JP2600968Y2 - 容器蓋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は容器蓋に関し、さらに詳
しくは、Ｏリングを嵌合したパッキンを脱落することな
く安全に内装した容器蓋に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、液体等を収容する容器は、内容
液等の漏洩等を防止するため、蓋内にパッキンを装着し
て、閉蓋時の密閉を完全にしており、たとえば、蓋内に
一体的に嵌合した内筒体の内周面に係止突条を設け、こ
の係止突条でＯリングを収納したパッキンを脱落しない
ように係合して上下摺動可能に装着した位置合わせ容器
の容器蓋（実公昭５８−３１８０１号公報）や、蓋の筒
状外装体内部に一体的に嵌入した筒状内装体の天井中央
部にパッキンの係合孔を設け、パッキン中央部に立設し
た支柱筒上端の係止鍔をこの係合孔に係止して、周縁部
にリング状弾性体を収納したパッキンを脱落しないよう
に嵌着した位置合わせ容器の容器蓋（実開昭５８−２４
７４５号公報）などが提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、蓋内に一体
的に嵌合した内筒体の内周面に係止突条を設けて、この
係止突条でパッキンを係止したり、蓋の筒状内装体の天
井中央部にパッキンの係合孔を設け、パッキン中央支柱
筒上端の係止鍔をこの係合孔に係止してパッキンを嵌着
する方法では、パッキンの係合が不充分で外れやすく、
特に広口容器においてはパッキンが外れやすい。また、
外気の気温の変化で容器内が負圧になったり、パッキン
が疲労したりしてもパッキンが外れてしまうことがあ
り、パッキンを確実安全に蓋内に嵌着することが難し
い。

【０００４】さらに、これらの方法では、容器蓋を組み
立てる際、いずれもＯリングを収納したパッキンを、蓋
内に一体的に嵌合した内筒体や筒状内装体に、下から嵌
め込んで係止し、装着するため、この装着時にＯリング
のずれなどが発生しやすく、またＯリングを入れ忘れて
組み立てた場合にその確認をすることができず、組み立
ても容易でない。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案はかかる現状に鑑
みてなされたもので、外蓋内に容器の容器口に嵌着する
内筒体を一体的に嵌合し、内筒体の頂部に、周縁部上面
にＯリング嵌合用凹所を周設した蓋状のパッキンを被嵌
し、パッキンのＯリング嵌合用凹所にＯリングを嵌合し
て、外蓋天板との間にＯリングを収納するとともに、パ
ッキンの周壁を内筒体の外周と外蓋の内周との間で挟持
することによって、Ｏリングを嵌合したパッキンを脱落
することなく確実かつ安全に容器蓋内に内装し、閉蓋時
の密閉が良好に行えるようにしたものである。

【０００６】また、容器蓋の組み立てに当たっては、周
縁部上面にＯリング嵌合用凹所を周設した蓋状のパッキ
ンを容器の容器口に嵌着する内筒体に被嵌し、パッキン
のＯリング嵌合用凹所にＯリングを嵌合した後、パッキ
ン上から外蓋を被嵌し内筒体と一体的に嵌合することに
よって、Ｏリング嵌合用凹所に嵌合したＯリングを確認
しながら、容易に組み立てることができるようにし、Ｏ
リングのずれなどが生じたり、Ｏリングを入れ忘れたり
しないようにしたものである。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の一実施例を示す図面に基づい
て説明する。図において、１は液体を収容する外形が四
角形の容器であり、中央部上端に容器口２を立設し、容
器口２の外周面に螺条３を設けている。４は容器口２の
下端外周面に突設された位置合わせ用突起である。

【０００８】５は容器口２に嵌着する内筒体で、内周面
に設けた螺条６を容器口２外周面の螺条３に螺合して容
器口２に螺着され、下部に段部７を設けて容器１の外形
と同じ四角形の周壁８を形成している。また、段部７の
周端縁上部に四角形の周壁９を立設し、その外周面に外
蓋を一体的に嵌合する突条１０を突設している。

【０００９】１１は内筒体５の段部７下面に垂設した支
持壁で、内面に一対の位置合わせ用突起１２および１３
を突設し、これらの位置合わせ用突起１２および１３間
に容器口２の下端外周面に突設された位置合わせ用突起
４を挟接して、容器蓋の位置合わせが行われるようにし
ている。

【００１０】１４は蓋状のパッキンで、周壁１５を内筒
体５の頂壁に嵌合して内筒体５に被嵌され、周縁部上面
にＯリング嵌合用凹所１６を設けている。１７はこのＯ
リング嵌合用凹所１６に嵌合されたＯリングである。

【００１１】１８は容器１の外形と同じ四角形の外蓋で
あり、内周壁下端に嵌合溝１９を周設して内筒体５に被
嵌し、内筒体５の段部７上に立設された周壁９の突条１
０と一体的に嵌合している。そして、蓋状のパッキン１
４の周壁１５を、図２に示すように、対辺方向の４箇所
でもって、内筒体５と外蓋１８とで挟持している。

【００１２】しかして、このようにして構成された容器
蓋Ａを容器１に嵌着するときは、外蓋１８を回動して、
内筒体５内周面の螺条６を容器口２外周面の螺条３に螺
合させ、内筒体５の支持壁１１に突設された一対の位置
合わせ用突起１２および１３間に、容器口２の下端外周
に突設した位置合わせ用突起４を係合して、位置合わせ
嵌合される。

【００１３】このとき、蓋状のパッキン１４は、その周
壁１５を内筒体５の頂壁に嵌合して被嵌され、また、パ
ッキン１４のＯリング嵌合用凹所１６に嵌合されたＯリ
ング１７が外蓋１８の天板との間に収納されているた
め、脱落したりする心配もなく、容器蓋Ａ内に確実かつ
安全に内装される。

【００１４】従って、この種の容器蓋Ａを使用すれば、
たとえ容器１の容器口が広口の容器であっても、また外
気の気温の変化で容器１内が負圧になったり、パッキン
１４が疲労したりしても、パッキン１４が容器蓋Ａから
脱落したりすることがなく、閉蓋時の密閉性が良好に保
持される。

【００１５】また、この容器蓋Ａは、内筒体５の頂部に
蓋状のパッキン１４を嵌合し、パッキン１４のＯリング
嵌合用凹所１６にＯリング１７を嵌合した後、この上か
ら外蓋１８を被嵌して内筒体５と一体的に嵌合して組み
立てられるため、Ｏリング嵌合用凹所１６に嵌合したＯ
リング１７を確認しながら、容易に組み立てることがで
き、組み立て時にＯリング１７のずれなどが生じること
がなく、Ｏリング１７を入れ忘れたりすることもない。

【００１６】さらに、この容器蓋Ａでは、外蓋１８がほ
ぼ均一な厚みで、内面にリブ等もないため、外面にヒケ
が発生したりせず、外観が良好となる。

【００１７】なお、前記実施例においては、位置合わせ
容器の容器蓋の例について説明したが、本考案容器蓋Ａ
は、位置合わせ容器に限定されるものではなく、密閉性
が必要とされる容器にはいずれにも使用できる。また、
容器蓋の形状も四角形に限定されず、容器の形状なども
考慮して種々の形状にすることができる。

【００１８】

【考案の効果】以上説明したように、本考案にあって
は、外蓋内に容器の容器口に嵌着する内筒体を一体的に
嵌合し、内筒体の頂部に、周縁部上面にＯリング嵌合用
凹所を周設した蓋状のパッキンを被嵌し、パッキンのＯ
リング嵌合用凹所にＯリングを嵌合して、外蓋天板との
間にＯリングを収納するとともに、パッキンの周壁を内
筒体と外蓋で挟持しているため、Ｏリングを嵌合したパ
ッキンを脱落することなく確実かつ安全に容器蓋内に内
装することができ、閉蓋時の密閉が良好に行える。

【００１９】また、この容器蓋を組み立てるときは、内
筒体の頂部に蓋状のパッキンを嵌合し、パッキンのＯリ
ング嵌合用凹所にＯリングを嵌合した後、この上から外
蓋を被嵌して内筒体と一体的に嵌合しているため、Ｏリ
ング嵌合用凹所に嵌合したＯリングを確認しながら、容
易に組み立てることができ、組み立て時にＯリングのず
れなどが発生することがなく、Ｏリングを入れ忘れたり
することもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案容器蓋の一例を示す一部切欠断面分解斜
視図である。

【図２】図１に示す容器蓋の対辺方向の半部断面図であ
る。

【図３】図１に示す容器蓋の対角線方向の半部断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 容器 ２ 容器口 ５ 内筒体 ９ 周壁 １０ 突条 １４ パッキン １５ 周壁 １６ Ｏリング嵌合用凹所 １７ Ｏリング １８ 外蓋 １９ 嵌合溝 Ａ 容器蓋

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外蓋内に、容器の容器口に嵌着する内筒
   体を一体的に嵌合して組み立てられる容器蓋において、 上記 内筒体の頂部に、周縁部上面に容器口の上端面に対
   応した形状のＯリング嵌合用凹所が周設された蓋状のパ
   ッキンを被嵌し、パッキンのＯリング嵌合用凹所にＯリ
   ングを嵌合して、この内筒体を外蓋内に一体的に嵌合さ
   せることにより、上記Ｏリングが外蓋天板との間で所定
   の位置に位置決め収納されるとともに、パッキンが脱落
   不可にその周壁が内筒体の外周と外蓋の内周との間で挟
   持されることを特徴とする容器蓋。