JPH0714209Y2 - キャップ付き口栓 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、瓶口等に取付けて使用する、口栓本体にヒン
ジを介してキャップ体を連設してなる合成樹脂製のキャ
ップ付き口栓に関する。

（従来技術） 瓶口等に取付けて使用するキャップ付き口栓はキャップ
を紛失しない利用価値が高いものであるが、製作面から
も一回の射出成形で作成できること、瓶口等に被冠する
場合もキャップと共に打栓できることなど利点が多い形
態である。

また、最近口栓の注ぎ口の周辺に多々工夫がほどこされ
て来ている。例えば、注ぎ口の外壁面に垂れ落ちて来た
液体を瓶等の容器に戻してやるために注ぎ口の周辺に戻
り溝を設けると共に注ぎ口の一部を切除して戻り口とし
たものがある。また、注ぎ口に注ぎの方向性をなくすた
めに円筒状としたものもある。注ぎ口を円筒状とした口
栓は、口栓を装着した容器内に充填されるものが、ドレ
ッシング等の液体である場合が多いが、容器が倒れても
注ぎ口から外に流出しないように、キャップ側の天井面
に環状壁を突出し、これを注ぎ口の内壁面に当接するこ
とによりその流出を防止している。

（考案が解決しようとする課題） 円筒状の注ぎ口を有する口栓本体と環状壁を有するキャ
ップ体とはヒンジで一体化されているが、ヒンジは肉薄
であるので口栓本体に対しキャップ体を被冠するときキ
ャップ体が歪めば注ぎ口と環状壁とが衝突し被冠できに
くいという問題が生じていた。また、注ぎ口と環状壁と
の当接だけではその間のシール性は不充分であるという
問題もあった。

本考案は、上記問題点を考慮して、キャップ体が歪んで
注ぎ口に被冠してゆくときであっても円滑に被冠するこ
とができると共に注ぎ口のシール性をより良いものにし
たキャップ付き口栓を提供するものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するために、口栓本体（１）に
ヒンジ（２）を介してキャップ体（３）を連設してなる
合成樹脂製の口栓において、前記口栓本体（１）は略中
央に上方に拡径した円筒状の注ぎ口（４）を有し、前記
口栓本体（１）にヒンジ（２）を介して連設された前記
キャップ体（３）の天井面（3a）には、キャップ体
（３）を口栓本体（１）に被冠したとき、前記注ぎ口
（４）の先端外周縁（4a）に当接する第１の環状壁面
（5a）を形成した環状壁（５）と、該環状壁（５）の内
側に位置して前記注ぎ口（４）の先端内周面に当接する
第２の環状壁面（6a）を形成した第２の環状壁（６）と
を設けて両環状壁間に環状溝（７）を構成し、前記第２
の環状壁（６）およびその内周側に、中心に向かうほど
高さを大きくしたガイド壁（８）をその全周に亘って適
宜間隔を置いて形成したことを特徴とする。

（作用） 上記構成からなるものであるから、口栓本体（１）にキ
ャップ体（３）を被冠するとき、キャップ体（３）の開
口部がいずれの方向に歪んでいても、ガイド壁（８）に
よって天井面（3a）に構成した環状溝（７）が確かな形
状を保ち、しかもガイド壁（８）の高さ形状に沿って注
ぎ口（４）の先端形状が環状溝（７）に整合するように
なって嵌入する。環状溝（７）の中に嵌入した注ぎ口
（４）の先端部は第１および第２の環状壁面（5a,6a）
に当接すると共に環状溝（７）の底部にも押しつけられ
るので、シール性は向上される。

（実施例） 本考案の実施例を第１図、第２図に基いて説明する。

本考案の合成樹脂製口栓は口栓本体１とキャップ体３と
両者を一体に連結する帯状のヒンジ２とからなってい
る。

口栓本体１は略円筒状を呈し、その中央に上方に拡径し
た円筒状の注ぎ口４を備え、下部には瓶等の容器Ａの口
に嵌合する環状の嵌合溝９を備え、注ぎ口４の内部奥は
脆弱線10で囲まれた取除き部11により閉塞されている。
取除き部11にはこの部分を脆弱線10から取除くための把
手12が一体に成形されている。注ぎ口４の周囲には注ぎ
口４より背の低い環状壁13が突設され、その間に溝を形
成している。環状壁13の外周面には係合突部13aを有す
る。

キャップ体３は、口栓本体１の直径と適合する径の略円
筒状を呈しており、その天井面3aには同心円の三つの環
状壁5,6,14が突設してある。

また、環状壁5,6によってその間に断面形状がコ字状の
環状溝７を構成する。また、環状壁６と環状壁14とに亘
って複数個のガイド壁8,8,…がその全周に亘って適宜間
隔を置いて一体に形成され、ガイド壁８は環状壁14側を
高くして斜めに傾斜されている。ガイド壁8,8,…は実施
例では十字方向に２つずつ配置させている。図中、3bは
係合突条である。

以上の構成からなるものであるから、第１図の状態から
第３図に示す位置に、キャップ体３を口栓本体１の上方
に向って傾倒して行くと、最初にヒンジ２側に位置する
ガイド壁８が注ぎ口４に当接するが、その傾斜面により
案内されて注ぎ口４は環状溝７の方向にスライドする。
注ぎ口４は開口部が歪んでいても蓋が閉まるにしたがっ
てガイド壁８の傾斜によって案内され環状溝７に整合す
るようになる。ついには第４図に示すように注ぎ口４の
全周縁を環状溝７の中に導き嵌合し、そして口栓本体１
の係合突部13aとキャップ体３の係合突条3bとを係合す
る。

（効果） 本考案は上記の構成からなるものであるから、キャップ
体の天井面の歪みを防止し、注ぎ口の歪みを矯正できる
ので、キャップ体の口栓本体に対する被冠は極めて円滑
に行うことができると共に容器に充填した液体の洩出を
環状溝と注ぎ口との嵌合によって効果的に防止すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の縦断面図、第２図はその断面図、第３
図および第４図は本考案の作動説明図である。 １〜口栓本体、２〜ヒンジ、３〜キャップ体、４〜注ぎ
口、５〜第１の環状壁、６〜第２の環状壁、７〜環状溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】口栓本体（１）にヒンジ（２）を介してキ
   ャップ体（３）を連設してなる合成樹脂製の口栓におい
   て、前記口栓本体（１）は略中央に上方に拡径した円筒
   状の注ぎ口（４）を有し、前記口栓本体（１）にヒンジ
   （２）を介して連設された前記キャップ体（３）の天井
   面（3a）には、キャップ体（３）を口栓本体（１）に被
   冠したとき、前記注ぎ口（４）の先端外周縁に当接する
   第１の環状壁面（5a）を形成した環状壁（５）と、該環
   状壁（５）の内側に位置して前記注ぎ口（４）の先端内
   周面に当接する第２の環状壁面（6a）を形成した第２の
   環状壁（６）とを設けて両環状壁間に環状溝（７）を構
   成し、前記第２の環状壁（６）およびその内周側に、中
   心に向かうほど高さを大きくしたガイド壁（８）をその
   全周に亘って適宜間隔を置いて形成したことを特徴とす
   るキャップ付き口栓。