JP2596630Y2 - キャップ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、合成樹脂製壜容器の口
筒に組付けられる合成樹脂製のキャップ装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、一般的な合成樹脂製壜容器は、ブ
ロー成形された容器本体と、この容器本体の口筒を開閉
するキャップとから構成されており、この容器本体とキ
ャップとの着脱は、容器本体の口筒の外周面に設けた螺
条と、有頂円筒形状をしたキャップの筒壁内周面に設け
た螺条との螺合により達成している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、容器本
体はブロー成形品であるため、比較的軟質な合成樹脂材
料で成形する必要があり、このためキャップとの組付き
部分、すなわち口筒に設けた螺条が比較的弾性変形し易
いものとなり、このためキャップとの螺合組付きが自然
に緩むと云う問題があった。

【０００４】また、容器本体がブロー成形品であるた
め、螺条を含めたキャップとの組付き部分を、寸法精度
の良い状態で成形することができず、このためキャップ
を射出成形により高い寸法精度で成形したとしても、容
器本体とキャップだけでは、容器本体とキャップの組付
きを確実に安定して維持することが難しいと云う問題が
あった。

【０００５】そこで、本考案は、上記した従来技術にお
ける問題点を解消すべく考案されたもので、螺合を利用
した容器本体の開閉を、キャップ側だけで達成すること
を技術的課題とし、もって容器本体に対するキャップの
組付きを、緩みの発生のない状態で、確実に安定して維
持することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
る本考案の手段は、円板状の頂板下面中央に、容器本体
の口筒に密嵌入する嵌入筒と、容器本体の口筒に外嵌し
てアンダーカット結合する外嵌筒とを垂設し、頂板上面
中央に、嵌入筒と連通して注出口を形成する注出筒を立
設し、頂板周縁から垂設され、外周面上部に螺条を設け
た外筒の下部の複数の対称位置に、門型の切欠きによ
り、外面に弾接突片を突設した弾片を形成し、外筒の下
端から、容器本体の肩部周面に突設した係止縦リブに周
方向から係止する複数の係止突片を設けたスカート筒を
垂設した注出キャップを有すること、下面中央に、注出
キャップの注出筒に密嵌入する栓突片を垂設した頂壁の
周縁から、内周面上部に注出キャップの螺条と螺合する
螺合条を設けた筒壁の内周面下部に、注出キャップの弾
接突片が弾接する弾接周面を形成した開閉キャップを有
すること、にある。

【０００７】

【作用】ブロー成形品である容器本体に対する注出キャ
ップの組付きは、容器本体の口筒に嵌入筒を密嵌入させ
た状態で、この口筒に外嵌した外嵌筒の口筒に対するア
ンダーカット結合により、容器本体に対する注出キャッ
プの抜け出し不能な組付きを達成し、同時に容器本体の
肩部周面に設けた係止縦リブに、スカート筒の係止突片
を周方向から係止させることにより、容器本体に対する
注出キャップの空転不能な組付きを達成する。

【０００８】この容器本体に対する注出キャップの組付
けは、容器本体に対して注出キャップを相対的に押し下
げるだけで良く、また容器本体と注出キャップとの結合
構造は、単純なアンダーカット結合構造であるので、高
い成形寸法精度の要求されることがなく、それゆえ容器
本体が高い成形寸法精度を出すのが困難であるブロー成
形品であっても、注出キャップとの間に、強固で安定し
た組付きを得ることができる。

【０００９】容器本体の開閉は、容器本体に注出キャッ
プを組付けた状態で、この注出キャップに対する開閉キ
ャップの着脱により達成するが、この注出キャップに対
する開閉キャップの着脱操作は、通常のネジキャップと
同じである。

【００１０】すなわち、注出キャップに開閉キャップを
螺着することにより、容器本体の実質的な注出口を形成
する注出キャップの注出筒に、開閉キャップの栓突片が
密嵌入して密閉するのである。

【００１１】開閉キャップが注出キャップに螺着してい
る状態、すなわち開閉キャップが注出キャップを閉鎖し
ている状態において、注出キャップの外筒の下部に設け
た弾片の弾接突片が、開閉キャップの筒壁の内周面下部
に形成された弾接周面に弾接しており、この弾接突片と
弾接周面との弾接により、注出キャップと開閉キャップ
との間には、比較的大きな摺動抵抗力が発生するため、
この比較的大きい摺動抵抗力の作用により、注出キャッ
プと開閉キャップとの螺合が自然に緩むのを強力に防止
する。

【００１２】このように、注出キャップと開閉キャップ
とは、相互に適度に弾接した状態で螺合結合する必要が
あるので、高い成形寸法精度で成形される必要がある
が、共に射出成形が可能であるので、要求される寸法精
度での成形が可能である。

【００１３】

【実施例】以下、本考案の一実施例を、図面を参照しな
がら説明する。本考案によるキャップ装置１の組付けら
れる壜体である容器本体２２は、図１に示すように、有
底筒形状をした胴部の上端に、円錐台筒形状をした肩部
２３を介して円筒形状をした口筒２５を立設して構成さ
れており、肩部２３の下端縁である胴部との境界部分
は、段部を形成して直立した短円筒部を形成し、この円
筒部の外周面に複数の係止縦リブ２４を間隔を開けて突
設し、さらに口筒２５の外周面に、周突条２６を周設し
ている。

【００１４】キャップ装置１を構成する注出キャップ２
は、（以下、図３を参照）平円板状の頂板１０の上面中
央に注出口を形成して立設された注出筒１４に連通した
状態で、頂板１０の下面中央に、容器本体２２の口筒２
５内に密嵌入する嵌入筒１３を垂設すると共に、口筒２
５にきつく外嵌して内周面に突周設したアンダーカット
条１２を、口筒２５の周突条２６に強固に係合させる外
嵌筒１１を垂設し、頂板１０の外周縁から、円筒形状の
外筒３を垂設して構成されている。

【００１５】注出キャップ２の外筒３は、その上部外周
面に螺条４を刻設すると共に、この上部よりもわずかに
拡径した下部に、門型の切欠き５を設けることにより対
称に配置され、その外面上端部に弾接突片７を突設した
一対の弾片６を形成し、さらに外筒３の下端縁に、拡径
した状態で、内周面に容器本体２２の係止縦リブ２４と
周方向から係止する多数の係止突片９を突設したスカー
ト筒８を垂設し、このスカート筒８は、外径が容器本体
２２の胴部の上端部外径と等しく設定されている。

【００１６】それゆえ、注出キャップ２は、その嵌入筒
１３を口筒２５に密嵌入させることにより、容器本体２
２に密に組付くことになり、アンダーカット条１２を周
突条２６にカンダーカット結合させた状態で外嵌筒１１
を口筒２５に外嵌させることにより、容器本体２２に抜
け出し不能に組付くことになり、さらにスカート筒８の
係止突片９を係止縦リブ２４に係合させることにより、
容器本体２２に対して空転不能に組付くことになる。

【００１７】注出キャップ２と組合さってキャップ装置
１を構成する開閉キャップ１５（以下、図４参照）は、
球弧状となった頂壁１９の下面中央に、注出キャップ２
の注出筒１４内に密嵌入する短円筒状の栓突片２０を垂
設し、頂壁１９の下面に、下端縁を注出キャップ２の頂
板１０上面に当接させる押さえ筒片２１を垂設し、さら
に頂壁１９の周端縁から、内周面上部に注出キャップ２
の螺条４と螺合する螺合条１７を刻設すると共に、内周
面下部に注出キャップ２の弾接突片７が弾接する弾接周
面１８を形成して構成されている。

【００１８】それゆえ、開閉キャップ１５は、螺合条１
７を螺条４に螺合させて注出キャップ２に組付くことに
より、栓突片２０を注出筒１４に密嵌入させて密閉し
（図１および図２参照）、押さえ筒片２１を頂板１０に
当接させて、嵌入筒１３の口筒２５に対する密嵌入を確
保する。

【００１９】また、開閉キャップ１５が注出キャップ２
に螺合している状態では、図５に示すように、開閉キャ
ップ１５の弾接周面１８に注出キャップ２の弾接突片７
が、弾片６の弾力を利用して弾接しているので、注出キ
ャップ２と開閉キャップ１５との間には、この弾接突片
７と弾接周面１８との弾接程度に応じた摺動抵抗力が発
生し、この摺動抵抗力の作用により、開閉キャップ１５
の注出キャップ２に対する螺合が自然に緩むと云うこと
がない。

【００２０】

【考案の効果】本考案は、上記した構成となっているの
で、以下に示す効果を奏する。ブロー成形品である容器
本体に形成される組付き機能部分は、アンダーカット結
合を含めて、単純な係合作用を利用したものとなってい
るので、その構成が極めて簡単であると共に、高い成形
寸法精度を要求されることがなく、もって容器本体を簡
単にかつ安定して成形することができる。

【００２１】容器本体の実質的な開閉を達成するのは、
射出成形品である注出キャップと開閉キャップとの組合
せであるので、両者の組合せを高い成形寸法精度で達成
することができ、もって良好で安定した開閉操作を得る
ことができる。

【００２２】注出キャップと開閉キャップとは、相互に
弾接した状態で螺合係合するので、この弾接部分の摺動
抵抗力の作用により、両者間の螺合が自然に緩むと云う
ことがなく、もって安定した螺合結合と確実な密閉とを
得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を容器本体に組付けた閉状態
の、縦断正面図。

【図２】図１に示した実施例の、全体縦断正面図。

【図３】図１に示した実施例の、注出キャップを半縦断
した側面図。

【図４】図１に示した実施例の、開閉キャップを半縦断
した正面図。

【図５】図１に示した実施例における、弾接部分の詳細
な構成を示す、要部拡大縦断面図。

【符号の説明】

１ ； キャップ装置 ２ ； 注出キャップ ３ ； 外筒 ４ ； 螺条 ５ ； 切欠き ６ ； 弾片 ７ ； 弾接突片 ８ ； スカート筒 ９ ； 係止突片 １０； 頂板 １１； 外嵌筒 １２； アンダーカット条 １３； 嵌入筒 １４； 注出筒 １５； 開閉キャップ １６； 筒壁 １７； 螺合条 １８； 弾接周面 １９； 頂壁 ２０； 栓突片 ２１； 押さえ筒片 ２２； 容器本体 ２３； 肩部 ２４； 係止縦リブ ２５； 口筒 ２６； 周突条

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円板状の頂板(10)下面中央に、容器本体
   (22)の口筒(25)に密嵌入する嵌入筒(13)と、前記口筒(2
   5)に外嵌してアンダーカット結合する外嵌筒(11)とを垂
   設し、前記頂板(10)上面中央に、前記嵌入筒(13)と連通
   して注出口を形成する注出筒(14)を立設し、前記頂板(1
   0)周縁から垂設され、外周面上部に螺条(14)を設けた外
   筒(3) の下部の複数の対称位置に、門型の切欠き(5) に
   より、外面に弾接突片(7) を突設した弾片(6) を形成
   し、前記外筒(3) の下端から、前記容器本体(22)の肩部
   (23)周面に突設した係止縦リブ(24)に周方向から係止す
   る複数の係止突片(9) を設けたスカート筒(8) を垂設し
   た注出キャップ(2) と、下面中央に、前記注出筒(14)に
   密嵌入する栓突片(20)を垂設した頂壁(19)の周縁から、
   内周面上部に前記螺条(4) と螺合する螺合条(17)を設け
   た筒壁(16)の内周面下部に、前記弾接突片(7) が弾接す
   る弾接周面(18)を形成した開閉キャップ(15)と、から成
   るキャップ装置。