JP2615443B2 - N−アセチル−d−グルコサミンデアセチラーゼの製造方法 - Google Patents
N−アセチル−d−グルコサミンデアセチラーゼの製造方法Info
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- JP2615443B2 JP2615443B2 JP7081988A JP8198895A JP2615443B2 JP 2615443 B2 JP2615443 B2 JP 2615443B2 JP 7081988 A JP7081988 A JP 7081988A JP 8198895 A JP8198895 A JP 8198895A JP 2615443 B2 JP2615443 B2 JP 2615443B2
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- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、N−アセチル−D−グ
ルコサミンデアセチラーゼの製造方法に関するものであ
る。本発明による酵素、N−アセチル−D−グルコサミ
ンデアセチラーゼは、医薬品として重要であり、また医
薬、工業及び農業、食品の分野で有用な原料となるD−
グルコサミンの生産に使用される。またD−グルコサミ
ンは、近年特に抗菌性、抗腫瘍性などの生理活性を持つ
グルコサミノオリゴ糖の出発物質として、注目されてい
る有用な物質である。
ルコサミンデアセチラーゼの製造方法に関するものであ
る。本発明による酵素、N−アセチル−D−グルコサミ
ンデアセチラーゼは、医薬品として重要であり、また医
薬、工業及び農業、食品の分野で有用な原料となるD−
グルコサミンの生産に使用される。またD−グルコサミ
ンは、近年特に抗菌性、抗腫瘍性などの生理活性を持つ
グルコサミノオリゴ糖の出発物質として、注目されてい
る有用な物質である。
【0002】
【従来の技術】N−アセチル−D−グルコサミンデアセ
チラーゼは、N−アセチル−D−グルコサミンのアセト
アミド基に作用してD−グルコサミンを生成する酵素で
ある。従来、D−グルコサミンは、キチンを加水分解し
て得られるN−アセチルD−グルコサミンを化学的に脱
アセチルして調製されており、該加水分解には濃アルカ
リ及び鉱酸が用いられている。
チラーゼは、N−アセチル−D−グルコサミンのアセト
アミド基に作用してD−グルコサミンを生成する酵素で
ある。従来、D−グルコサミンは、キチンを加水分解し
て得られるN−アセチルD−グルコサミンを化学的に脱
アセチルして調製されており、該加水分解には濃アルカ
リ及び鉱酸が用いられている。
【0003】しかし、上記の酸、アルカリを用いる方法
では、脱アセチルと同時に他の必要とする結合も分解し
て、目的とするD−グルコサミンの収率の低下を来し、
また使用した酸、アルカリの処理に多大の費用を要す
る、という欠点を有する。
では、脱アセチルと同時に他の必要とする結合も分解し
て、目的とするD−グルコサミンの収率の低下を来し、
また使用した酸、アルカリの処理に多大の費用を要す
る、という欠点を有する。
【0004】N−アセチル−D−グルコサミンを脱アセ
チルする別法としては、温和な条件下にN−アセチル−
D−グルコサミンにのみ作用し副生成物を産しない利点
を持つことが予想される酵素、例えばデアセチラーゼを
用いる方法が考えられる。しかし、N−アセチル−D−
グルコサミンデアセチラーゼについての知見は、これま
でにビブリオ属細菌による報告があるばかりであり、工
業的に利用できる技術は未だ確立されていない。
チルする別法としては、温和な条件下にN−アセチル−
D−グルコサミンにのみ作用し副生成物を産しない利点
を持つことが予想される酵素、例えばデアセチラーゼを
用いる方法が考えられる。しかし、N−アセチル−D−
グルコサミンデアセチラーゼについての知見は、これま
でにビブリオ属細菌による報告があるばかりであり、工
業的に利用できる技術は未だ確立されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、D−グルコ
サミンの製造に有用なN−アセチル−D−グルコサミン
デアセチラーゼを工業的に製造できる方法を提供するこ
とを目的とする。
サミンの製造に有用なN−アセチル−D−グルコサミン
デアセチラーゼを工業的に製造できる方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる従
来の欠点を解決すべく鋭意研究した結果、アルテロモナ
ス属に属する微生物が、 N−アセチル−D−グルコサ
ミンデアセチラーゼを誘導的に多く生産することを見い
だし、本発明を完成するに至った。
来の欠点を解決すべく鋭意研究した結果、アルテロモナ
ス属に属する微生物が、 N−アセチル−D−グルコサ
ミンデアセチラーゼを誘導的に多く生産することを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明はアルテロモナス属に属
する微生物を培養し、その培養物からN−アセチル−D
−グルコサミンデアセチラーゼを採取することを特徴と
する、N−アセチル−D−グルコサミンデアセチラーゼ
の製造方法である。
する微生物を培養し、その培養物からN−アセチル−D
−グルコサミンデアセチラーゼを採取することを特徴と
する、N−アセチル−D−グルコサミンデアセチラーゼ
の製造方法である。
【0008】本発明のN−アセチル−D−グルコサミン
デアセチラーゼを産生する微生物は、アルテロモナス
(Alteromonas)属に属し、例えば以下に示すような菌
学的性質を有するものが挙げられる。
デアセチラーゼを産生する微生物は、アルテロモナス
(Alteromonas)属に属し、例えば以下に示すような菌
学的性質を有するものが挙げられる。
【0009】本発明に用いられる微生物は、アルテロモ
ナス属に属し、N−アセチル−D−グルコサミンデアセ
チラーゼの生産能を有するものであれば、いずれも使用
することができる。例えば、本発明者らがマリアナトラ
フ海域の深層水から分離した海洋細菌Mct−9菌株
(FERM BP−5369)を例示することができ
る。
ナス属に属し、N−アセチル−D−グルコサミンデアセ
チラーゼの生産能を有するものであれば、いずれも使用
することができる。例えば、本発明者らがマリアナトラ
フ海域の深層水から分離した海洋細菌Mct−9菌株
(FERM BP−5369)を例示することができ
る。
【0010】N−アセチル−D−グルコサミンデアセチ
ラーゼ生産性海洋細菌Mct−9菌株(FERM BP
−5369)の菌学的性質は、下記の通りである。
ラーゼ生産性海洋細菌Mct−9菌株(FERM BP
−5369)の菌学的性質は、下記の通りである。
【0011】1.形態的性質 (1)細胞形態 :曲稈状(curved rod) (2)運動性 :+ (3)鞭毛形態 :極ベン毛 (4)グラム染色:陰性 2.生理的性質 (1)発光性 :− (2)増殖温度 4℃ :+ 35℃ :+ 40℃ :+ (3)硝酸塩の還元 :− (4)O−Fテスト :Oxidative (5)オキシダーゼ :+ (6)カタラーゼ :+ (7)DNAの分解 :− (8)ゼラチンの分解:+ (9)キチンの分解 :+ (10)デンプンの分解:− (11)炭素化合物の資化性 D−マンノース :− D−フラクトース :− シュークロース :+ マルトース :+ N−アセチルグルコサミン:+ コハク酸塩 :+ フマル酸塩 :+ クエン酸塩 :− エリスリトール :− グリセロール :− ソルビトール :− DL−リンゴ酸塩 :− α−ケトグルタル酸塩 :− m−ヒドロキシ安息香酸塩:− (12)色素産生 :− (13)塩類要求性:+ 3.菌体内DNAのGC含量(モル%):40 4.分離源:マリアナトラフ海域の水深約4000mの
海水 上記菌学的性質の試験方法は、主として絵面良男:沿岸
環境調査マニュアルII〔水質・微生物篇〕、日本海洋学
会編、恒星社厚生閣、P.356-364(1990)に従った。また
駒形和男:微生物の分類と同定(下)、(改訂版、長谷
川武治編著)、学会出版センター、P.99-161(1985)を参
考にした。
海水 上記菌学的性質の試験方法は、主として絵面良男:沿岸
環境調査マニュアルII〔水質・微生物篇〕、日本海洋学
会編、恒星社厚生閣、P.356-364(1990)に従った。また
駒形和男:微生物の分類と同定(下)、(改訂版、長谷
川武治編著)、学会出版センター、P.99-161(1985)を参
考にした。
【0012】なお、発光性は J.L.Reichelt 及び P.Bau
mann: Arch.Mikrobiol., 94,283(1973)、硝酸塩の還元
は Φ.Enger et al.: Int.J.Syst.Bacteriol., 37,416
(1987)、デンプンの分解及び炭素化合物の資化性は M.A
kagawa-Matsushita et al.: Int.J.Syst.Bacteriol.,4
2,621(1992)、P.Baumann et al.: J.Bacteriol.,107,26
8(1971)、L.Baumann et al.: J.Bacteriol.,110,402(19
72)および菌体内DNAのGC含量は薮内英子他:新し
い分類学に伴走する細菌同定法、菜根出版、P.88-97(19
87)をそれぞれ参考にして測定した。
mann: Arch.Mikrobiol., 94,283(1973)、硝酸塩の還元
は Φ.Enger et al.: Int.J.Syst.Bacteriol., 37,416
(1987)、デンプンの分解及び炭素化合物の資化性は M.A
kagawa-Matsushita et al.: Int.J.Syst.Bacteriol.,4
2,621(1992)、P.Baumann et al.: J.Bacteriol.,107,26
8(1971)、L.Baumann et al.: J.Bacteriol.,110,402(19
72)および菌体内DNAのGC含量は薮内英子他:新し
い分類学に伴走する細菌同定法、菜根出版、P.88-97(19
87)をそれぞれ参考にして測定した。
【0013】以上の菌学的性質をVergey’s M
anual of Systematic Bacte
riology,vol.1(N.R.Krieg.及
びJ.G.Holt編,Williams & Wil
kins,Baltimor,1984)を参考にし、
Bergey’s Manual of Determ
inative Bacteriology(第9版、
J.G.Holt,N.R.Krieg,P.H.A.
Sneath,J.T.Staley,S.T.Wil
liams編、Williams & Wilkin
s,Baltimore,1994)と対比した結果、
本海洋細菌Mct−9菌株(FERMBP−5369)
はアルテロモナス(Alteromonas)属に属す
る細菌で、多くの性質がアルテロモナス・ウンジナ(A
lteromonas undina)に類似してい
た。しかし、35℃での増殖(Mct−9:+;A.u
ndina:−)および菌体内DNAのGC含量(Mc
t−9:40モル%;A.undina:43−44モ
ル%)がアルテロモナス・ウンジナとは異なっていた。
anual of Systematic Bacte
riology,vol.1(N.R.Krieg.及
びJ.G.Holt編,Williams & Wil
kins,Baltimor,1984)を参考にし、
Bergey’s Manual of Determ
inative Bacteriology(第9版、
J.G.Holt,N.R.Krieg,P.H.A.
Sneath,J.T.Staley,S.T.Wil
liams編、Williams & Wilkin
s,Baltimore,1994)と対比した結果、
本海洋細菌Mct−9菌株(FERMBP−5369)
はアルテロモナス(Alteromonas)属に属す
る細菌で、多くの性質がアルテロモナス・ウンジナ(A
lteromonas undina)に類似してい
た。しかし、35℃での増殖(Mct−9:+;A.u
ndina:−)および菌体内DNAのGC含量(Mc
t−9:40モル%;A.undina:43−44モ
ル%)がアルテロモナス・ウンジナとは異なっていた。
【0014】この海洋細菌Mct−9菌株(FERM
BP−5369)を用いて、N−アセチル−D−グルコ
サミンデアセチラーゼを生産するには、当該菌体を適当
な培地に接種し、好ましくは誘導物質の存在下で常法に
従って培養すればよい。この誘導物質としては、キチ
ン、キチン分解物、N−アセチル−D−グルコサミン、
N−アセチル−D−グルコサミンオリゴマーを単独又は
これらのうちの2種以上を組み合わせたものを使用でき
る。好ましい誘導物質としては、N−アセチル−D−グ
ルコサミンおよびN−アセチル−D−グルコサミンオリ
ゴマーが挙げられ、最も好ましい誘導物質はN−アセチ
ル−D−グルコサミンである。誘導物質は0.1g/リ
ットル以上、好ましくは1.0〜50g/リットルの濃
度で加える。培地としては、まず公知のものがいずれも
使用できる。例えば、炭素源としてグルコース、マルト
ース、キシロース、スクロース、ペプトン等が例示で
き、窒素源としては、イーストエキス、ペプトン、肉エ
キス、アミノ酸溶液等の有機窒素、または硫酸アンモニ
ウム、塩化アンモニウム等の無機窒素が例示できる。ま
た誘導物質を炭素源、窒素源としてもよい。無機塩とし
ては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、リン酸ナ
トリウム、リン酸カリウム、塩化カリウム、塩化ナトリ
ウム、塩化カルシウム等を適宜組み合わせて使用でき
る。上記培地のpHは、適当な酸または塩基を加えるこ
とにより、6.5から8.0の範囲内に調整され、オー
トクレーブにより殺菌される。培養温度は、2〜35
℃、好ましくは10〜22℃で12〜48時間通気攪拌
又は振盪培養を行う。また上記の炭素源、窒素源、無機
塩及び寒天を適宜含有する平板培地を使用し、培養温度
は2〜35℃、好ましくは10〜22℃で15〜72時
間培養を行う。また、本菌の培養は、静置でも行われ
る。
BP−5369)を用いて、N−アセチル−D−グルコ
サミンデアセチラーゼを生産するには、当該菌体を適当
な培地に接種し、好ましくは誘導物質の存在下で常法に
従って培養すればよい。この誘導物質としては、キチ
ン、キチン分解物、N−アセチル−D−グルコサミン、
N−アセチル−D−グルコサミンオリゴマーを単独又は
これらのうちの2種以上を組み合わせたものを使用でき
る。好ましい誘導物質としては、N−アセチル−D−グ
ルコサミンおよびN−アセチル−D−グルコサミンオリ
ゴマーが挙げられ、最も好ましい誘導物質はN−アセチ
ル−D−グルコサミンである。誘導物質は0.1g/リ
ットル以上、好ましくは1.0〜50g/リットルの濃
度で加える。培地としては、まず公知のものがいずれも
使用できる。例えば、炭素源としてグルコース、マルト
ース、キシロース、スクロース、ペプトン等が例示で
き、窒素源としては、イーストエキス、ペプトン、肉エ
キス、アミノ酸溶液等の有機窒素、または硫酸アンモニ
ウム、塩化アンモニウム等の無機窒素が例示できる。ま
た誘導物質を炭素源、窒素源としてもよい。無機塩とし
ては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、リン酸ナ
トリウム、リン酸カリウム、塩化カリウム、塩化ナトリ
ウム、塩化カルシウム等を適宜組み合わせて使用でき
る。上記培地のpHは、適当な酸または塩基を加えるこ
とにより、6.5から8.0の範囲内に調整され、オー
トクレーブにより殺菌される。培養温度は、2〜35
℃、好ましくは10〜22℃で12〜48時間通気攪拌
又は振盪培養を行う。また上記の炭素源、窒素源、無機
塩及び寒天を適宜含有する平板培地を使用し、培養温度
は2〜35℃、好ましくは10〜22℃で15〜72時
間培養を行う。また、本菌の培養は、静置でも行われ
る。
【0015】培養によって得られた培養物から培養液と
菌体とを分離する方法としては、従来から行われている
遠心分離法やろ過等の方法が使用できるが、遠心分離法
が好適である。菌体内に蓄積された該酵素を菌体から抽
出する方法としては、従来から行われている超音波によ
る菌体破砕、あるいはガラス・ビーズと共に回転させる
ダイノミル細胞破砕機による菌体破砕、またはリゾチー
ム等の酵素やトルエン等の有機溶媒による細胞膜の破壊
等の方法が挙げられる。これらの中から適当な方法を選
択して菌体から酵素の抽出を行うことにより、酵素を採
取することができる。
菌体とを分離する方法としては、従来から行われている
遠心分離法やろ過等の方法が使用できるが、遠心分離法
が好適である。菌体内に蓄積された該酵素を菌体から抽
出する方法としては、従来から行われている超音波によ
る菌体破砕、あるいはガラス・ビーズと共に回転させる
ダイノミル細胞破砕機による菌体破砕、またはリゾチー
ム等の酵素やトルエン等の有機溶媒による細胞膜の破壊
等の方法が挙げられる。これらの中から適当な方法を選
択して菌体から酵素の抽出を行うことにより、酵素を採
取することができる。
【0016】これらの方法で抽出された粗酵素液から N
-アセチル-D-グルコサミンデアセチラーゼをさらに精製
する必要がある場合には、通常実施されている一般的な
酵素の精製手段である硫酸アンモニウム沈殿法、イオン
交換カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過法、吸着クロ
マトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、調製用電気
泳動法等を適宜組み合わせることによって、精製を行う
ことができる。
-アセチル-D-グルコサミンデアセチラーゼをさらに精製
する必要がある場合には、通常実施されている一般的な
酵素の精製手段である硫酸アンモニウム沈殿法、イオン
交換カラムクロマトグラフィー、ゲルろ過法、吸着クロ
マトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、調製用電気
泳動法等を適宜組み合わせることによって、精製を行う
ことができる。
【0017】本発明により得られたN−アセチル−D−
グルコサミンデアセチラーゼは、以下の理化学的性質を
有する。
グルコサミンデアセチラーゼは、以下の理化学的性質を
有する。
【0018】(1)作用:N−アセチル−D−グルコサミ
ンのアセトアミド基に作用してD-グルコサミンを生成す
る (2)基質特異性:N−アセチル−D−グルコサミンに作
用するが、N−アセチル−D−グルコサミンオリゴマー
には作用しない。
ンのアセトアミド基に作用してD-グルコサミンを生成す
る (2)基質特異性:N−アセチル−D−グルコサミンに作
用するが、N−アセチル−D−グルコサミンオリゴマー
には作用しない。
【0019】(3)至適pH:7.8〜8.0(図1に示され
る。) (4)安定pH:6.0〜8.0 (37℃、30分間インキュベート
後、70%以上の活性が保持される。) (5)至適温度:48℃(図2に示される。) (6)熱安定性:43℃(pH7.8、30分間インキュベート後、
70%以上の活性が保持される。) なお活性は、以下の方法により測定した。すなわち、20
0 mMリン酸緩衝液(pH7.8)0.1 mlに基質として10%N
−アセチル−D−グルコサミン溶液0.3 mlを加え、さら
に酵素溶液0.1 mlを加え、48℃で30分間インキュベート
する。その後、生成したD−グルコサミンをインドール
・塩酸法で比色定量する。酵素の1単位(ユニット)
は、1分間に1μmolのD−グルコサミンを生成する酵素
量とする。
る。) (4)安定pH:6.0〜8.0 (37℃、30分間インキュベート
後、70%以上の活性が保持される。) (5)至適温度:48℃(図2に示される。) (6)熱安定性:43℃(pH7.8、30分間インキュベート後、
70%以上の活性が保持される。) なお活性は、以下の方法により測定した。すなわち、20
0 mMリン酸緩衝液(pH7.8)0.1 mlに基質として10%N
−アセチル−D−グルコサミン溶液0.3 mlを加え、さら
に酵素溶液0.1 mlを加え、48℃で30分間インキュベート
する。その後、生成したD−グルコサミンをインドール
・塩酸法で比色定量する。酵素の1単位(ユニット)
は、1分間に1μmolのD−グルコサミンを生成する酵素
量とする。
【0020】
【発明の効果】本発明によるN−アセチル−D−グルコ
サミンデアセチラーゼは、医薬品、農業、工業、食品の
分野で有用な原料となるD−グルコサミンを処理に多大
な費用や労力を要するアルカリ、酸等の化学製品を使用
することなく、かつ純粋かつ簡便に製造する際に有用に
製造する技術を提供するものである。さらに、本発明は
N−アセチル−D−グルコサミンデアセチラーゼを工業
的に製造する技術をも提供するものである。
サミンデアセチラーゼは、医薬品、農業、工業、食品の
分野で有用な原料となるD−グルコサミンを処理に多大
な費用や労力を要するアルカリ、酸等の化学製品を使用
することなく、かつ純粋かつ簡便に製造する際に有用に
製造する技術を提供するものである。さらに、本発明は
N−アセチル−D−グルコサミンデアセチラーゼを工業
的に製造する技術をも提供するものである。
【0021】以下、実施例により本発明をさらに詳細に
説明する。
説明する。
【0022】
【実施例】実施例1:培地200ml当たり、0.6g
の硝酸アンモニウム、0.2gのリン酸水素二カリウ
ム、2gの塩化ナトリウム、0.12gの硫酸マグネシ
ウム、0.02gの塩化カルシウム、10gのグルコー
ス、3gのアガーをそれぞれ含有したpH7.4の平板
培地に、アルテロモナスsp.Mct−9(FERMB
P−5369)を接種し、20℃で48時間培養した。
その後、滅菌スパチュラを用いて集めた菌体を、市販の
Marine broth(商品名,Difco製)溶
液500mlに当該酵素の誘導物質のN−アセチル−D
−グルコサミン25gを加えた液体培地(pH7.4)
に接種し、混和後、20℃で24時間、好気的に振とう
培養した。
の硝酸アンモニウム、0.2gのリン酸水素二カリウ
ム、2gの塩化ナトリウム、0.12gの硫酸マグネシ
ウム、0.02gの塩化カルシウム、10gのグルコー
ス、3gのアガーをそれぞれ含有したpH7.4の平板
培地に、アルテロモナスsp.Mct−9(FERMB
P−5369)を接種し、20℃で48時間培養した。
その後、滅菌スパチュラを用いて集めた菌体を、市販の
Marine broth(商品名,Difco製)溶
液500mlに当該酵素の誘導物質のN−アセチル−D
−グルコサミン25gを加えた液体培地(pH7.4)
に接種し、混和後、20℃で24時間、好気的に振とう
培養した。
【0023】その後、培養液を10000×gで15分間遠心分
離を行い、湿重量20gの菌体を得た。得られた菌体は、4
0 mlの生理食塩水にけん濁し、0℃で10分間超音波処理
(20秒間作動、20秒間休止)を行った後、16000×gで1時
間遠心分離を行い、上清液を得た。この上清液中の N-
アセチル-D-グルコサミンデアセチラーゼの総活性は12.
6ユニット、比活性は0.0063ユニット/mg-タンパク質で
あった。
離を行い、湿重量20gの菌体を得た。得られた菌体は、4
0 mlの生理食塩水にけん濁し、0℃で10分間超音波処理
(20秒間作動、20秒間休止)を行った後、16000×gで1時
間遠心分離を行い、上清液を得た。この上清液中の N-
アセチル-D-グルコサミンデアセチラーゼの総活性は12.
6ユニット、比活性は0.0063ユニット/mg-タンパク質で
あった。
【0024】この上清液を、予め10mMのリン酸緩衝液
(pH7.0)で平衡化した35 mlの DEAEBio-Gel A(商品
名,Bio-Rad製)カラムに通し目的とする酵素を吸着さ
せた。カラムを同様のリン酸緩衝液で洗浄した後、段階
的に塩化ナトリウムの濃度を変化させて溶出し総活性1
0.7ユニット、比活性0.069ユニットのN-アセチル-D-グ
ルコサミンデアセチラーゼを得た。
(pH7.0)で平衡化した35 mlの DEAEBio-Gel A(商品
名,Bio-Rad製)カラムに通し目的とする酵素を吸着さ
せた。カラムを同様のリン酸緩衝液で洗浄した後、段階
的に塩化ナトリウムの濃度を変化させて溶出し総活性1
0.7ユニット、比活性0.069ユニットのN-アセチル-D-グ
ルコサミンデアセチラーゼを得た。
【0025】N−アセチル−D−グルコサミン、N−ア
セチル−D−グルコサミンのオリゴマー(2から6量
体)について、各基質に対するN−アセチル−D−グル
コサミンデアセチラーゼの活性を測定した。本酵素はN
−アセチル−D−グルコサミン以外には、全く作用しな
かった。
セチル−D−グルコサミンのオリゴマー(2から6量
体)について、各基質に対するN−アセチル−D−グル
コサミンデアセチラーゼの活性を測定した。本酵素はN
−アセチル−D−グルコサミン以外には、全く作用しな
かった。
【図1】アルテロモナスsp.MCT−9(FERM
BP−5369)由来N−アセチル−D−グルコサミン
デアセチラーゼの至適pH曲線を示し、■は40mM酢
酸ナトリウム緩衝液、◆は40mMリン酸二水素カリウ
ム/リン酸水素二ナトリウム緩衝液、●は40mMホウ
酸/塩化カリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、△は40
mM炭酸水素ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液を使
用した結果を示す。
BP−5369)由来N−アセチル−D−グルコサミン
デアセチラーゼの至適pH曲線を示し、■は40mM酢
酸ナトリウム緩衝液、◆は40mMリン酸二水素カリウ
ム/リン酸水素二ナトリウム緩衝液、●は40mMホウ
酸/塩化カリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、△は40
mM炭酸水素ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液を使
用した結果を示す。
【図2】同酵素の温度活性曲線を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】アルテロモナス(Alteromonas)属に属する
微生物を培養し、その培養物からN−アセチル−D−グ
ルコサミンデアセチラーゼを採取することを特徴とす
る、N−アセチル−D−グルコサミンデアセチラーゼの
製造方法。 - 【請求項2】前記微生物が海洋細菌アルテロモナス属細
菌Mct-9菌株(Alteromonas Mct-9菌株)である請求項1記
載のN−アセチル−D−グルコサミンデアセチラーゼの
製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7081988A JP2615443B2 (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | N−アセチル−d−グルコサミンデアセチラーゼの製造方法 |
US08/609,107 US5731184A (en) | 1995-03-13 | 1996-02-29 | Process for producing N-acetyl-D-glucosamine deacetylase |
EP96301658A EP0732400B1 (en) | 1995-03-13 | 1996-03-11 | Process for producing N-acetyl-D-glucosamine deacetylase |
NO19961004A NO317723B1 (no) | 1995-03-13 | 1996-03-12 | Fremgangsmate for fremstilling av N-acetyl-D-glukosamindeacetylase |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7081988A JP2615443B2 (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | N−アセチル−d−グルコサミンデアセチラーゼの製造方法 |
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---|---|
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JP2615443B2 true JP2615443B2 (ja) | 1997-05-28 |
Family
ID=13761863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7081988A Expired - Lifetime JP2615443B2 (ja) | 1995-03-13 | 1995-03-13 | N−アセチル−d−グルコサミンデアセチラーゼの製造方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5731184A (ja) |
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JP (1) | JP2615443B2 (ja) |
NO (1) | NO317723B1 (ja) |
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CN104327128A (zh) * | 2014-11-19 | 2015-02-04 | 北大医药重庆大新药业股份有限公司 | 一种氨基葡萄糖盐酸盐的制备方法 |
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US5219749A (en) * | 1991-10-09 | 1993-06-15 | Institute For Molecular Biology & Biotechnology/Forth | Process for isolating and preparing purified chitin deacetylase |
FR2701488B1 (fr) * | 1993-02-15 | 1995-05-05 | Ifremer | Bactéries du type Alteromonas, polysaccharides produits par ces bactéries, ose contenu dans ces polysaccharides et applications. |
JPH0763370B2 (ja) * | 1993-03-12 | 1995-07-12 | 工業技術院長 | N−アセチル−d−グルコサミンデアセチラーゼ |
-
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- 1995-03-13 JP JP7081988A patent/JP2615443B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1996
- 1996-02-29 US US08/609,107 patent/US5731184A/en not_active Expired - Fee Related
- 1996-03-11 EP EP96301658A patent/EP0732400B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1996-03-12 NO NO19961004A patent/NO317723B1/no not_active IP Right Cessation
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NO961004L (no) | 1996-09-16 |
US5731184A (en) | 1998-03-24 |
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EP0732400A2 (en) | 1996-09-18 |
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