JP2598145Y2 - 電気温水器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は電気温水器に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、電気温水器としては、大型タンク
の上方および下方にヒータを備え、下方より水を供給
し、上方より温水を排出するようにしたものがある。こ
のような電気温水器では、価格の非常に安い深夜電力を
利用して下方側ヒータで水を加熱し、保温しておくこと
により、この温水を必要に応じて使用するようにしてい
る。そして、温水が不足すれば、上方側ヒータによりタ
ンク内の水を部分的に加熱して使用できるようにしてい
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記電
気温水器では、１つの大型タンクで構成され、しかも、
加熱した水を保温しておくために、タンク外周をグラス
ウール等の保温材で覆っておく必要がある。このため、
全体の体積が大きくなり、設置場所の制約を受けるとい
う問題がある。また、追い炊きする場合でも大容量の水
を加熱するために非常に効率が悪く、消費電力が増大す
るという問題がある。

【０００４】本考案は前記問題点に鑑み、占有スペース
が少なく、追い炊き効率を良くすることのできる電気温
水器を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、前記課題を解
決するための手段として、電気ヒータを内蔵する複数の
内容器と、これらの内容器を収容する外容器とからな
り、前記複数の内容器と外容器とで形成される空間を真
空引きすると共に、前記複数の内容器の間に、前記外容
器の内部空間を分割し、分割された内部空間同士を連通
する複数の貫通孔を備えると共に、前記外容器の変形を
防止する補強壁を配設したものである。

【０００６】前記構成により、前記複数の内容器と外容
器とで形成される空間を真空引きすると、補強壁に形成
した複数の貫通孔により、補強壁によって分割される各
内部空間が均等に減圧される。そして、補強壁が、真空
引きに伴う外容器の変形を防止すると共に、真空引き後
の外容器の補強を兼ねる。

【０００７】この場合、前記内容器のいずれかを小容量
とし、かつ、他の内容器と並列接続することにより、他
の内容器とは別個に給湯可能とすると共に、他の内容器
内の湯温が低下する前に、前記小容量の内容器に内蔵す
る電気ヒータによる加熱を開始可能とするのが好まし
い。

【０００８】

【実施例】次に、本考案の実施例について添付図面に従
って説明する。

【０００９】図１に示す電気温水器は、大略、容量１０
０リットルの内容器１ａ，１ｂを４本並設し、これらを
外容器２に収容した構成である。３つの内容器１ａに
は、深夜電力専用のヒータ３ａ（出力は１〜２ｋｗ）
が、残る１つの内容器１ｂには、深夜および昼間電力兼
用のヒータ３ｂ（０.５〜１ｋｗ）がそれぞれ下方部に
設けられている。また、各内容器１ａ，１ｂの下部には
給水ノズル４が、上部には排水ノズル５がそれぞれ設け
られている。各給水ノズル４は給水管６に、各排水ノズ
ル５は排水管７にそれぞれ接続されている。

【００１０】外容器２は略直方体形状で、図２に示すよ
うに、各内容器１ａ，１ｂの間には複数の貫通孔８が形
成された薄い金属板又は断熱材、例えば、グラスウール
等からなる補強壁９が配設されている。補強壁９の外縁
部は、外容器２の対向する側面および上下面にそれぞれ
当接している。これにより、外容器２内は４つの内部空
間に分割されている。

【００１１】内容器１ａ，１ｂと外容器２との間に形成
され、補強壁９によって分割された４箇所の内部空間
は、側端面の下方に形成した排気口１０を介して真空引
きされている。各内部空間は、補強壁９に形成した複数
の貫通孔８により、互いに連通しているため、それぞれ
均等に真空引きされ、又、真空引きの際の外容器２の変
形は、前記補強壁９によって防止されるようになってい
る。

【００１２】前記構成の電気温水器では、給水管６を介
して水道水を各内容器１ａ，１ｂ内に下方から供給し、
各内容器１ａ，１ｂ内を満水状態として、深夜電力を利
用して加熱ヒータ３ａ，３ｂにより収容した水道水を加
熱しておく。そして、図示しない屋内側の蛇口を開放す
ると、水道水の水圧で各容器１ａ，１ｂ内の温水が押し
上げられて温水が供給される。

【００１３】なお、前記実施例では、内容器１ａ，１ｂ
を全て同一容量としたが、図３に示すように、容量１０
０リットルの３つの大容器１１と、容量８０リットルの
１つの小容器１２とで構成してもよい。

【００１４】この場合、排水管７に、屋内配管（図示せ
ず）との接続部１３の近傍に第１温度センサ１４を設け
る。また、接続部１３の近傍の合流部１５で、大容器１
１と小容器１２からの温水を合流可能とする。さらに、
合流部１５と大容器１１との間の配管途中（合流部１５
の近傍）に第１開閉弁１６、合流部１５と小容器１２と
の間の配管途中に第２開閉弁１７をそれぞれ設ける。さ
らにまた、各大容器１１の下方部にはヒータ１８をそれ
ぞれ配設し、小容器１２の上方部には追炊きヒータ１９
と第２温度センサ２０を配設する。

【００１５】前記図３に示す電気温水器では、各容器１
１，１２で８０リットルの温水、すなわち、合計３２０
リットルの温水が消費されて小容器１２の上方に冷水が
上昇してくると（図１に示す状態）、第２温度センサ２
０がこれを検出して、図示しない制御回路の働きにより
第２開閉弁１７を閉塞する。通常、４人家族で３２０リ
ットルもあれば温水の１日の使用量としては十分である
と考えられるが、不足した場合には大容器１１のみで温
水の供給を続行することにより、さらに６０リットルの
温水を供給することができる。

【００１６】ここで、３８０リットル以上の温水が必要
となる場合を考慮して、大容器１１のみで温水の供給を
行っている間に小容器１２内の水を追炊きヒータ１９に
より加熱しておいてもよい。このように、追加で温水が
必要となるのは、通常、電気料金の安くならない時間帯
であるので、小容器１２に設けた追炊きヒータ１９で加
熱することにより、必要最小限の温水を得ることがで
き、無駄な消費電力を極力抑えることができる。そし
て、追炊きして小容器１２内の温水を使用する場合に
は、前記第１開閉弁１６を閉じ、第２開閉弁１７を開け
るようにすればよい。

【００１７】また、前記実施例では、一度に各容器１
ａ，１ｂ又は１１，１２から温水を供給するようにした
が、図４に示すようにしてもよい。

【００１８】すなわち、図４に示すものでは、各容器は
直列に接続されており、水圧で矢印で示すように冷水が
侵入して行き、容器内の温水が順次排水管側から排出さ
れるようになっている。

【００１９】またさらに、この外に、各容器毎に温度セ
ンサおよび開閉弁を設けるようにしてもよい。これによ
れば、いずれか１つの容器の開閉弁を開放し、この容器
内の温水を使い切った時点で温度センサがこれを検出し
てその開閉弁を閉じ、他の容器の開閉弁を開放すること
により、順次温水の供給を行わせることができる。

【００２０】

【考案の効果】以上の説明から明らかなように、本考案
に係る電気温水器によれば、内容器の間に、外容器の内
部空間を分割し、分割された内部空間同士を連通する複
数の貫通孔を備えると共に、前記外容器の変形を防止す
る補強壁を配設するようにしたので、真空引きの際の外
容器の変形を防止すると共に、真空引き後の補強をも可
能とでき、しかも補強壁で区画された各内部空間を均等
に真空引きすることができる。そして、外観及び断熱性
に優れたコンパクトな構成とすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本実施例に係る電気温水器の概略図である。

【図２】 図１の平面断面図である

【図３】 他の実施例に係る電気温水器の概略図であ
る。

【図４】 他の配管方法を示す図である。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ 内容器 ２ 外容器 ３ａ，３ｂ ヒータ ８ 貫通孔 ９ 補強壁 １１ 大容器 １２ 小容器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F24H 9/00 F24H 1/18 - 1/18 302 F24H 1/20

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気ヒータを内蔵する複数の内容器と、
   これらの内容器を収容する外容器とからなり、 前記複数の内容器と外容器とで形成される空間を真空引
   きすると共に、 前記複数の内容器の間に、前記外容器の内部空間を分割
   し、分割された内部空間同士を連通する複数の貫通孔を
   備えると共に、前記外容器の変形を防止する補強壁を配
   設したことを特徴とする電気温水器。
2. 【請求項２】 前記内容器のいずれかを小容量とし、か
   つ、他の内容器と並列接続することにより、他の内容器
   とは別個に給湯可能とすると共に、他の内容器内の湯温
   が低下する前に、前記小容量の内容器に内蔵する電気ヒ
   ータによる加熱を開始可能としたことを特徴とする請求
   項１に記載の電気温水器。