JP2626998B2 - 塗装鋼板用塗料組成物 - Google Patents

塗装鋼板用塗料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、通常PCM(プレコートメタル)と称される
塗装鋼板を製造するための塗料組成物に関するものであ
る。
従来の技術 塗装鋼板(PCM)は、産業用、民生用に広く使用され
ている。
PCM用の塗料は、プレス加工性、硬度、耐湿性、耐溶
剤性などの特性を備えていることを要求される。
従来、PCM用の塗料としてはアルキド樹脂、アクリル
樹脂あるいはポリエステル樹脂が使用されている。ポリ
エステル樹脂を使用した文献としては、特開昭54−1653
7号公報、特開昭54−16538号公報、特公昭62−5467号公
報(特開昭56−167767号公報)などがある。
特に、特公昭62−5467号公報(特開昭56−167767号公
報)には、芳香族ジカルボン酸を主成分とするジカルボ
ン酸を酸成分とし、ビスフェノールAのアルキレンオキ
サイド付加物をグリコール成分の一部として用いたポリ
エステル樹脂をPCM用塗料として用いることが示されて
いる。この文献には、芳香族ジカルボン酸以外の酸成分
としてダイマー酸を用いることができること(ただし実
施例はあげられていない)、またスルホン酸塩基含有芳
香族ジカルボン酸を少量用いることができることが記載
されている。
本出願人の出願にかかる特開昭57−133166号公報に
は、テレフタル酸またはそのエステルを主成分とする酸
成分と、ネオペンチルグリコールおよびポリテトラメチ
レングリコールを必須成分とするグリコール成分とから
なる高分子量ポリエステルを解重合して得られたポリエ
ステルにメラミン化合物を配合した塗料用樹脂組成物が
示されているが、ダイマー酸の導入、スルホン酸金属塩
基を含有するジカルボン酸(またはそのエステル)また
はグリコールの導入については、いずれも開示がない。
同じく本出願人の出願にかかる特開昭58−210960号公
報には、テレフタル酸(またはそのエステル)およびイ
ソフタル酸(またはそのエステル)を主成分とする酸成
分と、ネオペンチルグリコールを必須成分とするグリコ
ール成分と、スルホン酸のアルカリ金属塩基および/ま
たはカルボン酸のアルカリ金属塩基を有する多官能性化
合物と構成成分とする線乗ポリエステルにメラミン化合
物を配合した顔料分散性にすぐれたポリエステル樹脂組
成物が示されているが、ダイマー酸の導入については開
示がなく、このポリエステルを解重合することについて
も開示がない。
なお、特開昭57−25323号公報には、ジカルボン酸成
分としてテレフタル酸、5−金属インフタル酸およびダ
イマー酸を用いたポリエステルが示されているが、この
文献は繊維、フィルム、その他の成形品として用いるポ
リエステルの染色性を改良することを目的としており、
本発明とは目的、用途が異なる。
特開昭58−63718号公報には、テレフタル酸(または
そのエステル)、ダイマー酸、ポリ(テトラメチレンオ
キシド)グリコール、1,4−ブタンジオールおよびスル
ホン酸塩基含有イソフタル酸エステルからなるコポリエ
ステルが示されているが、このコポリエステルは高溶融
強度弾性を有し、かつ吹込み成形品を製造することを目
的としており、やはり本発明とは目的、用途が異なる。
発明が解決しようとする課題 PCM用の塗料として使われているアルキド樹脂は、本
来可撓性の乏しい樹脂であるので、他の要求特性は満足
していても、重要な特性の1つであるプレス加工時の曲
げ加工性の改良の余地がある。
この点、ポリエステル樹脂を用いたPCM用塗料は、ア
ルキド樹脂の欠点である可撓性の乏しさが改良されてい
るので興味がある。特に、PCM用の塗料として近年使用
されつつある高分子量の飽和ポリエステル樹脂は、優れ
た加工性を有し、硬度等他の物性も比較的にバランスが
とれているものの、顔料分散性が必ずしも良好ではない
上、厚膜塗工が容易ではないという問題もある。
本出願人の出願にかかる特開昭57−133166号公報や特
開昭58−210960号公報に記載の樹脂組成物も、PCM用塗
料としてはなおそれぞれ一長一短があり、必ずしも市場
の要求を満たすものではなかった。
本発明は、このような状況に鑑み、PCM用塗料として
の特性をさらに改善したポリエステル系の塗料、すなわ
ち、顔料分散性および塗膜物性にすぐれかつハイソリッ
ド化が可能なPCM用塗料を提供することを目的になされ
たものである。
課題を解決するための手段 本発明の塗料鋼板用塗料組成物は、 芳香族ジカルボン酸(またはそのエステル)を必須成
分とする酸成分とグリコール成分とからなり、芳香族ジ
カルボン酸(またはそのエステル)以外の酸成分の少な
くとも一部がダイマー酸であり、かつ芳香族ジカルボン
酸(またはそのエステル)以外の酸成分の一部またはグ
リコール成分の少なくとも一部がスルホン酸金属塩基を
含有るジカルボン酸(またはそのエステル)またはスル
ホン酸金属塩基を含有するグリコールである高分子量飽
和ポリエステルのポリオールによる解重合物である数平
均分子量6000〜12000の解重合飽和ポリエステル(X)
と、 アルキルエーテル化ホルムアルデヒド樹脂(Y)、特
にメラミン系樹脂 とからなるものである。
以下本発明を詳細に説明する。
<解重合飽和ポリエステル(X)> 解重合飽和ポリエステル樹脂(X)は、芳香族ジカル
ボン酸(またはそのエステル)を必須成分とする酸成分
とグリコール成分とから構成される。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、無水フタル酸、フタル酸、1,4−ナフタール
酸、1.5−ナフタール酸、ジフェニン酸、4,4′−オキシ
安息香酸、ジグリコール酸、4,4′−スルホニルジ安息
香酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸などが用いられ、
塗膜物性の点からは、特にテレフタル酸およびイソフタ
ル酸の使用が好ましい。芳香族ジカルボン酸のエステル
としては、炭素数が1〜4程度のアルキルエステル、通
常はメチルエステルが用いられる。酸成分に占める芳香
族ジカルボン酸(またはそのエステル)の割合は、30モ
ル%以上、特に40モル%以上とすることが望ましい。
芳香族ジカルボン酸(またはそのエステル)以外の酸
成分としては、テトラヒドロ無水フタル酸、2,5−ノル
ボルナンジカルボン酸、ヘット酸、シュウ酸、マロン
酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタール酸、2,2
−ジメチルグルタール酸、アジピン酸、ドデカンジカル
ボン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などがあげ
られる(エステルとしては炭素数1〜4程度のアルキル
エステル)が用いられ、その酸成分に占める割合は70モ
ル%以下、特に60モル%以下とすることが望ましい。な
お、3官能以上のカルボン酸、たとえば、トリメリット
酸、ピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸などを併
用することもできる。
また小量であれば、無水マレイン酸、マレイン酸、無
水イタコン酸、イタコン酸、フマール酸などの不飽和ジ
カルボン酸を併用しても特に支障とはならない。
グリコール成分としては、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1,3−、1,4−または2,3
−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオー
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、ポリテトラメチレング
リコール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールAな
どがあげられ、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、グリセリン、1,3,6−ヘキサントリオール、
ペンタエリスリトール、ビスフェノールジオキシプロピ
ルエーテルなど3官能以上のアルコールを併用すること
もできる。
そして本発明においては、芳香族ジカルボン酸(また
はそのエステル)以外の酸成分の少なくとも一部として
ダイマー酸を用いる。
ダイマー酸は、オレイン酸、リノレイン酸などの不飽
和脂肪酸を二量化したものであって、主成分は不飽和ジ
カルボン酸であり、他に少量の一量体、三量体を含む混
合物である。ダイマー酸の水素添加物も、本発明に言う
ダイマー酸に含まれるものとする。
酸成分に占めるダイマー酸の割合は0.1〜70モル%、
特に0.1〜60モル%であることが望ましい。ダイマー酸
の割合が少なすぎても多すぎでも、PCM用塗料としての
物性バランスが損なわれる上、顔料分散性の点でもその
性質が低下する。
また本発明においては、芳香族ジカルボン酸(または
そのエステル)以外の酸成分またはグリコール成分の少
なくとも一部として、スルホン酸金属塩基を含有するジ
カルボン酸(またはそのエステル)またはスルホン酸金
属塩基を含有するグリコールを用いる。
スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸(またはそのエ
ステル)またはスルホン酸金属塩基を含有するグリコー
ルとは、分子内に1個以上のスルホン酸金属塩基と、少
なくとも2個のCOOR基(RはHまたはアルキル基)また
はOH基を有するものを言う。
該化合物としては、スルホナトリウムフタル酸、スル
ホカリウムフタル酸、スルホナトリウムテレフタル酸、
スルホカリウムテレフタル酸、スルホナトリウムイソフ
タル酸、スルホカリウムイソフタル酸等のスルホン酸金
属塩基含有ジカルボン酸(またはエステル)、3−ブテ
ン−1,2−ジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,5
−ジメチル−3−ヘキセン−2,5−ジオール、1,5−ヘキ
サジエン−3,4−ジオール、2,6−オクタジエン−4,5−
ジオール等の不飽和結合を有するグリコールに酸性亜硫
酸塩を反応させて得られるスルホン酸金属塩基含有グリ
コールなどあげられる。
酸成分またはグリコール成分に占めるスルホン酸金属
塩基含有ジカルボン酸(またはそのエステル)またはス
ルホン酸金属塩基含有グリコールの割合は、0.1〜5モ
ル%、特に0.3〜2モル%であることが望ましく、その
過少は顔料分散性の不足を招き、その過多は顔料分散
性、耐水性の低下を招く。
上記の各成分を常法に従って不活性ガス雰囲気下に温
度150〜250℃程度で縮合させ、さらに減圧下に220〜280
℃程度で重縮合させることにより、高分子量飽和ポリエ
ステルが製造される。縮合反応触媒としてはジブチルス
ズオキサイド、酢酸亜鉛などが用いられ、重縮合反応触
媒として三酸化アンチモン、化ゲルマニウム、テトラブ
チルチタネート、ジブチルスズオキサイドなどが用いら
れる。重縮合反応触媒は、縮合反応時に縮合反応触媒と
共に添加しておくこともできる。
上記の方法によって得られた飽和ポリエステルは、数
平均分子量が約7000〜約50000の高分子量飽和ポリエス
テルである。
本発明においては、この高分子量飽和ポリエステルを
解重合したものを用いる。解重合は、この高分子量飽和
ポリエステルに、該ポリエステル中の酸成分に対し0.00
05〜5モル%のポリオールを添加し、温度210〜280℃で
加熱、混合することにより達成できる。
そしてこの解重合反応により、数平均分子量が6000〜
12000の解重合飽和ポリエステル(X)を得るようにす
る。数平均分子量が6000未満では、塗膜の柔軟性が損わ
れて高度の折り曲げ加工や深絞りに充分には耐えられ
ず、数平均分子量が12000を越えるときは、ハイソリッ
ド化などの点で所期の目的を充分には達成できない。
上記の解重合の際に用いるポリオールとしては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,
3−、1,4−または2,3−ブチレングリコール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−
1,3−ヘキサンジオールなどのグリコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
ペンタエリスリトール、1,3,6−ヘキサントリオールな
ど3価以上の多価アルコールが用いられる。これらは単
独でまたは2種以上を併用することができる。しかしな
がら、解重合の効率を考慮して、通常は3価以上の多価
アルコールを用いるか、これに少量のグリコールを併用
することが多い。
<アルキルエーテル化ホルムアルデヒド樹脂(Y)> アルキルエーテル化ホルムアルデヒド樹脂(Y)とし
ては、メラミン系化合物が有用である。
メラミン系化合物としては、メラミンおよびその誘導
体、たとえばヘキサメチロールメラミンのような遊離ア
ミノ基の大部分の水素をメチロール基で置換したもの、
および炭素数が1〜6のアルコキシメチルメラミン、す
なわち上記ヘキサメチロールメラミンの大部分のメチロ
ール基をアルコキシ化したもの、たとえばヘキサメトキ
シメチルメラミ、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキ
サプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメ
ラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサ
ヘキシルオキシメチルメラミンあるいはこれらを2種を
組み合わせた混合エーテル化メラミンがあげられる。
アルコキシメチルメラミンは、たとえばヘキサメトキ
シメチルメラミンの場合、メラミンとホルムアルデヒド
を反応させて得られるヘキサメチロームメラミンをメタ
ノールでエーテル化し、さらにその大部分がメトキシメ
チル基になったものである。
なお以上のほかに、メチロール化ベンゾグアナミンの
メチルエーテル化物やブチルエーテル化物なども同様に
使用することができる。
アルキルエーテル化ホルムアルデヒド樹脂(Y)は、
それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用い
てもよい。
<配合割合> 解重合飽和ポリエステル(X)100重量部に対するア
ルキルエーテル化ホルムアルデヒド樹脂(Y)の配合割
合は、5〜45重量%、特に10〜35重量%とすることが望
ましい。アルキルエーテル化ホルムアルデヒド樹脂
(Y)の配合割合が余りに少ないと、塗装膜の耐溶剤性
や耐汚染性が低下し、一方その配合割合が余りに多い
と、塗膜が硬くなりすぎて、プレス加工時の高度の折り
曲げや深絞りに耐えられなくなる。
<塗装方法> 本発明の塗料組成物は、上述の解重合飽和ポリエステ
ル(X)とアルキルエーテル化ホルムアルデヒド樹脂
(Y)との配合物からなるが、鋼板への塗装に際して
は、溶媒としてトルエン、キシレン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソ
ホロン、メチルセロソルブ、ブチルスロソルブ、セロソ
ルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビ
トール、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビ
トールアセテート、メタノール、イソプロパノール、ブ
タノール、オクタノール、ジアセトンアルコール、酢酸
エチル、酢酸ブチル、石油エーテル、石油ナフサなどの
溶剤に適当に適当濃度に溶解して用いる。
またこの際には、体質顔料または着色顔料、すなわ
ち、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、アルミナ、シ
リカ、酸化チタン、タルク、硫酸バリウム、リトポン、
マイカ、石膏、パーライト、ドロマイト等の充填剤、ベ
ンガラ、マンガンブルー、カーボンブラック、鉄黒、ウ
ルトラマリンブルー、クロームイエロー、クロームグリ
ーン、アニリンブラック、シアニンブルー、フタロシア
ニンブルー、キナクリドンレッド等の着色剤を配合する
の通常である。
そのほか、塗料に一般的に用いられる添加剤、たとえ
ば、レベリング剤(シリコーン、セルロースアセテート
ブチレート等)、硬化触媒(p−トルエンスルホン酸お
よびその塩、リン酸モノアルキルエステル、メラミン樹
脂用硬化触媒等)などを必要に応じて配合する。
塗装方法としては、スプレーコート法、ロールコート
法、フローコート法、静電塗装法、電着塗装法、浸漬塗
装法など種々の方法が採用される。
作用および発明の効果 本発明のPCM用塗料組成物は、従来のそれに比し、PCM
用塗料としての要求特性(プレス加工時の曲げ加工性、
鋼板との密着性、耐湿性、耐溶剤性)をバランス良く備
えている。
また、構成成分としてダイマー酸と、スルホン酸金属
塩基含有ジカルボン酸(またはそのエステル)またはス
ルホン酸金属塩基含有グリコールとを導入したため、顔
料分散性がすぐれているという効果も奏する。さらに、
上記成分の反応により得られた高分子量飽和ポリエステ
ル樹脂を数平均分子量が6000〜12000になるまで解重合
しているため、上記諸特性を損なうことなくハイソリッ
ド化が可能となり、厚膜塗工が容易になるという効果を
奏する。
このように本発明の塗料は、PCM用塗料として要求さ
れる特質を兼ね備えている。
実 施 例 次に実施例をあげて本発明にさらに説明する。以下
「部」、「%」とあるのは、反射光沢(%)および光沢
保持率(%)を除き、重量基準で表わしたものである。
<解重合飽和ポリエステル(X)の製造> 製造例1 撹拌機、精留塔、窒素導入管、真空装置および温度計
を備えた反応容器に、テレフタル酸199.4部、イソフタ
ル酸99.7部、セバシン酸182.0部、エチレングリコール2
42.1部、ネオペンチルグリコール62.5部、ダイマー酸
(播磨化成工業株式会社製、ハリダイマー#300)43.6
部、スルホイソフタル酸ジメチルエステルNa塩6.7部、
および反応触媒としてのジn−ベチルスズオキサイド0.
2部と三酸化アンチモン0.3部とを仕込み、150℃から220
℃まで5時間かけてエステル化反応を行った。次に30分
かけて1mmHgまで減圧し、さらに0.1〜0.8mmHgの減圧下2
30〜250℃で2時間縮合反応を行った。
その後、反応系を窒素ガスで常圧に戻し、トリメチロ
ールプロパン、8.4部を仕込んで、230〜240℃で2時
間、解重合反応を行った。
これにより、淡黄色透明の解重合飽和ポリエステル樹
脂が得られた。
この解重合飽和ポリエステル樹脂の組成をNMR、原子
吸光、ガスクロマトグラフィーなどにより解析した。ま
たGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)に
より分子量を測定した。結果を第1表に示す。
製造例2〜7 製造例1に準じて、第1表に示した組成および分子量
を有する解重合飽和ポリエステルを製造した。
比較製造例1〜3 製造例1に準じて、第1表に示した組成および分子量
を有する解重合飽和ポリエステルを製造した。また解重
合を行わない高分子量飽和ポリエステルも製造した。結
果を第1表に併せて示す。
比較製造例1はダイマー酸およびスルホイソフタル酸
ジメチルエステルNa塩の双方を欠く場合、比較製造例2
はダイマー酸を欠く場合、比較製造例3は解重合を行わ
ない場合である。
第1表の略号の意味は次の通りであり、表中の組成の
単位は「モル」である。
酸成分 TPAは、テレフタル酸 IPAは、イソフタル酸 SbAは、セバシン酸 DAは、ダイマー酸 H−DAは、水添ダイマー酸 SIPMは、スルホイソフタル酸ジメチルエステルのNa塩 グリコール成分 EGは、エチレングリコール NPGは、ネオペンチルグリコール S−1,4BGは、スルホー1,4−ブタンジオールのNa塩 解重合 TPMは、トリメチロールプロパンで解重合 PEは、ペンタエリスリトールで解縮合 分子量 ▲▼は、数平均分子量 ▲▼は、重量平均分子量 ▲▼/▲▼は、両者の比 <塗料の調製> 実施例1〜7、比較例1〜3 上記で得た飽和ポリエステルをシクロヘキサノン/イ
ソホロン/ソルヘッソ#150(エッソスタンダードオイ
ル社製の芳香族系溶剤)の重量比で50/20/30の混合溶媒
に溶解して樹脂分40%の溶液とし、この溶液を用いて下
記の処方で各成分を混合し、ディスパー中で1時間分散
混練して、PCM用塗料組成物(白エナメル塗料および黒
エナメル塗料)を調製した。
白エナメル塗料処方 黒エナメル塗料処方 上記白エナメル塗料処方において、二酸化チ50部に代
えてカーボンブラック(三菱化成株式会社製のMA100)
4部を用いたもの。
<塗工試験> 顔料分散性判定用 上記の白エナメル塗料100部と黒エナメル塗料)24部
をディスパーで1分間混合して灰色塗料を作成した。
この灰色塗料をその作成直後にバーコーターを用いて
厚さ0.3mmのブリキ板上に乾燥膜厚を17〜20μmとなる
ように塗工し、すぐにラビングテストを行った後、180
℃で焼付けて塗板1とした。
また、この灰色塗料を50℃で5日間貯蔵した後、上記
と同様にして塗工を行い、塗板2とした。
塗膜物性測定用 上記の白エナメル塗料を厚さ0.3mmのリン酸亜鉛処理
軟鋼板(日本テストパネル会社製のボンデ#144処理
板)上に乾燥膜厚が17〜21μmとなるようにリバースコ
ーターを用いて塗工し、軟鋼板の最終到達温度が220℃
になるように90秒間熱封乾燥機で焼付けを行った。
<評価> 上記の塗料組成物および得られた塗装鋼板(PCM)に
つき、下記に述べる方法により顔料分散性の評価、不揮
発分の測定および塗膜物性の測定を行った。結果を後の
第2表に示す。
顔料分散性 塗板1および塗板2のラビングテスト部分の色分れ
の程度を目視判定した。
塗板1および塗板2の色差計による色差(Lab値よ
り次式で与えられる色差△E)を測定し、色差△Eの小
なるものを顔料分散性良好と判定した。
不揮発分の測定 フォードカップ#4で測定した粘度(20℃)が60秒と
なるときの塗料の不揮発分を求めた。なお稀釈はイソホ
ロンで行った。
光沢 60゜−60゜反射光沢を測定した。
鉛筆硬度 塗装鋼板の塗面を、JIS S−6006に規定された高級
鉛筆を用いてJIS K−5400に準じて測定した。
加工性(T折り曲げ加工性) 2φマンドレル程度に折り曲げた折り曲げ部に、試験
硬と同じ厚さの軟鋼板をはさみ、万力を使って最終はさ
み曲げを行い、折り曲げ部をクラックの入らないまでに
はさんだ板の枚数で加工性を評価した。n枚の場合をnT
と表わした。
耐キシロール性 塗面を20℃でキシロールをしみこませたガーゼで100
回ラッピングし、塗面状態を観察した。
耐沸水性 沸騰水に2時間浸漬した後、60゜−60゜反射光沢を測
定し、沸騰水浸漬前に対する光沢保持率(%)で表わし
た。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸(またはそのエステ
    ル)を必須成分とする酸成分とグリコール成分とからな
    り、芳香族ジカルボン酸(またはそのエステル)以外の
    酸成分の少なくとも一部がダイマー酸であり、かつ芳香
    族ジカルボン酸(またはそのエステル)以外の酸成分の
    一部またはグリコール成分の少なくとも一部がスルホン
    酸金属塩基を含有するジカルボン酸(またはそのエステ
    ル)またはスルホン酸金属塩基を含有するグリコールで
    ある高分子量飽和ポリエステルのポリオールによる解重
    合物である数平均分子量6000〜12000の解重合飽和ポリ
    エステル(X)と、アルキルエーテル化ホルムアルデヒ
    ド樹脂(Y)とからなる塗装鋼板用塗料組成物。
  2. 【請求項2】解重合飽和ポリエステル(X)中の酸成分
    に占めるダイマー酸の割合が0.1〜50モル%である請求
    項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】解重合飽和ポリエステル(X)中の酸成分
    またはグリコール成分に占めるスルホン酸金属塩基を含
    有するジカルボン酸(またはそのエステル)またはスル
    ホン酸金属塩基を含有するグリコールの割合が0.1〜5
    モル%である請求項1記載の組成物。
JP17875888A 1988-07-18 1988-07-18 塗装鋼板用塗料組成物 Expired - Fee Related JP2626998B2 (ja)

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