JP2604233B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤に発散
してなる磁性層を設けた磁気記録媒体に関し、特に広範
囲の温湿度条件において走行性、耐久性に優れる磁気記
録媒体に関するものである。
〔従来の技術〕
磁気記録媒体においては、より高密度記録の要求が高
まり、その一つの対応手段として磁性層の表面を平滑に
することが知られている。
しかしながら磁性層の表面を平滑にすると磁気記録媒
体の走行中において磁性層と装置系との接触の摩擦係数
が増大する結果、短期間の使用で磁気記録媒体の磁性層
が損傷を受け、あるいは磁性層が剥離する傾向がある。
このような問題に対処するため、脂肪酸、脂肪酸エス
テル、炭化水素、シリコーン化合物等の潤滑剤が用いら
れてきた。
しかしながら最近VTRやパーソナルコンピユータまた
はワードプロセツサ用といつた民生用のフレキシブルデ
イスクドライブ装置が普及・一般化するにいたり、磁気
記録媒体の使用条件も低温下での使用、あるいは高温高
湿下での使用等広きにわたるようになつてきた。従つ
て、磁気記録媒体は予測される種々の、条件下において
もその走行耐久性が変動することがないような安定した
ものでなければならないが従来知られているような潤滑
剤では十分でなかつた。
また走行耐久性を向上させるための別の対策として
は、磁性層に研磨材(硬質粒子)を添加する方法が提案
・実施されているが、磁性層の走行耐久性を向上させる
目的で磁性層に研磨材を添加する場合には、研磨材を相
当多量に添加しなければその添加効果が現れにくい。す
なわち、電磁変換特性・ヘッド摩耗性を犠牲にすること
なく走行耐久性を得ることは研究的には難しい。
従来有機フツ素化合物を潤滑剤として用いることが特
開昭58−164023号、特開昭59−33624号、特開昭57−124
17号、特開昭57−37730号、特開昭59−152525号、特開
昭62−1116号等が知られておりヘッド汚れ等は改良され
るが、これらの潤滑剤のみでは分散効果が不十分であ
り、磁性層の平滑性が充分に得られない。また例えば特
開昭59−167841号では分散剤としてジアルキルスルホコ
ハク酸塩を用いた磁性塗料中に潤滑剤として分子中に潤
滑剤として分子中にパーフルオロアルキル基とポリアル
キレンオキサイド基とを有する有機フツ素化合物を添加
し、これを潤滑剤として使用することにより、強磁性粉
末の分散性を損なうことなく磁性層の耐久性および耐熱
性を改善できることが提案されている。
しかし、上記フツ素化合物は結合剤との相溶性が良い
ために、添加量と磁性層表面に滲み出す量とのバランス
をとるのが難しく、少量で安定した効果を得ることが出
来なかつた。
一方、特開昭63−98830号では、磁性層に分岐パーフ
ルオロアルケニル基を有する化合物を用いることにより
耐久性を改善できることが提案されている。
しかし、上記化合物を用いても走行耐久性については
まだ不十分であつた。
そのためさらに走行耐久性の優れたものを開発する必
要があつた。
すなわち、分岐パーフルオロアルケニル基を有する化
合物は摩擦係数も低下し、ヘッド目詰りも改良すること
ができ耐久性は良化するが、1時間長を100回繰り返し
再生した後の出力やヘッド目詰り、コンタクトノイズの
ような過酷な走行耐久性についてはまだ不十分であつ
た。
そこで本発明者らは、磁性粉末塗布型の上記問題点を
解消するような潤滑剤や結合剤についてさらに鋭意検討
した結果、パーフルオロアルケニル基及び 結合を有する化合物と極性基含有結合剤と組み合わせて
用いることによりさらに一層優れた耐久性・環境適応性
を得ることを見い出し、本発明をなすに至つたものであ
る。
〔発明の目的〕
本発明の目的は低温低湿下、高温高湿下の広い温湿度
条件下においても、極めて優れた走行耐久性を有する磁
気記録媒体を提供することにある。又繰り返し再生後の
再生出力低下、ヘッド目詰まり、及びコンタクトノイズ
を改良した磁気記録媒体を提供することにある。
〔発明の構成〕
すなわち本発明の上記目的は非磁性支持体上に強磁性
粉末を結合剤中に分散させた磁性層を設けた磁気記録媒
体において、前記磁性層中又は磁性層表面にパーフルオ
ロアルケニル基及び 結合を有する化合物と前記結合剤が−SO3M、−OSO3M、
−PO3M2、−OPO3M2(Mは水素、アルカリ金属、アンモ
ニウム、N炭化水素置換アンモニウムを示す)より選ば
れた少なくとも1種の極性基をポリマー1g当り1×10-6
〜1×10-3当量導入したポリマーを含むことを特徴とす
る磁気記録媒体によつて達成することができ、更に好ま
しくは上記パーフルオロアルケニル基及び 結合を有する化合物としては、下記一般式で示される化
合物を含むことを特徴とする磁気記録媒体によつて達成
できる。
ここでRfは、炭素数5〜21の飽和または不飽和、分岐
の炭化水素基、 Xは、O、NH、NR′から選ばれる2価の連結基が望ま
しい。
R、R′は同じあるいは異なり、それぞれ炭素1から
32の炭化水素基である。
本発明に用いるパーフルオロアルケニル基及び 結合を有する化合物の上記一般式に該当する化合物であ
れば、異性体構造によらず、また窒素および酸素の置換
している基(R′、R)の炭素数、分岐の有無、不飽和
結合の有無や異性体構造によらず選択することが出来
る。
具体的には、以下の化合物があげられる。
上記パーフルオロアルケニル基及び 結合を持つ化合物は、エーテル結合およびエステル結合
などの親水性とアルキル基の疎水性の両方の性質があ
り、極性基含有結合剤と適度のインタラクションを有す
る。
またパーフルオロアルケニル基は撥水性であり、かつ
撥油性も有する。
上記化合物の合成は、パーフルオロアルケニル基を持
つ安息香酸誘導体を5塩化リンあるいは塩化チオニルで
酸塩化物にし、得られた分岐パーフルオロアルケニル基
をもつ塩化ベンゾイルを1価のアルコールあるいは第1
アミン、第2アミンと反応させることによつて得られ
る。もの化合物については特開昭64−22843号に記載さ
れているような含フツ素カルボン酸不飽和エステルやそ
の製造法も利用できる。
使用量は通常の塗布型磁気記録媒体の磁性層に内添す
る場合、強磁性粉末に対して0.01〜10重量%が適当であ
る。塗布型磁気記録媒体の磁気層表面にトップコートす
る場合は10〜500mg/m2が適当である。
使用量がこの範囲をこえると表面の、パーフルオロア
ルケニル基及び 結合をもつ化合物が過剰になり、貼りつき等の故障の原
因になることがあるだけでなく、内添型の場合磁性層結
合剤を可塑化する作用により却つて耐久性が低下する等
の問題がある。
使用量がこの範囲を下まわると当然のことながら磁性
層表面存在量が不十分となり効果が得られない。
本発明においては、その他の潤滑剤を混在させてもよ
い。
併用できる潤滑剤としては、飽和、不飽和の脂肪酸
(ミリスチン酸、ステアリン酸、オイレン酸等)金属石
鹸、N置換・N未置換の脂肪酸アミド、脂肪酸エステル
(各種モノエステルをはじめソルビタン、グリセリン等
多価エステルの脂肪酸エステル、多塩基酸のエステル化
物等)、エーテル結合を有するエステル化合物、高級脂
肪族アルコール、モノアルキルフォスフエート、ジアル
キルフオスフエート、トリアルキルフオスフエート、パ
ラフイン類、シリコーンオイル、動植物油、鉱油、高級
脂肪族アミン;グラフアイト、シリカ、二硫化モリブデ
ン、二硫化タングステン等の無機微粉末;ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化
ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂
微粉末;αオルフイン重合物;常温で液体の不飽和脂肪
族炭化水素、末端変性または未変性のパーフルオロアル
キルポリエーテル、フルオロカーボン類等があげられ
る。
これらの混在潤滑剤の好ましい使用量は使用態様によ
つて様々だが、おおむね、本発明のパーフルオロアルケ
ニル基を有する化合物の1/5〜10倍の使用量である。
磁性粉末塗布型磁気記録媒体の場合使用される強磁性
粉末のサイズや表面処理に特に制限はなく広く用いるこ
とができる。
強磁性粉末の形状に特に制限はないが通常は、針状、
粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものなどが使用
される。この強磁性粉末の結晶子サイズ(測定はX線回
折による)は、450Å以下が電磁変換特性上好ましい。
磁性層を形成する結合剤の例としては、塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニルとビニル
アルコール、マイレン酸および/またはアクリル酸との
共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化
ビニル・アクリルニトリル共重合体、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体、ニトロセルロース樹脂などのセルロース
誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フエノキシ樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン
樹脂等をあげることが出来る。極性基としては、エポキ
シ基、SO3M、OSO3M、PO3M2、OPO3M2があげられる。但
し、Mは水素、アルカリ金属、アンモニウム、N炭化水
素置換アンモニウムを表わす。
ひとつの「極性基」に複数のMがある場合は、その基
の中のMが同じでも異なつていてもよい。
例えば本発明で用いる極性基含有結合剤は、−SO3M、
(Mは水素原子またはナトリウム、カリウム等のアルカ
リ金属アンモニウム、またはN−炭化水素置換アンモニ
ウムを表す)を有するポリウレタン樹脂、エポキシ基、
−SO3M基、−OSO3M基または (M水素原子、アルカリ金属、アンモニウムまたはN炭
化水素置換アンモニウム)、エポキシ基を有する塩化ビ
ニル系樹脂および−SO3M基(Mは前記と同様)を有する
ポリエステル樹脂があげられる。
これらの樹脂に関しては特開昭59−8127号、同昭59−
92422号、同59−92423号、同昭59−8127号、特開昭59−
40320号公報等に記載されている。
極性基含有樹脂の具体例としては、−SO3Na含有ポリ
エステル(東洋紡(株)「バイロン530」)、−SO3Na含
有塩化ビニル共重合体(日本ゼオン製「MR−110」)な
どが挙げられる。極性基含有量は、1×10-6eq/g〜1×
10-3eq/gの範囲である。
極性基含有量が、1×10-3eq/gより多いと有機溶剤へ
の溶解性が低くなり、磁性塗料として分散性が悪くなり
不適当である。また1×10-3eq/gより少ないと、本発明
の分岐パーフルオロアルケニル基を有する化合物に対す
る相互作用が弱くなり磁性層表面で有効に潤滑作用が起
こらない。
以上列挙の高分子結合剤は単独または数種混合で使用
され、しばしばイソシアネート系の公知の架橋剤を添加
して硬化処理される。
また、アクリル酸エステル系のオリゴマーと、モノマ
ーを結合剤として用い、放射線照射によつて硬化する結
合剤にも、本発明のパーフルオロアルケニル基及び 結合を有する化合物は適用される。
本発明の磁気記録媒体の磁性層中の全結合剤の含有量
は、通常は強磁性粉末100重量部に対して10〜100重量部
であり、好ましくは20〜40部である。
本発明の磁気記録媒体の磁性層には、さらにモース硬
度5以上の無機質粒子を含有することが好ましい。
使用される無機質粒子は、モース硬度が5以上であれ
ば特に制限はない。モース硬度が5以上の無機質粒子の
例としては、Al2O3(モース硬度9)、TiO(同6)、Ti
O2(同6.5)、SiO2(同7)、SnO2(同6.5)、Cr2O
3(同9)、およびα−Fe2O3(同5.5)を挙げることが
でき、これらを単独あるいは混合して用いることができ
る。
とくに好ましいのはモース硬度が8以上の無機質粒子
である。モース硬度が5よりも低い無機質粒子を用いた
場合には、磁性層から無機質粒子が脱落しやすく、また
ヘツドの研磨作用も殆どないため、ヘツド目詰まりを発
生しやすく、また走行耐久性も乏しくなる。
無機質粒子の含有量は、通常、強磁性粉末100重量部
に対して0.1〜20重量部の範囲であり、好ましくは1〜1
0重量部の範囲である。
また磁性層には上記の無機質粒子以外にも、カーボン
ブラツク(特に、平均粒径が10〜300nm(ナノメートル;
10-9m)のもの)などを含有させることが望ましい。
非磁性支持体の材質としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン2,6ナフタレートなどのポリエス
テル類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレ
フイン類、セルローストリアセレートなどのセルロース
誘導体、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイ
ミド等の樹脂を用いることができ、必要に応じアルミニ
ウム等の金属でメタライズしてあつてもよい。
支持体の厚みは3〜100μ、磁気テープとしては好ま
しくは3〜20μ、磁気デイスクとしては20〜100μが通
常使用される範囲である。
つぎに本発明の磁気記録媒体を製造する方法の例を述
べる。
まず、強磁性粉末と結合剤、パーフルオロアルケニル
基及び 結合を持つ化合物、そして必要に応じて、他の充填材、
添加剤などを溶剤と混練し、磁性塗料を調製する。混練
の際に使用する溶剤としては、磁性塗料の調整に通常使
用されている溶剤を使用することができる。
混練の方法にも特に制限はなく、また各成分の添加順
序などは適宜設定することができる。
例えば、本発明に示すパーフルオロアルケニル基及び 結合を持つ化合物やその他の潤滑剤・添加剤を有機溶剤
に溶解したものを用意しておき、溶剤・バインダー・磁
性粉体等で調製した磁性体分散液に添加することもでき
る。
磁性塗料を調製する際には、分散剤、帯電防止剤、潤
滑剤等の公知の添加剤を併せて使用することもできる。
分散剤の例としては、炭素数12〜22の脂肪酸、その塩
またはエステル化物、上記の脂肪酸のアミド、脂肪族ア
ミン、高級アルコール、ポリアルキレンオキサイドアル
キル燐酸エステル、アルキル燐酸エステル、アルキルホ
ウ酸エステル、サルコシネート類、アルキルエーテルエ
ステル類、トリアルキルポリオレフイン、オキシ第4級
アンモニウム塩およびレシチンなどの公知の分散剤を挙
げることができる。
分散剤を使用する場合は、通常は使用する磁性性粉末
100重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲で使用される。
帯電防止剤の例としては、カーボンブラツク、カーボ
ンブラツクグラフトポリマーなどの導電性微粉末;サポ
ニンなどの天然界面活性剤;アルキレンオキサイド系、
グリセリン系およびグリシドール系などのノニオン系界
面活性剤;高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム
塩類、ピリジンその他の複素環化合物の塩類、ホスホニ
ウムまたはスルホニウム類などのカチオン性界面活性
剤;カルボン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル
基等の酸性基を含むアニオン性界面活性剤;アミノ酸
類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸また
は燐酸エステル類等の両性界面活性剤等を挙げることが
できる。帯電防止剤として上記の導電性微粉末を使用す
る場合には、例えば強磁性粉末100重量部に対し0.1〜10
重量部の範囲で使用され、界面活性剤を使用する場合に
も同様に0.12〜10重量部の範囲で使用される。
なお、上述した分散剤、帯電防止剤、潤滑剤などの添
加剤は、厳密に上述した作用効果のみを有するものであ
るとの限定の下に記載したものではなく、例えば、分散
剤が潤滑剤あるいは帯電防止剤として作用することもあ
りうる。従つて、上記分類により例示した化合物などの
効果作用が、上記分類に記載された事項に限定されない
ことは勿論であり、また複数の作用効果を奏する物質を
使用する場合には、添加量は、その作用効果を考慮して
決定することが好ましい。
このようにして調製された磁性塗料は前述の非磁性支
持体上に塗布される。塗布は、前記非磁性支持体上に直
接行なうことも可能であるが、また、接着剤層などの中
間層を介して非磁性支持体上に塗布することもできる。
ここでいう中間層とは接着剤単独の層または結合剤中に
カーボンブラツク等の非磁性微粒子を分散してなる複合
膜層等である。
カーボンブラツクを含有する中間層は結合剤として磁
性層に用いられる種々の結合剤のなかから任意に選ぶこ
とができる。カーボンの粒径は10〜50nm(ナノメート
ル;10-9m)のものが好ましく、結合剤:カーボンブラツ
クは重量比にして100:10から100:150が好ましい。中間
層の厚みは単なる接着剤層の場合0.1〜2μm、非磁性
粉体を含む複合層の場合0.5〜4μmが好ましい。
中間層にはこのほか磁性層に用いている潤滑剤と同じ
または異なる潤滑剤を添加してもよい。
上記の強磁性粉末と結合剤の分散方法および非磁性支
持体への塗布方法などの詳細は特開昭54−46011号およ
び同54−21805号等の各公報に記載されている。
このようにして塗布される磁性層の厚さは、乾燥後の
厚さで一般には約0.5〜10μmの範囲、通常は0.7〜6.0
μmの範囲になるよう塗布される。
非磁性支持体上に塗布された磁性層は磁気記録媒体が
テープ状で使用される場合、通常、磁性層中の強磁性粉
末を配向させる処理、即ち磁場配向処理を施したあと、
乾燥される。また逆にデイスク状媒体の場合は磁気特性
の異方性をとりのぞくために、磁場による無配向処理が
施される。この後必要により表面平滑化処理が施され
る。
〔発明の効果〕
本発明の化合物のパーフルオロアルケニル基は溌水
性、溌油性が大きく、汚れがつきにくい。一方 結合は本発明の極性基を有する結合剤とインタラクショ
ンが強く、いわゆるアンカー効果がある。すなわち、本
発明の前記化合物は本発明の前記結合剤にしつかり吸着
するために100回走行した後の再生出力低下やヘツド目
詰まり、コンタクトノイズも少なく、かつこれらについ
ては低温低湿、高温高質の過酷な条件下でも良好な結果
が得られる。
このような結果になる理由は明確にはなつていない
が、パーフルオロアルケニル基は溌水、溌油にすぐれ、
ゴミがつきにくく、又 結合はベンゼン環とカルボニル基が共鳴し、π電子の広
がりがあるが、一方本発明の結合剤の極性基もπ電子が
広がりやすく、このπ電子の重なりやすさによつて強固
な吸着、すなわちアンカー効果が得られると思われる。
更に本発明においては、ゴミが吸着するとヘツド当りが
悪くなるが、パーフルオロアルケニル基があるためゴミ
がつきにくくなり、ヘツド当りもよく、その結果コンタ
クトノイズが顕著に改良されるものと思われる。又汚れ
はヘツド目詰まりの原因となり更にスペーシングロスを
起こしやすく、その結果出力低下をきたすものと考えら
れるが、汚れがつきにくいため上記の如き効果が得られ
るものと思われる。
〔実施例〕 次に実施例をもつて本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例
中の「部」との表示は「重量部」を示すものとする。
〔実施例1〕 下記の組成物をボールミルを用いて48時間混練分散し
たあと、これにポリイソシアネート5部を加え、さらに
1時間混練したあと、1μmの平均孔径を有するフイル
タを用いてろ過し、磁性塗料を調製した。得られた磁性
塗料を乾燥後の厚さが4.0μmになるように、厚さ10μ
mのポリエチレンテレフタレート支持体の表面にリバー
スロールを用いて塗布した。
磁性塗料組成 強磁性合金粉末(組成:Fe94%、Zn4%、Ni2%;抗磁力:
1500Oe;比表面積54m2/g) 100部 結合剤1(第1、2表参照) 10部 結合剤2(第1、2表参照) 10部 パーフロオロアルケニル基及び 結合を有する化合物(第1表参照) 研磨材(α−アルミナ、平均粒径0.3μm) 5部 ステアリン酸 0.5部 オイレン酸 0.3部 ブチルステアレート 1.0部 カーボンブラツク(平均粒径40nm) 2部 メチルエチルケトン 300部 磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未
乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行ない、さ
らに乾燥後、スーパーカレンダー処理を行なつた後8mm
幅にスリツトして、8mmビデオテープを製造した。
〔実施例2〕 上記のようにして得られたビデオテープにVTR(富士
写真フイルム(株):FUJIX−8)を用いて7MHzの信号を
記録し、再生した。基準テープ(サンプルNo.20)に記
録した7MHzの再生出力を0dBとしたときのビデオテープ
の相対的な再生出力を測定した。また1時間長を100回
繰り返し再生した後の出力を初期出力に対してdB表示し
たものを出力低下の指標とした。40℃80%RH、5℃10%
RHの環境で1時間記録(録画)後巻戻し、1時間再生し
た。再生時、ヘツド目づまりによる出力の欠落時間
(秒)を測定し、その合計時間(秒)をヘツド目づまり
の評価とした。同時にコンタクトノイズの量を計測し、
これをコンタクトノイズの評価とした。
第1表の結果より明白な如く、本発明の、パーフルオ
ロアルケニル基及び 結合を持つ化合物と極性基を持つ結合剤を用いた実施例
は、いずれも再生出力が高く、高湿、低湿条件下でのヘ
ツド目結まり、コンタクトノイズに優れた性質をもつこ
とが分かる。
一方、本発明の化合物を使用せず(サンプルNo.1
9)、または他のフツ素界面活性剤を用いた場合(サン
プルNo.21)は、または、本発明の範囲の極性基をもつ
結合剤を使わなかつた場合(サンプルNo.3、5、7、
9、10)には再生出力も低く、また、高湿、低湿条件下
でのヘツド目詰まり、コンタクトノイズに大きく問題が
あることが分かつた。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に
    分散させた磁性層を設けた磁気記録媒体において、前記
    磁性層中又は磁性層表面にパープルオロアルケニル基及
    結合を有する化合物と前記結合剤がエポキシ基、−SO
    3M、−OSO3M、−PO3M2、−OPO3M2(Mは水素、アルカリ
    金属、アンモニウム、N炭化水素置換アンモニウムを示
    す)より選ばれた少なくとも1種の極性基をポリマー1g
    当り1×10-6〜1×10-3当量導入したポリマーを含むこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】上記パーフルオロアルケニル基を有する化
    合物としては、下記一般式で示される化合物を含むこと
    を特徴とする請求項(1)の磁気記録媒体。 ここでRfは、炭素数5〜21の飽和または不飽和、分岐の
    炭化水素基、 Xは、O、NH、NR′から選ばれる2価の連結基が望まし
    い。 R、R′は同じあるいは異なり、それぞれ炭素数1から
    32の炭化水素基である。
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