JP2597671Y2 - ターボ分子ポンプ - Google Patents

ターボ分子ポンプ

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JP2597671Y2 JP1993060489U JP6048993U JP2597671Y2 JP 2597671 Y2 JP2597671 Y2 JP 2597671Y2 JP 1993060489 U JP1993060489 U JP 1993060489U JP 6048993 U JP6048993 U JP 6048993U JP 2597671 Y2 JP2597671 Y2 JP 2597671Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、ロータの回転により
ステータ翼とロータ翼で分子に運動エネルギを与えて分
子を排気するターボ分子ポンプに関し、特にポンプ運転
中にガス放出の低減を目的とするロータの除熱(冷却)
や、ガス放出の原因となる吸着分子の除去を目的とする
ベーキング作業を効果的に行うこと、及び反応性生成物
の堆積を防止することを目的としたロータの温度制御に
おける応答速度や精度を向上させることを可能としたも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のターボ分子ポンプは図2
に示す如くケーシング1の内部に回転可能に配設された
筒状のロータ2を有し、ロータ2の外周面とケーシング
1の内壁面との間にはロータ2の軸線に沿ってステータ
翼3とロータ翼4とが交互に設けられており、ステータ
翼3はスペーサリング5を介してケーシング1の内壁面
に固定され、ロータ翼4はロータ2の外周面に配設され
ている。
【0003】ロータ2の内周面側にはロータシャフト6
及びステータコラム7が設けられており、ロータシャフ
ト6はロータ2と同軸状に配設された状態で先端がロー
タ2に一体に取り付けられ、またステータコラム7はロ
ータ2とロータシャフト6との間に設置されている。
【0004】ステータコラム7にはロータシャフト6と
対向する表面側にモータ8、ラジアル方向用磁気軸受
9,9及びアキシャル方向用磁気軸受10等の電装部品
11が配設されており、モータ8はロータ2をその軸心
回りに回転させるように構成され、ラジアル方向用磁気
軸受9及びアキシャル方向用磁気軸受10は磁力でロー
タ2を定位置に支持するように構成されている。
【0005】なお、ラジアル方向用磁気軸受9は径方向
センサ9a及び径方向電磁石9bから形成されており、
径方向センサ9aはロータシャフト6の径方向変位量を
検出するように、また径方向電磁石9bは径方向センサ
9aでの検出結果に基づき励磁され、この励磁による磁
力でロータシャフト6と一体にロータ2を径方向定位置
に支持するように構成されている。
【0006】アキシャル方向用磁気軸受10はロータシ
ャフト6の外周面に一体に固定されたスラストディスク
10a、軸方向センサ10b、及びスラストディスク1
0aを介して互いに向かい合う一対の軸方向電磁石10
c,10cから形成されており、軸方向センサ10bは
ロータシャフト6の軸方向変位量を検出するように、ま
た一対の軸方向電磁石10c,10cは軸方向センサ1
0bでの検出結果に基づき励磁され、この励磁による磁
力でロータシャフト6と一体にロータ2を軸方向定位置
に支持するように構成されている。
【0007】このようなターボ分子ポンプは、ケーシン
グ1、ロータ2及びステータコラム7がアルミ又はステ
ンレス等の金属から形成されており、またロータ2の回
転によりステータ翼3とロータ翼4で分子に運動エネル
ギを与えて、分子を吸入口1aから排気口1b側へ排気
する。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のターボ分子ポンプにあっては、ケーシング
1、ロータ2及びステータコラム7は単にアルミ又はス
テンレス等から形成されているのみであるため、ケーシ
ング1とロータ2間、並びにロータ2とステータコラム
7間では放射による熱の伝わりが悪く、ケーシング1か
らロータ2側を効率よく十分に冷却することができず、
またケーシング1からロータ2側を加熱する場合にも時
間がかかる。
【0009】このため、ポンプ運転中にガス放出の低減
を目的とするロータの除熱(冷却)や、ポンプエージン
グ中の吸着分子の除去を目的としたロータの加熱(ベー
キング作業)が効果的に行えないという問題がある。
【0010】また、前述のように、ケーシング1の温度
を制御してロータ2の温度制御を行う場合には、ステー
タコラム7の温度が高くなると、このようなステータコ
ラム7の熱によりロータ2の温度が上昇するので、高精
度なロータの温度制御ができないという問題点もある。
【0011】この考案は上述の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところはロータの除熱(冷却)や
ベーキング作業を効果的に行うこと、及びロータの温度
制御における応答速度や精度を向上させることが可能な
ターボ分子ポンプを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この考案は、ケーシングの内部に回転可能に配設さ
れた筒状ロータと、このロータの軸線に沿って交互に設
けられると共に上記ケーシングの内壁面に固定されたス
テータ翼及び上記ロータの外周面に配設されたロータ翼
と、上記ロータの内周面側に設置されると共にロータを
磁力で定位置に支持する磁気軸受またはロータを軸心回
りに回転させるモータ等の電装部品を具備するステータ
コラムとを備え、ロータの回転によりステータ翼とロー
タ翼で分子に運動エネルギを与えて、分子を排気するタ
ーボ分子ポンプにおいて、上記ロータの内周面とこれに
対向するステータコラムの表面に熱放射率の低い断熱部
を設ける一方、上記ロータの外周面とこれに対向するケ
ーシングの内壁面側に熱放射率の高い伝熱部を設けたこ
とを特徴とする。
【0013】
【作用】この考案によれば、断熱部がロータとステータ
コラム間での放射による熱の伝達を遮断する一方、伝熱
部がロータとケーシング間での放射による熱の伝達を促
進させる。
【0014】
【実施例】以下、この考案に係るターボ分子ポンプの一
実施例について図1を基に説明する。
【0015】なお、同図に示すターボ分子ポンプの基本
的な構成、例えばケーシング1の内部には筒状のロータ
2が回転可能に配設されていること、ロータ2の外周面
とケーシング1の内壁面との間にはロータ2の軸線に沿
ってステータ翼3とロータ翼4とが交互に設けられてお
り、ステータ翼3はスペーサリング5を介してケーシン
グ1の内壁面に固定され、ロータ翼4はロータ2の外周
面に配設されていること、及び、ロータ2の内周面側に
はステータコラム7を有し、ステータコラム7はロータ
2とロータシャフト6との間に設置されており、かつモ
ータ8、ラジアル方向用磁気軸受9,9及びアキシャル
方向用磁気軸受10等の電装部品11を具備すること等
は、従来と同様なため、同一部材には同一符号を付し、
その詳細説明は省略する。
【0016】このターボ分子ポンプにあっては、ロータ
2の内周面とこれに対向するステータコラム7の表面に
は断熱部12が設けられており、断熱部12は銀又はア
ルミの鏡面仕上げ層から形成され、熱放射率が低くなる
ように設定されている。
【0017】ロータ2の外周面とこれに対向するケーシ
ング1の内壁面側、特にスペーサリング5の表面には伝
熱部13が設けられており、伝熱部13はセラミック
層、あるいはカーボン等の黒色体層から形成され、熱放
射率が高くなるように設定されている。
【0018】なお、断熱部12を形成する銀又はアルミ
の鏡面仕上げ層については銀又はアルミの鏡面メッキに
より作成することもでき、また伝熱部13を形成するセ
ラミック層についてはセラミックメッキにより作成する
こともできる。
【0019】次に、上記の如く構成されたターボ分子ポ
ンプの動作について図1を基に説明する。
【0020】なお、ターボ分子ポンプの基本動作、即ち
ロータ2の回転によりステータ翼3とロータ翼4で分子
に運動エネルギを与え、分子を吸入口1aから排気口1
b側へ排気することは従来と同様なため、その詳細説明
は省略する。
【0021】このターボ分子ポンプによれば、ステータ
コラム7の温度が高くなったときには、ステータコラム
7とロータ2間では放射による熱の伝達が断熱部12に
より遮断され、ステータコラム7側からロータ2に伝わ
る熱が可及的に減少し、またケーシング1とロータ2間
では放射による熱の伝達が伝熱部13により促進され
る。このためケーシング1側からロータ2を冷却する際
の効率がよい。
【0022】ケーシング1を加熱して、いわゆるベーキ
ング作業を行う場合には、ケーシング1とロータ2間で
の放射による熱の伝達が伝熱部13により促進され、ケ
ーシング1からロータ2に効率よく熱がよく伝わる。こ
のためベーキング作業に必要なロータ2の温度が短時間
で得られる。
【0023】ケーシング1の温度を制御してロータ2の
温度制御を行う場合にも、伝熱部13によりケーシング
1とロータ2間での放射による熱の伝達が促進され、ケ
ーシング1からロータ2に効率よく熱が伝わる。このた
め温度制御の応答速度が速なりかつその精度も高くな
る。
【0024】したがって、上記実施例のターボ分子ポン
プによれば、ロータとステータコラム間では放射による
熱の伝達が断熱部により遮断され、ロータとケーシング
間では放射による熱の伝達が伝熱部により促進されるの
で、ステータコラム側からロータに伝わる熱が可及的に
減少し、かつケーシング側からロータを効率よく冷却
し、及び加熱することが可能となり、ロータの除熱や、
いわゆるベーキング作業を効果的に行える。
【0025】また、ケーシングの温度を制御してロータ
の温度制御を行う場合にも、上記の通りケーシングとロ
ータ間では放射による熱の伝達が伝熱部により促進さ
れ、ケーシングからロータに効率よく熱が伝わることか
ら、応答速度が速くかつ精度の高いロータの温度制御を
行うことができる。
【0026】なお、本実施例ではロータの軸受として磁
気軸受を使用したターボ分子ポンプについて記述した
が、軸受としてボールベアリング、その他の軸受を使用
したターボ分子ポンプについても同様な効果が得られ
る。
【0027】
【考案の効果】この考案に係るターボ分子ポンプにあっ
ては、上記の如くロータの内周面とこれに対向するステ
ータコラムの表面に熱放射率の低い断熱部を設ける一
方、ロータの外周面とこれに対向するケーシングの内壁
面側に熱放射率の高い伝熱部を設けたため、ロータとス
テータコラム間では放射による熱の伝達が断熱部により
遮断され、ロータとケーシング間では放射による熱の伝
達が伝熱部により促進されるので、ステータコラム側か
らロータに伝わる熱が可及的に減少し、かつケーシング
側からロータを効率よく冷却し、及び加熱することが可
能となり、ロータの除熱や、いわゆるベーキング作業を
効果的に行える。
【0028】また、この考案によれば、ケーシングの温
度を制御してロータの温度制御を行う場合にも、上記の
通りケーシングとロータ間では放射による熱の伝達が伝
熱部により促進され、ケーシングからロータに効率よく
熱が伝わることから、応答速度が速くかつ精度の高いロ
ータの温度制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係るターボ分子ポンプの一実施例を
示す断面図。
【図2】従来のターボ分子ポンプの断面図。
【符号の説明】
2 ロータ 3 ステータ翼 4 ロータ翼 7 ステータコラム 11 電装部品 12 断熱部 13 伝熱部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングの内部に回転可能に配設され
    た筒状ロータと、このロータの軸線に沿って交互に設け
    られると共に上記ケーシングの内壁面に固定されたステ
    ータ翼及び上記ロータの外周面に配設されたロータ翼
    と、上記ロータの内周面側に設置されると共にロータを
    磁力で定位置に支持する磁気軸受またはロータを軸心回
    りに回転させるモータ等の電装部品を具備するステータ
    コラムとを備え、ロータの回転によりステータ翼とロー
    タ翼で分子に運動エネルギを与えて分子を排気するター
    ボ分子ポンプにおいて、 上記ロータの内周面とこれに対向するステータコラムの
    表面に熱放射率の低い断熱部を設ける一方、上記ロータ
    の外周面とこれに対向するケーシングの内壁面側に熱放
    射率の高い伝熱部を設けたことを特徴とするターボ分子
    ポンプ。
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