JP2615152B2 - バイパスミキシング式給湯器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、熱交換器を通過し、燃料の燃焼によって得
られた熱によって加熱された湯と、熱交換器をバイパス
した水とを混合して湯を供給するバイパスミキシング式
給湯器に関する。

［従来の技術］ 給湯器は、燃料の燃焼によって得られた熱と、水とを
熱交換する熱交換器の温度、つまり熱交換器を流れる湯
温が低いと、燃料の燃焼によって発生した水（ドレン
水）が熱交換器に付着し、熱交換器の耐久性が劣化して
しまう。

そこで、熱交換器をバイパスするバイパス水路を設
け、熱交換器を通過し加熱された湯とバイパス水路を通
過した水とを熱交換器の下流でミキシングし、熱交換器
の温度を高く維持して、給湯器より得られる湯温を低く
するバイパスミキシング式の給湯器が知られている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、従来のバイパスミキシング式の給湯器
は、低い出湯温が要求されると、それにともなって燃焼
量が小さくされ、熱交換器の温度が低下する。すると、
熱交換器の温度が低下し、燃料の燃焼によって発生した
水が熱交換器に付着してしまう問題点を備えていた。

本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目
的は、低い出湯温度が要求されても、熱交換器にドレン
水が付着することのないバイパスミキシング式給湯器の
提供にある。

［課題を解決するための手段］ 本発明は上記目的を達成するために、次の技術的構成
を採用する。

バイパスミキシング式給湯器は、燃料の燃焼を行う燃
焼部と、該燃焼部で燃料の燃焼によって得られた熱と水
とを熱交換し、水を加熱する熱交換器と、該熱交換器を
バイパスするバイパス水路と、該バイパス水路を流れる
水量を調節する絞り弁と、前記燃焼部における燃焼量、
および前記絞り弁によるバイパス水量を制御する制御回
路とを備える。

そして、前記制御回路は、前記熱交換器によって加熱
された湯温を検出する湯温検出手段、前記熱交換器と前
記バイパス水路を通過し、混合された出湯温を検出する
出湯温検出手段、および出湯温度を設定するコントロー
ラを備え、 燃焼量の制御によって、少なくとも前記湯温検出手段
の検出する湯温を前記熱交換器にドレン水が付着しない
湯温以上に保ち、 前記出湯温検出手段の検出する出湯温を、前記コント
ローラで設定された出湯温度にするように、燃焼量の制
御とバイパス水量の制御を行うことを特徴とする。

［作用］ 上記構成よりなる本発明は、例えばコントローラによ
って低い出湯温が要求された場合であっても、制御回路
の働きにより、湯温検出手段によって検出された湯温が
熱交換器にドレン水が付着する温度よりも高い温度に維
持された状態で、燃焼部における燃焼量が制御される。

［発明の効果］ 本発明によれば、上記作用で示したように、低い出湯
温が要求されても、熱交換器にドレン水が付着しない温
度に維持された状態で出湯温度が制御されるため、熱交
換器にドレン水が付着するのを確実に防ぐことができ
る。

［実施例］ 次に、本発明のバイパスミキシング式給湯器を図に示
す一実施例に基づき説明する。

第１図にバイパスミキシング式のガス給湯器の概略図
を示す。

このガス給湯器は、大別して燃料の燃焼を行う燃焼部
10と、ガス供給配管20と、水配管30と、制御回路40とか
ら構成されている。

燃焼部10は、セラミック製の表面燃焼式バーナ11を内
部に配設した燃焼ケース12と、この燃焼ケース12内に燃
焼用の空気を供給する送風機13とからなり、送風機13に
よって燃焼ケース12内に導かれた燃焼用の空気は、燃焼
後、燃焼ガスとして図示しない排気口より排出される。

ガス供給配管20は、送風機13の遠心式ファン14の内周
に開口するノズル21へ、燃料のガスを供給するもので、
上流側より元電磁弁22、主電磁弁23、比例弁24が順次設
けられている。比例弁24の下流は２つに分岐され、一方
には切替用電磁弁25、他方にはオリフィス26が設けられ
ている。なお、元電磁弁22、主電磁弁23および切替用電
磁弁25は、通電制御によってガス供給配管20を開閉する
もので、比例弁24は通電量に応じて開口比が変化し、ノ
ズル21に供給されるガス量を調節するものである。

水配管30は、一方が水の供給源に接続され、他方が給
湯口に接続されるもので、バーナ11のガスの燃焼によっ
て発生する熱と内部を流れる水とを熱交換し、内部を通
過する水を加熱する熱交換器31と、この熱交換器31をバ
イパスするバイパス水路32とを備える。

熱交換器31とバイパス水路32との分岐路の上流の水配
管30には、熱交換器31とバイパス水路32とに流入する水
圧が変化しても、流入する水量を一定に保つガバナ弁の
機能と、水量を調節する水量調節弁の機能とが組み合わ
された電動水量制御装置33が設けられている。また、バ
イパス水路32には、バイパス水路32を通過する水量を調
節する絞り弁34が設けられている。

なお、電動水量制御装置33の絞り比は、熱交換器31お
よびバイパス水路32を通過する水の総量を規制するよう
に、絞り弁34と同じか、絞り弁34より小さく設けられて
いる。また、電動水量制御装置33と絞り弁34は、水量を
調節する手段として、水路を開閉可能な弁体をギアドモ
ータを用いて駆動している。

制御回路40は、第２図に示すように、マイクロコンピ
ュータ41、リレー回路42および駆動回路43から構成され
るもので、使用者によって操作されるコントローラ44や
各種センサの出力に応じて、バーナ11に着火を行うスパ
ーカ45、元電磁弁22、主電磁弁23、比例弁24、切替用電
磁弁25、電動水量制御装置33、絞り弁34を通電制御する
ものである。

制御回路40の各種センサは、バーナ11の炎の検出およ
び空燃比を検出するためのフレームロッド46およびサー
モカップル47、電動水量制御装置33および絞り弁34の弁
体に連動し、開度を検出するポテンショメータ48、49、
送風機13の回転速度を検出する風量検出センサ50、熱交
換器31およびバイパス水路32に流入する水温を検出する
入水温センサ51、熱交換器31を通過した湯温を検出する
湯温センサ52（本発明の湯温検出手段）、熱交換器31お
よびバイパス水路32を通過し、混合された湯温を検出す
る出湯温センサ53、熱交換器31およびバイパス水路32に
流入する水量を検出する水量検出センサ54を備える。

次に、コンピュータ41による燃焼制御、および水量制
御について簡単に説明する。

燃焼制御は、使用者が給湯口に接続されたカランを操
作し、水配管30に水流が生じると、水量検出センサ54内
の回転体が回転し、燃焼が開始される。燃焼開始後の燃
焼量は、コントローラ44によって設定された出湯温が得
られるように、各種センサによって得られた水量、入水
温、熱交換器31を通過した湯温、ミキシング湯温（出湯
温）等より決定され、送風機13は決定された燃焼量に応
じた風量をバーナ11に供給するように通電制御される。
そして、送風機13の回転速度やバーナ11の炎温度に応じ
たガス量が得られるように、比例弁24および切替用電磁
弁25が通電制御される。なお、燃焼量は、熱交換器を通
過した湯温が、燃焼によって発生した水（ドレン水）が
熱交換器31に付着しない温度（例えば60℃＝本発明の所
定湯温）以上に維持されるように設定される。

絞り弁34は、入水温、熱交換器31を通過した湯温、出
湯温より算出された適切な開度で固定される。この絞り
弁34の開度の固定は、入水量が低下した際や、出湯温を
低下させる際に解除され、入水量の低下、出湯温の低下
に応じて算出された開度となるように絞り弁34が通電制
御される。

また、電動水量制御装置33は、出湯温が得られるに必
要な最大流量を越えないように通電制御される。

次に、出湯温を低下させる際の、絞り弁34の制御につ
いて説明する。

絞り弁34が固定された状態で、コントローラ44で低い
出湯温が設定されると、出湯温の低下にともなって、コ
ンピュータ41が燃焼量を低下させる。しかるに燃焼量
は、上述のごとく、熱交換器31を通過した湯温が、所定
湯温（例えば60℃）以上に維持されるように決定され
る。このため、コンピュータ41は、コントローラ44で設
定された出湯温を供給するには、絞り弁34の固定を解除
し、絞り弁34の開度を大きくすることによって出湯温を
低くする。

つまり、コンピュータ41は、熱交換器31を通過した湯
温を所定湯温以上に保って出湯温を燃焼量で制御できる
場合は、絞り弁34を固定して、燃焼量の制御のみで出湯
温を制御し、また、燃焼量の制御では熱交換器31を通過
した湯温が所定湯温より低下してしまう場合は、絞り弁
34の開度の制御によって出湯温を制御するものである。

本実施例によれば、低い出湯温が要求されても、絞り
弁34の開度を制御することにより、熱交換器31を流れる
湯温を高く維持し、出湯温を低くすることができるた
め、熱交換器31にドレン水が付着するのを確実に防ぐこ
とができる。

また、低い出湯温が要求された際、熱交換器31を流れ
る水量を絞ると出湯量が低下するが、本発明ではバイパ
ス水路32をを流れる水量を増加させるため、熱交換器31
を流れる水量を絞るのに比較して、出湯量を多く得るこ
とができる効果を有する。

（変形例） 燃焼にガスを用いた例を示したが、灯油や重油など液
体燃料を用いた給湯器に適用しても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図はバイパスミキシング式のガス給湯器の概略構成
図、第２図は制御回路の概略ブロック図である。 図中10……燃焼部、31……熱交換器 32……バイパス水路、34……絞り弁 40……制御回路 52……湯温センサ（本発明の湯温検出手段）

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（ａ）燃料の燃焼を行う燃焼部と、 （ｂ）該燃焼部で燃料の燃焼によって得られた熱と水と
   を熱交換し、水を加熱する熱交換器と、 （ｃ）該熱交換器をバイパスするバイパス水路と、 （ｄ）該バイパス水路を流れる水量を調節する絞り弁
   と、 （ｅ）前記燃焼部における燃焼量、および前記絞り弁に
   よるバイパス水量を制御する制御回路と を備えるバイパスミキシング式給湯器において、 前記制御回路は、 前記熱交換器によって加熱された湯温を検出する湯温検
   出手段、前記熱交換器と前記バイパス水路を通過し、混
   合された出湯温を検出する出湯温検出手段、および出湯
   温度を設定するコントローラを備え、 燃焼量の制御によって、少なくとも前記湯温検出手段の
   検出する湯温を前記熱交換器にドレン水が付着しない湯
   温以上に保ち、 前記出湯温検出手段の検出する出湯温を、前記コントロ
   ーラで設定された出湯温度にするように、燃焼量の制御
   とバイパス水量の制御を行う ことを特徴とするバイパスミキシング式給湯器。