JP2576605B2 - 磁器組成物の製造方法 - Google Patents
磁器組成物の製造方法Info
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- JP2576605B2 JP2576605B2 JP63243956A JP24395688A JP2576605B2 JP 2576605 B2 JP2576605 B2 JP 2576605B2 JP 63243956 A JP63243956 A JP 63243956A JP 24395688 A JP24395688 A JP 24395688A JP 2576605 B2 JP2576605 B2 JP 2576605B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は積層セラミック・コンデンサ用磁器組成物の
製造方法に関し、特に誘電率の温度変化が少なく、かつ
高誘電率のコンデンサに用いられる磁器組成物の製造方
法に関する。
製造方法に関し、特に誘電率の温度変化が少なく、かつ
高誘電率のコンデンサに用いられる磁器組成物の製造方
法に関する。
[従来の技術] 電子部品の基板上への実装密度が高まるにつれ、コン
デンサ等の電子部品のチップ化が盛んになってきている
が、コンデンサチップ市場では温度特性変化の小さな素
子が大半を占めている。従来の高誘電率磁器組成物材料
としてはチタン酸バリウム(BaTiO3)系が知られてお
り、添加や置換によってキュリー点を移動させて温度特
性の改善をはかっている。
デンサ等の電子部品のチップ化が盛んになってきている
が、コンデンサチップ市場では温度特性変化の小さな素
子が大半を占めている。従来の高誘電率磁器組成物材料
としてはチタン酸バリウム(BaTiO3)系が知られてお
り、添加や置換によってキュリー点を移動させて温度特
性の改善をはかっている。
[発明が解決しようとする課題] この従来の方法により温度変化率の小さな材料を実現
した場合、得られる誘電率は高々2000程度にすぎず、チ
ップの軽薄短小化の要求に適合しなかった。これを解決
する手段として、キュリー点が異なった高い誘電率を持
つ磁器組成物材料を組合わせ、温度特性の優れた大容量
コンデンサを実現する製造方法が提案されたが、実際に
は組合わせた異種磁器組成物材料間に拡散反応が起って
キュリー点が1つとなり、温度特性改善効果はあまり望
めなかった。
した場合、得られる誘電率は高々2000程度にすぎず、チ
ップの軽薄短小化の要求に適合しなかった。これを解決
する手段として、キュリー点が異なった高い誘電率を持
つ磁器組成物材料を組合わせ、温度特性の優れた大容量
コンデンサを実現する製造方法が提案されたが、実際に
は組合わせた異種磁器組成物材料間に拡散反応が起って
キュリー点が1つとなり、温度特性改善効果はあまり望
めなかった。
本発明の目的は、上記した従来の事情に鑑み、誘電率
が高く、かつ温度変化率の小さい優れた電気特性を有す
るセラミック・コンデンサ用磁器組成物の製造方法を提
供することにある。
が高く、かつ温度変化率の小さい優れた電気特性を有す
るセラミック・コンデンサ用磁器組成物の製造方法を提
供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、マグネシウム・タングステン酸鉛[Pb(Mg
1/2・W1/2)O3]、チタン酸鉛[PbTiO3]およびニッケ
ル・ニオブ酸鉛[Pb(Ni1/3・Nb2/3)O3]からなる3成
分組成物を、[Pb(Mg1/2・W1/2)O3]x[PbTiO3]y
[Pb(Ni1/3・Nb2/3)O3]zと表したときに(ただしx
+y+z=1.00)、この3成分組成図において、以下の
組成点、 (x=0.15,y=0.40,z=0.45) …(a) (x=0.15,y=0.50,z=0.35) …(b) (x=0.40,y=0.50,z=0.10) …(c) (x=0.50,y=0.40,z=0.10) …(d) (x=0.50,y=0.30,z=0.20) …(e) (x=0.25,y=0.30,z=0.45) …(f) の各点を結ぶ線上、およびこの6点に囲まれる組成範囲
内にある主成分組成物に、副成分として三酸化タングス
テン(WO3)を主成分に対して0.01〜10重量%添加した
仮焼粉末を1000〜1150℃の温度で焼結してなることを特
徴とする磁器組成物の製造方法である。
1/2・W1/2)O3]、チタン酸鉛[PbTiO3]およびニッケ
ル・ニオブ酸鉛[Pb(Ni1/3・Nb2/3)O3]からなる3成
分組成物を、[Pb(Mg1/2・W1/2)O3]x[PbTiO3]y
[Pb(Ni1/3・Nb2/3)O3]zと表したときに(ただしx
+y+z=1.00)、この3成分組成図において、以下の
組成点、 (x=0.15,y=0.40,z=0.45) …(a) (x=0.15,y=0.50,z=0.35) …(b) (x=0.40,y=0.50,z=0.10) …(c) (x=0.50,y=0.40,z=0.10) …(d) (x=0.50,y=0.30,z=0.20) …(e) (x=0.25,y=0.30,z=0.45) …(f) の各点を結ぶ線上、およびこの6点に囲まれる組成範囲
内にある主成分組成物に、副成分として三酸化タングス
テン(WO3)を主成分に対して0.01〜10重量%添加した
仮焼粉末を1000〜1150℃の温度で焼結してなることを特
徴とする磁器組成物の製造方法である。
本発明における主成分組成範囲を表す3成分組成図は
第1図で示される。図中、(a),(b),(c),
(d),(e)および(f)は各組成点を表し、本発明
に含まれる組成範囲は図の斜線で示す範囲およびその境
界線上である。
第1図で示される。図中、(a),(b),(c),
(d),(e)および(f)は各組成点を表し、本発明
に含まれる組成範囲は図の斜線で示す範囲およびその境
界線上である。
なお、本発明の成分組成範囲外である場合、および成
分組成範囲内でも焼結温度が本発明の方法の温度範囲外
である場合は、誘電率が低くなったり、誘電率の温度変
化が大きくなったりするため、前述のように組成範囲と
焼結温度が限定されるものである。
分組成範囲内でも焼結温度が本発明の方法の温度範囲外
である場合は、誘電率が低くなったり、誘電率の温度変
化が大きくなったりするため、前述のように組成範囲と
焼結温度が限定されるものである。
また、本発明の方法による焼結温度は比較的低いた
め、積層セラミックコンデンサに用いた場合、内部電極
としては高価な白金やバラジウムではなく、安価な銀パ
ラジウム系の材料を用いることができ、積層セラミック
コンデンサの製造コストを低く抑えることができる。
め、積層セラミックコンデンサに用いた場合、内部電極
としては高価な白金やバラジウムではなく、安価な銀パ
ラジウム系の材料を用いることができ、積層セラミック
コンデンサの製造コストを低く抑えることができる。
[実施例] 次に、本発明の実施例について説明する。
出発原料として純度99.9%以上の酸化鉛(PbO)、酸
化マグネシウム(MgO)、三酸化タングステン(WO3)、
酸化チタン(TiO2)、酸化ニッケル(NiO)および五酸
化ニオブ(Nb2O5)を使用し、表−1に示した配合比と
なるように各々秤量する。
化マグネシウム(MgO)、三酸化タングステン(WO3)、
酸化チタン(TiO2)、酸化ニッケル(NiO)および五酸
化ニオブ(Nb2O5)を使用し、表−1に示した配合比と
なるように各々秤量する。
次に秤量した原料をボールミル中で湿式混合した後、
750〜800℃で予焼を行い、この粉末をボールミルで粉砕
し、濾過、乾燥後、有機バインダを入れて整粒後プレス
し、直径16mm、厚さ2mmの円板20枚を作製した。次にこ
れらの円板を空気中、表−1に示すような焼成温度で1
時間焼結した。焼結した円板試料の上下面に銀電極を60
0℃で焼付け、デジタルLCRメータで周波数1KHz、電圧1V
r.m.s.、温度−55〜125℃で容量と誘電損失を測定し、
これをもとに誘電率の温度変化を算出した。
750〜800℃で予焼を行い、この粉末をボールミルで粉砕
し、濾過、乾燥後、有機バインダを入れて整粒後プレス
し、直径16mm、厚さ2mmの円板20枚を作製した。次にこ
れらの円板を空気中、表−1に示すような焼成温度で1
時間焼結した。焼結した円板試料の上下面に銀電極を60
0℃で焼付け、デジタルLCRメータで周波数1KHz、電圧1V
r.m.s.、温度−55〜125℃で容量と誘電損失を測定し、
これをもとに誘電率の温度変化を算出した。
次に超絶縁計を用い、50Vの電圧を1分間印加して、
絶縁抵抗を温度20℃で測定し、比抵抗を算出した。各組
成に対応する特性は試料4点の平均値より求めた。
絶縁抵抗を温度20℃で測定し、比抵抗を算出した。各組
成に対応する特性は試料4点の平均値より求めた。
このようにして得られた磁器組成物の配合比と誘電
率、誘電損失および比抵抗との関係を表−1に示す。
率、誘電損失および比抵抗との関係を表−1に示す。
表−1に示した結果から明らかなように、本発明の方
法により得られた磁器組成物は、誘電率が20℃において
3000以上と高く、誘電損失、比抵抗も実用的な水準を満
たしており、かつ誘電率の温度変化が−55〜125℃の温
度範囲で、20℃の誘電率を基準とした場合に極めて小さ
く温度安定性が優れており、セラミックコンデンサ用磁
器組成物として優れた材料である。
法により得られた磁器組成物は、誘電率が20℃において
3000以上と高く、誘電損失、比抵抗も実用的な水準を満
たしており、かつ誘電率の温度変化が−55〜125℃の温
度範囲で、20℃の誘電率を基準とした場合に極めて小さ
く温度安定性が優れており、セラミックコンデンサ用磁
器組成物として優れた材料である。
[発明の効果] 本発明の方法により得られる磁器組成物は良好な誘電
損失、比抵抗の値を備え、誘電率が高く、かつその温度
変化が極めて小さいものである。このため、単位体積当
りの容量が大きく、かつ容量の温度変化の小さいセラミ
ックコンデンサ、特に積層セラミックコンデンサを実現
するのに好適な磁器組成物である。
損失、比抵抗の値を備え、誘電率が高く、かつその温度
変化が極めて小さいものである。このため、単位体積当
りの容量が大きく、かつ容量の温度変化の小さいセラミ
ックコンデンサ、特に積層セラミックコンデンサを実現
するのに好適な磁器組成物である。
第1図は本発明の主成分組成範囲を示す3成分系組成図
である。
である。
Claims (1)
- 【請求項1】マグネシウム・タングステン酸鉛[Pb(Mg
1/2・W1/2)O3]、チタン酸鉛[PbTiO3]およびニッケ
ル・ニオブ酸鉛[Pb(Ni1/3・Nb2/3)O3]からなる3成
分組成物を、[Pb(Mg1/2・W1/2)O3]x[PbTiO3]y
[Pb(Ni1/3・Nb2/3)O3]zと表したときに(ただしx
+y+z=1.00)、この3成分組成図において、以下の
組成点、 (x=0.15,y=0.40,z=0.45) (x=0.15,y=0.50,z=0.35) (x=0.40,y=0.50,z=0.10) (x=0.50,y=0.40,z=0.10) (x=0.50,y=0.30,z=0.20) (x=0.25,y=0.30,z=0.45) の各点を結ぶ線上、およびこの6点に囲まれる組成範囲
内にある主成分組成物に、副成分として三酸化タングス
テン(WO3)を主成分に対して0.01〜10重量%添加した
仮焼粉末を1000〜1150℃の温度で焼結してなることを特
徴とする磁器組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63243956A JP2576605B2 (ja) | 1988-09-30 | 1988-09-30 | 磁器組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63243956A JP2576605B2 (ja) | 1988-09-30 | 1988-09-30 | 磁器組成物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0292855A JPH0292855A (ja) | 1990-04-03 |
JP2576605B2 true JP2576605B2 (ja) | 1997-01-29 |
Family
ID=17111540
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63243956A Expired - Lifetime JP2576605B2 (ja) | 1988-09-30 | 1988-09-30 | 磁器組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2576605B2 (ja) |
-
1988
- 1988-09-30 JP JP63243956A patent/JP2576605B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0292855A (ja) | 1990-04-03 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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