同一の内容
を表わす)、又は“Z"基〔Zはトリメチルシロキシ、ペ
ンタメチルジシロキサニル、ヘプタメチルトリシロキサ
ニル、ノナメチルテトラシロキサニル、ビス(トリメチ
ルシロキシ)メチルシロキサニル、トリス(トリメチル
シロキシ)シロキサニル等を表わす〕を表わす。
W1は、炭素数1〜6の置換されてもよいアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシ
プロピル基、2−シアノエチル基、2−ヒドロキシエチ
ル基、2−ヒドロキシ−3−クロロ−プロピル基、2−
クロロエチル基等)、-OE5(E5はE4と同一の内容を表わ
す)又は炭素数1〜6の2価の炭化水素基を介してビニ
ル、メタクリルオキシ、アクリルオキシ、メタクリルア
ミド、アクリルアミド、スチリルあるいはアリル等から
成る群から選択される不飽和結合が重合して他の繰り返
し単位に結合する基を表わす。
kは、0又は1〜10の整数であり、kの値の合計は少
なくとも2であることを表わす。
本発明の親水性樹脂は、以上の如き親水性基の少なく
とも1種を重合体側鎖に含有する重合成分を含むホモ重
合体あるいは共重合体であり、該重合成分が該樹脂中の
重合成分として20重量%〜100重量%、好ましくは30重
量%〜100重量%含まれるものである。
更に具体的に、この親水性基含有重合成分の例を一般
式(VIII)で示す。
式(VIII)中、Xは、‐COO-、‐COC-、‐O-、-SO
2-、 又は を表わす。〔ここでZ1、Z2は各々水素原子又は炭素数1
〜7の炭化水素基(好ましくは、例えば、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、2−クロロエチル基、
2−ヒドロキシエチル基、3−ブロム−2−ヒドロキシ
プロピル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシ
プロピル基、4−カルボキシブチル基、3−スルホプロ
ピル基、ベンジル基、スルホベンジル基、メトキシベン
ジル基、カルボキシベンジル基、フェニル基、スルホフ
ェニル基、カルボキシフェニル基、ヒドロキシフェニル
基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、
2−メタンスルホニルエチル基、2−シアノエチル基、
N,N(ジクロロエチル)アミノベンジル基、N,N(ジヒド
ロキシエチル)アミノベンジル基、クロロベンジル基、
メチルベンジル基、N,N(ジヒドロキシエチル)アミノ
フェニル基、メタンスルホニルフェニル基、シアノフェ
ニル基、ジシアノフェニル基、アセチルフェニル基等)
を表わし、 Z3、Z4は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲ
ン原子(好ましくは、例えばフッ素原子、塩素原子、臭
素原子等)又は炭素数1〜4の脂肪族基(好ましくは、
例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)
を表わし、 n1は1〜6の整数を表わす。〕。
Wは、 ‐COO-、‐OCO-、‐O-、‐S-、-SO2 ‐NHCOO-、‐NHCONH-、又は から選択される連結基又はこれらの連結基の組合せによ
って形成される結合基を表わす。
〔ここで、l1〜l4は各々同じでも異なってもよく、水素
原子、ハロゲン原子(好ましくは、例えば、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子等)又は炭素数1〜7の炭化水
素基(好ましくは、例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、2−クロロエチル基、2−メトキシ
エチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、ベンジル
基、メトキシベンジル基、フェニル基、メトキシフェニ
ル基、メトキシカルボニルフェニル基等)又は式(VII
I)のW−Y〕基を表わし、 l5〜l7は上記のZ1、Z2の内容と同一のものを表わ
す。〕 Yは、前記した親水性基を表わし、‐OH基、‐SH基、
‐CHO基、‐CN基、‐COOH基、-SO2H基、-PO3H2基、-SO2
Q1基、 窒素原子を少なくとも1個含む4員〜6員の複素環又は
オルガノシラノ基を表わす。
〔ここで、Q1〜Q7は前記Q1〜Q7の内容と同一のものを表
わす。〕 又式(VIII)において、Yは重合体主鎖に直結しても
よいし、あるいはXが‐O-、 の場合には‐YはXに直結してもよい。
e1、e2は、各々同じでも異なってもよく、水素原子、
ハロゲン原子(好ましくは、例えば、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子等)、‐COOH基、-COOQ5基、-CH2COOQ5
基(Q5は炭素数1〜7の炭化水素基を表わし、具体的に
は、前記Z1、Z2の炭化水素基と同様の内容が挙げられ
る)又は炭素数1〜4のアルキル基(好ましくは、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)を
表わす。
以下に、更に具体的に上記の親水性基含有重合成分を
例示するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
又、以下の各例において、q1は‐H、-CH3、‐Cl、-C
H2COOHまたは-CH2COOCH3を示し、q2は-CH3、‐COOH、-C
ONH2、-CONHC2H5または-COOCH3を示し、q3は-CH3または
‐Hを示し、q4は‐H、-CH3または‐Clを示し、q5は‐
H、-CH3、-CH2COOH、または-CH2COOCH3を示し、q6は‐
H、-CH3または-CH2COOCH3を示し、r1は‐H、-CH3また
は-C2H5を示し、r2を示し、y1は-SO3H、‐COOH、-CH2OHまたは -SO2H、-CONH2または-SO2NH2を示し、y2は‐OHまたは-N
H2を示し、J1はLi、Na、KまたはHN(C2H5)3または を示し、およびJ2はLi、Na、KまたはHN(C2H5)3を示
す。また、v1は1〜12の整数を示し、v2は1〜4の整数
を、v3は2〜12の整数を、v4は1〜11の整数を、v5は1
〜10の整数を、v6は2〜10の整数を、およびv7は1〜4
の整数をそれぞれ示す。
以上のような親水性基含有重合体成分とともに共重合
することのできる他の重合体成分として例えば一般式
(IX)で示されるものが挙げられ、これらのうちの1種
又は2種以上を共重合させることができる。
一般式(IX) 式(IX)中、Pは式(VIII)中のXと同一の内容を表
わす。
Qは、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル
基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチ
ル基、3−ブロモプロピル基、2−メトキシカルボニル
エチル基、4−メトキシカルボニルブチル基、4−メト
キシブチル基、3−クロロ−2−メトキシプロピル基、
3−クロロ−2−エトキシカルボニルプロピル基、2−
グリシジルプロピル基、3−ブロモ−2−アセチルオキ
シ−プロピル基等)、炭素数2〜20の置換されてもよい
アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、炭素
数5〜12の置換されてもよい脂環式基(例えばシクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、クロ
ロシクロヘキシル基、ブロモシクロヘキシル基、2−シ
クロヘキシルエチル基、シクロヘキシルメチル基等)、
炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基(例え
ば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル
基、エチル−2−フェニルエチル基、ナフチルメチル
基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ジクロ
ロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、
ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、メトキシ
ベンジル基、ジメトキシベンジル基、トリメトキシベン
ジル基、メトキシカルボニルベンジル基、アセトアミド
ベンジル基等)、炭素数6〜12の置換されてもよいアリ
ール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、
メシチレン基、ナフチル基、クロロフェニル基、ジクロ
ロフェニル基、トリクロロフェニル基、ブロモフェニル
基、フロロフェニル基、メトキシフェニル基、クロロ−
メチル−フェニル基、メチル−メトキシ−フェニル基、
ニトロフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、ア
セトアミドフェニル基、エトキシフェニル基、クロロナ
フチル基、エトキシカルボニルナフチル基、プロピルフ
ェニル基、ブチルフェニル基、クロロメチルフェニル
基、メトキシメチルフェニル基、N−メチルアミノスル
フェニル基等)、又は4−7員環の複素環(前記した親
水性を示す窒素原子含有の複素環以外の複素環であれば
いずれでもよく、例えば、チオフェン環、フラン環、ピ
ラン環、ベンゾピラン環、ピロール環、インドール環、
キノリン環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾチ
アゾール環、等が挙げられ、これらの環は置換基を含有
してもよい。この置換基としては、前記した式(IX)中
のQと同様の内容を表わす)。
天然親水性樹脂としては、特に前記した水溶性高分子
水分散型樹脂の総合技術資料集(経営開発センター出版
部)に詳しく記載されているが、例えばリグニン、澱
粉、ブルラン、セルロース、アルギン酸、デキストラ
ン、デキストリン、グアーガム、アラビアゴム、グリコ
ーゲン、ラミナラン、リケニン、ニゲラン等、及びその
誘導体等が挙げられる。
この誘導体としては、特にスルホン化、カルボキシル
化、リン酸化、スルホアルキレン化、又はカルボキシア
ルキレン化、アルキルリン酸化したもの、及びその塩が
好ましい。
本発明において、天然親水性樹脂は2種以上併用して
用いてもよい。
また、天然親水性樹脂の中では、グルコース重合体、
及びその誘導体が好ましく、グルコース重合体、及びそ
の誘導体の中でも、澱粉、グリコーゲン、セルロース、
リケニン、デキストラン、ニゲラン等が好ましく、特に
デキストラン、及びその誘導体が好ましい。
以上の合成・天然親水性樹脂を、前述のような特定の
粒子径を有する微粒子とするには、従来公知の乾式及び
湿式の方法が採用できる。即ち、該親水性樹脂粉体を、
従来公知の粉砕機で直接粉砕し、微粒子とする方法(例
えば、ボールミル、ペイントシェーカー、ジェットミ
ル、ハンマーミル等を使用する方法)と、高分子ラテッ
クス粒子とする方法を用いることができる。後者の高分
子ラテックス粒子とする方法としては、従来公知の塗料
あるいは静電写真用液体現像剤のラテックス粒子を製造
する方法を用いることができる。即ち、該親水性樹脂を
分散用ポリマーを併用して分散する方法で、該親水性樹
脂と分散補助ポリマー(又は被覆ポリマー)を予め混練
して混練物とした後粉砕し、次に分散ポリマーを共存さ
せて分散する方法である。
具体的には、例えば、植木憲二監訳「塗料の流動と顔
料分散」共立出版(1971年)、「ソロモン、塗料の化
学」、「Paint and Surface Coating theory and pract
ice」、原崎勇次「コーティング工学」朝倉書店(1971
年)、原崎勇次「コーティングの基礎科学」槙書店(19
77年)、特開昭62-96954号、同62-115171号、同62-7565
1号公報等の成書に記載されている。
また、懸濁重合法、分散重合法等の従来公知の重合反
応で容易に該親水性樹脂のラテックス粒子を得る方法を
用いることもできる。
具体的には、室井宗一「高分子ラテクッスの化学」高
分子刊行会(1970年)、奥田平、稲垣寛「合成樹脂エマ
ルジョン」高分子刊行会(1978年)、室井宗一「高分子
ラテックス入門」工文社(1983年)等の成書に記載され
ている。
本発明においては、高分子ラテックス粒子とする方法
が好ましく、この方法により容易に平均粒子径1.0μm
以下の樹脂粒子とすることができる。
ところで、本発明の電子写真式平版印刷用原版におい
ては、光導電層を形成する場合、光導電性酸化亜鉛を水
系で分散する方法(例えば、特公昭51-450号、同47-185
99号、同46-41350号等)及び非水溶媒系で分散する方法
(例えば、前記した特公昭50-31011号、特開昭53-54027
号、同54-20735号、同57-202544号、同58-68046号等)
いずれでもよいが光導電層中に水が残留すると、電子写
真特性を阻害するため、非水溶媒系で分散する方法が好
ましい。従って、本発明の親水性樹脂のラテックス粒子
を、非水系で分散された光導電層中に充分に分散させる
ために、該ラテックス粒子も非水系ラテックスであるこ
とが好ましい。
非水系ラテックスに用いられる非水溶媒としては、沸
点200℃以下の有機溶媒であればいずれでもよく、それ
は単独であるいは2種以上を混合して使用してもよい。
この有機溶媒の具体例は、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、フッ化アルコール、ベンジ
ルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルケトン等のケト
ン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、プロピオン酸メチル等のカルボン酸エステル類、
ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、トリデカン、
シクロヘキサン、シクロオクタン等の炭素数6〜14の脂
肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロ
ロベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、
ジクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロホルム、
メチルクロロホルム、ジクロロプロパン、トリクロロエ
タン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
これらの非水溶媒系で高分子ラテックスを分散重合法
で合成すれば、ラテックス粒子の平均粒子径は容易に1
μm以下となり、しかも粒子径の分布が非常に狭く且つ
単分散の粒子とすることができる。
具体的には、K.E.J.Barrett「Despersion Polymeriza
tion in Organic Medja」John Wiley(1975年)、村田
耕一郎、高分子加工、23、20(1974)、松本恒隆・丹下
豊吉、日本接着協会誌、9、183(1973)、丹下豊吉、日
本接着協会誌23、26(1987)、D.J.Walbridege、NATO.A
dv.Study.Inst.Ser.E.No.67、40(1983)、B.P.893429
号、B.P.934038号、USP 1122397号、USP 3900412号、US
P 4606989号、特開昭60-179751号、同60-185963号等に
その方法が開示されている。
また、網目親水性樹脂粒子としては、具体的には、ポ
リマーの繰り返し単位の少なくとも1つの構造中に‐O
H、‐SH、‐COOH、-SO2H、-SO3H、‐CN、-CONH2、‐CH
O、-SO2Q1 エーテル基、エチレンオキサイド基、4員〜6員環形成
の複素環又はオルガノシラン基から選ばれた親水性基を
少なくとも1種含有するものが挙げられる。
上記親水性基において、Q1は炭素数1〜4の置換され
てもよいアルキル基、(例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、2−クロロエチル基、2−ブロ
ムエチル基、2−フロロエチル基、3−クロロプロピル
基、3−メトキシプロピル基、メトキシメチル基、エト
キシメチル基、2−メトキシエチル基等)を表わす。
Q2は、炭素数1〜4の置換されてもよいアルキル基
(具体的には、Q1と同様の置換基を表わす)又は-OE
1(E1はQ1と同一の内容を表わす)を表わす。
Q3及びQ4は、各々同じでも異なってもよく、水素原子
又は炭素数1〜4の置換されてもよいアルキル基(具体
的には、Q1と同一の内容を表わす)を表わす。但し、Q3
及びQ4の炭素数の総和は6以内のものを表わす。
Q5、Q6及びQ7は、各々、同じでも異なってもよく、
Q3、Q4と同一の内容を表わす。
,rは、前述の親水性樹脂粒子のX ,rと同じであ
る。
又、4員〜6員環を形成する複素環としては、例え
ば、フラン環、ピラン環、テトラヒドロフラン環、ピリ
ジン環、ピペリジン環、ピロール環、イミダゾール環、
ピラジン環、ピロリジン環、ピロリン環、イミダゾリジ
ン環、イミダゾリン環、ピラゾリジン環、ピペラジン
環、モルホリン環、ピロリドン環、ジオキサン環、ジオ
キソラン環、オキサゾリン環、1,3−オキサジン−2オ
ン環、モルホリンジオン環、モルホリノン環等が挙げら
れる。
これらの複素環は置換基を含有してもよく、置換基と
しては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原
子、臭素原子等)、炭素数1〜3の置換されてもよいア
ルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキ
シエチル基、2−メタンスルホニルエチル基等)、-OE2
基(E2は、上記炭素数1〜3の置換されてもよいアルキ
ル基と同一の内容を表わす)等が挙げられる。
又、オルガノシラン基としては、前述の親水性樹脂粒
子のオメガノシラン基と同じものが挙げられる。
本発明の網目親水性樹脂は、以上の如き親水性基の少
なくとも1種を重合体側鎖に含有する重合成分を含むホ
モ重合体あるいは共重合体であり、前述の親水性樹脂の
場合と同様に、該重合成分が該樹脂中の重合成分として
20重量%〜100重量%、好ましくは30重量%〜100重量%
含まれるものである。
この網目親水性樹脂の具体的な一般式、具体的な成分
例は、前述の親水性樹脂の一般式(VII)、成分例
(1)〜(57)と同じである。
また、天然の網目親水性樹脂としては、具体的には、
界面化学研究会、「水溶性高分子・水分散型樹脂の最新
加工・改質技術と用途開発」経営開発センター出版部
(1981年刊)、中村亦夫、「水溶性高分子」化学工業社
(1973年刊)、R.L.Davidson、「Handbook of Water-So
luble Gumsand Resins」McGraw-Hill BOOK Company(19
80年刊)、「Encyclopedia of Polymer Science and En
gineering」Vol.3、p69〜270、John Wileyand Sons(19
85年刊)等に詳しく記載されている。
具体的には、前述の天然親水性樹脂と同じであり、ま
た前述の天然親水性樹脂の誘導体と同じ誘導体が挙げら
れる。
本発明の網目親水性樹脂粒子は、以上のような親水性
重合成分からなる重合体の重合体分子鎖間が橋架けされ
ており高次の網目構造を形成している。
これにより、網目親水性樹脂粒子は水に対して難溶性
あるいは不溶性となったものである。具体的には、該樹
脂の水への溶解性は、80重量%以下好ましくは50重量%
以下である。
本発明の架橋は、従来公知の架橋方法によって行うこ
とができる。即ち、(1)該親水性重合成分を含有する
重合体を種々の架橋剤あるいは硬化剤によって架橋する
方法、(2)該親水性重合成分に相当する単量体を少な
くとも含有させて重合反応を行う際に重合性官能基を2
個以上含有する多官能性単量体あるいは多官能性オリゴ
マーを共存させることにより分子間に網目構造を形成す
る方法、及び(3)該親水性重合成分と反応性基を含有
する成分を含む重合体類とを重合反応あるいは高分子反
応によって架橋させる方法等の方法によって行うことが
できる。
上記(I)の方法の架橋剤としては、通常架橋剤とし
て用いられる化合物を挙げることができる。具体的に
は、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成
社刊(1981年)、高分子学会編「高分子データハンドブ
ック 基礎編」培風館(1986年)等に記載されている化
合物を用いることができる。
例えば、有機シラン系化合物(例えば、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルオリブトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシランラのシランカップリング剤等)、ポリイソ
シアナート系化合物(例えば、トルイレンジイソシアナ
ート、o−トルイレンジイソシアナート、ジフェニルメ
タンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシ
アナート、ポリメチレンポリフェニルイソシアナート、
ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシ
アナート、高分子ポリイソシアナート等)、ポリオール
系化合物(例えば、1,4−ブタンジオール、ポリオキシ
プロピレングリコール、ポリオキシレンアルキレングリ
コール、1,1,1−トリメチロールプロパン等)、ポリア
ミン系化合物(例えば、エチレンジアミン、γ−ヒドロ
キシプロピル化エチレンジアミン、フェニレンジアミン
ヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジ
ン、変性脂肪族ポリアミン類等)、ポリエポキシ基含有
化合物及びエポキシ樹脂(例えば、垣内弘編著「新エポ
キシ樹脂」昭晃堂(1985年刊)、橋本之編著「エポキシ
樹脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合
物類)、メラミン樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫編
著「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年
刊)等に記載された化合物類)、ポリ(メタ)アクリレ
ート系化合物(例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏延
編「オリゴマー」講談社(1976年刊)、大森英三「機能
性アクリル系樹脂」テクノシステム(1985年刊)等に記
載された化合物類が挙げられ、具体的には、ポリエチレ
ングリコールジアクリラート、ネオペンチルグリコール
ジアクリラート、1,6−ヘキサンジオールジアクリラー
ト、トリメチロールプロパントリアクリラート、ペンタ
エリスリトールポリアクリラート、ビスフェノールA−
ジグリシジルエーテルジアクリラート、オリゴエステル
アクリラート:これらのメタクリラート体等がある。
又、上記(1)の方法の硬化剤のうちゼラチン等の天
然親水性樹脂の硬化剤としては、例えば、米国特許第3,
057,723号、同3,671,256号、同3,396,029号、同4,161,4
07号、同4,207,109号、英国特許第1,322,971号、特公昭
42-17112号、特開昭51-94817号、同56-66841号、同57-2
07243号、同59-121327号、「ザ・セオリー・オブ・ザ・
フォトグラフィックプロセス」四版(T.H.ジェームス
ら)94ページや、「ポリメリックアミン アンド アン
モニウムソルツ」(E.J.ゲータルスら)321ページなど
によって知られているものを用いることができる。
又、上記(2)の方法の重合性官能基を2個以上含有
する多官能性単量体あるいは多官能性オリゴマーの重合
性官能基としては、具体的には CH2=CH-CH2-、 CH2=CH−、 CH2=CH-CONH-、 CH2=CH-NHCO-、 CH2=CH-CH2-NHCO-、CH2=CH-SO2-、 CH2=CH-CO-、CH2=CH-O-、CH2=CH-S-、 等を挙げることができる。これらの重合性官能基の同一
のものあるいは異なったものを2個以上有した単量体あ
るいはオリゴマーであればよい。
重合性官能基を2個以上有した単量体の具体例は、例
えば同一の重合性官能基を有する単量体あるいはオリゴ
マーとして、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等
のスラレン誘導体:多価アルコール(例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール#200、#400、#60
0、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
ペンタエリスリトールなど)、又はポリヒドロキシフェ
ノール(例えば、ヒドロキノン、レゾルシン、カテコー
ルおよびそれらの誘導体)のメタクリル酸、アクリル酸
又はクロトン酸のエステル類、ビニルエーテル類又はア
リルエーテル類:二塩基酸(例えば、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン
酸、フタル酸、イタコン酸等)のビニルエステル類、ア
リルエステル類、ビニルアミド類又はアリルアミド類:
ポリアミン(例えば、エチレンジアミン、1,3−プロピ
レンジミン、1,4−ブチレンジアミン等」とビニル基を
含有するカルボン酸(例えば、メタクリル酸、アクリル
酸、クロトン酸、アリル酸等)との縮合体などが挙げら
れる。
又、異なる重合性官能基を有する単量体あるいははオ
リゴマーとしては、例えば、ビニル基を含有するカルボ
ン酸(例えば、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリロ
イル酢酸、アクリロイル酢酸、メタクリロイルプロピオ
ン酸、アクリロイルプロピオン酸、イタコニロイル酢
酸、イタコニロイルプロピオン酸、カルポン酸無水物)
とアルコール又はアミンの反応体(例えば、アリルオキ
シカルボニルプロピオン酸、アリルオキシカルボキニル
酢酸、2−アリルオキシカルボニル安息香酸、アリルア
ミノカルボニルプロピオン酸等)等のビニル基を含有し
たエステル誘導体又はアミド誘導体(例えば、メタクリ
ル酸ビニル、アクリル酸ビニル、イタコン酸ビニル、メ
タクリル酸アリル、アクリル酸アリル、イタコン酸アリ
ル、メタクリロイル酢酸ビニル、メタクリロイルプロピ
オン酸ビニル、メタクリロイルプロピオン酸アリル、メ
タクリル酸ビニルオキシカルボニルメチルエステル、ア
クリル酸ビニルオキシカルボニルメチルオキシカルボニ
ルエチレンエステル、N−アリルアクリルアミド、N−
アリルメタクリルアミド、N−アリルイタコン酸アミ
ド、メタクリロイルプロピオン酸アリルアミド等)又は
アミノアルコール類(例えば、アミノエタノール、1−
アミノプロパノール、1−アミノブタノール、1−アミ
ノヘキサノール、2−アミノブタノール等)とビニル基
を含有したカルボン酸との縮合体などが挙げられる。本
発明に用いられる2個以上の重合性官能基を有する単量
体あるいはオリゴマーは、全単量体の10モル%以下、好
ましくは5モル%以下用いて重合し、樹脂を形成する。
又本発明では重合性二重結合基を含有した重合体を使
用することもでき、この重合体における該二重結合基の
例としても前記したと同様の基が挙げられる。そして、
この重合体間の重合反応において、前記した重合性多官
能性単量体を併用して反応を行うことも通常知られた方
法である。
更には、上記(3)の方法の高分子間の反応性基同志
の反応により化学結合を形成し高分子間の橋架けを行う
場合には、通常の有機低分子化合物の反応と同様に行う
ことができる。具体的には、岩倉義男、栗田恵輔、「反
応性高分子」講談社(1977年刊)、小田良平、「高分子
ファインケミカル」講談社(1976年刊)、等の成書に詳
細に記載されている。例えば、下表−AのA群(親水性
基重合体成分)の害能基とB群(反応性基を含有する成
分を含む重合体類)の官能基の組合わせによる高分子反
応が通常よく知られた方法として挙げられる。
以上の如く、本発明の網目親水性樹脂粒子は、親水性
基を含有する重合体成分を含有し、且つ分子鎖間が高次
に橋架けされた構造を有する重合体の粒子であり、例え
ば、L.H.Sperling,「Intrepenetrating Polymer Netwar
ks and Engineering」vol.8,p279〜340(1985年)、J.
D.Anclrade、「Hydrogels for medical and Related Me
terials」Plenum Press(1981年刊)、「Encyclopedia
of Polymer Sience and Engineering」vol.8,p279〜340
(1985年)、J.D.Anclrade、「Hydrogels for medical
andRelated Applicatio」、ACS.Symposium Series No.3
1、American Chemical Society,Washington D.C.(1976
年)、大森英三、「高吸水性樹脂の開発動向とその用途
展開」テクノフォーラム(株)出版部(1987年刊)、入
江正浩「機能性高分子ゲルの製造と応用」シー・エム・
シー(株)(1987年刊)、田中健治、Petrotech.,10 25
(1987)、Nikkei New Materials 1987年6月1日号、
p57、田口準、石井邦男、「化学と工業」59、188(198
5)、増田房義、機能材料、1982年4月号p36、門磨義
則、化学工業38、602(1987年)等に記載されたヒドロ
ゲルあるいは高吸水性樹脂を用いることができる。市販
された高吸水樹脂の例として、アラソープ(荒川化学工
業社製)、ワンダーゲル(花王社製)、KIゲル(クラレ
イソプレン社製)、サンウェット(山洋化成工業社
製)、スミカゲル(住友化学工業社製)、アクアキープ
(製鉄化学工業社製)、ランシール(日本エクスラン工
業社製)、ライオン・ポリマー(ライオン(株)製)、
GP(日本合成化学工業社製)、アリアリック(日本触媒
化学工業社製)、アクアプレン(明成化学工業社製)、
CLD(Buckeye Cellulose社製)、D.W.A.L(Dow Chemica
l社製)、G.P.C.(Graim Processing社製)、Aqualon
(Hercules社製)、Magic Water Gel(Super Absorbent
社製)、Cecagum(CECA社製)、スポン・シグナス(鐘
紡合成化学社製)、スーパー・ラブ(旭化成工業社製)
等が挙げられる。
また、本発明における網目親水性樹脂の粒子化は、前
述の親水性樹脂の粒子化と同じである。
次に、以上の親水性樹脂粒子又は網目親水性樹脂粒子
と併用される結着樹脂について説明する。
樹脂〔A〕において重量平均分子量は1×103〜1×1
04、好ましくは3×103〜8×103、式(I)の繰り返し
単位に相当する共重合成分の存在割合は30重量%以上、
好ましくは50〜97重量%であり、酸性基含有の共重合成
分と主鎖末端に結合する酸性基との総量の存在割合は、
1〜20重量%が好ましい。更に、該酸性基含有の共重合
成分の存在割合は好ましくは0.1〜10重量%、より好ま
しくは0.5〜8重量%、主鎖末端に結合する酸性基の存
在割合は好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは1
〜10重量%である。
樹脂〔A′〕における式(IIa)及び/又は式(IIb)
の繰り返し単位に相当するメタクリレートの共重合成分
の存在割合は、30重量%以上、好ましくは50〜97重量
%、該酸性基含有の共重合成分の存在割合は好ましくは
0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜8重量%である。
重合体主鎖の末端に結合する酸性基の存在割合は好まし
くは0.5〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%であ
る。
樹脂〔A〕のガラス転移点は好ましくは−20℃〜110
℃、より好ましくは−10℃〜90℃である。
結着樹脂〔A〕の分子量が1×103より小さくなる
と、皮膜形成能が低下し充分な膜強度が保てず、一方分
子量が1×104より大きくなると本発明の樹脂であって
も、前記した様な過酷な条件下での電子写真特性(帯電
性、前露光疲労性)の変動が多少大きくなり、安定した
複写画像が得られるという本発明の効果が薄れてしま
う。
結着樹脂〔A〕における酸性基含有総量が1重量%よ
り少ないと、初期電位が低くて充分な画像濃度を得るこ
とができない。一方該酸性基含有量が20重量%よりも多
いと、いかに低分子量体といえども分散性が低下し、膜
平滑度及び電子写真特性の高湿特性が低下し、更にオフ
セットマスターとして用いるときに地汚れが増大する。
本発明の樹脂〔A〕は、式(I)で示される繰り返し
単位を少なくとも1種重合成分として含有する。
一般式(I)において、a1およびa2は、水素原子、ハ
ロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子)、シアノ基又
は炭素数1〜4のアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等)を表わす。R1は、炭素数
1〜18の置換されていてもよいアルキル基(例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリ
デシル基、テトラデシル基、2−クロロエチル基、2−
ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2−ヒドロキシ
エチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル
基、3−ヒドロキシプロピル基等)、炭素数2〜18の置
換されていてもよいアルケニル基(例えばビニル基、ア
リル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル
基、ヘプテニル基、オクテニル基等)、炭素数7〜12の
置換されていてもよいアラルキル基(例えばベンジル
基、フェネチル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエ
チル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、メ
チルベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されていても
よいシクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基等)、置換されていて
もよいアリール基(例えばフェニル基、トリル基、キシ
ル基、メシチル基、ナフチル基、メトキシフェニル基、
エトキシフェニル基、フロロフェニル基、ジフロロフェ
ニル基、ブロモフェニル基、クロロフェニル基、ジクロ
ロフェニル基、ヨードフェニル基、メトキシカルボニル
フェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、シアノフ
ェニル基、ニトロフェニル基等)等が挙げられる。
更に、好ましくは一般式(I)の繰り返し単位に相当
する共重合体成分は、前記一般式(IIa)及び/又は(I
Ib)で示される特定のアリール基を含有するメタクリレ
ート成分で表わされる(樹脂〔A′〕)。
式(IIa)において、好ましいA1及びA2として、それ
ぞれ、水素原子、塩素原子及び臭素原子のほかに、好ま
しい炭化水素基として、炭素数1〜4のアルキル基(例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、
炭素数7〜9のアラルキル基(例えばベンジル基、フェ
ネチル基、3−フェニルプロピル基、クロロベンジル
基、ジクロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベ
ンジル基、メトキシベンジル基、クロロ−メチル−ベン
ジル基等)及びアリール基(例えばフェニル基、トリル
基、キシリル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル
基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基等)、並び
に−COD1及び−COOD2(好ましいD1及びD2としては上記
好ましい炭化水素基として記載したものを挙げることが
できる)を挙げることができる。
式(IIa)において、B1は‐COO-とベンゼン環を結合
する単結合又は (n1は1〜3の整数を表わす)、-CH2OCO-、-CH2CH2OCO
-、 (n2は1または2の整数を表わす)、-CH2CH2O-等の如
き連結原子数1〜4個の連結基を表わす。
式(IIb)におけるB2はB1と同一の内容を表わす。
本発明の樹脂〔A′〕で用いられる式(IIa)または
(IIb)で示される繰り返し単位に相当する共重合成分
の具体例を以下に挙げる。しかし、本発明の範囲はこれ
らに限定されるものではない。
また、以下の各例において、T1及びT2は各々Cl、Br又
はIを示し、R11はCaH2a+1又は を示し、aは1〜4の整数を示し、bは0又は3の整数
を示し、cは1〜3の整数を示す。
本発明の樹脂〔A〕中に共重合される酸性基を含有す
る共重合成分は、例えば一般式(I)(一般式(II
a)、(IIb)も含む)で示される繰り返し単位に相当す
る単量体として共重合し得る該酸性基を含有するビニル
系化合物であればいずれでもよく、例えば、高分子学会
編「高分子データ・ハンドブック〔基礎編〕」培風館
(1986年)等に記載されている。具体的には、アクリル
酸、α及び/又はβ置換アクリル酸(例えばα−アセト
キシ体、α−アセトキシメチル体、α−(2−アミノ)
メチル体、α−クロロ体、α−ブロモ体、α−フロロ
体、α−トリブチルシリル体、α−シアノ体、β−クロ
ロ体、β−ブロモ体、α−クロロ−β−メトキシ体、
α,β−ジクロロ体等)、メタクリル酸、イタコン酸、
イタコン酸半エステル類、イタコン酸半アミド類、クロ
トン酸、2−アルケニルカルボン酸類(例えば2−ペン
テン酸、2−メチル−2−ヘキセン酸、2−オクテン
酸、4−メチル−2−ヘキセン酸、4−エチル−2−オ
クテン酸等)、マレイン酸、マレイン酸半エステル類、
マレイン酸半アミド類、ビニルベンゼンカルボン酸、ビ
ニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホ
スホン酸、ジカルボン酸類のビニル基又はアリル基の半
エステル誘導体、及びこれらのカルボン酸又はスルホン
酸のエステル誘導体、アミド誘導体の置換基中に該酸性
基を含有する化合物等が挙げられる。
該酸性基における において、Rは炭化水素基又はOR′基(R′は炭化水素
基を表わす)を表わし、R及びR′は好ましくは炭素数
1〜22の脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチル
基、2−メトキシエチル基、3−エトキシプロピル基、
アリル基、クロトニル基、ブテニル基、シクロヘキシル
基、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル
基、メチルベンジル基、クロロベンジル基、フロロベン
ジル基、メトキシベンジル基等)、又は置換されてもよ
いアリール基(例えば、フェニル基、トリル基、エチル
フェニル基、プロピルフェニル基、クロロフェニル基、
フロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロ−メチル
−フェニル基、ジクロロフェニル基、メトキシフェニル
基、シアノフェニル基、アセトアミドフェニル基、アセ
チルフェニル基、ブトキシフェニル基等)等を表わす。
また、環状酸無水物含有基とは、少なくとも1つの環
状酸無水物を含有する基であり、含有される環状酸無水
物としては、脂肪族ジカルボン酸無水物、芳香族ジカル
ボン酸無水物が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸無水物の例としては、コハク酸無
水物環、グルタコン酸無水物環、マレイン酸無水物環、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シクロ
ヘキサン−1,2−ジカルボン酸酸無水物環、シクロヘキ
セン−1,2−ジカルボン酸無水物環、2,3−ビシクロ〔2.
2.2〕オクタンジカルボン酸無水物環等が挙げられ、こ
れらの環は、例えば塩素原子、臭素原子等のハロゲン原
子、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基等のア
ルキル基等が置換されていてもよい。
又、芳香族ジカルボン酸無水物の例としては、フタル
酸無水物環、ナフタレン−ジカルボン酸無水物環、ピリ
ジン−ジカルボン酸無水物環、チオフェン−ジカルボン
酸無水物環等が挙げられ、これらの環は、例えば、塩素
原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ヒドロキシ
ル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基
(アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキ
シ基等)等が置換されていてもよい。
酸性基含有の共重合成分について例示する。ここで、
P1はH又はCH3を示し、P2はH、CH3又はCH2COOCH3を示
し、R12は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R13は炭素
数1〜6のアルキル基、ベンジル基又はフェニル基を示
し、cは1〜3の整数を示し、dは2〜11の整数を示
し、eは1〜11の整数を示し、fは2〜4の整数を示
し、gは2〜10の整数を示す。
また、本発明の樹脂〔A〕は、前記酸性基と同様の酸
性基から選ばれる少なくとも1種の酸性基を重合体主鎖
の末端に結合する。
樹脂〔A〕において、重合体の共重合成分中に含有さ
れる前記酸性基と重合体主鎖末端に結合する該酸性基と
は同一でも異なっていてもよい。樹脂〔A〕における重
合体主鎖の片末端に結合した酸性基において、好ましい
酸性基として、-PO3H2基、-SO3H基、‐COOH基、 環状酸無水物含有基を挙げることができる。
これらの酸性基は、重合体主鎖の末端に直接結合して
もよいし、連結基を介して結合してもよい。連結基とし
ては、いずれの結合する基でもよいが、例えば具体的に
挙げるとすれば、 (d1、d2は同じでも異なってもよく、各々水素原子、ハ
ロゲン原子(塩素原子、臭素原子等)、‐OH基、シアノ
基、アルキル基(メチル基、エチル基、2−クロロエチ
ル基、2−ヒドロキシエチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基等)、アラルキル基(ベンジル基、フェ
ネチル基等)、フェニル基等を表わす)、 (d3、d4はd1、d2と同一の内容を表わす)、 ‐O-、‐S-、 {d5は、水素原子、又は炭化水素基を表わす(炭化水素
基として具体的には炭素数1〜12の炭化水素基(例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−メトキシ
エチル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、
ベンジル基、メチルベンジル基、クロロベンジル基、メ
トキシベンジル基、フェネチル基、フェニル基、トリル
基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、ブチルフ
ェニル基等)が挙げられる)}、‐CO-、‐COO-、‐OCO
-、 -SO2-、‐NHCONH-、‐NHCOO-、-NHSO2-、‐CONHCOO-、
‐CONHCONH-、複素環(ヘテロ原子として、O、S、N
等を少なくとも1種含有する5〜6員環又はこれらの縮
合環であればいずれでもよい:例えば、チオフェン環、
ピリジン環、フラン環、イミダゾール環、ピペリジン
環、モルホリン環等が挙げられる)又は {d6、d7は同じでも異なってもよく、炭化水素基又は-O
d8(d8は炭化水素基)を表わす。これらの炭化水素基と
しては、d5で挙げたものと同一のものを挙げることがで
きる)等の結合基の単独又は、これらの組合せにより構
成された連結基等が挙げられる。
更に、結着樹脂〔A〕では、上記一般式(I)で示さ
れる共重合成分(一般式(IIa)又は(IIb)で示される
ものも含む)および酸性基を含有する共重合成分に加え
て、更に、熱及び/又は光硬化性官能基を含有する共重
合成分を1〜20重量%含有することが、より大きな機械
的強度を得る上で好ましい。
「熱及び/又は光硬化性官能基」とは、熱及び光のう
ちの少なくともいずれかにより樹脂の硬化反応を行なう
官能基をいう。
光硬化性官能基として具体的には、乾英夫、永松元太
郎、「感光性高分子」(講談社、1977年刊)、角田隆
弘、「新感光性樹脂」(印刷学会出版部、1981年刊)、
G.E.Green and B.P.Strak,J.Macro.Sci.Reas.Macro Che
m.,C21(2),187〜273(1981〜82)、C.G.Rattey,「Ph
otopolymirization of Surface Cootings」(A.Wiley I
nterScience Pub.1982年刊)、等の総説に引例された光
硬化性樹脂として従来公知の感光性樹脂等に用いられる
官能基が用いられる。
また本発明における「熱硬化性官能基」は、前記の酸
性基以外の官能基であって、例えば、遠藤剛、「熱硬化
性高分子の精密化」(C.M.C.(株)、1986年刊)、原崎
勇次「最新バインダー技術便覧」第II−I章(総合技術
センター、1985年刊)、大津隆行「アクリル樹脂の合成
・設計と新用途開発」(中部経営開発センター出版部、
1985年刊)、大森英三「機能性アクリル系樹脂」(テク
ノシステム、1985年刊)等の総説に引例の官能基を用い
ることができる。
例えば、‐OH基、‐SH基、-NH2基、-NHR3基〔R3は炭
化水素基を表わし、例えば炭素数1〜10の置換されても
よいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、2
−クロロエチル基、2−メトキシエチル基、2−シアノ
エチル基等)、炭素数4〜8の置換されてもよいシクロ
アルキル基(例えばシクロヘプチル基、シクロヘキシル
基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基
(例えばベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロ
ピル基、クロロベンジル基、メチルベンジル基、メトキ
シベンジル基等)、置換されてもよいアリール基(例え
ばフェニル基、トリル基、キシリル基、クロロフェニル
基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル
基等)が挙げられる〕、 -CONHCH2OR4〔R4は水素原子又は炭素数1〜8のアルキ
ル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基等)を表わす〕、‐N=
C=O基及び {d9、d10は、各々水素原子、ハロゲン原子(例えば塩
素原子、臭素原子等)又は炭素数1〜4のアルキル基
(例えばメチル基、エチル基等)を表わす}等を挙げる
ことができる。又該重合性二重結合基として、具体的に
はCH2=CH-、CH2=CH-CH2-、 CH2=CH-CONH-、 CH2=CH-NHCO-、CH2=CH-CH2-、NHCO-、CH2=CH-SO2-、
CH2=CH-CO-、CH2=CH-O-、CH2=CH-S-等を挙げること
ができる。
本発明において、結着樹脂に該硬化性官能基の群から
選択される官能基を少なくとも1種含有させる方法とし
て、重合体に高分子反応で導入する方法、又は該官能基
を1種又はそれ以上含有する1種又はそれ以上の単量体
と前記した一般式(I)(一般式(IIa)又は(IIb)も
含む)の繰り返し単位に相当する単量体及び「酸性基含
有の共重合体成分」に相当する単量体と共重合反応する
方法等により得られる。
高分子反応は、従来公知の低分子合成反応の方法をそ
のまま用いることができ、例えば、日本化学会編、「新
実験化学講座14巻、有機化合物の合成と反応〔1〕〜
〔V〕」、(丸善株式会社刊)、岩倉義男、栗田恵輔著
「反応性高分子」等の総説引例の公知文献等に詳細に記
載されている。
一方、該「光及び/又は熱硬化反応を行なう官能基」
を含有する単量体の例としては、例えば一般式(I)の
繰り返し単位に相当する単量体と共重合し得る、該官能
基を含有するビニル系化合物を挙げることができる。具
体的には、前記した「酸性基含有の化合物」と同様の化
合物の置換基中に該官能基を含有するもの等が挙げられ
る。「熱/光硬化性官能基」含有の繰り返し単位につい
て例示する。ここで、R11、a、d、eは前記と同様の
内容を示し、P1およびP3は各々H又はCH3を示し、R14
‐CH=CH2又は-CH2CH=CH2を示し、 R15は‐CH=CH2又は‐CH=CHCH3を示し、R16は‐CH=CH2、-CH2CH=C
H2又は を示し、ZはS又はOを示し、T3はOH又はNH2を示し、
hは1〜11の整数を示し、iは1〜10の整数を示す。
更に、本発明の樹脂〔A〕は、前記した一般式(I)
(一般式(IIa)および(IIb)も含む)の共重合体成分
に相当する単量体及び酸性基含有の単量体とともに、こ
れら以外の他の単量体を共重合成分として含有してもよ
い。
例えば、一般式(I)で説明した以外の置換基を含有
するメタクリル酸エステル類、アクリル酸エステル類、
クロトン酸エステル類に加え、α−オレフィン類、アル
カン酸ビニル又はアリルエステル類(例えばアルカン酸
として、酢酸プロピオン酸、酪酸、吉草酸等)、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルエーテル類、
イタコン酸エステル類(例えばジメチルエステル、ジエ
チルエステル等)、アクリルアミド類、メタクリルアミ
ド類、スチレン類(例えばスチレン、ビニルトルエン、
クロロスチレン、ヒドロキシスチレン、N,N−ジメチル
アミノメチルスチレン、メトキシカルボニルスチレン、
メタンスルホニルオキシスチレン、ビニルナフタレン
等)、複素環ビニル類(例えばビニルピロリドン、ビニ
ルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルチオフェン、
ビニルイミダゾリン、ビニルピラゾール、ビニルジオキ
サン、ビニルキノリン、ビニルテトラゾール、ビニルオ
キサジン等)等が挙げられる。
樹脂〔A〕において、重合体主鎖の片末端に該酸性基
を結合する方法としては、従来公知のアニオン重合ある
いはカチオン重合によって得られるリビングポリマーの
末端に種々の試薬を反応させる(イオン重合法による方
法)、分子中に特定の酸性基を含有した重合開始剤及び
/又は連鎖移動剤を用いてラジカル重合させる方法(ラ
ジカル重合法による方法)、あるいは以上の如きイオン
重合法もしくはラジカル重合法によって得られた末端に
反応性基(例えばアミノ基、ハロゲン原子、エポキシ
基、酸ハライド基等)含有の重合体を高分子反応によっ
て本発明の特定の酸性基に変換する方法等の合成法によ
って容易に製造することができる。
具体的には、P.Dreyfuss,R.P.Quirk,Encycl,Polym.Sc
i.Eng.,7,551(1987)、中條善樹、山下雄也「染料と薬
品」、30、232(1985)、上田明、永井進「科学と工
業」60、57(1986)等の総説及びそれに引用の文献等に
記載の方法によって製造することができる。
具体的には、用いる連鎖移動剤としては、例えば、該
酸性基あるいは、上記反応性基(即ち該酸性基に誘導し
うる基)を含有するメルカプト化合物(例えばチオグリ
コール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカ
プトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−
メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)
グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−〔N(2−
メルカプトエチル)カルバモイル〕プロピオン酸、3−
〔N−(2−メルカプトエチル)アミノ〕プロピオン
酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)アラニン、2
−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカプトプロパ
ンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、2−
メルカプトエタノール、1−メルカプト−2−プロパノ
ール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプトフ
ェノール−2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプ
トイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノール、
4−(2−メルカプトエチルオキシカルボニル)フタル
酸無水物、2−メルカプトエチルホスホノ酸、2−メル
カプトエチルホスホノ酸モノメチルエステル等)、ある
いは上記極性基又は置換基を含有するヨード化アルキル
化合物(例えばヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−
ヨードエタノール、2−ヨードエタンスルホン酸、3−
ヨードプロパンスルホン酸等)が挙げられる。好ましく
はメルカプト化合物が挙げられる。
該酸性基あるいは、特定の反応性基を含有する重合開
始剤としては、具体的には、4,4′−アゾビス(4−シ
アノ吉草酸)、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸ク
ロライド)、2,2′−アゾビス(2−シアノプロパノー
ル)、2,2′−アゾビス(2−シアノペンタノール)、
2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシ
エチル)−プロピオアミド〕、2,2′−アゾビス{2−
メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−
ヒドロキシエチル〕プロピオアミド}、2,2′−アゾビ
ス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダ
ゾリン−2−イル)プロパン}、2,2′−アゾビス〔2
−(2イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2′−
アゾビス〔2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジ
アゾピン−2−イル)プロパン〕等が挙げられる。
これらの連鎖移動剤あるいは重合開始剤は、各々全単
量体100重量部に対して0.5〜10重量部であり、好ましく
は2〜10重量部である。
次に本発明に供せられる樹脂〔B〕について説明す
る。
樹脂〔B〕は、前記した物性を満たし、一官能性マク
ロモノマー(M)と一般式(V)で示される単量体とを
少なくとも含有するグラフト型の共重合体から成る樹脂
である事を特徴とする。
樹脂〔B〕は、好ましくは重量平均分子量が3×104
以上の、グラフト型共重合体樹脂である。より好ましく
は重量平均分子量が5×104〜3×105である。
樹脂〔B〕のガラス転移点は好ましくは0℃〜120℃
の範囲、より好ましくは10℃〜90℃である。
一官能性マクロモノマー(M)は、一般式(III)で
示される重合性二重結合基を、一般式(IVa)又は(IV
b)で示される重合体成分を少なくとも1種含有する重
合体主鎖の一法の末端にのみ結合して成る、重量平均分
子量2×104以下のものである。
一般式(III)、(IVa)及び(IVb)において、c1、c
2、V0、d1、d2、V1、Q41及びQ40に含まれる炭化水素基
は各々示された炭素数(未置換の炭化水素基としての)
を有するが、これら炭化水素基は置換基を有していても
よい。
マクロモノマー(M)を示す一般式(III)におい
て、V0は、‐COO-、‐OCO-、-CH2OCO-、-CH2COO-、‐O
-、-SO2-、‐CO-、‐CONHCOO-、‐CONHCONH-、-CONHSO2
-、 を表わす。ここでP0は、水素原子のほか、好ましい炭化
水素基としては、炭素数1〜18の置換されてもよいアル
キル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2
−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエ
チル基:2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシ
エチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜18の
置換されてもよいアルケニル基(例えば、2−メチル−
1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル
基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル
基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル
−2−ヘキセニル基等)、炭素数7〜12の置換されてい
てもよいアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチ
ル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2
−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジ
ル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシ
ベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル
基等)、炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基(例
えば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル
基、2−シクロペンチルエチル基等)又は、炭素数6〜
12の置換されてもよい芳香族基(例えば、フェニル基、
ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル
基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシル
フェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル
基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、ク
ロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル
基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシ
カルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル
基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミドフェ
ニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデシロイルアミ
ドフェニル基等)が挙げられる。
V0を表わす場合、ベンゼン環は、置換基を有してもよい。
置換基としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素
原子等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、クロロメチル基、メトキシメチル
基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ
基、プロピオキシ基、ブトキシ基等)等が挙げられる。
c1及びc2は、互いに同じでも異なっていてもよく、好
ましくは水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、
臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等)、‐COO-Z31又は炭化水素を介した‐COO-Z31(Z31
は、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、アルケニ
ル基、アラルキル基、脂環式基又はアリール基を表わ
し、これらは置換されていてもよく、具体的には、上記
P0について説明したものと同様の内容を表わす)を表わ
す。
上記炭化水素を介した‐COO-Z31基における炭化水素
としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が
挙げられる。
更に好ましくは、一般式(III)において、V0は、‐C
OO-、‐OCO-、-CH2OCO-、-CH2COO-、‐O-、‐CONHCOO
-、‐CONHCONH-、‐CONH-、-SO2NH-又は を表わし、c1、c2は互いに同じでも異なってもよく、水
素原子、メチル基、‐COO-Z31又は-CH2COOZ31(Z31は、
水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等)
を表わす。更により好ましくはc1、c2においていずれか
一方が必ず水素原子を表わす。
即ち、一般式(III)で表わされる重合性二重結合基
として、具体的には、 等が挙げられる。
一般式(IVa)において、V1は式(III)中のV0と同一
の内容を表わす。
d1、d2は互いに同じでも異なってもよく、式(III)
中のc1、c2と同一の内容を表わす。
Q41は、炭素数1〜18の脂肪族基又は炭素数6〜12の
芳香族基を表わす。
具体的には、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキ
ル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデ
シル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2
−ヒドロキシルエチル基、2−メトキシエチル基、2−
エトキシエチル基、2−シアノエチル基、3−クロロプ
ロピル基、2−(トリメトキシシリル)エチル基、2−
テトラヒドロフリル基、2−チエニルエチル基、2−N,
N−ジメチルアミノエチル基、2−N,N−ジエチルアミノ
エチル基等)、炭素数5〜8のシクロアルキル基(例え
ばシクロペチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル
基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基
(例えばベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロ
ピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、ク
ロロベンジル基、ブロモベンジル基、ジクロロベンジル
基、メチルベンジル基、クロロ−メチル−ベンジル基、
ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、メトキシ
ベンジル基等)等の脂環族基が挙げられる。
更に炭素数6〜12の置換されてもよいアリール基(例
えばフェニル基、トリル基、キシリル基、クロロフェニ
ル基、ブロモフェニル基、ジクロロフェニル基、クロロ
−メチル−フェニル基、メトキシフェニル基、メトキシ
カルボニルフェニル基、ナフチル基、クロロナフチル基
等)等の芳香族基が挙げられる。
式(IVa)において好ましくは、V1は‐COO-、‐OCO
-、-CH2COO-、-CH2OCO-、‐O-、‐CO-、‐CONHCOO-、‐
CONHCONH-、‐CONH-、-SO2NH-、又は を表わす。
d1、d2の好ましい例は、前記したc1、c2と同様の内容
を表わす。
式(IVb)において、Q40は、‐CN、-CONH2又は を表わし、Tは水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原
子、臭素原子基等)、炭化水素基(例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、クロロメチル基、フェ
ニル基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキ
シ基等)又は‐COO-Z32(Z32は好ましくは炭素数1〜8
のアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基又はアリー
ル基を表わす)を表わす。
マクロモノマー(M)は、式(IVa)又は(IVb)で示
される重合体成分を2種以上含有していてもよい。又式
(IVa)においてQ41が脂肪族基の場合、炭素数6〜12の
脂肪族基は、マクロモノマー(M)中の全重合体成分中
の20重量%を越えない範囲で用いることが好ましい。
更には、一般式(IVa)におけるV1が‐COO-である場
合には、マクロモノマー(M)中の全重合体成分中、式
(IVa)で示される重合体成分が少なくとも30重量%以
上含有されることが好ましい。
さらに、一官能性マクロモノマー(M)は、式(IV
a)及び/又は(IVb)で示される共重合体成分とともに
第3の共重合成分として、特定の極性基(‐COOH基、-P
O3H2基、-SO3H基、‐OH基、 −CHO基、酸無水物含有基)を含有していてもよい(マ
クロモノマー(M′))。かかる極性基含有成分として
は、前記(IVa)又は(IVb)の共重合体成分と共重合し
得る上記酸性基を含有するビニル系化合物であればいず
れでも用いることができる。例えば、高分子学会編「高
分子データ・ハンドブック〔基礎編〕」培風館(1986
刊)等に記載されている。具体的には、アクリル酸、α
及び/又はβ置換アクリル酸(例えばα−アセトキシ
体、α−アセトキシメチル体、α(2−アミノメチル
体、α−クロロ体、α−ブロモ体、α−フロロ体、α−
トリブチルシリル体、α−シアノ体、β−クロロ体、β
−ブロモ体、α−クロロ体、β−メシキシ体、α,β−
ジクロロ体等)、メタクリル酸、イタコン酸、イタコン
酸半エステル類、イタコン酸半アミド類、クロトン酸、
2−アルケニルカルボキシ酸類(例えば2−ペンテン
酸、2−メチル−2−ヘキセン酸、2−オクテン酸、4
−メチル−2−ヘキセン酸、4−エチル−2−オクテン
酸等)、マレイン酸、マレイン酸半エステル類、マレイ
ン酸半アミド類、ビニルベンゼンカルボン酸、ビニルベ
ンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホ
酸、ジカルボン酸類、アルコール類のビニル基又はアリ
ル基の半エステル誘導体、及びこれらのカルボン酸又は
スルホン酸のエステル誘導体、アミド誘導体の置換基中
に該酸性基を含有する化合物等が挙げられる。
においてR′は前記Rと同一の内容を表わし、酸無水物
含有基についても前記の通りである。
OH基としては、ビニル基又はアリル基含有のアルコー
ル類(例えばアリルアルコート、メタクリル酸エステ
ル、アクリルアミド等のエステル置換基、N−置換基中
に−OH基を含有する化合物等)、ヒドロキシフェノール
又はヒドロキシフェニル基を置換基として含有するメタ
クリル酸エステルもしくはアミド類を挙げることができ
る。
例えば以下に挙げられる単量体が例として示される
が、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
ここで、以下の各例において、Q1は‐H、-CH3、‐C
l、‐Br、‐CN、-CH2COOCH3又は-CH2COOHを示し、Q2
‐H又は-CH3を示し、jは2〜18の整数を示し、kは2
〜5の整数を示し、hは1〜4の整数を示し、mは1〜
12の整数を示す。
(iv-15) CH2=CH−CH2OCO(CH2)mCOOH (iv-16) CH2=CHCH2 hCOOH (iv-49) CH2=CHCH2 hOH (iv-52) CH2=CHCH2 hOCO(CH2 jOH マクロモノマー(M′)中の全重合体成分中、該極性基
を含有する共重合体成分として含有される量は、全重合
体成分100重量部当り好ましくは0.5〜50重量部、より好
ましくは1〜40重量部である。
これら極性基含有のランダム共重合体から構成される
一官能性マクロモノマー(M′)が共重合成分として樹
脂〔B〕中に含有された時に、樹脂〔B〕中の全グラフ
ト部に含有される該極性基の含有成分の総量は、樹脂
〔B〕中の全重合体成分100重量部当り0.1〜10重量部含
有される事が好ましい。更に好ましくは、‐COOH基、-S
O3H基及び-PO3H2基から選ばれる極性基を含有する場合
には、樹脂〔B〕中、グラフト部に存在する総量は0.1
〜5重量%である。
マクロモノマー(M)は、上記以外の共重合成分を含
有していてもよく、式(IVa)及び/又は(IVb)で示さ
れる繰り返し単位及び任意の上記極性基含有繰り返し単
位とともに共重合されうる繰り返し単位に相当する単量
体として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリルアミド類、メタクリルアミド類、スチレン及びそ
の誘導体(例えばビニルトルエン、クロロスチレン、ジ
クロロスチレン、ブロモスチレン、ヒドロキシメチルス
チレン、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン等)、複
素環ビニル類(例えばビニルピリジン、ビニルイミダゾ
ール、ビニルピロリドン、ビニルチオフェン、ビニルピ
ラゾール、ビニルジオキサン、ビニルオキサジン等)等
が挙げられる。
これら他の単量体が含有される場合には、マクロモノ
マー(M)(以下特にことわらない限りマクロモノマー
(M′)も含む)の全重合体成分100重量部当り1〜20
重量部であることが好ましい。
本発明の樹脂〔B〕において供されるマクロモノマー
(M)は、上述の如き、一般式(IVa)及び/又は(IV
b)で示される繰返し単位及び任意の前記極性基を含有
する繰り返し単位から成る重合体主鎖の一方の末端にの
み、一般式(III)で示される重合性二重結合基が、直
接結合するか、あるいは、任意の連結基で結合された化
学構造を有するものである。式(III)成分と式(IVa)
もしくは(IVb)成分又は極性基含有成分とを連結する
基としては、炭素−炭素結合(一重結合あるいは二重結
合)、炭素−ヘテロ原子結合(ヘテロ原子としては例え
ば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、ケイ素原子
等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合の原子団の任意の組
合せで構成されるものである。
本発明のマクロモノマー(M)のうち好ましいものは
式(IVa)又は(IVb)で示される如きものである(但
し、マクロモノマー(M)に含まれ得る任意の極性基含
有成分については示していない)。
式(IVa)又は(IVb)中、c1、c2、d1、d2、V0、V1
Q41、Q40は各々、式(III)、式(IVa)及び式(IVb)
において説明したものと同一の内容を表わす。
W0は、単なる結合または、 〔h1、h2は、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ヒドロキシ
ル基、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基等)等を示す〕、CH=CH、 −O−、−S−、 −COO−、−SO2−、 −NHCOO−、−NHCONH−、 [h3、h4は各々水素原子、前記式(IVa)におけるQ1
同様の内容を表わす炭化水素基を示す]等の原子団から
選ばれた単独の連結基もしくは任意の組合せで構成され
た連結基を表わす。
マクロモノマー(M)の重量平均分子量が2×104
超えると、式(V)で示されるモノマーとの共重合性が
低下する。他方、分子量が小さすぎると感光層の電子写
真特性の向上効果が小さくなるので、1×103以上であ
ることが好ましい。
本発明において樹脂〔B〕に供されるマクロモノマー
(M)は、従来公知の合成方法によって製造することが
できる。
マクロモノマー(M)の重合体主鎖中に前記の極性基
含有成分を含有しない場合には、例えば、アニオン重合
あるいはカチオン重合によって得られるリビングポリマ
ーの末端に種々の試薬を反応させてマクロマーとするイ
オン重合法による方法、分子中に、カルボキシル基、ヒ
ドロキシル基、アミノ基等の反応性基を含有した重合開
始剤及び/又は連鎖移動剤を用いて、ラジカル重合して
得られる末端反応性基結合のオリゴマーと種々の試薬を
反応させてマクロマーにするラジカル重合法による方
法、重付加あるいは重縮合反応により得られたオリゴマ
ーに上記ラジカル重合方法と同様にして、重合性二重結
合基を導入する重付加縮合法による方法等が挙げられ
る。
具体的には、P.Dreyfuss & R.P.Quirk,Encycl.Poly
m.Sci.Eng.,7,551(1987),P.F.Rempp,E.Franta,Adv.Po
lym.Sci.,58,1(1984),V.Perce,Appl.Polym.Sci.,285,
95(1984),R.Asami,M.TakaRi,Makvamol.Chem.Suppl.,1
2,163(1985),P.Rempp et al,Makvamol.Chem.Suppl.,
8,3(1984),川上雄資、化学工業、38,56(1987)、山
下雄也、高分子、31,988(1982),小林四郎、高分子、
30,625(1981)、東村敏延、日本接着協会誌18,526(19
82)、伊藤浩一、高分子加工、35,262(1986)、東貴四
郎、津田隆、機能材料、1987 No.10,5等の総説及びそれ
に引例の文献・特許等に記載の方法に従って合成するこ
とができる。
本発明のマクロモノマー(M)(特定の極性基含有成
分を含有しないもの)は、具体的には、下記の化合物を
例として挙げることができる。但し、本発明の範囲は、
これらに限定されるものではない。
但し、以下の各例において、p1は‐H又は-CH3を示
し、p2は‐H、-CH3又は-CH2COOCH3を示し、R31は-CrH
2r+1、-CH2C6H5、-C6H5又は を示し、R32は-CrH2r+1、CH2 SC6H5又は を示し、R33は-CrH2r+1、-CH2C6H5又は-C6H5を示し、R
34は-CrH2r+1又は-CH2C6H5を示し、R35は-CrH2r+1、CH2
C6H5又は を示し、R36は、-CrH2r+1を示し、R37は-CrH2r+1、CH2C
6H5又は を示しし、R38は-CrH2r+1、CH2C6H5又は を示し、V1は-COOCH3、-C6H5又は−CNを示し、V2は-OCr
H2r+1、-OCOCrH2r+1、-COOCH3、-C6H5又は−CNを示し、
V3は-COOCH3、-C6H5又は−CNを示し、V4は-OCOCrH2r+1、−CN、-CONH2又は-
C6H5を示し、V5は−CN、-CONH2又は-C6H5を示し、V6は-
COOCH3、-C6H5又は を示し、T1は−CH3、−Cl、−Br又は−OCH3を示し、T2
は−CH3、−Cl又は−Brを示し、T3は−H、−Cl、−B
r、−CH3、−CN又は-COOCH3を示し、T4は−CH3、−Cl又
は−Brを示し、T5は−Cl、−Br、−F、−OH又は−CNを
示し、T6は−H、−CH3、−Cl、−Br、−OCH3又は−COO
CH3を示し、rは1〜18の整数を示し、sは1〜3の整
数を示し、tは2〜4の整数を示す。
(p1は同じでも異なってもよい、以下同じ) 本発明に供され得る特定の酸性基含有成分を共重合成
分として含有するマクロモノマー(M′)も、従来公知
の合成法によって製造することができる。具体的には、
分子中に、カルボキシル基、カルボキシハライド基、ヒ
ドロキシル基、アミノ基、ハロゲン原子、エポキシ基等
の反応性基を含有した重合開始剤及び/又は連鎖移動剤
を用いて、ラジカル重合して得られる末端反応性基結合
のオリゴマーと種々の試薬を反応させて、マクロモノマ
ーにするラジカル重合法による方法等により合成され
る。
具体的には、P.Dreyfuss & R.P.Quirk、Encycl.Poly
m.Sci.Eng.、7、551(1987)、P.F.Rempp、E.Franta、A
du.Polym.Sci.58、1(1984)、川上雄資、化学工業、3
8、56(1987)、山下雄也、高分子、31、988(1982)、
小林四郎、高分子、30、伊藤浩一、高分子加工、35、26
2(1986)、東貴四郎、津田隆、機能材料、1987 No.10,
5等の総説及びそれに引例の文献・特許等に記載の方法
に従って合成することができる。
但し、本発明のマクロモノマー(M′)は、その繰り
返し単位の成立として酸性性基を含有している事から、
合成上、例えば次の配慮をして合成される。
その1つの方法としては、例えば下記反応式(I)で
示される様に、該酸性基を保護した官能基の形で含有す
る単量体を用いて上記の方法でラジカル重合及び末端反
応性基を導入するものである。
本発明に供せられるマクロモノマー(M′)中にラン
ダムに含有される該極性基(-SO3H基、-PO3H2基、‐COO
H基、 ‐OH基、−CHO基、酸無水物含有基)の保護基反応及び
脱保護反応(例えば加水分解反応、加水素分解反応、酸
化分解反応等)については、従来公知の方法により行な
うことができる。具体的には、J.F.W.McOmie、“Protec
tive Gvoups in Organic Chemistry"、Plenum Press(1
973年)、T.W.Greene、“Protective Gvoups in Organi
c Synthesis"、John Wiley & Sous(1981年)、小田良
平「高分子ファインケミカル」講談社(1976年)、岩倉
義男、栗田恵輔「反応性高分子」講談社(1977年)、G.
Berner etal、J.Radiation Curing、1986、No.10、P1
0、特開昭62-212669号、特開昭62-286064号、特開昭62-
210475号、特開昭62-195684号、特開昭62-258476号、特
開昭63-260439号、特願昭62-220510号、特願昭62-22669
2号等に記載の方法を用いて合成する事ができる。
他の1つの方法としては、例えば下記反応式(II)で
示される様に、前記の様にしてオリゴマーを合成した
後、オリゴマーの片末端に結合した「特性の反応性基」
とオリゴマー中に含有される該酸性基との反応性の差を
利用して、「特定の反応性」とのみ反応する重合二重結
合性基含有の試薬と反応させることで合成する方法であ
る。
反応式(II)に示した様に、各特定の官能基の組合せ
についての具体例を表−Bに示すと次の如くなる。しか
し、本発明はこれらに限定されるものでなく、重要なこ
とは通常の有機化学反応における反応の選択性を利用す
ることで、オリゴマー中の該酸性基を保護することなく
マクロモノマー化が達成されればよいものである。
用いることのできる連鎖移動剤としては、例えば該極
性基あるいは、後に該極性基に誘導しうる置換基含有の
メルカプト化合物(例えばチオグリコール酸、チオリン
ゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、
3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N
−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メル
カプトニコチン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチ
ル)カルバモイル〕プロピオン酸、3−〔N−(2−メ
ルカプトエチル)アミノ〕プロピオン酸、N−(3−メ
ルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタ
ンスルホン酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4
−メルカプトブタンスルホン酸、2−メルカプトエタノ
ール、3−メルカプト−1,2-プロパンジオール、1−メ
ルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−ブ
タノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチ
ルアミン、2−メカルプルイミダゾール、2−メルカプ
ト−3−ピリジノール等)又はこれらメルカプト化合物
の酸化体であるジスルフィド化合物、あるいは上記極性
基又は置換基含有のヨード化アルキル化合物(例えばヨ
ード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノー
ル、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパン
スルホン酸等)等が挙げられる。好ましくはメルカプト
化合物が挙げられる。
用いることのできる特定の反応性基含有の重合開始剤
としては、例えば、2,2′−アゾビス(2−シアノプロ
パノール)、2,2′−アゾビス(2−シアノペンタノー
ル)、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、4,4′−
アゾビス(4−シアノ吉草酸クロライド)、2,2′−ア
ゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イ
ル)プロパン〕、2,2′−アゾビス〔2−(2−イミダ
ゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2′−アゾビス〔2
−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プ
ロパン〕、2,2′−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロ
キシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパ
ン}、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒド
ロキシエチル)−プロピオンアミド〕等又はこれらの誘
導体等が挙げられる。
これら連鎖移動剤あるいは重合開始剤は、各々全単量
体100重量部に対して0.1〜15重量%であり、好ましくは
0.5〜10重量%である。
本発明のマクロモノマー(M′)は、具体的には、下
記の化合物を例として挙げることができる。但し、本発
明の範囲は、これらに限定されるものではない。また、
以下の各例において、Q2は‐H又はCH3を示し、Q3は‐
H、-CH3又は-CH2COOCH3を示し、R41は-CnH2n+1(nは
1〜18の整数を示す)、 -CH2C6H5(Y1、Y2は各々‐H、‐Cl、‐Br、-CH3、-COCH3又は-C
OOCH3を示す)、 を示し、 W1は‐CN、-OCOCH3、-CONH2又は-C6H5を示し、W2は‐C
l、‐Br、‐CN又は-OCH3を示し、αは2〜18の整数を示
し、βは2〜12の整数を示し、γは2〜4の整数を示
す。
前記したマクロモノマー(M)と共重合する単量体
は、一般式(V)で示される。式(V)において、e1
e2は、互いに同じでも異なってもよく、式(III)の
c1、c2と同一の内容を表わす。V2は式(IVa)のV1と、Q
2は式(IVa)のQ1と各々同一の内容を表わす。
更に、本発明の樹脂〔B〕は、前記したマクロモノマ
ー(M)(マクロモノマー(M′)も含む)及び一般式
(V)の単量体とともに、これら以外の他の単量体を共
重合成分として含有してもよい。具体的には、樹脂
〔A〕で他の重合体成分として例示したと同様の化合物
の他、酸性基を含有するビニル系化合物を挙げることが
できる。
樹脂〔B〕におて、マクロモノマー(M)を繰り返し
単位とする共重合成分と、一般式(V)で示される単量
体を繰り返し単位とする共重合成分の組成比は、1〜80
/99〜20(重量組成比)であり、好ましくは5〜60/95〜
40重量組成比である。
上記の酸性基を含有するビニル系化合物としては、例
えば、高分子学会編「高分子データ・ハンドブック〔基
礎編〕」培風館(1986年)等に記載されている。具体的
には、アクリル酸、α及び/又はβ置換アクリル酸(例
えばα−アセトキシ体、α−アセトキシメチル体、α−
(2−アミノ)メチル体、α−クロロ体、α−ブロモ
体、α−フロロ体、α−トリブチルシリル体、α−シア
ノ体、β−クロロ体、β−ブロモ体、α−クロロ−、β
−メトキシ体、α,β−ジクロロ体等)、メタクリル
酸、イタコン酸、イタコン酸半エステル類、イタコン酸
半アミド類、クロトン酸、2−アルケニルカルボン酸類
(例えば2−ペンテン酸、2−メチル−2−ヘキセン
酸、2−オクテン酸、4−メチル−2−ヘキセン酸、4
−エチル−2−オクテン酸等)、マレイン酸、マレイン
酸半エステル類、マレイン酸半アミド類、ビニルベンゼ
ンカルボン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルスル
ホン酸、ビニルホスホン酸、ジカルボン酸類、ビニル基
又はアリル基の半エステル誘導体、及びこれらのカルボ
ン酸又はスルホン酸のエステル誘導体、アミド誘導体の
置換基中に該酸性基を含有する化合物等が挙げられる。
樹脂〔B〕における他の共重合成分として、「酸性基
を含有するビニル系化合物」を繰り返し単位として含有
する場合、該酸性基含有共重合成分は共重合体〔B〕中
の10重量%を超えない事が好ましい。
該酸性基含有成分が10重量%を超えると、無機光導電
体粒子との相互作用が著しくない、感光体表面の平滑性
が阻害され、結果として、電子写真特性(特に、帯電
性、暗中電荷保持性)が悪化してしまう。
更に、樹脂〔B〕は、樹脂〔A〕に含有してもよい
「架橋し得る(架橋性)官能基を含有する共重合成分」
と同様の成分を含有してもよく、その含有量は0.1〜20
重量%が好ましい。
更に、本発明の好ましい態様として用いることのでき
る樹脂〔B′〕は、一般式(V)で示される繰り返し単
位を少なくとも1種及びマクロモノマー(M)(マクロ
モノマー(M′)も含む)で示される繰り返し単位を少
なくとも1種含有する重合体主鎖の片末端にのみ、-PO3
H2基、-SO3H基、‐COOH基、‐OH基、‐SH基及び (R0′は前記Rと同様の内容、即ち炭化水素基又は‐O
R′(R′は炭化水素基を示す)基を表わす}から選ば
れる少なくとも一つの酸性基を結合して成る重合体であ
る。
ここで、R0′において表される炭化水素基としては、
炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル基(例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル
基、オクタデシル基、2−メトキシエチル基、3−メト
キシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチ
ル基等)、炭素数7〜9の置換されてもよいアラルキル
基(例えばベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプ
ロピル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、メ
トキシベンジル基、クロロベンジル基等)、炭素数5〜
8の脂環式基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基等)、炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族基
(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチ
ル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、アルコキ
シフェニル基(アルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、
ノニル基、デシル基、ドデシル基等)、アセトキシフェ
ニル基、メチル−クロロ−フェニル基、プロピルフェニ
ル基、ブチルフェニル基、デシルフェニル基等)等が挙
げられる。
又、上記酸性基を重合体主鎖の片末端に結合する場合
には、重合体主鎖中にカルボキシル基、スルホ基、ヒド
ロキシル基、ホスホノ基の極性基を含有する共重合成分
を含有しないことが好ましい。
樹脂〔B′〕において、上記酸性基は重合体主鎖の一
方の末端に直接結合するか、あるいは任意の連結基を介
して結合した化学構造を有する。
これらの具体的な主鎖への結合基としては、樹脂
〔A〕の内容と同様の例が挙げられる。
樹脂〔B′〕において、重合体のマクロモノマー
(M′)成分中に含有され得る前記酸性基と重合体主鎖
末端に結合する該酸性基とは同一でも異なっていてもよ
い。
本発明に供される樹脂〔B〕において、重合体主鎖の
末端に該酸性基を結合して成る樹脂〔B′〕を合成する
には、前記した各々の単量体の重合時に該酸性基又はこ
れに誘導できる特定の反応基を分子中に含有した重合開
始剤又は連鎖移動剤を併用することで達成され、具体的
には樹脂〔A〕の合成と同様の方法で得ることができ
る。但し、樹脂の重量平均分子量は、重合反応において
従来公知の如く、重合開始剤・連鎖移動剤の種類・使用
量、重合温度、単量体の濃度、重合溶媒等を適宜調節す
ることで所定の範囲内に設定することができる。
本発明に用いる樹脂〔A〕と樹脂〔B〕の使用量の割
合は5〜60対95〜40(重量比)であり、好ましくは10〜
50対90〜50(重量比)である。
また、本発明において樹脂〔A〕及び/又は樹脂
〔B〕が光及び/又は熱硬化性官能基を含有する場合に
は、膜中での架橋を促進させるために架橋剤を併用して
もよい。用いられる架橋剤としては、通常架橋剤として
用いられる化合物を使用することができる。具体的に
は、前述の高次の網目構造を有する網目親水性樹脂粒子
を製造するのに使用したものと同様の化合物を用いるこ
とができる。
本発明の結着樹脂において用いられる架橋剤の使用量
は全結着樹脂量に対し0.5〜30重量%、特に1〜10重量
%であることが好ましい。
本発明では、感光層膜中での架橋反応を促進させるた
めに、結着樹脂に必要に応じて反応促進剤を添加しても
よい。
架橋反応が官能基間の化学結合を形成する反応様式の
場合には、例えば有機酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、
ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)等が
挙げられる。
架橋反応が重合性反応様式の場合には、重合開始剤
(過酸化物、アゾビス系化合物等が挙げられ、好ましく
は、アゾビス系重合開始剤である)、多官能重合性含有
の単量体(例えばビニルメタクリレート、アリルメタク
リレート、エチレングリコールアクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、ジビニルコハク酸エス
テル、ジビニルアジピン酸エステル、ジアリルコハク酸
エステル、2−メチルビニルメタクリレート、ジビニル
ベンゼン等)等が挙げられる。
更に、本発明では、本発明の樹脂以外の他の樹脂を併
用させることもできる。それらの樹脂としては、例え
ば、アルキッド樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリオレフ
ィン類、エチレン−酢ビ共重合体、スチレン樹脂、スチ
レン−ブタジエン樹脂、アクリレートブタジエン樹脂、
アルカン酸ビニル樹脂等が挙げられる。
上記他の樹脂は、本発明の樹脂を用いた全結着樹脂量
の30%(重量比)を越えると本発明の効果(特に静電特
性の向上)が失われる。
本発明の結着樹脂は、樹脂〔A〕及び/又は樹脂
〔B〕にて光及び/又は熱硬化性官能基を含有する場合
には、感光層形成物を塗布した後、架橋又は熱硬化され
る。架橋又は熱硬化を行なうためには、例えば、乾燥条
件を従来の感光体作製時の乾燥条件より厳しくする。例
えば、乾燥条件を高温度及び/又は長時間とする。ある
いは塗布溶剤の乾燥後、更に加熱処理することが好まし
い。例えば60〜120℃で5〜12分間処理する。上述の反
応促進剤を併用すると、より穏やかな条件で処理するこ
とができる。
本発明に使用する無機光導電材料は、光導電性酸化亜
鉛である、が、更に他の無機光導体として酸化チタン、
硫化亜鉛、硫化カドミウム、炭酸カドミウム、セレン化
亜鉛、セレン化カドミウム、セレン化テルル、硫化鉛等
を併用してもよい。
本発明において光導電性酸化亜鉛に対して用いる結着
樹脂の総量は、光導電体100重量部に対して、結着樹脂
を10〜100重量部なる割合、好ましくは15〜50重量部な
る割合で使用する。
本発明では、必要に応じて各種の色素を分光増感剤と
して併用することができる。例えば、宮本晴視、武井秀
彦、イメージング1973(No.8)第12頁、C.J.Young等,RC
A Review 15,469(1954),清田航平等、電気通信学会
論文誌J 63-C(No.2),97(1980)、原崎勇次等、工業
化学雑誌66 78及び188(1963)、谷忠昭、日本写真学会
35,208(1972)等の総説引例のカーボニウム系色素、
ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサ
ンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメチン色素(例
えば、オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン
色素、ロダシアニン色素、スチリル色素等)、フタロシ
アニン色素(金属含有してもよい)等が挙げられる。
更に具体的には、カーボニウム系色素、トリフェニル
メタン色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を中
心に用いたものとしては、特公昭51-452号、特開昭50-9
0334号、特開昭50-114227号、特開昭53-39130号、特開
昭53-82353号、米国特許第3,052,540号、米国特許第4,0
54,450号、特開昭57-16456号等に記載のものが挙げられ
る。
オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素としては、F.
M.Harmmar「The Cyanine Dyes and Related Compound
s」等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的に
は、米国特許第3,047,384号、米国特許第3,110,591号、
米国特許第3,121,008号、米国特許第3,125,447号、米国
特許第3,128,179号、米国特許第3,132,942号、米国特許
第3,622,317号、英国特許第1,226,892号、英国特許第1,
309,274号、英国特許第1,405,898号、特公昭48-7814
号、特公昭55-18892号等に記載の色素が挙げられる。
更に、700nm以上の長波長の近赤外〜赤外光域を分光
増感するポリメチン色素として、特開昭47-840号、特開
昭47-44180号、特開昭51-41061号、特開昭49-5034号、
特開昭49-45122号、特開昭57-46245号、特開昭56-35141
号、特開昭57-157254号、特開昭61-26044号、特開昭61-
27551号、米国特許第3,619,154号、米国特許第4,175,95
6号、「Research Disclosure」1982年、216、第117〜11
8頁等に記載のものが挙げられる。本発明の感光体は種
々の増感色素を併用させても、その性能が増感色素によ
り変動しにくい点において優れている。更には、必要に
応じて、化学増感剤等の従来知られている電子写真感光
層用各種添加剤を併用することもできる。例えば、前記
した総説:イメージング1973(No.8)第12頁等の総説引
例の電子受容性化合物(例えば、ハロゲン、ベンゾキノ
ン、クロラニル、酸無水物、有機カルボン酸等)、小門
宏等、「最近の光導電材料と感光体の開発・実用化」第
4章〜第6章:日本科学情報(株)出版部(1986年)の
総説引例のポリアリールアルカン化合物、ヒンダートフ
ェノール化合物、pポリフェニレンジアミン化合物等が
挙げられる。
これら各種添加剤の添加量は、特に限定的ではない
が、通常光導電体100重量部に対して0.0001〜2.0重量部
である。
光導電層の厚さは1〜100μ、特には10〜50μが好適
である。
また、電荷発生層と電荷輸送層の積層型感光体の電荷
発生層として光導電層を使用する場合は電荷発生層の厚
さは0.01〜1μ、特には0.05〜0.5μが好適である。
感光体の保護および耐久性、暗減衰特性の改善等を主
目的として絶縁層を付設させる場合もある。この時は絶
縁層は比較的薄く設定され、感光体を特定の電子写真プ
ロセスに用いる場合に設けられる絶縁層は比較的厚く設
定される。
後者の場合、絶縁層の厚さは、5〜70μ、特には、10
〜50μに設定される。
積層型感光体の電荷輸送材料としてはポリビニルカル
バゾール、オキサゾール系色素、ピラゾリン系色素、ト
リフェニルメタン系色素などがある。電荷輸送層の厚さ
としては5〜40μ、特には10〜30μが好適である。
絶縁層あるいは電荷輸送層の形成に用いる樹脂として
は、代表的なものは、ポリスチレン樹脂、ポリエステル
樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル
樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩ビ−酢ビ共重合体樹脂、ポリ
アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂の熱可塑性樹
脂及び硬化性樹脂が適宜用いられる。
本発明による光導電層は、従来公知の支持体上に設け
ることができる。一般に云って電子写真感光層の支持体
は、導電性であることが好ましく、導電性支持体として
は、従来と全く同様、例えば、金属、紙、プラスチック
シート等の基体に低抵抗性物質を含浸させるなどして導
電処理したもの、基体の裏面(感光層を設ける面と反対
面)に導電性を付与し、更にはカール防止を図る等の目
的で少なくとも1層以上をコートしたもの、前記支持体
の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体の表面
層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコート層が
設けられたもの、Al等を蒸着した基体導電化プラスチッ
クを紙にラミネートしたもの等が使用できる。
具体的に、導電性基体あるいは導電化材料の例とし
て、坂本幸男、電子写真、14、(No.1)、p2〜11(197
5)、森賀弘之、「入門特殊紙の化学」高分子刊行会(1
975),M.F.Hoover,J.Macromol.Sci.Chem.A−4(6)、
第1327〜1417頁(1970)等に記載されているもの等を用
いる。
以上の本発明の電子写真式平版印刷用原版を用いて平
版印刷版を作製するには公知の方法が適用できる。即
ち、暗所で実質的に一様に帯電し、画像露光により静電
潜像を形成する。露光方法としては、半導体レーザ、He
−Neレーザ等による走査露光あるいはキセノンランプ、
タングステンランプ、蛍光灯等を光源として反射画像露
光、透明陽画フィルムを通した密着露光などが挙げられ
る。次に上記静電潜像をトナーによって現像する。現像
法としては従来公知の方法、例えば、カスケード現象、
磁気ブラシ現像、パウダークラウド現像、液体現像など
の各種の方法を用いることが出来る。なかでも液体現像
は微細な画像を形成することが可能であり、印刷版を作
製するために好適である。形成されたトナー画像は公知
の定着法、例えば、加熱定着、圧力定着、溶剤定着等に
より定着することが出来る。
このようにして形成されたトナー画像を有する印刷版
は次に非画像部の親水化処理が常法により行われる。親
水化処理には通常いわゆる不感脂化処理液が用いられ
る。従来よりこの種の不感脂化処理液として、フェロシ
アン塩、フェリシアン塩を主成分とするシアン化合物含
有処理液、アンミンコバルト錯体、フィチン酸及びその
誘導体、グアニジン誘導体を主成分としたシアンフリー
処理液、亜鉛イオンとキレートを形成する無機酸あるい
は有機酸を主成分とした処理液、あるいは水溶性ポリマ
ーを含有した処理液等が知られている。
例えば、シアン化合物含有処理液としては、特公昭44
-9045号、同46-39403号、特開昭52-76101号、同57-1078
89号、同54-117201号等に記載のものが挙げられる。
フィチン酸系化合物含有処理液としては、特開昭53-8
3807号、同53-83805号、同53-102102号、同53-109701
号、同53-127003号、同54-2803号、同54-44901号等に記
載のものが挙げられる。
コバルト錯体等の金属錯体系化合物含有処理液として
は特開昭53-104301号、同53-140103号、同54-18304号、
特公昭43-28404号等に記載のものが挙げられる。
無機又は有機酸含有処理液としては、特公昭39-13070
2号、同40-10308号、同43-28408号、同40-26124号、特
開昭51-118501号等に記載のものが挙げられる。
グアニジン化合物含有処理液としては、特開昭56-111
695号等に記載のものが挙げられる。
水溶性ポリマー含有の処理液としては、特開昭52-126
302号、同‐52-134501号、同53-49506号、同53-59502
号、同53-104302号、特公昭38-9665号、同39-22263号、
同40-763号、同40-2202号、特開昭49-36402号等に記載
のものが挙げられる。
以上のいずれの不感脂化処理液においても、光電導層
である表面層中の酸化亜鉛がイオン化して亜鉛イオンと
なり、このイオンが不感脂化処理液中のキレートを形成
する化合物とキレート化反応を生じ、亜鉛キレート化物
を形成し、これが表面層中に沈着して親水性化されるも
のと考えられている。
従って、本発明の印刷用原版は、不感脂化処理液によ
る不感脂化処理を行うことで印刷可能な印刷版となるも
のである。
本発明の好ましい態様として以下に記載することがで
きる。
(1)親水性樹脂粒子が高次の網目構造を形成している
ことを特徴とする平版印刷用原版。
(2)該樹脂〔A〕において、一般式(I)で示される
共重合成分として、下記一般式(IIa)及び(IIb)で示
される、アリール基含有のメタクリレート成分のうちの
少なくとも1つを含有することを特徴とする平版印刷用
原版。
一般式(IIa) 一般式(IIb) 〔式(IIa)及び(IIb)中、A1及びA2は互いに独立に各
々水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、塩素原子、臭
素原子、-COD1又は-COOD2(D1及びD2は各々炭素数1〜1
0の炭化水素を示す)を表わす。
B1及びB2は各々‐COO-とベンゼン環を結合する、単結
合または連結原子数1〜4個の連結基を表わす。〕 (3)結着樹脂〔B〕における一官能性マクロモノマー
が、更に−COOH基、−PO3H2基、−SO3H基、−OH基、 (R0は請求項(1)記載のRと同一の内容を表わす)
基、−CHO基及び環状酸無水物含有基から選ばれる少な
くとも1つの極性基を含有する成分を少なくとも1種含
有して成ることを特徴とする平版印刷用原版。
(4)樹脂〔B〕における該共重合体が、更に-PO3H
2基、-SO3H基、‐COOH基、‐OH基、‐SH基及び {R0′は請求項(1)記載のRと同一の内容を表わす)
から選ばれる少なくとも1つの極性基を該共重合体主鎖
の片末端に結合して成ることを特徴とする平版印刷用原
版。
(実施例) 親水性樹脂粒子の製造例1:L−1 ドデシルメタクリレート95g、アクリル酸5g及びトル
エン200gの混合溶液を、窒素気流下撹拌しながら70℃に
加温した。これに2,2−アゾビス(イソブチロニトリ
ル)(略称A.I.B.N.)1.5gを加え8時間反応した。この
反応混合溶液に、グリシジルメタクリレート12g、t−
ブチルハイドロキノン1g及びN,N−ジメチルドデシルア
ミン0.8gを加え、100℃で15時間反応した(分散樹脂
α)。
次に、上記分散樹脂α7.5g(固形分量として)、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート50gおよびn−ヘプタ
ン200gの混合溶液を、窒素気流下撹拌しながら65℃に加
温した。これに、2,2−アゾビス(イソバレロニトリ
ル)(略称A.I.V.N.)0.7gを加え6時間反応した。
開始剤(A.I.V.N.)添加20分後均一溶液が白濁を始
め、反応温度は90℃まで上昇した。冷却後200メッシュ
のナイロン布を通して白色分散物を得た。平均粒子径0.
19μmのラテックスであった。
親水性樹脂粒子の製造例2:L−2 2−ホスホノエチルメタクリレート50g、分散樹脂α8
g(固形分量として)、酢酸エチル150g、n−ヘキサン1
50gの混合溶液を、窒素気流下撹拌しながら55℃に加温
した。A.I.V.N.0.5gを加え、4時間反応して、白色分散
物を得た。冷却後200メッシュのナイロン布を通して、
得られた分散物は平均粒子径0.45μmのラテックスであ
った。
親水性樹脂粒子の製造例3:L−3 N−ビニルピロリドン50g、分散樹脂α10g(固形分量
として)、トルエン200gの混合溶液とする以外は、製造
例1と同様にして反応し、平均粒子径0.30μmの白色ラ
テックスを得た。
親水性樹脂量の製造例4:L−4 エチレングリコール31.5g、無水フタル酸51.8g、メタ
クリル酸6.0g、トリクロロエチレン10g、p−トルエン
スルホン酸0.7gの混合物を加温し6時間反応した。反応
温度は107℃から開始し、6時間で150℃に上昇する様に
した(反応により副生する水は、Dean-Stark法で除去し
た)。
次に、メタクリル酸6g、クロロホルム76g、エタノー
ル11.6g及び上記の反応で得られた分散物β5.8g(固形
分量として)の混合溶液を、窒素気流下に還流させた。
これに、A.I.B.N.0.8gを加え3時間反応させて白色分散
物を得た。平均粒子径0.40μmのラテックスであった。
親水性樹脂粒子の製造例5:L−5 N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート50g、ポリ
(ドデシルメタクリレート)15g及びトルエンの300gの
混合溶液とし、以下は製造例1の造粒条件と同様に操作
して、平均粒子径0.28μmの白色分散物を得た。
親水性樹脂粒子の製造例6:L−6 (2−ヒドロキシエチルアクリレート/メチルメタク
リレート)共重合体(重量組成比1/1)粉末10g、(ドデ
シルメタクリレート/アクリル酸)共重合体(重量組成
比95/5)2g及びトルエン100gの混合物をボールミルで48
時間処理し分散物を得た。平均粒子径0.38μmのラテッ
クスであった。
親水性樹脂粒子の製造例7:L−7 (ビニルアルコール/メタクリル酸)共重合体(重量
組成比7/3)10g、(デシルメタクリレート/N,N−ジメチ
ルアミノエチルアクリレート)共重合体(重量比95/5)
1.8g及びトルエン100gの混合物をボールミルで56時間処
理し、分散物を得た。平均粒子径0.32μmのラテックス
であった。
親水性樹脂粒子の製造例8:L−8 親水性樹脂粒子の製造例1において、分散樹脂αに2
−ヒドロキシエチルメタクリレートとn−ヘプタンの他
に、エチレングリコールジメタクリレート1gを加える以
外は親水性樹脂粒子の製造例1と全く同様の操作を行
い、平均粒子径0.25μmのラテックス粒子を得た。
親水性樹脂粒子の製造例9:L−9 親水性樹脂粒子の製造例2において、分散樹脂αに2
−ホスホノエチルメタクリレート、酢酸エチル、n−ヘ
キサンの他に、ジビニルベンゼン1.2gを加える以外は親
水性樹脂粒子の製造例1と全く同様の操作を行い、平均
粒子径0.40μmのラテックス粒子を得た。
親水性樹脂粒子の製造例10:L−10 親水性樹脂粒子の製造例3において、分散樹脂αにN
−ビニルピロリドンとトルエンの他に,エチレンジグリ
コールジメタクリレート1.5gを加える以外は親水性樹脂
粒子の製造例3と全く同様の操作を行い、親水性樹脂粒
子の製造例3と同様の平均粒子径のラテックス粒子を得
た。
親水性樹脂粒子の製造例11:L−11 親水性樹脂粒子の製造例4において、分散樹脂βにメ
タクリル酸とクロロホルムとエタノールの他に、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート00.5gを加える以外は
親水性樹脂粒子の製造例4と全く同様の操作を行い、平
均粒子径0.45μmのラテックス粒子を得た。
親水性樹脂粒子の製造例12:L−12 親水性樹脂粒子の製造例5において、トリエチレング
リコールジメタクリレート0.8gを加える以外は親水性樹
脂粒子の製造例5と全く同様の操作を行い、平均粒子径
0.43μmのラテックス粒子を得た。
親水性樹脂粒子の製造例13:L−13 下記単量体(a)50g、メチルメタクリレート30g、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート17g、アリルメタク
リレート3g及びテトラヒドロフラン300gの混合溶液を窒
素気流下に80℃に加温した。A.I.B.N.1.5gを加え6時間
反応した後、n−ヘキサン中で再沈澱処理し、固形物を
濾集した。乾燥後、粉末84gを得た。
親水性樹脂粒子の製造例14:L−14 (2−ヒドロキシプロピルメタクリレート/エチルメ
タクリレート)共重合体(重量組成比7/3)50g及びメチ
ルセルソルブ200gの混合物を40℃に加温し溶解した。1,
6−ヘキサメチレンジイソシアナート1.0gを加え、4時
間撹拌した。混合物を冷却後、水で再沈澱処理し、固形
物を濾集した。
乾燥後、粉末35gを得た。
親水性樹脂粒子の製造例15:L−15 2−メチル−2−オキサゾリン5g、1,4−テトラメチ
レン−2,2′−ビスオキサゾリン1.0g、メチルトリフレ
ート0.1g及びアセトニトリル20gの混合物を100℃で7時
間封質重合を行った。得られた反応物を、メタノール中
で再沈澱処理し、固形物を濾集した。乾燥後、粉末4.1g
を得た。
本製造例で得られる樹脂(ヒドロゲル)は下記構造を
示す。
親水性樹脂粒子の製造例16:L−16 2−メタンスルホニルエチルメタクリレート50g、ジ
ビニルコハク酸0.8g及びジメチルホルムアミド200gの混
合溶液を窒素気流下70℃に加温し、A.I.B.N.1.5gを加え
8時間反応した。得られた反応物をヘキサン中で再沈澱
処理し、固形物を濾集した。乾燥後、粉末38gを得た。
親水性樹脂粒子の製造例17:L−17 アクリル酸20g、一官能性マクロモノマーAB-6(東亜
合成(株)製)4g、メチルエチルケトン109gの混合溶液
を、窒素気流下に温度65℃に加温した。A.I.V.N.0.2gを
加え2時間反応し、更に、A.I.V.N.0.1gを加えて1時間
反応した。冷却後、200メッシュのナイロン布を通して
白色分散物を得た。平均粒子径0.23μmのラテックスで
あった。
親水性樹脂粒子の製造例18〜23:L-18〜L-23 製造例17において、アクリル酸20g及びAB−64gの代わ
りに、下記表−Cの各化合物に変えた他は製造例17と同
様にして各ラテックスを製造した。
本発明の樹脂〔A〕の合成例1:〔A−1〕 ベンジルメタクリレート98g、アクリル酸2g、チオサ
リチル酸3g及びトルエン200gの混合溶液を窒素気流下に
温度70℃に加温した。
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(略称A.I.B.
N.)1.0gを加え4時間反応した。更に、A.I.B.N.0.4gを
加え2時間;その後、更にA.I.B.N.0.2gを加え3時間攪
拌した。得られた共重合体の重量平均分子量(略称
w)は6.5×103であった。
本発明の樹脂〔A〕の合成例2〜16:〔A−2〕〜〔A
−16〕 樹脂〔A〕の合成例1において、ベンジルメタクリレ
ート98g及びアクリル酸2gの代わりに下記表−1の各単
量体を用いて、合成例1と同様にして各樹脂〔A〕を合
成した。各樹脂の重量平均分子量は6.0×103〜8×103
であった。
本発明の樹脂〔A〕の合成例17〜27:〔A−17〕〜〔A
−27〕 樹脂〔A〕の合成例1において、ベンジルメタクリレ
ート98g及びチオサリチル酸3gの代わりに下記表−2の
メタクリレートおよびメルカプト化合物を各々用い、又
トルエン200gの代わりにトルエン150g及びイソプロパノ
ール50gとした他は、合成例1と同様にして反応して、
各樹脂〔A〕を合成した。
本発明の樹脂〔A〕の合成例28:〔A−28〕 1−ナフチルメタクリレート97g、メタクリル酸3g、
トルエン150g及びイソプロパノール50gの混合溶液を、
窒素気流下に温度80℃に加温した。
4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(略称A.C.
V.)5.0gを加え5時間攪拌した。更にA.C.V. 1gを加え
2時間、その後更にA.C.V. 1gを加え3時間攪拌した。
得られた共重合体の重量平均分子量は7.5×103であっ
た。
本発明の樹脂〔A〕の合成例29:〔A−29〕 ベンジルメタクリレート97g、ビニルベンゼンカルボ
ン酸3g、チオサリチル酸1.5g及びトルエン200gの混合溶
液を、窒素気流下に温度75℃に加温した。
A.C.V. 3.0gを加え、6時間反応した後、A.I.B.N.
0.4gを加え3時間反応した。得られた共重合体のwは
5.8×103であった。
(樹脂〔B〕に用いるマクロモノマーの製造例) マクロモノマーの製造例1:(MM−1) メチルメタクリレート95g、チオグリコール酸5g及び
トルエン200gの混合溶液を、窒素気流下撹拌しながら、
温度75℃に加温した。2,2′−アゾビス(シアノ吉草
酸)(略称A.C.V.)1.0gを加え、8時間反応した。次に
この反応溶液にグリシジルメタクリレート8g、N,N-ジメ
チルドデシルアミン1.0g及びt−ブチルハイドロキノン
0.5gを加え、温度100℃にて、12時間撹拌した。冷却後
この反応溶液をメタノール2l中に再沈し、白色粉末を82
g得た。重合体(MM−1)の数平均分子量は6,500であっ
た。
マクロモノマーの製造例2:(MM−2) メチルメタクリレート95g、チオグリコール酸5g及び
トルエン200gの混合溶液を窒素気流下撹拌しながら、温
度70℃に加温した。2,2′−アゾビス(イソブチロニト
リル)(略称A.I.B.N.)1.5gを加え、8時間反応した。
次にこの反応溶液に、グリシジルメタクリレート7.5g、
N,N-ジメチルドデシルアミン1.0g及びt−ブチルハイド
ロキノン0.8gを加え、温度100℃にて、12時間撹拌し
た。冷却後、この反応溶液をメタノール2l中に再沈し、
無色透明の粘稠物85gを得た。重合体(MM−2)の数平
均分子量は2,400であった。
マクロモノマーの製造例3:(MM−3) プロピルメタノール94g、2−メルカプトエタノール6
g、トルエン200gの混合溶液を窒素気流下温度70℃に加
温した。A.I.B.N.1.2gを加え、8時間反応した。
次に、この反応溶液を水浴中で冷却して温度20℃と
し、トリエチルアミン10.2gを加え、メタクリル酸クロ
ライド14.5gを温度25℃以下で撹拌下して滴下した。滴
下後そのまま1時間更に撹拌した。その後、t−ブチル
ハイドロキノン0.5gを加え温度60℃に加温し、4時間撹
拌した。冷却後、メタノール2l中に再沈し、無色透明な
粘稠物79gを得た。重合体(MM−3)の数平均分子量は
4,500であった。
マクロモノマーの製造例4:(MM−4) エチルメタクリレート95g及びトルエン200gの混合溶
液を窒素気流下に温度70℃に加温した。2,2′−アゾビ
ス(シアノヘプタノール)5gを加え、8時間反応した。
冷却後、この反応液を水浴中で温度20℃とし、トリエ
チルアミン1.0g及びメタクリル酸無水物21gを加え1時
間撹拌した後、温度60℃で6時間撹拌した。
得られた反応物を冷却した後メタノール2l中に再沈
し、無色透明な粘稠物75gを得た。重合体(MM−4)の
数平均分子量は6.200であった。
マクロモノマーの製造例5:(MM−5) ベンジルメタクリレート93g、3−メルカプトプロピ
オン酸7g、トルエン170g及びイソプロパノール30gの混
合物を窒素気流下に温度70℃に加温し、均一溶液とし
た。A.I.B.N.2.0gを加え、8時間反応した。冷却後、メ
タノール2l中に再沈し、減圧下に温度50℃に加熱して、
溶媒を留去した。得られた粘稠物をトルエン200gに溶解
し、この混合溶液にグリシジルメタクリレート16g、N,N
−ジメチルドデシルメタクリレート1.0g及びt−ブチル
ハイドロキノン1.0gを加え温度110℃で10時間撹拌し
た。この反応溶液を再びメタノール2l中に再沈した。得
られた淡黄色の粘稠物(MM−5)の数平均分子量は3,40
0であった。
マクロモノマーの製造例6:(MM−6) プロピルメタクリレート95g、チオグリコール酸5g及
びトルエン200gの混合溶液を窒素気流下撹拌しながら温
度70℃に加温した。A.I.B.N.1.0gを加え8時間反応し
た。次に反応溶液にグリシジルメタクリレート13g、N,N
−ジメチルドデシルアミン1.0g及びt−ブチルハイドロ
キノン1.0gを加え、温度110℃にて10時間撹拌した。冷
却後、この反応溶液をメタノール2l中に再沈し、白色粉
末を86g得た。重合体(MM−6)の数平均分子量は3,500
であった。
マクロモノマーの製造例7:(MM−7) メチルメタクリレート40g、エチルメタクリレート54
g、2−メルカプトエチルアミン6g、トルエン150g及び
テトラヒドロフラン50gの混合物を窒素気流下撹拌しな
がら温度75℃に加温した。A.I.B.N.2.0gを加え8時間反
応した。次にこの反応溶液を水浴中温度20℃とし、これ
にメタクリル酸無水物23gを温度が25℃を越えない様に
して滴下し、その後そのまま更に1時間撹拌した。
2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−p−クレゾ
ール)0.5gを加え、温度40℃で3時間撹拌した。冷却
後、この溶液をメタノール2l中に再沈し、粘稠物83gを
得た。重合体(MM−7)の数平均分子量は2,200であっ
た。
マクロモノマーの製造例8:(MM−8) 2−クロロフェニルメタクリレート95g、トルエン150
g及びエタノール150gの混合溶液を窒素気流下に温度75
℃に加温した。A.C.V.5gを加え、8時間反応した。次
に、グリシジルアクリレート15g、N,N−ジメチルドデシ
ルアミン1.0g及び2,2′−メチレンビス−(6−t−ブ
チル−p−クレゾール)1.0gを加え温度100℃で15時間
撹拌した。冷却後、この反応液をメタノール2l中に再沈
し、透明な粘稠物83gを得た。重合体(MM−8)の数平
均分子量は3,600であった。
マクロモノマーの製造例9〜18:(MM−9)〜(MM−1
8) マクロモノマーの製造例3において、メタクリル酸ク
ロライドの代わりに、下記表−3の酸ハライド化合物を
用いた他は、該製造例3と同様に操作して、それぞれマ
クロモノマー(MM−9)〜(MM−18)を製造した。
尚、(MM−9)〜(MM−18)のマクロモノマーの重量
平均分子量(w)は4,000〜5,000であった。
マクロモノマーの製造例19〜27:(MM−19)〜(MM−2
7) マクロモノマーの製造例2において、メチルメタクリ
レートの代わりに、下記表−4の単量体を用いた他は、
製造例2と同様に操作してマクロモノマー(MM−19)〜
(MM−27)を製造した。
マクロモノマー(M′)の合成例101:MM−101 エチルメタクリレート90g、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート10g、チオグリコール酸5g及びトルエン200
gの混合溶液を、窒素気流下攪拌しながら、温度75℃に
加温した。2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(略称
A.I.B.N.)1.0gを加え、8時間反応した。次にこの反応
溶液にグリシジルメタクリレート8g、N,N-ジメチルドデ
シルアミン1.0g及びt−ブチルハイドロキノン0.5gを加
え、温度100℃にて12時間攪拌した。冷却後この反応溶
液をn−ヘキサン2l中に再沈し、白色粉末を82g得た。
重合体の重量平均分子量は3.8×103であった。
マクロモノマー(M′)の合成例102:MM−102 ブチルメタクリレート90g、メタアクリル酸10g、2−
メルカプトエタノール4g、テトラヒドロフラン200gの混
合溶液を窒素気流温度70℃に加温した。A.I.B.N.1.2gを
加え、8時間反応した。
次にこの反応溶液を水浴中で冷却して温度20℃とし、
トリエチルアミン10.2gを加え、メタクリル酸クロライ
ド14.5gを温度25℃以下で攪拌下滴下した。滴下後その
まま1時間更に攪拌した。その後、t−ブチルハイドロ
キノン0.5gを加え温度60℃に加温し、4時間攪拌した。
冷却後、水1中に攪拌しながら滴下し(約10分間)、
そのまま1時間攪拌して静置後、水をデカンテーション
で除去した。水での洗浄を更に2回行なった後、テトラ
ヒドロフラン100mlに溶解し、石油エーテル2l中に再沈
した。沈澱物をデカンテーションで補集し、減圧下に乾
燥した。得られた粘稠物の収量は65gで重量平均分子量
5.6×103であった。
マクロモノマー(M′)の合成例103:MM−103 ベンジルメタクリレート95g、2−ホスホノエチルメ
タクリレート5g、2−アミノエチルメルカプタン4g及び
テトラヒドロフラン200gの混合物を、窒素気流下攪拌下
に温度70℃に加温した。
A.I.B.N.1.5gを加え4時間反応させ、更にA.I.B.N.0.
5gを加えて4時間反応させた。次に、この反応溶液を温
度20℃に冷却し、アクリル酸無水物10gを加えて温度20
〜25℃で1時間攪拌した。次にt−ブチルハイドロキノ
ン1.0gを加え温度50〜60℃で4時間攪拌した。冷却後、
水1中に攪拌しながら、この反応混合物を約10分間で
滴下し、そのまま1時間攪拌した後静置して、水をデカ
ンテーションで除去した。水での洗浄を更に2回繰り返
した後、テトラヒドロフラン100mlに溶解し、石油エー
テル2l中に再沈した。沈澱物をデカンテーションで補集
し、減圧下に乾燥した。得られた粘稠物の収量は70gで
重量平均分子量は7.4×103であった。
マクロモノマー(M′)の合成例104:MM−104 2−クロロフェニルメタクリレート95g、下記構造
(I)の単量体5g、チオグリコール酸4g及びトルエン20
0gの混合溶液を、窒素気流下温度70℃に加温した。A.I.
B.N.1.5gを加え5時間反応し、更にA.I.B.N. 0.5gを加
え4時間反応した。次にグリシジルメタクリレート12.4
g、N,N−ジメチルドデシルアミン1.0g及びt−ブチルハ
イドロキノン1.5gを加え温度110℃で8時間反応した。
冷却後この反応混合物をp−トルエンスルホン酸3g、90
vol%テトラヒドロフラン水溶液100mlに溶液に加え、温
度30〜35℃で1時間攪拌した。水/エタノール〔(1/
3)容積比」の混合溶液2l中に、上記混合物を再沈し、
デカンテーションで沈澱物を補集した。この沈澱物をテ
トラヒドロフラン200mlに溶解しn−ヘキサン2l中に再
沈し、粉末58gを得た。重量平均分子量は7.6×103であ
った。
マクロモノマー(M′)の合成例105:MM−105 2,6−ジクロロフェニルメタクリレート95g、3−
(2′−ニトロベンジルオキシスルホニル)プロピルメ
タクリレート5g、トルエン150g及びイソプロピルアルコ
ール50gの混合溶液を窒素気流下に温度80℃に加温し
た。2,2′−アゾビス(2−シアノ吉草酸)(略称:A.C.
V.)5.0gを加え5時間反応し、更にA.C.V.1.0gを加えて
4時間反応した。冷却後、メタノール2l中にこの反応物
を再沈し、粉末を濾集し、減圧乾燥した。
上記粉末50gグリシジルメタクリレート14g、N,N-ジメ
チルドシルアミン0.6g、t−ブチルハイドロキノン1.0g
及びトルエン100gの混合物を温度110℃で10時間攪拌し
た。室温に冷却後80Wの高圧水銀灯にて、この混合物を
攪拌下に1時間光照射した。その後反応混合物をメタノ
ール1中に再沈し、粉末を濾集・減圧乾燥した。収量
34gで重量平均分子量7.3×103であった。
(樹脂〔B〕の製造例) 樹脂〔B〕の製造例1:樹脂〔B−1〕 エチルメタクリレート70g、マクロモノマー(MM−
1)30g及びトルエン150gの混合溶液を窒素気流下温度7
0℃に加温した。次に、A.I.B.N.0.5gを加え、4時間反
応し、更に、A.I.B.N.0.3gを加えて6時間反応させた。
得られた共重合体〔B−1〕の重量平均分子量は9.8×1
04でガラス転移点は72℃であった。
樹脂〔B〕の製造例2〜15:樹脂〔B−2〕〜〔B−1
5〕 樹脂〔B〕の製造例1と同様の重合条件で、下記表−
5の樹脂〔B〕を製造した。各樹脂のwは8×104
1.5×105の範囲であった。
樹脂〔B〕の製造例16:樹脂〔B−16〕 エチルメタクリレート70g、マクロモノマー(MM−
2)30g及びトルエン150g及びイソプロパノール50gの混
合溶液を窒素気流下温度70℃に加温した。次に、4,4′
−アゾビス(4−シアノ吉草酸0.8gを加え、10時間反応
させた。得られた共重合体の重量平均分子量(w)は
9.8×104でガラス転移点は72℃であった。
樹脂〔B〕の製造例17〜24:樹脂〔B−17〕〜〔B−2
4〕 樹脂〔B〕の製造例16において、マクロモノマー(MM
−2)の代わりに、下記表−6のマクロモノマーを用い
た他は、該製造例16と同様に操作して、各樹脂〔B〕を
製造した。各樹脂のwは9×104〜1.2×105であっ
た。
樹脂〔B〕の製造例25〜31:樹脂〔B−25〕〜〔B−3
1〕 樹脂〔B〕の製造例16において、A.C.V.の代わりに、
下記表−7のアゾビス系化合物を用いた他は、該製造例
16と同様に操作して、重合体を各々製造した。
樹脂〔B〕の製造例32:樹脂〔B−32〕 ブチルメタクリレート80g、マクロモノマー(MM−
8)20g、チオグリコール酸1.0g、トルエン100g及びイ
ソプロパノール50gの混合溶液を窒素気流下に温度80℃
に加温した。1,1′−アゾ ビス(シクロヘキサン−1
−カルボニトリル)(略称A.C.H.N.)0.5gを加え4時間
攪拌し、更にA.C.H.N.0.3gを加え4時間撹拌した。得ら
れた重合体のwは8.0×104で、ガラス転移点は41℃で
あった。
樹脂〔B〕の製造例33〜39:樹脂〔B−33〕〜〔B−3
9〕 樹脂〔B〕の製造例32において、チオグリコール酸の
代わりに下記表−8の化合物を用いた他は該製造例32と
同様に操作して重合体を製造した。
樹脂〔B〕の製造例40〜48:樹脂〔B−40〕〜〔B−4
8〕 樹脂〔B〕の製造例26と同様の重合条件で下記表−9
の共重合体を製造した。
各樹脂のwは9.5×104〜1.2×105の範囲であった。
樹脂〔B〕の製造例49〜56:〔B−49〕〜〔B−56〕 樹脂〔B〕の製造例16におけると同様の重合条件で、
下記表−10の各樹脂を製造した。得られた各樹脂のw
は9.5×104〜1.1×105の範囲であった。
本発明の樹脂〔B〕の合成例101:〔B−101〕 ベンジルメタクリレート80g、マクロモノマー
(M′)の合成例102の化合物(MM-102)20g及びトルエ
ン100gの混合溶液を、窒素気流下に温度75℃に加温し
た。1,1′‐アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボシ
アニド)(略称A.B.C.C.)0.8gを加え4時間反応し、更
にA.I.B.N.0.5gを加え3時間反応した。
得られた共重合体のwは1.0×105であった。
本発明の樹脂〔B〕の合成例102:〔B−102〕 2−クロロフェニルメタクリレート70g、マクロモノ
マー(M′)の合成例101の化合物(MM-101)30g、チオ
グリコール酸0.7g及びトルエン150gの混合溶液を窒素気
流下に温度80℃に加温した。A.B.C.C.0.5gを加え5時間
反応し、後にA.B.C.C.0.3gを加え3時間、更にA.B.C.C.
0.2gを加え3時間反応した。
得られた共重合体のwは9.2×104であった。
本発明の樹脂〔B〕の合成例103:〔B−103〕 エチルメタクリレート60g、マクロモノマー(M′)
の合成例104の化合物(MM-104)25g、メチルアクリレー
ト15g及びトルエン150gの混合溶液を窒素気流下温度75
℃に加温した。A.C.V.0.5gを加え5時間反応し更にA.C.
V.0.3gを加え4時間反応した。得られた共重合体のw
は1.1×105であった。
本発明の樹脂[B]の合成例104〜111:[B-104]〜[B-
111] 樹脂〔B〕の合成例101と同様にして、下記表−11に
相当するメタクリレートとマクロモノマーを用いて、各
樹脂〔B〕を合成した。
本発明の樹脂[B]の合成例112〜119:[B-112]〜[B-
119] 樹脂〔B〕の合成例102と同様にして、メタクリレー
ト、マクロモノマー及びメルカプト化合物を各々代えて
下記表−12の樹脂〔B〕を各々合成した。
各樹脂のwは、9×104〜1.1×105であった。
本発明の樹脂[B]の合成例120〜127:[B-120]〜[B-
127] 樹脂〔B〕の合成例103と同様にして、メタクリレー
ト、マクロモノマー及びアゾビス系化合物を各々代え
て、下記表−13の樹脂〔B〕を各々合成した。
各樹脂〔B〕のwは、9.5×104〜1.5×105であっ
た。
実施例1〜2及び比較例A〜C 樹脂〔A−2〕6g(固形分量として)、樹脂〔B−
1〕34g(固形分量として)、光導電性酸化亜鉛200g、
ウラニン0.03g、ローズベンガル0.06g、テトラブロムフ
ェノールブルー0.02g及び無水マレイン酸0.20g及びトル
エン300gの混合物を、ホモジナイザー(日本精機(株)
製)中、6.5×103r.p.m.で15分間分散した後、これに樹
脂粒子L−17、2g(固形分量として)を加えて、更に1
分間分散した、これを導電処理した紙に、乾燥付着量が
25g/m2となる様に、ワイヤーバーで塗布し、110℃で30
秒間乾燥し、ついで暗所で20℃65%RHの条件下で24時間
放置することにより、電子写真感光材料を作製した。
比較例A: 実施例1において、分散樹脂粒子L−17、2gを加えな
い他は、実施例1と同様に操作して電子写真感光材料を
作製した。
比較例B: 実施例1において結着樹脂として用いた樹脂〔A−
2〕6gの代わりに下記構造の樹脂〔R−1〕6gを用いる
以外は、実施例1と同様の操作で電子写真感光材料を作
製した。
比較例C: 実施例1において結着樹脂として用いた樹脂〔A−
2〕の代わりに下記構造の樹脂〔R−2〕6gを用いる以
外は、実施例1と同様の操作で電子写真感光材料を作製
した。
これらの感光材料の皮膜性(表面の平滑度)、帯電性
(帯電ムラの発生の有無)、前露光疲労性を調べた。更
に、これらの感光材料をオフセットマスター用原版とし
て用いた時の印刷性(地汚れ、耐刷性)を調べた。
以下の結果をまとめて表−14に示す。
表−14に示した評価項目の実施の態様は以下の通りで
ある。
注1)光導電層の平滑性: 得られた感光材料は、ベック平滑度試験機(熊谷理工
(株)製)を用い、空気容量1ccの条件にて、その平滑
度(sec/cc)を測定した。
注2)帯電製 各感光材料を20℃、65%RHの条件下に1昼夜放置し
た。次に、全自動製版機ELP−40V(富士写真フィルム
(株)製)を帯電圧−4.5kV、帯電スピードを20cm/sec
という強制条件に改造した後複写原稿として黒ベタ画像
のものを用い、ELP−Tをトナーとして製版して得られ
たベタ画像(帯電時のムラの有無、ベタ部の濃度)を目
視評価した。
注2)前露光疲労性 V10回復率:温度20℃、65%RHの暗室中で、各感光材
料にペーパーアナライザー(川口電機(株)製ペーパー
アナライザーSP−428型)を用いて−6kVで20秒間コロナ
放電させた後、10秒間放置し、この時の表面電位V10 A
測定した。一方、各感光材料をケイ光灯光源下2mの位置
(500 1ux)に20秒さらした後暗中に10秒間静置し、再
びV10 Aと同様の測定方法で、表面電位V10 Bを測定した。
V10回復率を(V10 B/V10 A)×100(%)で求めた。
前露光後の撮像性 各感光材料を、温度20℃、65%RHの暗室中で1昼夜放
置した。次に注3に記載の前露光条件で操作した後、感
光材料をELP−404VでELP−Tをトナーとして用いて製版
して得られた複写画像を目視評価した。
注4)印刷性 生感材の地汚れ生:各感光材料を不感脂化処理液EPL
−EX(富士写真フィルム(株)製)蒸留水で2倍に希釈
した溶液を用いて、エッチングプロセッサーに1回通し
て光導電層面を不感脂化処理した後、これをオフセット
マスターとして、オフセット印刷機(桜井製作所(株)
製オリバー52型)にかけ、印刷物に地汚れが発生する程
度の目視で評価する。
製版後の耐刷性:前露光疲労性の撮像性に記したと同
一の条件で各感光材料を製版した。次に、これらの各原
版を、不感脂化処理液EPL−EXを用いて、エッチングプ
ロセッサーに2回通して光導電層面を不感脂化処理し
た。これをオフセットマスターとして、オフセット印刷
機(上記使用と同一)にかけ、印刷物の非画像部の地汚
れ及び画像部の画質に問題が生じないで印刷できる枚数
を示す(印刷枚数が多い程、耐刷性が良好なことを表わ
す)。
表−14に示す様に、本発明の各感光材料は、平滑性良
好な光導電層を形成する。又、帯電時の帯電ムラも見ら
れず均一な帯電性が得られ且つ製版前に前露光された感
光材料の条件においても、その回復は著しく良好で、ほ
ぼ未露光下での特性と変わらなかった。実際の複写画像
も地カブリがなく、複写画質も鮮明であった。このこと
は、光導電体、分光増感剤及び結着樹脂が各々最適の状
態で吸着し、且つその状態が安定に保たれることによる
ものと推定される。
又、未製版の感材自体を、不感脂化処理液による不感
脂化処理して、処理後の表面の水との接触角を測定する
と10℃以下と小さく、充分に親水化されていることが判
る。実際に印刷して印刷物の地汚れを観察しても地汚れ
は全く認められなかった。
更に製版してオフセットマスター原版として用いた場
合でも、帯電性、前露光疲労性が良好で、地カブリのな
い、鮮明な複写画像であることから、不感脂化処理液に
よる不感脂化が充分に進行し、実際に印刷した印刷物
は、8000枚後でも地汚れのない、鮮明な画質のものが得
られた。
又、樹脂粒子Lが共存しない比較例Aは、静電特性及
び撮像性は満足すべき結果であったが、印刷性が不充分
であった。
一方、公知の低分子量体を用いた比較例A及び比較例
Bは過酷な条件下での帯電性にムラが生じた。又前露光
疲労性が大きく、実際の撮像性にも影響し、複写画像が
劣化した(地カブリ発生、細線・文字の飛散、濃度の低
下等)。又、不感脂化処理液による不感脂化を調べた
所、未製版時の感光材料は、印刷物での地汚れもなく、
充分に親水化されていることが確認された。しかし、実
際に製版した原版をオフセットマスターとして不感脂化
処理して印刷した所、その印刷物は刷り出しから非画像
部の地汚れが目立ち、画像部の画質も劣化していた(細
線・文字の欠落、濃度の低下等)。この事は、製版して
得られた原版の画質の低下が不感脂化処理でも補償され
ず、そのまま印刷物に反映されてしまい、実用に供し得
ないものであることを示している。
以上から、本発明の感光材料のみが光導電層の平滑
性、静電特性及び印刷性の全ての点において良好なもの
であった。
実施例2〜17 実施例1において、樹脂〔A−2〕及び樹脂〔B−
1〕及び樹脂粒子〔L−17〕に代えて、下記表−15の樹
脂〔A〕6g、各樹脂〔B〕34g及び樹脂粒子〔L〕1.8g
に代えた他は、実施例1と同様に操作して、各電子写真
感光材料を作製した。
本発明の感光材料は、いずれも帯電性、暗電荷保持
率、光感度に優れ、実際の複写画像も高温・高湿の(30
℃、80%RH)の過酷な条件あるいは前露光疲労の条件に
おいても、地カブリの発生のない、鮮明な画像を与え
た。
更に、これをオフセットマスターの原版として用いて
印刷した所、地カブリのない鮮明な画質の印刷物を少な
くとも7000枚以上印刷できた。
実施例22 下記構造の樹脂〔A−30〕6.5g、前記樹脂〔B−10
1〕33.5g、酸化亜鉛200g、ウラニン0.03g、下記構造の
メチン色素〔III〕0.040g、下記構造のメチン色素〔I
V〕0.035g、4−ヒドロキシ安息香酸0.01g及びトルエン
240gの混合物をホモジナイザー中、1×104r.p.m.で10
分間分散した。この分散物に、樹脂粒子〔L−19〕2.0g
(固形分量として)及びグルタル酸無水物で0.5gを添加
し、更にホモジナイザー中、5×103r.p.m.で1分間分
散した。
これを導電処理した紙に、乾燥付着量22g/cm2となる
様にワイヤーバーで塗布し、110℃で15秒間加熱した。
次に更に140℃で2時間加熱した後、20℃、65%RHの条
件下で24時間放置することで電子写真感光材料を作製し
た。
各感光材料を、実施例1と同様にして、各特性を調べ
た。その結果、各感光材料は、帯電性、前露光疲労性に
対して良好であり、実際の複写画像も、この様な過酷な
条件においても地カブリの発生や細線飛びの発生等のな
い鮮明な画像を与えた。更に、オフセットマスター原版
として印刷した所、非画像部に地カブリのない鮮明な画
像の印刷物をいずれの場合も、少なくとも1万枚以上印
刷することができた。
実施例23〜26 実施例22において樹脂〔A−30〕6.5g及び架橋剤とし
てのグルタル酸無水物0.5gの代わりに、下記表−16の化
合物を各々用い、樹脂〔B−101〕の代わりに樹脂〔B
−20〕33gを用いた他は実施例36と同様に操作して、各
感光材料を作製した。
各感光材料を、実施例22と同様にして各特性を調べ
た。その結果、各感光材料は、帯電性、前露光疲労性に
対して良好であり、実際の複写画像も、この様な過酷な
条件においても地カブリの発生や細線飛びの発生等のな
い鮮明な画像を与えた。更に、オフセットマスター原版
として印刷した所、非画像部に地カブリのない鮮明な画
像の印刷物をいずれの場合も、8000枚以上印刷すること
ができた。
実施例27〜36 実施例1において、結着樹脂粒子2gの代わりに下記表
−17の樹脂粒子各2g(固形分量として)を用いた他は、
実施例1と同様にして各感光材料を作製した。
静電特性及び印刷特性を実施例2と同様に操作して評
価した。
各感光材料とも、静電特性・撮像性ともに、実施例1
とほぼ同等の特性を示した。
又、不感脂化処理してオフセット平版原版の性能を評
価した所、いずれも生版保水性は良好で実際の製版後の
印刷結果でも6000枚以上印刷できた。
実施例37及び比較例D〜F 樹脂〔A−1〕6g、樹脂〔B−120〕34g、樹脂粒子
〔L−19〕2g、酸化亜鉛200g、下記構造式で示されるヘ
プタメチレンシアニン色素0.02g、及びトルエン300gの
混合物をホモジナイザー中で1×104r.p.m.の回転速度
で10分間分散した。
これを導電処理した紙に、乾燥付着量20g/m2となる様
にワイヤーバーで塗布し、100℃で15秒間加熱した後、1
20℃で2時間加熱した。次いで暗所で20℃、65%RHの条
件下で24時間放置することにより電子写真感光材料を作
製した。
比較例D 実施例37において樹脂粒子〔L−19〕2gの粒子を除い
た他は、実施例37と全く同様にして操作し、電子写真感
光材料を作製した。
比較例E 実施例37において樹脂〔A−1〕6gの代わりに、前記
樹脂〔R−1〕6gを用いた他は、実施例37と同様に操作
して、電子写真感光材料を作製した。
比較例F 実施例37において樹脂〔A−1〕6gの代わりに、前記
樹脂〔R−2〕6gを用いた他は、実施例37と同様に操作
して電子写真感光材料を作製した。
これらの感光材料の諸特性を、実施例1と同様に操作
して調べた。それらの結果をまとめて表−18に示す。
表−18の評価項目において、撮像性及び製版後の耐刷
性につては以下の方法により行ない、他の項目は、実施
例1の各項と同一の方法で行なった。
注5)前露光後の撮像性: 各感光材料を、温度20℃、湿度65%RHの暗室中で1昼
夜放置した後、注3)に記載の前露光条件で操作した
後、各感光材料を、−6kVで帯電し、光源として2.8mWの
ガリウム−アルミニウム−ヒ素半導体レーザ(発振波長
780nm)を用いて、感光材料表面上で、64erg/cm2の照射
量下、ピッチ25μm及びスキャング速度300m/secのスピ
ードで露光後、液体現像下として、ELP−T(富士写真
フィルム(株)製)を用いて現像し、定着することで得
られた複写画像(カブリ、画像の画質)を目視評価し
た。
注6)製版後の耐刷性 注5)の撮像性に記したと同一条件で各感光材料を製
版した。以下不感脂化処理及び印刷の操作を前記注4)
の耐刷性と同様にして行ない、印刷物を評価した。
本発明の感光材料は、光導電層の平滑性は充分であ
り、帯電時のムラもなく、又前露光があっても、その回
復が著しく早くて、実際の複写画像は安定して良好な、
地カブリのない鮮明な画像が得られた。又オフセットマ
スター原版として用いた場合でも非画像部は充分に親水
化されて地汚れも見られず、鮮明な画質の印刷物が8000
枚印刷後でも得られた。
しかし、本発明の樹脂粒子と共存しない比較例Dは、
印刷適性が著しく悪化してしまった。
一方、公知の低分子量体を用いた比較例E及び比較例
Fは、帯電性、前露光疲労性の低下が見られ、実際の複
写画像も、地カブリ、濃度低下、細線・文字の欠落等の
悪化が見られた。又、オフセットマスター原版として用
いると、印刷物のカブリ発生、画質の低下等で、実用に
耐えるレベルのものが得られなくなった。
以上のことより、本発明の樹脂を用いた場合にのみ静
電特性及び印刷適性を満足する電子写真感光体が得られ
る。
実施例38〜45 実施例37において結着樹脂として下記表−19の樹脂
〔A〕6.5g及び樹脂〔B〕33.5gに代え、又シアニン色
素〔I〕0.02gの代わりに下記構造の色素〔II〕0.018g
に代えた他は、実施例37と同様の条件で電子写真感光材
料を作製した。
本発明の各感光材料は帯電性、前露光疲労性に対して
良好であり、実際の複写画像もこの様な過酷な条件にお
いても地カブリの発生や細線飛びの発生等のない鮮明な
画像を与えた。更に、オフセットマスター原版として印
刷した所、非画像部に地カブリのない鮮明な画像の印刷
物を8000枚以上印刷することができた。
実施例46〜53 実施例37において、樹脂〔A〕各6g、樹脂粒子L各2g
を下記表−20の化合物に代え、又ヘプタメチンシアニン
色素〔III〕を下記構造のヘプタメチンシタニン色素
〔V〕0.02gに代えた他は、実施例33と同様にして、各
電子写真材料を作製した。
これらの各感光材料を実施例33と同様にして各特性の
測定をした。それらの結果をまとめて表−20に示す。
本発明の各感光材料はいずれも、帯電ムラ、前露光疲
労性に優れ、実際の複写画像も地カブリの発生や細線飛
びの発生等のない鮮明な画像を得た。更に特定のメタク
リレート成分を含む樹脂の場合には、より良好な撮像性
を示した。
各感光材料をオフセットマスター原版として用いた場
合、不感脂化処理液による不感脂化処理が充分に進行
し、いずれのマスター原版においても非画像部の水との
接触角が10度以下と小さく、充分に親水化されていた。
実際に印刷した所、地カブリのない鮮明な画像の印刷物
を8000枚印刷できた。
(発明の効果) 本発明によれば帯電特性及び前露光疲労性が改良され
た電子写真感光体を得ることができる。また、電子写真
式平版印刷用原版として印刷画質が鮮明な印刷物を得る
ことのできる平版印刷原版を得ることができる。
更に、樹脂〔A〕の共重合成分として前記式(IIa)
又は(IIb)で表わされる特定のメタクリレート成分を
含有させると、一層良好な撮像性が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−261657(JP,A) 特開 平1−232356(JP,A) 特開 平4−73654(JP,A) 特開 平2−103056(JP,A) 特開 平2−53064(JP,A) 特開 平2−135457(JP,A) 特開 平3−17664(JP,A) 特開 平3−13951(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に、少なくとも1層の光導
    電性酸化亜鉛と結着樹脂とを含有する光導電層を設けて
    なる電子写真式平版印刷用原版において、前記光導電層
    中に前記光導電性酸化亜鉛粒子の最大粒子径と同じかそ
    れより小さい平均粒子径を有する親水性樹脂粒子を含有
    し、かつ前記結着樹脂が下記樹脂〔A〕の少なくとも1
    種及び樹脂〔B〕の少なくとも1種を含有してなること
    を特徴とする平版印刷用原版。 樹脂〔A〕: 1×103〜1×104の重量平均分子量を有し、下記一般式
    (I)で示される重合成分を30重量%以上、及び-PO3H2
    基、-SO3H基、‐COOH基、 {Rは炭化水素基又は‐OR′基(R′は炭化水素基を示
    す)を示す}及び環状酸無水物含有基から選択される少
    なくとも1種の酸性基を含有する重合成分を0.5〜10重
    量%含有し、且つ該重合体主鎖の片末端に上記と同様の
    酸性基から選ばれる少なくとも1種の酸性基を結合して
    成る樹脂。 一般式(I) 〔式(I)中、a1、a2は各々、水素原子、ハロゲン原
    子、シアノ基又は炭化水素基を表わす。R1は炭化水素基
    を表わす。〕 結着樹脂〔B〕: 下記一般式(IVa)及び(IVb)で示される重合体成分の
    うちの少なくとも1種を含有する重合体主鎖の一方の末
    端にのみ下記一般式(III)で示される重合性二重結合
    基を結合して成る重量平均分子量2×104以下の一官能
    性マクロモノマーと下記一般式(V)で示されるモノマ
    ーとから少なくとも成る共重合体である樹脂。 一般式(III) 〔式(III)中、V0は、‐COO-、‐OCO-、-CH2OCO-、-CH
    2COO-、‐O-、-SO2-、‐CO-、‐CONHCOO-、‐CONHCONH
    -、-CONHSO2-、 又は を表わす(P0は、水素原子又は炭化水素基を表わす)。 c1、c2は、互いに同じでも異なってもよく、水素原子、
    ハロゲン原子、シアノ基、炭化水素基、‐COO-Z31又は
    炭化水素を介した‐COO-Z31(Z31は水素原子又は置換さ
    れてもよい炭化水素基を示す)を表わす。〕 一般式(IVa) 一般式(IVb) 〔式(IVa)又は(IVb)中、V1は、式(III)中のV0
    同一の内容を表わす。 Q41は、炭素数1〜18の脂肪族基又は炭素数6〜12の芳
    香族基を表わす。 d1、d2は、互いに同じでも異なってもよく、式(III)
    中のc1、c2と同一の内容を表わす。 Q40は−CN、−CONH2又は を表わす。 ここでTは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アル
    コキシ基又は−COOZ32(Z32はアルキル基、アラルキル
    基又はアリール基を示す)を表わす。〕 一般式(V) 〔式(V)中、V2は、式(IVa)中のV1と同一の内容を
    表わす。 Q42は、式(IVa)中のQ41と同一の内容を表わすe1、e2
    は互いに同じでも異なってもよく、式(III)中のc1、c
    2と同一の内容を表わす。〕
  2. 【請求項2】該樹脂〔A〕及び樹脂〔B〕の少なくとも
    いずれか一方が熱及び/又は光硬化性官能基を含有する
    ことを特徴とする請求項(1)又は(2)記載の平版印
    刷用原版。
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