JP2596321B2 - 糖化ヘモグロビンの測定方法 - Google Patents
糖化ヘモグロビンの測定方法Info
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Description
定方法に関する。
患者においてその血中濃度が増加することが知られてお
り、糖化ヘモグロビンの測定は、血糖値の測定と併用し
て糖尿病の診断及び進行度の測定に利用されている。
(赤血球抽出液)中の糖化ヘモグロビンを固相に直接結
合させ、洗浄し、標識抗糖化ヘモグロビン抗体を反応さ
せ、洗浄し、前記標識を測定することにより行なわれて
いる。しかしながら、この方法では、それぞれの検体中
の糖化ヘモグロビンを固相に直接結合させるいう前処理
(例えば、4℃で一夜インキュベート)が必要であり、
これは時間がかかり、大量の検体を迅速に測定すること
は不可能である。
は、簡便、迅速に糖化ヘモグロビンの測定を行なうこと
ができる糖化ヘモグロビンの測定方法を提供することで
ある。
究の結果、糖化ヘモグロビンを含むかもしれない検体と
未感作のラテックスを混合し、続いてあるいは同時に抗
糖化ヘモグロビン抗体を反応させることにより、これま
でのような時間がかかる工程を排除することができ、そ
のため糖化ヘモグロビンの測定が迅速に行なえることを
見出し本発明を完成した。
含むかもしれない検体と未感作のラテックスを混合し、
続いてあるいは同時に抗糖化ヘモグロビン抗体を反応さ
せ、前記糖化ヘモグロビンが吸着したラテックスを前記
抗糖化ヘモグロビン抗体を介して凝集させることを測定
することから成る糖化ヘモグロビンの測定方法を提供す
る(以下、この方法を第1の発明ということがある)。
ンが未感作のラテックスに容易に結合するため、抗糖化
ヘモグロビン抗体を混ぜるだけで凝集が起きる。このた
め、個々の測定においては、検体と抗糖化ヘモグロビン
抗体及び未感作のラテックスを混合するだけで検体中の
糖化ヘモグロビンがラテックスに吸着し、かつ抗糖化ヘ
モグロビン抗体により抗原抗体反応を生じ、凝集を起こ
させることができる。この方法は従来の糖化ヘモグロビ
ンを直接固相に結合させる工程に比べれば1/10〜1
/100の時間で行なえるので、従来方法に比べて大幅
な時間短縮が達成される。
ラテックスを混合し、これに抗糖化ヘモグロビン抗体を
結合させた粒子を反応させ、生成する凝集により糖化ヘ
モグロビンを測定できることを見いだした。
糖化ヘモグロビン抗体と、糖化ヘモグロビンを含むかも
しれない検体と未感作ラテックスとを反応させ、免疫凝
集反応を生起させた後、得られた凝集より前記糖化ヘモ
グロビンを測定することから成る糖化ヘモグロビンの測
定方法を提供する(以下、この方法を第2の発明という
ことがある)。
方法に比べてはるかに短時間で糖化ヘモグロビンを測定
することができる。
抗体でもモノクローナル抗体でもよいが、測定の精度を
高めるためにモノクローナル抗体であることが好まし
い。本発明者らは、下記実施例に詳述する方法により、
糖化ヘモグロビンに対して特異的に反応し、正常なヘモ
グロビンとは実質的に反応しないモノクローナル抗体を
作製することに成功した(モノクローナル抗体3F1
0、FERM BP−4311)。本発明の方法(第1
及び第2の発明の方法、以下、単に「本発明」と言う場
合は第1及び第2の発明を意味する)では、このモノク
ローナル抗体を好ましく用いることができる。
市販されているラテックスをそのまま使用するか、トリ
ス−コハク酸緩衝液、リン酸緩衝液又は酢酸緩衝液で数
回洗浄したものを好ましく使用することができる。ま
た、第2の発明の方法における粒子への抗糖化ヘモグロ
ビン抗体の結合は、一般的には物理吸着法により行う。
すなわち、1〜50μg/mlに希釈した抗体に粒子濃
度が0.1 〜10%(w/v)程度になるように混合し、
4℃〜室温で攪拌する。これを十分遠心洗浄し、最後に
BSA1%溶液に保存して使用することができる。
ては、直径0.05〜5μm、好ましくは0.1〜2μmの
ラテックスで未使用のもので通常の緩衝液に分散させて
使用する。ラテックスとしては、例えばスチレン重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共
重合体等を挙げることができる。
ビン抗体の混和は4℃〜40℃の間で行われ、その凝集
は分光学的には混和後直ちに認められる。
り、検体と抗ヒト糖化ヘモグロビン抗体と粒子とを例え
ば黒色のスライドグラス上で混合し、凝集して沈殿する
粒子の有無を観察することにより検体中の糖化ヘモグロ
ビンを検出することができる。また、吸光度測定により
糖化ヘモグロビンを定量することも可能である。この場
合、粒径は小さいものが好ましいが、ブランクを除去で
きるなら1μm程度の粒径でも吸光度変化を測定でき
る。また、未感作ラテックスと抗ヒト糖化ヘモグロビン
抗体を結合させたラテックスを用いることにより、より
高感度かつ迅速に検体中の糖化ヘモグロビンを検出する
ことができる。
を確認することができるほか、0.05〜1.0 μmのラテッ
クス粒子を用いる場合は、分光測定によりその散乱光を
測定し凝集を確認することができる。測定波長は400
nm〜800nmあるいは赤外光を使用することが好ま
しい。これにより検体中の糖化ヘモグロビンを検出する
ことができる。この場合においても、糖化ヘモグロビン
に特異的なモノクローナル抗体としては、下記実施例で
詳述する、ヒト糖化ヘモグロビンA 1C に特異的なモノク
ローナル抗体3F10を用いることが好ましい。
抗体の作製ヒト 糖化ヘモグロビンA 1C をフロイントコンプリートア
ジュバントに十分に分散させこの100μlでBalb
/cマウスに2週間おきに4回免疫した。この免疫マウ
スを屠殺後脾臓を摘出し、これより脾細胞を106 個得
た。それをマウスミエローマ細胞とPEGの存在下で融
合させ培養した。増殖した細胞の上清を採取しELIS
A法により抗ヒト糖化ヘモグロビン抗体の有無を調べ
た。該抗体が陽性の細胞を限界希釈法により試験し、抗
ヒト糖化ヘモグロビン抗体を産生している細胞を確認し
た。
グロビンマウスモノクローナル抗体産生細胞(ハイブリ
ドーマ細胞)として大量に培養し、マウス腹腔中に注射
した。2週間後より3日おきに腹水を採取し、目的の抗
ヒト糖化ヘモグロビンモノクローナル抗体を得た。この
抗ヒト糖化ヘモグロビンモノクローナル抗体を3F10
と命名し、3F10を産生するハイブリドーマを平成4
年6月10日に微工研に寄託した。この寄託は平成5年
5月25日に国際寄託に切り替えられ、その受託番号は
FERM BP−4311である。なお、3F10はI
gGであることを確認した。
よるヒト糖化ヘモグロビンの測定 直径0.254μmの未感作ポリスチレンラテックス
(日本合成ゴム社製、0.025重量%)2mlにそれ
ぞれ別々に5種類の溶血検体5μlを加え、混和した。
5分後に3F10抗糖化ヘモグロビンA1Cマウスlg
G50μgを加え、直ちに日立220分光光度計で37
℃攪拌下波長750nmの吸光度変化を測定した。結果
を下記表1に示す。
0結合ラテックスの調製 ポリスチレンラテックス(10%(w/v)、直径0.05
μm)100μlを、実施例1で作製した抗ヒト糖化ヘ
モグロビンモノクローナルA 1C 抗体3F10を含む20
mM酢酸緩衝液900μl(3F10濃度:40μg/
ml、pH6.0)に混合し、エンドオーバーミキサー
で攪拌した。これを遠心分離(5000 g x15 分)し、生
理食塩水で4回洗浄し、1重量%BSAを含む20mM
酢酸緩衝液(pH5.0)に懸濁させ(0.5 wt%)、保存
した。
(0.05μm、0.25 wt%)を混合し、次に上記のように調
製した3F10結合ラテックスを1ml混和し、直ちに
攪拌下、波長800nmの吸光度の増加を調べた。下記
表2に検体中の全ヘモグロビンに対する糖化ヘモグロビ
ンの割合(%)と1分間当たりの吸光度の変化を示す。
液(トリス−コハク酸緩衝液(pH5.5、0.2%ト
ライトンX−100(商品名)を含む。)テックス濃度
0.025%)2mlを37℃に調節したセルに入れ
た。これにイオン交換クロマトグラフィー精製により得
られたヒトA1C抗原(1mg/ml)又はヒトヘモグロ
ビン(A0 抗原)(1mg/ml)を別々に加え、37
℃で5分間攪拌しながら加温した。5分後、A0 抗原を
感作したラテックス液には3F10抗体(8mg/m
l)を、A1C抗原を感作したラテックス液には3−4抗
体(抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体、8mg/
ml)を各2μlずつ加え、直ちに日立220分光光度
計で波長750nmの吸光度変化を測定した。さらに1
4分後、A0 抗原を感作したラテックス液に3−4抗体
を、A1C抗原を感作したラテックス液に3F10抗体を
それぞれ終濃度が8μg/mlになるように添加した。
結果を図1に示す。
たラテックスに対して3F10抗体はほとんど反応しな
かった。これに対して、3−4抗体を加えると凝集反応
が起こり吸光度の上昇を認めた。同様にして、A1C 抗原
で感作したラテックスでは3F10抗体あるいは3−4
抗体の添加で同等の反応性を示した。
ヘモグロビンの測定を行なうことができる糖化ヘモグロ
ビンの測定方法が提供された。
固定化したラテックス粒子液に3F10抗体又は3−4
抗体をそれぞれ加え、次いで3−4抗体又は3F10抗
体をそれぞれ加えた際の吸光度の経時的変化を示す図で
ある。
Claims (8)
- 【請求項1】 未感作のラテックスと、糖化ヘモグロビ
ンを含むかもしれない検体とを反応させ、抗糖化ヘモグ
ロビン抗体を反応させ、前記糖化ヘモグロビンが吸着し
たラテックスの抗糖化ヘモグロビン抗体を介した凝集を
測定することから成る糖化ヘモグロビンの測定方法。 - 【請求項2】 未感作のラテックスと、糖化ヘモグロビ
ンを含むかもしれない検体とを反応させ、次いで抗糖化
ヘモグロビン抗体を反応させ、前記糖化ヘモグロビンが
吸着したラテックスの抗糖化ヘモグロビン抗体を介した
凝集を測定することから成る請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 未感作のラテックスと、糖化ヘモグロビ
ンを含むかもしれない検体と、抗糖化ヘモグロビン抗体
を同時に反応させ、前記糖化ヘモグロビンが吸着したラ
テックスの抗糖化ヘモグロビン抗体を介した凝集を測定
することから成る請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 未感作のラテックスの粒径が0.05〜5μ
mである請求項1ないし3のいずれか1項記載の方法。 - 【請求項5】 未感作のラテックスと、糖化ヘモグロビ
ンを含むかもしれない検体と、粒子に結合された抗糖化
ヘモグロビン抗体とを反応させ、免疫凝集反応を生起さ
せた後、得られた凝集より前記糖化ヘモグロビンを測定
することから成る糖化ヘモグロビンの測定方法。 - 【請求項6】 未感作のラテックスの粒径が0.05〜5μ
mである請求項5記載の方法。 - 【請求項7】 粒子が直径0.05〜5μmのラテックス、
直径0.5 〜10μmのゼラチン粒子及び動物赤血球から
成る群より選択される請求項5記載の方法。 - 【請求項8】 前記抗糖化ヘモグロビン抗体はモノクロ
ーナル抗体3F10である請求項1ないし7のいずれか
1項に記載の方法。
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JP18170892 | 1992-06-16 | ||
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0666795A JPH0666795A (ja) | 1994-03-11 |
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JP5165119A Expired - Lifetime JP2596321B2 (ja) | 1992-06-16 | 1993-06-10 | 糖化ヘモグロビンの測定方法 |
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-
1993
- 1993-06-10 JP JP5165119A patent/JP2596321B2/ja not_active Expired - Lifetime
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