JP2602435B2 - L―グロノラクトン酸化酵素のクローン化dna、該クローン化dnaの組込まれた遺伝子組換えベクター及び該ベクターにより形質転換された宿主細胞 - Google Patents

L―グロノラクトン酸化酵素のクローン化dna、該クローン化dnaの組込まれた遺伝子組換えベクター及び該ベクターにより形質転換された宿主細胞

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はL−グロノラクトン酸化酵素のクローン化DN
A、該クローン化DNAの組込まれた遺伝子組換えベクター
及び該ベクターにより形質転換された宿主細胞に係り、
L−グロノラクトン酸化酵素、延いてはアスコルビン
酸、即ちビタミンCの大量生産に利用される。
(従来の技術) L−グロノラクトン酸化酵素は、高等動物の肝臓及び
腎臓のミクロゾーム画分に局在している分子量51000の
フラビン酵素であって、生体内におけるL−アスコルビ
ン酸(ビタミンC)合成経路の最終段階で触媒作用を行
う物質である。即ち、この酵素はL−グロノラクトンを
基質として酸化反応を行ってL−キシロ−ヘキスロラク
トンを合成し、このL−キシロ−ヘキスロラクトンが引
続き異性化を受けてL−アスコルビン酸となるのであ
る。尚、このL−グロノラクトン酸化酵素は膜に結合し
た蛋白であり、その精製は容易ではなく、又その蛋白構
造や遺伝子と性質は未だ明らかになされていない。
一方、アスコルビン酸は副作用を有しないビタミンで
あり、健康維持のためには、その接種の重要なことが判
明している。従って、アルコルビン酸は食品や飲料等に
おける添加物として大量の需要がある。更に、アルコル
ビン酸は還元力が強く、従って抗酸化剤としての需要も
高い。
このアスコルビン酸を製造するために、従来では高圧
水素添加によりブドウ糖をd−ソルビトールに変じ、こ
れを発酵させてd−ソルボースになし、アセトンと濃硫
酸とでヒドロキシ基を保護した後に過マンガン酸カリウ
ムで酸化し、次にアルコール性塩酸で処理してアセトン
の除去とエステル化を同時に行い、その後にナトリウム
アルコラートで処理することにより製造されてきた。
尚、近年では、所謂「バイオテクノロジー」を利用する
アスコルビン酸の製法も提案されており(特開昭60−70
073公報)、この方法によればコリネバクテリウムから
2,5−ジケト−D−グルコナート還元酵素の遺伝子を取
出し、この遺伝子をプラスミドに組込み、この遺伝子組
換えプラスミドをEruinia herbicolaに取込ませ、得ら
れた形質転換菌によりD−グルコースを直接的に2,5−
ジケトグルコン酸に変じ、酸又は塩基触媒の存在下に該
中間体を環化反応させてアスコルビン酸となしている。
(発明が解決しようとする課題及び発明の目的) アスコルビン酸は、その有用性を考慮する場合に、今
後需要が拡大することはあっても、減少するものとは考
えられず、従ってアルコルビン酸の有利な製法を開発す
ることは極めて重要である。
ブドウ糖等の糖類を原料とする汎用の方法は醗酵法と
合成法とを併用するものであり、合成工程数も比較的多
く、最適な方法とは必ずしも云えない。一方、特開昭60
−70073公報に開示されている方法に従ってアスコルビ
ン酸を製造するには、形質転換菌による2,5−ジケトグ
ルコン酸の産生に際して菌を適切に管理する必要性があ
り、又目的物質であるアスコルビン酸を得るためには産
生した2,5−ジケトグルコン酸を菌体から分離した後に
環化反応に付さねばならない。
従って、本発明の背景となっている課題は、特開昭60
−70073公報に開示されている方法と同様にバイオテク
ノロジーを利用するものであるが、該公報に記載の方法
とは別の観点からアスコルビン酸の製法にアプローチす
ることにある。
そこで、本発明者等はL−グロノラクトン酸化酵素に
着目した。蓋しL−グロノラクトン酸化酵素を用いれ
ば、その基質であるL−グロノラクトンと適当な条件下
で混和するだけでアスコルビン酸が生成するからであ
る。しかしながら、ここで留意すべきことは、L−グロ
ノラクトン酸化酵素が、既述のように、高等動物の肝臓
や腎臓に局在するのみであり、大量入手が困難であり且
つ膜蛋白であるために精製が困難なことである。
従って、本発明の本質的な目的は高純度のL−グロノ
ラクトン酸化酵素を大量に且つ比較的容易に生産する途
を開き、アスコルビン酸の大量生産を可能にすることに
あり、その第1の目的はL−グロノラクトン酸化酵素の
クローン化DNAを提供することにある。
本発明の第2の目的は、L−グロノラクトン酸化酵素
のクローン化DNAが組込まれた遺伝子組換えベクターを
提供することにある。
本発明の第3の目的は、上記の遺伝子組換えベクター
により形質転換された宿主細胞を提供することにある。
(課題を解決し、目的を達成する手段及び作用) 本発明によれば、上記の第1の目的は、ラットL−グ
ロノラクトン酸化酵素のアミノ酸配列である をコードしているクローン化DNAにより達成される。
上記第2の目的は、式 (式中においてA、C、G及びTはそれぞれアデニン、
シトシン、グアニン及びチミン塩基を有するデオキシリ
ボヌクレオチドを意味し、上記の式はアミノ酸に対応す
るコドン毎の配列として示されている) にて示されるヌクレオチド配列又は該ヌクレオチド配列
が指定するアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を指定す
る他のヌクレオチド配列を有するクローン化DNAが組込
まれている遺伝子組換えベクターにより達成される。
上記の第3の目的は、上記の遺伝子組換えベクターに
より形質転換されている宿主大腸菌により達成される。
付言すれば、既述の特定のアミノ酸配列を有している
L−グロノラクトン酸化酵素は、基本的には、 a)ラット肝臓由来のL−グロノラクトン酸化酵素を自
体公知の方法で精製して高純度なものとなし、この精製
酵素をウサギに免疫させて抗血清を得る工程と、 b)ラット肝臓のmRNAから作成された市販のλgt11ファ
ージのcDNA発現ライブラリを用い、このファージをEsch
erichia coli Y1090(r-)に感染させて培養し、イソ
プロピル−β−D−チオガラクトピラノシドにより融合
蛋白を誘導させ、上記の抗血清を用いて該融合蛋白を酵
素免疫法により検出してスクリーニングすることにより
L−グロノラクトン酸化酵素をコードしているクローン
化DNAの組込まれたλファージを得て、これを培養する
工程と、 c)このλファージを制限酵素Bcl I及びSph Iで切断
し、このDNA断片の両端にBgl IIリンカーを付加してイ
ンサートDNAとなす工程と、 d)プラスミドベクターを制限酵素Bgl IIで切断し、そ
の断点に上記のインサートDNAを接合することにより遺
伝子組換えベクターとして上記のプラスミドを再構築す
る工程と、 e)この遺伝子組換えベクターを大腸菌又は動物細胞取
込ませて形質転換を行う工程と、 f)得られた形質転換体を培養してL−グロノラクトン
酸化酵素を産生させる工程と、 g)産生されたL−グロノラクトン酸化酵素を分離・精
製する工程 とを具備している方法により製造することができる。
(実施例等) 次に、参考例、製造例及び試験例により本発明を更に
詳細に説明する。
参考例1(L−グロノラクトン酸化酵素のN−末端アミ
ノ酸配列の決定) ラット肝臓由来のL−グロノラクトン酸化酵素を自体
公知の方法[Nishikimi,M.等“Arch.Biochem.Biophy
s."」第175巻第427−435頁(1976年)]により精製して
高純度なものとなした。この精製L−グロノラクトン酸
化酵素100μgをエドマン分解し、気相プロテインシー
クェンサー(Applied Biosystems社製のモデル470A)に
よりN末端部分のアミノ酸配列を解析した結果は下記と
通りであった。
Val−His−Gly−Tyr−Lys−Gly−Val−Gln−Phe−Gln−
Asn−Trp−Ala−Lys−Thr−Tyr−Gly−Cys−Ser−Pro−
Glu−Val−Tyr−Tyr−Gln−Pro−Thr−Ser−Val−Glu−
Glu−Val−Arg 製造例1(L−グロノラクトン酸化酵素を含むクローン
化DNAの調製) a)抗L−グロノラクトン酸化酵素抗血清の調製 参考例1に記載の方法により得たラット由来の高純度
L−グロノラクトン酸化酵素をウサギに対して免疫させ
ることにより抗血清を得た。
b)cDNAライブラリによるスクリーニング ラット肝臓のmRNAを用いて作成された、市販のλgt11
ファージのcDNA発現ライブラリ(Clontec Laboratories
社製)を利用し且つ上記の抗血清を用いた酵素免疫法に
よりL−グロノラクトン酸化酵素のクローンをスクリー
ニングした。
即ち、λgt11ファージをEscherichia coli Y1090(r
-)に感染させ、これを軟寒天培地と混合した後にLB寒
天培地(アンピシリン100μgを含有)上に広げ固化さ
せた。これを42℃で3時間培養してプラークを形成させ
た後に、10mMのイソプロピル−β−D−チオガラクトピ
ラノシド(IPTG)溶液を染み込ませたニトロセルロース
フィルターをプラークの上に載置して37℃で2時間培養
し、IPTGにより誘導された融合蛋白をフィルターに吸着
させた。このフィルターをTBST(50mM Tris−HCl,pH7.
9,150mM NaCl,0.05% Tween−20)で軽く洗浄し、20%
牛胎児血清含有TBSTを30分間作用させた。
これに、前記のa)項に記載の抗L−グロノラクトン
酸化酵素抗血清を1000倍に稀釈させたTBSTを16時間作用
させた。次いで、フィルターをTBSTで充分に洗浄した後
に、ホースラディシュ由来のペルオキシダーゼにて標識
を施したヤギ抗ウサギIgG(Bio−Rad社製)を3000倍に
稀釈させたTBSTを2時間作用させた。TBSTからTween−2
0を除去した溶液でフィルターを充分に洗浄した後に、
過酸化水素と4−クロロ−1−ナフトールを基質として
発色させることによりポジティブクローンを検出した。
ポジティブクローンについて同様のスクリーニングを繰
り返して単一のクローンに純化させた。ファージはLB培
地で液体培養した後にポリエチレングリコールによる沈
殿法[Maniatis,T.等“Molecular Cloning"A Laborator
y Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York(1
982)]に従って調製された。
c)クローン化DNAの調製 上記b)項で得られたλファージDNAを制限酵素EcoR
Iで切断すれば、L−グロノラクトン酸化酵素のアミノ
酸配列をコードしている塩基配列を包含する所望のクロ
ーン化DNAが得られる。
尚、このクローン化DNAに自体公知の適宜の制限酵素
を作用させて切断すれば、種々の鎖長を有するクローン
化DNA断片が得られ、これらの断片た各種の研究用に供
することができる。
製造例2(遺伝子組換えベクターの調製) 上記製造例1のc)項で得たL−グロノラクトン酸化
酵素をコードしているクローン化DNAの組込まれたλgt1
1ファージに、蛋白をコードする領域を切断しない制限
酵素であるBcl I及びSph Iを作用させて切断した後に、
このDNA断片をアガロースゲル電気泳動により回収し
た。大腸菌DNAポリメラーゼ(クレノウ フラグメン
ト)と各50μMのdNTP(dATP,dCTP,dGTP,dTTP)を含有
する67mM燐酸カリウム(pH7.4)、6.7mM MgCl2、1mM 2
−メルカプトエタノール溶液を上記のDNA断片に作用さ
せることにより断片の末端を平滑になした。
次いで、このDNA断片の両端に、DNAライゲーションキ
ット(宝酒造株式会社製)を用いて、Bgl IIリンカーを
付加した後に、アガロースゲル電気泳動によりBgl IIリ
ンカー付加DNAを回収した。
一方、プラスミドpKSV−10(ファルマシア・ジャパン
株式会社製)をBgl IIで切断し、その断点に上記のBgl
IIリンカー付加DNAを結合させた。
得られたベクターを大腸菌に取込ませて大腸菌の形質
転換を行い、その形質転換体からアンピシリン耐性菌を
選択し、この菌からプラスミドを取出すことにより所望
の遺伝子組換えベクターを得た。
この遺伝子組換えベクターにおいてはpKSV−10のSV40
プロモータ下流にL−グロノラクトン酸化酵素をコード
するDNAが正しい方向で配置されており、従ってこのベ
クターはL−グロノラクトン酸化酵素を発現し得るベク
ターである。
製造例3(形質転換宿主細胞の調製) マウスLKT-細胞をダルベッコ改良イーグル培地で培養
させた後に、60mm径のペトリ皿1枚当り1.5x106個の細
胞を入れた。
一方、50mM HEPES(pH7.1)、280mM NaCl及び15mM Na
2HPO4からなる溶液1.25mlに5μgのプラスミドpKSVGO
(前記の製造例2において最終的に得られた遺伝子組換
えベクター)、2.5μgのチミジンキナーゼ遺伝子及び
5μgのサケ***DNA溶液1.1mlと2M CaCl2溶液0.15mlと
を混合し、室温で30分間放置して処理液を調製しておい
た。
この処理液0.5mlの上記の細胞収容ペトリ皿に添加
し、室温で30分間放置した後にダルベッコ改良イーグル
培地5mlを添加し、5% CO2、37℃の条件下に5時間培
養を行った。ダルベッコ改良イーグル培地を交換後更に
24時間培養し、次いでヒポキサンチン(15μg/ml)、ア
ミノプテリン(1μg/ml)及びチミジン(5μg/ml)を
含有するHAT培地に培地を交換して培養を継続する。2
−4週間後に形成された細胞集落を分離して所望の形質
転換宿主細胞を得た。
参考例2(L−グロノラクトン酸化酵素の製造) 製造例3により得られた形質転換宿主細胞をダルベッ
コ改良イーグル培地で培養することにより増殖させ、そ
の培養上清及び培養細胞を回収した。この培養上清につ
いては、これを直接にカラムクロマトグラフィーにか
け、又培養細胞については1% Triton X−100溶液に懸
濁させた後にカラムクロマトグラフィーにかけることに
より、L−グロノラクトン酸化酵素を分離精製した。
尚、本参考例では、参考例1において言及したように
ラット肝臓起源のL−グロノラクトン酸化酵素を原料と
して調製され且つ製造例1のc)項で言及した、λファ
ージDNAを制限酵素EcoR Iで切断することにより調製さ
れたL−グロノラクトン酸化酵素のクローン化遺伝子DN
Aが宿主細胞のプラスミドに組込まれているために、こ
の宿主細胞がL−グロノラクトン酸化酵素を産生してい
るが、ラット肝臓起源の配列とアミノ酸配列は等しいが
塩基配列が異なる、少なくとも一部が合成されたL−グ
ロノラクトン酸化酵素のクローン化DNAが宿主細胞のプ
ラスミドに組込まれていれば、宿主細胞はラット肝臓由
来のL−グロノラクトン酸化酵素ではなく、この酵素に
類する物質を産生することになる。
試験例1(制限酵素地図の作成) 製造例1のc)項で言及の、制限酵素EcoR Iで切断し
たλファージ(λgt11)のcDNA挿入部(インサート)断
片をアガロースゲル電気泳動により分画し、相当する部
分のゲルを切出し、これよりDNA断片を抽出した。このD
NA断片と、EcoR Iで切断したプラスミドpUC19とをDNAラ
イゲーションキット(宝酒造株式会社製)を用いてライ
ゲーションした。得られた組換えプラスミドを用い、製
造例3と同様にして、但し宿主細胞としてのEscherichi
a coli JM109の形質転換を行い、形質転換宿主細胞を
得た。この宿主細胞を培養し、アルカリ−SDSライセー
ト法(前出のManiatis,T.等の方法)によりプラスミドD
NAを調製した。得られたプラスミドDNA(インサートDNA
を含む)を各種の制限酵素で切断し、DNA断片の長さを
アガロースゲル電気泳動により調べて制限酵素地図を作
成した結果、このプラスミドDNAは第1図に示される通
りの制限酵素認識部位を有していることは判明した。
試験例2(プラスミドDNAの塩基配列の決定とL−グロ
ノラクトン酸化酵素部分のアミノ酸配列決定) 試験例1で言及したプラスミドDNAを制限酵素EcoR I
により切断して得た断片をファージM13 mp18にサブクロ
ーニングし、得られた遺伝子組換えベクターによりEsch
erichia coli JM109を形質転換させた。得られた形質
転換体のプラスミドを制限酵素EcoR Iで切断し、その内
で約1.3kbのインサートDNAを有するものについては、上
記ファージのRF DNAを調製し、キロシークェンス用デレ
ーションキット(宝酒造株式会社製)を用い且つエクソ
ヌクレアーゼIIIとマングビーンヌクレアーゼを用いる
方法[Henikoff,S.“Gene"第28巻第351−359頁(1984
年)及びYanisch−Perron,C.等“Gene"第33巻第103−11
9頁(1985年)]によりデレーションミュータントを作
成した。
一方、各種の制限酵素を用いて、DNAのEcoR I切断断
片を更に切断して種々の領域長さを有する断片となし、
この各断片をそれぞれファージM13 mp18にサブクローニ
ングした。
上記のデレーションミュータント及びサブクローンの
DNA断片について、それぞれジデオキシ−チェインター
ミネータ法[Sanger,F.“Science"第214巻第1205−1210
頁(1981年)]の改良法[Mizusawa,S.等“Nucleic Aci
ds Res."第14巻第1319−1324頁(1986年)]に準じて塩
基配列の決定を行った。結果は第1図に示されている通
りであり、この図において、点線矢印はデレーションミ
ュータントのDNA断片に関する塩基配列の決定方向と領
域とを示し、実線矢印はサブクローンのDNA断片に関す
る塩基配列の決定方向と領域とを示している。
各断片について決定された塩基配列を繋ぎ合わせるこ
とにより最終的に決定された塩基配列は第2図に示され
ている通りであり、2120bpの領域長さを有していた。こ
の塩基配列において、塩基番号4番から1320番迄の領域
がL−グロノラクトン酸化酵素をコードする領域であっ
て、開始コドンであるATGから始まり、終止コドンであ
るTAAにより終了するオープンリーディングフレーム内
に存在し、アミノ酸数は439個であった。このクローン
化DNAのN末端における塩基配列が指定するアミノ酸配
列(第2図においてアンダーラインの付されているアミ
ノ酸配列部分)は、ラットL−グロノラクトン酸化酵素
のN末端アミノ酸配列(参考例1における解析結果)と
一致するので、このクローン化DNA塩基配列はラットL
−グロノラクトン酸化酵素のものと同定された。
(発明の効果) 本発明によりラット由来のL−グロノラクトン酸化酵
素もクローン化DNA、該クローン化DNAの組込まれた発現
ベクター及び該ベクターにより形質転換された宿主細胞
が提供される。
従って、この形質転換細胞を培養すればL−グロノラ
クトン酸化酵素を容易に且つ大量に産生させることがで
きる。尚、アミノ酸配列が判明したために、ラットL−
グロノラクトン酸化酵素とアミノ酸配列が共通であり且
つ塩基配列が異なる種々のDNAも作成でき、これらのDNA
を用いてラットL−グロノラクトン酸化酵素と同様の作
用を示す種々の物質を製造することができる。
更に、上記の産生されたL−グロノラクトン酸化酵素
をL−グロノラクトンに対して作用させれば、極めて容
易にアスコルビン酸(ビタミンC)が生成するので、本
発明はアスコルビン酸の製造を飛躍的に容易にする。
【図面の簡単な説明】
第1図はラットL−グロノラクトン酸化酵素のアミノ酸
配列をコードしている塩基配列を包含する、本発明によ
りクローン化されたDNA領域並びに該領域の塩基配列決
定のために用いられた制限酵素と、塩基配列決定のため
のストラテジーとを示す図面、第2図は第1図に示され
ているクローン化DNA領域内においてオープンリーディ
ングフレームを構成する塩基配列及びアミノ酸配列を示
す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12N 9/04 C12R 1:19) (C12N 9/04 C12R 1:91)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラットL−グロノラクトン酸化酵素のアミ
    ノ酸配列である をコードしていることを特徴とする、クローン化DNA。
  2. 【請求項2】式 (式中においてA、C、G及びTはそれぞれアデニン、
    シトシン、グアニン及びチミン塩基を有するデオキシリ
    ボヌクレオチドを意味し、上記の式はアミノ酸に対応す
    るコドン毎の配列として示されている) にて示されるヌクレオチド配列又は該ヌクレオチド配列
    が指定するアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を指定す
    る他のヌクレオチド配列を有していることを特徴とす
    る、特許請求の範囲第1項に記載のクローン化DNA。
  3. 【請求項3】式 (式中においてA、C、G及びTはそれぞれアデニン、
    シトシン、グアニン及びチミン塩基を有するデオキシリ
    ボヌクレオチドを意味し、上記の式はアミノ酸に対応す
    るコドン毎の配列として示されている) にて示されるヌクレオチド配列又は該ヌクレオチド配列
    が指定するアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を指定す
    る他のヌクレオチド配列を有しているクローン化DNAの
    組込まれていることを特徴とする、遺伝子組換えベクタ
    ー。
  4. 【請求項4】ベクターが宿主細胞内で該ベクターに組込
    まれたDNAのコードしている蛋白質を発現する発現ベク
    ターであることを特徴とする、特許請求の範囲第3項に
    記載の遺伝子組換えベクター。
  5. 【請求項5】式 (式中においてA、C、G及びTはそれぞれアデニン、
    シトシン、グアニン及びチミン塩基を有するデオキシリ
    ボヌクレオチドを意味し、上記の式はアミノ酸に対応す
    るコドン毎の配列として示されている) にて示されるヌクレオチド配列又は該ヌクレオチド配列
    が指定するアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を指定す
    る他のヌクレオチド配列を有しているクローン化DNAの
    組込まれた遺伝子組換えベクターにより形質転換されて
    いる大腸菌又は動物細胞であることを特徴とする。宿主
    細胞。
JP62247896A 1987-10-02 1987-10-02 L―グロノラクトン酸化酵素のクローン化dna、該クローン化dnaの組込まれた遺伝子組換えベクター及び該ベクターにより形質転換された宿主細胞 Expired - Lifetime JP2602435B2 (ja)

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