JP2599596Y2 - チルト機構を備えた衝撃吸収式ステアリング装置 - Google Patents

チルト機構を備えた衝撃吸収式ステアリング装置

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JP2599596Y2 JP1993050010U JP5001093U JP2599596Y2 JP 2599596 Y2 JP2599596 Y2 JP 2599596Y2 JP 1993050010 U JP1993050010 U JP 1993050010U JP 5001093 U JP5001093 U JP 5001093U JP 2599596 Y2 JP2599596 Y2 JP 2599596Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案に係るチルト機構を備え
た衝撃吸収式ステアリング装置は、ステアリングコラム
を衝突時の衝撃を吸収できる構造とする事により、衝突
時に於ける運転者の生命保護を図るものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の衝突時には、自動車が他の自動
車等と衝突する、所謂一次衝突に続いて、運転者がステ
アリングホイールに衝突する、所謂二次衝突が発生す
る。この二次衝突の際に運転者が受ける衝撃を少なく抑
え、運転者の生命保護を図る事を目的として、一端にス
テアリングホイールを固定するステアリングシャフト
を、強い衝撃が加わった場合に全長が縮まる、所謂コラ
プシブルステアリングシャフトとすると共に、このステ
アリングシャフトを挿通したステアリングコラムを衝撃
吸収式のものとする事が、一般的に行なわれている。
【0003】この様な目的で使用される衝撃吸収式のス
テアリング装置として従来から、例えば実開昭63−7
6578号公報に開示されたものが知られている。この
従来から知られた衝撃吸収式ステアリング装置は、図1
0〜13に示す様に構成されている。
【0004】図10に示す様に、ステアリングシャフト
1の上端部にはステアリングホイール2を固定してい
る。このステアリングシャフト1は、図示しないコラプ
シブル構造により、軸方向の衝撃が加わった場合に全長
が収縮自在としている。前記ステアリングシャフト1を
挿通した筒状のステアリングコラム3の、中間部と下端
部とは、上部支持ブラケット6と下部支持ブラケット5
とにより、ダッシュボードの下面等、車体4の一部に支
承している。このステアリングコラム3も、軸方向の衝
撃が加わった場合には、この衝撃を吸収しつつ全長が縮
まる、所謂コラプシブル構造としている。
【0005】更に詳しく説明すると、前記ステアリング
コラム3の中間部外周面には、金属板を折り曲げ形成し
て成る上部支持ブラケット6を、溶接等により固定して
いる。この上部支持ブラケット6の両側には、この上部
支持ブラケット6を車体4に取り付ける為の取付板部7
を形成している。そして、各取付板部7にU字形の切り
込み8を、各取付板部7の後端縁側に開口する状態で形
成している。又、前記各取付板部7の後端縁には、係止
部材9を外嵌している。この係止部材9は、合成樹脂等
の滑り易い材料により長コ字形に造られたもので、前記
切り込み8を覆う様にして、前記各取付板部7の後端縁
に外嵌している。そして、この係止部材9に形成した通
孔15と前記切り込み8とを挿通したボルト10を、車
体4側に設けた螺子孔に螺合し緊締する事により、前記
係止部材9によって前記取付板部7を強く挟み付け、こ
の係止部材9を介して、前記後部支持ブラケット6を車
体4に支持している。
【0006】更に、前記各取付板部7には、それぞれ衝
撃吸収部材11の一端部を、溶接により接合している。
又、各衝撃吸収部材11の他端には通孔16を形成して
おり、この通孔16に前記ボルト10を挿通している。
塑性変形自在な帯状の板材により造られた前記衝撃吸収
部材11は、中間部にU字形の折り返し部12を形成し
ており、この折り返し部12を、前記取付板部7と、次
述するガイド板13とにより、上下から挟んでいる。金
属板をプレス成形して成る、このガイド板13は、前記
上部支持ブラケット6の両側面で前記取付板部7の下側
部分に、溶接により固定されており、各ガイド板13の
上面と前記取付板部7の下面との間に、前記衝撃吸収部
材11の折り返し部12を案内する為の、ガイド空間1
4を形成している。
【0007】上述の様に構成される従来の衝撃吸収式ス
テアリング装置は、衝突事故の際、次に述べる様に作用
して、運転者の生命保護を図る。先ず、衝突事故による
二次衝突に伴って、ステアリングホイール2に衝撃が加
わった場合、この衝撃が直ちにステアリングコラム3に
伝わり、このステアリングコラム3が、その軸方向に強
く押される。
【0008】この様にステアリングコラム3の軸方向に
加わる衝撃力が、前記取付板部7と係止部材9との間に
働く摩擦力よりも大きくなると、ボルト10が前記取付
板部7に形成した切り込み8から抜け出し、ステアリン
グコラム3が変位自在となる。この結果ステアリングコ
ラム3が、前記衝撃力に基づいて、軸方向前方(図10
の左下方)に変位するが、この変位に伴って、図13に
示す様に、前記衝撃吸収部材11が伸長する傾向とな
る。この様に衝撃吸収部材11が、図10に示した状態
から図13に示した状態に迄伸長する際、この衝撃吸収
部材11の中間部に形成された折り返し部12が、ボル
ト10に連結した他端側(図13の右側)から、取付板
部7に連結した一端側(同図左側)に向けて移動する。
この移動の際、衝撃吸収部材11の各部が塑性変形し、
運転者の身体から、ステアリングホイール2を介してス
テアリングコラム3に加わった衝撃を吸収する。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上述の様に
構成され作用する従来構造の場合には、次に述べる様な
改良すべき点がある。即ち、運転者の体格や運転姿勢に
応じてステアリングホイールの高さ位置を調節するチル
ト機構として従来から種々の構造のものが知られている
が、図10〜13に示した従来構造の場合には、そのま
まではこの様なチルト機構を組み込む事が難しい。
【0010】衝撃吸収式ステアリング装置としてはこの
他にも、例えば実開昭55−101655号公報に記載
されたもの等が知られている。ところが、この従来構造
の場合にも、上述の様なチルト機構を組み込んだ場合に
は、ステアリングホイールの昇降に伴って衝撃吸収部材
が変形を繰り返し、この衝撃吸収部材が破損したり、破
損しない場合でも変形荷重が小さくなって、衝突時に十
分な衝撃吸収性能を得られなくなる等の問題がある。
【0011】本考案のチルト機構を備えた衝撃吸収式ス
テアリング装置は、上述の様な事情に鑑みて考案したも
のである。
【0012】
【課題を解決する為の手段】本考案のチルト機構を備え
た衝撃吸収式ステアリング装置は、前方に向かう強い力
を受けた場合に前方への脱落を自在として車体に支持さ
れた前部ブラケットと、この前部ブラケットに支持され
て、この前部ブラケットと共に前方に脱落自在な横軸
と、この横軸によりその前端部を枢支されたステアリン
グコラムと、このステアリングコラムの内側に、回転の
み自在に支持されたステアリングシャフトと、このステ
アリングシャフトの後端部に固定されたステアリングホ
イールと、前方に向かう強い力を受けた場合に前記ステ
アリングコラムが前方に変位する事を許容する状態で、
このステアリングコラムの中間部を車体に支持する後部
ブラケットと、この後部ブラケットに対する前記ステア
リングコラムの支持高さ位置を調節するチルト機構と、
前記ステアリングコラムが前方に変位する事に伴って塑
性変形する衝撃吸収部材とを有する。そして、この衝撃
吸収部材は、塑性変形可能な板材により造られて、その
前端部に形成した折り返し部の内側に前記横軸を抱き込
み、その後端部に形成した固定部を車体に固定したもの
である。
【0013】
【作用】上述の様に構成される本考案のチルト機構を備
えた衝撃吸収式ステアリング装置の場合、衝突事故に伴
う二次衝突によって、ステアリングコラムを前方に押す
衝撃力が加わった場合には、衝撃吸収部材が、横軸によ
り扱かれつつ、その前端部に形成された折り返し部を更
に前端側に変位させる。この様にして、前記衝撃吸収部
材が、その前後方向に亙る長さ寸法を伸ばす方向に塑性
変形しつつ、前記ステアリングコラムが前方に変位する
事を許容する。
【0014】即ち、二次衝突時にステアリングコラムが
前方に強く押されると、後部ブラケットがこのステアリ
ングコラムの前方への変位を許容し、前部ブラケット及
び横軸が前方に脱落する。この結果、この横軸が前記衝
撃吸収部材の折り返し部を前方に引っ張りながらこの衝
撃吸収部材を扱きつつ、前方に変位する。この際、この
衝撃吸収部材は、前記折り返し部の位置を前方に変位さ
せる方向に塑性変形する事で、ステアリングコラムに加
えられた衝撃を吸収する。この際に前記衝撃吸収部材が
吸収する衝撃エネルギの大きさは、この衝撃吸収部材の
うち、前記横軸により扱かれる折り返し部が存在する部
分の断面積により定まる。そして、この断面積は、前記
衝撃吸収部材の幅寸法を変える事により調節自在であ
る。従って、この衝撃吸収部材の幅寸法を変える事によ
り、二次衝突時に於ける衝撃エネルギの吸収特性を容易
に調節できる。
【0015】
【実施例】図1〜7は本考案の第一実施例を示してい
る。ステアリングコラム3の前端部(図1の左端部)
は、前部ブラケット19により、車体20に支持してい
る。この前部ブラケット19は、左右1対のブラケット
素子21、21を連結板部53により連結して成る。各
ブラケット素子21、21は、それぞれ水平板部22、
22と鉛直板部23、23とから成る断面L字形で、図
5に示す様に、それぞれの鉛直板部23、23同士を互
いに対向させた状態で、前記連結板部53により連結さ
れている。そして、前記各水平板部22、22をボルト
24、24により、前記車体20に支持している。
【0016】即ち、前記各水平板部22、22の幅方向
(図5の左右方向)中央部には、後端縁(図1〜3の右
端縁)に開口するU字形の切り欠き25、25(図3)
を形成している。そして、各切り欠き25、25を覆う
状態で、前記水平板部22、22の一部上下両面を滑り
板26、26により覆っている。前記各ボルト24、2
4は、各滑り板26、26に形成した通孔27、27及
び前記切り欠き25、25を下方から上方に挿通した状
態で、前記車体20に形成したねじ孔に螺合し緊締して
いる。従って、前記各ブラケット素子21、21は、前
方(図1〜3の左方)に向かう強い力を受けた場合に
は、前記各ボルト24、24を切り欠き25、25から
抜き出す事で、前方に脱落する。
【0017】この様に車体に支持された前部ブラケット
19を構成する、前記1対の鉛直板部23、23同士の
間には、横軸として機能するボルト28を掛け渡し、こ
のボルト28の先端部にナット29を螺合している。従
って、このボルト28は、前記ステアリングコラム3に
前方に向かう強い力が加わった場合には、前記前部ブラ
ケット19と共に前方に脱落する。
【0018】一方、前記ステアリングコラム3の前端部
には吊り下げブラケット30を、その一部がこのステア
リングコラム3の上面から突出する状態で、溶接固定し
ている。そして、前記ボルト28をこの吊り下げブラケ
ット30に挿通する事により、前記ステアリングコラム
3の前端部を揺動自在に枢支している。
【0019】上述の様にして、その前端部を車体20に
枢支されたステアリングコラム3の内側には、ステアリ
ングシャフト1を、回転のみ自在に支持している。この
ステアリングシャフト1は、ロアーシャフト17とアッ
パーシャフト18とを回転力の伝達自在に組み合わせて
成り、軸方向に亙る強い衝撃力が加わった場合には、こ
の衝撃のエネルギを吸収しつつ全長を縮める。又、前記
アッパーシャフト18の後端部で、前記ステアリングコ
ラム3の後端開口から突出した部分には、ステアリング
ホイール2を固定している。一方、前記ロアーシャフト
17の前端部は、1対の自在継手34a、34b及び伝
達軸35を介して、ステアリングギヤ36の入力軸に連
結している。
【0020】更に、前記ステアリングコラム3の中間部
は、後部ブラケット31により、車体20に支持してい
る。この後部ブラケット31は、十分な剛性を有する金
属板を折り曲げ形成して成り、中間部に設けた抱持部3
2の左右上縁部に、それぞれ水平方向に伸びた取付板部
33、33を設けている。この取付板部33、33に
は、後端縁側が開口した切り欠き37、37が形成され
ており、各切り欠き37、37の内側に、アルミニウム
製のカプセル38、38を、合成樹脂製のピンにより係
止している。各カプセル38、38は、通常時には前記
各切り欠き37、37の内側に保持されているが、衝撃
が加わった場合には、上記ピンを切断させて、各切り欠
き37、37の内側から抜け出る。
【0021】この様なカプセル38、38は、それぞれ
に形成した通孔39、39を下方から上方に挿通したボ
ルト40、40によって、前記車体20に固定されてい
る。従って、前記後部ブラケット31は、前方に向かう
強い力を受けた場合に車体20に対する支持力を失っ
て、前記ステアリングコラム3が前方に変位する事を許
容する。
【0022】一方、前記後部ブラケット31の抱持部3
2と前記ステアリングコラム3の中間部との間には、こ
の後部ブラケット31に対する前記ステアリングコラム
3の支持高さ位置を調節するチルト機構を設けている。
即ち、図4に示す様に、前記ステアリングコラム3の中
間部下面に溶接固定された昇降ブラケット41を、前記
抱持部32を構成する左右両支持壁42、42により挟
持している。前記昇降ブラケット41の左右両側壁には
円孔43、43を、前記各支持壁42、42の一部で各
円孔43、43と整合する部分には上下方向に長い長孔
44、44を、それぞれ形成している。そして、各孔4
3、44を一方から他方(図4の右から左)に挿通した
チルトボルト45の先端(図4の左端)に、チルトナッ
ト46を螺合させている。このチルトボルト45は、頭
部47と一方(図4の右方)の長孔44の側縁との係合
により、各長孔44、44に沿って昇降する事はあって
も、回転する事はない。
【0023】又、前記チルトナット46は、チルトレバ
ー48により回転自在としている。従って、チルトレバ
ー48の操作に基づいて前記チルトナット46を回転さ
せ、このチルトナット46と前記頭部47との間隔を変
化させれば、前記昇降ブラケット41を固定したステア
リングコラム3を、前記後部ブラケット31の抱持部3
2に対し固定したり、或は固定を解除して、前記ステア
リングホイール2の上下位置の調節を行なえる。
【0024】更に、前記横軸として機能するボルト28
と、前記後部ブラケット31を車体20に固定する為の
ボルト40、40との間には、衝撃吸収部材49を設け
ている。この衝撃吸収部材49は、鋼板等、塑性変形自
在な板材により、図7に示す様なY字形に形成してい
る。即ち、この衝撃吸収部材49の後端部は、二又に分
岐して、それぞれの先端部に、前記ボルト40、40を
挿通する為の円孔50、50を形成している。又、この
衝撃吸収部材49の前端部には、前記板材を180度強
折り返す事で、折り返し部51を形成している。
【0025】上述の様な形状を有する衝撃吸収部材49
は、前記各円孔50、50に前記各ボルト40、40を
挿通する事により、その後端部を車体20に支持固定す
る。又、前記ボルト28を前記折り返し部51の前端部
に挿通する事で、この折り返し部51の内側に前記横軸
として機能するボルト28を抱き込む。尚、このボルト
28の外周面と前記折り返し部51の内周面との間に
は、金属又は合成樹脂により円筒状に形成したスペーサ
54を設けている。
【0026】上述の様に構成される本考案のチルト機構
を備えた衝撃吸収式ステアリング装置の場合、衝突事故
に伴う二次衝突によって、前記ステアリングコラム3を
前方に押す衝撃力が加わった場合には、前記衝撃吸収部
材49が、横軸であるボルト28により扱かれつつ、そ
の前端部に形成された前記折り返し部51を更に前端側
に変位させる。この様にして、前記衝撃吸収部材49
が、その前後方向に亙る長さ寸法を伸ばす方向に塑性変
形しつつ、前記ステアリングコラム3が前方に変位する
事を許容する。
【0027】即ち、二次衝突時に前記ステアリングコラ
ム3が前方に強く押されると、後部ブラケット31の取
付板部33、33に形成した切り欠き37、37からカ
プセル38、38が抜け出し、前記ステアリングコラム
3が前記後部ブラケット31と共に前方への変位を開始
する。そして、ステアリングコラム3の変位開始と共
に、前記前部ブラケット19を構成するブラケット素子
21、21の水平板部22、22に形成した切り欠き2
5、25から、前記ボルト24、24が抜け出し、前記
前部ブラケット19及びこの前部ブラケット19に支持
されて横軸として機能するボルト28が前方に脱落す
る。
【0028】この状態でも前記衝撃吸収部材49の後端
部は、前記ボルト40、40により車体20に支持され
たままで、前方に変位する事はない。従って、前記ステ
アリングコラム3が前方に変位するのに伴って、前記ボ
ルト28が前記衝撃吸収部材49の折り返し部51を前
方に引っ張り、図6(A)に示す状態から同図(B)に
示す状態を経て、この折り返し部51を前方に向けて扱
き、前記衝撃吸収部材49を引っ張り伸ばす。この際、
この衝撃吸収部材49は、前記折り返し部51を前方に
変位させる方向に塑性変形する事により、ステアリング
コラム3に加えられた衝撃を吸収する。
【0029】通常時、運転者の体格等に応じてステアリ
ングホイール2の高さ位置を調節する場合には、前記チ
ルトレバー48の操作に基づいて前記昇降ブラケット4
1を、前記後部ブラケット31の抱持部32の内側で昇
降させる。この様に昇降ブラケット41を昇降させる際
に、前記衝撃吸収部材49が変形する事はない。従っ
て、前記ステアリングホイール2の高さ位置調節作業を
多数回繰り返し行なっても、前記衝撃吸収部材49が劣
化若しくは破損する事はない。
【0030】次に、図8〜9は本考案の第二〜第三実施
例を示している。先ず、図8に示した第二実施例の場合
には、衝撃吸収部材49aの折り返し部51aの幅寸法
を連続的に変化させている。この様に構成する事で、前
記折り返し部51aが吸収する衝撃エネルギの大きさを
調節できる。この様に、前記衝撃吸収部材49aの幅寸
法を変える事により、二次衝突時に於ける衝撃エネルギ
の吸収特性を容易に調節できる。又、図9に示した第三
実施例の場合には、衝撃吸収部材49bの折り返し部5
1bの先端部に形成した抱き込み片52、52により、
この折り返し部51bの開口端が塑性変形の途中に開く
事を防止している。この様に構成する事により、二次衝
突に伴ってステアリングコラム3が前方に変位した場合
にも、このステアリングコラム3の前端部が支持力を失
って落下する事を防止できる。
【0031】
【考案の効果】本考案のチルト機構を備えた衝撃吸収式
ステアリング装置は、以上に述べた通り構成され作用す
る為、ステアリングホイールの高さ位置調節を繰り返し
た場合でも、二次衝突時の運転者の保護を確実に行なえ
る。又、二次衝突時に於ける衝撃エネルギの吸収特性を
容易に調節できる為、車種毎に異なる、この吸収特性の
調節を容易且つ適切に行なって、衝突事故の際に於ける
運転者の保護充実を図れる。更に、面倒な加工を要する
構成部材を使用しない為、低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例を示す側面図。
【図2】図1の中央部拡大図。
【図3】図2の上方から見た図。
【図4】図1の拡大A−A断面図。
【図5】同B−B断面図。
【図6】ステアリングコラム前端の枢支部を示す図5の
C−C断面図で、(A)は通常時の状態を、(B)は二
次衝突発生直後の状態を、それぞれ表している。
【図7】衝撃吸収部材の斜視図。
【図8】衝撃吸収部材の第二実施例を示す斜視図。
【図9】同第三実施例を示す斜視図。
【図10】従来の衝撃吸収式ステアリング装置の側面
図。
【図11】図10のD−D断面図。
【図12】図10のE矢視図。
【図13】衝突時に衝撃を吸収した後に於ける状態を示
す、図10の中央部に相当する側面図。
【符号の説明】
1 ステアリングシャフト 2 ステアリングホイール 3 ステアリングコラム 4 車体 5 下部支持ブラケット 6 上部支持ブラケット 7 取付板部 8 切り込み 9 係止部材 10 ボルト 11 衝撃吸収部材 12 折り返し部 13 ガイド板 14 ガイド空間 15、16 通孔 17 ロアーシャフト 18 アッパーシャフト 19 前部ブラケット 20 車体 21 ブラケット素子 22 水平板部 23 鉛直板部 24 ボルト 25 切り欠き 26 滑り板 27 通孔 28 ボルト 29 ナット 30 吊り下げブラケット 31 後部ブラケット 32 抱持部 33 取付板部 34a、34b 自在継手 35 伝達軸 36 ステアリングギヤ 37 切り欠き 38 カプセル 39 通孔 40 ボルト 41 昇降ブラケット 42 支持壁 43 円孔 44 長孔 45 チルトボルト 46 チルトナット 47 頭部 48 チルトレバー 49、49a、49b 衝撃吸収部材 50 円孔 51、51a、51b 折り返し部 52 抱き込み片 53 連結板部 54 スペーサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−136973(JP,A) 実開 平1−175965(JP,U) 実開 昭50−84928(JP,U) 実開 昭63−76578(JP,U) 実開 昭55−101655(JP,U) 実開 昭62−17472(JP,U) 実開 平2−132576(JP,U) 実開 平3−8064(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 1/04 - 1/28

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前方に向かう強い力を受けた場合に前方
    への脱落を自在として車体に支持された前部ブラケット
    と、この前部ブラケットに支持されて、この前部ブラケ
    ットと共に前方に脱落自在な横軸と、この横軸によりそ
    の前端部を枢支されたステアリングコラムと、このステ
    アリングコラムの内側に、回転のみ自在に支持されたス
    テアリングシャフトと、このステアリングシャフトの後
    端部に固定されたステアリングホイールと、前方に向か
    う強い力を受けた場合に前記ステアリングコラムが前方
    に変位する事を許容する状態で、このステアリングコラ
    ムの中間部を車体に支持する後部ブラケットと、この後
    部ブラケットに対する前記ステアリングコラムの支持高
    さ位置を調節するチルト機構と、前記ステアリングコラ
    ムが前方に変位する事に伴って塑性変形する衝撃吸収部
    材とを有し、この衝撃吸収部材は、塑性変形可能な板材
    により造られて、その前端部に形成した折り返し部の内
    側に前記横軸を抱き込み、その後端部に形成した固定部
    を車体に固定したものである、チルト機構を備えた衝撃
    吸収式ステアリング装置。
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