JP2622158B2 - 情報検索装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気テープ上に記録されている複数の音楽
情報などのプログラム情報の中から指定された任意のプ
ログラム情報を検索する情報検索装置に係り、特に回転
ヘッド式ディジタル・オーディオ・テープレコーダなど
に適用して好適なものである。

〔従来の技術〕

第５図は、回転ヘッド式ディジタル・オーディオ・テ
ープレコーダ（以下、Ｒ−DAT、という）における従来
の情報検索装置を示すブロック図である。

同図において、磁気テープ１は供給リール２および巻
き取りリール３に巻装されており、キャプスタン４およ
びピンチローラ５などのローディング機構によって回転
ドラム６に巻き付けられている。回転ドラム６には２つ
の磁気ヘッド7aおよび7bが180゜対向して取り付けられ
ており、磁気テープ１に記録されているプログラム情報
および後述するサブコード情報を読み取るようになされ
ている。

サブコード情報は、第６図の概略図に示すように、音
楽情報などのプログラム情報の磁気テープ１上での記録
順を示すプログラム番号PNOと、テープ始端からの時間
を示す時間情報（アブソルート・タイム）ATMとからな
り、これらの情報は磁気テープ１上の各トラックのサブ
コードエリアに記録されている。

磁気ヘッド7aおよび7bの出力はヘッドアンプ８で適性
レベルまで増幅され、音楽情報などのプログラム情報は
不図示のオーディオシステムに出力されて音響信号に変
換され、サブコード情報のうちプログラム番号PNOはPNO
再生回路９で分離・再生されたのち現在PNO記憶回路10
に記憶される。

比較回路11は現在PNO記憶回路10に記憶されるプログ
ラム番号と目的PNO記憶回路12に記憶されるプログラム
番号とを比較し、その比較結果をこのシステム全体をコ
ントロールする制御部13に出力する。目的PNO記憶回路1
2には検索するプログラム情報のプログラム番号が目的
プログラム番号として記憶される。

操作部14は制御部13に記録，再生，検索などの指令を
発すると共に、目的PNO記憶回路12に検索するプログラ
ム情報のプログラム番号を入力する。

このような構成によれば、第７図の動作説明図に示す
ように、プログラム番号「３」のプログラム情報を検索
する場合には、現在位置p1またはp1′からFWDモードま
たはREWモードでプログラム番号「３」のプログラム情
報が記録されている先頭位置近傍まで高速サーチを行
い、その後はCUEモードまたはREVモードの低速サーチで
プログラム情報の先頭位置を検出し、検索が終了すると
再生（PLAY）モードに切り換えて検索したプログラム情
報の再生を行う。

〔発明が解決しようとする課題〕

前述の従来例では、検索時に磁気テープ１上に記録さ
れているサブコード情報をFWDモードやREWモード等の高
速走行モードで読み取るため、磁気テープ１の走行速度
に応じて回転ドラム６の回転数を変化させ、磁気テープ
１と磁気テープ１上のトレースする磁気ヘッド7a,7bと
の相対速度が常に一定となるように制御する必要があっ
た。例えば、FWDおよびREWモード時の磁気テープ１の走
行速度を再生モード（または、記録モード）時の200倍
としたときには、回転ドラム６の回転数をFWDモードで
約3000rpm、REWモードで約1000rpmとすれば相対速度が
再生モード（または、記録モード）時の回転数である20
00rpmと等しくなる。

このように、Ｒ−DATでは検索時に相対速度が一定と
なるように回転ドラムサーボがかけられるため、回転ド
ラム６の回転数はFWDモードでは高く、REWモードでは低
くなる。この回転数は、第８図に示すように、磁気テー
プ１の走行速度と比例関係にあるため、例えば、REWモ
ードでサーチ速度が再生時の約400倍になると回転ドラ
ム６の回転数が零となってしまい、サブコード情報の読
み取りが不可能になりプログラム情報の検索が出来なく
なってしまう。また、FWDモードにおいて400倍速サーチ
を行う場合には、回転ドラム６の回転数を約4000rpmに
しなければならず、これも回転ドラム６のドラムモータ
の信頼性の点で問題があった。

さらに、磁気テープ１からのサブコード情報の読み取
り動作は、一般に読み取りデータの信頼性を向上させる
ために読み取りデータの多重一致チェックを行っている
が、特にREWモードでは回転ドラム６の回転数が著しく
低くなることによりサブコード情報の読み取り頻度が低
下し、多重一致チェックが不可能になるという問題点を
有していた。

このような理由により、従来のＲ−DATの情報検索速
度は200倍速程度に制限されていた。しかし、Ｒ−DATの
フォーマットは200倍速を超える磁気テープ走行速度に
おいても支障がないように考慮されており、従来の検索
動作ではこのフォーマットの優位性は十分に生かされて
いなかった。

本発明は、簡易な手段で200倍速を超える超高速検索
動作を行える情報検索装置を提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、磁気テープ上に記録されている複数のプロ
グラム情報の中から指定された任意のプログラム情報を
高速で検索する情報検索装置において、 前記磁気テープから読み出される前記各プログラム情
報の番号を現在プログラム番号として記憶する第１のメ
モリ手段と、 前記磁気テープから読み出される位置情報を現在位置
情報として記憶する第２のメモリ手段と、 前記複数のプログラム情報のプログラム番号および磁
気テープ上での記録位置を対応付けて記憶する第３のメ
モリ手段と、 前記磁気テープが巻装されているリールの回転数を検
出して前記磁気テープの走行位置情報を得る走行位置検
出手段と、 前記検索するプログラム情報のプログラム番号および
前記現在プログラム番号を比較する比較手段とを設け、 前記検索するプログラム情報のプログラム番号および
記録位置が前記第３のメモリ手段に記憶されており、か
つその記録位置および前記走行位置間の差が所定値を超
える場合には第１の高速検索モードとして前記走行位置
情報に基づく高速検索を行い、前記検索するプログラム
情報のプログラム番号および記録位置が前記第３のメモ
リ手段に記憶されていない場合または記憶されていても
その記録位置および前記走行位置間の差が所定値内の場
合には前記第１の高速検索モードよりも低速の第２の高
速検索モードとして前記現在プログラム番号に基づく高
速検索を行うように構成した。

〔作 用〕

複数のプログラム情報の中から任意のプログラム情報
を指定し検索動作を指令すると、まず、検索するプログ
ラム情報のプログラム番号および記録位置が第３のメモ
リ手段に記憶されているか否かを判定し、記憶されてい
る場合には、さらにその記憶位置と走行位置との差を求
め、その差が所定値を超えている場合には第１の高速検
索モードで超高速の検索動作を行う。このモードでは磁
気テープに記録されているサブコード情報を読み出さ
ず、磁気テープが巻装されているリールの回転数を検出
して磁気テープの走行位置を検出する走行位置検出手段
によって磁気テープの走行位置を求め、磁気テープが所
定値内に達するまで行う。

第３のメモリ手段に検索するプログラム情報のプログ
ラム番号および記録位置が記憶されていない場合または
記録されていてもその記憶位置と現在位置との差が所定
値内の場合には第２の高速検索モードとなり第１の高速
検索モードより低速の検索動作を行う。このモードでは
磁気テープから読み出される現在プログラム番号と検索
するプログラム情報のプログラム番号とを比較し、両プ
ログラム番号が一致するまで行う。一致したことを検出
すると検索動作を終了させ、検索したプログラム情報の
再生を行う。

〔実施例〕

第１図は、本発明による情報検索装置の一実施例を示
すブロック図で、第５図と対応する部分には同一符号を
付して説明する。

本実施例においては、ヘッドアンプ８で増幅されたサ
ブコード情報から現在時間情報ATMを分離・再生するATM
再生回路15、この現在時間情報ATMを記憶する現在ATM記
憶回路16、PNO再生回路９からプログラム番号PNOが読み
出される毎にそのプログラム番号PNOとその時の現在時
間情報ATMとを対応付けて目次情報として記憶する目次
情報記憶回路17、巻き取りリール３の回転に伴って発生
するリールパルスを検知する検知器18、この検知器18か
らのリールパルスを計数して巻き取りリール３の回転周
期を測定するリール回転周期測定回路19、この測定回路
19からの出力に基づき磁気テープ１の始端からの走行時
間を演算するテープ走行時間演算回路20とを有する点を
除いては、第５図と同一の構成を有している。

次に、本実施例の動作を説明する。

まず、第２図のフローチャートを参照しながら目次情
報記憶回路17にプログラム番号PNOおよび対応する現在
時間情報ATMを対応付けて記憶する動作について説明す
る。

操作部14からPLAY,FWD,REW,CUE,REV等の動作指令が出
されると、制御部13は指定された動作モードとなるよう
にシステム全体を制御する。そして、走行方向が正方向
か逆方向かを判定し（ステップS1）、正方向の場合には
プログラム番号PNOを検出すると（ステップS2）その検
出発生点、すなわち当該プログラム情報の開始点の時間
情報ATMをプログラム番号PNOと共に目次情報記憶回路17
に記憶する（ステップS3）。また、走行方向が逆方向の
場合はプログラム番号PNOを検出すると（ステップS4）
その検出消滅点、すなわち当該プログラム情報の開始点
の時間情報ATMをプログラム番号PNOと共に目次情報記憶
回路17に記憶する（ステップS3）。この動作は操作部14
から停止指令が出されるまで、またはテープ１の終端ま
たは始端が検出され停止指令が出されるまで（ステップ
S5）続けられる。

次に、操作部14から特定のプログラム情報を検索する
指令が出された場合の動作を第３図に示すフローチャー
トを参照しながら説明する。

まず、指定されたプログラム情報のプログラム番号お
よびその開始点の時間情報が目的情報記憶回路17に記憶
されているか否かを判定し（ステップS10）、記憶され
ていない場合には比較回路11で現在PNOと目的PNOとを比
較し（ステップS11）、一致している場合には精密頭出
し動作を行い（ステップS12）指定されたプログラム情
報の開始点を検出して検索動作を終了する。

一致していない場合には、目的PNOが現在PNOの前方か
後方かを判定し（ステップS13）、前方の場合は200倍速
のFWDモード、後方の場合は同じく200倍速のREWモード
で高速検索を行い（ステップ14,15）、磁気テープ１か
ら読み出される現在PNOと目的PNOとが一致するまで続け
（ステップ16,17）、一致した場合には精密頭出し動作
に移行する（ステップS12）。この間にテープ１の終端
または始端が検出されると（ステップ18,19）、検索動
作を中断しシステムを停止する（ステップS20）。

指定されたプログラム情報のプログラム番号およびそ
の開始点の時間情報が目的情報記憶回路17に記憶されて
いる場合には、その開始点の時間情報および演算回路20
の走行時間情報から目的位置と現在位置との差、すなわ
ち距離を検出し、その差が設定値ｄ以内か否かを判定す
る（ステップS21）。設定値ｄ以内の場合には前述した
ステップS11〜S20の処理を行う。

設定値ｄを超えている場合には、目的位置が現在位置
の前方か後方かを判定し（ステップS22）、前方の場合
にはFWDモードで、後方の場合にはREWモードでそれぞれ
300倍速の超高速検索を開始し（ステップS23,24）、設
定値ｄ以内になるまで続ける（ステップS25,26）。設定
値ｄ以内になると、200倍速に速度を切り換え（ステッ
プS27,28）、前述したステップS12,S14〜S20の処理に移
行する。

300倍速の超高速検索時には、磁気テープ１の現在位
置の検出をリール３の回転数を検出することにより行
い、磁気テープ１に記録されているサブコード情報の読
み出しは行わない。すなわち、巻き取りリール３の回転
によって生成されるリールパルスを検出器18によって検
知し、その回転数を測定回路19で計数してテープ走行時
間演算回路20に供給し、演算回路20ではその計数値をも
とにテープ１の走行時間を演算して制御部13に出力し、
制御部13ではこの走行時間情報に基づき磁気テープ１の
現在位置を算出し、目的位置との差を求めるようにして
いる。したがって、このモードにおいては回転ドラムの
相対速度一定のサーボを解除し、例えば、2000rpm程度
の一定速回転とするため、超高速検索モード時における
回転ドラムの回転数の異常な上昇または低下を防止する
ことができる。

第４図は、本実施例の検索動作の一例を示す概略図
で、縦軸に倍速数、横軸に磁気テープの位置を示し、プ
ログラム番号「11」のプログラム情報を検索する例を示
している。また、この例では目的情報記憶回路17にプロ
グラム番号「11」およびその記録位置を示す時間情報が
すでに記憶されているものとする。

プログラム情報「１」上の位置p1から検索動作を開始
すると、ただちに300倍速の超高速検索モードとなり、
リール３の回転数から走行位置を検出しながら進む。目
的位置p2から距離ｄ離れた位置p3に達すると200倍速に
切り換わり、磁気テープ１からサブコード情報としての
現在プログラム番号PNOを読み出す高速検索モードとな
る。磁気テープ１から目的とする現在プログラム番号
「11」を読み出すと精密頭出し動作に切り換わり、プロ
グラム情報「11」の先頭位置p2を検出して終了する。

なお、前述の実施例では検索するプログラム情報のプ
ログラム番号およびその記録位置を示す時間情報が目的
情報記憶回路17に記憶されていない場合には、無条件に
200倍速の検索モードで検索するようにしたが、検索す
るプログラム情報の近傍にあるプログラム情報の番号お
よびその記録位置が記憶回路17に記憶されている場合
は、その既知のプログラム情報の近傍まで300倍速の超
高速検索モードで走行させ、その後200倍速の検索モー
ドに切り換えることにより、検索速度の向上を図るよう
にしてもよい。

また、前述の実施例では目的情報記憶回路17へのプロ
グラム番号およびその記録位置を示す時間情報の記憶を
使用者がPLAY,FWD等の操作を行うことで徐々に行うよう
にしたが、例えば、磁気テープの装着時に自動的にFWD,
REW等の動作を行うようにし、全プログラム情報のデー
タを一括して記憶するようにしてもよい。

〔発明の効果〕

本発明による情報検索装置によれば、磁気テープ上に
記録されている任意のプログラム情報の高速検索に、磁
気テープが巻装されているリールの回転数から求めたテ
ープ走行時間情報を用いるようにしたので、検索時に磁
気テープ上に記録されているサブコード情報を必ずしも
読み取る必要がなく、検索時間を飛躍的に短縮させるこ
とが可能となった。また、その際には回転ドラムの相対
速度一定サーボを解除できるので、回転ドラムの回転数
の異常な上昇または低下を防止することができるように
なった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による情報検索装置の一実施例を示すブ
ロック図、 第２図および第３図は第１図の動作を説明するためのフ
ローチャート、 第４図は検索動作の一例を示す動作説明図、 第５図は従来の情報検索装置の一例を示すブロック図、 第６図はサブコード情報の記録状況を示す概略図、 第７図は第５図の検索動作の一例を示す動作説明図、 第８図はドラム回転数とサーチ速度の関係を示す関係図
である。 １……磁気テープ、2,3……リール、10……現在PNO記憶
回路、11……比較回路、16……現在ATM記憶回路、17…
…目的情報記憶回路、18……検知器、19……リール回転
周期測定回路、20……テープ走行時間演算回路。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気テープ上に記録されている複数のプロ
   グラム情報の中から指定された任意のプログラム情報を
   高速で検索する情報検索装置において、 前記磁気テープから読み出される前記各プログラム情報
   の番号を現在プログラム番号として記憶する第１のメモ
   リ手段と、 前記磁気テープから読み出される位置情報を現在位置情
   報として記憶する第２のメモリ手段と、 前記複数のプログラム情報のプログラム番号および磁気
   テープ上での記録位置を対応付けて記憶する第３のメモ
   リ手段と、 前記磁気テープが巻装されているリールの回転数を検出
   して前記磁気テープの走行位置情報を得る走行位置検出
   手段と、 前記検索するプログラム情報のプログラム番号および前
   記現在プログラム番号を比較する比較手段とを有し、 前記検索するプログラム情報のプログラム番号および記
   録位置が前記第３のメモリ手段に記憶されており、かつ
   その記録位置および前記走行位置間の差が所定値を超え
   る場合には第１の高速検索モードとして前記走行位置情
   報に基づく高速検索を行い、前記検索するプログラム情
   報のプログラム番号および記録位置が前記第３のメモリ
   手段に記憶されていない場合または記憶されていてもそ
   の記録位置および前記走行位置間の差が所定値内の場合
   には前記第１の高速検索モードよりも低速の第２の高速
   検索モードとして前記現在プログラム番号に基づく高速
   検索を行うことを特徴とする情報検索装置。
2. 【請求項２】前記各位置情報は記録時または再生時の前
   記磁気テープ始端からの時間情報であることを特徴とす
   る請求項１記載の情報検索装置。