JP2616066B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2616066B2
JP2616066B2 JP1316025A JP31602589A JP2616066B2 JP 2616066 B2 JP2616066 B2 JP 2616066B2 JP 1316025 A JP1316025 A JP 1316025A JP 31602589 A JP31602589 A JP 31602589A JP 2616066 B2 JP2616066 B2 JP 2616066B2
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隆史 山本
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、空調用・冷蔵庫用に用いられるスクロー
ル圧縮機に関し、特に高圧シェルタイプのスクロール圧
縮機の改良に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、スクロール圧縮機の中容量から小容量域にかけ
ての実用化がめざましいが、一般に小容量になるほど圧
縮部の隙間より漏れる圧縮ガスの量が相対的に大きくな
るため、この部分をいかにシールするかが重要なポイン
トとなってくる。圧縮部の隙間は接触シール等を使用し
ても実質的には加工精度によって制約を受けるので、そ
れ以上のシール性能を得ようとすると、油シールに頼ら
ざるを得ない。この油シールに必要な油量は、圧縮機の
容量と隙間の絶対値及び使用条件等によって異なってく
るが、小容量になるほど多くの油量を必要とする。油シ
ールに多量の油を必要とする場合、空調・冷蔵庫用に用
いられる冷媒圧縮機においては、一般に潤滑油を油シー
ルに共用するため、吐出ガスとともに吐出された油を圧
縮機外に持ち出さずに、潤滑シールに再利用する必要が
ある。このため吐出空間で効率よく油分離し、低圧側に
戻すには一般に高圧シェルタイプと呼ばれる、圧縮機密
閉容器(シェルと呼ぶ)内を高圧の吐出ガス雰囲気にし
て、シェル内空間全体を油分離空間として使えるように
した方が都合が良い。更にこの方式にすると、潤滑にお
いて吐出空間と吸入空間の差圧を利用した差圧給油を利
用でき、特に圧縮部とモータを水平においた横置き式圧
縮機において、容積式ポンプを使用しなくてもすむので
構造が簡単となる等の利点がある。
高圧シェルタイプのスクロール圧縮機としては、例え
ば特公平1−12951号公報に示すものが知られている。
第8図にその断面側面図を示す。図において、固定スク
ロール(1)は揺動スクロール(2)と組合わされて圧
縮室(11)を形成している。フレーム(6)は揺動スク
ロール(2)を支承するとともに固定スクロール(1)
をボルトで固定している。モータ(8)は主軸(3)を
介して揺動スクロール(2)を駆動する。フレーム
(6)とモータ(8)とはシェル(9)内に固定されて
いる。ここで、ガスは吸入管(91)より吸引されて圧縮
室(11)に取り込まれ、吐出ポート(12)より高圧とな
ってシェル(9)内の空間(94)に吐出し、吐出管(9
2)よりシェル(9)外へ排出する。ここで、シェル
(9)内の空間(94),(95)は均圧しているので、空
間(95)は高圧となり、シェル底に溜った油(93)は加
圧され、主軸(3)中に設けられた給油穴(33)より差
圧により端面(3b)まで持ち上げられ、各部を潤滑した
後吸入側へ漏洩し、ガスとともに圧縮室(11)へ取り込
まれ、一部油シールに使われた後吐出ポート(12)より
ガスとともに排出し、空間(94)でガスより分離され
て、重力によりシェル底へ戻る。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来のスクロール圧縮機は以上にように構成されてい
るので、モータ(8)の片側に配設されたフレーム
(6)によって主軸(3)が支承されており、揺動スク
ロール(2)の背面は低圧となっているため、主軸
(3)の一端(3a)は高圧側に晒されており、他端(3
b)は低圧側にあり、その差圧により主軸(3)はその
端面(3b)が揺動スクロール(2)の背面に押し付けら
れて摺動するため、余分な揺動損失があった。特に、こ
の摺動損失は高圧縮比運転時やインバータによる高速運
転時のときほど大きくなり、また小容量機種になるほど
相対的に損失割合が大きくなり、無視できなくなってく
る。
一方、主軸の両端を高圧側に均圧させて主軸のスラス
ト力をキャンセルさせる方法が考えられるが、この場合
揺動スクロールの背圧が大きくなって圧縮によって揺動
スクロールをフレーム側に押し付けようとするスラスト
力より逆方向のスラスト力が大きくなって揺動スクロー
ルを固定スクロール側に押し付けたり、揺動スクロール
を不安定にさせたりして軸受の焼付事故の原因となるな
ど問題点を有していた。
この発明は上記の問題点を解消するためになされたも
ので、第1及び第2の軸受の潤滑を安定的に行った上
で、主軸上端が揺動スクロール背面に押し付けられるの
を防止し、かつ揺動スクロールが広範囲の運転条件にお
いて安定して運転できる高効率で信頼性の高いスクロー
ル圧縮機を得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係るスクロール圧縮機は、シェル内を高圧
雰囲気とし、固定及び揺動スクロールによって形成され
る圧縮室を駆動するモータをはさんで、圧縮室側に第1
のフレームを反圧縮室側に第2のフレームをそれぞれ配
設し、第1フレームにこれを貫通する第1の軸受を及び
第2のフレームに一端が閉塞し他端が開口する第2の軸
受をそれぞれ設け、第1及び第2の軸受により主軸の両
端を支承するとともに、この両端面に形成される空間を
互いに連通して低圧部に導通させたものである。
〔作用〕
この発明においては、主軸の両端は均圧しているので
軸線方向にスラスト力は生じず、更に低圧側に導通して
いるので両端面もほぼ低圧に均圧している。その結果、
揺動スクロールに連結する第1の軸受端面も低圧となる
ので過大な背圧がかからず、揺動スクロールは安定して
回転運動することができるとともに、各軸受部を通して
低圧側へ差圧給油できる。
〔実施例〕
以下、請求項1の発明の一実施例を第1図にいついて
説明する。第1図は横置き形の全密閉冷媒圧縮機に適用
した場合の全断面側面図であり、前記従来のものと同一
または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
図において、(4)はオルダム継手、(5)はスライダ
ー、(6A)は第1のフレーム、(7)は第2のフレー
ム、(9A)は横置き形のシェル、(10)は吸入空間、
(21)はスラスト軸受、(22)は揺動軸受、(31)は第
1の空間、(32)は第2の空間、(33A)は均圧穴、(3
4)はスライダーガイドピン、(51)はスライダースリ
ット、(61)は第1の軸受、(62)は第1の給油穴、
(63)は周回溝、(64)、(65)は連通路、(71)は第
2の軸受、(72)は第2の給油穴、(73)は周回溝、
(74),(75)は連通路、(94A),(95A),(96)は
シェル内空間、(97)は密封端子である。
固定スクロール(1)は揺動スクロール(2)と組合
わされて圧縮室(11)を形成するとともに第1のフレー
ム(6A)に固着されている。揺動スクロール(2)はス
ラスト軸受(21)を介して第1のフレーム(6A)に支承
されるとともに、揺動軸受(22)に摺動自在に嵌合され
たスライダー(5)を介して主軸(3)に連結してい
る。このスライダー(5)にはスリット(51)が貫通し
ており、主軸端面に設けられたスライダーガイドピン
(34)に半径方向にスライド可能に嵌合されることによ
り、主軸(3)に対して揺動スクロール(2)は偏心回
転運動をするとともに、その偏心量を可変にでき、固定
スクロール(1)と揺動スクロール(2)の半径方向密
封シールが可能となる。
オルダム継手(4)は、揺動スクロール(2)と第1
のフレーム(6A)との間にあって揺動スクロール(2)
の自転を防止しつつ公転運動を行わせるためのものであ
る。主軸(3)は、第1のフレーム(6A)に設けられた
第1の軸受(61)及び第2のフレーム(7)に設けられ
た第1の軸受(61)と実質軸受径の等しい第2の軸受
(71)を介して、第1のフレーム(6A)及び第2のフレ
ーム(7)に支承されている。第1のフレーム(6A)と
第2のフレーム(7)とはその間にモータ(8)をはさ
んで水平に配設されており、各々シェル(9A)にその外
周部をアークスポット等で固着されている。モータ
(8)はそのステータが外周部を同じくシェル(9A)に
焼嵌め等により固着され、ロータは主軸(3)に同じく
固着している。
シェル(9A)はその内部空間を第1のフレーム(6A)
及び第2のフレーム(7)によって(94A),(95A),
(96)に3分割される。そしてこれらの各シェル内空間
(94A),(95A),(96)は第1及び第2のフレーム
(6A)(7)の外周部に設けられた連通路(64),(6
5),(74),(75)によって互いに導通している。更
にシェル(9A)を介して吸入管(91)が固定スクロール
(1)の吸入空間(10)に開口しており、また吐出管
(92)はシェル(9A)を介して空間(94A)に開口して
いる。また密封端子(97)が同じくシェル(9A)に配設
され、この密封端子(97)を介してモータ(8)は外部
電源に電気的に接続されている。
シェル(9A)の底部は油溜めとなっており、油(93)
が一定量貯溜している。前記第1のフレーム(6A)、第
2のフレーム(7)にはそれぞれ第1及び第2の給油穴
(62),(72)が設けられており、一端がそれぞれ油溜
めの油(93)中に開口しかつ他端が第1及び第2の軸受
(61),(71)面内に設けられた周回溝(63),(73)
にそれぞれ接続されている。
このように構成されたスクロール圧縮機において、主
軸(3)の両端面に形成された空間、すなわち揺動スク
ロール(2)と第1のフレーム(6A)及び主軸(3)端
によって囲まれた第1の空間(31)と、第2のフレーム
(7)の一端が閉塞しかつ他端が開口した第2の軸受
(71)の閉塞端と主軸(3)端によって囲まれた第2の
空間(32)とを互いに均圧するように主軸(3)の軸線
方向に貫通して第1及び第2の空間(31),(32)を導
通させる均圧穴(33A)を設けた。更に第1の空間(3
1)は吸入空間(10)と均圧するようにスラスト軸受(2
1)面上に放射状に給油溝(21a)を設けてある。
次に、このようなスクロール圧縮機の動作について説
明する。スクロール圧縮機の圧縮原理については、例え
ば特公平1−12951号公報に詳述されているのでここで
は省略する。
モータ(8)に通電されると、モータ(8)はトルク
を発生し、主軸(3)が回転を始める。主軸(3)が回
転すると、スライダー(5)はガイドピン(34)とスリ
ット(51)とにより一方向にスライドし、揺動スクロー
ル(2)は固定スクロール(1)に渦巻側面を互いに当
接するようにして偏心回転運動を行い、良く知られたス
クロール圧縮機の作動原理により、吸入管(91)より吸
入されたガスを吸入空間(10)より圧縮室(11)へと導
きガスを圧縮し、吐出ポート(12)より高圧ガスとなっ
てシェル内空間(94A)に排出される。排出された高圧
ガスは吐出管(92)よりシェル(9A)外へ出てゆくが、
シェル内空間(94A),(95A),(96)は連通路(6
4),(74)によって均圧されるので、すべて高圧空間
となる。その結果、シェル油溜め内の油(93)は加圧さ
れて、第1及び第2の給油穴(62),(72)を通って吸
入空間(10)へ差圧給油される。
ここで、各給油経路について次に詳述する。
まず、第1の給油穴(62)を通った油は、第1の軸受
(61)内に設けられた周回溝(63)に流入する。その
後、第1の軸受(61)の軸受隙間を通って軸方向に流
れ、これを潤滑した後、第1の空間(31)に流入する。
ここで折り返してスライダー(5)と揺動軸受(22)と
の間に設けられた給油通路(図示せず)を通って同じく
軸方向に流れ、これを潤滑した後、スラスト軸受(21)
に設けた給油溝(21a)を通って同じくスラスト軸受(2
1)部を潤滑した後、吸入空間(10)へと流出する。上
記スラスト軸受給油溝(21a)は第1の空間(31)と吸
入空間(10)が連通しかつ十分に均圧する程度の通路面
積を有し、例えば放射状に形成されたものとする。
また、第2の給油穴(72)を通った油は、第2の軸受
(71)内に設けられた周回溝(73)に流入し、第2の軸
受(71)の軸受隙間を通って軸方向に流れ、これを潤滑
した後、第2の空間(32)に流入する。更に油は均圧穴
(33A)を通って第1の空間(31)へと流入し、前記し
た第1の給油穴(62)より流入した油と合流し、以後同
様にして吸入空間(10)へ流出する。
このようにして吸入空間(10)へ流出した油は、吸入
管(91)から吸入されたガスとともに圧縮室(11)へ取
り込まれ、圧縮される。この時、取り込まれた油の一部
は圧縮室(11)の各部隙間の油シールに用いられる。そ
して圧縮された高圧ガスとともに吐出ポート(12)より
排出され、シェル内空間(94A)でガスと分離してシェ
ル内空間(94A)の底部に溜まる。前述したように各シ
ェル内空間(94A),(95A),(96)は互いに均圧して
いるので、油は連通路(65),(75)を通ってヘッド差
がないように流れて、再び第1及び第2の給油穴(6
2),(72)より吸引されるサイクルをくり返す。
ここで、第1の空間(31)は前述のスライダー(5)
部の給油通路(図示せず)とスラスト軸受給油溝(21
a)とを介して吸入空間(10)と十分に均圧しており、
第2の空間(32)は第1の空間(31)と均圧穴(33A)
を介して十分に均圧しているので、第1の空間(31)及
び第2の空間(32)はほぼ吸入空間(10)の低圧圧力に
等しい。すなわち、高圧であるシェル内空間(95A)と
低圧である吸入空間(10)とは第1及び第2の軸受(6
1),(71)の各軸受隙間によって絞られることにな
る。また第1及び第2の軸受(61),(71)は互いに実
質同径としているので、高低圧の差圧によるスラスト力
は実質主軸(3)には作用しない。この結果、スラスト
力による主軸(3)の端面での摺動ロスは無くなる。更
に第1の空間(31)は低圧となるので、揺動スクロール
(2)に加わる背圧は実質すべて低圧となり、圧縮室
(11)でガスが圧縮されることによるガス圧縮スラスト
力の方が背圧力よりも十分に大きくなり、揺動スクロー
ル(2)はスラスト軸受(21)に運転条件に関係なく、
安定して押し付けられて摺動することになり、圧縮時に
揺動スクロール(2)に発生する半径方向力により揺動
スクロール(2)を軸線に対して径方向に転倒させよう
とするモーメント(転覆モーメント)に十分対抗して揺
動スクロール(2)を安定して回転させることができ
る。
ここで、揺動スクロール(2)の安定性について第2
図及び第3図によって説明する。第2図において、揺動
スクロール(2)に圧縮による半径方向ガス負荷FRが発
生し、揺動軸受(22)にその軸受反力NRが作用し、これ
ら2力は互いにL1離間しているので、転覆モーメントMR
が生じる。ここで渦巻中央部にガス・スラスト負荷FT
作用し、モーメントMRに対抗する逆モーメントMTがMR
MTとなるような位置L2の点Aにスラスト軸受反力NTが作
用し、力とモーメントとが釣り合って揺動スクロール
(2)は傾かない。一方揺動スクロール(2)の背圧が
大きくなって、相対的にスラスト負荷FTが小さくなって
くると、第3図に示すようにL2の大きさが一定とする
と、MT<MRとなり、点Aを支点として揺動スクロール
(2)は傾いてしまう。その結果、揺動軸受(22)がス
ライダー(5)に対して片当たりして焼付きを生じた
り、渦巻先端が局部当たりを生じて焼付いたりする。
このようにこの発明によれば揺動スクロール(2)の
背面は常時低圧となるので転覆モーメントに対して十分
に安定して圧縮機を運転することができる。
なお、上記実施例では横置きタイプの圧縮機の例につ
いて述べたが、圧縮部とモータとが垂直に配置された、
いわゆる縦置きタイプのものに適用しても良く、更に高
低圧の絞りを軸受隙間で行っているが、他の絞り手段を
用いても良く、同等の効果を奏するものであれば給油経
路が異なるものであってもこの発明に含まれるものであ
ることは言うまでもない。
次に、請求項4の発明の他の実施例を第4図について
説明する。第4図は縦置き形の全密閉冷媒圧縮機に適用
した場合の全断面側面図であり、第1図の実施例のもの
と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略
する。図において、(9B)は縦置き形のシェルで、油
(93)はシェル内空間(96)にのみ溜まっている。(62
A),(72A)はシェル内空間(96)内の油(93)を第1
及び第2の軸受(61),(71)に導く第1及び第2の給
油管である。
このように構成することにより、シェル底部の油(9
3)は第1の給油経路として第2の給油管(72A)を通っ
て第2の軸受(71)にほぼ高圧の状態で導かれる。この
油は第2の軸受(71)の軸受隙間を通って、主軸(3)
の給油通路となる均圧穴(33A)に導かれる。その際
に、この高圧の油は軸受隙間で絞られてほぼ低圧の状態
となる。その後、この油は均圧穴(33A)を通って揺動
軸受(22)の潤滑を行い第1の空間(31)に導かれ、そ
の後スラスト軸受部(21)の放射状の給油溝を通過して
最終的には圧縮室(11)に導かれる。
また、第2の給油経路として、密閉容器底部の油(9
3)は第1の給油管(62A)を通って第1の軸受(61)に
ほぼ高圧の状態で導かれる。この油は第1の軸受(61)
の軸受隙間を通って第1の空間(31)に導かれる。その
際に、この高圧の油は軸受隙間で絞られてほぼ低圧の状
態となる。その後、この油は前記した第1の給油経路の
油と同様にスラスト軸受部(21)を通過して最終的に圧
縮室(11)に導かれる。
なお、第4図の実施例では第1の軸受(22)への給油
通路を第1の給油管(62A)によって主軸(3)の外部
に設けたものを示したが、主軸(3)の内部に均圧穴
(33A)とは別に高圧油の通る穴を設けてもよい。以
下、主軸(3)にあけた段付きの穴に、パイプを圧入す
ることによって、均圧穴と高圧通路とをパイプの内外に
形成する場合を第5図〜第7図に基いて説明する。図に
おいて、主軸(3)には軸方向に貫通する段付きの穴
(3c)が設けられている。この段付きの穴(3c)に両端
がカール状の仕切りパイプ(3A)が段をストッパーとし
て圧入されている。これによって横断面が円の給油経路
としての均圧穴(33B)と横断面が同心円の給油経路と
しての高圧油通路(62B)の2系統の給油経路を形成し
ている。また、第1のフレーム(6A)の第1の軸受(6
1)の周回溝(63)に対応する部分の主軸(3)に第1
の横穴(3d)を、また第2のフレーム(7)の第2の軸
受(71)の周回溝(73)に対応する部分の主軸(3)に
第2の横穴(3e)をそれぞれ設けている。
第5図において、シェル底部の油(93)は第2の給油
管(72A)を通って第2の軸受(71)の周回溝(73)に
ほぼ高圧の状態で導かれる。この油の一部は第1の給油
経路として第2の軸受(71)の軸受隙間を通って主軸
(3)の均圧穴(33B)に導かれる。他方、第2の軸受
(71)の周回溝(73)に導かれた残りの油は、第2の給
油経路として主軸(3)の第2の横穴(3e)と高圧油通
路(62B)と主軸(3)の第1の横穴(3d)とを通っ
て、第1の軸受(61)の周回溝(63)にほぼ高圧の状態
で導かれる。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によればシェルを高圧雰囲気
としモータをはさんで二つのフレームを配設し、主軸の
両端を上記二つのフレームに設けた軸受によって支承す
るとともに、一方の軸受を貫通させて主軸の一端を揺動
スクロールに連結し他方の軸受の一端を閉塞させかつ両
端を低圧側に均圧させるとともに上記軸受を通して低圧
側に差圧給油させるように構成したので、両軸受に安定
した給油が得られ、また主軸にスラスト力が加わらず揺
動スクロールにも大きな背圧がかからないので、運転条
件に関係なく安定して摺動ロスの少ない高効率運転が可
能になるとともに低コストで信頼性の高いスクロール圧
縮機が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は請求項1の発明の一実施例によるスクロール圧
縮機を示す断面側面図、第2図及び第3図は第1図の揺
動スクロールの転覆モーメントによる安定性を説明する
原理図、第4図は請求項4の発明の一実施例によるスク
ロール圧縮機を示す断面側面図、第5図は第4図の発明
の他の実施例によるスクロール圧縮機の断面側面図、第
6図は第5図の主軸のみを示す断面側面図、第7図は第
6図の分解図、第8図は従来のスクロール圧縮機の断面
側面図を示す。 図において、(1)は固定スクロール、(2)は揺動ス
クロール、(3)は主軸、(6A)は第1のフレーム、
(7)は第2のフレーム、(8)はモータ、(9A)はシ
ェル、(11)は圧縮機、(21)はスラスト軸受、(31)
は第1の空間、(32)は第2の空間、(33A)は均圧
穴、(61)は第1の軸受、(62)は第1の給油穴、(7
1)は第2の軸受、(72)は第2の給油穴、(93)は油
溜めの油である。 なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉田 達也 静岡県静岡市小鹿3丁目18番1号 三菱 電機株式会社静岡製作所内 (56)参考文献 特開 昭62−253982(JP,A) 特開 平2−301687(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロール、この固定スクロールとの
    組合わせにより作動流体を圧縮する圧縮室を形成する揺
    動スクロール、この揺動スクロールに駆動力を伝達する
    主軸、前記揺動スクロールをスラスト軸受を介して支承
    するとともに前記主軸を回転自在に支承する軸受を有す
    るフレーム、前記揺動スクロールを駆動するモータ、及
    びこれらを収納してその底部の油溜め内に油を有する密
    閉形式のシェルを備え、このシェル内にあって前記圧縮
    室、フレーム、主軸及びモータが配置され、かつ前記シ
    ェル内を高圧に保つとともに前記油溜め内の油を高圧部
    と低圧部の差圧を利用して前記フレームの軸受へ給油す
    るスクロール圧縮機において、 前記モータをはさみ、前記圧縮室側に第1のフレームを
    反圧縮室側に第2のフレームをそれぞれ配設し、前記第
    1のフレームにこれを貫通する第1の軸受を前記第2の
    フレームに一端が閉塞し他端が開口する第2の軸受をそ
    れぞれ設け、前記第1及び第2の軸受により前記主軸の
    両端を半径方向に支承し、さらに前記第1のフレームと
    前記主軸の一端及び前記揺動スクロールとにより形成さ
    れる第1の空間を有すると共に前記第2のフレームの軸
    受閉塞端と前記主軸の他端とにより形成される第2の空
    間を有し、これら第1及び第2の空間を連通して前記低
    圧部に導通させたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】第2の軸受を第1の軸受と実質同径とした
    請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】圧縮室、フレーム、主軸及びモータが水平
    に配置されるスクロール圧縮機において、 第1及び第2の軸受に一端が開口しかつ油溜め内の油中
    に他端が開口するように前記第1及び第2のフレームに
    それぞれ給油通路を設け、前記各軸受を低圧部に連通さ
    せたことを特徴とする請求項1または2記載のスクロー
    ル圧縮機。
  4. 【請求項4】揺動スクロールを支承するとともに、圧縮
    室、フレーム、主軸及びモータが鉛直方向に配置される
    スクロール圧縮機において、 第1及び第2の空間を主軸の軸線方向に貫通して設けた
    均圧穴により連通して低圧部に導通させるとともに、油
    溜め内の油を第1及び第2の軸受に対して高圧の状態で
    導く高圧油通路を設けたことを特徴とする請求項1また
    は2記載のスクロール圧縮機。
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