JP2597517B2 - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JP2597517B2
JP2597517B2 JP2171624A JP17162490A JP2597517B2 JP 2597517 B2 JP2597517 B2 JP 2597517B2 JP 2171624 A JP2171624 A JP 2171624A JP 17162490 A JP17162490 A JP 17162490A JP 2597517 B2 JP2597517 B2 JP 2597517B2
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由夫 稲垣
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、高エネルギー密度のレーザビームを用いて
情報の書き込みが可能な新規な情報記録媒体に関するも
のである。
[発明の技術的背景] 近年において、レーザー光等の高エネルギー密度のビ
ームを用いる情報記録媒体が開発され、実用化されてい
る。この情報記録媒体は光ディスクと称され、ビデオ・
ディスク、オーディオ・ディスク、さらには大容量静止
画像ファイルおよび大容量コンピュータ用ディスク・メ
モリなどとして使用されている。
DRAW(Direct Read After Write)型の光ディスクは
基本構造として、ガラス、合成樹脂などからなる円盤状
の基板と、この上に設けられたBi、Sn、In、Te等の金属
または半金属;またはシアニン系、金属錯体系、キノン
系等の色素からなる記録層とを有する。なお、記録層が
設けられる側の基板表面には、基板の平面性の改善、記
録層との接着力の向上あるいは光ディスクの感度の向上
などの点から、高分子物質からなる中間層が設けられる
場合がある。光ディスクへの情報の書き込みはレーザー
ビームをこの光ディスクに照射することにより行なわ
れ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度
上昇し、物理的あるいは化学的な変化(たとえば、ピッ
トの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより
情報が記録される。情報の読み取りもまた、レーザービ
ームを光ディスクに照射することにより行なわれ、記録
層の光学的特性の変化に応じた反射光または透過光を検
出することにより情報が再生される。
このような情報記録媒体の記録層を形成する記録材料
として上記のように金属類や色素等が知られている。色
素を用いた情報記録媒体は、金属等の記録材料に比べて
高感度であるなど記録媒体自体の特性において長所を有
する他に、記録層を塗布法により簡単に形成することが
できるという製造上の大きな利点を有している。従っ
て、このような光ディスクに利用することができる色素
の開発が行なわれ、また種々実用化されている。光ディ
スクに適用するために要求される特性としては、半導体
レーザーの発振波長領域である700〜900nmに色素の吸収
があること、吸収係数がある程度大きいこと、反射率が
高いことなどが挙げられる。半導体レーザーの発振波長
領域の拡大への研究や光ディスクドライブの改良、開発
が行なわれており、これに伴ない使用できる色素のの種
類の拡大やなどの変化も予想される。従って、光ディス
ク用の色素の種類の豊富化が望まれる。
このような色素からなる記録層は、一般に反射率が低
い、再生信号のC/Nが低い等の特性上の問題、および色
素記録層が光の照射により経時的に劣化し易いなどの欠
点を有している。
上記反射率およびC/Nが向上した色素からなる記録層
として、特開昭64−40382号公報にベンゾインドレニン
骨格を有するシアニン系色素からなる記録層を有する光
ディスクが開発されている。しかしながら、このような
色素記録層を有する情報記録媒体は、C/Nについては比
較的良好なものであるが、反射率、さらに耐光性につい
ては満足できるものではない。
反射率を高くするため、色素記録層の上にさらに反射
層を設けることが一般的に行なわれている。このような
例が、日経エレクトロニクス(107頁、1989年1月23日
発行)に記載されており、これによると上記記録媒体の
記録層に用いられている色素は不明であるが、その記録
方法が、色素記録層のレーザーの吸収により色素が融解
され、これに伴なってプラスチック基板が加熱されて該
基板が記録層側に盛り上ってピットが形成されることに
よって行なわれるとの開示がなされている。この反射層
は金の蒸着膜である。そして、本発明者等の検討によれ
ば、この色素記録層に、上記ベンゾインドレニン骨格を
有するシアニン色素を用いると、比較的C/Nも高く、向
上した反射率を有する光ディスクを得ることができる。
DRAW型光ディスクでも、CDフォーマット信号の高密度
記録では(CD−DRAW)、定線速度1.2〜1.4m/秒という遅
い速度で上記信号の記録を行なう必要があり、その際記
録した信号を市販のCDプレーヤーで再生することが要求
されている。CDプレーヤーで再生するには光ディスクの
反射率が少なくとも70%以上あることが望ましい。しか
しながら、上記ベンゾインドレニン骨格を有するシアニ
ン色素の記録層と反射層を有する光ディスクにCDフォー
マット信号を記録しても、CDプレーヤーによっては再生
が出来ないものがあった。
従って、前記光ディスク用の色素の種類の豊富化の要
望と共に、上記CD−DRAWとして反射率の顕著に高い(80
%前後)の光ディスクの出現が望まれる。
[発明の目的] 本発明は、新規なイアニン色素からなる記録層を有す
る情報記録媒体を提供することを目的とする。
また本発明は、記録層およびその上に反射層を有する
情報記録媒体であって、C/Nおよび反射率が顕著に向上
した情報記録媒体を提供することを目的とする。
さらに本発明は、記録層およびその上に反射層を有す
る情報記録媒体であって、C/Nおよび反射率が顕著に向
上し且つ耐光性に優れた情報記録媒体を提供することを
目的とする。
[発明の要旨] 本発明は、基板上に、下記の一般式(I): [式中、AおよびA′は、それぞれ置換基を有していて
もよい芳香族環を完成するための原子群を表わし、L
は、置換基を有していてもよいメチン基、または置換基
を有していてもよい3、5もしくは7個のメチン基が共
役二重結合により連結されて生じる三価の連結基を表わ
し、R1、R2、R11およびR12は、それぞれ水素原子または
置換基を有していてもよいアルキル基、フェニル基、ア
シル基、アルコキシ基あるいは5もしくは6員の複素環
基を表わし、R3およびR13は、それぞれ置換基(陰イオ
ンを持つ置換基であってもよい)を有していてもよいア
ルキル基を表わし、Xn-は陰イオンを表わし、nは1、
2または3を表わし、mは1または0を表わし、そして
R3またはR13が陰イオンを持つ基を置換基として有する
場合、mは0である。] により表わされるシアニン色素を含むレーザーにより情
報の記録が可能な記録層が設けられてなる情報記録媒体
にある。
上記本発明の情報記録媒体の好ましい態様は下記のと
おりである。
1)上記一般式(I)のAおよびA′が、ハロゲン原
子、炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基、シアノ
基および炭素原子数1〜4のアルコキシカルボニル基で
置換されていても良いベンゼン環もしくはナフタレン環
を完成するための原子群であることを特徴とする上記情
報記録媒体。
2)上記一般式(I)のLが、ハロゲン原子、炭素原子
数1〜4のアルキル基(但し、これらのアルキル基が連
結して他のメチン基と結合することによる環を形成して
いてもよい)、ベンジル基およびフェニル基で置換され
ていても良い3または5個のメチン基が共役二重結合で
連結されて生ずる三価の連結基であることを特徴とする
上記情報記録媒体。
3)上記一般式(I)のR1、R2、R11およびR12が、それ
ぞれ水素原子数1〜8の無置換のアルキル基または無置
換のフェニル基あるいはナフチル基であることを特徴と
する上記情報記録媒体。
4)上記一般式(I)のR3およびR13が、それぞれ炭素
原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数1〜4のアル
キルチオ基、炭素原子数1〜4のアルコキシカルボニル
基、炭素原子数1〜4のスルフォニル基、ハロゲン原子
またはヒドロキシ基により置換されていても良い炭素原
子数1〜18のアルキル基であることを特徴とする上記情
報記録媒体。
5)上記一般式(I)のXn-が、ハロゲンイオン、スル
ホネートイオン、ClO4 -、BF4 -、金属錯体イオンまたは
リン酸イオンであることを特徴とする上記情報記録媒
体。
6)該記録層上に、金属からなる反射層が設けられてい
ることを特徴とする上記情報記録媒体。
7)該記録層が、上記一般式(I)で表わされるシアニ
ン色素と該色素の吸収極大より長波長側に吸収極大を有
する色素との混合物からなる記録層が設けられているこ
とを特徴とする上記情報記録媒体。
8)上記記録層に含まれるいずれの色素の吸収極大波長
よりも長波長側に吸収極大を有するクエンチャーが該記
録層に含まれていることを特徴とする上記情報記録媒
体。
9)上記色素の吸収極大が、上記一般式(I)で表わさ
れるシアニン色素の吸収極大より20nm以上と長いことを
特徴とする上記7)の情報記録媒体。
10)上記シアニン色素の吸収極大が、650nmより長波長
側にあることを特徴とする上記情報記録媒体。
11)上記基板の材料がプラスチックであることを特徴と
する上記情報記録媒体。
12)上記金属がCr、Na、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステ
ンレス鋼からなる群より選ばれる少なくとも一種である
ことを特徴とする上記6)の情報記録媒体。
尚、本発明の色素の吸収極大とは、基板上に形成した
色素層の吸収極大を言う。
[発明の効果] 上記一般式(I)で表わされる本発明の特定のシアニ
ン色素を光ディスクの記録層の材料として用いることに
より得られる光ディスクは、優れた記録再生特性と高い
反射率を示す。
また、本発明の特定のシアニン色素からなる記録層が
基板上に設けられ、さらに該記録層上に金属からなる反
射層が積層された場合、このような構成を採ることによ
り、記録感度、C/N、変調度等の記録再生特性をほとん
ど劣化させることなく、反射率を向上させることができ
る。
特に、本発明の特定のシアニン色素および該色素より
長波長側に吸収極大を有する別の色素からなる記録層が
設けられ、さらに該記録層上に金属からなる反射層が積
層された場合、高い反射率に加えて、記録感度、C/N、
変調度等の記録再生特性も向上させることができる。
さらに、得られた光ディスクは反射率が顕著に高いの
で、CDフォーマット信号を記録して市販のCDプレーヤー
にて再生が可能であるため、CD−DRAWとして有用であ
る。
[発明の詳細な記述] 本発明の情報記録媒体は、基板上に、上記一般式
(I)で表わされるシアニン色素を含む記録層が設けら
れた基本構成を有する。
さらに本発明の別の態様の情報記録媒体は、上記色素
記録層上に反射層が設けられた基本構成を有する。
本発明者等は、基板上に塗布により記録層の形勢が可
能である色素で、光ディスクとした場合に高いC/Nなど
の優れた記録再生特性および高い反射率を示す新規な色
素を得るため鋭意検討を重ねてきた。
その結果、上記一般式(I)で表わされるシアニン色
素を記録層として用いることにより上記特性を実現でき
ることが明らかとなった。また、上記特定のシアニン色
素からなる記録層上に、さらに該記録層上に金属からな
る反射層が積層することにより、記録感度、C/N、変調
度等の記録再生特性をほとんど低下させることなく、反
射率を向上させることができることも明らかとなった。
また、その際、上記一般式(I)で表わされるシアニン
色素と共に、該色素より長波長側に吸収極大を有する色
素との混合物からなる記録層を設けることにより、上記
の高い反射率に加えて記録感度、C/N、変調度等の記録
再生特性を向上させることが容易となることが明らかと
なった。
すなわち、上記一般式(I)で表わされる本発明のシ
アニン色素は、その構造を変えることによりその吸収極
大を短波長側にも長波長側にも変化させることが可能で
ある。上記色素は、一般のレーザー光の発振波長である
780nm前後の波長帯域で、反射率が高く、そしてC/Nおよ
び変調度も比較的高いという特性のものが多い。これら
の化合物の中で、吸収極大が780nmより短い波長領域に
ある色素と、上記レーザー波長領域で感度の高い色素
(すなわち上記色素より長波長側に極大吸収を有する色
素)とを併用することにより、上記高い反射率に加え
て、記録感度、C/N、変調度等の記録再生特性を向上さ
せることができることが明らかとなった。
本発明の情報記録媒体は、たとえば以下に述べるよう
な方法により製造することができる。
本発明の基板は、従来の情報記録媒体の基板として用
いられている各種の材料から任意に選択することができ
る。本発明の基板材料として、例えばガラス;ポリメチ
ルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、
塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹
脂;アモルファスポリオレフィンおよびポリエステルな
どを挙げることができ、所望により併用してもよい。な
お、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある
基板として使うことができる。上記材料の中で、耐湿
性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネー
トが好ましい。
記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改
善、接着力の向上および記録層の変質の防止の目的で、
下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としてはたと
えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタク
リル酸共重合体、スチレン・無水マレイナト共重合体、
ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミ
ド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホ
ン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニ
ル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミ
ド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
カーボネート等の高分子物質;およびシランカップリン
グ剤などの有機物質を挙げることができる。
下塗層は、たとえば上記物質を適当な溶剤に溶解また
は分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピン
コート、ディップコート、エクストルージョンコートな
どの塗布法により基板表面に塗布することにより形成す
ることができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μm
の範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
また、基板(または下塗層)上には、トラッキング用
溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸が形成され
ていることが好ましい。上記ポリカーボネートなどの樹
脂材料を使用する場合は、樹脂材料を射出成形あるいは
押出成形などにより直接基板上にグルーブが設けられる
ことが好ましい。
またグルーブ形成を、プレグルーブ層が設けることに
より行なってもよい。プレグルーブ層の材料としては、
アクリル酸のモノエステル、ジエステル、トリエステル
およびテトラエステルのうちの少なくとも一種のモノマ
ー(またはオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用
いることができる。
プレグルーブ層の形成は、まず精密に作られた母型
(スタンパー)上に上記のアクリル酸エステルおよび重
合開始剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗布液層
上に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫外線
の照射により液層を硬化させて基板と液相とを固着させ
る。次いで、基板を母型から剥離することによりプレグ
ルーブ層の設けられた基板が設けられる。
プレグループ層の層厚は一般的に0.05〜100μmの範
囲にあり、好ましくは0.1〜50μmの範囲である。
基板上には本発明の記録層が設けられる。
本発明の記録層は、下記の一般式(I)で表わされる
シアニン色素を含むことを特徴とする。
[式中、AおよびA′は、それぞれ置換基を有していて
もよい芳香族環を完成するための原子群を表わし、L
は、置換基を有していてもよいメチン基、または置換基
を有していてもよい3、5もしくは7個のメチン基が共
役二重結合により連結されて生じる三価の連結基を表わ
し、R1、R2、R11およびR12は、それぞれ水素原子または
置換基を有していてもよいアルキル基、フェニル基、ア
シル基、アルコキシ基あるいは5もしくは6員の複素環
基を表わし、R3およびR13は、それぞれ置換基(陰イオ
ンを持つ置換基であってもよい)を有していてもよいア
ルキル基を表わし、Xn-は陰イオンを表わし、nは1、
2または3を表わし、mは1または0を表わし、そして
R3またはR13が陰イオンを持つ基を置換基として有する
場合、mは0である。] 本発明の情報記録媒体に用いられる上記一般式(I)
で表される化合物において、好ましくは、R1とR11、R2
とR12、R3とR13、R4とR14、AとA′とがそれぞれ同じ
ものである。
AおよびA′で表される芳香族環を完成する為の原子
群は、置換されていても良いベンゼン環またはナフタレ
ン環が好ましい。置換基としては、好ましくは、F、Cl
などのハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ
ル基、アシル基、炭素原子数1〜8のアルキルスルホニ
ル基、炭素原子数1〜8のアリールスルホニル基、炭素
原子数1〜8のアルコキシカルボニル基、アミノ基、炭
素原子数1〜8のアルキル基、アリール基、炭素原子数
1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜8のアリールオ
キシ基、炭素原子数1〜8のアルキルチオ基、アリール
チオ基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル
基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基および5
もしくは6員のヘテロ環基を挙げることができる。これ
らの中でも、ハメットのσ定数またはその換算値が正で
ある置換基がさらに好ましい。最も好ましくは、F、Cl
などのハロゲン原子、炭素原子数1〜4のハロゲン化ア
ルキル基(例、トリフルオロメチル基)、シアノ基およ
び炭素原子数1〜4のアルコキシカルボニル基(例、エ
トキシカルボニル基)を挙げることができる。
Lで表わされる連結基として好ましいものは、3もし
くは5のメチン基からなる置換基を有するていても良い
共役メチン基であり、置換基としては好ましくは、ハロ
ゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数
1〜6のアルコキシ基およびアラルキル基を挙げること
ができる。これらの置換基の中でさらに好ましくは、ハ
ロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、ベンジル
基およびフェニル基である。最も好ましくは、メチル
基、ベンジル基およびCl等のハロゲン原子である。
R1、R2、R11およびR12で表される基として好ましいも
のは、置換されていても良い炭素原子数1〜18のアルキ
ル基(例、メチル、エチル、ブチル、イソブチル、2−
エチルヘキシル、ドデシル、トリフルオロメチル、2−
エトキシエチル、2−ヒドロキシエチル、3−スルホプ
ロピル、3−スルホブチル、2−スルホエチルなど)、
置換されていても良い炭素原子数6〜18のフェニル基ま
たはナフチル基(例、フェニル、4−メチルフェニル基
3,5−ジクロロフェニル、4−メトキシフェニル、β−
ナフチル、2,5−ジ−t−アミルフェニルなど)であ
る。さらに好ましくは、炭素原子数1〜8の無置換のア
ルキル基または無置換のフェニル基またはナフチル基で
あり、最も好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基およびフェニル基を挙げることができる。
R3およびR13で表わされる基は、好ましくは炭素原子
数1〜18(好ましくは1〜5)のアルキル基で、それぞ
れ炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数1〜4
のアルキルチオ基、炭素原子数1〜4のアルコキシカル
ボニル基、炭素原子数1〜4のスルフォニル基、ハロゲ
ン原子またはヒドロキシ基により置換されていても良
い。さらに好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロ
ピル基、sec−ブチル基、シクロヘキシル基、2−エチ
ルヘキシル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、ド
デシル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシプロピ
ル基、ヒドロキシエチル基、3−アセトキシプロピル
基、エトキシカルボニルメチル基、3−スルホプロピル
基、2,3−テトラフルオロプロピル基、アリル基、2−
メチルチオエチル基、3−メトキシプロピル基、フェニ
ル基、4−メチルフェニル基、3,5−ジクロロフェニル
基、4−メトキシフェニル基、β−ナフチル基および2,
5−ジ−t−アミルフェニルである。最も好ましくは、
メチル基、エチル基、sec−ブチル基、2−エトキシエ
チル基、3−エトキシプロピル基、3−メトキシプロピ
ル基、ヒドロキシエチル基、3−アセトキシプロピル
基、エトキシカルボニルメチル基、3−スルホプロピル
基および2,3−テトラフルオロプロピル基である。
また、Xで表わされる陰イオンとして好ましいものと
しては、される陰イオンとして好ましいハライドイオン
(例えば、Cl-、Br-、I-)、スルホネートイオン(例え
ば、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CH3OSO3 -ナフタレン−1、5−ジスルホネートイオン)、Cl
O4 -、BF4 -、金属錯体イオン(例えば、 およびリン酸イオン(例えば、PF6 -を挙げることができる。
これらのうちで特に好ましい陰イオンは、ClO4 -、PF6
-および であるが、合成の中間段階で使用されるI-が微量混入していても良い。
上記一般式で表わされる具体的な化合物の例としては
以下のI−1〜I−20を挙げることができる。
本発明の一般式(I)で表される色素は、Chemcal Ab
stracts誌、69巻、60031V項に抄録されているF.S.Babic
hevとA.F.BabichevaによるKhim.Geterotsikl、Soedin.
誌、1967巻、917−922頁に、一部(一般式(I)中のA
とA′が無置換のベンゼン環、R1、R2、R3、R11、R12
よびR13が全てメチル基で、Xn-がClO4 -であって、Lが
無置換のメチン基からなる構造を有する色素とLがトリ
メチン基で他は前者と同じ構造を有する色素の二種)が
記載されている。但し、これらの色素の光ディスクへの
適用についての記載はない。他の色素もこれらを参考に
して合成することもできる。
次に本発明の一般式(I)で表される色素の合成例を
挙げて合成法を具体的に説明する。
合成例1(色素I−4の合成) 5,6−ジクロロ−1−エチル−2−メチルベンズイミ
ダゾール4.58gにアセトン25mlを加えて溶解した後、α
−ブロモプロピオフェノン3mlを加えて100分間加熱還流
した。アセトンを留去した後、100℃で1時間加熱し
た。反応混合物にアセトン100mlを加えて撹拌し、生じ
た無色結晶を濾取しアセトンで洗浄し乾燥した。収量5.
4g。
この結晶を、炭酸ナトリウム1.3gと水60mlとから調製
した水溶液に加え、蒸気浴上で80分間加熱した。放冷後
生じた結晶を濾取し、水洗して4.8gの無色結晶を得た。
この結晶をメタノール600mlより再結晶して2gの無色針
状結晶の6,7−ジクロロ−4−エチル−1−メチル−2
−フェニルピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾールを得
た。
この結晶1gにアセトニトリル20mlとパラトルエンスル
ホン酸−1水和物0.3gを加えて溶かし、さらに1,3,3−
トリメトキシプロペン1mlを加えて5分間加熱還流し
た。放冷後、生じた結晶を濾取し、アセトニトリル25ml
で洗浄して化合物の結晶0.75gを得た。
融点247−249℃。
λMax.(メタノール):626nm 合成例2(色素I−18の合成) 5,6−ジクロロ−1−イソプロピル−2−メチルベン
ズイミダゾール2.57gに、α−ブロモプロピオフェノン
1.52mlとアニソール1mlを加えて蒸気浴上で2時間加熱
した後、アセトン50mlを加えた。
生じた結晶を濾取し、2%炭酸ナトリウム水溶液40ml
を加え、蒸気浴上で80分間加熱した。放冷後生じた結晶
を濾取し、水洗して6,7−ジクロロ−4−イソプロピル
−1−メチル−2−フェニルピロロ[1,2−a]ベンズ
イミダゾールを得た。
この結晶0.6gにアセトニトリル11mlとパラトルエンス
ルホン酸−1水和物0.17g及び1,3,3−トリメトキシプロ
ペン0.6mlを加えて15分間加熱還流した。放冷後生じた
結晶を濾取し、アセトニトリルで洗浄して化合物0.2gを
得た。
融点167℃。
λMax.(メタノール):626nm さらに、前述したように上記色素とレーザー波長で感
度の高い色素(すなわち上記色素より長波長側に極大吸
収を有する色素)とを併用することにより、上記高い反
射率に加えて、記録感度、C/N、変調度等の記録再生特
性が向上した情報記録媒体を得ることができる。特に金
などからなる反射層が設けた場合、記録層の色素を上記
のように他の色素と混合使用することが有効である。
記録層上に反射層を設けた光ディスクであって、上記
一般式(I)で表わされるシアニン色素と併用して、該
シアニン色素の吸収極大より長波長に吸収極大を有する
色素を用いる場合、このような色素の吸収極大は、上記
一般式(I)で表わされるシアニン色素の吸収極大より
20nm以上高いことが高いC/Nと反射率を得る上で好まし
い。
このような色素は、上記条件を満足するものであれ
ば、どのような種類の色素でも良いが、均一な色素の記
録層を形成する上で、前記一般式(I)と相溶性に優れ
た色素で、溶解する際に同じ有機溶剤が使用できるもの
が好ましい。均一な色素層を形成することにより、C/
N、変調度等の記録再生特性が優れたものとなる。その
ような色素としてはシアニン色素、オキソノール色素、
ピリリウム色素およびチオピリリウム色素等のポリメチ
ン系色素が好ましい。
特に記録層上に反射層を設けた光ディスクの場合、記
録層として、色素の中でも比較的高反射率を有し、且つ
C/N、記録感度等の記録再生特性においても優れた下記
一般式(II)で表されるベンゾインドレニン骨格を有す
る特定のシアニン色素と、本発明の一般式(I)で表さ
れる色素との混合物からなる記録層を設けることによ
り、上記記録再生特性および反射率を向上させることが
でき好ましい。
従って、上記長波長側に吸収極大を有する色素として
は、下記の一般式(II)で表わされる構造を有するベン
ゾインドレニン骨格を有するシアニン系色素であること
が好ましい。
一般式(II); [但し、R21、R22およびR23は、それぞれ独立に炭素原
子数が1〜8の範囲にある置換基を有していても良いア
ルキル基を表わし、XP-は、陰イオンを表わし、そして
pは1または2を表わす] 一般式(II)において、R21で表わされるアルキル基
は、炭素原子数が1〜8の範囲にある置換基を有してい
ても良いアルキル基として、メチル、エチル、n−プロ
ピル、n−ブチル、イソブチルおよび2−エチルヘキシ
ルなどの基を挙げることができ、好ましくは炭素原子数
が1〜6のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、n−ブチル、イソブチル)であり、その置換
されていてもよい置換基としては、弗素原子、アルコキ
シ基を挙げることができる。特に好ましくは無置換のア
ルキル基である。
R22およびR23で表わされるアルキル基としては、炭素
原子数1〜8の無置換のアルキル基(具体例、メチル、
エチル、プロピル)が好ましく、特に好ましくはメチル
基またはエチル基である。
上記一般式(II)で表わされる具体的な化合物の例と
しては以下のII−1〜II−16を挙げることができる。
上記具体例に示すような上記一般式(II)で表わされ
るインドレニン骨格を有するシアニン色素は、前記特開
昭64−40382号および64−40387号の各公報の光ディスク
の記録層に用いられる色素の一般式に含まれるものであ
る。
一般式(I)の色素と一般式(II)の色素の好ましい
組み合わせにおいては、一般式(I)の色素のLが共役
二重結合で連結された3個の置換されていてもよいメチ
ン基からなるものであり、一般式(I)の色素と一般式
(II)の化合物の混合比は重量比で9:91〜80:20(一般
式(I)の色素:一般式(II)の色素)が好ましい。
また、耐光性を向上させるためにいわゆる一重項酸素
クエンチャーとして知られている種々の色素、例えば下
記の一般式(III)もしくは(IV)で表わされる化合物
を併用することが好ましい。
(ただし、[Cat]はテトラアルキルアンモニウムな
どの非金属陽イオンを表わし、MはNiなどの遷移金属原
子を表わし、ZおよびZ′は置換されていても良いベン
ゼン環、2−チオクソ−1,3−ジチオール環などの5な
いし6員の芳香環もしくはヘテロ環を完成するための原
子団を表わす) [式中Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表
わし、Qは一般式(I)のXで示したものと同じ陰イオ
ンを表わす] 上記一般式(III)または(IV)で表わされるクエン
チャーの具体例としては、PA−1006(三井東圧ファイン
(株))、IRG−023(日本化薬(株))などを挙げるこ
とができる。
記録層の形成は、上記色素、さらに所望により上記ク
エンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製
し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成
したのち乾燥することにより行なうことができる。
本発明の色素層塗布液調製用の溶剤としては、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステ
ル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−
ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;
ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンな
どの炭素水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、
ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコ
ール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素
系溶剤などを挙げることができる。
塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、
滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合に結合剤としては、たとえばゼ
ラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴ
ムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭
化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系
樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル
等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリ
エチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導
体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹
脂の初期縮合物などの合成有機高分子物質を挙げること
ができる。
記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤
に対する色素の比率は一般に0.01〜99%(重量比)の範
囲にあり、好ましくは1.0〜95%(重量比)の範囲にあ
る。このようにして調製される塗布液の濃度は一般に0.
01〜10%(重量比)の範囲にあり、好ましくは0.1〜5
%(重量比)の範囲にある。
記録層は単層でも重層でもよいが、その層厚は一般に
200〜3000Åの範囲にあり、好ましくは500〜2500Åの範
囲にある。また、記録層は基板の片面のみならず両面に
設けられていてもよい。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、デ
ィップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクタ
ーロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができ
る。
さらに、本発明の情報記録媒体は、上記記録層の上
に、情報の再生時における反射率の向上の目的で、反射
層を設けることが好ましい 反射層の材料である光反射性物質はレーザー光に対す
る反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、
Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、F
e、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、C
d、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金
属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることがで
きる。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、C
u、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。これらの物
質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せ
でまたは合金として用いてもよい。
反射層は、たとえば上記光反射性物質を蒸着、スパッ
タリングまたはイオンプレーティングすることにより記
録層の上に形成することができる。反射層の層厚は一般
には100〜3000Åの範囲にある。
また、反射層の上には、記録層などを物理的および化
学的に保護する目的で保護層が設けられてもよい。この
保護層は、基板の記録層が設けられていない側にも耐傷
性、耐湿性を高める目的で設けられてもよい。
保護層に用いられる材料の例としては、SiO、SiO2、M
gF2、SnO2、Si3N4等の無機物質;熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができ
る。
保護層は、たとえばプラスチックの押出加工で得られ
たフィルムを接着層を介して記録層(または銀塩層ある
いは反射層)上および/または基板上にラミネートする
ことにより形成することができる。あるいは真空蒸着、
スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよ
い。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、こ
れらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、こ
の塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成するこ
とができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしく
は適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布
液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても
形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯
電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的
に応じて添加してもよい。
保護層の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲にある。
本発明において、情報記録媒体は上述した構成からな
る単板であってもよいが、あるいは更に上記構成を有す
る二枚の基板を記録層が内側となるように向い合わせ、
接着剤等を用いて接合することにより、貼合せタイプの
記録媒体を製造することもできる。あるいはまた、二枚
の円盤状基板のうちの少なくとも一方に上記構成を有す
る基板を用いて、リング状内側スペーサとリング状外側
スペーサとを介して接合することにより、エアーサンド
イッチタイプの記録媒体を製造することもできる。
本発明の情報記録媒体は上記のような方法で製造する
ことができる。
このようにして得られる、反射率が極めて高く且つ記
録再生特性にも優れた光ディスクは、耐光性を向上させ
るため一重項クエンチャーを添加しても所望の反射率を
維持することができる。すなわち、上記クエンチャーを
添加した場合には、一般に光ディスクの反射率は低下す
るが、本発明の情報記録媒体は反射率が80%前後と顕著
に高いため、クエンチャーを添加しても高反射率を維持
することができ、市販のCDプレーヤで再生することがで
きる。従って、高反射率を有し且つ耐光性に優れた光デ
ィスクも得ることができる。
上記情報記録媒体を用いて情報を記録および再生する
方法は、例えば次のように行なわれる。
まず、情報記録媒体を定線速度(CDフォーマットの場
合は1.2〜1.4m/秒)または定角速度にて回転させなが
ら、基板側から半導体レーザー光などの記録用の光を照
射する。この光の照射により、反射層を有する光ディス
クでは記録層と反射層との界面に空洞を形成(空洞の形
成は、記録層または反射層の変形、あるいは両層の変形
を伴なって形成される)するか、基板が肉盛り変形す
る、あるいは記録層に変色、会合状態の変化等により屈
折率が変化することにより情報が記録されると考えられ
る。反射層を持たない記録層だけの光ディスクでは一般
に記録層にビット(孔)を形成して情報が記録される。
一般に、記録光としては750nm〜850nmの範囲の発振波長
を有する半導体レーザービームが用いられる。
情報の再生は、情報記録媒体を上記と同一の定線速度
で回転させながら半導体レーザー光を基板側から照射し
て、その反射光を検出することにより行なうことができ
る。
以下に、本発明の実施例を記載する。ただし、これら
の各例は本発明を制限するものではない。
[実施例1] 前記一般式(I)で表わされるシアニン色素(前記色
素I−17)2.0gおよびクエンチャーとして下記の構造式
を有するジインモニウム色素(IRG−023、日本化薬
(株)製)0.2gを2,2,3,3−テトラフロロプロパノール
(構造式:HCF2CF2CH2OH)100ccに溶解して色素層塗布液
を調製した。
トラッキングガイドが設けられた円盤状のポリカーボ
ネート基板(外径:120mm、内径:15mm、厚さ:1.2mm、ト
ラックピッチ:1.6μm、グループの幅:0.5μm、グルー
プの深さ:900Å)上に、塗布液をスピンコート法により
回転数1000rpmの速度で塗布した後30秒間乾燥して層厚
が1300Åの記録層を形成した。
このようにして、基板および記録層からなる情報記録
媒体を製造した。
[実施例2] 実施例1において、記録層上に、さらにAuをDCスパッ
タリングして層厚1300Åの反射層を形成し、該反射層上
に、保護層としてUV硬化性樹脂(商品名:3070、スリー
ボンド社製)をスピンコート法により回転数1500rpmの
速度で塗布した後、高圧水銀灯にて紫外線を照射して硬
化させ層厚3μmの保護層を形成した以外は実施例1と
同様にして情報記録媒体を製造した。
[実施例3] 実施例2において、色素として、前記一般式(I)で
表わされるシアニン色素(前記色素I−17)2gの代わり
に(前記色素I−4)2gを用いた以外は実施例2と同様
にして情報記録媒体を製造した。
[実施例4] 実施例3において、色素として、前記一般式(I)で
表わされるシアニン色素(前記色素I−4)2gの代わり
に、(前記色素I−4)0.4gと前記一般式(II)で表わ
される色素(前記色素II−1)1.6gとを用いた以外は実
施例3と同様にして情報記録媒体を製造した。
[実施例5] 実施例4において、色素塗布液に上記ジインモニウム
色素を加えずに色素層塗布液を調製した以外は実施例4
と同様にして情報記録媒体を製造した。
[実施例6] 実施例4において、グループの深さが900Åの基板に
代えて1600Åの深さの基板を用い、前記一般式(I)で
表わされるシアニン色素(前記色素I−4)0.4gを1.0g
に変え、色素Bである前記一般式(II)で表わされるシ
アニン色素(前記色素(II−1)1.6gを1.0gに変えて色
素層塗布液を調製し、そして記録層の層厚を1300Åを20
00Åとなるように記録層を形成した以外は実施例4と同
様にして情報記録媒体を製造した。
[実施例7] 実施例4において、前記一般式(II)で表わされる
(前記色素II−1)に変えて色素(II−6)を用いた以
外は実施例4と同様にして情報記録媒体を製造した。
[実施例8] 実施例4において、前記一般式(I)で表わされる
(前記色素I−4)に変えて色素(I−18)を用いた以
外は実施例4と同様にして情報記録媒体を製造した。
[比較例1] 実施例5において、色素Aである前記一般式(II)で
表わされる(前記色素II−1)1.6gを2.0gに変え、前記
一般式(I)で表わされるシアニン色素(前記色素I−
4)を用いず色素塗布液を調製した以外は実施例5と同
様にして情報記録媒体を製造した。
[比較例2] 比較例1において、色素塗布液にさらにクエンチャー
として上記ジインモニウム色素(IRG−023、日本化薬
(株)製)0.2gを加えて色素層塗布液を調製した以外は
比較例1と同様にして情報記録媒体を製造した。
上記実施例および比較例で得られた色素塗布液の組成
を第1表に示す。
[情報記録媒体の評価] 1)反射率 得られた情報記録媒体について分光光度計((株)日
立製作所製)を用いて、基板側より780nmの波長の光を
照射して未記録部の反射率を測定した。
2)C/N 上記で得られた情報記録媒体を、波長780nmの半導体
レーザー光を使用して、定線速度1.3m/秒、記録パワー
7.0mWにて、変調周波数720kHz(デューティー33%)の
信号を記録した。そして記録された信号を0.5mWの再生
パワーにて再生し、再生時のC/Nを、スペクトルアナラ
イザー(TR4135:アドバンテスト社製)を用いて測定し
た。
上記測定結果を第2表に示す。
第2表より明らかなように、本発明の特定のシアニン
色素の中でも比較的長波長側に吸収極大を有する色素を
用いた記録層を有する光ディスク(実施例1)は、反射
率及びC/Nにおいて高い水準を示しており、光ディスク
用の色素として充分使用できることが分かる。該記録層
上に反射層が設けられた光ディスク(実施例2)は、比
較的高い反射率を有し且つC/Nも殆ど低下していない。
また、本発明の特定のシアニン色素の中でも比較的短波
長側に吸収極大を有する色素を用いた記録層を有し、該
記録層上に反射層が設けられた光ディスク(実施例3)
は、極めて高い反射率を有し且つC/Nも殆ど低下してい
ない。本発明の特定のシアニン色素(実施例3に使用さ
れた色素等)と該色素より長波長側に極大吸収を有する
別の色素とを組合せた記録層を有する光ディスク(実施
例4〜8)は、極めて高い反射率を有し且つC/Nについ
ても高い水準を維持している。従って、耐光性を向上さ
せるためにクエンチャーを添加した場合も、実施例3、
4、6および8が示すように高い反射率を維持すること
ができる。
一方、反射率が高く、記録再生特性に優れていること
で一般的に知られているベンゾインドレニン骨格を有す
る色素のみを用いた光ディスク(比較例1)は、実施例
に比較すると低い反射率となっており、CDプレーヤーで
情報を再生するには充分満足できる反射率とは言えな
い。このため、耐光性を向上させる為にクエンチャーの
添加(比較例2)した場合、反射率が70%を下回る結果
となっている。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、下記の一般式(I): [式中、AおよびA′は、それぞれ置換基を有していて
    もよい芳香族環を完成するための原子群を表わし、L
    は、置換基を有していてもよいメチン基、または置換基
    を有していてもよい3、5もしくは7個のメチン基が共
    役二重結合により連結されて生じる三価の連結基を表わ
    し、R1、R2、R11およびR12は、それぞれ水素原子または
    置換基を有していてもよいアルキル基、フェニル基、ア
    シル基、アルコキシ基あるいは5もしくは6員の複素環
    基を表わし、R3およびR13は、それぞれ置換基(陰イオ
    ンを持つ置換基であってもよい)を有していてもよいア
    ルキル基を表わし、Xn-は陰イオンを表わし、nは1、
    2または3を表わし、mは1または0を表わし、そして
    R3またはR13が陰イオンを持つ基を置換基として有する
    場合、mは0である。] により表わされるシアニン色素を含むレーザーににより
    情報の記録が可能な記録層が設けられてなる情報記録媒
    体。
  2. 【請求項2】該記録層上に、反射層が設けられているこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の情報記録媒
    体。
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