JP2623901B2 - 糸条の熱処理装置 - Google Patents

糸条の熱処理装置

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JP2623901B2
JP2623901B2 JP2098700A JP9870090A JP2623901B2 JP 2623901 B2 JP2623901 B2 JP 2623901B2 JP 2098700 A JP2098700 A JP 2098700A JP 9870090 A JP9870090 A JP 9870090A JP 2623901 B2 JP2623901 B2 JP 2623901B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、主に合成樹脂からなる糸条を走行させつつ
熱処理する糸条の熱処理装置に関する。
(従来の技術) 従来、紡糸された糸条の物理特性を向上したり、より
を固定するための加熱操作、いわゆる熱処理を施すこと
は、広く一般に行われているところである。この熱処理
のための代表的な装置の一つは、周囲が保温、もしくは
加熱流体のジャケットやヒータで加熱されている熱処理
室に、さらに別の加熱流体が送入されて、所定の温度に
保つように製作されたものであって、その熱処理室内に
糸条を走行させ、所定の温度に到達させて、所望の熱処
理を行うようにしたものである。この熱処理装置は、糸
条が切断したときに装置全体を停止することなく、切断
した糸条の熱処理室だけを停止し、糸掛けを行って復旧
することが出来るよう、適当な糸条数ごとに複数の熱処
理室に分割されており、その数は、規模にもよるが、数
室から数百室にも達する。
ところで、最近の繊維製品に対する高品質志向は、糸
条の特性、風合や、品質の均一性に対する要求を非常に
厳しいものにしている。したがって、糸条の熱処理につ
いても従来以上に、操作の容易さを保ちつつ、精度の高
い熱処理条件管理、すなわち、品質の均一性を阻害する
各熱処理室間の熱処理条件のバラツキを最小限に抑える
必要がある。このため、バラツキの少ない加熱流体の流
量管理の必要から、精度の高い流量調整を、能率よくで
きる熱処理装置の開発が求められていた。
この問題を解決する提案として、すでに特公昭48−42
804号公報に記載されている合成繊維の熱処理装置があ
る。この熱処理装置は、熱処理室である通糸用の管、ま
たは溝と、これらの管または溝に対応する空気、または
蒸気の供給管を接続すると共に、その供給管のそれぞれ
に、その流入量を調節するニードルバルブを設けたこと
を特徴とし、このニードルバルブを外部から一つづつ調
整して、熱処理室内に流入する空気、または蒸気の流量
を、全室にわたって一様にしようとするものである。
(発明が解決しようとする課題) 上記の特公昭48−42804号公報に記載の熱処理装置に
よれば、個々の熱処理室内の温度の調整は可能になっ
た。しかし、この合成繊維の熱処理装置を用いて、処理
温度のバラツキをなくするためには、各熱処理室ごと
に、個別にニードルバルブの開閉量を調整しなければな
らないこと、また、糸切れを生じた時には、ニードルバ
ルブを操作して加熱流体の供給を停止してから熱処理室
の作業用扉を開き、再通糸を行って、通糸後、扉を閉
め、ニードルバルブを開いて調整し直す必要のあるこ
と、さらには、ニードルバルブの弁軸のシールが高圧側
である上流側におかれているので、加熱流体が漏れやす
いく、弁座に異物や水垢などが付着した場合には流量が
変動しやすいことなどの問題がある。さらにまた、加熱
流体の供給停止を忘れて作業用扉を開いた場合には、処
理室内から噴き出した加熱流体により事故の原因になる
という安全上の問題もあった。
本発明の目的は、上記問題点を解消し、各熱処理室ご
とに行わなければならなかった繁雑な加熱流体の流量調
節を容易に成し得ると共に、糸切れした場合の再通糸な
どに際し、その度ごとに、加熱流体の停止、供給や、再
調整のような繁雑な作業の必要がなく、かつ、作業の安
全性が確保され、しかも、長期にわたって加熱流体の安
定した供給のできる糸条の熱処理装置を提供することに
ある。
(課題を解決するための手段) 以下、本発明について実施態様例を示す図面を参照し
て説明する。
まず、本願第1の発明として、 (A)両端に糸条(3)が通過する出入口(27)を設け
た熱処理室(2)と、 (B)熱処理室の周囲に設けられ、内部に供給される加
熱流体により熱処理室を周囲から加熱または保温するジ
ャケット(7)と、 (C)ジャケットに連通し、ジャケット内に供給された
加熱流体を熱処理室内に噴射する加熱流体の導入手段
と、 (D)を備えた熱処理手段(26)が複数個並設されてい
る糸条の熱処理装置において、 (E)導入手段は、ジャケットで包囲されているととも
に、 (F)導入手段は、熱処理室内に加熱流体を噴射するノ
ズル(10);ジャケットと前記ノズルの開孔部(11)と
の間に設けたオリフィス(12);オリフィス開孔部に向
けて取付けた、少なくともオリフィスの流体通路の長さ
以上の長さを有しオリフィス開孔部を貫通する突起(1
7)、および突起を移動するための弁軸(18)からな
る、ことを特徴とする糸条の熱処理装置を提供する。
好ましくは、前記の各熱処理手段に、(G′)熱処理
室から外部に連通すると共に走行糸条に沿って設けられ
た熱処理室開口部(4)、熱処理室開口部を閉止する扉
(5)、および扉が閉まっているときには加熱流体を供
給し、扉が開けられているときには加熱流体の供給を停
止するように前記弁軸(18)を作動させる開閉手段(2
2,23,24および25)を装着する。
また、本願は第2の発明として、 (A)両端に糸条(3)が通過する出入口(27)を設け
た熱処理室(2)と、 (B)熱処理室の周囲に設けられ、内部に供給される加
熱流体により熱処理室を周囲から加熱または保温するジ
ャケット(7)と、 (C)ジャケットに連通し、ジャケット内に供給された
加熱流体を熱処理室内に噴射する加熱流体の導入手段
と、 (D)を備えた熱処理手段(26)が複数個並設されてい
る糸条の熱処理装置において、 (E)導入手段は、ジャケットで包囲されているととも
に、 (F′)導入手段は、熱処理室内に加熱流体を噴射する
ノズル(10);ジャケットとノズル開孔部(11)との間
に設けたオリフィス(12);オリフィス開孔部(13)を
密閉するために、オリフィス開孔部とオリフィス開孔部
下流側に設けた蓋(16)とで形成される弁;および、蓋
を移動するために蓋に取付けた弁軸(18)からなり、か
つ、 (G)各熱処理手段には、熱処理室から外部に連通する
と共に走行糸条に沿って設けられた熱処理室開口部
(4)、熱処理室開口部を閉止する扉(5)、および扉
が閉められているときには蓋をオリフィス開孔部から離
脱させ、扉が開けられているときには蓋がオリフィス開
孔部を密閉するように弁軸を作動する開閉手段(22,23,
24および25)が装着されていることを特徴とする糸条の
熱処理装置を提供する。
ここに、加熱流体とは、例えば加熱空気、加熱ガス、
または、処理温度で蒸気となる物質を、オリフィスは、
高圧側である加熱流体導入口と、低圧側であるノズルの
開孔部との間で、加熱流体の流量を一定に保つ流量規制
手段としてのオリフィスを意味する。オリフィスの形状
は、ドーナツ状、テーパ状など、いずれでもよい。加熱
流体供給路とは、加熱流体の供給源と、各熱処理室とを
むすぶ加熱流体の流路のことをいう。なお、処理筒は、
直方体状、管状などその形状を問わない。
弁は、オリフィスの開孔部と蓋とで形成され、加熱流
体の流路を遮断すればよく、流量調整機能を要求されな
い。蓋の形状は、きのこ状、円錐状、棒状など、とくに
限定されない。また、蓋の一端には突起が、他の一端に
は弁軸が設けられ、突起の形状は、オリフィスの開孔部
が開いているときには、加熱流体の流れを実質的に阻害
せず、閉じられているときには、オリフィスの開孔部を
貫通しておればよい。すなわち、その長さが少なくとも
前記オリフィスの流体通路長さ以上の長さがあればニー
ドル状、円錐状、棒状など、いずれの形状でもよい。
また、作業用の扉が閉められているときには、蓋をオ
リフィスの開孔部から離脱させ、扉が開けられていると
きには、蓋がオリフィスの開孔部を密閉するように弁軸
を作動する開閉手段としては、後述する、扉の開閉と弁
の開閉とを機械的に連動させる手段や、扉の開閉によっ
て作動する押しボタンスイッチを介して電気的に弁を作
動させる手段などがあげられる。
(実施例および作用) 本願発明の実施態様例を示す図面を参照しつつ、各発
明について説明するが、説明内容は、とくに断らない限
り原則として第1、第2の発明に共通する事項である。
第1図は、本発明にかかる糸状の熱処理装置の実施態
様の一例の水平方向の断面図である。
第2図は、第1図のA−A′部の縦断面図である。
第3図は、第1図のB−B′の部分断面図である。
本実施態様例においては、第1図に示すように、複数
本の走行糸条3をまとめて熱処理するための熱処理手段
26が各走行糸条群毎に複数設けられている。各熱処理手
段26は、一端部にスリット状の開孔部4を有する処理筒
1と、前記開孔部4を塞ぐ扉5とで走行糸条の熱処理室
2を形成しており、また処理筒の両端には、走行糸条3
を通過させる糸条通過口27が、下部には、熱処理室に加
熱流体を供給する加熱流体導入口28が設けられている。
熱処理室2は、処理筒1と扉5とで構成されており、熱
処理室2内に、紙面に直角方向に処理される複数本の糸
条3が走行している。熱処理室2の扉5側には糸掛およ
び作業用の開孔部4が設けられ、熱処理操作時は、扉5
がパッキン6を介して開孔部4を塞いでいる。熱処理室
2を所定の温度に維持するために、処理筒1の内部には
ジャケット7が設けられていると共に、処理筒1の外周
は保温材8で覆われている。このように構成された複数
の熱処理手段26に対し、加熱流体は、図示しない加熱流
体の供給源から加熱流体供給路29、フランジ30を経て熱
処理手段26に送られ、ジャケット7から流路9、オリフ
ィス12、ノズル10とその開孔部11を通って熱処理室2に
送られる。このジャケット7から熱処理室2に至る加熱
流体の供給路の途中であるノズル10の開孔部11と、加熱
流体導入口28との間に、オリフィス12が取付けられてい
る。オリフィス12は、容易に交換できるようにノズズ10
にネジ14で固定され、ノズル10は、ネジ15で処理筒1に
挿入のうえ、固定されている。
上記の加熱流体供給路の全流量抵抗中、オリフィス12
の流路抵抗が大部分を占めるように製作しておく。な
お、オリフィスには、加熱流体の物性、圧力、所要流量
から、公知の計算式を用いて容易に製作することができ
る。同一寸法で製作されたオリフィス相互間の加熱流体
の流量の差は、極めて僅かになる。通常、熱処理室2内
は、特に加圧する必要がなく、加熱流体の排出孔や、糸
条の通路などの外部への開孔があるために外気の圧力よ
りも、数、ないし数十ミリメートル水柱程度高いにすぎ
ない。オリフィスの上流の加熱流体供給側、すなわち、
本実施態様例ではジャケット7内の加熱流体の圧力を、
例えば、0.6kg/cm2Gとか、1.0kg/cm2Gとかに保つことに
より、熱処理室2に供給する流量を所要の精度内に規制
するオリフィス12の製作は、困難なことではない。
さらに、処理条件の変更にもとずく加熱流体の流量の
変更は、オリフィス12の上流の加熱流体供給側の圧力を
変更するか、またはノズル10を取外し、所望の熱処理条
件に適合するようにあらかじめ設計、製作されている別
のオリフィスに交換することによって行う。加熱流体供
給側の圧力を変更する場合には、オリフィス12の寸法が
判っているので、加熱流体供給側の圧力と、熱処理室2
に流入する加熱流体の流量との関係は容易に算出される
からである。
すなわち、本発明にかかる、各熱処理室2の加熱流体
供給路にオリフィス12が挿入されている糸条の熱処理装
置においては、従来、各熱処理室2ごとに行わなければ
ならなかった繁雑な加熱流体の流量調節は、不必要にな
ったのである。
さて、個別に対処するために、加熱流体の供給と停止
を各熱処理室単位で可能にしておく必要がある。そこで
本発明では、オリフィスの開孔部13を密閉する蓋16をオ
リフィス12の下流側に設け、開孔部13と蓋16とで弁を形
成せしめ、装置のコンパクト化とコストの低減化を可能
にした。すなわち、蓋16は、弁軸18の操作により熱処理
室2への加熱流体の供給を停止するためのものであっ
て、糸掛け作業時などに使用し、流量調節機能を要求さ
れない。弁軸18の操作は、手動操作であると自動操作で
あるとを問わないが、広く公知のものが適用される。し
かし、後述するように、扉5を設け、その開閉に連動さ
せることが好ましい。
蓋16は、オリフィスの開孔部13に対して垂直方向か
ら、進退させることが望ましい。オリフィス12、および
蓋16の当接面を傷付けないようにするためである。これ
らの当接面は、焼付きを生じない材料で構成される。
また、オリフィス12と蓋16は、本実施態様例に示され
るように、熱処理室2に近接して設け、外周をジャケッ
ト7や保温材8で覆うことが望ましい。これらを効果的
に加熱保温して、加熱流体中で生成されたドレンが糸条
3に付着して品質低下や、糸切れなどのトラブルを生ず
ることを防ぐためである。
なお、図面では、オリフィス12を、蓋16に対する弁座
として用いた例を説明したが、オリフィス12の下流に、
オリフィス12の開孔部よりも大径の開孔部を新たに設
け、これと蓋16とで弁を形成し、弁とオリフィスとをそ
れぞれ独立させてもよい。
ところで、流路に異物や水垢などが付着し、流量が変
動するようなことがあっては、長期間安定した操業は不
可能である。とくにオリフィスの開孔部13は、流量を一
定に規制する箇所であるから重要である。
第1の発明においては、オリフィスの開孔部13を密閉
する蓋16は、その先端部に突起17を有する。オリフィス
の開孔部13が蓋16によって密閉されたときに、突起17
は、オリフィスの開孔部13を貫通するような長さにされ
ている。
よって、突起17がオリフィスの開孔部13を貫通する
と、オリフィスの開孔部13の周辺に付着している異物
や、水垢などが突起17によって除去されるので、加熱流
体の流量変動が防止される。
本願各発明においては、蓋16を操作するための弁軸18
は、請求項(2)および(3)の本実施態様例と同様に
オリフィス12の下流側に置くことが好ましい。弁軸18の
シール19に加わる加熱流体圧力が低くなるので、シール
構造が容易になり、コストの低減と、漏れの防止につな
がるからである。
なお、ガイド20は、蓋16がオリフィスの開孔部13に当
接されるように、弁軸18を支持し、かつ、案内するため
に設けられたものであり、また、ガイド20に同心状に設
けられた通過孔21は、開孔部13から流入した加熱流体を
熱処理室2へ流入させるためのものである。
つぎに,第2の発明について説明する。
熱処理装置では、糸掛け、糸切れによる再糸掛けなど
のため、熱処理室2の開孔部4を必要に応じて開閉でき
る扉5を設けておくと便利である。しかし、扉5を開く
に際しては、加熱流体の供給を停止する必要があり、前
述の蓋16が装着されている。この加熱流体の供給、停止
作業は、安全上重要な作業であると同時に、開いたまま
糸条を走行させると糸条は製品不良になるので、生産上
も重要である。しかし、この作業は、多数の熱処理室を
担当する作業者にとって非常に繁雑な作業であるため、
本発明にかかる糸条の熱処理装置は、この作業を合理化
し、確実化したものである。
すなわち、本実施例においては、レバー22が処理筒1
に固定された支軸23を支点として揺動可能に取付けられ
ている。レバー22の一端には、ピン24を介して弁軸18が
係合されている。一方、レバー22の他端は、扉5が閉め
られているときには、扉5に当接されて弁軸18を下方に
引き下げるので弁軸18に挿通されたバネ25を圧縮して蓋
16をオリフィスの開孔部13から離脱させることができ
る。これに対し、扉5が開かれているときには、バネ25
が弁軸18を介して蓋16をしてオリフィスの開孔部13を密
閉せしめる。すなわち、扉5が開かれるとオリフィスの
開孔部13がバネ25によって押し上げられた蓋16によって
密閉され、反対に扉5が閉まると弁軸18がバネ25の押上
げ力に逆らって下方に引き下げるので、蓋16は、オリフ
ィス開孔部13から離脱し、オリフィス12で規定の流入量
に調節された加熱流体が熱処理室2に供給される。
本願発明においては、前記の第1の発明に第2の発明
を組合わせた糸条の熱処理機を、とくに好ましく用いる
ことができる。
実施例1〜3 本発明にかかるオリフィス挿入の効果を確認するため
に、ジャケットを一室、かつ共通とする第1図に示され
たのと同様の熱処理手段26を横一列に4室並べた糸条の
熱処理装置を試作した。
ここで、熱処理室2の大きさは、高さを300mm、幅を2
0mm、奥行きを110mm、オリフィスの開孔部13の直径は、
2mm、流路9の孔径と長さは、それぞれ3mm、60mmとし、
ガイド20の通過孔21の内径は、3mmとした。オリフィス
の公差は、+0.05〜0mmであった。
このように構成された各熱処理手段26に対し、加熱流
体に飽和水蒸気を使用し、ジャケット7の圧力を図示し
ない圧力調整弁で0.4kg/cm2G、0.8kg/cm2G、1.4kg/cm2G
と変更し、それぞれ2時間経過後の各室間の流量のバラ
ツキをチェックした。蒸気流量は熱処理室2の通糸孔を
テープで閉じ、熱処理室2からの漏出蒸気を排気孔にま
とめ、これを水中に導いて、ドレン量の増加量として測
定した。なお、このときの熱処理室2の圧力は、水柱30
0mm前後であった。
得られた結果を水蒸気の流量(g/分)としてまとめ、
表に示す。
上記表から、流量のバラツキは、十分に満足できる範
囲内にあることが判る。また、この試験中、各室ごとに
一定時間間隔で扉5の開閉を行い、何等の流量調整も行
わずに、その前後の流量をチェックしたが、いずれも扉
5の開閉の前後で、有意差のあるオリフィス12の流量変
動は認められなかった。
つぎに、この装置の各熱処理室に75デニール−36フィ
ラメントのポリエステル糸条を通糸し、5000m/分の速度
で引取りつつ、1.9%の弛緩熱処理を行った。得られた
処理糸条を64本のパッケージに巻上げ、この中から32本
を抜取り、各種の製品検査を行った。得られた個々のデ
ータは省略するが、染めむらや、収縮率などに錘間差の
ない均一な品質の製品であった。
この試験中にも、各室ごとに扉5の開閉を数十回行っ
たが、蓋は、確実に作動し、作業能率の向上が大いに期
待できる結果で、火傷などの安全上問題になるようなこ
とはなかった。また、この種の装置で悩まされることの
多い、弁軸18とシール19との間からの水蒸気の漏れは皆
無であり、しかも、水蒸気中の異物や、水垢などによる
流量の変動はみられなかった。
試験後にネジ15を取り去ってノズル10を取外し、オリ
フィス12を検査したが、異物や水垢などの付着は認めら
れなかった。
(発明の効果) 本発明は、加熱流体を熱処理室に噴射する導入手段
に、加熱流体の流量調整をするオリフィスと、このオリ
フィスの下流側に位置し、オリフィスの開孔部を貫通す
る突起を有する弁軸とが設けられているので、突起がオ
リフィスの開孔部を貫通すると、開孔部周辺に付着して
いる異物や水垢などが突起によって除去され、加熱流体
の流量変動が長期に亘って防止される。よって、加熱流
体の流量調整も容易になる。また、熱処理手段の扉の開
閉が、加熱流体の供給、および停止と連動されるため、
作業の安全性、および信頼性が確保され、また熱処理作
業の単純化、能率化が達成された。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明にかかる糸条の熱処理装置の実施態様
の一例の水平方向の断面図である。 第2図は、第1図のA−A′部の縦断面図である。 第3図は、第1図のB−B′の部分断面図である。 1:処理筒、2:熱処理室 3:糸条、4:作業用の開孔部 5:扉、6:パッキン 7:ジャケット、8:保温材 9:流路、10:ノズル 11:ノズルの開孔部、12:オリフィス 13:オリフィスの開孔部 14:ネジ、15:ネジ 16:蓋、17:突起 18:弁軸、19:シール 20:ガイド、21:加熱流体の通過孔 22:レバー、23:支軸 24:ピン、25:バネ 26:熱処理手段、27:糸条通過口 28:加熱流体導入口、29:加熱流体供給部 30:フランジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−167915(JP,A) 特開 昭60−181310(JP,A) 特公 昭48−42804(JP,B1)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)両端に糸条(3)が通過する出入口
    (27)を設けた熱処理室(2)と、 (B)熱処理室の周囲に設けられ、内部に供給される加
    熱流体により熱処理室を周囲から加熱または保温するジ
    ャケット(7)と、 (C)ジャケットに連通し、ジャケット内に供給された
    加熱流体を熱処理室内に噴射する加熱流体の導入手段
    と、 (D)を備えた熱処理手段(26)が複数個並設されてい
    る糸条の熱処理装置において、 (E)導入手段は、ジャケットで包囲されているととも
    に、 (F)導入手段は、熱処理室内に加熱流体を噴射するノ
    ズル(10);ジャケットと前記ノズルの開孔部(11)と
    の間に設けたオリフィス(12);オリフィス開孔部に向
    けて取付けた、少なくともオリフィスの流体通路の長さ
    以上の長さを有しオリフィス開孔部を貫通する突起(1
    7)、および突起を移動するための弁軸(18)からな
    る、ことを特徴とする糸条の熱処理装置。
  2. 【請求項2】(A)両端に糸条(3)が通過する出入口
    (27)を設けた熱処理室(2)と、 (B)熱処理室の周囲に設けられ、内部に供給される加
    熱流体により熱処理室を周囲から加熱または保温するジ
    ャケット(7)と、 (C)ジャケットに連通し、ジャケット内に供給された
    加熱流体を熱処理室内に噴射する加熱流体の導入手段
    と、 (D)を備えた熱処理手段(26)が複数個並設されてい
    る糸条の熱処理装置において、 (E)導入手段は、ジャケットで包囲されているととも
    に、 (F′)導入手段は、熱処理室内に加熱流体を噴射する
    ノズル(10);ジャケットとノズル開孔部(11)との間
    に設けたオリフィス(12);オリフィス開孔部(13)を
    密閉するために、オリフィス開孔部とオリフィス開孔部
    下流側に設けた蓋(16)とで形成される弁;および、蓋
    を移動するために蓋に取付けた弁軸(18)からなり、か
    つ、 (G)各熱処理手段には、熱処理室から外部に連通する
    と共に走行糸条に沿って設けられた熱処理室開口部
    (4)、熱処理室開口部を閉止する扉(5)、および扉
    が閉められているときには蓋をオリフィス開孔部から離
    脱させ、扉が開けられているときには蓋がオリフィス開
    孔部を密閉するように弁軸を作動する開閉手段(22,23,
    24および25)が装着されていることを特徴とする糸条の
    熱処理装置。
  3. 【請求項3】(G′)各熱処理手段に、熱処理室から外
    部に連通すると共に走行糸条に沿って設けられた熱処理
    室開口部(4)、熱処理室開口部を閉止する扉(5)、
    および扉が閉まっているときには加熱流体を供給し、扉
    が開けられているときには加熱流体の供給を停止するよ
    うに前記弁軸(18)を作動させる開閉手段(22,23,24お
    よび25)が装着されていることを特徴とする、請求項1
    記載の糸条の熱処理装置。
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