JP2615207B2 - 油圧駆動装置 - Google Patents

油圧駆動装置

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JP2615207B2 JP1175948A JP17594889A JP2615207B2 JP 2615207 B2 JP2615207 B2 JP 2615207B2 JP 1175948 A JP1175948 A JP 1175948A JP 17594889 A JP17594889 A JP 17594889A JP 2615207 B2 JP2615207 B2 JP 2615207B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は油圧ショベル等の建設機械の油圧駆動装置に
係わり、特に、流量制御弁の前後差圧を制御する分流補
償弁を備え、これら分流補償弁に、それぞれ、ロードセ
ンシング制御される油圧ポンプの吐出圧力と複数のアク
チュエータの最大負荷圧力との差圧に基づく制御力を付
与し、流量制御弁の前後差圧の目標値を設定する油圧駆
動装置に関する。
〔従来の技術〕
近年、油圧ショベル、油圧クレーン等、複数の被駆動
体を駆動する複数の油圧アクチュエータを備えた建設機
械の油圧駆動装置においては、油圧ポンプの吐出圧力を
負荷圧力又は要求流量に連動して制御すると共に、流量
制御弁に関連して圧力補償弁を配置し、この圧力補償弁
で流量制御弁の前後差圧を制御して、複合駆動時の供給
流量を安定して制御することが行われている。このう
ち、油圧ポンプの吐出圧力を負荷圧力に連動して制御す
るものの代表例としてロードセンシング制御がある。
ロードセンシング制御とは、油圧ポンプの吐出圧力が
複数の油圧アクチュエータの最大負荷圧力よりも一定値
だけ高くなるよう油圧ポンプの吐出量を制御するもので
あり、これにより油圧アクチュエータの負荷圧力に応じ
て油圧ポンプの吐出量を増減し、経済的な運転が可能と
なる。
ところで、油圧ポンプの吐出量には上限、即ち最大可
能吐出量があるので、複数のアクチュエータの複合駆動
時、油圧ポンプが最大可能吐出量に達すると、ポンプ吐
出量の不足状態が生じる。このことは一般的に油圧ポン
プのサチュレーションとして知られている。サチュレー
ションが生じると、油圧ポンプから吐出された圧油が低
圧側のアクチュエータに優先的に流れ、高圧側のアクチ
ュエータに十分な圧油が供給されなくなり、複数のアク
チュエータの複合駆動ができなくなる。
このような問題を解決するため、DE−A1−3422165
(特開昭60−11706号に対応)に記載の油圧駆動装置で
は、流量制御弁の前後差圧を制御する各圧力補償弁に、
前後差圧の目標値を設定するばねの代わりに開弁方向及
び閉弁方向に作用する2つの駆動部を設け、開弁方向に
作用する駆動部に油圧ポンプの吐出圧力を導き、閉弁方
向に作用する駆動部に複数のアクチュエータの最大負荷
圧力を導き、ポンプ吐出圧力と最大負荷圧力との差圧に
基づく制御力を開弁方向に作用させ、この制御力で前後
差圧の目標値を定めるようにしている。この構成によ
り、油圧ポンプのサチュレーションが生じると、これに
対応してポンプ吐出圧力と最大負荷圧力との差圧が減少
するので、各圧力補償弁における流量制御弁の前後差圧
の目標値も小さくなり、低圧側アクチュエータに係わる
圧力補償弁が更に絞られ、油圧ポンプからの圧油が低圧
側アクチュエータに優先的に流れることが阻止される。
これにより、油圧ポンプからの圧油は流量制御弁の要求
流量(弁開度)の割合に応じて分流されて複数のアクチ
ュエータに供給され、適切な複合駆動が可能となる。な
お、この構成では、圧力補償弁は結果的に、油圧ポンプ
の吐出状態の如何に係わらず、油圧ポンプからの圧油を
確実に分流して複数のアクチュエータに供給する機能を
果しており、本明細書中ではこの機能を便宜上「分流補
償」と呼び、圧力補償弁を「分流補償弁」と呼ぶ。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、この従来の油圧駆動装置においては、各分
流補償弁は、流量制御弁の前後差圧の目標値として、ロ
ードセンシング制御される油圧ポンプの吐出圧力と複数
のアクチュエータの最大負荷圧力との差圧に基づく制御
力を付与しており、このため、全ての駆動部の受圧面積
を同じとすれば、各分流補償弁に付与される制御力は同
じとなり、全ての分流補償弁の圧力補償特性は同じとな
る。このため、例えば、2つ以上のアクチュエータを同
時に駆動する複合操作を行なった場合、複合操作のアク
チュエータの組み合わせに係わらず、アクチュエータに
供給される流量の配分の割合、即ち分流比が流量制御弁
の開度比に応じて一義的に定まり、複合操作の種類によ
っては一方のアクチュエータへの流量の配分が多すぎた
り、又は少なすぎたりし、操作性及び/又は作業効率が
低下するという問題があった。
本発明の目的は、分流補償弁に個別の圧力補償特性を
与えることができ、操作性及び/又は作業効率を改善す
ることのできる建設機械の油圧駆動装置を提供すること
である。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明によれば、油圧ポン
プと、前記油圧ポンプから供給される圧油によって駆動
される少なくとも第1及び第2の油圧アクチュエータ
と、これら第1及び第2のアクチュエータに供給される
圧油の流れをそれぞれ制御する第1及び第2の流量制御
弁と、これら第1及び第2の流量制御弁の入口と出口の
間に生じる第1の差圧をそれぞれ制御する第1及び第2
の分流補償弁と、前記油圧ポンプの吐出圧力と前記第1
及び第2のアクチュエータの最大負荷圧力との第2の差
圧に応答して油圧ポンプから吐出される圧油の流量を制
御する吐出量制御手段とを備え、前記第1及び第2の分
流補償弁は、それぞれ、前記第2の差圧に基づく制御力
を対応する分流補償弁に付与し、前記第1の差圧の目標
値を設定する駆動手段を有する建設機械の油圧駆動装置
において、前記油圧ポンプの吐出圧力と前記第1及び第
2のアクチュエータの最大負荷圧力とから前記第2の差
圧を求める第1の手段と、少なくとも前記第1の手段で
求めた第2の差圧に基づいて、前記第1及び第2の分流
補償弁のそれぞれの駆動手段が付与すべき制御力の値と
して個別の値を演算する第2の手段と、前記第1及び第
2の分流補償弁のそれぞれに対応して設けられた第1及
び第2の制御圧力発生手段であって、それぞれ、前記第
2の手段で求めた個別の値に応じた制御圧力を発生し、
これを前記第1及び第2の分流補償弁の駆動手段にそれ
ぞれ出力する前記第1及び第2の制御圧力発生手段とを
有することを特徴とする油圧駆動装置が提供される。
本発明の一側面において、前記第2の手段は、前記第
1の手段で求めた第2の差圧と前記第1及び第2の分流
補償弁に対応して予め設定した第1及び第2の関数とか
ら、前記第2の差圧に対応する第1及び第2の制御力の
値を求める第1の演算手段を有してもよい。
このとき、第1のアクチュエータが慣性負荷を駆動す
るアクチュエータであり、第2のアクチュエータが通常
の負荷を駆動するアクチュエータである場合には、好ま
しくは、前記第1及び第2の関数は、前記第2の差圧が
減少するにつれて前記第1の差圧の目標値が減少しかつ
その減少割合が両者で異なるように第2の差圧と第1及
び第2の制御力の値との関係が定められている。
第1のアクチュエータが慣性負荷を駆動するアクチュ
エータであり、第2のアクチュエータが通常の負荷を駆
動するアクチュエータである場合には、好ましくは、少
なくとも前記第1のアクチュエータに係わる前記第1の
関数は、前記第2の差圧が所定値を越えて増大すると前
記第1の差圧の目標値の増大が抑制されるように第2の
差圧と第1の制御力の値との関係が定められている。
第1及び第2のアクチュエータが走行用のアクチュエ
ータである場合には、好ましくは、前記第1及び第2の
関数は、共に、前記第1の差圧の目標値が前記第2の差
圧よりも大きくなるように第2の差圧と第1及び第2の
制御力の値との関係が定められている。
第1のアクチュエータが走行用のアクチュエータの1
つであり、第2のアクチュエータが掘削作業用のアクチ
ュエータである場合には、好ましくは、前記第2の手段
は、前記第1の関数から求めた第1の制御力の値の変化
に対しては比較的大きな時間遅れを与え、前記第2の関
数から求めた第2の制御力の値の変化に対しては比較的
小さな時間遅れを与える第2の演算手段を更に有してい
る。
第1のアクチュエータが油圧モータであり、第2のア
クチュエータが油圧シリンダである場合には、本発明の
油圧駆動装置は、好ましくは、前記油圧ポンプから吐出
される圧油の温度を検出する第3の手段を更に有し、前
記第2の手段は、前記第3の手段で検出した圧油の温度
と予め設定した第3の関数とから温度補正係数を求める
第3の演算手段と、前記第2の関数から求めた第2の制
御力の値と前記温度補正係数との演算を行ない、第2の
制御力の値を補正する第4の演算手段とを更に有してい
る。
本発明の他の側面においては、本発明の油圧駆動装置
は、外部より操作され、前記第1及び第2のアクチュエ
ータの駆動により行われる作業の種類又は作業の内容に
応じた選択指令信号を出力する第4の手段を更に有し、
前記第2の手段は、前記第1の手段で求めた第2の差圧
と、前記第1及び第2の分流補償弁に対応してそれぞれ
予め設定した第4及び第5の関数と、前記第4の手段か
ら出力された選択指令信号とから第3及び第4の制御力
の値を求める第5の演算手段を有していてもよい。
この場合、好ましくは、前記第5の演算手段は、前記
第4及び第5の関数としてそれぞれ特性の異なる複数の
関数を備え、前記第4の手段から出力された選択指令信
号に応じてそれぞれ複数の関数のうちの1つを選択し、
前記第1の手段で求めた第2の差圧と選択された関数と
からその第2の差圧に対応する第3及び第4の制御力の
値を求める。
本発明の更に他の側面において、第1のアクチュエー
タが慣性負荷を駆動するアクチュエータであり、第2の
アクチュエータが通常の負荷を駆動するアクチュエータ
である場合、本発明の油圧駆動装置は、前記油圧ポンプ
の吐出圧力を検出する第5の手段を更に有し、前記第2
の手段は、前記第1の手段で求めた第2の差圧と予め設
定した第6の関数とからその第2の差圧に対応する第5
の制御力の値を求め、これを前記第1の分流補償弁の駆
動手段が付与すべき制御力の値とする第6の演算手段
と、前記第5の手段で検出した吐出圧力と予め設定した
第7の関数とから該吐出圧力を所定値に保持する第6の
制御力の値を求め、前記第5の制御力と第6の制御力の
うち前記第1の差圧の目標値が大きくなる方を前記第2
の分流補償弁の駆動手段が付与すべき制御力の値とする
第7の演算手段とを有していてもよい。
この場合、本発明の油圧駆動装置は、外部より操作さ
れ、前記吐出圧力の所定値に係わる選択指令信号を出力
する第6の手段を更に有し、前記第7の演算手段は、前
記選択指令信号により前記第7の関数の特性を変更し、
前記吐出圧力の所定値を変更可能としてもよい。
更に、本発明の他の側面において、第1のアクチュエ
ータが慣性負荷を駆動するアクチュエータであり、第2
のアクチュエータが通常の負荷を駆動するアクチュエー
タである場合、本発明の油圧駆動装置は、前記第1のア
クチュエータの駆動を検出する第7の手段と、前記第1
の分流補償弁を通って供給される圧油の流量増加速度を
設定する第8の手段とを更に有し、前記第2の手段は、
前記第1の手段で求めた第2の差圧と予め設定した第8
の関数とからその第2の差圧に対応する第7の制御力の
値を求め、これを前記第2の分流補償弁の駆動手段が付
与すべき制御力の値とする第8の演算手段と、前記第7
の手段で前記第1のアクチュエータの駆動の開始が検出
されたときに、前記第7の制御力の値を目標値として前
記流量増加速度に対応する変化量以下の速度で変化する
第8の制御力の値を求め、この第8の制御力を前記第1
の分流補償弁の駆動手段が付与すべき制御力の値とする
第9の演算手段とを有していてもよい。
この場合、本発明の油圧駆動装置は、前記第2のアク
チュエータの駆動を検出する第9の手段を更に有し、前
記第9の演算手段は、前記第7及び第9の手段により前
記第1及び第2のアクチュエータの駆動の開始が検出さ
れたときに前記第8の制御力の値を求めてもよい。
本発明の更に他の側面において、本発明の油圧駆動装
置は、前記油圧ポンプの吐出圧力を検出する第10の手段
を更に有し、前記第2の手段は、前記第1の手段で求め
た第2の差圧からその差圧を一定に保持する油圧ポンプ
の差圧目標吐出量を演算する第10の演算手段と、前記第
10の手段で検出した吐出圧力と予め設定した油圧ポンプ
の入力制限関数から油圧ポンプの入力制限目標吐出量を
演算する第11の演算手段と、前記差圧目標吐出量と入力
制限目標吐出量の偏差を求める第13の演算手段と、前記
差圧目標吐出量と入力制限目標吐出量のうち入力制限目
標吐出量が油圧ポンプの吐出量目標値として選択された
ときに、前記目標吐出量の偏差に基づいて、前記第1及
び第2の分流補償弁のそれぞれの駆動手段が付与すべき
制御力の値として個別の値を演算する第13の演算手段と
を有していてもよい。
本発明のなお更に他の側面において、好ましくは本発
明の油圧駆動装置は、前記第1及び第2の分流補償弁に
設けられ、これら分流補償弁をそれぞれ開弁方向に付勢
する、最初に述べた駆動手段とは別の駆動手段と、この
別の駆動手段にほぼ一定の共通のパイロット圧力を導く
パイロット圧力供給手段とを更に有し、前記最初に述べ
た駆動手段は、それぞれ、前記第1及び第2の分流補償
弁を閉弁方向に付勢する側に配置されている。
〔作用〕
このように構成した本発明においては、第2の手段に
より、第2の差圧に基づいて第1及び第2の分流補償弁
のそれぞれの駆動手段が付与すべき制御力の値として個
別の値を演算し、第1及び第2の制御圧力発生手段にお
いてこれら個別の値に応じた制御圧力を発生させ、これ
を第1及び第2の分流補償弁の駆動手段にそれぞれ出力
する。これにより、第1及び第2の分流補償弁には個別
の圧力補償特性が与えられ、第1及び第2のアクチュエ
ータを同時に駆動する複合操作に際して、アクチュエー
タの種類に応じた最適の分流比が得られ、操作性及び/
又は作業効率を改善することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の好適実施例を油圧ショベルに適用され
た場合につき、図面を参照して説明する。
第1の実施例 まず、本発明の第1の実施例を第1図〜第3図により
説明する。
第1図において、本実施例の油圧ショベルに適用され
た油圧駆動装置は、原動機21と、原動機21によって駆動
される1つの可変容量型の油圧ポンプ、即ち主ポンプ22
と、主ポンプ22から吐出される圧油によって駆動される
複数のアクチュエータ、即ち旋回モータ23、左走行モー
タ24、右走行モータ25、ブームシリンダ26、アームシリ
ンダ27、及びバケットシリンダ28と、これら複数のアク
チュエータのそれぞれに供給される圧油の流れを制御す
る流量制御弁、即ち旋回用方向切換弁29、左走行用方向
切換弁30、右走行用方向切換弁31、ブーム用方向切換弁
32、アーム用方向切換弁33、バケット用方向切換弁34
と、これら流量制御弁に対応してその上流に配置され、
流量制御弁の入口と出口の間に生じる差圧、即ち流量制
御弁の前後差圧ΔPv1,ΔPv2,ΔPv3,ΔPv4,ΔPv5,ΔPv6
をそれぞれ制御する圧力補償弁、即ち分流補償弁35,36,
37,38,39,40とを備えている。
また、本実施例の油圧駆動装置は、主ポンプ22が最大
可能吐出量に達するまでの範囲で、主ポンプ22の吐出圧
力Psとアクチュエータ23〜28の最大負荷圧力Pamaxとの
差圧ΔPLSに応答して吐出圧力Psがその差圧ΔPLSより
も一定値だけ高くなるように主ポンプ22の吐出量を制御
する、ロードセンシング制御方式の吐出量制御装置41を
備えている。
流量制御弁29〜34には、それぞれ、アクチュエータ23
〜28の駆動時にそれらの負荷圧力を取り出すためのチェ
ック弁42a,42b,42c,42d,42e,42fを備えた負荷ライン43
a,43b,43c,43d,43e,43fが接続され、これら負荷ライン4
3a〜43fは更に共通の最大負荷ライン44に接続されてい
る。
分流補償弁35〜40はそれぞれ次のように構成されてい
る。分流補償弁35は、旋回用方向切換弁29の出口圧力が
導かれ、分流補償弁35の弁体を開弁方向に付勢する駆動
部35aと、旋回用方向切換弁29の入口圧力が導かれ、分
流補償弁35の弁体を閉弁方向に付勢する駆動部35bと、
分流補償弁35の弁体を力fで開弁方向に付勢するばね45
と、パイロットライン51aを介して後述する制御圧力Pc1
が導かれ、分流補償弁35の弁体を閉弁方向に制御力Fc1
で付勢する駆動部35cとを備え、駆動部35a,35bにより分
流補償弁35の弁体に旋回用方向切換弁29の前後差圧ΔPv
1に基づく第1の制御力が閉弁方向に付与され、ばね45
と駆動部35cとにより分流補償弁35の弁体に第2の制御
力f−Fc1が開弁方向に付与され、第1の制御力と第2
の制御力のバランスにより分流補償弁35の絞り量が定ま
り、旋回用方向切換弁23の前後差圧ΔPv1が制御され
る。ここで、第2の制御力f−Fc1は旋回用方向切換弁2
3の前後差圧ΔPv1の目標値を設定する値となる。
その他の分流補償弁36〜40も同様に構成されている。
即ち、分流補償弁36〜40は、それらの弁体を流量制御弁
30〜34の前後差圧ΔPv2〜ΔPv6に基づく第1の制御力で
それぞれ付勢する対向する駆動部36a,36b;37a,37b;38a,
38b;39a,39b;40a,40bと、力fで弁体を開弁方向に付勢
するばね46,47,58,59,50と、パイロットライン51b,51c,
51d,51e,51fを介して同様に後述する制御圧力Pc2,Pc3,P
c4,Pc5,Pc6が導かれ、それぞれの弁体を制御力Fc2,Fc3,
Fc4,Fc5,Fc6で閉弁方向に付勢する駆動部36c,37c,38c,3
9c,40cとを備えている。
吐出量制御装置41は、主ポンプ22の斜板22aを駆動
し、押しのけ容積を制御する油圧シリンダ装置52と、油
圧シリンダ装置52の変位を制御する制御弁53とからな
り、制御弁53は、主ポンプ22の吐出圧力Psとアクチュエ
ータ23〜28の最大負荷圧力Pamaxとの差圧ΔPLSを設定
するばね54と、アクチュエータ23〜28の最大負荷圧力Pa
maxが管路55を介して導かれる駆動部56と、主ポンプ22
の吐出圧力Psが管路57を介して導かれる駆動部58とを備
えている。最大負荷圧力Pamaxが上昇すると、それに応
答して制御弁53が図示左方に駆動され、油圧シリンダ装
置52を図示左方に駆動し、主ポンプ22の押しのけ容積を
増大させて吐出量を増大させる。これにより、主ポンプ
22の吐出圧力Psはばね54により定まる一定の値だけ高い
圧力に保持される。
そして、本実施例の油圧駆動装置は、更に、主ポンプ
22の吐出圧力Psとアクチュエータ23〜28の最大負荷圧力
Pamaxとを導入し、両者の差圧ΔPLSを検出し、対応す
る電気信号X1を出力する差圧検出器59と、主ポンプ22よ
り吐出される圧油の温度Thを検出し、対応する電気信号
X2を出力する温度検出器60と、差圧検出器60及び温度検
出器61からの電気信号X1,X2を入力し、検出した差圧Δ
PLS及び油温Thに基づいて上述した制御力Fc1〜Fc6の値
を演算し、対応する電気信号a,b,c,d,e,fを出力するコ
ントローラ61と、分流補償弁35〜40に対応して設けら
れ、コントローラ61からの電気信号a,b,c,d,e,fをそれ
ぞれ入力する電磁比例減圧弁62a,62b,62c,62d,62e,62
f、電磁比例減圧弁62a〜62fにパイロット圧を供給する
パイロットポンプ63、及びこのパイロットポンプ63から
出力されるパイロット圧の大きさを規定するリリーフ弁
64を含む制御圧力発生回路65とを備えている。電磁比例
減圧弁62a〜62fは電気信号a〜fにより作動し、コント
ローラ61で演算した制御力Fc1〜Fc6の値に応じた制御圧
力Pc1〜Pc6を発生し、これをパイロットライン51a〜51f
を介して分流補償弁35〜40の駆動部35c〜40cにそれぞれ
出力する。
電磁比例減圧弁62a〜62f及びリリーフ弁64は、好まし
くは2点鎖線66で示すように、1つのブロックに集合体
として構成してある。
コントローラ61は、第2図に示すように、電気信号X
1,X2を入力する入力部70と、記憶部71と、記憶部71に記
憶した関数データを用い、同記憶部に記憶した制御プロ
グラムにしたがって制御力Fc1〜Fc6の値を求める演算を
行なう演算部72と、演算部72で求めた制御力の値を電気
信号a〜fとして出力する出力部73とを備えている。
コントローラ61の演算部72で行われる演算の内容を機
能ブロック図で第3図に示す。図中、ブロック80〜85
は、分流補償弁35〜40に対応して設けられ、差圧ΔPLS
と制御力Fc1〜Fc6との関数関係を含む関数データを予め
記憶した関数ブロックであり、これら関数ブロックから
そのときの電気信号X1に基づく差圧ΔPLSに対応する制
御力の値Fc1〜Fc6を求める。ブロック86は油温Thと補正
係数Kとの関数関係を含む関数データを予め記憶した温
度補正用の関数ブロックであり、この関数ブロック86か
ら電気信号X2に基づく油温Thに対応する補正係数Kを求
める。関数ブロック86で求めた補正係数Kは、乗算ブロ
ック87,88,89において関数ブロック83,84,85で求めた制
御力Fc4〜Fc6の値と乗算され、これら制御力の値を温度
補正する。関数ブロック80,81,82で求めた制御力の値Fc
1,Fc2,Fc3及び乗算ブロック87,88,89で温度補正された
制御力の値Fc4,Fc5,Fc6は、それぞれ遅延ブロック90〜9
5で一次遅れ要素のフィルタをかけられた後、電気信号
a〜fとして出力される。
関数ブロック80〜85に記憶した差圧ΔPLSと制御力Fc
1〜Fc6の関数関係を第4A図〜第4D図及び第5図に示す。
第4A図は、差圧ΔPLSと旋回モータ23に係わる分流補
償弁35に付与されるべき制御力Fc1の値との関数関係を
示すものである。ここでΔPLS0は、ロードセンシング
制御方式の吐出量制御装置41により保持される主ポンプ
22の吐出圧力と最大負荷圧力との差圧、即ち制御弁53の
ばね54で設定されるロードセンシング補償差圧であり、
f0はそのロードセンシング補償差圧ΔPLS0に対応する
制御力Fc1の値である。Aは旋回モータ23の最大速度を
決める最小差圧、即ち旋回モータ23に係わる最大流量補
償差圧であり、fcはこの最大流量補償差圧Aに対応する
最大流量補償制御力である。fはばね45の力である。な
お、f−f0は、ロードセンシング補償差圧ΔPLSOが確
保されているときに分流補償弁35に付与される第2の制
御力に相当するが、この値は、これにより設定される旋
回用方向切換弁23の前記差圧ΔPv1の目標値がロードセ
ンシング補償差圧ΔPLSOにほぼ一致するように定めら
れている。
また第4A図において、2点鎖線は、差圧ΔPLSが零の
ときにばね45の力fに等しい制御力を与え、差圧ΔPLS
が増加するに従って制御力を次第に減少させる基本関数
の特性を示す。そして、差圧ΔPLSと制御力Fc1の関数
関係は、差圧ΔPLSが最大流量補償差圧Aより小さい場
合は、基本関数の特性に沿って差圧ΔPLSの増加に応じ
て制御力Fc1の値が次第に減少し、差圧ΔPLSが最大流
量補償差圧A以上になると、差圧ΔPLSの増加に係わら
ず一定の制御力fcを出力する関数となっている。また、
差圧ΔPLSが最小流量補償差圧B以下になると、差圧Δ
PLSの減少に係わらずばね45の力f以下の最大値fmax
に制限される関係となっている。
第4B図は、差圧ΔPLSと走行モータ24,25に係わる分
流補償弁36,37に付与されるべき制御力Fc2,Fc3の値との
関数関係を示すものである。ここで2点鎖線は第4A図と
同様基本関数の特性を示し、差圧ΔPLSと制御力Fc2,Fc
3の関数関係は、基本関数の傾きよりも小さい傾きで差
圧ΔPLSの増加に応じて次第に制御力Fc2,Fc3の値が減
少し、基本関数で制御された場合に比較して補正流量Δ
Qが得られる関係となっている。
第4C図は、差圧ΔPLSとブームシリンダ26に係わる分
流制御弁38に付与されるべき制御力Fc4の値との関数関
係を示すものである。その関数関係は、制御力Fc2,Fc3
の関数関係の傾きに比べて、基本関数の傾きよりも更に
小さい傾きで差圧ΔPLSの増加に応じて次第に制御力Fc
4の値が減少する関係となっている。
第4D図は、差圧ΔPLSとアームシリンダ27及びバケッ
トシリンダ28に係わる分流補償弁39,40に付与されるべ
き制御力Fc5,Fc6の値との関数関係を示すものである。
その関数関係は、全体的には基本関数の特性に沿って差
圧ΔPLSの増加に応じて次第に制御力Fc5,Fc6の値が減
少し、差圧ΔPLSが最小流量補償差圧B以下になると、
第4A図に示す関数関係と同様、差圧ΔPLSの減少に係わ
らずばね49,50の力f以下の最大値fmaxに制限される関
係となっている。
第5図は、以上の関数の相互の関係をより分かり易く
するためにこれらを纏めて示したものである。
第6図に、関数ブロック86に記憶した油温Thと補正係
数Kとの関数関係を示す。この関数関係は、油温Thが所
定温度ThOよりも大きい場合には補正係数が1であり、
油温Thが所定温度ThOよりも低下するにしたがって補正
係数Kが徐々に1よりも小さくなる関係になっている。
ここで、所定温度ThOは、回路を流れる圧油が主ポンプ2
2から吐出される流量に大きな影響を与えない程度の粘
度を有すると考えられる温度である。
遅れ要素ブロック90〜95においては、アクチュエータ
23〜28毎にそれらの動作に最適の時間遅れを与える時定
数T1〜T6が設定されている。このうち、走行モータに2
4,25に係わる分流補償弁36,37に対応するブロック91,92
の時定数T2,T3は他の時定数T1,T4〜T6に比べて極端に大
きくされ、分流補償弁36,37に付与されるべき制御力Fc
2,Fc3の値の変化に対して大きな時間遅れが与えられる
ようになっている。
本実施例の油圧駆動装置により駆動される油圧ショベ
ルの作業部材の構成を第7図及び第8図に示す。旋回モ
ータ23は旋回体100を駆動し、左走行モータ24、右走行
モータ25は覆帯即ち走行体101,102を駆動し、ブームシ
リンダ26、アームシリンダ27、バケットシリンダ28はそ
れぞれブーム103、アーム104、バケット105を駆動す
る。
次に、以上のように構成された本実施例の動作を説明
する。
流量制御弁29〜34の任意の1つ又は複数を操作する
と、主ポンプ22からの圧油が分流補償弁及び流量制御弁
を通って対応するアクチュエータに供給される。このと
き、主ポンプ22は吐出量制御装置41によりロードセンシ
ング制御され、主ポンプ22の吐出圧力と最大負荷圧力と
の差圧ΔPLSは差圧検出器59で検出され、対応する電気
信号X1がコントローラ21に入力される。同時に、油温が
油温検出器60で検出され、対応する電気信号X2がコント
ローラ61に入力される。
コントローラ61の演算部72においては、前述したよう
に制御力Fc1〜Fc6の値を演算し、これら制御力に相応す
る電気信号a〜fが電磁比例減圧弁62a〜62fに与えら
れ、電磁比例減圧弁62a〜62fが駆動し、制御力Fc1〜Fc6
に相応する制御圧力Pc1−Pc6が分流補償弁35〜40の駆動
部35c〜40cに導かれる。従って、分流補償弁35〜40には
駆動部35c〜40cにより閉弁方向の制御力Fc1〜Fc6が付与
され、結果として分流補償弁35〜40には第2の制御力f
−Fc1,f−Fc2,f−Fc3,f−Fc4,f−Fc5,f−Fc6が開弁方向
に付与される。即ち、流量制御弁29〜34の少なくとも1
つが操作されれば、全ての分流補償弁35〜40に常時制御
力Fc1〜Fc6が付与される。なおこのとき、流量制御弁が
操作されていない分流補償弁は、流量制御弁の前後差圧
に基づく第1の制御力が作用していないので、全開位置
に保持されたままである。
次に、油温が第6図に示すTho以上であることを前提
として、旋回体100、走行体101,102、ブーム103、アー
ム104、バケット105の単独操作をした場合、及びそれら
の複合操作をした場合にそれぞれにつき、分流補償弁35
〜40の動作及びそれに伴うアクチュエータ23〜28の動作
を説明する。流量制御弁29〜34の1つを操作し、旋回体
100、走行体101,102、ブーム103、アーム104、バケット
105の単独操作を行なう場合、対応する流量制御弁に係
わる分流補償弁には流量制御弁の前後差圧に基づく第1
の制御力が閉弁方向に付与される。流量制御弁の前後差
圧はロードセンシング制御される主ポンプ22の吐出圧力
と最大負荷圧力との差圧ΔPLS以上にはなり得ず、単独
操作の場合、一般的に差圧ΔPLSはロードセンシング補
償差圧ΔPLSO又はこれに近い値に保持される。
このとき、操作された流量制御弁が旋回モータ23、ア
ーム27,バケット28の1つに係わる場合、分流補償弁35,
39又は40の駆動部35c,39c又は40cに付与される制御力Fc
1,Fc5又はFc6は、第4A図又は第4D図に示す関数関係から
求められ、ここでロードセンシング補償差圧ΔPLSOに
対応する制御力はfoである。このため、例えば分流補償
弁35には第2の制御力としてf−foが付与される。f−
foは、前述したように、旋回用方向切換弁23の前後差圧
ΔPv1をロードセンシング補償差圧ΔPLSOにほぼ一致す
るように制御する値である。従って、第2の制御力f−
foは、常に第1の制御力にほぼ等しいか、これよりも大
きい関係にあり、その結果分流補償弁35も全開位置に保
持されたままである。
操作された流量制御弁が走行モータ24,25、ブームシ
リンダ26の1つに係わる場合、分流補償弁36,37又は38
の駆動部36c,37c又は38cに付与される制御力Fc2,Fc3又
はFc4は、第4B図又は第4C図に示す関数関係から求めら
れ、ここでロードセンシング補償差圧ΔPLSOに対応す
る制御力はfoより小さい値である。このため、例えば分
流補償弁38には第2の制御力としてf−foよりも大きな
力が付与される。従って、この場合も第2の制御力は第
1の制御力よりも大きくなり、分流補償弁38は全開位置
に保持される。
このように、流量制御弁29〜34の1つを操作する単独
操作においては、対応する分流補償弁も基本的には動作
せず、流量制御弁の前後差圧は主に主ポンプ22がロード
センシング制御されることにより制御され、流量制御弁
の開度に応じた流量がアクチュエータに供給される。
次に、流量制御弁29〜34の任意の2つ以上を操作し
て、旋回体100、走行体101,102、ブーム103、アーム10
4、バケット105のアクチュエータの複合操作を行なう場
合を説明する。
流量制御弁29,32を同時に操作して、旋回体100とブー
ム103の複合操作、例えば旋回とブーム上げの複合操作
を行なう場合、主ポンプ22からの圧油は分流補償弁35,3
8及び流量制御弁29,32を通って旋回モータ23及びブーム
シリンダ26に供給される。このとき、差圧ΔPLSは通常
は旋回モータ23に対する最大流量補償差圧A以下であ
り、分流補償弁35の駆動部35cに付与される制御力Fc1と
しては、第4A図の関数関係から基本関数の特性に沿った
値が演算され、分流補償弁38の駆動部38cに付与される
制御力Fc4としては、第4C図に示す関数関係から制御力F
c1よりも小さな値が演算される。このため、分流補償弁
35,38に付与される開弁方向の第2の制御力f−Fc1,f−
Fc4は、f−Fc1<f−Fc4の関係となる。即ち、分流補
償弁38の開弁方向の制御力f−Fc4が分流補償弁35の開
弁方向の制御力f−Fc1よりも大きくなる。その結果、
旋回とブーム上げの複合操作の開始時において、低負荷
圧力側となるブームシリンダ3に係わる分流補償弁38が
制御力f−Fc4により絞られる程度が小さくなり、分流
補償弁38は分流補償弁35と同じ制御力f−Fc1が付与さ
れた場合に比べて開き気味となる。このため、流量制御
弁32の前後差圧は流量制御弁29の前後差圧よりも大きく
なるよう制御され、ブームシリンダ26には主ポンプ22の
吐出量を流量制御弁29,32の開度比で配分した流量より
も多い流量が供給され、一方、旋回モータ23には同流量
よりも少ない流量が供給され、その結果、旋回とブーム
上げの複合操作を確実に行えると共に、ブーム上げ速度
が速く、旋回が比較的緩やかになる複合操作が実施され
る。
そして、このように旋回モータ23とブームシリンダ26
とを複合操作している状態から、ブームシリンダを停止
させるために、流量制御弁32を中立位置に戻したとき、
主ポンプ22から吐出された圧油が流量制御弁32で絞られ
ることにより、一時的にポンプ圧が上昇し、差圧ΔPLS
が通常の複合操作時の限界の差圧である最大流量補償差
圧Aよりも大きくなる。このためコントローラ61の演算
部72において、第4A図に示すように差圧ΔPLSの増加に
係わらず一定の制御力Fc4の値、即ち最大流量補償制御
力fcが求められる。従って、旋回モータ23に係わる分流
補償弁35に付与される開弁方向の第2の制御力はf−Fc
の一定となり、分流補償弁35は、差圧ΔPLSの増加に伴
って比例的に開こうとするところを、開き過ぎないよう
に規制される。
このように制御される結果、旋回とブーム上げの複合
時に、ブームシリンダ26を停止させるために流量制御弁
26を中立方向に操作しても、上述のように分流補償弁35
が最大流量補償差圧Aに対応する最大流量補償制御力fc
に応じて開き過ぎないよう規制されるので、それまで旋
回モータ23に供給されていた流量に比べて変化の比較的
少ない流量がこの旋回モータ23に供給され、それ故、オ
ペレータの意図しない旋回モータ23の増速を防止でき、
優れた操作性及び安全性が得られる。
流量制御弁30,31を同じストロークで操作して直進走
行を実施する場合、主ポンプ22からの圧油は分流補償弁
36,37及び流量制御弁30,31を通って左右走行モータ24,2
5に供給される。このとき、分流補償弁36,37の駆動部36
c,37cに付与される制御力Fc2,Fc3として、共に第4B図に
示す関数関係から基本関数の特性で得られる制御力より
も小さな値が演算される。このため、分流補償弁36,37
に付与される開弁方向の第2の制御力f−Fc2,f−Fc3
は、基本関数から得られる制御力をFcrとすると、f−F
c2>f−Fcr、f−Fc3>f−Fcrとなる。ここで、基本
関数に基づく第2の制御力f−Fcrは、流量制御弁の前
後差圧の目標値が差圧ΔPLSに等しくなるように設定す
る値である。従って分流補償弁36,37は、流量制御弁30,
31の前後差圧を差圧ΔPLSにほぼ等しくなるように制御
する通常の場合に比べて、開弁方向により大きな第2の
制御力で付勢され、流量制御弁30,31の前後差圧が差圧
ΔPLSよりも更にFc2−Fcr又はFc3−Fcrに相当する所定
値ΔPoだけ増加するまで絞られない。このため、走行モ
ータ24,25の負荷圧力に差圧が生じた場合、その差圧が
所定値ΔPoよりも小さい範囲ではいずれの圧力制御弁も
絞られず、走行モータ24,25はパラレルに接続されたの
と同じ状態となる。また、差圧が所定値ΔPoを越えた場
合でも、低負荷圧力側の分流補償弁は通常より大きく開
いているので、走行モータ24,25は部分的にパラレルに
接続された状態にあるとみることができる。
このように分流補償弁が機能する結果、直進走行中、
左右の覆帯が受ける抵抗が異なり、走行モータ24,25の
負荷圧力に差が生じたとしても、走行モータ24,25は少
なくとも部分的にパラレルに接続されたのと同じ状態に
あるので、左右走行モータをパラレルに接続した一般的
な油圧回路の場合と同様、覆帯自身が持っている直進維
持力により左右走行モータ24,25に供給される圧油の流
量を強制的に等しくし、直進走行を継続することができ
る。このため、オペレータによる手動調整の労力を少な
くし、オペレータの疲労感を軽減させることができる。
また、このように分流補償弁24,25の機能を部分的に
無効にし、覆帯自身が持つ直進維持力により強制的に直
進走行を行うので、流量制御弁30,31や分流補償弁36,37
等の油圧機器の性能に製作誤差に起因するばらつきがあ
ったとしても、意図する直進走行を行うことができ、更
に、操作レバー位置の僅かな変動があっても直進走行を
継続することができ、同様にオペレータによる手動調整
の労力を少なくし、オペレータの疲労感を軽減させるこ
とができる。
次に、流量制御弁30,31を操作し、走行モータ24,25を
駆動して走行操作を行なっている状態で、更に流量制御
弁32を操作し、走行とブーム上げの複合操作に移行する
場合を考える。
走行操作のみを行なっている状態から更に流量制御弁
32を操作すると、主ポンプ22からの圧油は、今まで左右
走行モータ24,25のみに供給されていたものが、分流補
償弁38及び流量制御弁32を通ってブームシリンダ26に供
給されるようになる。
ところで、走行とブーム上げの複合操作の場合、ブー
ムシリンダ26が高負荷圧力側となるのが普通である。こ
のため、走行操作のみを行なっている状態から走行とブ
ーム上げの複合操作に移行した瞬間、差圧ΔPLSが極端
に低下する事態が生じ、コントローラ61の演算部72にお
いて第4B図に示す関数関係から求められる制御力Fc2,Fc
3の値を瞬間的に大きく増加する。このため、この制御
力Fc2,Fc3をそのまま出力部73より電気信号b,cとして出
力した場合は、開弁方向の第2の制御力f−Fc2,f−Fc3
がこれに対応して急激に減少する。即ち、走行のみの操
作から走行とブーム上げの複合操作に移る初期段階に、
瞬間的に分流補償弁36,37が極端に閉じられ、その後再
び開き始めるという現象を生じ、このため走行モータ2
4,25に供給される圧油の流量変動が大きくなり、これに
伴って、走行速度が極端に変動し、油圧ショベルの機体
に大きなショックを生じ、操作性を低下させる。
これに対して本実施例では、前述したように第3図に
示す遅れ要素ブロック90〜95が設けられ、このうち走行
モータに24,25に係わるブロック91,92の時定数T2,T3は
他の時定数T1,T4〜T6に比べて極端に大きくされ、制御
力Fc2,Fc3の値の変化に対して大きな時間遅れが与えら
れるようになっている。このため、上述したように制御
力Fc2,Fc3の値が急激に変化したとしても、ブロック91,
92ではその変化が和らげられ、駆動部36c,37cより付与
される制御力Fc2,Fc3の変化も緩やかとなる。従って分
流補償弁36,37が急激に閉じることが避けられ、上述し
た走行速度の変動を低減し、油圧ショベルの機体に大き
なショックを生じることがなく、優れた操作性が得られ
る。
更に、流量制御弁29,33,34の少なくとも1つを操作
し、旋回モータ23、アームシリンダ27、バケットシリン
ダ28の対応するものを駆動している状態で、負荷圧力が
それよりも高い他のアクチュエータを更に駆動する場合
など、何れかの理由により差圧ΔPLSが一瞬零となる事
態が生じたとき、旋回モータ23、アームシリンダ27、バ
ケットシリンダ28に係わる差圧と制御力の関数関係は、
第4A図及び第4D図に示すように基本関数と傾きが同じで
あるため、関数関係を基本関数に完全に一致させた場合
には、制御力Fc1,Fc5,Fc6の値がばね45,49,50の力fと
等しくなり、分流補償弁35,39,40が完全に閉じてしまう
現象が生じる。分流補償弁が完全に閉じると、アクチュ
エータ23,27,28に供給されていた圧油の流量が零とな
り、旋回体100、アーム104、バケット105に大きなショ
ックが発生し、操作性が著しく悪化するばかりでなく、
油圧機器を損傷する恐れもある。
本実施例では、このような差圧ΔPLSの減少に対し
て、差圧ΔPLSが最小流量補償差圧B以下になると、制
御力Fc1,Fc5,Fc6が差圧ΔPLSの減少に係わらず、ばね4
5の力f以下の最大値fmaxに制限される関係となってい
る。このため、分流補償弁35,39,40が完全に閉じてしま
うことが防止され、ショックを軽減し、操作性を向上す
ると共に、油圧機器の損傷を防止することができる。
次に、油温が第6図に示すTho以下に変化する場合に
つき、分流補償弁35〜40の動作及びそれに伴うアクチュ
エータ23〜28の動作を説明する。
コントローラ61の演算部72においては、前述した第3
図に示すように、関数ブロック83〜85で求めた制御力Fc
4〜Fc6の値に対して、関数ブロック86で求めた油温Thの
補正係数Kが乗算ブロック87〜89において乗算され、制
御力Fc4〜Fc6を温度補正する。補正係数Kは、第6図に
示すように、油温Thが所定温度Thoよりも高い時にはほ
ぼ1であり、油温Thが所定温度Thoよりも低いときには
低くなるにしたがって徐々に1より小さくなる。このこ
とから、昼間時等の通常の作業環境であって、油温Thが
所定温度Tho以上の場合には、K=1であることから、
関数ブロック83〜85で求めた制御力Fc4〜Fc6の値はその
まま電気信号b,e,fに変換され、分流補償弁38〜40はこ
の制御力Fc4〜Fc6に応じて駆動される。これにより、例
えば流量制御弁38,39を操作し、ブーム103及びアーム10
4の複合操作をする場合は、ブームシリンダ26及びアー
ムシリンダ27に何ら支障なく、即ち、油温Thが比較的高
いことから、油温の粘度が小さくて大きな流動抵抗を生
じることがなく、分流補償弁38,39及び流量制御弁32,33
を介してブームシリンダ26及びアームシリンダ27に主ポ
ンプ22からの圧油が供給され、これらアクチュエータの
動作速度の低下を生じることなくアームとバケットの複
合駆動を行なうことができる。
また、寒冷地における作業や、冬期の早朝、夜間等の
作業環境であって、油温Tが所定温度Thoよりも低くな
る場合は、K<1であることから、乗算ブロック87〜89
において補正係数Kと乗算された制御力Fc4〜Fc6の値は
関数ブロック83〜85で演算された値よりも小さくなり、
しかもその程度は油温Thが低くなるにしたがって大きく
なる。これにより、油温Thの低下に応じて通常時よりも
小さい制御力Fc4〜Fc6が分流補償弁38〜40の駆動部38c
〜40cより付与され、分流補償弁38〜40に付与される開
弁方向の第2の制御力f−Fc4、f−Fc5、f−Fc6は油
温Thの低下に応じて通常時よりも大きくなる。即ち、例
えば流量制御弁38,39を操作し、ブーム103及びアーム10
4の複合操作をする場合は、油温Thが高いときの流量と
ほぼ同等の流量が分流補償弁38,39及び流量制御弁32,33
を通ってブームシリンダ26及びアームシリンダ27に供給
され、これにより、油温Thの低下により圧油の粘度が大
きくなって流動抵抗が大きくなるものの、ブームシリン
ダ26及びアームシリンダ27には流量制御弁32,33で要求
される所望の流量を供給でき、これらアクチュエータの
動作速度の低下を生じることなく複合操作を行なうこと
ができる。
ブーム103、アーム104、バケット105の他の組み合わ
せの複合操作、又はこれらの1つの単独操作を行なう場
合も同様である。
このように、ブームシリンダ26、アームシリンダ27及
びバケットシリンダ28に対応する分流補償弁38〜40に対
しては、油温Thの変化に応じて制御力Fc4〜Fc6の値を補
正して圧力補償特性を調整することにより、これらアク
チュエータの動作速度を油温の変化に係わらず常に一定
にすることができ、安定した単独操作又は複合操作を行
なうことができる。
一方、旋回モータ23及び走行モータ24,25に対応する
関数ブロック80〜82で求めた制御力Fc1〜Fc3は油温補正
がなされることなく、そのまま遅れ要素ブロック90〜92
を経て電気信号a〜cとして出力される。このため、油
温が所定温度Tho以下のときには、圧油の粘度が大きく
なって流動抵抗が大きくなり、ブームシリンダ26及びア
ームシリンダ27に供給される流量が減少する。従って、
モータ系のアクチュエータである旋回モータ23及び走行
モータ24,25は、シリンダ系のアクチュエータであるブ
ームシリンダ26、アームシリンダ27、バケットシリンダ
28と異なり圧油が内部を通過することにより駆動され、
粘性の高い圧油が粘性の低い通常のときと同じ流速で供
給されるた場合には、内部の部品を損傷する恐れがある
が、流量が減少するので、このような損傷を生じること
がない。
以上説明したように、本実施例によれば、コントロー
ラ61の演算部72においてアクチュエータ23〜28に対応し
て設けた関数ブロック80〜85から、差圧ΔPLSに基づい
て分流補償弁35〜40の駆動部35c〜40cを介して付与され
るべき制御力Fc1〜Fc6の値を個別に演算し、分流補償弁
35〜40に対応して設けた電磁比例減圧弁62a〜62fよりこ
れら制御力に対応する制御圧力Pc1〜Pc6を個別に生成
し、これを当該駆動部35c〜40cに導くようにしたので、
分流補償弁35〜40には関連するアクチュエータ23〜28に
適した個別の圧力補償特性を与えることができ、被駆動
体100〜105の複合操作に際して、被駆動体の種類に応じ
た最適の分流比を得ることができ、操作性及び作業効率
を改善することができる。
また、アクチュエータ23〜28に対応して制御力Fc1〜F
c6の値を個別に演算し、電磁比例減圧弁62a〜62fから対
応する制御圧力Pc1〜Pc6を個別に生成するようにしたの
で、制御力Fc1〜Fc6の値を個別に修正することが可能で
あり、このため、要素ブロック90〜95でアクチュエータ
毎に最適の時定数T1〜T6を個別に与えたり、油温補正用
の関数ブロック86を設け、制御力Fc4〜Fc6のみを補正係
数Kで補正したりするなど、種々の条件を考慮し、分流
補償弁の動作特性に更に差を持たせることも可能であ
り、これによりアクチュエータ23〜28の複合操作に際し
て、更に操作性及び作業効率を改善することができる。
なお、以上の実施例において、関数ブロック80〜85に
記憶した差圧ΔPLSと制御力Fc1〜Fc6との関数の形は種
々の変形が可能である。
例えば、旋回モータ23に係わる関数ブロック80におい
ては、第4A図に示すように、差圧ΔPLSが一時的に増大
し、最大流量補償差圧Aよりも大きくなったときには、
一定の制御力即ち最大流量補償制御力fcが得られるよう
に関数関係を定めたが、他の形に関数関係を定めても良
い。例えば、第9図に示すように、圧油の流れ特性、圧
油の温度等を考慮して、差圧ΔPLSが最大流量補償差圧
Aよりも大きくなるにしたがって、最大流量補償制御力
fcを起点として比例的に大きくなる制御力を出力する関
数関係とか、第10図に示すように、差圧ΔPLSが最大流
量補償差圧Aより大きくなるに伴って段階的に大きくな
る制御力を出力する関数関係とか、第11図に示すよう
に、差圧ΔPLSが最大流量補償差圧Aより大きくなるに
したがって曲線的に大きくなる関数関係に設定すること
ができ、更に、第12図に示すように、差圧ΔPLSが最大
流量補償差圧Aよりも大きくなるにしたがって比較的小
さな勾配で比例的に小さくなる制御力を出力する関数関
係に設定することができる。
また、以上の実施例は旋回モータ23に係わる分流補償
弁35に対してのみ、差圧ΔPLSが最大流量補償差圧Aよ
りも大きくなったとき、一定の制御力fcが得られるよう
に関数関係を設定したが、他のアクチュエータに係わる
分流補償弁についても、適宜、同様に差圧ΔPLSと制御
力との関数関係を設定することができる。
また、走行モータ24,25に係わる関数ブロック81,82に
おいては、第4B図に示すように、差圧ΔPLSが増大する
にしたがって、基本関数の特性に対する制御力の差が小
さくなるように関数関係を定めたが、第13図に示すよう
に、差圧ΔPLSの変化に係わらず基本関数の特性に対す
る制御力の差が一定となる関数関係、又は差圧ΔPLSが
増大するにしたがって、基本関数の特性に対する制御力
の差が大きくなる関数関係としても同様の効果を得るこ
とができる。
第2の実施例 本発明の第2の実施例を第15図及び第16図により説明
する。図中、第1図〜第12図に示した部材と同等の部材
には同じ符号を付している。
第15図において、旋回用方向切換弁29及びブーム用方
向切換弁32にはこれらの操作を検出して電気信号X3及び
X4を出力する操作検出器110,111が設けられている。ま
た、分流補償弁35A〜40Aには、第1の実施例のばね45〜
50に代えて、それぞれパイロットライン112a〜112fを介
して同じ基準パイロット圧力Prが導かれ、分流補償弁35
A〜40Aの弁体を開弁方向にばね45〜50と同じfの力で付
勢する駆動部45A〜50Aが設けられている。
操作検出器110,111から出力された電気信号X3,X4は、
差圧検出器59及び温度検出器60から出力された電気信号
X1,X2と共にコントローラ61Aに入力され、コントローラ
61Aにおいては、電気信号X1,X2,X3,X4を用いて分流補償
弁35A〜40Aの駆動部35c〜40cが付与すべき制御力Fc1〜F
c6の値を演算し、対応する電気信号a,b,c,d,e,fを出力
する。
制御圧力発生回路65Aは基準パイロット圧力発生回路
を兼ねており、このため、パイロットポンプ63から出力
されるパイロット圧に基づき、このパイロット圧の変動
を吸収し、安定した一定の基準パイロット圧Prを発生す
る減圧弁113がさらに設けられ、この基準パイロット圧P
rがパイロットライン112を介してパイロットライン112a
〜112fに供給される。
電磁比例減圧弁62a〜62f、リリーフ弁64及び減圧弁11
3は、好ましくは2点鎖線66Aで示すように、1つのブロ
ックに集合体として構成されている。
コントローラ61Aは、第1の実施例と同様に入力部
と、記憶部と、演算部と、出力部とを備えている。
コントローラ61Aの演算部で行われる演算の内容を機
能ブロック図で第16図に示す。本実施例では、分流補償
弁38に対応する関数ブロックとして、関数ブロック83に
加え第2の関数ブロック83Aが設けられ、これら関数ブ
ロック83,83Aからそのときの電気信号X1に基づく差圧Δ
PLSに対応する制御力の値Fc4,Fc4oをそれぞれ求め、そ
の内の一方を選択ブロック114のスイッチ機能により選
択する。また、操作検出器110,111からの電気信号X3,X4
はANDブロック115に入力され、両者の信号が共にONのと
きにANDブロック115よりON信号が選択ブロック114に出
力される。選択ブロック114は、ANDブロック115からON
信号がないときには制御力Fc4oを選択し、ON信号が与え
られると制御力Fc4を選択する。
関数ブロック83に記憶した差圧PLSと制御力Fc4の関
係は第1の実施例で説明した通りである。関数ブロック
83Aに記憶した差圧PLSと制御力Fc4oとの関係は、第1
の実施例において第4D図により説明した。アームシリン
ダ27及びバケットシリンダ28に係わる分流補償弁39,40
に対応する関数ブロック84,85に記憶した関数関係と同
じである。即ち、全体的には基本関数の特性に沿って差
圧ΔPLSの増加に応じて次第に制御力Fc4oの値が減少
し、差圧ΔPLSが最小流量補償差圧B以下になると、差
圧ΔPLSの減少に係わらず駆動部48Aの付勢力f以下の
最大値fmaxに制限される関係となっている。
このように構成した第2の実施例においては、ブーム
103と、旋回体100以外の被駆動部材との複合操作に際し
ては、旋回用方向切換弁29は操作されないので操作検出
器110からは電気信号X3が出力されず、コントローラ61A
においてはANDブロック115はON信号を出力せず、選択ブ
ロック114は制御力として関数ブロック83Aで求めた制御
力Fc4oを選択する。このため、分流補償弁38Aの駆動部3
8cでは基本関数に基づく制御力Fc4oが付与され、開弁方
向の第2の制御力f−Fc4oは、流量制御弁32の前後差圧
ΔPv4の目標値が差圧ΔPLSにほぼ一致する値となる。
即ち、第2の制御力f−Fc4oは、関数ブロック83の制御
力Fc4による第2の制御力f−F4よりも小さい通常の値
となる。これにより、ブームシリンダ26が低負荷圧力側
となる場合に分流補償弁38Aの絞り量が小さくなり過ぎ
ることがなく、流量制御弁32の前後差圧をほぼ差圧ΔP
LSに一致するよう制御し、流量制御弁32の操作量に応じ
た適切な流量の圧油をブームシリンダ26に供給すること
ができる。
旋回体100とブーム103との複合操作に際しては、流量
制御弁29,32の両方が操作されるので、操作検出器110,1
11の両方から電気信号X3,X4が出力され、コントローラ6
1AにおいてはANDブロック115がON信号を出力し、選択ブ
ロック114は制御力として関数ブロック83で求めた制御
力Fc4を選択する。このため、第1の実施例で説明した
旋回とブーム上げとの複合操作の場合と同様、分流補償
弁35,38に付与される開弁方向の第2の制御力f−Fc1,f
−Fc4は、f−Fc1<f−Fc4の関係となり、ブームシリ
ンダ26には主ポンプ22の吐出量を流量制御弁29,32の開
度比で配分した流量よりも多い流量が供給され、ブーム
上げ速度が速く、旋回が比較的緩やかになる旋回とブー
ム上げの複合操作が実施される。
また、本実施例では、分流補償弁35A〜40Aの第2の制
御力に係わる一方の駆動手段を、ばねに代え、パイロッ
ト管路112及び112a〜112fを介して同じ基準パイロット
圧Prが導かれる駆動部45A〜50Aとしている。従って、ば
ねの製作誤差や経年変化に伴うバラツキが少なく、分流
補償弁35A〜40A相互間の駆動誤差を極めて少なくするこ
とができる。その結果、各分流補償弁35A〜40Aにそれぞ
れ付与されるべき個別の第2の制御力f−Fc1,f−Fc2,f
−Fc3,f−Fc4,f−Fc5,f−Fc6をばねを用いた場合に比較
してより正確に実現することができ、意図した複合操作
を正確に行なうことができる。
更に、本実施例では、駆動部45A〜50Aに導かれる基準
パイロット圧力Prは減圧弁113から出力されており、減
圧弁113は、電磁比例減圧弁62a〜62fと同じ、リリーフ
弁64で設定されたパイロット圧力を使用する構成となっ
ている。
ところで、図示のような構成のリリーフ弁64において
は、アクチュエータからの戻り油等に伴いタンク圧が変
化した場合、その変化に応じてリリーフ弁64の出力であ
るパイロット圧力も変化する。パイロット圧力が変化す
ると、電気信号a〜fが一定であるとしても電磁比例減
圧弁62a〜62fの出力、即ち制御圧力Pc1〜Pc6は変化す
る。従って、駆動部45A〜50Aが付与する力fが一定であ
るとすると、電気信号a〜fが一定であるにも係わら
ず、開弁方向の第2の制御力は変動する。
これに対し、本実施例では、パイロット圧力の変動に
伴い減圧弁113の出力、即ち基準パイロット圧力Prも変
化する。即ち、制御圧力Pc1〜Pc6が変化すると、これに
対応して基準パイロット圧力Prも変化する。このため、
両者の変化が相殺され、結果として開弁方向の第2の制
御力は一定となる。従って、本実施例では、アクチュエ
ータからの戻り油に伴うタンク圧の変化の影響を分流補
償弁35A〜40Aの駆動に与えることがなく、タンク圧の変
化に係わらず、各分流補償弁35A〜40Aにそれぞれ付与さ
れるべき個別の第2の制御力f−Fc1,f−Fc2,f−Fc3,f
−Fc4,f−Fc5,f−Fc6を一層正確に実現することがで
き、優れた制御精度が得られる。
第3の実施例 本発明の第3の実施例を第17図〜第24図により説明す
る。図中、第1図〜第12図に示す部材と同等の部材には
同じ符号を付している。
第17図において、分流補償弁35B〜40Bは、開弁方向の
第2の制御力に係わる駆動手段として、第1の実施例の
ばね45〜50及び駆動部35c〜40cの2つの駆動要素の代わ
りに分流補償弁35B〜40Bの弁体をそれぞれ開弁方向に付
勢する単一の駆動要素、即ち駆動部35d〜40dを設け、こ
の駆動部35d〜40dにパイロットライン51a〜51fを介して
制御圧力Pc1〜Pc6を導き、第2の制御力f−Fc1,f−Fc
2,f−Fc3,f−Fc4,f−Fc5,f−Fc6を直接作用させる構成
としてある。以下、この第2の制御力をそれぞれHc1〜H
c6として表わす。
また、本実施例では、それぞれアクチュエータ23〜28
に対応して設けられ、オペレータによりそれぞれ複数の
位置の1つに選択的に操作可能な6個の選択スイッチ要
素120a〜120fを含む選択装置120が設けられ、選択スイ
ッチ要素120a〜120fはそれぞれその選択された位置に応
じた内容の選択指令信号を電気信号Y1〜Y6として出力す
る。
コントローラ61Bは、第1の実施例と同様に入力部
と、記憶部と、演算部と、出力部とを備えている。コン
トローラ61Bの入力部には差圧検出器59から出力された
電気信号X1と、選択装置120から出力された電気信号Y1
〜Y6とが入力され、コントローラ61Bの演算部では、電
気信号X1及びY1〜Y6から記憶部に記憶した関数データと
制御プログラムにしたがって制御力Hc1〜Fc6の値を求め
る演算が行われ、出力部より該制御力の値が電気信号a
〜fとして出力される。
コントローラ61Bの演算部で行われる演算の内容を機
能ブロック図で第18図に示す。図中、ブロック80B〜85B
は、分流補償弁35B〜40Bに対応して設けられ、差圧ΔP
LSと制御力Hc1〜Hc6との複数の関数関係を含む関数デー
タを予め記憶した関数ブロックである。関数ブロック80
B〜85Bにおいては、電気信号Y1〜Y6に基づき選択指令信
号の内容に応じた1つの関数関係がそれぞれ選択され、
更にこれら選択された関数関係からそのときの電気信号
X1に基づく差圧ΔPLSに対応する制御力の値Hc1〜Hc6が
それぞれ演算される。このようにして関数ブロック80B
〜85Bで求めた制御力の値Hc1〜Hc6は、それぞれ遅延ブ
ロック90〜95で一次遅れ要素のフィルタをかけられた
後、電気信号a〜fとして出力される。
関数ブロック80Bに記憶した差圧ΔPLSと制御力Fc1〜
Fc6の複数の関数関係を第19図に示す。図中、実線Soは
第1の実施例で説明した基本関数の特性に相当するもの
で、主ポンプ22の吐出圧力とアクチュエータ23〜28の最
大負荷圧力との差圧ΔPLSが増加するに従って制御力Hc
1を次第に増加させる関数関係となっている。この関数
関係Soは分流補償弁35Bの開弁方向の第2の制御力を補
正する必要のない、旋回体100の単独操作を含む旋回モ
ータ23の通常の駆動に際して使用される。
破線So+1,So+2は、差圧ΔPLSが増加するに従って
制御力Hc1を関数Soよりも大きな勾配で次第に増加させ
る関数関係を示すもので、破線So−1,So−2は差圧ΔP
LSが増加するにしたがって制御力Hc1を関数Soよりも小
さいな勾配で次第に増加させる関数を示すものである。
即ち、破線So+1,So+2は基本関数の特性線Soよりも
勾配が大きく、分流補償弁35Bの開弁方向の第2の制御
力Hc1を基本関数による場合よりも大きくし、流量制御
弁29の前後差圧を主ポンプ22とアクチュエータ23〜28の
最大負荷圧力との差圧ΔPLSよりも大きくする関数関係
となっている。この関数関係は、旋回モータ23が低負荷
圧力側となる複合操作において旋回モータ23に供給され
る流量を通常の場合よりも多くしたい場合に使用する。
破線So+1,So−2は、弁流補償弁35Bの開弁方向の第
2の制御力を基本関数による場合よりも小さくし、流量
制御弁29の前後差圧を差圧ΔPLSよりも小さくする関数
関係であり、旋回モータ23が低負荷圧力側となる複合操
作において旋回モータ23に供給される流量を通常の場合
よりも少なくしたい場合に使用する。
なお、ΔPLSOは、第1の実施例の場合と同様、ロー
ドセンシング制御方式の吐出量制御装置41により保持さ
れる主ポンプ22の吐出圧力と最大負荷圧力との差圧、即
ち制御弁53のばね54で設定されるロードセンシング補償
差圧である。
他の関数ブロック81B〜85Bにおいても、関数ブロック
80Bと実質的に同様に複数の関数関係が記憶されてい
る。なお、各関数ブロック80B〜85Bで記憶した複数の関
数関係の数及び種類は、複合操作時の作業の種類及び内
容に応じて関連するアクチュエータ23〜28に最適の動作
特性が与えられるよう定められる。
コントローラ61Bから出力された電気信号a〜fは第
1の実施例と同様に複数の電磁比例減圧弁62a〜62fに入
力される。電磁比例減圧弁62a〜62fはこの電気信号a〜
fによりそれぞれ駆動され、それに対応した制御圧力Pc
1〜Pc6を出力する。これら制御圧力Pc1〜Pc6は、それぞ
れ分流補償弁35B〜40Bの駆動部35d〜40dに導かれ、これ
により分流補償弁35B〜40Bにはコントローラ61Bで演算
された制御力Hc1〜Hc6が付与され、分流補償弁はこれに
応じてそれぞれ流量制御弁29〜34の前後差圧ΔPv1〜ΔP
v6を制御する。
次に、以上のように構成された本実施例の動作を説明
する。
例えば土砂積み込み作業を意図して旋回とブーム上げ
の複合操作を行なう場合、オペレータはその作業内容に
適した関数関係を選択すべく操作装置120の対応する選
択スイッチ要素120a,120dを操作し、それに対応する選
択指示信号即ち電気信号Y1,Y4を出力する。コントロー
ラ61Bにおいては、この電気信号Y1,Y4に基づき、旋回モ
ータ23に対応する分流補償弁35Bに対しては、関数ブロ
ック80Bに記憶された複数の関数関係から例えば第19図
の破線So−2に相当する関数関係を選択し、ブームシリ
ンダ26に対応する分流補償弁38Bに対しては、関数ブロ
ック83Bに記憶された複数の関数関係から例えば第19図
の破線So+2に相当する関数関係を選択する。
第20図に、関数ブロック80B,83Bで選択された関数関
係をまとめて示す。図中、121は基本関数Soに相当する
特性線であり、122が旋回モータ23に対応する関数ブロ
ック80Bで選択された破線So−2の関数関係に相当する
特性線であり、123がブームシリンダ26に対応する関数
ブロック83Bで選択された破線So+2の関数関係に相当
する特性線である。
更に、関数ブロック80B,83Bにおいては選択された関
数関係122,123から差圧ΔPLSに基づく制御力H1,H4がそ
れぞれ求められ、これに対応する電気信号a,dが電磁比
例減圧弁62a,62bに出力される。
これにより、電磁比例減圧弁62dは、差圧ΔPLSに基
づく制御力Hoに相当する制御圧力よりも大きな制御圧力
Pc4を出力し、一方、電磁比例減圧弁62aは制御力Hoに相
当する制御圧力よりも小さな制御圧力Pc1を出力し、こ
れら制御圧力Pc1,Pc4が分流補償弁35B,38Bの駆動部35d,
38dにそれぞれ導かれる。この場合、分流補償弁38Bの駆
動部38dは通常の制御力Hoよりも大きい制御力H4を付与
することから、分流補償弁38Bはその絞り量が強制的に
小さくなるように制御され、従って流量制御弁32には通
常時よりも大きな流量が供給され、また、分流補償弁35
Bの駆動部35dは通常の制御力Hoよりも小さい制御力H1を
付与することから、分流補償弁35Bはその絞り量が強制
的に大きくなるように制御され、従って流量制御弁29に
は通常時よりも小さな流量が供給される。
第21図及び第22図はこのときの流量特性を示すもの
で、第21図は、ブーム用の流量制御弁32の前後差圧ΔPv
4と供給流量Q4との関係を示し、第22図は旋回用の流量
制御弁29の前後差圧ΔPv1と供給流量Q1との関係を示し
ている。ここで、基本関数の特性線121に対する特性線1
23の勾配の比率をαとすると、ブーム用の流量制御弁32
の側では、通常時である差圧ΔPLSによる制御の場合
は、第21図の特性線124Aに示すように比較的小さい流量
Q4Aであったものを、この土砂積み込み作業に際して
は、補正差圧α・ΔPLSに応じて第21図の特性線124Bで
示すように、流量Q4Aよりも大きい流量Q4Bを供給でき
る。また、基本関数の特性線121に対する特性線122の勾
配の比率をβとすると、旋回用の流量制御弁29の側で
は、通常時である差圧ΔPLSによる制御の場合は、第22
図の特性線125Aに示すように比較的大きい流量Q1Aであ
ったものを、この土砂積み込み作業に際しては補正差圧
β・ΔPLSに応じて第22図の特性線125Bに示すように、
流量Q1Aよりも小さい流量Q1Bを供給できる。
即ち、土砂積み込み作業時は、通常の制御時に比べて
ブームシリンダ26に比較的大きな流量を供給でき、旋回
モータ23に比較的小さな流量を供給でき、このため、ブ
ームシリンダ26及び旋回モータ23にこの土砂積み込み作
業に応じた最適の流量を分配でき、これによって、旋回
モータ23側においてリリーフする流量を少なくし、また
ブームシリンダ26側の分流補償弁38Bの絞り量を小さく
して、この分流補償弁38Bを通過する圧油のエネルギが
熱に変えられることを抑制でき、これらによりエネルギ
損失を小さくすることができる。また、ブーム側に比較
的大きな流量を供給できるので、ブームの上昇量を十分
に確保でき、優れた作業性を提供する。
次に、通常の掘削作業に比べて作業能率の向上を目的
とした掘削作業、即ち特別掘削作業を意図して、アーム
のバケットの複合操作を行なう場合、オペレータはその
作業内容に適した関数関係を選択すべく操作装置120の
対応する選択スイッチ要素120e,120fを操作し、それに
対応する選択指示信号即ち電気信号Y5,Y6を出力する。
コントローラ61Bにおいては、この電気信号Y5,Y6に基づ
き、アームシリンダ27に対応する分流補償弁39Bに対し
ては、関数ブロック84Bに記憶された複数の関数関係か
ら例えば第19図の破線So−1に相当する関数関係を選択
し、バケットシリンダ28に対応する分流補償弁40Bに対
しては、関数ブロック85Bに記憶された複数の関数関係
から例えば第19図の破線So+1に相当する関数関係を選
択する。
第23図に、関数ブロック84B,85Bで選択された関数関
係をまとめて示す。図中、121は基本関数Soに相当する
特性線であり、126がアームシリンダ27に対応する関数
ブロック84Bで選択された、破線So−1の関数関係に相
当する特性線であり、127がバケットシリンダ28に対応
する関数ブロック85Bで選択された破線So+1の関数関
係に相当する特性線である。
更に、関数ブロック84B,85Bにおいては選択された関
数関係126,127から差圧ΔPLSに基づく制御力H5,H6がそ
れぞれ求められ、これに対応する電気信号e,fが電磁比
例減圧弁62e,62fに出力される。
これにより、電磁比例減圧弁62eは、差圧ΔPLSに基
づく制御力Hoに相当する制御圧力よりも小さな制御圧力
Pc5を出力し、一方、電磁比例減圧弁62fは制御力Hoに相
当する制御圧力よりも大きな制御圧力Pc6を出力し、こ
れら制御圧力Pc5,Pc6が分流補償弁39B,40Bの駆動部39d,
40dにそれぞれ導かれる。この場合、分流補償弁39Bの駆
動部39dは通常の制御力Hoよりも小さい制御力H5を付与
することから、分流補償弁39Bはその絞り量が強制的に
大きくなるように制御され、従って流量制御弁33には通
常時よりも小さな流量が供給され、また、分流補償弁40
Bの駆動部40dは通常の制御力Hoよりも大きな制御力H5を
付与することから、分流補償弁40Bはその絞り量が強制
的に小さくなるように制御され、従って流量制御弁34に
は通常時よりも大きな流量が供給される。
これにより、アームとバケットの複合操作に際して、
アームシリンダ27の駆動速度を比較的遅くし、バケット
シリンダ28の駆動速度を比較的速くして、通常の掘削よ
りも作業能率の点で良好と考えられる特別掘削作業を実
現できる。
次に、同じアームとバケットの複合作業でも、たとえ
ば地面等を平坦にならす整形作業を意図したアームとバ
ケットの複合操作を行なう場合には、オペレータはその
作業内容に適した関数関係を選択すべく操作装置120の
対応する選択スイッチ要素120e,120fを操作し、それに
対応する選択指示信号即ち電気信号Y5,Y6を出力する。
コントローラ61Bにおいては、この電気信号Y5,Y6に基づ
き、アームシリンダ27に対応する分流補償弁39Bに対し
ては、関数ブロック84Bに記憶された複数の関数関係か
ら例えば第19図の破線So+1に相当する関数関係を選択
し、バケットシリンダ28に対応する分流補償弁40Bに対
しては、関数ブロック85Bに記憶された複数の関数関係
から例えば第19図の破線So−1に相当する関数関係を選
択する。
第24図に、関数ブロック84B,85Bで選択された関数関
係をまとめて示す。図中、121は基本関数Soに相当する
特性線であり、128がアームシリンダ27に対応する関数
ブロック84Bで選択された、破線So+1の関数関係に相
当する特性線であり、129がバケットシリンダ28に対応
する関数ブロック85Bで選択された破線So−1の関数関
係に相当する特性線である。
関数ブロック84B,85Bにおいては、更に、選択された
関数関係128,129から差圧ΔPLSに基づく制御力H′5,
H′6がそれぞれ求められ、これに対応する電気信号e,f
が電磁比例減圧弁62e,62fに出力される。
これにより、電磁比例減圧弁62eは、差圧ΔPLSに基
づく制御力Hoに相当する制御圧力よりも大きな制御圧力
Pc5を出力し、一方、電磁比例減圧弁62fは制御力Hoに相
当する制御圧力よりも小さな制御圧力Pc6を出力し、こ
れら制御圧力Pc5,Pc6が分流補償弁39B,40Bの駆動部39d,
40dにそれぞれ導かれる。この場合、分流補償弁39Bの駆
動部39dは通常の制御力Hoよりも大きな制御力H′5を
付与することから、分流補償弁39Bはその絞り量が強制
的に小さくなるように制御され、従って流量制御弁33に
は通常時よりも大きな流量が供給され、また、分流補償
弁40Bの駆動部40dは通常の制御力Hoよりも小さな制御力
H′6を付与することから、分流補償弁40Bはその絞り
量が強制的に大きくなるように制御され、従って流量制
御弁34には通常時よりも小さな流量が供給される。
これにより、アームとバケットの複合操作に際して、
アームシリンダ27の駆動速度を比較的速くする一方、バ
ケットシリンダ28の駆動速度を比較的遅くして、作業能
率の良好な地ならし、即ち整形作業を実現できる。
第3の実施例の変形例 上述した第3の実施例の変形例を第25図により説明す
る。図中、第18図に示した要素と同等の要素には同じ符
号を付している。
本実施例では、前述した選択装置120に代えて、それ
ぞれ作業モードに対応して設けられ、オペレータにより
選択的に操作可能な、例えば5個の選択スイッチ要素13
0a〜130eを含む選択装置130が設けられている。選択ス
イッチ要素103a〜130eは、それぞれその操作に応じて、
対応する作業モードに応じた選択指令信号を電気信号Za
〜Zeとして出力するものであるが、一時にはそのうちの
1つのみが操作される構成とされ、選択装置130から
は、その操作された選択スイッチ要素に対応し、電気信
号Za〜Zeの1つが出力される。
コントローラ61Cは、第1の実施例と同様に入力部
と、記憶部と、演算部と、出力部とを備えている。コン
トローラ61Cの入力部には差圧検出器59から出力された
電気信号X1と、選択装置130から出力された電気信号Za
〜Zeの1つが入力され、コントローラ61Cの演算部で
は、関数選択指示ブロック131において、入力された電
気信号に応じて関数ブロック80B〜85Bの選択と、選択さ
れた関数ブロックに記憶された複数の関数関係の選択を
行ない、それに対応する選択指令信号Z1〜Z6を出力す
る。関数ブロック80B〜85Bにおいては、電気信号X1及び
選択指令信号Z1〜Z6から記憶部に記憶した関数データと
制御プログラムにしたがって制御力Hc1〜Fc6の値を求め
る演算が行われ、出力部より該制御力の値が電気信号a
〜fとして出力される。
このように構成した本実施例においては、例えば旋回
とブーム上げの複合操作による土砂積み込み作業を意図
して選択装置130の選択スイッチ要素130a〜130eの1
つ、例えば選択スイッチ要素130aを操作した場合、選択
装置130からは電気信号Zaが出力される。コントローラ6
1Cの関数選択指示ブロック131においては、電気信号Za
に基づき関数ブロック80B,83Bを選択すると共に、関数
ブロック80Bに対しては更に、複数の関数関係のうち前
述した第19図に示した破線So−2の関数を選択し、関数
ブロック83Bに対しては更に、複数の関数関係のうち第1
9図の破線So+2の関数を選択する演算を行ない、これ
に対応する選択指令信号Z1,Z4を出力する。なお、他の
関数ブロック81B,82B,84B,85Bに対しては、それぞれ第1
9図の基本関数Soを選択し、これに対応する選択指令信
号Z2,Z3,Z5,Z6を出力する。
これにより、関数ブロック80B,83Bにおいては、選択
指令信号Z1,Z4の指示する関数関係が選択され、上述の
実施例と同様、土砂積み込み作業時は、通常の制御時に
比べてブームシリンダ26に比較的大きな流量を供給で
き、旋回モータ23に比較的小さな流量を供給でき、この
ため、ブームシリンダ26及び旋回モータ23にこの土砂積
み込み作業に応じた最適の流量を分配でき、作業性を向
上できる。
また、通常の掘削作業に比べて作業能率の向上を目的
としたアームとバケットの掘削作業を意図して選択装置
130の選択スイッチ要素130a〜130eの1つ、例えば選択
スイッチ要素130bを操作した場合、選択装置130からは
電気信号Zbが出力される。コントローラ61Cの関数選択
指示ブロック131においては、電気信号Zbに基づき関数
ブロック84B,85Bを選択すると共に、関数ブロック84Bに
対しては更に、複数の関数関係のうち前述した第19図に
示す破線So−1の関数を選択し、関数ブロック85Bに対
しては更に、複数の関数関係のうち第19図の破線So+1
の関数を選択する演算を行ない、これに対応する選択指
令信号Z5,Z6を出力する。
これにより、関数ブロック84B,85Bにおいては、選択
指令信号Z5,Z6の指示する関数関係が選択され、上述の
実施例と同様、アームとバケットの複合操作に際して、
アームシリンダ27の駆動速度を比較的遅くし、バケット
シリンダ28の駆動速度を比較的遅くして、通常の掘削よ
りも作業能率の点で良好と考えられる特別掘削作業を実
現できる。
更に、たとえばアームとバケットの複合操作により地
面等を平坦にならす整形作業を意図して選択装置130の
選択スイッチ要素130a〜130eの1つ、例えば選択スイッ
チ要素130cを操作した場合、選択装置130からは電気信
号Zcが出力される。コントローラ61Cの関数選択指示ブ
ロック131においては、電気信号Zcに基づき関数ブロッ
ク84B,85Bを選択すると共に、関数ブロック84Bに対して
は更に、複数の関数関係のうち前述した第19図に示す破
線So+1の関数を選択し、関数ブロック85Bに対しては
更に、複数の関数関係のうち第19図の破線So−1の関数
を選択する演算を行ない、これに対応する選択指令信号
Z5,Z6を出力する。
これにより、関数ブロック84B,85Bにおいては、選択
指令信号Z5,Z6の指示する関数関係が選択され、上述の
実施例と同様、アームシリンダ27の駆動速度を比較的速
くする一方、バケットシリンダ28の駆動速度を比較的遅
くして、作業能率の良好な整形作業を実現できる。
なお、上記実施例では、選択装置130の選択スイッチ
要素130をそれぞれその操作に対応して単一の選択指令
信号Za〜Zeを出力する構成としたが、それぞれ複数段階
に操作可能とし、同じ作業モードでも複数のアクチュエ
ータ23〜28の速度比の異なる作業モードを指示できる構
成とし、関数選択指示ブロック131ではこの選択指令信
号に応じて、関連する関数ブロックの異なる関数関係を
選択して分流補償弁の設定を変えることができ、これに
より作業場面に応じ複合操作のマッチングの設定を変
え、作業性及び作業能率を一層向上することができる。
制御圧力発生回路の他の実施例 以上の実施例は、制御圧力発生回路において、コント
ローラからの電気信号a〜fに応じて制御圧力Pc1〜Pc6
を出力する制御圧力発生手段として電磁比例減圧弁62a
〜62fを採用する構成としたが、制御圧力発生手段とし
て他の構成を採用することもできる。本実施例はこの点
の可能性を示すものである。
即ち、本実施例においては、制御圧力発生回路140
は、パイロットポンプ63とタンクとの間に介設され、相
互にパラレルに接続された電磁可変リリーフ弁141a〜14
1fと、この電磁可変リリーフ弁141a〜141fとパイロット
ポンプ63との間にそれぞれ介設された絞り弁142a〜142f
とを有し、電磁可変リリーフ弁141a〜141fには例えば第
1図に示すコントローラ61からの電気信号a〜fが供給
され、電磁可変リリーフ弁141a〜141fはその電気信号に
応じて作動すると共に、絞り弁142a〜142fと電磁可変リ
リーフ弁141a〜141fとの間のパイロットライン143a〜14
3fがパイロットライン51a〜51fを介して例えば第1図に
示す分流補償弁35〜40の駆動部35c〜40cに連絡する構成
となっている。
このように構成した制御圧力発生回路140において
も、コントローラから出力される電気信号a〜fに応じ
て電磁可変リリーフ弁141a〜141fが個別に駆動され、そ
の絞り量が決められ、パイロットポンプ63から出力され
るパイロット圧力の大きさを適宜変更し、電気信号a〜
fに応じたレベルの制御圧力Pc1〜Pc6としてパイロット
ライン143a〜143f及び51a〜51fを介して、例えば第1図
に示す分流補償弁35〜40の駆動部35c〜40cに供給し、前
述した電磁比例減圧弁と同等の機能を得ることができ
る。
第4の実施例 本発明の第4の実施例を第27〜32図により説明する。
第27図において、本実施例の油圧ショベルに適用され
た油圧駆動装置は、図示しない原動機によって駆動され
る1つの可変容量型の油圧ポンプ、即ち主ポンプ200
と、主ポンプ200から吐出される圧油によって駆動され
る複数のアクチュエータ、即ち旋回モータ201及びブー
ムシリンダ202と、これら複数のアクチュエータのそれ
ぞれに供給される圧油の流れを制御する流量制御弁、即
ち旋回用方向切換弁203及びブーム用方向切換弁204と、
これら流量制御弁に対応してその上流に配置され、流量
制御弁の入口と出口の間に生じる差圧、即ち流量制御弁
の前後差圧をそれぞれ制御する圧力補償弁、即ち分流補
償弁205,206とを備えている。
また、主ポンプ200の吐出管路207には図示しないリリ
ーフ弁及びアンロード弁が接続され、リリーフ弁によ
り、主ポンプ200からの圧油がリリーフ弁の設定圧力に
達するとタンク208に流出させ、ポンプ吐出圧力が当該
設定圧力以上の高圧になることが防止され、アンロード
弁により、主ポンプ200からの圧油が、旋回モータ201と
ブームシリンダ202の高圧側の負荷圧力(以下、これを
最大負荷圧力Pamaxと言う)にアンロード弁の設定圧力
を加算した圧力に到達するとタンク208に流出させ、当
該圧力以上になるのが防止される。
主ポンプ200の吐出量は、吐出量制御装置209により、
吐出圧力Psが最大負荷圧力Pamaxより所定量ΔPLSOだけ
高くなるように制御され、ロードセンシング制御が行わ
れる。
流量制御弁203,204はそれぞれパイロット弁210,211に
より操作される油圧パイロット式の弁であり、パイロッ
ト弁210,211は操作レバーの手動操作によりパイロット
圧力a1又はa2及びパイロット弁b1又はb2を発生し、流量
制御弁203,204にはこのパイロット圧力a1又はa2及びパ
イロット圧力b1又はb2が加わり、流量制御弁203,204は
それぞれそれに応じた絞り量に開かれる。
分流補償弁205,206は第1図に示す第1の実施例にお
ける分流補償弁と同じ型の弁である。即ち、それぞれ流
量制御弁203,204の出口圧力及び入口圧力が導かれ、前
後差圧に基づく第1の制御力を閉弁方向に付与する駆動
部205a,205b及び206a,206bと、ばね212,213と、パイロ
ットライン214,215を介して電磁比例減圧弁216,217から
出力された制御圧力が導かれる駆動部205c,206cとを有
し、ばね212,213と駆動部205c,206cとにより前後差圧の
目標値となる開弁方向の第2の制御力が付与される。
吐出量制御装置209、パイロット弁210,211及び電磁比
例減圧弁216,217には共通のパイロットポンプ220からパ
イロット圧力が供給される。流量制御弁203,204には、
それぞれ、旋回モータ201及びブームシリンダ202の最大
負荷圧力を導出するためのシャトル弁222が接続されて
いる。
そして、本実施例の油圧駆動装置は、更に、主ポンプ
200の押しのけ容積に対応した変位を検出し、主ポンプ2
00の吐出量Qθを検出する変位検出器223と、主ポンプ2
00の吐出圧力Psを検出する吐出圧力検出器224と、主ポ
ンプ200の吐出圧力Psと旋回モータ201及びブームシリン
ダ204の最大負荷圧力Pamaxとを導入し、両者の差圧ΔP
LSを検出する差圧検出器225と、変位検出器223、吐出圧
力検出器224及び差圧検出器225からの検出信号を入力
し、吐出量制御装置209及び電磁比例減圧弁216,217に操
作指令信号S11,S12及びS21,S22を出力するコントローラ
229とを有している。
吐出量制御装置209の構成を第28図に示す。本実施例
は、吐出量制御装置209を電気−油圧サーボ式油圧駆動
装置として構成した例である。
吐出量制御装置209は、主ポンプ200の押しのけ容積可
変機構200aを駆動するサーボピストン230を有し、サー
ボピストン230はサーボシリンダ231内に収納されてい
る。サーボシリンダ231のシリンダ室はサーボピストン2
30によって左側室232及び右側室233に区分されており、
左側室232の断面積Dは右側室233の断面積dよりも大き
く形成されている。
サーボシリンダ231の左側室232はライン234,235を介
してパイロットパンプ218に連絡され、右側室233はライ
ン235を介してパイロットポンプ218に連絡されており、
ライン234,235は戻りライン236を介してタンク208に連
絡されている。ライン235には電磁弁237が介設され、戻
りライン236には電磁弁238が介設されている。これらの
電磁弁237,238はノーマルクローズ(非通電時、閉止状
態に復帰する機能)の電磁弁であって、これにコントロ
ーラ229からの操作指令信号S11,S12が入力され、電磁弁
237,238はこれにより励磁され、それぞれ開位置に切換
えられる。
電磁弁237に操作指令信号S11が入力され、開位置に切
り換わると、サーボシリンダ231の左側室232がパイロッ
トポンプ218と連通し、右側室232と右側室233の面積差
によってサーボピストン230が図示右方に移動する。こ
れにより主ポンプ200の押しのけ容積可変機構200aの傾
転角、即ち押しのけ容積が増大し、吐出量が増大する。
操作指令信号S11が消滅すると、電磁弁237は元の閉位置
に復帰し、左側室232と右側室233との連絡が遮断され、
サーボピストン230はその位置にて静止状態に保持され
る。これにより主ポンプ200の押しのけ容積が一定に保
持され、吐出量が一定となる。電磁弁238に操作指令信
号S12が入力され、開位置に切り換わると、左側室232と
タンク208とが連通して左側室232の圧力が低下し、サー
ボピストン230は右側室233の圧力により、図示左方に移
動される。これにより主ポンプ200の押しのけ容積が減
少し、吐出量も減少する。
このように電磁弁237,238を操作指令信号S11,S12によ
りオンオフ制御し、主ポンプ200の押しのけ容積を制御
することにより、主ポンプ200の吐出量がコントローラ2
29で演算された目標吐出量Qoに等しくなるように制御さ
れる。
コントローラ229は、第1の実施例と同様、入力部
と、記憶部と、演算部と、出力部を有している。
コントローラ229の演算部で行われる演算の内容を機
能ブロック図で第29図に示す。
第29図において、ブロック240,241,242は、差圧計43
により検出された差圧ΔPLSからその差圧をロードセン
シング補償差圧即ち目標差圧ΔPLSOに保持する差圧目
標吐出量QΔp求めるブロックである。本実施例では、
差圧目標吐出量QΔpは以下の式に基づいて求められ
る。
QΔp=g(ΔPLS) =ΣKI(ΔPLSO−ΔPLS) =KI(ΔPLSO−ΔPLS)+Qo−1 =ΔQΔp+Qo−1 …(1) ただしKI:積分ゲイン ΔPLSO:目標差圧 Qo−1:前回の制御サイクルで出力された吐出量目標値 ΔQΔp:制御1サイクルタイムの差圧目標吐出量の増分 即ち、差圧目標吐出量QΔpが目標差圧ΔPLSOと実
際の差圧との偏差の積分制御方式で演算される例であ
り、ブロック240,241は差圧ΔPLSからKI(ΔPLSO−Δ
PLS)を演算し、制御1サイクルタイム当りの差圧目標
吐出量の増分ΔQΔp求めるものであり、ブロック242
ではそのΔQΔpと前回の制御サイクルで出力された吐
出量目標値Qo−1とを加算して(1)式を得る。
この実施例ではQΔpは積分制御方式で求めたが、こ
れとは異なる方式、例えば QΔp=Kp(ΔPLSO−ΔPLS) …(2) ただしKpは比例ゲイン で表わされる比例制御方式、あるいは(1)式と(2)
式を加算した比例・積分制御方式で求めてもよい。
ブロック243は、圧力検出器224により検出された主ポ
ンプ200の吐出圧力Psと予め記憶されている入力トルク
制限関数f(Ps)とから入力制限目標吐出量QTを決定
する関数ブロックである。第30図にその入力トルク制限
関数f(Ps)を示す。主ポンプ200の入力トルクは主ポ
ンプ200の押しのけ容積、即ち斜板の傾転量と吐出圧力P
sの積に比例する。従って入力トルク制限関数f(Ps)
は双曲線または近似双曲線を用いる。即ち ただしTP:入力制限トルク κ:比例定数 の式で表わされるような関数である。この入力トルク制
限関数f(Ps)と吐出圧力Psとから入力制限目標吐出量
QTを決定することができる。
以上のようにして求められた差圧目標吐出量QΔpと
入力制限目標吐出量QTは最小値選択ブロック204にてそ
の大小が判定され、QΔp≦QTの場合には吐出量目標
値QoとしてQΔpを選択し、QΔp>QTの場合には選
択QTを選択する。即ち、差圧目標吐出量QΔpと入力
制限目標吐出量QTの小さい方が吐出量目標値Qoとして
選択され、吐出量目標値Qoが入力トルク制限関数(Ps)
によって決まる入力制限目標吐出量QTを越えないよう
にする。
ブロック255,256,257ではブロック244で求めた吐出量
目標値Qoと変位検出器223で検出された吐出量Qθとか
ら吐出量制御装置209の電磁弁237,238に対する操作指令
信号S11,S12を作成する。
具体的には、まずブロック255において、Z=Qo−Q
θを演算し、吐出量目標値Qoと検出された吐出量Qθと
の偏差Zを求める。次いで、ブロック256,257におい
て、偏差Zの正負に応じて偏差Zが予め設定された不感
帯Δを越えたときに操作指令信号S11又はS12が生成され
る。即ち、偏差Zが正で不感帯Δ以上になるとブロック
256にて操作指令信号S11が生成され、吐出量制御装置20
9の電磁弁237をONとする。これにより前述したように、
主ポンプ200の傾転角が増大し、吐出量Qθが吐出量目
標値Qoに一致するよう制御される。偏差Zが負で不感帯
Δ以下になるとブロック257にて操作指令信号S12が生成
され、電磁弁237をOFFとし、電磁弁238をONにする。こ
れにより主ポンプ200の傾転角が減少し、検出された吐
出量Qθが吐出量目標値Qoに一致するよう制御される。
このように主ポンプ200の傾転角を制御することによ
り、差圧目標吐出量QΔpが入力制限目標吐出量QTよ
り小さいときには、主ポンプ200の吐出量は差圧目標吐
出量QΔpとなるよう制御され、主ポンプ200の吐出圧
力と最大負荷圧力との差圧ΔPLSが目標差圧ΔPLSOに
保持される。即ち、差圧ΔPLSを一定に保持するロード
センシング制御がなされる。一方、差圧目標吐出量QΔ
pが入力制限目標吐出量QTより大きくなると、吐出量
目標値Qoとして入力制限目標吐出量QTが選択され、吐
出量は入力制限目標吐出量QTを越えないように制御さ
れる。即ち、主ポンプ200の入力制限制御がなされる。
一方、差圧目標吐出量QΔpと入力制限目標吐出量Q
Tはブロック258で偏差がとられ、目標吐出量偏差ΔQを
求める。
次いで、ブロック259,260,261においてブロック258で
求めた目標吐出量偏差ΔQから分流補償弁205,206(第2
7図参照)の総消費可能流量補正制御のための基本値、
即ち基本補正量Qnsを演算する。総消費可能流量補正制
御については後述する。本実施例では、基本補正値Qns
は以下の式に基づく積分制御方式によって求める。
Qns=h(ΔQ)=ΣKIns・ΔQ =KIns・ΔQ+Qns−1 =ΔQns+Qns−1 …(4) ただしKIns:積分ゲイン Qns−1:前回の制御サイクルで出力した基本補正値 ΔQns:制御1サイクルタイムの基本補正値の増分 即ち、ブロック259において、ブロック258で求めた目
標吐出量偏差ΔQから、制御1サイクルタイム当りの基
本補正値の増分ΔQnsをKIns・ΔQにより求める。そし
て加算ブロック260でこの値を前回の制御サイクルで出
力した基本補正値Qns−1と加算して中間値Q′nsを求
め、第31図に示すリミッタ関数を持つブロック261で
Q′ns<0のときはQns=0とし、Q′ns≧0のときに
は、Q′ns<Q′nscのときにはQ′nsの増加に比例し
て増加する基本補正値Qnsを出力し、Q′ns≧Q′nscの
ときはQns=Qnsmaxとなるように基本補正値Qnsを決定す
る。ここでQnsmax及びQ′nscは主ポンプ200の斜板最大
傾転角即ち吐出容量によって定まる値である。
ブロック261で求めた基本補正値Qnsは更にアクチュエ
ータ201,202毎に設けた関数ブロック262,263において修
正され、異なる操作指令信号S21,S22を得る。
関数ブロック262,263に記憶された基本補正値Qnsと操
作指令信号S21,S22との関係を第32図に示す。図中、264
は操作指令信号S21に対する特性であり、265は操作指令
信号S22に対する特性である。また、266は基本補正値Qn
sを変更しない特性である。即ち、操作指令信号S21は基
本補正値Qnsよりも大きい値に修正され、操作指令信号S
22は基本補正値Qnsよりも小さい値に修正される。
ブロック262,263で求めた操作指令信号S21,S22は第27
図に示す電磁比例減圧弁216,217に出力され、電磁比例
減圧弁216,217はこの信号により駆動され、対応したレ
ベルの制御圧力を発生し、これを分流補償弁205,206の
駆動部205c,206cに出力する。これにより、分流補償弁2
05,206に付与される前述した開弁方向の第2の制御力
は、基本補正値Qnsが指令信号として出力した場合に比
べて分流補償弁205において小さくなり、分流補償弁206
において大きくなるように補正され、これに対応して分
流補償弁205,206による分流比率が補正される。
次に、このように構成された本実施例の動作を説明す
る。
例えば、ブーム用のパイロット弁211を微操作して流
量制御弁204を駆動し、ブームの単独操作を行う場合、
要求流量は少ないので、コントローラ229においては差
圧目標吐出量QΔpは入力制限目標吐出量QTよりも小
さい値が演算され、吐出量目標値Qoとして差圧目標吐出
量QΔpが選択される。このため、主ポンプ200の吐出
圧力と最大負荷圧力との差圧ΔPLSが目標差圧ΔPLSO
に保持されるロードセンシング制御が行われる。一方、
基本補正値Qnsは零が演算され、分流補償弁205,206はば
ね212,213の力のみにより開弁方向の第2の制御力が付
与され、ブームシリンダ202には流量制御弁204の開度に
応じた流量が供給される。
パイロット弁210,211を同時に操作して、例えば旋回
とブーム上げの複合操作を行なう場合、要求流量が大き
くかつ旋回モータ201の負荷圧力が高いので、コントロ
ーラ229においては差圧目標吐出量QΔpは入力制限目
標吐出量QTよりも大きな値が演算され、入力制限目標
吐出量QTが吐出量目標値Qoとして選択される。このた
め、主ポンプ200の吐出量は入力制限目標吐出量QTを越
えないように制御される。即ち、主ポンプ200の入力制
限制御がなされる。このとき、同時に基本補正値Qnsが
演算される。この基本補正値Qnsをそのまま操作指令信
号として電磁比例減圧弁216,217に出力した場合には、
分流補償弁205,206の開弁方向の第2の制御力は同じ割
合で減少し、流量制御弁203,204の前後差圧の目標値を
同じ割合で減少させる。これにより流量制御弁203,204
に供給される流量は同じ割合で減少し、アクチュエータ
201,202で消費される圧油の総流量を両者の配分比を変
えずに減少させ、両アクチュエータ201,202の速度比を
維持することができる。これを本明細書では、総消費可
能流量補正制御と呼んでいる。
そして、本実施例では、この総消費可能流量補正制御
が行われるとき、基本補正値Qnsを更に修正して異なる
操作指令信号S21,S22を求め、これを電磁比例減圧弁21
6,217に出力する。このため、分流補償弁205,206に付与
される開弁方向の第2の制御力は、基本補正値Qnsが指
令信号として出力した場合に比べて分流補償弁205にお
いて小さくなり、分流補償弁206において大きくなるよ
う補正され、総消費可能流量補正制御を行いながら、更
に、旋回モータ201に供給される流量が少なくなり、ブ
ームシリンダ202に供給される流量が多くなるように分
流制御される。その結果、第1の実施例の場合と同様、
旋回とブーム上げの複合操作を確実に行えると共に、ブ
ーム上げ速度が速く、旋回が比較的緩やかになる複合操
作が実施され、複合操作性が向上する共に、エネルギの
有効利用を図ることができる。
以上のように、本実施例においても、旋回とブームの
複合操作において第1の実施例と実質的に同様な効果を
得ることができる。
第5の実施例 本発明の第5の実施例を第33図〜第38図により説明す
る。図中、前述した第27図に示す第4の実施例と同等の
部材には同じ符号を付してある。
第33図において、本実施例の油圧駆動装置は、基本的
には第27図に示す第4の実施例と同じ構成である。従っ
て、同じ構成の部分は説明を省略する。主ポンプ200の
吐出管路207には、主ポンプ200からの圧油がリリーフ設
定圧力に達するとタンクに流出させ、ポンプ吐出圧力が
当該設定圧力以上の高圧になることを防止するリリーフ
弁300、及び主ポンプ200からの圧油が、旋回モータ201
とブームシリンダ202の高圧側の負荷圧力(以下、これ
を最大負荷圧力Pamaxと言う)にアンロード設定圧力を
加算した圧力に到達するとタンクに流出させ、当該圧力
以上になるのが防止するアンロード弁301が接続されて
いる。
主ポンプ200の吐出量は、主ポンプ200の斜板を200aを
駆動し押しのけ容積を増減する駆動シリンダ302aと、駆
動シリンダ302aへの圧油の供給及び排出を制御し、駆動
シリンダの変位を調整する電磁制御弁302bとからなる吐
出量制御装置302により制御される。303は旋回モータ20
1の旋回リリーフ圧力を設定するリリーフ弁である。
パイロット弁210,211には、パイロット弁210,211から
パイロット圧力a1又はa2及びパイロット圧力b1又はb2が
出力されたことをそれぞれ検出するパイロット圧力検出
器304,305が設けられている。また、オペレータにより
操作され、主ポンプ200の吐出圧力の目標値を外部より
選択して設定する選択装置306が設けられている。
変位検出器223、吐出圧力検出器224、差圧検出器22
5、パイロット圧力検出器304,305及び選択装置306から
の検出信号はコントローラ307に入力され、ここで所定
の演算を行った後、吐出量制御装置302の電磁制御弁302
b及び電磁比例減圧弁216,217の駆動部216c,217cに操作
指令信号S1及びS21,S22を出力する。
コントローラ307で行われる演算の内容を機能ブロッ
ク図で第34図に示す。図中、ブロック310は差圧ΔPLS
から差圧ΔPLSを目標差圧ΔPLSOに保持する主ポンプ2
00の目標吐出量Qoを求める関数ブロックである。この関
数ブロック310に記憶した差圧ΔPLSと目標吐出量Qoと
の関数関係を第35図に示す。この関数関係は、差圧ΔP
LSの減少に比例して目標吐出量Qoが増大する関係となっ
ている。なお、目標吐出量Qoは、前述した第4の実施例
における第29図に示すブロック240〜242と同様に積分制
御方式により演算しても良い。
目標吐出量Qoは加算ブロック311において変位検出器2
23で検出された主ポンプ200の吐出量Qθとの偏差ΔQ
をとられ、その偏差ΔQを増幅出力ブロック312で操作
指令信号S1に変え、電磁制御弁302bに出力する。これに
より電磁制御弁302bが駆動され、吐出圧力Psがアクチュ
エータ201,202の最大負荷圧力Pamaxよりも一定値ΔPLS
Oだけ高くなるように主ポンプ200の吐出量が制御され
る。
ブロック313は、差圧ΔPLSから制御力信号i1を求め
る関数ブロックであり、この制御力信号i1は、主ポンプ
200が吐出量制御装置302によりロードセンシング制御さ
れ、このとき主ポンプ200の吐出量が最大となっても差
圧ΔPLSが目標差圧ΔPLSOにならないときに、分流補
償弁205,206の駆動部205c,206cが付与する制御力Nc1,N2
を増大させ、開弁方向の第2の制御力f−Nc1,Nc2を小
さくし、即ち流量制御弁203,204の前後差圧の目標値を
小さくし、各アクチュエータ201,202に供給される圧油
の流量の絶対量の増大は抑制されるものの、流量制御弁
203,204の開度比、即ち要求流量の比率に応じてポンプ
吐出量を配分するものである。関数ブロック313に記憶
した差圧ΔPLSと制御力信号i1との関数関係を第36図に
示す。この関数関係は、基本的には第1の実施例の第4
図Aに示す旋回用の関数関係と同じである。なお、制御
力信号i1は、分流補償弁206に対しては駆動部206aが付
与する制御力Nc2の第1の指令値として使用される。
ブロック314は、吐出圧力検出器224により検出された
主ポンプ200の吐出圧力Psから、比例制御方式により吐
出圧力Psを目標吐出圧力Psoに保持する制御力信号i2を
求める関数ブロックであり、制御力信号i2は、制御力Nc
2の第2の指令値を得るのに使用される。この関数ブロ
ック314は、目標吐出圧力Psoが選択装置306からの指令
信号rにより変更可能となるように構成されている。関
数ブロック314に記憶した吐出圧力Psと制御力信号i2と
指令信号rとの関数関係を第37図に示す。なお、第37図
において、指令信号rが最小値にあるときに設定される
関数関係の目標吐出圧力をPsoで示している。
ブロック315,316は、吐出圧力検出器224により検出さ
れた主ポンプ200の吐出圧力Psから、積分制御方式によ
り吐出圧力Psを目標吐出圧力Psoに保持する制御力信号i
3を求めるブロックであり、制御力信号i3は、制御力信
号i2と共に制御力Nc2の第2の指令値を得るのに使用さ
れる。ここで、ブロック315においては、吐出圧力Psか
ら予め記憶した関数関係に基づいて制御力信号i3の変化
率3を求め、この変化率3をブロック316で積分し
て制御力信号i3を求める。ブロック315はブロック314と
同様、目標吐出圧力Psoが選択装置306からの指令信号r
により変更可能となるように構成されている。関数ブロ
ック315に記憶した吐出圧力Psと制御力信号i3の変化率
3と指令信号rとの関数関係を第38図に示す。なお、
第38図においても、指令信号rが最小値にあるときに設
定される関数関係の目標吐出圧力をPsoで示している。
関数ブロック314で求めた制御力信号i2と積分ブロッ
ク316で求めた制御力信号i3は加算ブロック317で加算さ
れ、分流補償弁206の駆動部206aが付与する制御力Nc2の
第2の指令値が求められる。関数ブロック313で求めた
制御力Nc2の第1の指令値i1と加算ブロック317で求めた
制御力Nc2の第2の指令値i2+i3は最小値選択ブロック3
118において大小が判定され、その最小値が選択され
る。
一方、パイロット圧力検出器304,305からの検出信号
はANDブロック319に入力され、ANDブロック319はパイロ
ット圧力a1又はa2及びパイロット圧力b1又はb2の両方の
検出信号があるときにON信号をスイッチブロック320に
出力し、それ以外のときにOFF信号をスイッチブロック3
20に出力する。スイッチブロック320は、ANDブロック31
9からOFF信号が出力されているときには図示の位置に保
持され、関数ブロック313で求めた第1の指令値i1を選
択し、ANDブロック319からON信号が出力されると、ブロ
ック318で選択された最小値、即ち第1の指令値i1又は
第2の指令値i2+i3を選択する。これにより、パイロッ
ト弁210,211の一方が操作されたとき、即ち旋回又はブ
ームの単独操作のときには、第1の指令値i1が選択さ
れ、パイロット弁210,211の両方が操作されたとき、即
ち旋回とブームの複合操作のときには、第1の指令値i1
と第2の指令値i2+i3の最小値が選択される。
関数ブロック313で求めた、分流補償弁205に対する制
御力Nc1の指令値としての制御力信号i1は増幅ブロック3
21を経て操作指令信号S21となり、電磁比例減圧弁216に
出力される。また、スイッチブロック320で選択された
第1の指令値i1又は第2の指令値i2+i3は、増幅ブロッ
ク322を経て操作指令信号S22として電磁比例減圧弁217
に出力される。
次に、このように構成された本実施例の動作を説明す
る。
例えば、ブーム用のパイロット弁211を操作して流量
制御弁204を駆動し、ブームの単独操作を行う場合、主
ポンプ200の吐出圧力Psとブームシリンダ202の負荷圧力
との差圧ΔPLSが差圧検出器225により検出され、コン
トローラ307において関数ブロック310により対応する目
標吐出量Qoが演算され、前述したように操作指令信号S1
が吐出量制御装置302の電磁制御弁302bに出力され、差
圧ΔPLSが目標差圧ΔPLSOに一致するよう吐出量が制
御される。
またこのとき、関数ブロック313においては、差圧Δ
PLSに対応する制御力信号i1が分流補償弁206の制御力N
c2の第1の指令値として求められると共に、パイロット
弁211のみが操作されANDブロック320からはOFF信号が出
力されているので、スイッチブロック320において第1
の指令値i1が選択され、これが操作指令信号S22として
電磁比例減圧弁217に出力される。このため、分流補償
弁206にはばね213の力fに対向して制御力信号i1に相当
する制御力Nc2が作用し、分流補償弁206には開弁方向の
第2の制御力f−i1が付与される。ここで、差圧ΔPLS
が目標差圧ΔPLSOにあるときの制御力信号i1、即ちi1o
は、これに相当する制御力Nc2が第1の実施例で第4A図
を参照して説明したfoに一致するよう設定してあるの
で、分流補償弁206は流量制御弁204の前後差圧を予め規
定された所定の値に保持するので、ブームシリンダ202
には流量制御弁204の開度に応じた流量が供給される。
なお、このとき、同時に制御力信号i1に対応する操作指
令信号S21が電磁比例減圧弁216に出力され、分流補償弁
205も同様に所定の差圧を保持するように動作する。
旋回モータ201を駆動する旋回の単独操作に際して
も、分流補償弁205,206の動作は上述したブームの単独
操作の場合と実質的に同様である。
パイロット弁210,211を同時に操作して、例えば旋回
とブーム上げの複合操作を行なう場合、オペレータはま
ず選択装置306を操作して対応する指令信号rを出力
し、コントローラ307の関数ブロック314,315の特性を調
整する。即ち、主ポンプ200の目標吐出圧力Psoを旋回と
ブーム上げの複合操作に適した値に設定する。具体的に
は、この複合操作においては旋回モータ201が駆動する
旋回体が慣性負荷なので、旋回モータ201が高負荷圧力
側のアクチュエータとなり、その負荷圧力は通常はリリ
ーフ弁303により設定されるリリーフ圧力まで上昇す
る。このことから、目標吐出圧力Psoは、旋回モータ201
のリリーフ圧力にロードセンシング補償差圧ΔPLSOを
加算した圧力よりは低く、ブームシリンダ202の負荷圧
力に当該差圧ΔPLSOを加算した圧力よりは高くなるよ
うに設定する。
次いで、パイロット弁210,211を操作して流量制御弁2
03,204を開け、旋回とブーム上げの複合操作を開始す
る。このとき、主ポンプ200の吐出圧力Psは吐出量制御
装置302のロードセンシング制御により上昇し、その過
程において吐出圧力Psが目標吐出圧力Psoよりも大きく
なろうとすると、関数ブロック314においてはその吐出
圧力Psに対応する比較的小さい制御力信号i2が求めら
れ、これと同時に、関数ブロック315及び積分ブロック3
16においてもその吐出圧力に対応する比較的小さい制御
力信号i3が求められ、加算ブロック317において比較的
小さいは加算値i2+i3が求められる。
一方、このとき、主ポンプ200はロードセンシング制
御されているので、差圧ΔPLSは目標差圧ΔPLSO付近
にあり、コントローラ307の関数ブロック313においては
その差圧ΔPLSOに対応する制御力信号i1が求められ
る。
ここで、ブロック313の関数関係とブロック314,315の
関数関係は、吐出圧力Psが目標吐出圧力Pso付近にある
ときの加算値i2+i3と、差圧ΔPLSが目標差圧ΔPLSO
付近にあるときの制御力信号i1とがほぼ等しくなるよう
に、相互の関係を定めておく。これにより、吐出圧力Ps
が目標吐出圧力Psoを越えようとしたときの加算値i2+i
3は、差圧ΔPLSが目標差圧ΔPLSO付近にあるときの制
御力信号i1に対して、i1>i2+i3となり、最小値選択ブ
ロック318において加算値i2+i3、即ち第2の指令値が
選択される。
そして、今の場合はパイロット弁210,211の双方が操
作されているので、ANDブロック319からはON信号が出力
され、スイッチブロック320は最小値ブロック318の出力
を選択する位置に切り換えられている。このため、スイ
ッチブロック320においては第2の指令値i2+i3が選択
され、これが操作指令信号S22として電磁比例減圧弁217
に出力される。また、電磁比例減圧弁216には制御力信
号i1に相当する操作指令信号S21が出力される。
このように操作指令信号S21,S22が出力される結果、
分流補償弁205には開弁方向の第2の制御力Nc1としてf
−i1が付与され、分流補償弁206には開弁方向の第2の
制御力Nc2としてf−(i2+i3)が付与される。ここで
f−(i2+i3)>f−i1である。このため、旋回とブー
ム上げの複合操作の開始時において、低負荷圧力側とな
るブームシリンダ202に係わる分流補償弁206が絞られる
程度が小さくなり、ブームシリンダ204には通常の制御
力Nc2=i1が付与された場合よりも多くの流量が供給さ
れる。これにより、主ポンプ200の吐出圧力の上昇は抑
制され、吐出圧力は目標吐出圧力Psoの近辺で平衡する
ことになる。また、このとき、ブームシリンダ202に供
給される圧油の流量が増大し、かつ吐出圧力のPso以上
の上昇が抑制されることから、旋回モータ201に供給さ
れる圧油の流量は、旋回の負荷圧力がリリーフ圧力まで
上昇する場合に比べて少なくなり、圧油がリリーフされ
ることなしに旋回モータ201は適度の速度で駆動され
る。これにより、ブーム上げの速度が速くかつ旋回速度
が比較的緩やかな旋回とブーム上げの複合操作が可能と
なり、また、旋回加速時のエネルギロスを低減できる。
以上のようにして旋回とブーム上げの複合操作に際し
て、旋回が加速され定常速度に達すると、旋回モータ20
1の負荷圧力は減少し、これに応じてロードセンシング
制御されている主ポンプ200の吐出圧力も減少し、目標
吐出量Pso以下となる。吐出圧力が目標吐出量Pso以下に
なると、関数ブロック314で求められる制御力信号i2及
びブロック314,316で求められる制御力信号i3の値が大
きくなり、加算ブロック318で得られる第2の指令値i2
+i3も比較的大きくなり、上述したブロック313の関数
関係とブロック314,415の関数関係の設定関係より、i1
<i2+i3となる。このため、最小値選択ブロック318に
おいては第1の指令値i1が選択され、第1の指令値i1に
相当する操作指令信号S22が電磁比例減圧弁217に出力さ
れる。
これにより、分流補償弁206には開弁方向の第2の制
御力Nc2として、従来通りのf−i1が付与されるように
なり、このとき、分流補償弁205にもこれと同じ開弁方
向の第2の制御力f−i1が付与される。これにより、流
量制御弁203,204の前後差圧は等しくなるように制御さ
れ、旋回モータ201及びブームシリンダ202にはパイロッ
ト弁210,211の要求通りの流量が供給される。即ち、旋
回モータ201に供給される圧油の流量が増大し、所望の
旋回速度が得られる。このようにして旋回加速後は、旋
回速度の比較的速いオペレータが意図する複合操作を実
現することができる。
以上のように、本実施例においては、慣性の小さい負
荷を駆動するアクチュエータであるブームシリンダ202
に供給される流量を制御することにより主ポンプ200の
吐出圧力を任意に制御して、慣性の大きな負荷を駆動す
るアクチュエータである旋回モータ201の駆動圧力を制
御するので、第1の実施例と同様、旋回とブーム上げの
複合操作に際して、ブーム上げの速度が速くかつ旋回速
度が比較的緩やかにでき、操作性を向上できると共に、
複合操作時のエネルギロスを低減でき、経済的な運転が
可能となる。
また、本実施例によれば、選択装置306の操作により
関数ブロック314,315の特性を適宜変更し、主ポンプ200
の目標吐出圧力Psoを変えることができるので、旋回と
ブーム上げのマッチングを適宜設定することができる。
なお、以上の実施例においては、制御の応答性と安定
性を両立させるため、コントローラ307において吐出圧
力Psを目標値Psoに保持するよう制御する制御力信号を
求める手段として、比例制御方式の関数ブロック314と
積分制御方式の関数ブロック315,316の両方を用いた
が、いずれか一方を用いて制御力信号を求めるようにし
てもよいことは明らかであろう。
第6の実施例 本発明の第6の実施例を第39図〜第44図により説明す
る。図中、前述した第27図に示す第4の実施例及び第33
図に示す第5の実施例と同等の部材には同じ符号を付し
てある。
第39図において、本実施例の油圧駆動装置は、基本的
には第27図に示す第4の実施例と同じ構成であり、その
部分の説明は省略する。ただし、主ポンプ200の吐出圧
力Psと最大負荷圧力Pamaxとの差圧ΔPLSを検出する差
圧検出器225からの出力信号はEdpで表わされている。ま
た、第33図に示す第5の実施例と同様、主ポンプ200の
吐出管路207には、主ポンプ200からの圧油がリリーフ設
定圧力に達するとタンクに流出させ、ポンプ吐出圧力が
当該設定圧力以上の高圧になることを防止するリリーフ
弁300が設けられ、かつ主ポンプ200からの圧油が、旋回
モータ201とブームシリンダ202の高圧側の負荷圧力(以
下、これを最大負荷圧力Pamaxと言う)にアンロード設
定圧力を加算した圧力に到達するとタンクに流出させ、
当該圧力以上になるのを防止する図示しないアンロード
弁が設けられている。
更に、主ポンプ200にはその押しのけ容積を検出する
変位検出器223が設けられ、変位検出器223からは検出し
た押しのけ容積に対応する信号Eθが出力される。主ポ
ンプ200の吐出量は、第5の実施例の吐出量制御装置302
に対応するロードセンシング制御方式の吐出量制御装置
400により制御され、吐出量制御装置400は、主ポンプ20
0の斜板200aを駆動し押しのけ容積を増減する傾転駆動
装置400aと、この傾転駆動装置に制御圧力を出力し、そ
の変位を調整する電磁比例減圧弁400bとからなってい
る。
そして、図示しない旋回用のパイロット弁から流量制
御弁203の駆動部にパイロット圧力を導くパイロットラ
イン401a,401bには、それぞれパイロット圧力が負荷さ
れたことを検出し、信号E402,E403を出力する操作検出
器402,403が設けられている。また、オペレータにより
操作され、旋回モータ201に供給される圧油の流量増加
速度を選択し設定する選択装置406が設けられ、選択装
置406からはそのときの設定に応じた信号Esが出力され
る。
差圧検出器225からの信号Edp、操作検出器402,403か
らの信号E402,E403、選択装置406からの信号Es、及び変
位検出器223からの信号Eθはコントローラ407に入力さ
れ、ここで所定の演算を行った後、電磁比例減圧弁216,
217に操作指令信号E216,E217を出力すると共に、吐出量
制御装置400の電磁比例減圧弁400bに操作指令信号E400
を出力する。
選択装置406は、本実施例では第40図に示すように、
可変抵抗408を含む電圧設定器からなり、オペレータの
操作により可動接点の位置を変えると、これに応じたレ
ベルの電圧が設定される。この電圧値は信号Esとしてコ
ントローラ407に取り込まれ、コントローラ407において
はこの信号EsをA/D変換した後CPUに送られる。CPUにお
いては、第41図にフローチャートで示すように、ステッ
プS1においてこの信号EsのA/D変換値を読み込み、ステ
ップS2においてΔE=A/D変換値と置き、電磁比例減圧
弁216に対する操作指令信号E216の1サイクル当りの変
化量ΔEを求める。この変化量ΔEは、コントローラ40
7において操作指令信号E216を求めるのに使用される。
コントローラ407で行われる演算内容を第42図にフロ
ーチャートで示す。本フローチャートは電磁比例減圧弁
216,217に対する操作指令信号E216,E217の演算手順を示
すものであり、吐出量制御装置400の電磁比例減圧弁400
bに対する操作指令信号E400の求め方は、第34図に示す
第5の実施例における操作指令信号S1の求め方と実質的
に同じなので、その説明は省略する。
まず、ステップS10において信号Edp,E402,E403,Esを
読み込む。次いで、ステップS11において、差圧信号Edp
と予め記憶した関数関係とから、電磁比例減圧弁216,21
7の基本駆動信号EHLを算出する。この基本駆動信号EH
Lは、主ポンプ200が吐出量制御装置400によりロードセ
ンシング制御され、このとき主ポンプ200の吐出量が最
大となっても差圧ΔPLSが目標差圧ΔPLSOにならない
ときに、分流補償弁205,206の駆動部205c,206cが付与す
る制御力Nc1,Nc2を増大させ、開弁方向の第2の制御力
f−Nc1,Nc2を小さくし、即ち流量制御弁203,204の前後
差圧の目標値を小さくし、各アクチュエータ201,202に
供給される圧油の流量を、その絶対量の増大は抑制され
るものの、流量制御弁203,204の開度比、即ち要求流量
の比率に応じて配分するものである。第43図にこの基本
駆動信号EHLを求めるための差圧ΔPLSと駆動信号EHL
との関数関係を示す。この関数関係は、前述した第36図
に示す差圧ΔPLSと制御力信号i1の関係と実質的に同じ
である。
次いで、ステップS12において、操作指令信号E402又
はE403が入力されたかどうかを判定し、入力されていな
い場合には、ステップS13に進み、電磁比例減圧弁216の
駆動信号EHをEH=EHMAXと置く。ここで、EHMAXは駆
動信号EHの最大値であり、このとき駆動部205cの制御
力Nc1は最大となり、ばね212の力fに抗して分流補償弁
205を全閉位置に保持する。操作指令信号E402またはE40
3が入力された場合は、ステップS14に進み、EHL<EH-
1−ΔEかどうかを判断する。即ち、駆動信号EHLが前
回の制御サイクルで求めた電磁比例減圧弁216の駆動信
号EH-1から前述した選択装置406により設定された変化
量ΔEを差し引いた値より小さいかどうかを判定する。
ここで、EHLがEH-1−ΔEより小さいと判定されると
ステップS15に進み、EH=EH-1−ΔEと置き、EH-1−
ΔEより大きいと判定されるとステップS16に進み、EH
=EHLと置く。即ち、駆動信号EHの最大変化速度がΔ
Eに一致するよう、駆動信号EHを定める。
続いて、ステップS17においてEH-1=EHと置き、ス
テップS18において駆動信号EHを操作指令信号E216とし
て出力し、ステップS19において基本駆動信号EHLを操
作指令信号E217として出力する。これにより、分流補償
弁205の駆動部205cが付与する制御力Nc1は基本駆動信号
EHLに一致するよう制御されると共に、その変化速度は
ΔE以下に制限される。分流補償弁206の駆動部206cが
付与する制御力Nc2は従来通り、基本駆動信号EHLに一
致するよう制御される。
次に、以上のように構成された本実施例の動作を説明
する。
まず、いずれの流量制御弁も操作せず、アクチュエー
タを駆動していない非操作時には、コントローラ407に
おいては、操作検出信号E402又はE403は入力されていな
いので、第42図に示すフローチャートのステップS12に
おいてNOの判断がなされ、ステップS13において電磁比
例弁圧弁216の駆動信号EHは最大値EHMAXに設定され
る。このため、分流補償弁205は全閉位置に保持され
る。一方、電磁比例減圧弁217に対しては、基本駆動信
号EHLが操作指令信号E217として設定されるが、このと
きは図示しないアンロード弁により、その設定圧力(>
ΔPLSO)に相当する主ポンプ200の吐出圧力Psが確保さ
れているので、ステップS11において第43図に示す関数
関係から比較的小さい基本駆動信号EHLが求められてお
り、分流補弁206はばね213の力fにより全開位置に保持
されている。
ブーム用の図示しないパイロット弁を操作して流量制
御弁204を駆動し、ブームの単独操作を行う場合には、
主ポンプ200の吐出圧力Psとブームシリンダ202の負荷圧
力との差圧ΔPLSが差圧検出器225により検出され、コ
ントローラ407において差圧ΔPLSを一定に保持する操
作指令信号E400が演算され、吐出量制御装置400はその
操作指令信号E400に応じて主ポンプ200の吐出量を制御
する。
またこのとき、コントローラ407においては電磁比例
減圧弁216,217に対する操作指令信号E216,E217が演算さ
れる。ここで、この場合は、旋回用の流量制御弁203は
駆動されていないので、操作検出信号E402又はE403は入
力されておらず、上述した非操作時の場合と同様、電磁
比例弁圧弁216の駆動信号EHは最大値EHMAXに設定さ
れ、分流補償弁205は全閉位置に保持される。一方、ブ
ーム用の分流補償弁206に対しては、ステップS11におい
て、第43図に示す関数関係から目標差圧ΔPLSO付近の
差圧ΔPLSに対応する基本駆動信号EHLが算出され、こ
の基本駆動信号EHLが操作指令信号E217として電磁比例
減圧弁217に出力される。ここで、第43の関数関係は前
述した第36図に示す関数関係と実質的に同じである。従
って、分流補償弁206は流量制御弁204の前後差圧に基づ
く閉弁方向の第1の制御力に抗して、f−Nc2の第2の
制御力で全開位置に保持され、ブームシリンダ202には
流量制御弁204の開度に応じた流量が供給される。
旋回モータ201の単独操作、又は、流量制御弁203,204
を同時に駆動して、例えば旋回とブーム上げの複合操作
を行なう場合には、オペレータはまず選択装置406を操
作して流量増加速度信号Esを出力し、前述したように操
作指令信号E216の1サイクル当りの変化量ΔEを設定す
る。具体的には、旋回加速を緩やかに行いたい場合には
変化量ΔEを小さい値に設定し、速くしたい場合には大
きい値に設定する。
次いで、流量制御弁203を単独で、または流量制御弁2
03と流量制御弁204の両方を同時に駆動し、旋回の単独
操作、または旋回とブーム上げの複合操作を開始する。
このとき、主ポンプ200の吐出圧力Psは吐出量制御装置4
00のロードセンシング制御により差圧ΔPLSOを保持し
ながら上昇する。
また、これと同時に、コントローラ407においては電
磁比例減圧弁216,217に対する操作指令信号E216,E217が
演算される。ここで、この場合は、旋回用の流量制御弁
203は駆動され、操作検出信号E402又はE403が入力され
ているので、第42図に示すステップS12においてYESの判
断がなされ、ステップS14〜S16の演算で駆動信号EHが
求められる。即ち、基本駆動信号EHLを目標値として変
化速度をΔE以下に制限する駆動信号EHが求められ
る。そして、この駆動信号EHが操作指令信号E216とし
て電磁比例弁216に出力され、分流補償弁205は、全閉位
置から変化量ΔEに相当する速度で徐々に開き始め、こ
れに対応して圧油は変化量ΔEに対応した流量増加速度
で旋回モータ201に供給される。このようにして、旋回
モータ201は変化量ΔEに対応した加速度で駆動され
る。
ここで、旋回動作時の時間tと駆動信号EHと流量増
加速度信号Esとの関係を第44図に示す。旋回開始後、駆
動信号EHは変化量ΔEに対応した勾配で減少する。そ
の勾配は、流量増加速度信号Es、即ち変化量ΔEが大き
くなるにしたがって大きくなる。この勾配は、また、旋
回モータ201に供給される圧油の流量増加速度、即ち旋
回モータ201の駆動加速度に対応する。
一方、ブーム用の分流補償弁206に対しては、ブーム
の単独操作の場合と同様、ステップS11において、第43
図に示す関数関係から目標差圧ΔPLSO付近の差圧ΔPL
Sに対応する基本駆動信号EHLが算出され、この基本駆
動信号EHLが操作指令信号E217として電磁比例減圧弁21
7に出力される。即ち、分流補償弁206にはばね213の力
に対向して信号E217に対応する制御力Nc2が開弁方向に
付与される。これにより旋回の単独操作の場合は、分流
補償弁206はf−Nc2の第2の制御力で全開位置に保持さ
れる。また、旋回とブーム上げの複合操作の場合は、ブ
ームシリンダ202が低負荷圧力側のアクチュエータとな
るので、分流補償弁206は流量制御弁204の前後差圧をf
−Nc2に保持するよう絞られる。
そして、旋回とバーム上げの複合操作の場合は、以上
のように旋回動作が開始され、旋回速度が上昇する過程
において、主ポンプ200の吐出量は最大に達し、差圧Δ
PLSが減少すると、第42図のステップS11において演算
される基本駆動信号EHLの値が大きくなり、分流補償弁
205,206はアクチュエータ201,202に供給される圧油の絶
対量を制限し、流量の配分は適切を行うように制御され
る。
旋回動作の開始後、旋回が流量制御弁203の開度(要
求流量)に相当する速度に達すると、分流補償弁205の
駆動部205cが付与する制御力Nc1はステップS11で演算さ
れる駆動信号EHLに相当する値に達し、ステップS16に
おいて常にEH=EHLが演算されるようになる。従っ
て、この時点において分流補償弁205,206の開弁方向の
第2の制御力f−Nc1,f−Nc2は等しくなり、旋回とブー
ム上げの複合操作の場合は、それぞれのアクチュエータ
201,202に流量制御弁203,204の開度に比例した流量が供
給され、要求通りの速度比で旋回とブーム上げの複合操
作を行うことができる。
以上のように、本実施例においては、旋回動作の開始
時において、旋回モータ201に供給される圧油の流量増
加速度を任意に設定できるので、旋回とブーム上げの複
合操作においては、その複合操作の開始時において両ア
クチュエータに供給される圧油の流量比を任意に変え、
作業に最適の速度比で複合操作を行うことができる。
また、旋回動作の開始時において、旋回モータ201に
供給される圧油の流量増加速度を任意に設定できるの
で、旋回負荷圧力の急激な上昇を抑制し、旋回用リリー
フ弁にて絞り捨てられる圧油が減少し、エネルギロスが
低減できる。また、流量増加速度の設定を比較的小さく
した場合は、旋回モータの駆動圧力をリリーフ圧力以下
に押さえることができるので、エネルギロスの更なる低
減が可能となると共に、主ポンプ200の吐出圧力も低減
できるので、主ポンプ200を馬力制限制御(入力トルク
制限制御)した場合は吐出圧力の低減に応じて吐出量を
増加でき、ブームシリンダへの圧油の供給量を増大し、
駆動速度を大きくすることができる。
第6の実施例の変形例 第6の実施例の第1の実施例を第45図及び第46図によ
り説明する。本実施例は選択装置の変形例を示すもので
ある。
第45図において、選択装置406Aは、4つの接点A〜D
に対する可動接触子409を含む切換装置からなってい
る。接点A〜Cは、コントローラ407AにおいてCPUの入
力端子Di1,Di2,Di3に接続され、かつ入力端子Di1,Di2,D
i3は抵抗410a,410b,410cを介して電源に接続されてい
る。このような構成により、可動接触子409が例えば図
示のように接点Cに接触する位置にあるときは、入力端
子Di1は接地され、電圧は0となり、他の入力端子Di2,D
i3は電源電圧が印加された状態に保持される。
コントローラ407Aにおいては、入力端子Di1,Di2,Di3
の電圧状態に応じて第46図に示すように流量増加速度を
設定する。ステップS20において入力端子Di3の電圧が0
かどうかを判定し、0の場合はステップS21において、
電磁比例減圧弁216に対する操作指令信号E216の1サイ
クル当りの変化量ΔEを予め記憶した値ΔEAに設定す
る。入力端子Di3の電圧が0でない場合は、ステップS22
に進み、入力端子Di2の電圧が0かどうかを判定し、0
の場合はステップS23において変化量ΔEを予め記憶し
た値ΔEBに設定する。入力端子Di2の電圧が0でない場
合は、ステップS24に進み、入力端子Di1の電圧が0かど
うかを判定し、0の場合はステップS25において変化量
ΔEを予め記憶した値ΔECに設定する。最後に、入力
端子Di1の電圧が0でない場合は、ステップS26に進み、
変化量ΔEを予め記憶した値ΔEDに設定する。
以上のようにして、可動接触子409の位置を切り換え
ることにより、その位置に応じた変化量ΔEを設定する
ことができる。
次に、第6の実施例の第2の変形例を第39図及び第47
図により説明する。第47図において、第42図に示す手順
と同じ手順には同じ符号を付してある。本実施例は、旋
回モータ201に対する流量増加速度制御を旋回とブーム
上げの複合操作時のみに行うようにしたものである。
本実施例の油圧駆動装置においては、第39図に想像線
で示すように、図示しないブーム用のパイロット弁から
流量制御弁204の駆動部にパイロット圧力を導くパイロ
ットライン404a,404bのうち、ブーム上げに対応する側
のパイロットライン404aにパイロット圧力が負荷された
ことを検出し、信号E405を出力する操作検出器405が更
に設けられ、信号E405はコントローラ407に送られる。
コントローラ407にいては、第47図に示すステップS30
において、信号Edp,E402,E403,Esに加えて、操作検出器
405からの検出信号E405を読み込む。そして、ステップS
12の判断に加えて、ステップS31において操作検出信号E
405が入力されたかどうかを判定し、これも満足された
ときに初めてステプS14〜S16に進み、基本駆動信号EHL
を目標値とし変化量をΔE以下に制限する駆動信号EH
を演算するものである。
本実施例によれば、旋回とブーム上げの複合操作時の
みに旋回モータに供給される圧油の流量増加速度を制御
し、旋回の加速度制御をすることができるという効果を
得ることができる。
〔発明の効果〕
本発明の建設機械の油圧駆動装置においては、以上の
ように構成したことから、第1及び第2の分流補償弁に
個別の圧力補償特性を与え、第1及び第2のアクチュエ
ータを同時に駆動する複合操作に際して、アクチュエー
タの種類に応じた最適の分流比を与え、操作性及び/又
は作業効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例による建設機械の油圧駆
動装置の全体を示す回路図であり、第2図はコントロー
ラの構成を示す概略図であり、第3図はコントローラで
行われる演算の内容を示す機能ブロック図であり、第4A
図は、差圧ΔPLSと旋回モータに係わる分流補償弁に付
与されるべき制御力Fc1の値との関数関係を示す図であ
り、第4B図は、差圧ΔPLSと走行モータに係わる分流補
償弁に付与されるべき制御力Fc2,Fc3の値との関数関係
を示す図であり、第4C図は、差圧ΔPLSとブームシリン
ダに係わる分流補償弁に付与されるべき制御力Fc4の値
との関数関係を示す図であり、第4D図は、差圧ΔPLSと
アームシリンダ及びバケットシリンダに係わる分流補償
弁に付与されるべき制御力Fc5,Fc6の値との関数関係を
示す図であり、第5図は、第4A図〜第4D図に示す関数関
係を纏めて示す図であり、第6図は、油温Thと補正係数
Kとの関数関係を示す図であり、第7図は、本実施例の
油圧駆動装置が適用される油圧ショベルの側面図であ
り、第8図は同油圧ショベルの上面図であり、第9図〜
第12図は、それぞれ、差圧ΔPLSと旋回モータに係わる
分流補償弁に付与されるべき制御力Fc1の値との関数関
係の4つの変形例を示す図であり、第13図及び第14図
は、差圧ΔPLSと走行モータに係わる分流補償弁に付与
されるべき制御力Fc2,Fc3の値との関数関係の2つの変
形例を示す図であり、第15図は本発明の第2の実施例に
よる油圧駆動装置の全体を示す回路図であり、第16図は
コントローラで行われる演算の内容を示す機能ブロック
図であり、第17図は本発明の第3の実施例による油圧駆
動装置の全体を示す回路図であり、第18図はコントロー
ラで行われる演算の内容を示す機能ブロック図であり、
第19図は、差圧ΔPLSと制御力Fc1〜Fc6の複数の関数関
係を示す図であり、第20図は、旋回とブーム上げの複合
操作を行うときに選択される関数関係をまとめて示す図
であり、第21図は、同複合操作を行うときのブーム用の
流量制御弁の前後差圧と供給流量との関係を示す図であ
り、第22図は、同複合操作を行うときの旋回用の流量制
御弁の前後差圧と供給流量との関係を示す図であり、第
23図は、特別掘削作業を意図したアームとバケットの複
合操作を行なうときに選択される関数関係をまとめて示
す図であり、第24図は、地面等を平坦にならす整形作業
を意図したアームとバケットの複合操作を行なうときに
選択される関数関係をまとめて示す図であり、第25図は
第3の実施例の変形例でのコントローラで行われる演算
の内容を示す機能ブロック図であり、第26図は、制御圧
力発生回路の他の実施例を示す回路図であり、第27図は
本発明の第4の実施例による油圧駆動装置を示す回路図
であり、第28図は吐出量制御装置の構成を示す概略図で
あり、第29図はコントローラで行われる演算の内容を示
す機能ブロック図であり、第30図は、吐出圧力と入力制
限目標吐出量との関係を示す図であり、第31図は中間値
Q′nsから基本補正値Qnsを求めるリミッタ関数を示す
図であり、第32図は、基本補正値Qnsと操作指令信号S2
1,S22との関係を示す図であり、第33図は本発明の第5
の実施例による油圧駆動装置を示す回路図であり、第34
図はコントローラで行われる演算の内容を示す機能ブロ
ック図であり、第35図は、差圧ΔPLSと目標吐出量Qoと
の関数関係を示す図であり、第36図は、差圧ΔPLSと制
御力信号i1との関数関係を示す図であり、第37図は、吐
出圧力Psと制御力信号i2と指令信号rとの関数関係を示
す図であり、第38図は、吐出圧力Psと制御力信号i3の変
化率3と指令信号rとの関数関係を示す図であり、第
39図は本発明の第6の実施例による油圧駆動装置を示す
回路図であり、第40図は、選択装置の構成を示す図であ
り、第41図は選択装置の操作に応じた変化量ΔEを求め
る手順を示すフローチャートであり、第42図は、コント
ローラで行われる演算内容を示すフローチャートであ
り、第43図は、差圧ΔPLSと基本駆動信号EHLとの関数
関係を示す図であり、第44図は、旋回動作開始時の時間
tと駆動信号EHと流量増加速度信号Esとの関係を示す
図であり、第45図は、第6の実施例の第1の変形例によ
る選択装置の構成を示す図であり、第46図は選択装置の
操作に応じた変化量ΔEを求める手順を示すフローチャ
ートであり、第47図は、第6の実施例の第2の変形例で
のコントローラで行われる演算内容を示すフローチャー
トである。 符号の説明 第1図〜第14図 22……主ポンプ 23〜28……油圧アクチュエータ 29〜34……流量制御弁 35〜40……分流補償弁 41……吐出量制御装置 45〜50……ばね(駆動手段) 35c〜40c……駆動部(駆動手段) 59……差圧検出器(第1の手段) 61……コントローラ(第2の手段) 62a〜62f……電磁比例減圧弁(制御圧力発生手段) 80〜85……関数ブロック(第1の演算手段) 90〜92……遅れ要素ブロック(第2の演算手段) 60……油温検出器 86……関数ブロック(第6の演算手段) 87〜89……乗算ブロック(第4の演算手段) 第15図 45A〜50A……駆動部(駆動手段) 63……パイロットポンプ(パイロット圧力供給手段) 64……リリーフ弁(パイロット圧力供給手段) 113……減圧弁(パイロット圧力供給手段) 第17図〜第25図 120……選択装置(第4の手段) 61B……コントローラ(第2の手段) 80B〜85B……関数ブロック(第5の演算手段) 第27図〜第32図 200……主ポンプ 201……旋回モータ(第1のアクチュエータ) 224……吐出圧力検出器(第5の手段) 225……差圧検出器(第1の手段) 205,206……分流補償弁 229……コントローラ(第2の手段) 240〜242……ブロック(第10の演算手段) 243……ブロック(第11の演算手段) 258……ブロック(第12の演算手段) 259〜263……ブロック(第13の演算手段) 第33図〜第38図 306……選択装置(第6の手段) 307……コントローラ(第2の手段) 313……関数ブロック(第6の演算手段) 314,315……関数ブロック(第7の演算手段) 316……積分ブロック(第7の演算手段) 317……加算ブロック(第7の演算手段) 318……最小値選択ブロック(第7の演算手段) 第39図〜第47図 402,403,405……操作検出器(第7の手段) 406……選択装置(第8の手段) 407……コントローラ(第2の手段)
フロントページの続き (72)発明者 青柳 幸雄 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 安田 知彦 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 安田 元 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 渡邊 洋 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 和泉 鋭機 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 田中 康雄 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 尾上 裕 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 中村 重孝 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (56)参考文献 特開 昭60−11706(JP,A) 特開 昭62−75107(JP,A) 特開 昭61−28639(JP,A) 特開 昭57−200703(JP,A) 特開 昭63−186003(JP,A)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給さ
    れる圧油によって駆動される少なくとも第1及び第2の
    油圧アクチュエータと、これら第1及び第2のアクチュ
    エータに供給される圧油の流れをそれぞれ制御する第1
    及び第2の流量制御弁と、これら第1及び第2の流量制
    御弁の入口と出口の間に生じる第1の差圧をそれぞれ制
    御する第1及び第2の分流補償弁と、前記油圧ポンプの
    吐出圧力と前記第1及び第2のアクチュエータの最大負
    荷圧力との第2の差圧に応答して油圧ポンプから吐出さ
    れる圧油の流量を制御する吐出量制御手段とを備え、前
    記第1及び第2の分流補償弁は、それぞれ、前記第2の
    差圧に基づく制御力を対応する分流補償弁に付与し、前
    記第1の差圧の目標値を設定する駆動手段を有する建設
    機械の油圧駆動装置において、 前記油圧ポンプの吐出圧力と前記第1及び第2のアクチ
    ュエータの最大負荷圧力とから前記第2の差圧を求める
    第1の手段と、 少なくとも前記第1の手段で求めた第2の差圧に基づい
    て、前記第1及び第2の分流補償弁のそれぞれの駆動手
    段が付与すべき制御力の値として個別の値を演算する第
    2の手段と、 前記第1及び第2の分流補償弁のそれぞれに対応して設
    けられた第1及び第2の制御圧力発生手段であって、そ
    れぞれ、前記第2の手段で求めた個別の値に応じた制御
    圧力を発生し、これを前記第1及び第2の分流補償弁の
    駆動手段にそれぞれ出力する前記第1及び第2の制御圧
    力発生手段と を有することを特徴とする油圧駆動装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の建設機械の油圧駆動装置に
    おいて、前記第2の手段は、前記第1の手段で求めた第
    2の差圧と前記第1及び第2の分流補償弁に対応して予
    め設定した第1及び第2の関数とから、前記第2の差圧
    に対応する第1及び第2の制御力の値を求める第1の演
    算手段を有することを特徴とする油圧駆動装置。
  3. 【請求項3】前記第1のアクチュエータが慣性負荷を駆
    動するアクチュエータであり、前記第2のアクチュエー
    タが通常の負荷を駆動するアクチュエータである請求項
    2記載の建設機械の油圧駆動装置において、前記第1及
    び第2の関数は、前記第2の差圧が減少するにつれて前
    記第1の差圧の目標値が減少しかつその減少割合が両者
    で異なるように第2の差圧と第1及び第2の制御力の値
    との関係が定められていることを特徴とする油圧駆動装
    置。
  4. 【請求項4】前記第1のアクチュエータが慣性負荷を駆
    動するアクチュエータであり、前記第2のアクチュエー
    タが通常の負荷を駆動するアクチュエータである請求項
    2記載の建設機械の油圧駆動装置において、少なくとも
    前記第1のアクチュエータに係わる前記第1の関数は、
    前記第2の差圧が所定値を越えて増大すると前記第1の
    差圧の目標値の増大が抑制されるように第2の差圧と第
    1の制御力の値との関係が定められていることを特徴と
    する油圧駆動装置。
  5. 【請求項5】前記第1及び第2のアクチュエータが走行
    用のアクチュエータである請求項2記載の建設機械の油
    圧駆動装置において、前記第1及び第2の関数は、共
    に、前記第1の差圧の目標値が前記第2の差圧よりも大
    きくなるように第2の差圧と第1及び第2の制御力の値
    との関係が定められていることを特徴とする油圧駆動装
    置。
  6. 【請求項6】前記第1のアクチュエータが走行用のアク
    チュエータの1つであり、前記第2のアクチュエータが
    掘削作業用のアクチュエータである請求項2記載の建設
    機械の油圧駆動装置において、前記第2の手段は、前記
    第1の関数から求めた第1の制御力の値の変化に対して
    は比較的大きな時間遅れを与え、前記第2の関数から求
    めた第2の制御力の値の変化に対しては比較的小さな時
    間遅れを与える第2の演算手段を更に有することを特徴
    とする油圧駆動装置。
  7. 【請求項7】前記第1のアクチュエータが油圧モータで
    あり、前記第2のアクチュエータが油圧シリンダである
    請求項2記載の建設機械の油圧駆動装置において、前記
    油圧ポンプから吐出される圧油の温度を検出する第3の
    手段を更に有し、前記第2の手段は、前記第3の手段で
    検出した圧油の温度と予め設定した第3の関数とから温
    度補正係数を求める第3の演算手段と、前記第2の関数
    から求めた第2の制御力の値と前記温度補正係数との演
    算を行ない、第2の制御力の値を補正する第4の演算手
    段とを更に有することを特徴とする油圧駆動装置。
  8. 【請求項8】請求項1記載の建設機械の油圧駆動装置に
    おいて、外部より操作され、前記第1及び第2のアクチ
    ュエータの駆動により行われる作業の種類又は作業の内
    容に応じた選択指令信号を出力する第4の手段を更に有
    し、前記第2の手段は、前記第1の手段で求めた第2の
    差圧と、前記第1及び第2の分流補償弁に対応してそれ
    ぞれ予め設定した第4及び第5の関数と、前記第4の手
    段から出力された選択指令信号とから第3及び第4の制
    御力の値を求める第5の演算手段を有することを特徴と
    する油圧駆動装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の建設機械の油圧駆動装置に
    おいて、前記第5の演算手段は、前記第4及び第5の関
    数としてそれぞれ特性の異なる複数の関数を備え、前記
    第4の手段から出力された選択指令信号に応じてそれぞ
    れ複数の関数のうちの1つを選択し、前記第1の手段で
    求めた第2の差圧と選択された関数とからその第2の差
    圧に対応する第3及び第4の制御力の値を求めることを
    特徴とする油圧駆動装置。
  10. 【請求項10】前記第1のアクチュエータが慣性負荷を
    駆動するアクチュエータであり、前記第2のアクチュエ
    ータが通常の負荷を駆動するアクチュエータである請求
    項1記載の建設機械の油圧駆動装置において、前記油圧
    ポンプの吐出圧力を検出する第5の手段を更に有し、前
    記第2の手段は、前記第1の手段で求めた第2の差圧と
    予め設定した第6の関数とからその第2の差圧に対応す
    る第5の制御力の値を求め、これを前記第1の分流補償
    弁の駆動手段が付与すべき制御力の値とする第6の演算
    手段と、前記第5の手段で検出した吐出圧力と予め設定
    した第7の関数とから該吐出圧力を所定値に保持する第
    6の制御力の値を求め、前記第5の制御力と第6の制御
    力のうち前記第1の差圧の目標値が大きくなる方を前記
    第2の分流補償弁の駆動手段が付与すべき制御力の値と
    する第7の演算手段とを有することを特徴とする油圧駆
    動装置。
  11. 【請求項11】請求項10記載の建設機械の油圧駆動装置
    において、外部より操作され、前記吐出圧力の所定値に
    係わる選択指令信号を出力する第6の手段を更に有し、
    前記第7の演算手段は、前記選択指令信号により前記第
    7の関数の特性を変更し、前記吐出圧力の所定値を変更
    可能としたことを特徴とする油圧駆動装置。
  12. 【請求項12】前記第1のアクチュエータが慣性負荷を
    駆動するアクチュエータであり、前記第2のアクチュエ
    ータが通常の負荷を駆動するアクチュエータである請求
    項1記載の建設機械の油圧駆動装置において、前記第1
    のアクチュエータの駆動を検出する第7の手段と、前記
    第1の分流補償弁を通って供給される圧油の流量増加速
    度を設定する第8の手段とを更に有し、前記第2の手段
    は、前記第1の手段で求めた第2の差圧と予め設定した
    第8の関数とからその第2の差圧に対応する第7の制御
    力の値を求め、これを前記第2の分流補償弁の駆動手段
    が付与すべき制御力の値とする第8の演算手段と、前記
    第7の手段で前記第1のアクチュエータの駆動の開始が
    検出されたときに、前記第7の制御力の値を目標値とし
    て前記流量増加速度に対応する変化量以下の速度で変化
    する第8の制御力の値を求め、この第8の制御力を前記
    第1の分流補償弁の駆動手段が付与すべき制御力の値と
    する第9の演算手段とを有することを特徴とする油圧駆
    動装置。
  13. 【請求項13】請求項12記載の建設機械の油圧駆動装置
    において、前記第2のアクチュエータの駆動を検出する
    第9の手段を更に有し、前記第9の演算手段は、前記第
    7及び第9の手段により前記第1及び第2のアクチュエ
    ータの駆動の開始が検出されたときに前記第8の制御力
    の値を求めることを特徴とする建設機械の油圧駆動装
    置。
  14. 【請求項14】請求項1記載の建設機械の油圧駆動装置
    において、前記油圧ポンプの吐出圧力を検出する第10の
    手段を更に有し、前記第2の手段は、前記第1の手段で
    求めた第2の差圧からその差圧を一定に保持する油圧ポ
    ンプの差圧目標吐出量を演算する第10の演算手段と、前
    記第10の手段で検出した吐出圧力と予め設定した油圧ポ
    ンプの入力制限関数から油圧ポンプの入力制限目標吐出
    量を演算する第11の演算手段と、前記差圧目標吐出量と
    入力制限目標吐出量の偏差を求める第12の演算手段と、
    前記差圧目標吐出量と入力制限目標吐出量のうち入力制
    限目標吐出量が油圧ポンプの吐出量目標値として選択さ
    れたときに、前記目標吐出量の偏差に基づいて、前記第
    1及び第2の分流補償弁のそれぞれの駆動手段が付与す
    べき制御力の値として個別の値を演算する第13の演算手
    段とを有することを特徴とする油圧駆動装置。
  15. 【請求項15】請求項1記載の建設機械の油圧駆動装置
    において、前記第1及び第2の分流補償弁に設けられ、
    これら分流補償弁をそれぞれ開弁方向に付勢する、最初
    に述べた駆動手段とは別の駆動手段と、この別の駆動手
    段にほぼ一定の共通のパイロット圧力を導くパイロット
    圧力供給手段とを更に有し、前記最初に述べた駆動手段
    は、それぞれ、前記第1及び第2の分流補償弁を閉弁方
    向に付勢する側に配置されていることを特徴とする油圧
    駆動装置。
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