JP2629911B2 - 車両の加速スリップ防止装置 - Google Patents

車両の加速スリップ防止装置

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JP2629911B2 JP30479488A JP30479488A JP2629911B2 JP 2629911 B2 JP2629911 B2 JP 2629911B2 JP 30479488 A JP30479488 A JP 30479488A JP 30479488 A JP30479488 A JP 30479488A JP 2629911 B2 JP2629911 B2 JP 2629911B2
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  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は車両の加速スリップ防止装置に関する。
(従来の技術) 従来、自動車が急加速された場合に生じる駆動輪のス
リップを防止する加速スリップ防止装置(トラクション
コントロール装置)が知られている。このようなトラク
ションコントロール装置においては、駆動輪の加速スリ
ップを検出するとタイヤと路面との摩擦係数μが最大範
囲(第18図の斜線範囲)にくるように、スリップ率Sを
制御していた。ここで、スリップ率Sは[(VF−VB)
/VF]×100(パーセント)であり、VFは駆動輪の車輪
速度、VBは車体速度である。つまり、駆動のスリップ
を検出した場合には、スリップ率Sが斜線範囲に来るよ
うにエンジン出力を制御することにより、タイヤと路面
との摩擦係数μが最大範囲に来るように制御して、加速
時に駆動輪のスリップを防止して自動車の加速性能を向
上させるようにしている。
このようなトラクションコントロール装置において
は、そのスリップ制御の終了条件が適確でないと、加速
スリップが収束してもエンジン出力制御が続行され加速
性が低下したり、エンジン出力制御中のスリップ制御終
了により再度加速スリップが生じる等の不具合が生じ
る。
そこで、従来、駆動輪の車輪速度VFと従動輪の車輪
速度VRとの差に応じたスリップ量DVを計算し、このス
リップ量DVが所定の閾値未満になるとスリップ制御を終
了するトラクションコントロール装置が考えられてい
る。
(発明が解決しようのする課題) しかしながら、このような制御終了判定を行なうトラ
クションコントロール装置では、例えばアクセルペダル
が戻されドライバの意思によりエンジンの出力が確実に
低下する方向に向かい、駆動輪のスリップが収束しよう
としていても、上記スリップ量が所定の閾値未満に収ま
らない限り制御終了が成されないため、スリップ制御の
終了が遅れ、エンジン出力が無駄に低下して加速性が低
下し運動フィーリングを損うことになる。
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、その目的
は、ドライバの意思によりエンジン出力が確実に低下す
る方向に操作された場合には、無駄な制御を行なうこと
なく、適確なタイミングでスリップ制御を終了すること
により、駆動輪スリップの発生を防止すると共に車両の
加速性を向上させることが可能になる車両の加速スリッ
プ防止装置を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) すなわち本発明に係わる車両の加速スリップ防止装置
は、吸気管内の吸気流路に設けられたスロットル弁と、
駆動輪のスリップ量に応じて少なくとも上記スロットル
弁の開度を調整し上記駆動輪の駆動トルクを低減制御す
るスリップ制御手段とを有する車両の加速スリップ防止
装置において、上記スロットル弁の開度を検出するスロ
ットル開度検出手段と、エンジンの出力トルクを検出す
るエンジントルク検出手段と、上記スロットル開度の時
間的変化量が所定の開度変化量以下で且つ上記エンジン
トルクの減少変化量が所定のトルク変化量以上である際
に上記駆動輪のスリップ量に応じたトルク制御を終了さ
せる制御終了判定手段とを具備したものである。
(作用) 本願によれば、駆動輪のスリップ量に応じた駆動トル
ク制御を終了させる条件を、スロットル開度の変化量が
所定値以下で、且つエンジントルクの減少変化量が所定
量以上、とすることで、駆動輪のスリップが発生する恐
れがない状態であることが正確に判断できる。
つまり、スリップ制御手段により調整されるスロット
ル弁として、主スロットル弁とは別の副スロットル弁を
設けた場合には、副スロットル開度の変化量が所定値以
下を条件とすることで、副スロットル開度の変化が大き
い駆動トルク制御開始直後の過渡状態ではないことが判
断でき、また、エンジントルクの減少変化量が所定量以
上を条件とすることで、主スロットル弁がアクセルペダ
ルにより閉操作されたドライバの意思によりエンジント
ルクの低減操作がなされたことを判断できる。
また、上記のような副スロットル弁を有さない場合に
は、スロットル開度の変化量が所定値以下を条件とする
ことで、スロットル開度の変化量が大きい駆動トルク制
御開始直後の過渡状態ではないことが判断でき、また、
エンジントルクの減少変化量が所定量以上を条件とする
ことで、車両が下り坂を走行し、エンジン回転数が上が
ってエンジントルクが減少した等、駆動輪スリップが発
生する恐れがないことを判断できる。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の一実施例に係わる車両
の加速スリップ防止装置について説明する。第1図
(A)は車両の加速スリップ防止装置を示す構成図であ
る。同図は前輪駆動車を示しているもので、WFRは前輪
右側車輪、WFLは前輪左側車輪、WRRは後輪右側車輪、
WRLは後輪左側車輪を示している。また、11は前輪右側
車輪(駆動輪)WFRの車輪速度VFRを検出する車輪速度
センサ、12は前輪左側車輪(駆動輪)WFLの車輪速度V
FLを検出する車輪速度センサ、13は後輪右側車輪(従動
輪)WRRの車輪速度VRRを検出する車輪速度センサ、14
は後輪左側車輪(従動輪)WRLの車輪速度VRLを検出す
る車輪速度センサである。上記車輪速度センサ11〜14で
検出された車輪速度VFR,VFL,VRR,VRLはトラクションコ
ントローラ15に入力される。このトラクションコントロ
ーラ15はエンジン16に制御信号を送って加速時の駆動輪
のスリップを防止する制御を行なっている。
第1図(B)は上記エンジン16における吸気系を示す
もので、同図において、21はエアクリーナ、22は吸気
管、22aはサージタンクであり、給気管22にはアクセル
ペダルによりその開度θmが操作される主スロットル弁
THm23の他に、上記トラクションコントローラ15からの
制御信号によりその開度θsが制御される副スロットル
弁THs24が設けられる。つまり、エアクリーナ21を介し
て導入された吸入空気は、副スロットル弁THs24及び主
スロットル弁THm23を直列に介してサージタンク22aから
吸気弁側に流されるもので、上記副スロットル弁THs24
の開度θsをトラクションコントローラ15からの制御信
号θsにより、モータ駆動回路25とそのモータ24Mを経
て制御しエンジン16の駆動力を制御している。ここで、
主スロットル弁THm23及び副スロットル弁THs24の開度θ
m及びθsは、それぞれ主スロットルポジションセンサ
(TPS1)26及び副スロットルポジションセンサ(TPS2)
27により検出される。また、主スロットル弁THm23には
アクセルペダルの非踏込み状態を検出する主スロットル
アイドルSW28が、副スロットル弁THs24には副スロット
ル全開SW29が設けられる。さらに、上記エアクリーナ21
の下流には吸入空気量を検出するためのエアフローセン
サ30が設けられ、また、上記サージタンク22aには吸気
弁から燃焼室に燃料混合気が流れ込む際の管内負圧を検
出する負圧センサ30aが設けられる。これら各センサ26,
27,30,30a及びSW28,29からの出力信号は、何れも上記ト
ラクションコントローラ15に与えられる。
一方、第1図(A)において、17は前輪右側車輪WFR
の制動を行なうホイールシリンダ、18は前輪左側車輪W
FLの制動を行なうホイールシリンダである。通常これら
のホイールシリンダにはブレーキペダル(図示せず)を
操作することで、マスタシリンダ等(図示せず)を介し
て圧油が供給される。トラクションコントロール作動時
には次に述べる別の経路からの圧油の供給を可能として
いる。上記ホイールシリンダ17への油圧源19からの油圧
の供給はインレットバルブ17iを介して行われ、上記ホ
イールシリンダ17からリザーバ20への圧油の排出はアウ
トレットバルブ17oを介して行われる。また、上記ホイ
ールシリンダ18への油圧源19からの圧油の供給はインレ
ットバルブ18iを介して行われ、上記ホイールシリンダ1
8からリザーバ20への圧油の排出はアウトレットバルブ1
8oを介して行われる。そして、上記インレットバルブ17
i及び18i、上記アウトレットバルブ17o及び18oの開閉制
御は上記トラクションコントローラ15により行われる。
ここで、上記エンジン16の駆動力制御及び駆動輪WFR
11,WFL12の制動制御によるスリップ防止制御は、上記車
輪速度センサ11,12から得られる駆動輪速度VFRの時間
的変化量(駆動輪加速度GF)が、所定の加速値αを上回
った場合に開始され、また、ドライバによるアクセルペ
ダルの戻し操作が、副スロットル弁THs24の開度変化Δ
θsが所定の開度変化値θa以下で、しかもエンジント
ルクTEの減少変化量ΔTEが所定のトルク変化値Ta以下と
して検出された場合に終了される。つまり、スリップ制
御による副スロットル弁THs24の開度変化量Δθsが少
ないのにエンジントルク減少量ΔTEが大きいということ
は、主スロットル弁THm23が確実に閉じ方向に動いたこ
とになり、アクセルペダルの戻し操作として検出され
る。
さらに、、第1図(A)において、81a〜81dは燃料噴
射インジェクタであり、このインジェクタ81a〜81dの作
動時間つまり燃料噴射量は、エンジンコントロールユニ
ット(ECU)82において上記エアフローセンサ(AFS)30
からの信号に基づく吸入空気量に応じて設定される。ま
た、83はエンジン16のクランク軸の回転を検出するエン
ジン回転センサであり、このエンジン回転検出信号は上
記ECU82に出力される。尚、上記トラクションコントロ
ーラ15はECU82と一体のものでもよい。
次に、第2図を参照して上記トラクションコントロー
ラ15の詳細な構成について説明する。車輪速度センサ11
及び12において検出された駆動輪の車輪速度VFR及びV
FLは高車速選択部(SH)31に送られて、車輪速度VFRと
車輪速度VFLのうち大きい車輪速度の方が選択されて出
力される。また同時に、車輪センサ11及び12において検
出された駆動輪の車輪速度VFR及びVFLは平均部32にお
いて平均されて平均車輪速度(VFR+VFL)/2が算出さ
れる。上記高車速選択部31から出力される車輪速度は重
み付け部33において変数KG倍され、上記平均部32から
出力される平均車輪速度は重み付け部34において変数
(1−KG)倍されて、それぞれ加算部35に送られて加
算されて駆動輪速度VFとされる。なお変数KGは第3図
に示すように求心加速度GYに応じて変化する変数であ
る。第3図に示すように、求心加速度GYが所定値(例え
ば、0.1g)までは求心加速度に比例し、それ以上になる
と、「1」となるように設定されている。
また、上記車輪速度センサ13,14で検出される従動輪
の車輪速度は低車速選択部36に入力されて、小さい方の
車輪速度が選択される。さらに、上記車輪速度センサ1
3,14で検出される従動輪の車輪速度は高車速選択部37に
入力されて、大きい方の車輪速度が選択される。そし
て、上記低車速選択部36で選択された小さい方の車輪速
度は重み付け部38において変数Kr倍され、上記高車速選
択部37で選択された大きい方の車輪速度は重み付け部39
において、変数(1−Kr)倍される。この変数Krは第4
図に示すように求心加速度GYに応じて「1」〜「0」の
間を変化している。
また、上記重み付け部38及び上記重み付け部39から出
力される車輪速度は加算部40において加算されて従動輪
速度VRとされ、さらに上記従動輪速度VRは乗算部40′
において(1+α)倍されて目標駆動輪速度Vφとされ
る。
そして、上記加算部35から出力される駆動輪VFと上
記乗算部40′から出力される目標駆動輪速度Vφは減算
部41において減算されてスリップ量DVi′(=VF−V
φ)が算出される。このスリップ量DVi′はさらに加算
部42において、求心加速度GY及び求心加速度ΔGYの変化
率GYに応じてスリップ量DVi′の補正がなされる。つま
り、スリップ量補正部43には第5図に示すような求心加
速度GYに応じて変化するスリップ補正量Vgが設定されて
おり、スリップ量補正部44には第6図に示すような求心
加速度GYの変化率ΔGYに応じて変化するスリップ補正量
Vdが設定されている。そして、加算部42において、減算
部41から出力されるスリップ量DVi′に上記スリップ補
正量Vd及びVgが加算されて、スリップ量DViとされる。
このスリップ量DViは例えば15msのサンプリング時間
TでTSn演算部45内の演算部45aに送られて、スリップ量
DViが係数KIを乗算されながら積分されて補正トルクTS
n′が求められる。つまり、 TSn′=ΣKI・DVi(KIはスリップ量DViに応じて変化す
る係数である) としてスリップ量DViの補正により求められた補正トル
ク、つまり積分型補正トルクTSn′が求められる。そし
て、上記積分型補正トルクTSn′は駆動輪WFR及びWFL
を駆動するトルクに対する補正値であって、エンジン16
と上記駆動輪との間の動力伝達機構の特性が変速段の切
換えにより変化するのに応じて制御ゲインを調整する必
要があるので、係数乗算部45bにおいて変速段によりそ
れぞれ異なった係数GKiが乗算され変速段に応じた補正
後の積分型補正トルクTSnが算出される。
また、上記スリップ量DViはサンプリング時間T毎にT
Pn演算部46の演算部46aに送られてスリップ量DViにより
補正された補正トルクTPn′が算出される。つまり、 TPn′=DVi・Kp(Kpは係数) としてスリップ量DViにより補正された補正トルク、
つまり比例型補正トルクTPn′が求められる。そして、
比例型補正トルクTPn′は上記積分型補正トルクTSn′と
同様の理由により計数乗算部46bにおいて変速段により
それぞれ異なった係数GKpが乗算され変速段に応じた補
正後の比例型補正トルクTPnが算出される。
また、上記加算部40から出力される従動輪速度VRは
車体速度VBとして基準トルク演算部47に入力される。
そして、この基準トルク演算部47内の車体加速度演算部
47aにおいて、車体速度の加速度B(GB)が演算され
る。
そして、上記車体加速度演算部47aにより算出された
車体加速度B(GB)はフィルタ47bを通されて車体加
速度GBFとされる。このフィルタ47bにおいては、第15
図の「1」位置の状態にあって加速度増加時に「2」位
置の状態へ素早く移行するために、前回のフィルタ47b
の出力であるG BFnと今回検出したG Bnとを同じ重
み付けで平均して、 G BFn=G Bn+G BFn−)/2 …(1) としている。また、スリップ率S>S1(S1は最大スリッ
プ率Smaxよりもやや小さい値に設定されている)で加速
度減少時、例えば「2」位置から「3」位置に移行する
ような場合には、遅く移行させるために、フィルタ47b
を遅いフィルタに切換えている。つまり、 G BFn=(G Bn+7G BFn−)/8 …(2) として、前回のフィルタ47bの出力に重みが置かれてい
る。
また、スリップ率S≦S1で加速度減少時、つまり
「1」の領域において加速度減少時には、できるだけSm
axに止どまりたいために、フィルタ47bはさらに遅いフ
ィルタに切換えられる。つまり、 G BFn=(G Bn+15G BFn−)/16 …(3) として、前回のフィルタ47bの出力に非常に重みが置か
れている。このように、フィルタ47bにおいては、加速
度の状態に応じてフィルタ47bを上記(1)〜(3)式
に示すように3段階に切り換えている。そして、上記車
体加速度GBFは基準トルク算出部47cに送られて基準ト
ルクTGが算出される。つまり、 TG=GBF×W×Re が算出される。ここで、Wは車重、Reはタイヤ半径であ
る。
そして、上記基準トルクTGと上記積分型補正トルクT
Snとの減算は減算部48において行われ、さらに上記比例
型補正トルクTPnとの減算が減算部49において行われ
る。このようにして、目標トルクTφは、 Tφ=TG−TSn−TPnとして算出される。
そして、この目標トルクTφは駆動輪WFR及びWFLを
駆動するトルクを示すので、エンジントルク算出部50に
おいてエンジン16と上記駆動輪間の総ギア比で除算さ
れ、目標エンジントルクTφ′に換算される。そして、
目標エンジントルクTφ′はエンジントルクの下限値Tl
imを設定している下限値設定部51において、第16図ある
いは第17図に示すようにトラクションコントロール開始
からの経過時間tあるいは車体速度VBに応じて変化す
る下限値Tlimにより、目標エンジントルクTφ′の下限
値が制限される。そして、下限値設定部51によりエンジ
ントルクの下限値が設定された目標エンジントルクT
φ′はトルク/スロットル開度変換部52に送られて、上
記目標エンジントルクTφ′を発生させるための副スロ
ットル弁の開度θsが求められる。そして、副スロット
ル弁の開度θsを調整することにより、エンジンの出力
トルクが目標エンジントルクTφ′になるように制御さ
れる。
また、従動輪の車輪速度VRR,VRLは求心加速度演算部
53に送られて、旋回度を判断するために、求心加速度G
Y′が求められる。この求心加速度GY′は求心加速度補
正部54に送られて、求心加速度GY′が車速に応じて補正
される。
つまり、GY=Kv・GY′とされて、係数Kvが第7図乃至
第12図に示すように車速に応じてKvが変化することによ
り、求心加速度GYが車速に応じて補正される。
ところで、上記高車速選択部37から出力される大きい
方の従動輪車輪速度が減算部55において駆動輪の車輪速
度VFRから減算される。さらに、駆動輪の車輪速度VFL
から上記高車速選択部37から出力される従動輪で車速が
大きい方の車輪速度が減算部56において減算される。
上記減算部55の出力は乗算部57においてKB倍(0<
KB<1)され、上記減算部56の出力は乗算部58におい
て(1−KB)倍された後、加算部59において加算され
て右側駆動輪のスリップ量DVFRとされる。また同時に、
上記減算部56の出力は乗算部60においてKB倍され、上
記減算部55の出力は乗算部61において(1−KB)倍さ
れた後加算部62において加算されて左側の駆動輪のスリ
ップ量DVFLとされる。上記変数KBは第13図に示すよう
にトラクションコントロールの制御開始からの経過時間
に応じて変化するもので、トラクションコントロールの
制御開始時には「0.5」とされ、トラクションコントロ
ールの制御が進むに従って、「0.8」に近付くように設
定されている。例えば、KBを「0.8」とした場合、一方
の駆動輪だけにスリップが発生したとき他方の駆動輪で
も一方の駆動輪の20%分だけスリップが発生したように
確認してブレーキ制御を行なうようにしている。これ
は、左右駆動輪のブレーキを全く独立にすると、一方の
駆動輪だけにブレーキがかかって回転が減少するとデフ
の作用により今度は反対側の駆動輪がスリップしてブレ
ーキがかかり、この動作が繰返えされて好ましくないた
めである。上記右側駆動輪のスリップ量DVFRは微分部63
において微分されてその時間的変化量、つまりスリップ
加速度GFRが算出されると共に、上記左側駆動輪のスリ
ップ量DVFLは微分部64において微分されてその時間的変
化量、つまりスリップ加速度GFLが算出される。そし
て、上記スリップ加速度GFRはブレーキ液圧変化量(Δ
P)算出部65に送られて、第14図に示すGFR(GFL)−
ΔP変換マップが参照されてスリップ加速度GFRを抑制
するためのブレーキ液圧の変化量ΔPが求められる。こ
のブレーキ液圧の変化量ΔPは、ΔP−T変換部67に送
られて第1図(A)におけるインレッドバルブ17iの開
時間Tが算出される。また、同様に、スリップ加速度G
FLはブレーキ液圧変化量(ΔP)算出部66に送られて、
第14図に示すGFR(GFL)−ΔP変換マップが参照され
て、スリップ加速度GFLを抑制するためのブレーキ液圧
の変化量ΔPが求められる。このブレーキ液圧の変化量
ΔPは、ΔP−T変換部68に送られて第1図(A)にお
けるインレットバルブ18iの開時間Tが算出される。
なお、第14図において、旋回時にブレーキを掛ける場
合には、内輪側の駆動輪のブレーキを強化するために、
旋回時の内輪側は破線aで示すようになっている。
一方、上記目標トルクTφが算出される減算部49から
エンジントルク算出部50の間にはスイッチS1が介在さ
れ、また、ブレーキ液圧変化量(ΔP)算出部65,66か
らΔP−T変換部67,68の間には、それぞれスイッチS2
a,S2bが介在される。上記各スイッチS1、S2a,S2bは、そ
れぞれ後述するスリップ制御の開始/終了条件が満たさ
れると閉成/開成されるもので、このスイッチS1、S2a,
S2bは、何れも制御開始/終了判定部69により開閉制御
される。この制御開始/終了判定部69には、駆動加速判
定部70からの駆動加速判定信号が与えられる。この駆動
加速判定部70は、前記加算部35で得られた駆動輪速度V
Fの時間的変化量を算出する駆動輪加速度演算部70aで得
られる駆動輪加速度GFが、駆動加速判定値記憶部71で予
め記憶される加速判定値α(この場合αは路面状況に応
じてマップにより定められる)を上回ったか否かを判定
するもので、この駆動加速判定信号が制御開始/終了判
定部69に対して与えられる。上記駆動加速判定値記憶部
71と上記駆動加速判定部70との間には、判定値補正部71
aが介在される。この判定値補正部71aは、上記駆動加速
判定値記憶部71から得られる所定の加速判定値αを、第
20図に示すように、前記車体加速度演算部47aで得られ
る一定以上の車体加速度GB(≧GB0)に応じた補正係数
Kαで補正するもので、つまり、車体加速度GBが一定値
GB0以上ある場合には、上記駆動輪加速度GFの加速判定
値αは大きくなる方向に補正される。この場合、車体加
速度GBの変化にリアルタイムに応じた線形の補正係数K
αが与えられる。また、上記制御開始/終了判定部69に
は、第1図(B)における副スロットルポジションセン
サ27からの副スロットル開度検出信号θs及び主スロッ
トルアイドルSW28からのオン/オフ信号を始め、エンジ
ントルクセンサ72からのトルク検出信号Tが与えられ
る。そして制御開始/終了判定部69には、上記副スロッ
トルポジションセンサ27から得た副スロットル開度デー
タθsやエンジントルクセンサ72から得たエンジントル
クデータTを一時記憶するセンサデータメモリ69aが
備えられる。さらに、この制御開始/終了判定部69に
は、副スロットル開度θsの所定の変化判定値θaを記
憶する副スロットル開度変化判定記憶部73及びエンジン
トルクTの所定の変化判定値Taを記憶するエンジント
ルク変化判定値記憶部74が接続される。
ここで、上記制御開始/終了判定部69は、上記駆動加
速判定部70から駆動輪WFの加速判定信号(DF>α)が
得られた際に制御開始信号を出力し、上記スイッチS1、
S2a,S2bを閉成させる。また、制御開始/終了判定部69
は、副スロットルポジションセンサ27から得られる現副
スロットル開度θsとセンサデータメモリ69aに記憶さ
れた前副スロットル開度θs′との時間的変化量Δθs
が、上記副スロットル開度変化判定値記憶部73で予め記
憶された所定の判定値θa以下で、且つ、エンジントル
クセンサ72から得られる現エンジントルクTとセンサ
データメモリ69aに記憶された前エンジントルクT
との時間的減少変化量ΔTが、エンジントルク変化判
定値記憶部74で予め記憶された所定の判定値Ta以上であ
る際に制御終了信号を出力し、上記スイッチS1、S2a,S2
bを開成させる。
次に、上記のように構成された本発明の一実施例に係
わる車両の加速スリップ防止装置の動作について説明す
る。第1図及び第2図において、車輪速度センサ13,14
から出力される従動輪(後輪)の車輪速度は高車速選択
部36,低車速選択部37,求心加速度演算部53に入力され
る。上記低車速選択部36においては従動輪の左右輪のう
ち小さい方の車輪速度が選択され、上記高車速選択部37
においては従動輪の左右輪のうち大きい方の車輪速度が
選択される。通常の直線走行時において、左右の従動輪
の車輪速度が同一速度である場合には、低車速選択部36
及び高車速選択部37からは同じ車輪速度が選択される。
また、求心加速演算部53においては左右の従動輪の車輪
速度が入力されており、その左右の従動輪の車輪速度か
ら車両が旋回している場合の旋回度、つまりどの程度急
な旋回を行なっているかの度合いが算出される。
以下、求心加速度演算部53においてどのように求心加
速度が算出されるかについて説明する。前輪駆動車では
後輪が従動輪であるため、駆動によるスリップに関係な
くその位置での車体速度を車輪速度センサにより検出で
きるので、アッカーマンジオメトリを利用することがで
きる。つまり、定常旋回においては求心加速度GY′は GY′=v2/r …(4) (v=車速,r=旋回半径)として算出される。
例えば、第19図に示すように車両が右に旋回している
場合において、旋回の中心Moとし、旋回の中心Moから内
輪側(WRR)までの距離をr1とし、トレッドをΔrと
し、内輪側(WRR)の車輪速度をv1とし、外輪側(WR
L)の車輪速度をv2とした場合に、 v2/v1=(Δr+r1)/r1 …(5) とされる。
そして、上記(5)式を変形して 1/r1=(v2−v1)/Δr・v1 …(6) とされる。そして、内輪側を基準とすると求心加速度G
Y′は GY′=v12/r1 =v12・(v2−v1)/Δr・v1 =v1・(v2−v1)/Δr …(7) として算出される。
つまり、第7式により求心加速度GY′が算出される。
ところで、旋回時には内輪側の車輪速度v1は外輪側の車
輪速度v2より小さいため、内輪側の車輪速度v1を用いて
求心加速度GY′を算出しているので、求心加速度GY′は
実際より小さく算出される。従って、重み付け部33で乗
算される係数KGは求心加速度GY′が小さく見積られる
ために、小さく見積もられる。従って、駆動輪速度VF
が小さく見積もられるために、スリップ量DVi′(VF−
Vφ)も小さく見積もられる。これにより、目標トルク
Tφが大きく見積もられるために、目標エンジントルク
が大きく見積もられることにより、旋回時にも充分な駆
動力を与えるようにしている。
ところで、極低速時の場合には、第19図に示すよう
に、内輪側から旋回の中心M0までの距離はr1であるが、
速度が上がるに従ってアンダーステアする車両において
は、旋回の中心はMに移行し、その距離はr(r>r1)
となっている。このように速度が上がった場合でも、旋
回半径をr1として計算しているために、上記第7式に基
づいて算出された求心加速度GY′は実際よりも大きい値
として算出される。このため、求心加速度演算部53にお
いて算出された求心加速度GY′は求心加速補正部54に送
られて、高速では求心加速度GYが小さくなるように、求
心加速度GY′に第7図の係数Kvが乗算される。この変数
Kvは車速に応じて小さくなるように設定されており、第
8図あるいは第9図に示すように設定しても良い。この
ようにして、求心加速度補正部54より補正された求心加
速度GYが出力される。
一方、速度が上がるに従って、オーバステアする(r
<r1)車両においては、上記したアンダーステアする車
両とは全く逆の補正が求心加速度補正部54において行わ
れる。つまり、第10図ないし第12図のいずれかの変数Kv
が用いられて、車速が上がるに従って、上記求心加速度
演算部53で算出された求心加速度GY′を大きくなるよう
に補正している。
ところで、上記低車速選択部36において選択された小
さい方の車輪速度は重み付部38において第4図に示すよ
うに変数Kr倍され、高車速選択部37において選択された
高車速は重み付け部39において変数(1−Kr)倍され
る。変数Krは求心加速度GYが例えば0.9gより大きくなる
ような旋回時に「1」となるようにされ、求心加速度GY
が0.4gより小さくなると「0」に設定される。
従って、求心加速度GYが0.9gより大きくなるような旋
回に対しては、低車速選択部36から出力される従動輪の
うち低車速の車輪速度、つまり選択時における内輪側の
車輪速度が選択される。そして、上記重み付け部38及び
39から出力される車輪速度は加算部40において加算され
て従動輪速度VRとされ、さらに上記従動輪速度VRは乗
算部40′において(1+α)倍されて目標駆動輪速度V
φとされる。
また、駆動輪の車輪速度のうち大きい方の車輪速度が
高車速選択部31において選択された後、重み付け部33に
おいて第3図に示すように変数KG倍される。さらに、
平均部32において算出された駆動輪の平均車速(VFR+
VFL)/2は重み付け部34において、(1−KG)倍さ
れ、上記重み付け部33の出力と加算部35において加算さ
れて駆動輪速度VFとされる。従って、求心加速度GYが
例えば0.1g以上となると、KG=1とされるため、高車
速選択部31から出力される2つの駆動輪のうち大きい方
の駆動輪の車輪速度が出力されることになる。つまり、
車両の旋回度が大きくなって求心加速度GYが例えば、0.
9g以上になると、「KG=Kr=1」となるために、駆動
輪側は車輪速度の大きい外輪側の車輪速度を駆動輪速度
VFとし、従動輪側は車輪速度の小さい内輪側の車輪速
度を従動輪速度VRとしているために、減算部41で算出
されるスリップDVi′(=VF−Vφ)も大きく見積もっ
ている。従って、目標トルクTφは小さく見積もるため
に、エンジンの出力が低減されて、スリップ率Sを低減
させて第18図に示すように横力Aを上昇させることがで
き、旋回時のタイヤのグリップ力を上昇させて、安全な
旋回を行なうことができる。
上記スリップDVi′量はスリップ量補正部43におい
て、求心加速度GYが発生する旋回時のみ第5図に示すよ
うなスリップ補正量Vgが加算されると共に、スリップ量
補正部44において第6図に示すようなスリップ量Vdが加
算される。例えば、直角に曲がるカーブの旋回を想定し
た場合に、旋回の前半においては求心加速度GY及びその
時間的変化率ΔGYは正の値となるが、カーブの後半にお
いては求心加速度GYの時間的変化率ΔGYは負の値とな
る。従って、カーブの前半においては加算部42におい
て、スリップ量DVi′に第5図に示すスリップ補正量Vg
(>0)及び第6図に示すスリップ補正量Vd(>0)が
加算されてスリップ量DViとされ、カーブの後半におい
てはスリップ補正量Vg(>0)及びスリップ補正量Vd
(<0)が加算されてスリップ量DViとされる。従っ
て、旋回の後半におけるスリップ量DViは旋回の前半に
おけるスリップ量DViよりも小さく見積もることによ
り、旋回の前半においてはエンジン出力を低下させて横
力を増大させ、旋回の後半においては、前半よりもエン
ジン出力を回復させて車両の加速性を向上させるように
している。
このようにして、補正されたスリップ量DViは例えば1
5msのサンプリング時間TでTSn演算部45に送られる。こ
のTSn演算部45内において、スリップ量DViが係数KIを乗
算されながら積分されて補正トルクTSnが求められる。
つまり、 TSn=GKiΣKI・DVi(KIはスリップ量DViに応じて変化す
る係数である) としてスリップ量DViの補正によって求められた補正ト
ルク、つまり積分型補正トルクTSnが求められる。
また、上記スリップ量DViはサンプリング時間T毎にT
Pn演算部46に送られて補正トルクTPnが算出される。つ
まり、 TPn=GKpDVi・Kp(Kpは係数) としてスリップ量DViにより補正された補正トルク、つ
まり比例型補正トルクTPnが求められる。
また、上記係数乗算部45b,46bにおける演算に使用す
る係数GKi,GKpの値は、シフトアップ時には変速開始か
ら設定時間後に変速後の変速段に応じた値に切替えられ
る。これは変速開始から実際に変速段が切替わって変速
を終了するまで時間がかかり、シフトアップ時に、変速
開始とともに変速後の高速段に対応した上記係数GKi,GK
pを用いると、上記補正トルクTSn,TPnの値は上記高速段
に対応した値となるため実際の変速が終了していないの
に変速開始前の値より小さくなり目標トルクφが大きく
なってしまって、スリップが誘発されて制御が不安定と
なるためである。
また、上記加算部40から出力される従動輪速度VRは
車体速度VBとして基準トルク演算部47に入力される。
そして、車体加速度演算部47aにおいて、車体速度の加
速度B(GB)が演算される。そして、上記車体加速度
演算部47aにおいて算出された車体速度の加速度GBはフ
ィルタ47bにより構成のところで説明したように、
(1)式乃至(3)式のいずれかのフィルタがかけられ
て、加速度GBの状態に応じてGBFを最適な位置に止ど
めるようにしている。そして、基準トルク算出部47cに
おいて、基準トルクTG(=GBF×W×Re)が算出され
る。
そして、上記基準トルクTGと上記積分型補正トルクT
Snとの減算は減算部48において行われ、さらに上記比例
型補正トルクTPnが減算部49において減算される。この
ようにして、目標トルクTφは Tφ=TG−TSn−TPnとして算出される。
そして、この目標トルクTφはスイッチS1の閉成時、
つまり制御開始/終了判定部69による制御開始条件成立
判定の際にエンジントルク算出部50に与えられ目標エン
ジントルクTφ′に換算される。そして、目標エンジン
トルクTφ′はエンジントルクの下限値Tlimを設定して
いる下限値設定部51において、第16図あるいは第17図に
示すようにトラクションコントロール開始からの経過時
間tあるい車体速度VBに応じて変化する下限値Tlimに
より、目標エンジントルクTφ′の下限値が制限され
る。つまり、トラクションコントロール制御開始時や低
速時のように基準トルクTGがうまく検出できなかった
場合でも、第16図あるいは第17図で示すようにトルク下
限値Tlimをやや大きめに設定しておいて、スリップが発
生しないトルク以上のエンジントルクTφ′を出力する
ことを可能として、良好な加速を得るようにしている。
これは、スリップが発生しないトルク以上のエンジント
ルクTφ′を出力して、スリップが発生した場合でもブ
レーキ制御によりスリップの発生を抑制するようにして
いるからである。
そして、下限値設定部51によりエンジントルクの下限
値が設定された目標エンジントルクTφ′はトルク/ス
ロットル開度変換部52に送られて、上記目標エンジント
ルクTφ′を発生させるための副スロットル弁の開度θ
sが求められる。そして、第1図(B)における吸気系
の副スロットル弁THs24の開度θsをモータ駆動回路25
及びそのモータ24Mを経て調整することにより、エンジ
ン16の出力トルクが目標エンジントルクTφ′になるよ
うに制御され、現在の路面状態で伝達し得る最大の駆動
力が発生される。
ところで、上記高車速選択部37から出力される大きい
方の従動輪車輪速度が減算部55において駆動輪の車輪速
度VFRから減算される。さらに、駆動輪の車輪速度VFL
から上記高車速選択部37から出力される従動輪で車速が
大きい方の車輪速度が減算部56において減算される。従
って、減算部55及び56の出力を小さく見積もるようにし
て、旋回中においてもブレーキを使用する回数を低減さ
せ、エンジントルクの低減により駆動輪のスリップを低
減させるようにしている。
上記減算部55の出力は減算部57においてKB倍(0<
KB<1)され、上記減算部56の出力は乗算部58におい
て(1−KB)倍された後、加算部59において加算され
て右側駆動輪のスリップ量DVFRとされる。また同時に、
上記減算部56の出力は乗算部60においてKB倍され、上
記減算部55の出力は乗算部61において(1−KB)倍さ
れた後加算部62において加算されて左側の駆動輪のスリ
ップ量DVFLとされる。上記変数KBは第13図に示すよう
にトラクションコントロールの制御開始からの経過時間
tに応じて変化するもので、トラクションコントロール
の制御開始時には「0.5」とされ、トラクションコント
ロールの制御が進むに従って、「0.8」に近付くように
設定されている。つまり、ブレーキにより駆動輪のスリ
ップを低減させる場合には、制動開始時においては、両
車輪に同時にブレーキを掛けて、例えばスプリット路で
のブレーキ制動開始時の不快なハンドルショックを低減
させることができる。一方、ブレーキ制御が継続されて
行われて、上記KBが「0.8」となった場合の動作につい
て説明する。この場合、一方の駆動輪だけにスリップが
発生したとき他方の駆動輪でも一方の駆動輪の20%分だ
けスリップが発生したように認識してブレーキ制御を行
なうようにしている。これは、左右駆動輪のブレーキを
全く独立すると、一方の駆動輪にのみブレーキがかかっ
て回転が減少するとデフの作用により今度は反対側の駆
動輪がスリップしてブレーキがかかり、この動作が繰返
されて好ましくないためである。上記右側駆動輪のスリ
ップ量DVFRは微分部63において微分されてその時間的変
化量、つまりスリップ加速度GFRが算出されると共に、
上記左側駆動輪のスリップ量DVFLは微分部64において微
分されてその時間的変化量、つまりスリップ加速度GFL
が算出される。そして、上記スリップ加速度GFRはブレ
ーキ液圧変化量(ΔP)算出部65に送られて、第14図に
示すGFR(GFL)−ΔP変換マップが参照されてスリッ
プ加速度GFRを抑制するためのブレーキ液圧の変化量Δ
Pが求められる。また、同様に、スリップ加速度GFLは
ブレーキ液圧変化量(ΔP)算出部66に送られて、第14
図に示すGFR(GFL)−ΔP変換マップが参照されて、
スリップ加速度GFLを抑制するためのブレーキ液圧の変
化量ΔPが求められる。
さらに、上記ΔP算出部65から出力されるスリップ加
速度GFRを抑制するためのブレーキ液圧の変化量ΔP
は、スイッチS2aの閉成時、つまり制御開始/終了判定
部69による制御開始条件成立判定の際にインレットバル
ブ17iの開時間Tを算出するΔP−T変換部67に与えら
れる。つまり、このΔP−T変換部67において算出され
たバルブ開時間Tが、右側駆動輪WFRのブレーキ作動時
間FRとされる。また、同時に、上記ΔP算出部66から出
力されるスリップ加速度GFLを抑制するためのブレーキ
液圧の変化量ΔPは、スイッチS2bの閉成時、つまり制
御開始/終了判定部69による制御開始条件成立判定の際
にインレットバルブ18iの開時間Tを算出するΔP−T
変換部68に与えられる。つまり、このΔP−T変換部68
において算出されたバルブ開時間Tが、左側駆動輪WFL
のブレーキ作動時間FLとされる。これにより、左右の駆
動輪WFR,WFLにより以上のスリップが生じることが抑制
される。
なお、第14図において、旋回時にブレーキを掛ける場
合には、内輪側の駆動輪のブレーキを強化するために、
旋回時の内輪側は破線aで示すようになっている。この
ようにして、旋回時において荷重移動が外輪側に移動し
て、内輪側がすべり易くなっているのを、ブレーキ液圧
の変化量ΔPを内輪側を外輪側よりも大きめとすること
により、旋回時に内輪側がすべるのを防止させることが
できる。
ここで、第21図(A)及び(B)はそれぞれ上記スリ
ップ制御の開始判定及び終了判定を示すフローチャート
である。
例えば車両が未舗装路等の若干の低μ路上で発進する
際に、アクセルペダルの踏込みに伴うエンジン出力の上
昇により、駆動輪WFR,WFLに駆動加速判定値αを上回る
駆動輪加速度GF(GF>α)の加速スリップが生じると、
前記駆動加速判定部70からの駆動加速判定信号に基づ
き、制御開始/終了半底部69によりスイッチS1及びS2a,
S2bが閉制御され、上記駆動輪WFR,WFLのスリップ量DV
に応じたエンジントルク制御、並びに制動制御によるス
リップ制御が開始される「第21図(A)」。ここで、ス
リップ制御の開始判定値となる上記駆動加速判定値α
は、判定値補正部71aにおいて車体加速度GBに応じて設
定される補正係数Kα(第20図参照)により補正され
る。つまり、未舗装路や砂利道等のように通常より若干
摩擦係数の低い路面上では、凍結路等のような更に摩擦
係数の低い路面上よりも大きい車体加速度が得られ、し
かもスリップ率Sの大きい状態で摩擦係数の最大値が得
られるので、車体加速度演算部47aから充分な車体加速
度GBが得られれば、未舗装路や砂利道等のように通常よ
り若干摩擦係数の低い路面上を走行中と判断して、上記
駆動加速半定値αは上記車体加速度GBの増加に応じて増
加され、ある程度のスリップの発生を許容する。従っ
て、車体に充分な加速が得られれば駆動輪WFR,WFLに多
少の加速スリップが生じていても駆動加速判定部70はそ
の判定信号(GF>α)を出力せず、制御開始/判定終了
部69によりスリップ制御が開始されることはない。よっ
て、駆動輪WFR,WFLにスリップを生じさせながら安全な
範囲で加速する加速性能が損われることはない。この場
合、上記駆動加速判定値αの補正係数Kαは、一定の車
体加速度以上(GB≧GB0)の領域で、その加速度GBに応
じて線形に変化させるので、駆動輪WFR,WFLがスリップ
しながらの加速走行中においても、常に適確なタイミン
グでスリップ制御を開始することができる。
一方、上記スリップ制御が開始された後の状態におい
て、例えばアクセルペダルの戻し操作による主スロット
ル弁THm23の閉じ動作に伴い、上記副スロットル弁THs24
の開度調整によるスリップ制御に拘らずエンジン出力ト
ルクが低下して駆動輪WFR,WFLのスリップ要因が解消さ
れると、このドライバ自身の意思によるスリップ抑制操
作状態は次のように検出される。つまり、制御開始/終
了判定部69において、先ず、副スロットルポジションセ
ンサ(TPS2)27から得られる現在の副スロットル開度θ
sと、センサデータメモリ69aに記憶された前回検出時
の副スロットル開度θs′との時間的変化量Δθs(=
|θs−θs′|)を演算し、この副スロットル開度変
化量Δθsが副スロットル開度変化判定値記憶部73で予
め記憶される所定の判定値θa以下であれば、現在、副
スロットル弁THs23の開度制御によるスリップ制御は、
上記副スロットル弁THs23の開度変化に大きい制御開始
直後の過渡状態ではなく、所定変動範囲内の一定した制
御量によるスリップ制御が行なわれていることになる。
そして、このようなスリップ制御量が少ない状態で、さ
らに、エンジントルクセンサ72から得られる現在のエン
ジントルクTEと、センサデータメモリ69aに記憶された
前回検出時のエンジントルクTE′との時間的減少変化量
ΔTE(=TE′−TE)を演算し、このエンジントルク減少
量ΔTEがエンジントルク変化半定置記憶部74で予め記憶
される所定の判定値Ta以上であれば、主スロットル弁TH
m23がアクセルペダルにより閉操作されドライバの意思
によりエンジントルクの低減操作がなされたことにな
る。すると、制御開始/終了判定部69によりスイッチS1
及びS2a,S2bが開制御され、上記駆動輪WFR,WFLのスリ
ップ量DVに応じたエンジントルク制御、並びに制動制御
によるスリップ制御が終了される「第21図(B)」。こ
こで、上記制御開始/終了判定部69により制御終了判定
が成された場合には、副スロットル弁THs24の開度θs
は徐々に全開方向に制御され、副スロットル全開SW29か
ら全開検出信号(オン)が得られた状態で待機される。
この場合、スリップ制御開始後の過渡状態を脱した後、
ドライバによるスリップ抑制操作によりエンジントルク
が減少してスリップが収束しつつあると判断することに
よってスリップ制御を終了させるので、例えば駆動トル
クの低減操作により加速スリップが確実に解消方向に向
かっても、上記駆動輪加速度GFが所定の加速判定値α以
下に収まるまでスリップ制御を続行する等の無駄な制御
動作が行われ、加速性が低下するのを未然に防止でき
る。
したがって、上記構成の加速スリップ防止装置によれ
ば、スリップ制御の終了判定を、副スロットル開度θs
の時間的変化量Δθsが所定の判定値θa以下で、且つ
エンジントルクTEの減少変化量ΔTEが所定の判定値Ta以
上である際に行なうので、副スロットル弁THs24の開度
制御によらない主スロットル弁THm23の閉動操作による
エンジントルクの低下を検出することにより、駆動輪の
スリップが収束しつつあることを検知でき、ドライバの
意思に応じた適確なタイミングでスリップ制御を終了
し、駆動輪スリップの発生を防止すると共に車輪の加速
性を向上させることが可能になる。
尚、上記実施例では、エンジントルクTEをエンジント
ルクセンサ72から得ているが、例えば次の〜に示す
他の手段によりトルク検出を行なってもよい。
エアフローセンサ30とエンジン回転センサ83により
検出されるエンジン1回転当たりの吸入空気量A/Nをエ
ンジン出力トルクTEに換算する。
負圧センサ30aにより検出される吸気管22内の負圧
をエンジン出力トルクTEに換算する。
ECU82により算出される燃料供給量をエンジン出力
トルクTEに換算する。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、吸気管内の吸気
流路に設けられたスロットル弁と、駆動輪のスリップ量
に応じて少なくとも上記スロットル弁の開度を調整し上
記駆動輪の駆動トルクを低減制御するスリップ制御手段
とを有するもので、上記スロットル弁の開度を検出する
スロットル開度検出手段と、エンジンの出力トルクを検
出するエンジントルク検出手段と、上記スロットル開度
の時間的変化量が所定の開度変化量以下で且つ上記エン
ジントルクの減少変化量が所定のトルク変化量以上であ
る際に上記駆動輪のスリップ量に応じた駆動トルク制御
を終了させる制御終了判定手段とを備えてなるので、ド
ライバの意思によりエンジン出力が確実に低下する方向
に操作された場合には、無駄なスリップ制御を行なうこ
となく、適確なタイミングで制御終了判定を行なうこと
により、駆動輪スリップの発生を防止すると共に、車両
の加速性を向上させることが可能になる車両の加速スリ
ップ防止装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は本発明の一実施例に係わる車両の加速ス
リップ防止装置の全体的な構成図、第1図(B)は第1
図(A)のエンジン吸気系を示す構成図、第2図は第1
図のトラクションコントローラの制御を機能ブロック毎
に分けて示したブロック図、第3図は求心加速度GYと変
数KGとの関係を示す図、第4図は求心加速度GYと変数K
rとの関係を示す図、第5図は求心加速度GYとスリップ
補正量Vgとの関係を示す図、第6図は求心加速度の時間
的変化量ΔGYとスリップ補正量Vdとの関係を示す図、第
7図乃至第12図はそれぞれ車体速度VBと変数Kvとの関
係を示す図、第13図はブレーキ制御開始時から変数KB
の経時変化を示す図、第14図はスリップ量の時間的変化
量GFR(GFL)とブレーキ液圧の変化量ΔPとの関係を
示す図、第15図及び第18図はそれぞれスリップ率Sと路
面の摩擦係数μとの関係を示す図、第16図はTlim−t特
性を示す図、第17図はTlim−VB特性を示す図、第19図
は旋回時の車両の状態を示す図、第20図は車体加速度GB
とスリップ判定値補正係数Kαとの関係を示す図、第21
図(A)及び(B)はそれぞれ上記車両の加速スリップ
防止装置によるスリップ制御の開始判定及び終了判定を
示すフローチャートである。 WFR,WFL……駆動輪、WRR,WRL……従動輪、11〜14……
車輪速度センサ、15……トラクションコントローラ、16
……エンジン、17,18……ホイールシリンダ、22……吸
気管、22a……サージタンク、23……主スロットルTHm、
24……副スロットル弁THs、26……主スロットルポジシ
ョンセンサ、27……副スロットルポジションセンサ、28
……主スロットルアイドルSW、29……副スロットル全開
SW、30……エアフローセンサ、30a……負圧センサ、47a
……車体加速度演算部、69……制御開始/終了判定部、
69a……センサデータメモリ、70……駆動加速判定部、7
0a……駆動輪加速度演算部、71……駆動加速判定値記憶
部、71a……判定値補正部、72……エンジントルクセン
サ、73……副スロットル開度変化判定値記憶部、74……
エンジントルク変化判定値記憶部、81a〜81d……燃料噴
射インジェクタ、82……エンジンコントロールユニット
(ECU)、83……エンジン回転センサ、S1,S2a,S2b……
スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 誠 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 上田 克則 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気管内の吸気流路に設けられたスロット
    ル弁と、駆動輪のスリップ量に応じて少なくとも上記ス
    ロットル弁の開度を調整し上記駆動輪の駆動トルクを低
    減制御するスリップ制御手段とを有する車両の加速スリ
    ップ防止装置において、 上記スロットル弁の開度を検出するスロットル開度検出
    手段と、 エンジンの出力トルクを検出するエンジントルク検出手
    段と、 上記スロットル開度の時間的変化量が所定の開度変化量
    以下で且つ上記エンジントルクの減少変化量が所定のト
    ルク変化量以上である際に上記駆動輪のスリップ量に応
    じた駆動トルク制御を終了させる制御終了判定手段とを
    具備したことを特徴とする車両の加速スリップ防止装
    置。
JP30479488A 1988-12-01 1988-12-01 車両の加速スリップ防止装置 Expired - Lifetime JP2629911B2 (ja)

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JP30479488A JP2629911B2 (ja) 1988-12-01 1988-12-01 車両の加速スリップ防止装置

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