JP2606415Y2 - 溝加工用サイドカッタ - Google Patents

溝加工用サイドカッタ

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JP2606415Y2
JP2606415Y2 JP1992019807U JP1980792U JP2606415Y2 JP 2606415 Y2 JP2606415 Y2 JP 2606415Y2 JP 1992019807 U JP1992019807 U JP 1992019807U JP 1980792 U JP1980792 U JP 1980792U JP 2606415 Y2 JP2606415 Y2 JP 2606415Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えばキー溝や大型工
作機械のテーブルに設けられる直交溝等、底面のある溝
を加工するのに使用して最適な溝加工用サイドカッタ、
特に溝加工効率の向上と工具寿命の向上、更には刃先寸
法管理の簡素化を図った溝加工用サイドカッタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、上記キー溝等の底面のある溝の加
工は、加工工具としてエンドミルを使用することによっ
て一般に行われていた。このエンドミルによる溝加工の
手順は、先ず溝に荒加工を施した後、溝幅の中仕上加工
と溝底面の仕上加工とを行い、しかる後、所定寸法のリ
ミット内に研磨されたエンドミルを使用して溝幅の仕上
加工を行うのが一般的である。
【0003】ここに、所定寸法のエンドミルがない場合
には、径のマイナスしているエンドミルを使用して幅寄
せしながら溝加工を施すことによって、溝幅の寸法を所
定のリミット内に入れるようにしている。なお、大物ワ
ークの場合には、幅寄せ加工は一般に採用されていな
い。
【0004】底面のある溝加工に使用される前記エンド
ミル以外の工具としては、バイト、メタルソー、サイド
カッタ等が挙げられる。
【0005】ここに、従来のサイドカッタは、一般に溝
の荒加工にのみ採用され、底面のある高精度の溝幅仕上
加工には採用されていない。これは、刃先の寸法管理が
難しい等によりサイドカッタの開発が遅れ、またそれを
使用する工作機械がなかったからである。
【0006】なお、出願人は、先に実願昭56−105
535号(特開平1−31369号)として、サイドカ
ッタ本体の両側面外周部に、仕上幅まで段階的に拡張す
るように配設した複数対の切刃を設け、前記それぞれの
対の切刃は回転方向に対して相互に半径方向に一部をラ
ップし、かつ対の切刃の幅が最小のものを最大径とし
て、幅の大なる切刃ほど小径に段階的にずらすことによ
り、サイドカッタの1回転で段階的に溝の幅を拡げて所
定寸法にするようにしたものを提案したが、このサイド
カッタは、T溝の溝加工用のものであり、このままでは
溝底面のある溝加工には適用できない。
【0007】また、メタルソーは、刃物の弾性を利用し
たものであり、狭い溝幅のもののみに使用され、5mm以
上の溝幅には不向きである。
【0008】更に、プレーナにおけるバイトでの突切り
作業も多く採用されている技術であるが、前記エンドミ
ルの場合と同様に、荒加工、中仕上加工および本仕上加
工と3回の加工をその都度種類の異なる幅のバイトを使
用して施すことによって、高精度な底面のある溝加工を
行っている。
【0009】また、特殊な工具としては、エンドミル刃
先の寸法管理と工具費の経済性を目的とした偏心エンド
ミルチャックが挙げられ、これを採用したエンドミル加
工もあるが、この加工は、長い溝の溝加工に対しては問
題がありあまり採用されていないのが現状である。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】上記従来例のように、
底面のある溝の加工にエンドミルやサイドカッタを使用
して先ず荒加工を行い、その後中仕上加工と本仕上加工
とを所定寸法に研磨された別のエンドミルで行ったり、
所定寸法に研磨されたエンドミルがない場合に径のマイ
ナスしているエンドミルを使用して幅寄せ加工を行った
場合、加工効率が悪く、特に中仕上加工と仕上加工を別
々に行うために多くの加工時間を要している。また、リ
ミット幅の狭い加工用のエンドミル刃先は、寸法管理が
難しく、エンドミルの刃先寸法を決める際の刃先研磨時
に不良となる場合もある。
【0011】また、寸法管理されたエンドミルであって
も、使用する工作機械の主軸に振れがあると、この主軸
の振れによって溝幅の仕上寸法が大きく左右されてしま
い、これを確認するために、テスト切削する必要がある
ばかでなく、寸法管理されたエンドミルでも使用できな
い場合がある。
【0012】更に、エンドミル加工においては、溝幅加
工の加工長が長いと刃先磨耗が進んでしまい、加工始め
の溝幅寸法と加工終りの溝幅寸法とが異なり、精度良い
製品を作ることができないことがあるばかりでなく、エ
ンドミルは、線切削のために溝幅に関与しない切削も同
時に行うため、工具寿命も短く、工具費が割高となって
しまう。しかも、エンドミルは、径の割に長さがあるた
めに、工具としての剛性が比較的少ないばかりでなく、
切削抵抗に対しても弱く、無理な切削を行うと片方向に
寄せられることがある。
【0013】以上のように、エンドミルを使用した溝加
工には多くの問題があり、これを使用するには高度の技
術が必要となる。
【0014】なお、サイドカッタを使用しての溝幅の仕
上加工は、面粗さに問題があるばかりでなく、一般的に
は幅寄せ加工で所定寸法に加工するために多くの加工時
間を要し、このため、ラフな溝幅に対してのみ採用され
ているものである。
【0015】また、プレーナでのバイトを用いた突切り
加工は、エンドミルの場合と同様に多くの加工時間を要
すばかりでなく、最終加工に用いるバイトの刃先寸法管
理が一般にかなり難しく、しかもバイト刃先の幅研磨時
にこれをリミット内に入ることができず不良となる場合
もある。
【0016】なお、このプレーナ作業は、他部品の加工
に対する能率が一般にかなり悪く、設備機械として減少
する方向にあり、溝加工のみでの設備機械では経済性上
なりたたないのが現状である。
【0017】本発明は上記に鑑み、経済性に優れ、底面
のある溝を効率良く短時間で加工することができるばか
りでなく、刃先寸法管理等の取扱いが比較的簡単で、し
かも高精度の溝加工を施すことができるようにした溝加
工用サイドカッタを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案に係る溝加工用サイドカッタは、溝加工用サ
イドカッタ本体の外周面に該外周面から半径方向に突出
して溝の底面を加工する溝底面加工用切刃を複数設け、
前記カッタ本体の外周部両側面に、互いに対をなす溝幅
荒仕上用切刃を円周方向に沿って複数設けるとともに、
円周方向に隣接する前記溝底面加工用切刃の間に溝幅拡
張にのみ関与する複数の切刃が配置される溝幅拡張作用
範囲を所定の円周角で設定し、この溝幅拡張作用範囲に
溝幅荒仕上用切刃と、溝幅中仕上用切刃と、溝幅本仕上
用切刃の各対を切削方向に沿って順次配置し、前記溝幅
荒仕上用切刃と溝幅中仕上用切刃と溝幅本仕上用切刃の
各対によって形成される切削幅が徐々に順次広くなると
ともにカッタ中心から刃先までが順に小径となるように
したもの、及びサイドカッタ本体の外周部両側面に、互
いに対をなす溝幅荒仕上用切刃を前記本体の円周方向に
沿って複数設けるとともに、円周方向に隣接する前記溝
幅荒仕上用切刃間に所定の円周角で溝幅拡張にのみ関与
する複数の切刃が配置される溝幅拡張作用範囲を設定
し、この溝幅拡張作用範囲に溝幅中仕上用切刃と溝幅本
仕上用切刃の各対を切削方向に沿って順次配置し、前記
溝幅中仕上用切刃と溝幅本仕上用切刃の各対によって形
成される切削幅が徐々に順次広くなるとともにカッタ中
心から刃先までが順に小径となるようにしたものであ
る。
【0019】
【作用】上記のように構成した請求項1記載の本考案に
よれば、サイドカッタの回転に伴って、先ず溝底面加工
用切刃で溝の底面の仕上加工を施し、溝幅に対しては、
溝幅荒仕上用切刃、溝幅中仕上用切刃から溝幅本仕上用
切刃と順次切削幅を拡大しつつこの仕上までの加工を施
し、これによってサイドカッタの1回転によって、溝底
面と溝幅とを同時に加工することができる。
【0020】また、請求項2記載の本発明によれば、予
め底面に仕上加工が施されている溝に対し、複数の溝幅
荒仕上用切刃で溝幅の荒仕上を行い、互いに隣接する前
記溝幅荒仕上用切刃間に配置された溝幅中仕上用切刃と
溝幅本仕上用切刃で溝幅拡大作用を行わせることよっ
て、この溝幅拡大作用に関与する切刃の作用取代を安定
並びに少なくさせ、これによって不完全溝幅部の範囲を
少なくして、底面のある溝の溝幅加工を行うことができ
る。
【0021】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照して説明
する。
【0022】図1乃至図5は、第1の実施例を示すもの
で、同図において、符番1はカッタ本体で、このカッタ
本体1は円板状に形状され、中央部分を外周部分より肉
厚にすることにより、剛性を高めるようなされている。
このカッタ本体1には、工作機械との位置決め用として
中心穴2が、主軸(図示せず)とのクランプ用として複
数のセット穴3が夫々設けられているとともに、回転時
のトルク伝達用としてドライブキー溝4が形成されてい
る。
【0023】更に、カッタ本体1の外周面には、その円
周方向に沿って複数の溝底面加工用切刃5が設けられて
いる。即ち、カッタ本体1の外周面に複数の台形状の溝
を掘り、この溝内に溝底面加工用切刃5と楔6を挿着す
るとともに、この楔6をねじ7で螺着することによっ
て、カッタ本体1に溝底面加工用切刃5が取付けられて
いる。
【0024】前記各溝底面加工用切刃5のカッタ本体1
の回転方向A側の近傍に位置して、カッタ本体1の外周
部両側面には、互いに対をなす溝幅荒仕上用切刃8が複
数個設けられているとともに、前記溝底面加工用切刃5
と溝幅荒仕上用切刃8との間の溝幅拡張作用範囲ψに位
置して、カッタ本体1の外周部両側面には、前記溝幅荒
仕上用切刃8と、互いに対をなす溝幅中仕上用切刃9及
び溝幅本仕上用切刃10とが、切削方向(カッタ本体1
の回転方向Aの逆方向)に沿って順次配置されている。
【0025】前記各切刃8,9,10は、ある一定の逃
げ角をなして皿ねじ11によりカッタ本体1の左右両側
に取付けられているとともに、各切刃8,9,10に
は、切屑ポケット12が設けられている。
【0026】前記各切刃5,8,9,10の詳細を図3
乃至図5を参照して説明する。
【0027】前記溝底面加工用切刃5は、被加工物13
の表面に予め形成された加工前溝14の底面のみに加工
を施すためものであり、この幅は前記加工前溝14の幅
より狭い寸法に設定されて、カッタ本体1の厚さ方向中
央にセットされている。更に、カッタ本体1の中心Oか
ら溝底面加工用切刃5の刃先までの距離(以下、切刃5
の半径という)r1 は、カッタ本体1の外周面1aまで
の半径r0 より大きく(r1 >r0 )設定され、これに
よって、溝底面加工用切刃5の刃先がカッタ本体1の外
周面から半径方向に突出し、この突出した量r1 −r0
が底面取代t1となるようなされている。
【0028】前記溝幅荒仕上用切刃8は、前記加工前溝
14の溝幅の荒仕上加工(荒加工)を行うためのもの
で、カッタ本体1の中心Oから溝幅荒仕上用切刃8の刃
先までの距離(以下、切刃8の半径という)r2 は、前
記切刃5の半径r1 よりΔr1だけ大きく(Δr1 =r
2 −r1 >0)設定されているとともに、一対の切刃で
形成される切削幅w1 は、カッタ本体1の幅w0 より大
きく(w1 >w0 )設定されている。
【0029】これにより、前記半径の差Δr1 によっ
て、溝底面の左右に加工溝深さd0 より深い逃げ溝15
が切削形成されるとともに、前記切削幅w1 と前記加工
前溝14の溝幅との差が左右の荒仕上取代t2 の合計と
なるようになされている。
【0030】前記溝幅中仕上用切刃9は、前記溝幅荒仕
上用切刃8によって切削された溝の溝幅の中仕上加工を
行うためのもので、カッタ本体1の中心Oから溝幅中仕
上用切刃9の刃先までの距離(以下、切刃9の半径とい
う)r3 は、前記切刃8の半径r2 よりΔr2 だけ小さ
く、かつ前記切刃5の半径r1 より小さく(Δr2 =r
2 −r3 >0,r3 <r1 )設定されているとともに、
一対の切刃で形成される切削幅w2 は、前記溝幅荒仕上
用切刃8の切削幅w1 より大きく(w2 >w1)設定さ
れている。
【0031】これにより、この溝幅中仕上用切刃9が溝
底面に接触してしまうことなく、かつ前記切削幅の差w
2 −w1 が左右の中仕上取代t3 の合計となるようにな
されている。
【0032】前記溝幅本仕上用切刃10は、前記溝幅中
仕上用切刃9によって切削された溝の溝幅の本仕上加工
を行うためのもので、カッタ本体1の中心Oから溝幅本
仕上用切刃10の刃先までの距離(以下、切刃10の半
径という)r4 は、前記切刃9の半径r3 よりΔr3
け小さく(Δr3 =r3 −r4 >0)設定されていると
ともに、一対の切刃で形成される切削幅w3 は、前記溝
幅中仕上用切刃9の切削幅w2 より大きく(w3 >w2
>w1 )設定されている。
【0033】これにより、この溝幅本仕上用切刃10が
溝底面に接触してしまうことなく、かつ前記切削幅の差
3 −w2 が左右の仕上取代t4 の合計となるようにな
されている。
【0034】次に、図5を参照して溝幅拡張作業につい
て説明する。
【0035】溝底面加工用切刃5は、底面取代t1 を複
数刃で切削するもので、溝幅切削には関与しない。溝幅
拡張作用をしているのは、溝幅拡張作用範囲ψにある溝
幅荒仕上用切刃8、溝幅中仕上用切刃9及び溝幅本仕上
用切刃10である。
【0036】切刃として最大の半径r2 を有する溝幅荒
仕上用切刃8は、切削時におけるカッタ本体1の回転方
向Aの回転と、被加工物13の送り方向Bの送りによっ
て、切削幅w1 で溝最大深さd1 の加工を行う。この時
の溝幅の荒仕上取代t2 は、左右同量である。
【0037】この溝幅荒仕上用切刃8によって切削幅w
1 に切削加工された溝幅を引き続き溝幅中仕上用切刃9
でこの切削幅w2 に加工する。この時の中仕上取代t3
は左右同量であり、半径方向においては、切刃8の半径
2 と切刃9の半径r3 との間にΔr2 の差があり、切
刃9の半径r3 の方が小さいため、溝幅荒仕上用切刃8
の切削を溝幅中仕上用切刃9で行うことはない。
【0038】更に、前記溝幅中仕上用切刃9による切削
加工直後に、後刃として位置する溝幅本仕上用切刃10
でこの切削幅w3 に加工し、これを最終溝幅寸法とす
る。この時の仕上取代t4 は左右同量であり、半径方向
においては、切刃9の半径r3と切刃10の半径r4
の間にΔr3 の差があり、切刃10の半径r4 の方が小
さいため、溝幅中仕上用切刃9は他の切刃の切削を行う
ことはない。
【0039】これによって、溝幅の切削加工を終了する
のであるが、この時、切刃10の半径r4 は、溝底面の
仕上を施す切刃5の半径r1 より小さいため、半径方向
に沿った両者差r1 −r4 の分、不完全溝幅部範囲lが
形成されることになる。
【0040】本実施例において、前記溝幅拡張作業を溝
幅拡張作用範囲ψで行っている。このように、複数の溝
幅荒仕上用切刃8で溝幅の荒仕上を行い、溝幅拡張作用
範囲ψに配置された溝幅荒仕上用切刃8、溝幅中仕上用
切刃9及び溝幅本仕上用切刃10で溝幅拡大作用を行わ
せることよって、この溝幅拡大作用に関与する切刃の作
用取代を安定並びに少なくさせて不完全溝幅部範囲lを
少なくし、これによって、底面のある溝の溝幅加工を行
うことができる。
【0041】なお、切刃8の半径r2 と切刃9の半径r
3 との差Δr2 、及び切刃9の半径r3 と切刃10の半
径r4 との差Δr3 を大きくすればする程、切削効率が
良くなるが、不完全溝幅部範囲lが広くなる。
【0042】また、溝幅拡張作用範囲ψをより小さく、
例えば30°以内にすることにより、不完全溝幅部範囲
lを減少させたり、切刃8の半径r2 と切刃9の半径r
3 との差Δr2 と、切刃9の半径r3 と切刃10の半径
4 との差Δr3 とを等しくさせつつ切削効率を向上さ
せることができる。
【0043】また、中仕上取代t3 と仕上取代t4 の合
計の作用取代t5 (=t3 +t4 )をあまり小さく設定
すると、溝幅荒仕上用切刃8のカッタ本体1への取り付
けが不安定となったり、切刃厚さのバラツキ等により実
際の作用取代がなくなって荒仕上加工面が残り仕上加工
面の面粗さが悪くなってしまうため、ある程度の作用取
代が必要である。
【0044】このように、溝底面加工用切刃5、溝幅荒
仕上用切刃8、溝幅中仕上用切刃9及び溝幅本仕上用切
刃10で加工前溝14を切削して、仕上溝16を形成す
るするのであり、この時、特に、溝幅拡張作用範囲ψに
ある溝幅荒仕上用切刃8、溝幅中仕上用切刃9及び溝幅
本仕上用切刃10の3種類の切刃を1回転中に1回作用
させて、安定した高精度の溝幅仕上幅(切削幅)w3
加工を行うことができる。
【0045】図6及び図7は第2の実施例を示すもの
で、上記第1の実施例と異なる点は、溝底面加工用切刃
5の半径r1 と、溝幅荒仕上用切刃8の半径r2 とを互
いに等しく(r1 =r2 )設定した点にある。
【0046】このようにすることにより、前記第1の実
施例における逃げ溝15をなくすることができる。この
ため、不完全溝幅部範囲lが多少広くなるが、一般的に
はこのタイプの仕上溝16の形状を取るものが多い。
【0047】図8及び図9は、第3の実施例を示すもの
で、この実施例は、前記第1の実施例における溝底面加
工用切刃5を取り除き、カッタ本体1に複数の溝幅荒仕
上用切刃8と、各1個の溝幅中仕上用切刃9及び溝幅本
仕上用切刃10を取り付けたものである。
【0048】この実施例の場合、前工程で加工前溝14
の底面に仕上加工を施しておく必要があり、このため
に、多少能率が劣るものの、高精度の溝の加工に適し、
高精度の溝を得ることができる。
【0049】ここに、溝幅荒仕上用切刃8の半径r2
カッタ本体1の中心Oから加工前溝4の底面までの距離
に等しく設定することにより、図9の左側に示すよう
に、溝底面をフラットにすることができ、また溝幅荒仕
上用切刃8の半径r2 をカッタ本体1の中心Oから加工
前溝4の底面までの距離より大きく設定することによ
り、図9の右側に示すように、逃げ溝15を加工形成す
ることができる。
【0050】なお、図10に示すように、逃げ溝15の
深さを十分に深くするとともに、溝幅拡大作用をこの逃
げ溝15内で行わせることにより、溝底面上が全て完全
溝幅寸法となるようにすることもできる。
【0051】
【考案の効果】本発明は上記のような構成であるので、
少なくとも中仕上加工と仕上加工とを同時に行いつつ、
底面のある溝を確実に加工することができ、これによっ
て加工効率の向上を図ることができる。
【0052】しかも、工具としての剛性がエンドミル等
に比較して高く、かつ面接触で、即ち無理な切削をする
ことなく各切刃が分担された切削を行うので、溝幅寸法
を安定させ加工精度を良くするとともに、工具寿命の大
幅な向上を図ることができ、更に経済性においても大き
なメリットとなるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例を示す正面図。
【図2】同じく、図1の左側面図。
【図3】同じく、図1の一部拡大図。
【図4】同じく、各切刃と被加工物との関係を示す側面
図。
【図5】同じく、作用の説明に付する図。
【図6】第2の実施例を示す図3相当図。
【図7】同じく、図4相当図。
【図8】第3の実施例を示す図1相当図。
【図9】同じく、仕上溝の形状を示す断面図。
【図10】他の仕上溝の形状を示す断面図。
【符号の説明】
1 カッタ本体 5 底面加工用切刃 8 溝幅荒仕上用切刃 9 溝幅中仕上用切刃 10 溝幅本仕上用切刃 14 加工前溝 15 逃げ溝 16 仕上溝 r1 〜r4 切刃半径 Δr1 〜Δr3 切刃半径の差 t1 〜t5 取代 w1 〜w3 切削幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−288918(JP,A) 特開 昭60−263612(JP,A) 実開 昭61−187619(JP,U) 実開 昭61−191821(JP,U) 実公 平1−31369(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23C 5/08 B23D 43/00

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】溝加工用サイドカッタ本体の外周面に該外
    周面から半径方向に突出して溝の底面を加工する溝底面
    加工用切刃を複数設け、前記カッタ本体の外周部両側面
    に、互いに対をなす溝幅荒仕上用切刃を円周方向に沿っ
    て複数設けるとともに、円周方向に隣接する前記溝底面
    加工用切刃の間に溝幅拡張にのみ関与する複数の切刃が
    配置される溝幅拡張作用範囲を所定の円周角で設定し、
    この溝幅拡張作用範囲に溝幅荒仕上用切刃と、溝幅中仕
    上用切刃と、溝幅本仕上用切刃の各対を切削方向に沿っ
    て順次配置し、前記溝幅荒仕上用切刃と溝幅中仕上用切
    刃と溝幅本仕上用切刃の各対によって形成される切削幅
    が徐々に順次広くなるとともにカッタ中心から刃先まで
    が順に小径となるようにしたことを特徴とする溝加工用
    サイドカッタ。
  2. 【請求項2】サイドカッタ本体の外周部両側面に、互い
    に対をなす溝幅荒仕上用切刃を前記本体の円周方向に沿
    って複数設けるとともに、円周方向に隣接する前記溝幅
    荒仕上用切刃間に溝幅拡張にのみ関与する複数の切刃が
    配置される溝幅拡張作用範囲を所定の円周角で設定し、
    この溝幅拡張作用範囲に溝幅中仕上用切刃と溝幅本仕上
    用切刃の各対を切削方向に沿って順次配置し、前記溝幅
    中仕上用切刃と溝幅本仕上用切刃の各対によって形成さ
    れる切削幅が徐々に順次広くなるとともにカッタ中心か
    ら刃先までが順に小径となるようにしたことを特徴とす
    る溝加工用サイドカッタ。
  3. 【請求項3】前記溝幅荒仕上用切刃によって切削形成さ
    れる逃げ溝内で溝幅拡大作用を行なわせるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の溝加工用サイドカ
    ッタ。
JP1992019807U 1992-04-02 1992-04-02 溝加工用サイドカッタ Expired - Lifetime JP2606415Y2 (ja)

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