JP2597116B2 - 盛土による基礎構築体とその築造方法 - Google Patents

盛土による基礎構築体とその築造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、盛土を利用した橋台や橋脚、擁壁など
の、上部構造物を支持するための基礎構築体とその築造
方法に関するものである。
(従来の技術) 一般的にこの種の基礎構築体は、上部構造物等からの
荷重を安全かつ確実に基礎地盤に伝え、かつ上部構造物
を含めた構築体全体として十分な安全性を有しなければ
ならない。
ところで、前記基礎構築体を、傾斜地域は盛土などに
築造する際、斜面安定性或は盛土自体の沈下性、支持力
の機構及び挙動などについて不解明な点が多く、また、
施工中のすべり破壊、施工後の降雨、地震などによる法
面崩壊及び沈下などの種々の問題があることから、従来
は、一般的に次のいずれかの方法によって、基礎構築体
を築造している。
(1)直接基礎(ベタ基礎) 第8図(a)〜(d)に示すように、(a)基礎構築
体(橋台の躯体部)A′を立設しようとする原地盤Bに
おいて、 (b)岩盤などの支持層B′が現れるまで掘り下げ、
(c)その支持層B′上に橋台の鉄筋コンクリート基礎
部21を形設すると共に、鉄筋コンクリート基礎部21上に
鉄筋コンクリート製の構築体A′を立設して、その構築
体A′上に橋座部6を設置し、(d)橋座部6に橋桁7
を架設すると共に、構築体A′の橋桁7反対側の原地盤
B上には、橋桁7と同じ高さになるまで盛土22を造成し
ている。
(2)抗基礎 第9図(a)〜(d)に示すように、(a)基礎構築
体を立設しようとする原地盤Bにおいて、 (b)盛土22造成終了後、 (c)盛土22上部から原地盤B下の安定した岩盤などの
支持層B′に達する長さの杭23を複数本打設し、 (d)各杭23の上端に跨ってて鉄筋コンクリート床版部
24を形設し、この鉄筋コンクリート床版部24上に橋座部
6を設置し、橋座部6に橋桁7を架設する。
(発明が解決しようとする問題点) 上記した従来の方法によると、前者は、構築体の高さ
に比例してその自重が大きくなり、上部構造物からの負
荷重以外に構築体上方部分(橋座および橋体の一部)の
自重及びそれにかかる土圧や水圧などを、その構築体の
下方部分が支持することになる。後者も、前者と同様
に、上部構造物からの負荷重以外に構築体上方部分(橋
座および橋体の一部)の自重及び土圧や水圧などを杭が
支持することになる。
したがって、前者および後者ともに、構築体或は床版
および杭が巨大なものとなり、その大きさは、盛土の高
さに比例し、高くなればなる程一層巨大になる。そし
て、巨大化すればする程、築造作業時の危険性も増大す
ることになる。
また、近年の道路建設工事は、山岳地帯の部分が非常
に多くを占めてきている。また、山岳地帯の道路では、
トンネルや橋梁などの箇所が多く、それらを建設する際
の土工事は切土が主流となるため、多量の捨土が発生す
る。一方、山岳地の土捨場は多額の付帯工法が必要にな
るので、盛土の可能な箇所内はできるだけ盛土構造とす
ることが望まれる。しかも、この盛土に接続して橋梁が
建設される場合は、その盛土の上端まで橋台を立設する
必要があり、巨大な橋台となって建設費が膨大になる。
また、そのような橋台の建設に伴って擁壁等の土留構造
物を築造する機会が増えるが、この場合にも橋台と同様
の問題が生ずることになる。さらに、上記した種々の問
題点は山岳道路のみならず、一般の宅地造成でも、最近
は山岳部の傾斜地などを利用して開発が行われる傾向に
あるため、基礎構築体を築造する機会が一層増大しつつ
ある。
この発明は上述の点に鑑みなされたもので、各盛土層
間に補強材を敷設し、盛土層全体に圧力をかけることに
よって盛土層を補強材とともに一体化させ、一種の疑似
躯体(ケーソン構造体)を構築し、上部構造物からの荷
重および土圧、水圧、地震力等の外力をその疑似躯体を
通して下方の基礎支持体へ伝達可能な、築造が容易で、
コンクリートや鉄筋の使用量が少なく、安価にかつ安全
に施工することができる、基礎構築体とのそ築造方法を
提案しようとするものである。
(問題点を解決するための手段) 上記した目的を達成するための、この発明の基礎構築
体の要旨とするところは、高剛性の基礎又は岩盤などの
基礎支持体と、その基礎支持体上に水平に積み重ねられ
た一定厚さからなる多重の盛土層と、各盛土層間に介装
され、摩擦係数及び引張強度が大きいフラット若しくは
略フラットな網状又は格子状の補強材と、最上又は上方
の盛土層上に形設された高剛性の床版と、この高剛性の
床版及び前記補強材を垂直に貫通して前記床版と前記基
礎支持体とを接続する複数本のアンカーとを具備し、そ
れらのアンカーを介して盛土層全体に圧縮力を作用さ
せ、前記高剛性の床版より基礎支持体に至る各盛土層及
び補強材を一体化したことである。
また、この発明の築造方法の要旨とするところは、高
剛性の基礎又は岩盤などの基礎支持体上に、一定厚みの
盛土層を水平に造成して締め固め、その盛土層上に摩擦
係数及び引張強度が大きくフラット若しくは略フラット
な網状又は格子状の補強材を敷設し、その補強材上に一
定厚さの盛土層を水平に造成して締め固めるという一連
の作業を、複数回繰り返し、最上の盛土層上に高剛性の
床版を形設し、その高剛性の床版及び前記補強材を垂直
に貫通して複数本のアンカーの下端部を前記基礎支持体
にそれぞれ固着し、それらのアンカーを前記高剛性の床
版を介して締め付けることによって、前記盛土層全体に
圧縮力を作用させ、前記高剛性の床版より基礎支持体に
至る各盛土層及び補強材を一体化したしたことである。
(実施例) 以下、この発明の基礎構築体の実施例を図面に基づい
て説明する。
第1図は橋梁を支持するための基礎構築体Aを示す。
図において、1は基礎支持体としての鉄筋コンクリート
や鋼製などからなる高剛性の基礎(以下、コンクリート
基礎という)で、このコンクリート基礎1上に一定厚さ
(通常、30〜50cm程度)からなる盛土層2が複数積み重
ねられ、各盛土層2間には、摩擦係数及び引張強度が大
きいフラット若しくは略フラットな補強材3が介装され
ている。補強材3としては、耐候性に優れたポリマーグ
リッドネットや金属製ネットの他に、第2図に示すよう
な、間隔を設けて配置した係合片3bを有する鋼棒3aを格
子状に組み付けて連結した構造のもの、亜鉛メッキした
帯状鋼材、不織布などが使用される。
4は最上の盛土層2上に形設された鉄筋コンクリート
や鋼製などからなる高剛性の床版(以下、コンクリート
床版という)で、このコンクリート床版4を貫通させた
複数本のアンカー5を、その下方の盛土層2および補強
材3を貫通して最下端のコンクリート基礎1まで挿入
し、各アンカー5の下端部をコンクリート基礎1に固着
している。そして、それらのアンカー5を介してコンク
リート床版4をその下方に押圧し、コンクリート基礎1
とコンクリート床版4に挟まれた盛土層2に圧縮力を作
用させ、前記コンクリート床版4よりコンクリート基礎
1に至る各盛土層2及び補強材3を一体化させて、一種
の疑似躯体に形成したものである。ところで、前記補強
材3の上下方向の間隔、いいかえれば前記各盛土層2の
厚さは、盛土が砂や礫の場合で前記補強材3の最小幅の
2/3もしくはそれ以下に設定し、盛土が粘土を含んだ砂
質の場合は1/2もしくはそれ以下に設定する。このよう
に各盛土層2の厚さを、補強材3の幅の2/3以下に設定
したのは、それ以上大きくすると、アンカー5を介して
盛土層2に圧縮力を作用させた際、盛土層2内の盛土が
横方向に滑りを生じて、拡散する恐れがあるからであ
る。また、前記アンカー5により盛土層2に作用させる
圧縮力は、前記コンクリート床版4上に設けられる上部
構造物の重量や各種外力の最大値及び安全率を考慮の
上、決定するが、前記盛土層2の降伏点を超えない範囲
に留める。
6は橋台の橋座部で、この上部構造物としての橋座部
6は、前記コンクリート床版4上に鉄筋コンクリートな
どから一体に形設される。
次に、上記実施例の基礎構築体の築造方法を図面に基
づいて説明する。
第3図(a)〜(d)はこの発明の構造過程を示す。
図において、基礎構築体Aを築造しようとする位置の原
地盤Bを掘り下げて、コンクリート基礎1を形設し、一
定厚みの盛土層2を造成して転圧機などで充分に締め固
め、その盛土層2上にフラットな前記補強材3を敷設
し、その補強材3上に一定厚みの盛土層2を造成して締
め固めるという一連の作業を、複数回繰り返していく
(同図(a))。それから、最上の盛土層2上にコンク
リート床版4を形設する(同図(b))。次に、コンク
リート床版4を貫通させた複数本のアンカー5を、その
下方の盛土層2および補強材3を貫通して最下端のコン
クリート基礎1まで挿入し、各アンカー5の下端部をコ
ンクリート基礎1に固着する。なお、アンカー5を挿入
する際、アンカー5の挿入孔を予め穿設しておいてもよ
い。そして、それらのアンカー5を締め付けてコンクリ
ート床版4をその下方に押圧し、コンクリート基礎1と
コンクリート床版4に挟まれた盛土層2に圧縮力を作用
させ、前記コンクリート床版4よりコンクリート基礎支
持体1に至る各盛土層2及び補強材3を一体化して、一
種の疑似躯体を形成する(同図(c))。なお、前記盛
土層2に対する圧縮力のかけ方は、前記アンカー5に対
し載荷、除荷を繰り返しながら、小さな荷重(緊張力)
から次第に大きい荷重(緊張力)を加えていくようにす
るのが望ましい。
最後に、コンクリート床版4上に、橋台の橋座部6を
鉄筋コンクリートにより一体に形設する(同図
(d))。
第4図(a)〜(e)は、他の築造方法による築造過
程を示す。この方法は比較的小規模の場合に好適な方法
で、前記築造方法との相違は、原地盤Bに形設したコン
クリート基礎1に、短尺のアンカー5の下端部を固着し
て立設し(同図(a))、そのコンクリート基礎1上
に、アンカー5の高さよりやや低い高さまで、盛土層2
を造成して小型転圧機などで充分に締め固め、補強材3
を敷設してその補強材3の上に盛土層2を造成して締め
固め(同図(b))、そして、前記アンカー5の上端に
別のアンカー5の下端を連結して、前記工程と同様に盛
土層2を造成して締め固め、補強材3を敷設してその補
強材3の上に盛土層2を造成して締め固めるという一連
の作業を繰り返し、必要な高さの盛土層2を形成し、最
上の盛土層2にコンクリート床版4を形設した(同図
(c))ことである。
なお、第4図(d)は前記第3図の(c)に、また、
第4図(e)は第3図の(d)に共通する。
次に、第5図は基礎構築体の他の実施例を示す。図に
おいて、基礎構築体Aは下方に岩盤11層をもつ傾斜地C
に築造されている。本実施例の場合は、前記第1図の実
施例におけるコンクリート基礎1の代わりに、岩盤11を
利用している。したがって、最上の盛土層2上に形設し
たコンクリート床版4を貫通するアンカー5の下端部
は、傾斜地C下方の岩盤11に固着しているが、垂直方向
のアンカー5の他に、岩盤11に略直交する傾斜方向のア
ンカー5′を設けて盛土層2全体を岩盤11側へ付勢して
いる。また、各盛土層2に介装される補強材3は、前記
実施例より広い幅のものを用いて、各盛土層2の水平方
向への滑り(広がり)防止を強化している。その他の構
成については、前記実施例と全く共通している。
また、第6図は盛土高さが非常に高くなる場合や盛土
の土質が悪い場合に適用される基礎構築体の実施例を示
すもので、本実施例では、最上位のコンクリート床版4
と最下位のコンクリート基礎1との間の盛土層2中に、
複数のコンクリート中間版41及び42を設けて補強してい
る。そして、コンクリート基礎1と下位のコンクリート
中間版41との間、下位のコンクリート中間版41と上位の
コンクリート中間版42との間、並びに上位のコンクリー
ト中間版42と最上位のコンクリート床版4との間は、そ
れぞれ複数本のアンカー5によって結合して緊張力を作
用させ、それらの間の盛土層2を補強材3と共に一体化
させている。いいかえれば、本実施例の場合、複数の基
礎構築体Aを積み重ねて一体に連結した構造からなって
いるといえる。ところで、各コンクリート中間版41、42
の幅B1、B2は、図中の盛土高さH1,H2の30〜70%(通常
は50〜60%程度)に設定するが、これに伴って、補強材
3の幅もコンクリート中間版41、42の幅B1、B2と略同一
幅に設定している。図中、6は橋座部、7は橋桁であ
る。なお、説明を省略したが、盛土層2内の適所には、
排水管を埋設したりあるいはフィルター層などを設け
て、基礎構築体Aやこれに隣接する盛土内に貯留した降
雨時の雨水や地下水などを外部へ排水するようにする。
更に、上記各実施例では、橋台としての基礎構築体を例
示して説明したが、例えば橋脚や擁壁についても同様に
実施できる。
(作用) 次に、上記したこの発明の基礎構築体について、基礎
構築体全体の作用および補強材に基づく作用を説明す
る。
(a)基礎構築体全体の作用について: 基礎構築体Aは、上部構造物6やその他の外力を下方
の良好な基礎地盤Bに伝達させ、支持するという作用が
主たる働きである。
本発明の基礎構築体Aの場合、盛土層2の造成・転圧
終了後に、高剛性の床版4から下方の基礎地盤Bまでの
間の盛土層2に各種外力の最大値及び安全率をみこんだ
圧縮力を、アンカー5の緊張によって予め与えているの
で、基礎構築体Aの構造後に、前記の各種外力が盛土層
2中に作用しても、各盛土層2は一体化された挙動を示
すことになる。いいかえれば、一種の疑似躯体が形成さ
れたことになる。また、最大外力に相当する力をアンカ
ー5を通じて予め疑似躯体(盛土層2)に与えているの
で、その躯体による沈下は、アンカー5に緊張力を与え
た段階でほぼ終了していることになる。
ここで、造成・転圧終了後の盛土層2内の力の関係に
ついて詳しく説明する。
第7図(a)および(b)において、盛土層2の内部
力をPs、アンカー5の緊張力をPc、垂直外力をPw、基礎
構築体Aの自重をWo、基礎地盤の反力をQとすると、 外力Pwを加えずにアンカー5に緊張力Pcを作用させる
と、盛土層2の内部力Psがアンカー5の緊張力Pcに比例
して増大する。また、基礎地盤の反力Qは、基礎構築体
Aの自重Woである。次に外力Pwを加えると、盛土層2
の内部力Psは一定で変化せず、アンカー5の緊張力Pcが
比例して降下する。また、基礎地盤の反力QはWo+Pwと
なる。
前記外力Pwが予め設定されたアンカー5の緊張力Pcを
超えると、盛土層2の内部力Psは外力Pwに等しくなる。
また、この場合、基礎地盤の反力QはWo+Pwとなる。
そして、更に外力Pwが増大すると、基礎構築体Aもし
くは基礎地盤が崩壊することになる。
これらの現象から、各盛土層2は一体化され、一種の
疑似躯体が形成されたことが確認される。
(b)補強材の作用について: 外部(上部)荷重によって、その荷重下の盛土層2が
圧縮と同時に横方向へ拡がろうとした時に、盛土層2内
部にはせん断力が発生する。その拡がりを抑止するのが
網状又は格子状の補強材3の役目である。いいかえれ
ば、盛土層2中に生じたせん断力を網状又は格子状の補
強材3による少なくとも直交二方向の引張力で負担する
ことになる。多重の盛土層2間に配した網状又は格子状
の補強材3は土の拡がろうとする現象を抑止することに
なり、コンクリート床版4とコンクリート基礎1との間
の盛土層2は補強材3によって拘束され、剛性を持ち、
一体化した土塊としての挙動を示すことになる。また、
補強材3とその上下の盛土とは、連続しており分断され
ていないので、盛土の強度を損なうことなく補強が可能
であり、また、盛土の透水性、通気性を損なうこともな
い。
(c)補強材と盛土との一体化: 盛土層2中に埋め込まれた補強材3は、その網目など
を通じて補強材3の上下の土が一体化しているため、盛
土層2中の補強材3の引抜き試験を行うと粘着力の無い
砂や礫の場合でも、砂や礫の内部摩擦角によるせん断抵
抗以外の粘着効果が観察される。この粘着効果は、盛土
中に埋め込まれた補強材3を引き抜く時、補強材3の上
下両サイドにすべり面が形成されるが、そのためには上
層の土粒子を上へ移動させて土粒子と補強材3とのかみ
合いをはずす必要があり、したがって、粘着力の無い砂
や礫でも粘着効果があらわれることになる。
しかしながら、上下からの垂直力が小さく、水平引き
抜き力が大きくなる場合には、盛土層2間で滑りが生じ
ることになるので、土塊は一体的な挙動を示さなくな
る。本発明において、アンカー5により予め土に圧縮力
を与えるのは、上記のような滑りが発生するのを防ぎ土
塊を一体的に挙動させるためである。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明の基礎構築体およびそ
の築造方法は、上記した構成からなるから、下記の効果
を奏する。
(1)この発明の基礎構築体は、主材料として盛土自身
を用いるので、上記した従来の構築体に比べてコンクリ
ート、鉄筋等の人工資材を大巾に削減でき、材料費、工
費共に安価にできる。
(2)この発明の築造方法は、足場や大型機械が不要
で、作業高さが盛土高さと同じで作業を安全に遂行でき
るとともに、アンカー工法を含め総て通常の一般技術と
みなせる工法となっており、特殊技術を必要とせず、作
業が容易で熟練を要しない。
(3)盛土層造成中に疑似躯体を仕上げることになり、
また、高剛性の床版やその上に形設される上部構造物な
どの鉄筋コンクリート構造物の規模も小さくて済むの
で、従来の工法に比べて短期間に施工できる。更に、盛
土層の造成は通常の薄層多重工法であり、敷設する補強
材は層厚管理材として用いることができるので、盛土層
全体の施工管理(締固め等)が確実に行い得て、良好な
基礎構築体を形成できる。
(4)盛土層の安定上一番大きな問題は盛土内の排水処
理であるが、盛土層の造成時に、同時に排水設備を施工
できる。また、従来の鉄筋コンクリート製構築体では、
その構築体自身が止水することになるので、排水良好な
裏込め材及び水抜き孔を設けて内部貯留水位の上昇を防
いでいるにも拘わらず、日時の経過と共に排水機能の低
下があるが、この発明の基礎構築体では、排水設備の施
工が容易で、しかも、排水機能の低下も少ない。
(5)従来の鉄筋コンクリート製構築体の場合には、隣
接して設けられる盛土部分との一体性を欠くが、この発
明の基礎構築体の大部分は盛土からなるので、隣接盛土
部分と一体化して相互の補強効果が高い。また、将来ア
ンカーの腐食などによって盛土層に対する緊張力が低下
しても、盛土層全体が既に剛塑性化しているので、疑似
躯体として一体的に挙動する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の基礎構築体の実施例を示す断面図、
第2図は補強材の一例を示す斜視図、第3図(a)〜
(d)はこの発明の築造過程を示す断面図、第4図
(a)〜(e)は他の築造過程を示す断面図、第5図は
基礎構築体の第2実施例を示す断面図、第6図は基礎構
築体の第3実施例を示す断面図、第7図(a)および
(b)は盛土層内における力の関係を示す説明図、第8
図(a)〜(d)は従来の直接基礎築造過程を示す断面
図、第9図(a)〜(d)は従来の杭基礎築造過程を示
す断面図である。 A……基礎構築体、1……コンクリート基礎、2……盛
土層、3……補強材、4……コンクリート床版、5……
アンカー、11……岩盤。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高剛性の基礎又は岩盤などの基礎支持体
    と、その基礎支持体上に水平に積み重ねられた一定厚さ
    からなる多重の盛土層と、各盛土層間に介装され、摩擦
    係数及び引張強度が大きいフラット若しくは略フラット
    な網状又は格子状の補強材と、最上又は上方の盛土層上
    に形設された高剛性の床版と、この高剛性の床版及び前
    記補強材を垂直に貫通して前記床版と前記基礎支持体と
    を接続する複数本のアンカーとを具備し、 それらのアンカーを介して盛土層全体に圧縮力を作用さ
    せ、前記高剛性の床版より基礎支持体に至る各盛土層及
    び補強材を一体化したことを特徴とする盛土による基礎
    構築体。
  2. 【請求項2】前記各盛土層の厚さを、前記補強材幅の2/
    3以下に設定した特許請求の範囲第1項に記載の盛土に
    よる基礎構築体。
  3. 【請求項3】高剛性の基礎又は岩盤などの基礎支持体上
    に、一定厚みの盛土層を水平に造成して締め固め、その
    盛土層上に摩擦係数及び引張強度が大きくフラット若し
    くは略フラットな網状又は格子状の補強材を敷設し、そ
    の補強材上に一定厚さの盛土層を水平に造成して締め固
    めるという一連の作業を、複数回繰り返し、 最上の盛土層上に高剛性の床版を形設し、その高剛性の
    床版及び前記補強材を垂直に貫通して複数本のアンカー
    の下端部を前記基礎支持体にそれぞれ固着し、それらの
    アンカーを前記高剛性の床版を介して締め付けることに
    よって、前記盛土層全体に圧縮力を作用させ、前記高剛
    性の床版より基礎支持体に至る各盛土層及び補強材を一
    体化したことを特徴とする盛土による基礎構築体の築造
    方法。
  4. 【請求項4】前記各盛土層の厚さを、前記補強材幅の2/
    3以下に設定した特許請求の範囲第3項に記載の盛土に
    よる基礎構築体の築造方法。
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