JP2622292B2 - 誘電体ペースト - Google Patents

誘電体ペースト

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輝芳 久保川
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は厚膜IC部品およびチューナ等の印刷コンデ
ンサ等に用いられる誘電体ペーストに関するものであ
る。
[従来の技術] 近年、電子部品の高集積化を目的として、アルミナ等
のセラミックス基板上に、電極、抵抗、コンデンサをス
クリーン印刷にて形成し、500〜1000℃の高温で焼成す
ることにより、厚膜ハイブリッドICを製造することが行
なわれている。
これらの厚膜ハイブリッドICを構成する素子としてコ
ンデンサおよび抵抗がある。このうちIC中に大きな面積
を占めるのはコンデンサであり、特にバイパス用の大容
量コンデンサの単位面積当たりの容量によって基板の大
きさが左右され、高集積化を計るうえで基板面積の低減
が望まれている。
このため強誘電体粉末をペーストとして使用し、印刷
により大容量のコンデンサを得ることが検討されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかしながらBaTiO3系、タングステンブロンズ型や複
合ペロブスカイト型の従来の強誘電体はその焼結温度が
いずれも1000℃以上であるので、電極材料は耐熱性の高
いものでなければならず、高価なパラジウムや白金等を
使用しなければならないという不都合があった。
このため誘電体粉末の焼結温度の低下を計る目的で、
ガラスフリットを混入してなる印刷コンデンサ用の誘電
体ペーストが開発されている。
このようなガラスフリット混合誘電体ペーストとして
は、たとえばPb(Mg1/3Nb2/3)O3とPb(Zn1/3Nb2/3)O3
とガラスフリットとを混合したもの、BaTiO3とBa(ZrT
i)O3とガラスフリットとを混合したもの、強誘電体とZ
nO,Fe2O3,NiO2,CuO等の添加剤とバインダガラスとを混
合したものなどが提案されている。
ところがガラスフリットを混入した誘電体ペースト
は、低温焼成に必要なガラスフリットの誘電率が低く、
強誘電体粉末と混合できる濃度範囲が狭いという欠点が
あった。
すなわちガラスフリットの混合比率が低いと誘電体ペ
ーストの焼成が不十分となり、コンデンサが未焼結状態
となるので誘電体層の機械的強度が小さくなるばかりで
なく、その電気特性も低下し、コンデンサ容量が小さ
く、誘電損失係数(tanδ)が大きくなり、実用に供す
ることができない。
またこの逆にガラスフリットの混入比率を増加させる
とコンデンサの機械的強度は向上するものの強誘電体粉
末の含有量が減少するためにコンデンサの比誘電率は10
00〜1800程度と低下し、コンデンサの単位面積あたりの
容量も200〜400pF程度となるという不都合があった。
この発明は上記課題を解決するためになされたもので
あって、高い比誘電率と低い誘電損失の印刷コンデンサ
を低温焼成にて製造可能とする誘電体ペーストを提供す
ることを目的としている。
[課題を解決するための手段] この発明の誘電体ペーストは、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3
0.66〜0.70モル、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3−0.04〜0.16モ
ル、PbTiO3−0.20〜0.24モルの誘電体原料に対し、CuO
2.0〜5.0重量部と、Bi2O3 0.3〜1.0重量部とSrTiO3 1.0
〜4.0重量部を添加して得られる組成物を焼成して粉砕
した粉末をビヒクル中に分散させてなることを解決手段
とした。
[作用] Pb(Mg1/3Nb2/3)O3 0.66〜0.70モル Pb(Ni1/3Nb2/3)O3 0.04〜0.16モル PbTiO3 0.20〜0.24モル の誘電体原料を焼結すると、高い比誘電率と低い誘電損
失を示すコンデンサとして好適な強誘電体が得られる。
上記誘電体原料に2.0〜5.0重量部のCuOと0.3〜1.0重
量部のBi2O3と1.0〜4.0重量部のSrTiO3からなる添加剤
を加えることにより誘電体原料の低温焼成を可能とする
とともに、上記誘電体原料を焼成して形成された誘電体
層の基板への密着性を向上させることができる。
特にSrTiO3の添加により誘電体層の温度による容量変
化率を小さくすることができる。
以下、この発明をさらに詳細に説明する。
この発明の誘電体ペーストは、0.66〜0.70モルのPb
(Mg1/3Nb2/3)O3と0.04〜0.16モルのPb(Ni1/3Nb2/3
O3と0.20〜0.24モルのPbTiO3からなる誘電体原料に対し
て、添加剤として、2.0〜5.0重量部のCuOと0.3〜1.0重
量部のBi2O3と1.0〜4.0重量部のSrTiO3を混合してビヒ
クル中に分散させてなるものであって、好ましくはPb
(Mg1/3Nb2/3)O3−0.68モル、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3−0.
10モル、PbTiO3−0.22モルとなる誘電体原料に対して、
添加剤として3重量部のCuOと0.5重量部のBi2O3と1.0〜
4.0重量部のSrTiO3を混合し仮焼した後、粉砕した粉末
をビヒクル中に分散させてなるものである。
ここで0.66〜0.70モルのPb(Mg1/3Nb2/3)O3と0.04〜
0.16モルのPb(Ni1/3Nb2/3)O3と0.20〜0.24モルのPbTi
O3とからなる誘電体原料は、比誘電率の高い誘電体層を
形成するためのものであり、上記組成比はずれると、誘
電体層のキュリー温度が変化し、容量変化率が大きくな
い実用に適さなくなる。
また、2.0〜5.0重量部のCuOと、0.3〜1.0重量部のBi2
O3と、1.0〜4.0重量部のSrTiO3からなる添加剤は上記誘
電体原料を、950℃以下の低温で焼結可能とするととも
に、電極および基板上に誘電体層を密着させるためのも
のであり、上記添加濃度の範囲をはずれると、誘電体ペ
ーストの焼結性が悪化し、誘電体コンデンサの電気特性
が低下したり、製造された誘電体層の比誘電率(εr)
の低下と誘電損失係数(tanδ)の増大が生じ、実用に
供することができなくなる。
この発明の誘電体ペーストは樹脂を高沸点の有機溶剤
に溶解してなるビヒクルに上記誘電体成分と添加剤成分
を混合、仮焼し、粉砕した誘電体仮焼粉を所定濃度で分
散させて使用される。
ビヒクルには、樹脂粘結体としてアクリル樹脂、エチ
ルセルロース、ニトロセルロースのうちの少なくとも1
種以上の樹脂を、高沸点有機溶剤としてブチルカルビト
ール、ブチルカルビトールアセテート、ターピオネール
等のうちの少なくとも1種以上の溶剤を用いるのが好適
である。
上記高沸点有機溶剤への樹脂粘結体の混合比率は5〜
30wt%が好ましく、また上記誘電体原料と添加剤とから
なる粉末成分のビヒクル中への混合比率は、10〜20wt%
が好ましい。
次にこの発明の誘電体ペーストの製造方法の一例を以
下に示す。
まず酸化鉛(PbO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化
ニオブ(Nb2O5)、酸化ニッケル(NiO)、酸化チタン
(TiO2)とを、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−0.66〜0.70モル、
Pb(Ni1/3Nb2/3)O3−0.04〜0.16モル、PbTiO3−0.22〜
0.24モルとなるような比率にて配合し、さらに添加剤と
して、CuOとBi2O3とを配合する。これらのボールミルポ
ット等の粉砕混合装置に投入し、ジルコニアボールまた
はそれに代わる材質のボールと、水またはアルコール、
アセトン等の有機溶剤とともに24時間混合して、上記原
料を充分に粉砕、混合する。ついでこれらをボールミル
ポットから取り出し、水または有機溶剤を濾過、乾燥す
ることにより除去する。充分に乾燥された混合粉末を50
メッシュでふるい分けし、顆粒状としたものをアルミナ
ポットに入れて750℃、5時間仮焼成して誘電体仮焼物
を得る。
この仮焼成の後、この仮焼物を上記工程と全く同様に
ボールミルポットにて96時間、粉砕を行う。この粉砕の
後、濾過または乾燥により、誘電体仮粉体を得る。この
時に誘電体仮焼粉に吸着した水および有機溶剤を完全に
除去するために、120〜150℃に真空乾燥を行う。
このようにして充分に乾燥された誘電体仮焼粉をビヒ
クルとを混合、混練する。
誘電体仮焼粉とビヒクルとの混合は、少量であれば乳
鉢等、多量であればライカイ機、万能混合攪拌機等の混
合機で良く粗練りをし、さらに三本ロールで良く混練
し、粉末の粉粒を整えた後、印刷に必要な粘度を保持す
るために高沸点有機溶剤を加えて粘度調整を行い、この
発明の誘電体ペーストとし、スクリーン印刷に供する。
この発明の誘電体ペーストを用いれば、比誘電率が高
くかつ単位面積あたりの容量が従来のものと比較して2
〜3倍も大きなコンデンサを低温焼結により製造するこ
とができる。
この発明の誘電体ペーストを用いて製造した印刷コン
デンサの一例を第1図および第2図に示した。
この印刷コンデンサは、アルミナ等の基板1上に下部
電極2と誘電体層3と上部電極4とを順次積層してなる
ものである。このような印刷コンデンサは以下の工程に
より製造することができる。
まず基板1上に銀系等の導電ペーストを印刷し、850
℃で10分間加熱して下部電極2を形成した後、この下部
電極2上にこの発明の誘電体ペーストを印刷、乾燥し、
さらにこの上に上部電極3となる導電ペーストを印刷、
乾燥した後、850℃で10分間焼成することにより約30〜6
0μmの膜厚の誘電体層3を有する印刷コンデンサを製
造することができる。
[実施例] Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−0.68モル、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3
−0.10モル、PbTiO3−0.22モルの組成になるように酸化
鉛、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化ニッケル、酸
化チタンの各粉末を配合し、仮焼した。上記各粉末を仮
焼した後、得られる誘電体原料に3.0重量部のCuOと0.5
重量部のBi2O3と、0.45重量部のSrTiO3を加えて粉砕、
混合し、750℃で5時間仮焼成した。ついでこの仮焼成
した粉末を粉砕した後、充分に乾燥させて誘電体仮焼粉
とした。
なおSrTiO3は、SrCO3とTiO3とそれぞれ1.0モルづつボ
ールミルを用いて均一組成になるようにして充分混合し
たものを固相反応により反応させてSrTiO3としたものを
用いた。
ここでビヒクルは熱可塑性アクリル樹脂をブチルカル
ビトール24wt%になるように溶解してなるものを用い
た。上記誘電体原料と添加剤とからなる混合物とビヒク
ルとの重量比率が、100:17となるように配合し、これら
乳鉢で混合した後、三本ロールで充分に混練して誘電体
ペーストとした。
このようにして得られた誘電体ペーストを用いて印刷
コンデンサを製造したところ、850℃での低温焼結が可
能となった。またこのようにして製造された印刷コンデ
ンサの比誘電率と誘電損失と絶縁抵抗と温度による容量
変化率を調べ、結果を第1表と第3図にそれぞれ示し
た。
なお第3図中、実線は比誘電率を示し、破線は温度に
よる誘電損失を示す。
上記第1表の結果より、SrTiO3の添加による効果が認
められたのは1.0〜4.重量部であった。SrTiO3の添加量
が4.0重量部を越えると、温度による容量変化率が低下
するものの比誘電率が低下し、単位面積当たりのコンデ
ンサ容量が小さくなり集積度が低下するのが好ましくな
い。またSrTiO3の添加量が1.0重量部未満であると、容
量変化率の低減効果が充分ではないためである。
[発明の効果] 以上説明したようにこの発明の誘電体ペーストは0.66
から0.70モルのPb(Mg1/3Nb2/3)O3と0.04〜0.16モルの
Pb(Ni1/3Nb2/3)O3と0.20〜0.24モルのPbTiO3とに、2.
0〜5.0重量部のCuOと0.3〜1.0重量部のBi2O3と1.0〜4.0
重量部のSrTiO3とを添加して得られる組成物を焼成し
て、粉砕した粉末をビヒクル中に分散させてなるもので
あるので、850℃での低温焼結が可能であるとともに、
高い比誘電率を有する誘電体層の形成が可能である。
よってこの発明の誘電体ペーストを用いて製造された
印刷コンデンサの単位面積あたりの容量は従来の誘電体
ペーストを用いて製造されたコンデンサの容量の2〜3
倍となるので、同一容量の印刷回路基板を設計する場合
には基板面積を1/2〜1/3に減少させることができ、高集
積化が可能となる。
またこの発明の誘電体ペーストは、SrTiO3の添加によ
り温度による容量変化を低減させたものであるので、安
定した素子を得ることができる。
さらにこの発明の誘電体ペーストは850℃での低温焼
結が可能であるので、高価なパラジウムや白金を電極材
料として使用する必要がなくなるので、集積度の高い素
子を低コストで製造することができる。またこの誘電体
ペーストを用いて製造されたコンデンサは、基板面積が
小さく高集積化が可能であるので、小型化要求の大きな
ハンディタイプの電気製品の電子素子として好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の誘電体ペーストを用いて製造した厚
膜印刷コンデンサの平面図、第2図は第1図に示した厚
膜印刷コンデンサのI−I線矢視図、第3図はこの発明
の誘電体ペーストの比誘電率と誘電損失の温度特性を示
したグラフである。 3…誘電体層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Pb(Mg1/3Nb2/3)O3 0.66〜0.70モル Pb(Ni1/3Nb2/3)O3 0.04〜0.16モル PbTiO3 0.20〜0.24モル の誘電体原料に対し、 CuO 2.0〜5.0重量部 Bi2O3 0.3〜1.0重量部 SrTiO3 1.0〜4.0重量部 を添加して得られる組成物を焼成して粉砕した粉末をビ
    ヒクル中に分散させてなることを特徴とする誘電体ペー
    スト
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