JP2625747B2 - 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置

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JP2625747B2 JP20878387A JP20878387A JP2625747B2 JP 2625747 B2 JP2625747 B2 JP 2625747B2 JP 20878387 A JP20878387 A JP 20878387A JP 20878387 A JP20878387 A JP 20878387A JP 2625747 B2 JP2625747 B2 JP 2625747B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
に関するものである。
従来技術およびその問題点 一次側回転軸および二次側回転軸にそれぞれ設けられ
た一対の可変プーリと、それらの一対の可変プーリに巻
き掛けられて動力を伝達する伝動ベルトと、前記一対の
可変プーリの有効径をそれぞれ変更する一対の一次側油
圧シリンダおよび二次側油圧シリンダとを備えた車両用
ベルト式無段変速機が知られている。かかる無段変速機
の油圧制御装置においては、たとえば特開昭52−98861
号公報に記載されているように、二次側(従動側)油圧
シリンダに供給される作動油圧を調圧することにより専
ら伝動ベルトの張力が制御され、一次側(駆動側)油圧
シリンダに供給される作動油量或いはそれから排出され
る作動油量を調節することにより専ら速度比が制御され
るように構成されている。
しかし、かかる油圧制御装置においては、実際の速度
比などと関連して調圧されるライン油圧が1種類用意さ
れて、これが伝動ベルトの張力を維持する二次側油圧シ
リンダに直接的に供給されるとともに、速度比を制御す
る流量制御弁を介して一次側油圧シリンダにも供給され
る。このため、一次側油圧シリンダに作動油を流入させ
て一次側可変プーリの有効径を二次側可変プーリよりも
大きくして速度比変化範囲を充分に得るようにするに
は、一次側油圧シリンダの受圧面積を二次側油圧シリン
ダの受圧面積よりも大きくする必要がある。このため、
斯る形式の車両用ベルト式無段変速機では、外形寸法が
大きくなるとともに、一次側油圧シリンダへの作動油流
量が大きくなるため、変速応答性が充分に得られないと
いう不都合が生じる。また、一次側油圧シリンダの構成
部品が大型となり且つ容積が大きくなる結果、一次側回
転軸の慣性モーメントが大きくなり、特に減速変速(減
速側への速度比変化)では、一次側回転軸およびこれと
直結されるエンジンの回転速度上昇率が充分に得られ
ず、あるいはこれに加えて一次側回転軸が一時的に車両
の慣性により駆動される状態が発生し、車両の運転性が
損なわれる場合があった。
これに対し、特公昭58−29424号に記載されているよ
うに、油圧源からの作動油を油圧シリンダの一方へ供給
すると同時に他方から流出させることにより速度比を変
化させる変速制御弁(4方弁)と、この制御弁から流出
する作動油を調圧する電磁リリーフ弁とが備えられたベ
ルト式無段変速機が考えられている。かかる形式のベル
ト式無段変速機においては、両油圧シリンダのうち動力
伝達状態において内部の油圧が高くなる側(駆動側)に
位置する油圧シリンダに油圧ポンプからの相対的に高い
ライン油圧が作用させられ、反対側の油圧シリンダには
電磁リリーフ弁により調圧された相対的に低い油圧が作
用させられるため、一次側油圧シリンダの受圧面積を二
次側油圧シリンダよりも大きくする必要がなく、一次側
油圧シリンダの受圧面積を大きくすることに起因する前
記不都合が生じない。また、電磁リリーフ弁により調圧
された相対的に低い油圧により、伝動ベルトに対する挟
圧力が好適に制御され得る。
しかし、斯る形式の油圧制御装置においては、油圧ポ
ンプから変速制御弁へ供給される相対的に高いライン油
圧は何等調圧されていないので、ベルト式無段変速機の
作動条件において所定の速度比を実現できるようにする
ために予め高い値に設定される必要がある。このため、
通常の作動条件下では油圧ポンプは不要な仕事をさせら
れることになり、動力損失が大きくなって車両の燃費を
低下させる欠点があった。
問題点を解決するための手段 本発明は以上の事情を背景として為されたものであ
り、その目的とするところは、一次側油圧アクチュエー
タの受圧面積を二次側油圧アクチュエータよりも増加さ
せることなく速度比変化範囲が充分に得られ、しかも、
油圧ポンプにおける動力損失を可及的に軽減することが
できる油圧制御装置を提供することにある。
斯る目的を達成するための本発明の要旨とするところ
は、一次側回転軸および二次側回転軸にそれぞれ設けら
れた一対の可変プーリ間に巻き掛けられた伝動ベルト
と、その可変プーリの有効径を変更する一対の油圧アク
チュエータとを備えた車両用ベルト式無段変速機におい
て、 (a) 油圧源から供給される作動油を、第1ライン油
圧およびその第1ライン油圧よりも相対的に低圧な第2
ライン油圧にそれぞれ調圧する第1調圧弁および第2調
圧弁と、 (b) 前記第1ライン油圧を導く第1ライン油路を前
記一対の油圧アクチュエータの一方と連通させると同時
に前記第2ラインを導く第2ライン油路をその一対の油
圧アクチュエータの他方と連通させる状態と、前記第2
ライン油路または大気をその一対の油圧アクチュエータ
の一方と連通させると同時に前記第1ライン油路をその
一対の油圧アクチュエータの他方と連通させる状態との
2位置に位置させられる変速方向切換弁と、その変速方
向切換弁の作動に従って、前記一対の油圧アクチュエー
タの一方または他方へ流入させられる作動油の流量、或
いはその一対の油圧アクチュエータの他方または一方か
ら流出させられる作動油の流量を抑制する状態と抑制し
ない状態との2位置またはその間に位置させられる流量
切換弁と、を備え、前記ベルト式無段変速機の速度比を
変化させる変速制御弁装置と、 を含み、且つ、 (c) 前記変速方向切換弁と流量切換弁とが1対の第
1接続路および第2接続路にて連結されるとともに、 (d) その変速方向切換弁が、前記第1ライン油路と
連通する第1入力ポートと、前記第2ライン油路と連通
する第2入力ポートと、ドレンに連通するドレンポート
と、3つのランドを有して摺動可能に設けられ、前記第
1接続路をドレンポートおよび第1入力ポートへ択一的
に連通させ、前記第2接続路を第1入力ポートおよび第
2入力ポートに択一的に連通させるスプール弁子とを備
えたものであり、 (e) 前記流量切換弁が、前記1対の油圧アクチュエ
ータのうちの一次側油圧アクチュエータと連通する第1
出力ポートと、前記1対の油圧アクチュエータのうちの
二次側油圧アクチュエータと連通する第2出力ポート
と、3つのランドを有して摺動可能に設けられ、その第
1出力ポートと前記第1接続路との間、およびその第2
出力ポートと前記第2接続路との間をそれぞれ開閉する
スプール弁子とを備えたことにある。
作用および発明の効果 このようにすれば、第1調圧弁および第2調圧弁によ
り第1ライン油圧および第2ライン油圧がそれぞれ用意
されているので、それらの差圧によって前記一次側油圧
アクチュエータおよび二次側油圧アクチュエータの一方
へ作動油が供給され且つ他方から作動油が排出される。
したがって、一次側油圧アクチュエータおよび二次側油
圧アクチュエータの推力比変化範囲が充分に得られるの
で、一次側油圧アクチュエータの受圧面積を大きくしな
くても充分な速度比変化範囲が得られるとともに、一次
側油圧アクチュエータの受圧面積を大きくすることに起
因する変速応答性および運転性の低下が解消される。
また、第1調圧弁をエンジンの出力状態と関連させて
制御することにより第1ライン油圧は変速比変化速度が
充分に得られ且つ動力損失が生じないように必要且つ充
分な値に制御されるとともに、第2調圧弁を速度比や伝
達トルクと関連させて制御することにより第2ライン油
圧は伝動ベルトの滑りが生じない範囲で必要且つ充分な
値に制御されるので、油圧ポンプの駆動に関連した車両
の動力損失が大幅に軽減される利点がある。
しかも、変速制御弁装置が、2位置に位置させられる
変速方向切換弁と2位置またはその間に位置させられる
流量切換弁とから構成されているので、リニヤソレノイ
ドを備えた制御弁を用いる場合に比較して、作動油に混
在する鉄粉、塵などの影響を受け難く、作動の信頼性が
向上し、且つ装置が安価となる。
また、前記のように、スプール弁子が3つのランドを
備えた形状とされて全長が短くなっているため、摺動抵
抗が小さくなって、スプール弁子の固着が発生し難くな
り作動が安定するとともに、スプール弁子が軽量となっ
て作動の応答性が高められる。特に、流量切換弁におい
てはデューティ制御の周波数の上限値が高められる利点
がある。また、上記のようにスプール弁子の全長が短く
されるため、弁の寸法が小さくなって他の油路の取り廻
しが容易となる。さらに、スプール弁子の全長が短くな
るので、その製作に際しての加工性が高められて弁が安
価となる ここで、前記変速制御弁装置は、好適には、前記第1
接続路と前記流量切換弁の第1出力ポートとの間に、流
通制限方向がその第1接続路に向かう方向の絞り付逆止
弁を備えたバイパス油路を有するもので.る。このよう
にすれば、緩やかな増速変速のときには上記バイパス油
路を通して一次側油圧シリンダへ作動油が供給される一
方、緩やかな減速変速のときには一次側油圧シリンダ内
の作動油が上記バイパス油路からドレンポートへ漏れる
ことが阻止される。
また、前記変速制御弁装置は、好適には、前記変速方
向切換弁の第2入力ポートと前記流量切換弁の第2出力
ポートとの間に、絞りを備えたバイパス油路を有するも
のである。このようにすれば、緩やかな増速変速のとき
に二次側油圧アクチュエータ内の作動油がそのバイパス
油路を通して第2ライン油路へ排出されるとともに、速
やかな減速変速のときに供給された第1ライン油圧が第
2ライン油圧に低下することが阻止される。また、緩や
か減速変速のときに、二次側油圧アクチュエータへの作
動油補給により、二次側油圧アクチュエータ内の作動油
圧が第2ライン油圧よりも低くならないようにされる。
また、好適には、前記変速方向切換弁のスプール弁子
は前記ベルト式無段変速機の速度比を減速側へ変化させ
る位置に向かってスプリングの付勢力を受けており、前
記流量切換弁のスプール弁子は、前記第1出力ポートと
前記第1接続路との間、および前記第2出力ポートと前
記第2接続路との間をそれぞれ閉じる側に向かってスプ
リングの付勢力を受けており、上記変速方向切換弁のス
プール弁子および流量切換弁のスプール弁子は、絞りを
通して供給されるパイロット油圧が作用されることによ
り前記スプリングの付勢力に抗してそれぞれ駆動される
とともに、常閉型の第1電磁弁および第2電磁弁が開か
れて上記絞りよりも下流側が排圧されることにより上記
スプリングの付勢力に従って移動させられるものであ
る。このようにすれば、たとえば制御装置を構成するコ
ンピュータの故障によって第1電磁弁および第2電磁弁
が共にオフ状態となると、ベルト式無段変速機の速度比
が速やかに増速側へ変化させられるので、車両の再発進
を困難として制御装置の故障を知らしめ得る。
実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。
第2図において、エンジン10の動力は、ロックアップ
クラッチ付流体継手12、前後進切換装置14、ベルト式無
段変速機(以下、CVTという)16、中間ギア装置18、お
よび差動歯車装置20を経て駆動軸22に連結された駆動輪
24へ伝達されるようになっている。
流体継手12は、エンジン10のクランク軸26と接続され
ているポンプ28と、前後進切換装置14の入力軸30に固定
されポンプ28からのオイルにより回転させられるタービ
ン32と、ダンパ34を介して入力軸30に固定されたロック
アップクラッチ36とを備えている。ロックアップクラッ
チ36は、たとえば車速、エンジン回転速度、またはター
ビン28の回転速度が所定値以上になると作動させられ
て、クランク軸26と入力軸30とを直結状態にするもので
ある。
前後進切換装置14は、よく知られたダブルピニオン型
遊星歯車機構であって、CVT16の入力軸(前後進切換装
置14の出力軸)38に固定されたキャリア42により回転可
能に支持され且つ互いに噛み合う一対の遊星ギア44およ
び46と、前後進切換装置14の入力軸(流体継手12の出力
軸)30に固定され且つ内周側の遊星ギア44と噛み合うサ
ンギア40と、外周側の遊星ギア46と噛み合うリングギア
48と、リングギア48の回転を停止するための後進用ブレ
ーキ50と、上記キャリア42と前後進切換装置14の入力軸
30とを連結する前進用クラッチ52とを備えている。後進
用ブレーキ50および前進用クラッチ52は油圧により作動
させられる形式の摩擦係合装置であって、それらが共に
係合しない状態では前後進切換装置14が中立状態とされ
て動力伝達が遮断される。しかし、前進用クラッチ52が
係合させられると、流体継手12の出力軸30とCVT16の入
力軸38とが直結されて車両前進方向の動力が伝達され
る。また、後進用ブレーキ50が係合させられると、流体
継手12の出力軸30とCVT16の入力軸38との間で回転方向
が反転されるので、車両後進方向の動力が伝達される。
CVT16は、その入力軸38および出力軸54にそれぞれ設
けられた略同径の可変プーリ56および58と、それら可変
プーリ56および58に巻き掛けられた伝動ベルト60とを備
えている。可変プーリ56および58は、入力軸38および出
力軸54にそれぞれ固定された固定回転体62および64と、
入力軸38および出力軸54にそれぞれ軸方向の移動可能か
つ軸回りの相対回転不能に設けられた可動回転体66およ
び68とから成り、可動回転体66および68が油圧アクチュ
エータとして機能する油圧シリンダ70および72によって
移動させられることによりV溝幅すなわち伝導ベルト60
の掛り径(有効径)が変更されて、CVT16の速度比e
(=出力軸54の回転速度Nout/入力軸38の回転速度
Nin)が変更されるようになっている。可変プーリ56お
よび58は同径であるため、上記油圧シリンダ70および72
は同様の受圧面積を備えている。通常、油圧シリンダ70
および72のうちの従動側に位置するものの挟圧力は伝導
ベルト60の張力と関連させられる。なお、オイルポンプ
74は油圧制御回路の油圧源を構成するものであって、流
体継手12のポンプ28に一体的に固定されることにより、
クランク軸26によって常時回転駆動されるようになって
いる。
第1図は第2図に示す車両用動力伝達装置を制御する
ための油圧制御回路を示している。オイルポンプ74は図
示しないオイルタンク内に還流した作動油をストレーナ
76および吸入油路78を介して吸い込み第1ライン油路80
へ圧送する。本実施例では、第1ライン油路80内の作動
油がオーバーフロー(リリーフ)型式の第1調圧弁100
によって吸入油路78およびロックアップクラッチ圧油路
92へ流出させられることにより、第1ライン油圧Pl1
調圧されるようになっている。また、減圧弁型式の第2
調圧弁102によって第1ライン油圧Pl1が減圧されること
により第2ライン油圧Pl2が発生させられるようになっ
ている。
まず、第2調圧弁102の構成を説明する。第3図に示
すように、第2調圧弁102は、第1ライン油路80と第2
ライン油路82との間を開閉するスプール弁子110、スプ
リングシート112、リターンスプリング114、プランジャ
116を備えている。スプール弁子110の第1ランド118と
第2ランド120との間には第2ライン油圧Pl2がフィード
バック圧として絞り122を通して導入される室124が設け
られており、スプール弁子110が第2ライン油圧Pl2によ
り閉弁方向へ付勢されるようになっている。また、スプ
ール弁子110の第1ランド118側には、絞り126を介して
後述の速度比圧Peが導かれる室128が設けられており、
スプール弁子110が速度比圧Peにより閉弁方向へ付勢さ
れるようになっている。第2調圧弁102内においてはリ
ターンスプリング114の開弁方向付勢力がスプリングシ
ート112を介してスプール弁子110に付与されている。ま
た、プランジャ116の端面に後述のスロットル圧Pthを作
用させるための室130が設けられており、スプール弁子1
10がこのスロットル圧Pthにより開弁方向へ付勢される
ようになっている。したがって、第1ランド118の受圧
面積をA1、第2ランド120の断面の面積をA2、プランジ
ャ116の受圧面積をA3、リターンスプリング114の付勢力
をWとすると、スプール弁子110は次式(1)が成立す
る位置において平衡させられる。すなわち、スプール弁
子110が式(1)にしたがって移動させられることによ
り、ポート132aに導かれている第1ライン油路80内の作
動油がポート132bを介して第2ライン油路82へ流入させ
られる状態とポート132bに導かれている第2ライン油路
82内の作動油がドレンに連通するドレンポート132cへ流
される状態とが繰り返されて、第2ライン油圧Pl2が発
生させられるのである。なお、上記第2ライン油路82は
比較的閉じられた系であるので、第2調圧弁102は相対
的に高い油圧である第1ライン油圧Pl1を減圧すること
により第2ライン油圧Pl2を発生させるのである。
Pl2=(A3・Pth+W−A1・Pe)/(A2−A1) ・・・・(1) 第1調圧弁100は、第4図に示すように、スプール弁
子140、スプリングシート142、リターンスプリング14
4、プランジャ146を備えている。スプール弁子140は、
第1ライン油路80に連通するポート148aとドレンポート
148bまたは148cとの間を開閉するものであり、その第1
ランド150の端面にフィードバック圧としての第1ライ
ン油圧Pl1を絞り151を介して作用させるための室152が
設けられており、この第1ライン油圧Pl1によりスプー
ル弁子140が開弁方向へ付勢されるようになっている。
スプール弁子140と同軸に設けられたプランジャ146の第
1ランド154と第2ランド156との間にはスロットル圧P
thを導くための室158が設けられており、また、第1ラ
ンド154の端面に後述のスイッチ弁170により選択された
第2ライン油圧Pl2および一次側油圧シリンダ70内の油
圧Pinのうち相対的に高い油圧を作用させるための室160
が設けられている。そして、リターンスプリング144の
付勢力は、スプリングシート142を介して閉弁方向にス
プール弁子140に付与されている。したがって、スプー
ル弁子140の第1ランド150の受圧面積をA4、プランジャ
146の第2ランド156の断面の面積をA5、プランジャ146
の第1ランド154の受圧面積をA6、リターンスプリング1
44の付勢力をWとすると、スプール弁子140は次式
(2)が成立する位置において平衡させられる。すなわ
ち、スプール弁子140が式(2)にしたがって移動させ
られることにより、ポート148aに導かれている第1ライ
ン油路80内の作動油の一部がドレンポート148bおよび14
8cへ同時に流出させられて第1ライン油圧Pl1が調圧さ
れるのである。
Pl1=〔(Pin or Pl2)・A6+Pth(A5−A6)+W〕/A4 ・・・・(2) 第1図に戻って、上記スロットル圧Pthはエンジン10
における実際のスロットル弁開度θthを表すものであ
り、スロットル弁開度検知弁180によって発生させられ
る。また、速度比圧PeはCVT16の実際の速度比を表すも
のであり、速度比検知弁182によって発生させられる。
すなわち、スロットル弁開度検知弁180は、図示しない
スロットル弁とともに回転させられるカム184と、この
カム184のカム面に係合し、このカム184の回動角度と関
連して軸方向へ駆動されるプランジャ186と、スプリン
グ188を介して付与されるプランジャ186からの推力と第
1ライン油圧Pl1からの推力とが平衡した位置に位置さ
せられることにより第1ライン油圧Pl1を減圧し、実際
のスロットル弁開度θthに対応したスロットル圧Pth
発生させるスプール弁子190とを備えている。第5図は
上記スロットル圧Pthとスロットル弁開度θthとの関係
を示すものであり、油路84を通して第1調圧弁100、第
2調圧弁102、リミット弁210、第3調圧弁220へそれぞ
れ供給される。
また、速度比検出弁182は、CVT16の入力側可動回転体
66に摺接してその軸線方向の変位量に等しい変位量だけ
軸線方向へ移動させられる検知棒192と、この検知棒192
の位置に対応して付勢力を伝達するスプリング194と、
このスプリング194からの付勢力を受ける一方、第1ラ
イン油圧Pl1を受けて両者の推力が平衡した位置に位置
させられることにより、ドレンへの排出流量を変化させ
るスプール弁子198とを備えている。したがって、たと
えば速度比が大きくなってCVT16の入力側の固定回転体6
2に対して可動回転体66が接近(V溝幅縮小)すると、
上記検知棒192が押し込まれる。このため、第1ライン
油路80からオリフィス196を通して供給され且つスプー
ル弁子198によりドレンへ排出される作動油の流量が減
少させられるので、オリフィス196よりも下流側の作動
油圧が高められる。この作動油圧が速度比圧Peであり、
第6図に示すように、速度比eの増大とともに増大させ
られる。そして、このようにして発生させられた速度比
圧Peは、油路86を通して第2調圧弁102および第3調圧
弁220へそれぞれ供給される。
ここで、リミット弁210は、プランジャ212と、スプリ
ング214の閉弁方向の推力およびプランジャ212の閉弁方
向の推力を受けるスプール弁子216とを備えている。プ
ランジャ212の端面に作用させるためにスロットル圧Pth
が導かれた室218が設けられており、スプール弁子216は
スプリング214の閉弁方向の推力およびスロットル圧Pth
に基づくプランジャ212の閉弁方向の推力を受けるとと
もに速度比圧Peに基づく開弁方向の推力を反対方向に受
け、速度比圧Peに基づく開弁方向の推力がスプリング21
4およびプランジャ212の閉弁方向の推力を超えると油路
86とドレンとの間を開く。これにより、速度比圧Peは、
第6図に示すように、スロットル弁開度θthに関連した
上限値以上の増加が阻止されるようになっている。そし
て、このように速度比圧Peがスロットル弁開度θthに関
連した上限値に飽和させられる結果、前記第2調圧弁10
2において前記(1)式にしたがって制御される第2ラ
イン油圧Pl2は、第7図に示すように、速度比eが大き
い領域においてスロットル弁開度θthが小さくなる程、
低下が阻止される。すなわち、速度比eに関連して低圧
側ライン油圧に求められる第8図に示す理想曲線に近似
した特性が油圧回路のみによって得られるのであり、マ
イクロコンピュータによって制御される電磁式圧力制御
サーボ弁を用いる場合に比較して油圧回路が大幅に安価
となる利点がある。
前記第3調圧弁220は、前後進切換装置14の後進用ブ
レーキ50および前進用クラッチ52を作動させるための最
適な第3ライン油圧Pl3を発生させるものである。すな
わち、第3調圧弁220は、第1ライン油路80と第3ライ
ン油路88との間を開閉するスプー.弁子222、スプリン
グシート224、リターンスプリング226、プランジャ228
を備えている。スプール弁子222の第1ランド230と第2
ランド232との間には第3ライン油圧Pl3がフィードバッ
ク圧として絞り234を通して導入される室236が設けられ
ており、スプール弁子222が第3ライン油圧Pl3により閉
弁方向へ付勢されるようになっている。また、スプール
弁子222の第1ランド230側には、絞り238を介して速度
比圧Peが導かれる室240が設けられており、スプール弁
子222が速度比圧Peにより閉弁方向へ付勢されるように
なっている。第3調圧弁220内においてはリターンスプ
リング226の開弁方向付勢力がスプリングシート224を介
してスプール弁子222に付与されている。また、プラン
ジャ228の端面にスロットル圧Pthを作用させるための室
242が設けられており、スプール弁子222がこのスロット
ル圧Pthにより開弁方向へ付勢されるようになってい
る。このため、第3ライン油圧Pl3は、前記(1)式と
同様な式から、速度比圧Peおよびスロットル圧Pthに基
づいて最適な値に調圧されるのである。この最適な値と
は、前進用クラッチ52或いは後進用ブレーキ50において
滑りが発生することなく確実にトルクを伝達できるよう
にするために必要かつ充分な値である。
上記のように調圧された第3ライン油圧Pl3は、マニ
ュアルバルブ250によって前進用クラッチ52或いは後進
用ブレーキ50へ供給されるようになっている。すなわ
ち、マニュアルバルブ250は、車両のシフトレバー252の
操作と関連して移動させられるスプール弁子254を備え
ており、シフトレバー252がN(ニュートラル)レンジ
に操作されている状態では第3ライン油圧Pl3を供給し
ないが、L(ロー)、S(セカンド)、D(ドライブ)
レンジへ操作されている状態では第3ライン油圧Pl3
専ら前進用クラッチ52へ供給すると同時に後進用ブレー
キ50から排油し、R(リバース)レンジへ操作されてい
る状態では第3ライン油圧Pl3を専ら後進用ブレーキ50
へ供給すると同時に前進用クラッチ52から排油し、P
(パーキング)レンジへ操作されている状態では、前進
用クラッチ52および後進用ブレーキ50から排油する。な
お、アキュムレータ256および258は、摩擦係合を緩やか
に進行させるためのものであり、前進用クラッチ52およ
び後進用ブレーキ50にそれぞれ接続されている。
前記第1調圧弁100により調圧された第1ライン油圧P
l1および第2調圧弁102により調圧された第2ライン油
圧Pl2は、CVT16の速度比を調節するために、変速制御弁
装置260により油圧シリンダ70および油圧シリンダ72の
一方および他方へ供給されている。上記変速制御弁装置
260は変速方向切換弁262および流量切換弁264から構成
されている。なお、それら変速方向切換弁262および流
量切換弁264を駆動するためのパイロット圧Ppがパイロ
ット圧制御弁266によって発生させられ、パイロット油
路90により導かれるようになっている。パイロット圧制
御弁266は、第1ライン油路80とパイロット油路90との
間を開閉するスプール弁子268と、このスプール弁子268
を開弁方向へ付勢するスプリング270とを備えており、
スプール弁子268はパイロット圧Ppに基づく閉弁方向の
付勢力がスプリング270の付勢力とが平衡する位置に作
動させられることによって第1ライン油圧Pl1を減圧し
て、一定のパイロット圧Ppを発生させる。
第9図に詳しく示すように、変速方向切換弁262は、
常閉型の第1電磁弁272によって制御されるスプール弁
であって、流量切換弁264との間を接続する2本の第1
接続路274、第2接続路276にそれぞれ連通するポート28
0a,280cと、ドレンに連通するドレンポート280bと、絞
り282を通して第1ライン油圧Pl1が供給されるポート28
0dと、第2ライン油圧Pl2が供給されるポート280fと、
3つのランド283a,283b,283cを有して、移動ストローク
の一端(第9図の上端)である第1位置と移動ストロー
クの他端(第9図の下端)である第2位置との間におい
て摺動可能に配置されたスプール弁子284と、このスプ
ール弁子284を第1位置に向かって付勢するスプリング2
86とを備えている。上記スプール弁子284の一端側の端
面には、第1電磁弁272がオフ状態、すなわち閉状態で
あるときに絞り288を通してパイロット油圧Ppが作用さ
せられている一方、第1電磁弁272がオン状態、すなわ
ち開状態では絞り288よりも下流が排圧されてパイロッ
ト油圧Ppが作用しない状態となる。このため、第1電磁
弁272がオン(デューティ比100%)である期間は、スプ
ール弁子284が第1位置に位置させられてポート280aと
ドレンポート280bとの間およびポート280cとポート280d
との間がそれぞれ開かれるとともに、ポート280aとポー
ト280dとの間およびポート280cとポート280fとの間がそ
れぞれ閉じられるが、第1電磁弁272がオフ(デューテ
ィ比0%)である期間は、スプール弁子284が第2位置
に位置させられてポート280aとポート280dとの間、およ
びポート280cとポート280fとの間がそれぞれ開かれると
ともに、ポート280cとポート280dとの間およびポート28
0aとドレンポート280bとの間がそれぞれ閉じられる。こ
こで、変速方向切換弁262においては、図に示すよう
に、スプール弁子284の各ランドと各ポート280a,280c,2
80b,280d,280fとの間が半開状態にて開となるようにス
プール弁子284の移動ストロークが短く設定されてお
り、応答性が改善されている。しかし、上記半開状態に
おいても作動油流量が充分に得られるように流通断面積
が設定されており、上記のように移動ストロークが短く
されていても何等差支えない。なお、本実施例における
ポート280dが第1入力ポートに、またポート280fが第2
入力ポートにそれぞれ対応する。
前記流量切換弁264は、常閉型の第2電磁弁290によっ
て制御されるスプール弁であって、前記2本の第1接続
路274、第2接続路276にそれぞれ連通するポート292b、
292dと、一次側油圧シリンダ70に連通するポート292a
と、二次側油圧シリンダ72に連通するポート292cと、3
つのランド293a、293b、293cを有して、移動ストローク
の一端(第9図の上端)である第1位置と移動ストロー
クの他端(第9図の下端)である第2位置との間におい
て摺動可能に配置されたスプール弁子294と、このスプ
ール弁子294を第1位置に向かって付勢するスプリング2
96とを備えている。変速方向切換弁262の場合と同様
に、上記スプール弁子294の一端側の端面には、第2電
磁弁290のオフ状態では絞り298を通してパイロット油圧
Ppが作用させられている一方、第2電磁弁290のオン状
態、すなわち開状態では絞り298よりも下流が排圧され
てパイロット油圧Ppが作用しない状態となる。このた
め、第2電磁弁290がオンである期間は、スプール弁子2
94が第1位置に位置させられてポート292aとポート292b
との間、およびポート292cとポート292dとの間がそれぞ
れ閉じられるとともに、第2電磁弁290がオフである期
間は、スプール弁子294が第2位置に位置させられてポ
ート292aとポート292bとの間、およびポート292cとポー
ト292dとの間がそれぞれ開かれる。なお、上記第2電磁
弁290がオンである期間においてポート292aとポート292
bとの間が閉じられているが、ポート292bと292aとの間
に設けられた絞り付逆止弁299を備えたバイパス油路300
を通して僅かに連通させられている。そして、前記一次
側油圧シリンダ70は絞り304を備えた一次側油路302を介
して上記ポート292aと接続されており、二次側油圧シリ
ンダ72は二次側油路306を介して上記ポート292cと接続
されているとともに、絞り308を備えたバイパス油路310
を介して第2ライン油路82と接続されている。この流量
切換弁264においても、変速方向切換弁262と同様に、ス
プール弁子294の各ランドとポート292a,292b,292c,292d
との間が半開状態にて開となるように、スプール弁子29
4の移動ストロークが短くされている。なお、本実施例
におけるポート298aが第1出力ポートに、またポート29
2cが第2出力ポートにそれぞれ対応する。
したがって、第1電磁弁272がオフである状態では、
第9図の実線に示すように、第1ライン油路80内の作動
油き絞り282、ポート280d、ポート280a、第1接続路27
4、ポート292b、ポート292a、一次側油路302、絞り304
を通して一次側油圧シリンダ70へ流入される一方、二次
側油圧シリンダ72内の作動油は、二次側油路306、ポー
ト292c、ポート292d、第2接続路276、ポート280c、ポ
ート280fを通して第2ライン油路82へ排出される。この
ため、第1ライン油路80内の作動油(Pl1)は一次側油
圧シリンダ70へ作用させられるとともに、二次側油圧シ
リンダ72には第2ライン油路82内の作動油(Pl2)が作
用させられるので、一次側油圧シリンダ70と二次側油圧
シリンダ72との推力の平衡状態が崩されて、CVT16の速
度比eは増速方向(速度比増加方向)へ変化させられ
る。
反対に、第1電磁弁272がオンである状態では、第9
図の破線に示すように、第1ライン油路80内の作動油は
絞り282、ポート280d、ポート280c、第2接続路276、ポ
ート292d、ポート292c、二次側油路306を通して二次側
油圧シリンダ72へ流入される一方、一次側油圧シリンダ
70内の作動油は、絞り304、一次側油路302、ポート292
a、ポート292b、第1接続路274、ポート280a、ドレンポ
ート280bを通してドレンへ排出される。このため、第1
ライン油路80内の作動油(Pl1)は二次側油圧シリンダ7
2へ作用させられるとともに、一次側油圧シリンダ70に
は極めて低い圧が作用させられるので、一次側油圧シリ
ンダ70と二次側油圧シリンダ72との推力の平衡状態が崩
されて、CVT16の速度比eは減速方向(速度比減少方
向)へ変化させられる。
したがって、第1電磁弁272がオン或いはオフとされ
且つ第2電磁弁290がオン或いはオフとされると、第9
図の実線および破線に示すように流れる作動油の流量が
非抑制状態或いは抑制状態とされるので、前記CVT16の
速度比eは減速方向或いは増速方向において速やかに或
いは緩やかに変化させられる。また、第2電磁弁290が
連続的にオン・オフ駆動され且つそのデューティ比が制
御されることによりスプール弁子294がその移動ストロ
ータの中間位置に位置決めされると、それにともなって
CVT16の速度比eの変化速度が抑制される。第10図は、
上記第1電磁弁272および第2電磁弁290の駆動状態とCV
T16の変速方向および速度比eの変化速度との関係を示
している。
上記のように、第2電磁弁290がオンとされて、流量
切換弁264のポート292aとポート292bとの間、ポート292
cとポート292dとの間が閉じられた場合において、増速
変速の場合には、第1ライン油路80内の作動油が絞り付
逆止弁299を備えたバイパス油路300を通して一次側油圧
シリンダ70へ緩やかに供給されるとともに、二次側油圧
シリンダ72内の作動油が絞り308を備えたバイパス油路3
10を通して第2ライン油路82へ排出されるので、緩やか
に増速変速が行われる。また、減速変速の場合には、第
2ライン油路82内の作動油が絞り308を備えたバイパス
油路310を通して二次側油圧シリンダ72供給されるとと
もに、一次側油圧シリンダ70内の作動油はそのピストン
の摺動部分などに形成された図示しない隙間から緩やか
に排出されるので、緩やかな減速変速が行われる。
なお、上記絞り308を備えたバイパス油路310は、上記
のように、緩やかな減速変速が行われるときに二次側油
圧シリンダ72内へ作動油を補給する。また、絞り308
は、二次側油圧シリンダ72内を高圧側とする過渡的な減
速変速のとき、二次側シリンダ72内油圧Poutが逃げない
ようにするものである。
ここで、CVT16における第1ライン油圧Pl1には、正駆
動走行時には第11図に示すような、また、エンジンブレ
ーキ走行時には第12図に示すような油圧値が望まれる。
第11図および第12図は、いずれも入力軸38が一定の軸ト
ルクで回転させられている状態で速度比を全範囲内で変
化させたときに必要とされる油圧値を示したものであ
る。本実施例では、一次側油圧シリンダ70と二次側油圧
シリンダ72の受圧面積が等しいので、第11図の正駆動走
行時には一次側油圧シリンダ70内の油圧Pin>二次側油
圧シリンダ72内の油圧Pout、第12図のエンジンブレーキ
走行時にはPout>Pinであり、いずれも駆動側油圧シリ
ンダ内油圧>被駆動側油圧シリンダ内油圧となる。正駆
動走行時における上記Pinは駆動側の油圧シリンダの推
力を発生させるものであるので、その油圧シリンダに目
標とする速度比を得るための推力が発生し得るように、
また動力損失を少なくするために、第1ライン油圧Pl1
は上記Pinに必要且つ充分な余裕油圧αを加えた値に調
圧することが望まれる。しかし、上記第11図および第12
図に示す第1ライン油圧Pl1を一方の油圧シリンダ内油
圧に基づいて調圧することは不可能であり、このため、
本実施例では、前記スイッチ弁170が設けられ、Pinおよ
び第2ライン油圧Pl2のうちの何れか高い油圧が第1調
圧弁100に供給されるようになっている。このことは、
第13図に示すような、Pinを示す曲線とPoutを示す曲線
とが交差する無負荷走行時において、第1ライン油圧Pl
1をPinおよびPout(≒第2ライン油圧Pl2)の何れか高
い油圧値に余裕値αを加えた値に制御する場合でも必要
である。
スイッチ弁170は、第1調圧弁100の室160と絞り310を
介して連通するコモンポート312と、前記一次側油路302
と連通する第1ポート314と、第2ライン油路82と連通
する第2ポート316と、コモンポート312を第1ポート31
4と接続する第1位置とコモンポート312を第2ポート31
6と接続する第2位置との間で移動させられるスプール
弁子318と、このスプール弁子318を第2位置へ向かって
付勢するスプリング319とを備えている。上記スプール
弁子318の両端面には、一次側油圧シリンダ70内の油圧P
inおよび第2ライン油圧Pl2がそれぞれ作用させられて
おり、油圧Pinおよび第2ライン油圧Pl2のうちの高い油
圧が第1調圧弁100の室160に作用させられる側へ移動さ
せられる。厳密には、油圧Pinに基づく推力が第2ライ
ン油圧Pl2に基づく推力とスプリング319の推力とを加え
たものを超えたときに油圧Pinが室160に作用させられる
が、上記スプリング319の推力は極めて小さいものであ
る。
上記のように、スイッチ弁170によって一次側油圧シ
リンダ70内の油圧Pinおよび第2ライン油圧Pl2のうちの
高い油圧が第1調圧弁100の室160に作用させられるよう
になっているので、第1ライン油圧Pl1は、第13図に示
すように、Pinもしくは、Pl2に略等しいPoutよりも余裕
値αだけ高い圧に制御される。このため、第1ライン油
圧Pl1は必要かつ充分な値に制御され、動力損失が可及
的に小さくされている。因に、第13図の破線に示す第1
ライン油圧Pl1はスイッチ弁170が設けられていない場合
のものであり、速度比eが低い状態では不要に大きな余
裕油圧が発生させられている。
この余裕値αは、CVT16の速度比変化範囲全域内にお
いて所望の速度で速度比を変化させて所望の速度比を得
るに足る必要かつ充分な値であり、(2)式から明らか
なように、スロットル圧Pthに関連して第1ライン油圧P
l1が高められている。前記第1調圧弁100の各部の受圧
面積およびスプリング144の付勢力がそのように設定さ
れているのである。このとき、第1調圧弁100により調
圧される第1ライン油圧Pl1は、第14図に示すように、P
inもしくはPoutとスロットル圧Pthとにしたがって増加
するが、スロットル圧Pthに対応した最大値において飽
和させられるようになっている。これにより、速度比e
が最大値となって一次側可変プーリ56のV溝幅の減少が
機械的に阻止された状態で、一次側油圧シリンダ70内の
油圧Pinが増大しても、それよりも常に余裕値αだけ高
く制御される第1ライン油圧Pl1の過昇圧が防止される
ようになっている。
前述の第1調圧弁100において、第1ライン油路80に
連通するポート148aからポート148bへ流出させられた作
動油、および絞り320を通して流出させられた作動油
は、クラッチ圧調圧弁322により流体継手12のロックア
ップクラッチ36を作動させるために適した圧力のクラッ
チ油圧PcLに調圧され、ロックアップクラッチ圧油路92
に導かれるようになっている。すなわち、上記クラッチ
圧調圧弁322は、フィードバック圧としてクラッチ油圧P
cLを受けて開弁方向に付勢されるスプール弁子324と、
このスプール弁子324を開弁方向に付勢するスプリング3
26とを備えており、スプール弁子324が上記フィードバ
ック圧に基づく推力とスプリング326の推力とが平衡す
るように作動させられてロックアップクラッチ圧油路92
内の作動油を流出させることにより、一定のクラッチ油
圧PcLが発生させられる。クラッチ圧調圧弁322から流出
させられた作動油は、絞り328を通してトランスミッシ
ョンの各部の潤滑のために送出されるとともに、オイル
ポンプ74の吸入油路78に還流させられる。
上記のようにして調圧されたクラッチ油圧PcLは、ロ
ックアップ制御弁330により流体継手12の係合側油路332
および解放側油路334へ択一的に供給され、ロックアッ
プクラッチ36が係合状態および解放状態とされるように
なっている。すなわち、ロックアップ制御弁330は、ロ
ックアップクラッチ圧油路92を上記係合側油路332およ
び解放側油路334と択一的に接続するスプール弁子336
と、スプール弁子336を解放側へ付勢するスプリング338
とを備えている。スプール弁子336の両端面にはクラッ
チ油圧PcLがそれぞれ付与されている。このため、第3
電磁弁340がオフ状態であって閉じられているときに
は、スプール弁子336はスプリング338にしたがって解放
側へ移動させられ、ロックアップクラッチ36が解放状態
とされる。第2図のロックアップ制御弁330はこの状態
を示している。しかし、第3電磁弁340がオン状態とな
って解放されることにより絞り342よりも下流側が排圧
されると、それまでスプール弁子336のスプリング338側
の室344に作用させられていたクラッチ油圧PCLが除去さ
れてスプール弁子336がスプリング338の付勢力に抗して
係合側へ移動させられ、ロックアップクラッチ36が係合
状態とされる。なお、ロックアップ制御弁330から流出
させられる作動油はクーラへ送出されるようになってお
り、この作動油の圧力はクーラバイパス弁346により制
御される。また、348は第1ライン油圧Pl1の過昇圧を防
止するための安全弁である。
第2図において、電子制御装置350は、本実施例の制
御手段として機能するものであって、第1図の油圧制御
回路における第1電磁弁272、第2電磁弁290、第3電磁
弁340を駆動することにより、CVT16の速度比eと流体継
手12のロックアップクラッチ36とを制御する。電子制御
装置350は、CPU、RAM、ROM等から成る所謂マイクロコン
ピュータを備えており、それには、エンジン回転速度を
検出するためのエンジン回転センサ352、CVT16の入力軸
38の回転速度を検出するための入力軸回転センサ354、C
VT16の出力軸54の回転速度を検出するための出力軸回転
センサ356、エンジン10の吸気配管に設けられたスロッ
トル弁の開度を検出するためのスロットル弁開度センサ
358、シフトレバー252の操作位置を検出するための操作
位置センサ360から、エンジン回転速度Neを表す記号、
入力軸回転速度Ninを表す記号、出力軸回転速度Nout
表す記号、スロットル弁開度θthを表す記号、シフトレ
バー252の操作位置Psを表す記号がそれぞれ供給され
る。電子制御装置350内のCPUはRAMの一時記憶機能を利
用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って入力
信号を処理し、第1電磁弁272、第2電磁弁290、第3電
磁弁340を駆動するための信号を出力する。
電子制御装置350においては、図示しないメインルー
チンが実行されることにより、初期化が行われるととも
に各センサからの入力信号等が読み込まれる一方、その
読み込まれた信号に基づいて入力軸38の回転速度Nin
出力軸54の回転速度Nout、CVT16の速度比e、車速v等
が算出され、且つ入力信号条件に従って、ロックアップ
制御、CVT16の変速制御などが順次あるいは選択的に実
行される。
上記CVT16の変速制御では、たとえば第15図に示すフ
ローチャートにしたがって制御される。ステップS1にお
いては、各センサからの入力信号等が読み込まれるとと
もに、その読み込まれた信号に基づいてエンジン10の回
転速度Ne、入力軸38の回転速度Nin、出力軸54の回転速
度Nout、スロットル弁開度θthが算出され、ステップS2
において、それらからCVT16の速度比e(=Nout
Nin)、車速v等が算出される。ステップS3において
は、エンジン10の最小燃費率および運転性が得られるよ
うに予め求められた関係から上記スロットル弁開度θth
および車速vに基づいて目標速度比e*が決定される。こ
の関係は、たとえばスロットル弁開度θthが表す要求出
力をエンジン10の最小燃費率曲線上で発生させるための
ものであり、上記関係から車速vおよびスロットル弁開
度θthに基づいて一義的に決定されるエンジン回転速度
(入力軸回転速度)が目標回転速度Nin *となり、このN
in *値を実現するように目標速度比e*が決定される。な
お、上記関係は、関数式またはデータマップの形態にて
ROM内に予め記憶されている。また、上記関係は予め複
数種類記憶されており、シフトレバー252の操作位置
(D,S)に基づいて選択されるようになっている。
そして、ステップS5では、ステップS4において求めら
れた制御偏差(e*−e)が正であるか否かが判断され、
その制御偏差(e*−e)を解消する方向に実際の速度比
eを変化させるためのステップS5aまたはS5bが実行され
る。ステップS5での判断が肯定された場合には、ステッ
プS5aにおいて第1電磁弁272がオフ状態とされてCVT16
の増速シフトが実行され、実際の速度比eが増加させら
れる。しかし、ステップS5での判断が否定された場合に
は、ステップS5bにおいて第1電磁弁272がオン状態とさ
れてCVT16の減速シフトが実行され、実際の速度比eが
減少させられるのである。
ステップS6では、流量制御値V0がたとえば次式(3)
に従って求められる。
V0=k・|e*−e| ・・・(3) また、ステップS7では、上記流量制御値V0が出力され
て第2電磁弁290が駆動される。この流量制御値V0はた
とえばデューティ比に対応したものであり、予め定めら
れたデューティ周波数にてデューティ比を連続的に変化
させた駆動信号が第2電磁弁290に供給される。そし
て、上記のようなステップが繰り返し実行されることに
より、CVT16の速度比eが車両の走行状態に関連して最
適値に制御されるのである。
なお、図示しないロックアップクラッチ制御では、車
速vが予め定められた一定の値、たとえば30km/h以上と
なったときにロックアップクラッチ36が係合させられ
る。
上述のように、本実施例によれば、第1調圧弁100お
よび第2調圧弁102により第1ライン油圧Pl1および第2
ライン油圧Pl2が用意されるので、その第1ライン油圧P
l1に対応した油圧が一次側油圧シリンダ70および二次側
油圧シリンダ72の一方へ供給され且つ他方から第2ライ
ン油路82またはドレンへ排出される。したがって、一次
側油圧シリンダ70および二次側油圧シリンダ72の推力比
変化範囲が充分に得られるので、一次側油圧シリンダ70
の受圧面積を大きくしなくても充分な速度比変化範囲が
得られるとともに、一次側油圧シリンダ70の受圧面積を
大きくすることに起因する変速応答性および運転性の低
下が解消される。
また、第1調圧弁100をエンジン10の要求出力(≒ス
ロットル弁開度θth)と関連させて作動させることによ
り、第1ライン油圧Pl1は変速比変化速度de/dtが充分に
得られかつ動力損失が生じないように必要かつ充分な値
に制御されるとともに、第2調圧弁102を実際の速度比
eや伝達トルク(≒スロットル弁開度θth)と関連させ
て作動させることにより第2ライン油圧Pl2は伝動ベル
トの滑りが生じない範囲で必要かつ充分な値に制御され
るので、オイルポンプ74の駆動に関係した車両の動力損
失が大幅に軽減される利点がある。
しかも、変速制御弁装置260が、2位置に位置させら
れる変速方向切換弁262と2位置またはその間に位置さ
せられる流量切換弁264とから構成されているので、リ
ニヤソレノイドを備えた変速制御弁を用いる場合に比較
して、作動油に混在する鉄粉、塵などの影響を受け難く
なって速度比制御作動の信頼性が向上し、また、リニヤ
ソレノイドや弁子を円滑に移動させるための高い加工精
度が不要となるので装置が安価となる。
また、前記のように、変速制御弁装置260において変
速方向切換弁262のスプール弁子284および流量切換弁26
4のスプール弁子294がそれぞれ3つのランドを備えた形
状とされて全長が短くなっているため、摺動抵抗が小さ
くなって、スプール弁子284および294の固着が発生し難
くなるとともに作動が安定し、また、スプール弁子284
および294が軽量となって作動の応答性が高められる。
特に、流量切換弁264においてはデューティ制御の周波
数の上限値が高められる利点がある。しかも、上記のよ
うにスプール弁子284および294の全長が短くされるた
め、弁の寸法が小さくなって他の油路の取り廻しが容易
となるとともに、その製作に際しての加工性が高められ
て弁が安価となる。
また、本実施例によれば、第1ライン油圧Pl1は、車
両のスロットル弁開度θthと一次側油圧シリンダ内油圧
Pinおよび第2ライン油圧Pl2のうちの高圧側油圧とに基
づいて調圧されるので、第13図に示すように、無負荷走
行においても必要かつ充分な値に制御される。
また、本実施例によれば、第1ライン油圧Pl1が前述
の(2)式にしたがって作動する第1調圧弁100によっ
て調圧されるので、第14図に示すように、車両のスロッ
トル弁開度θthと一次側油圧シリンダ内油圧Pin関連し
た最大値以上の増加が阻止される。このため、偏差(e*
−e)が解消される前に一次側可変プーリ56のV溝幅の
減少が機械的に阻止されても、第1ライン油圧Pl1が過
度に昇圧することが防止される。
また、本実施例によれば、第1ライン油圧Pl1を調圧
するためにオーバフロー形式の第1調圧弁100が配設さ
れ、第1ライン油圧Pl1を減圧して第2ライン油圧Pl2
発生させる減圧弁形式の第2調圧弁102が配設されると
ともに、第1調圧弁100から溢れ出た作動油がオーバフ
ロー形式のクラッチ圧調圧弁322によりクラッチ油圧PcL
に調圧されるようになっている。このため、たとえば共
に減圧弁形式の第1調圧弁と第2調圧弁とが直列に連結
される形式の油圧回路と比較して、第1ライン油圧Pl1
が第2ライン油圧Pl2の影響を受けることがなく、独立
に調圧され得る。このため、第1ライン油圧Pl1が必要
かつ充分な値に制御され得て、動力損失が軽減される。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明した
が、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例においては第1接続路274と
一次側油路302との間に絞り付逆止弁299を備えたバイパ
ス油路300が設けられているが、第16図に示すように、
除去されても差支えない。上記バイパス油路300は流量
切換弁264が閉じられて緩やかな増速変速が行われると
きに第1ライン油路80からの作動油を一次側油圧シリン
ダ70へ導くものであるが、その作動油の流量が抑制され
るように第2電磁弁290が高いデューティ比にて駆動す
ることにより、バイパス油路300の機能に替えることが
できる。しかし、バイパス油路300は、緩やかな増速変
速時において第2電磁弁290のオンオフ駆動を不要とし
てその耐久性を高める効果を生じる。
また、前述の実施例の変速方向切換弁262および流量
切換弁264において、スプール弁子284および294の両端
面にパイロット油圧Ppを作用させるとともに、たとえば
スプリング286および296が配置された側の端面に作用し
ているパイロット油圧Ppを第1電磁弁272および第2電
磁弁290によって排圧することによりそれらスプール弁
子284および294を駆動するようにしてもよいのである。
また、変速方向切換弁262および流量切換弁264におい
て、所謂直動型電磁弁と同様に、スプール弁子284およ
び294を直接駆動するソレノイドを設けてもよい。
また、前述の実施例では、スロットル弁開度検知弁18
0によって発生させられたスロットル圧Pthが用いられて
いたが、ディーゼルエンジンを搭載した車両などのよう
にスロットル弁を用いない形式の車両では、アクセルペ
ダル操作量に対応した油圧を用いればよい。このような
場合は、たとえば、前述の実施例のカム184をアクセル
ペダルの踏み込みに伴って回転させるようにアクセルペ
ダルと機械的に関連させればよい。
また、前述の実施例におけるCVT16の変速制御では、
目標速度比e*に実際の速度比eが一致するように速度比
eを調節するように制御されているが、目標回転速度N
in *に実際の入力軸回転速度Ninが一致するように制御さ
れてもよいのである。
また、前述の実施例において、パイロット圧制御弁26
6によって発生させられているパイロット圧Ppに替え
て、クラッチ油圧PcLを用いてもよい。この場合はパイ
ロット圧制御弁266が不要となり、油圧回路をより安価
に構成することができる。
また、前述の実施例におけるスイッチ弁170は、一次
側油圧シリンダ70内油圧Pinと第2ライン油圧Pl2のうち
の高圧側油圧を第1調圧弁100に供給するよう構成され
ていたが、二次側油圧シリンダ72内油圧Poutを油路306
からスイッチ弁170の第2ポート316へ導くことにより第
2ライン油圧Pl2に替えてPoutを用いてもよい。
また、前述の実施例では、流体継手12とCVT16の入力
軸38との間に前後進切換装置14が設けられていたが、第
17図に示すように、CVT16の出力軸54と中間ギア装置18
との間に設けられていてもよいのである。図において、
前後進切換装置370は、ダブルピニオン形式の遊星歯車
機構であって、出力軸54と同心に設けられた中間軸372
に固定されたキャリア374により回転可能に支持され且
つ互いに噛み合う一対の遊星ギア376および378と、CVT1
6の出力軸54に固定され且つ内周側の遊星ギア376と噛み
合うサンギア380と、外周側の遊星ギア378と噛み合うリ
ングギア382と、リングギア382の回転を停止させるため
の後進用ブレーキ384と、上記キャリア374とCVT16の出
力軸54とを連結する前進用クラッチ386とを備えてい
る。
また、上記前後進切換装置370は、前進2段以上のギ
ア段を備えていても差支えない。
また、前述の実施例の流体継手12に替えて、電磁クラ
ッチ、湿式クラッチなどの他の形式の継手が用いられ得
る。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であ
り、本発明はその精神を逸脱しない範囲において種々変
更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は第2図の装置を作動させるための油圧制御装置
を詳細に示す回路図である。第2図は本発明の一実施例
の車両に備えられた動力伝達装置を示す骨子図である。
第3図は第1図の第2調圧弁を詳しく示す図である。第
4図は第1図の第1調圧弁を詳しく示す図である。第5
図は第1図のスロットル弁開度検知弁の出力特性を示す
図である。第6図は第1図の速度比検知弁の出力特性を
示す図である。第7図は第3図の第2調圧弁の出力特性
を示す図である。第8図は第2ライン油圧の理想特性を
示す図である。第9図は第1図の変速制御弁装置の構成
を詳しく示す図である。第10図は、第9図の変速制御弁
装置における第1電磁弁および第2電磁弁の作動状態と
第2図のCVTのシフト状態との関係を説明する図であ
る。第11図、第12図、第13図は、第2図のCVTの速度比
と各部の油圧値との関係を説明する図であって、第11図
は正トルク走行状態、第12図はエンジンブレーキ走行状
態、第13図は無負荷走行状態をそれぞれ示す図である。
第14図は、第4図の第1調圧弁において一次側油圧シリ
ンダ内油圧または第2ライン油圧に対する出力特性を示
す図である。第15図は、第2図の制御装置の作動を説明
するフローチャートである。第16図は本発明の他の実施
例における第9図に相当する図である。第17図は本発明
の他の実施例における動力伝達機構を説明する図であ
る。 16:CVT(ベルト式無段変速機) 56,58:可変プーリ 60:伝動ベルト 70,72:油圧シリンダ(油圧アクチュエータ) 80:第1ライン油路、82:第2ライン油路 100:第1調圧弁、102:第2調圧弁 260:変速制御弁装置 262:変速方向切換弁 264:流量切換弁、272:第1電磁弁 274:第1接続路、276:第2接続路 280d:ポート(第1入力ポート) 280f:ポート(第2入力ポート) 283a,283b,283c:ランド 284:スプール弁子 290:第2電磁弁 292a:ポート(第1出力ポート) 292c:ポート(第2出力ポート) 293a,293b,293c:ランド 294:スプール弁子 300:バイパス油路 310:バイパス油路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次側回転軸および二次側回転軸にそれぞ
    れ設けられた一対の可変プーリ間に巻き掛けられた伝動
    ベルトと、該一対の可変プーリの有効径を変更する一対
    の油圧アクチュエータとを備えた車両用ベルト式無段変
    速機において、 油圧源から供給される作動油を、第1ライン油圧および
    該第1ライン油圧よりも相対的に低圧な第2ライン油圧
    にそれぞれ調圧する第1調圧弁および第2調圧弁と、 前記第1ライン油圧を導く第1ライン油路を前記一対の
    油圧アクチュエータの一方と連通させると同時に前記第
    2ライン油圧を導く第2ライン油路を該一対の油圧アク
    チュエータの他方と連通させる状態と、該第2ライン油
    路または大気を該一対の油圧アクチュエータの一方と連
    通させると同時に前記第1ライン油路を該一対の油圧ア
    クチュエータの他方と連通させる状態との2位置に位置
    させられる変速方向切換弁と、該変速方向切換弁の作動
    に従って、前記一対の油圧アクチュエータの一方または
    他方へ流入させられる作動油の流量、或いは該一対の油
    圧アクチュエータの他方または一方から流出させられる
    作動油の流量を抑制する状態と抑制しない状態との2位
    置またはその間に位置させられる流量切換弁と、を備
    え、前記ベルト式無段変速機の速度比を変化させる変速
    制御弁装置と、 を含み、 前記変速方向切換弁と流量切換弁とが1対の第1接続路
    および第2接続路にて連結されるとともに、該変速方向
    切換弁が、前記第1ライン油路と連通する第1入力ポー
    トと、前記第2ライン油路と連通する第2入力ポート
    と、ドレンに連通するドレンポートと、3つのランドを
    有して摺動可能に設けられ、前記第1接続路を該ドレン
    ポートおよび第1入力ポートへ択一的に連通させ、前記
    第2接続路を該第1入力ポートおよび第2入力ポートに
    択一的に連通させるスプール弁子とを備えたものであ
    り、 前記流量切換弁が、前記1対の油圧アクチュエータのう
    ちの一次側油圧アクチュエータと連通する第1出力ポー
    トと、前記1対の油圧アクチュエータのうちの二次側油
    圧アクチュエータと連通する第2出力ポートと、3つの
    ランドを有して摺動可能に設けられ、該第1出力ポート
    と前記第1接続路との間、および該第2出力ポートと前
    記第2接続路との間をそれぞれ開閉するスプール弁子と
    を備えたことを特徴とする車両用ベルト式無段変速機の
    油圧制御装置。
  2. 【請求項2】前記変速制御弁装置は、前記第1制御路と
    前記流量切換弁の第1出力ポートとの間に、流通制限方
    向が該第1接続路に向かう方向の絞り付逆止弁を備えた
    バイパス油路を有するものである特許請求の範囲第1項
    に記載の車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】前記変速制御弁装置は、前記変速方向切換
    弁の第2入力ポートと前記流量切換弁の第2出力ポート
    との間に、絞りを備えたバイパス油路を有するものであ
    る特許請求の範囲第1項に記載の車両用ベルト式無段変
    速機の油圧制御装置。
  4. 【請求項4】前記変速方向切換弁のスプール弁子は前記
    ベルト式無段変速機の速度比を減速側へ変化させる位置
    に向かってスプリングの付勢力を受けており、前記流量
    切換弁のスプール弁子は、前記第1出力ポートと前記第
    1接続路との間、および該第2出力ポートと前記第2接
    続路との間をそれぞれ閉じる側に向かってスプリングの
    付勢力を受けており、上記変速方向切換弁のスプール弁
    子および流量切換弁のスプール弁子は、絞りを通して供
    給されるパイロット油圧が作用されることにより前記ス
    プリングの付勢力に抗してそれぞれ駆動されるととも
    に、常閉型の第1電磁弁および第2電磁弁が開かれて上
    記絞りよりも下流側が排圧されることにより上記スプリ
    ングの付勢力に従って移動させられるものである特許請
    求の範囲第1項に記載の車両用ベルト式無段変速機の油
    圧制御装置。
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