JP2595627B2 - 布角部検出装置 - Google Patents

布角部検出装置

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JP2595627B2 JP63050118A JP5011888A JP2595627B2 JP 2595627 B2 JP2595627 B2 JP 2595627B2 JP 63050118 A JP63050118 A JP 63050118A JP 5011888 A JP5011888 A JP 5011888A JP 2595627 B2 JP2595627 B2 JP 2595627B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ミシンにより縫製する加工布の角部を検出
する装置に関するものである。
従来の技術 ミシンにより加工布を縫う場合、縫製部位が角部であ
るか否かが自動的に判った方が都合が良い。特に、加工
布の側縁(以下、布縁と言う)から一定距離を隔てた位
置に縫目線を形成する布縁倣い縫ミシンにおいては、縫
目線の曲がりを防止するために角部の検出が望まれる。
布縁倣い縫ミシンは、例えば、特開昭62−389号に記載
されているように、縫針が布送り方向にほぼ直角な横方
向の揺動可能に設けられるとともに、布縁を検出する布
検出器を備えている。この布検出器は発光部および受光
部を有し、発光部からの放射光はミシンベッドの上面に
設けられた反射面の加工布によって覆われていない部分
により反射されて受光部により受光され、その受光量に
基づいて布縁の位置が検出され、布縁の位置を基準とし
て縫針の揺動位置が制御され、布縁から一定距離離れた
位置に縫目線が形成されるようになっている。加工布が
ずれた場合には受光量が変化することにより、縫針が布
縁に追従して移動させられるのである。
このような布縁倣い縫ミシンにおいては、布縁がずれ
た場合のみならず、加工布の角部が縫われる場合にも反
射面の加工布により覆われない部分が増大して受光量に
変化が生ずるのであるが、その変化が角部によるもので
あることがわからないため、加工布がずれた場合と同様
の処理が行われる。角部が縫われる際には、反射面の、
横方向に延びる布縁よりオペレータ側であって送り方向
に延びる布縁より加工布側の部分が加工布により覆われ
ない状態となり、受光量が増大する。そのため、実際に
は加工布がずれていないにもかかわらず、加工布が受光
量が増大する方向にずれたと判断され、縫針が加工布の
内側へ移動させられるのであり、それにより縫目線が曲
がってしまうこととなる。この場合、受光量の急激な変
化には縫針が追従しないように応答性を悪くすれば、縫
目線の曲がりを少なくすることができる。
発明が解決しようとする課題 しかし、布縁倣い縫ミシンにおいて縫針の応答性を悪
くすれば、加工布の角部ではない部分の倣い縫を行う場
合の布縁の急激な移動に縫針が追従しないことによって
縫目線が曲がってしまう問題が生ずる。
また、布縁倣い縫ミシン以外のミシンにおいては、オ
ペレータが縫製部位を見ながら縫製を行って角部が近づ
いた場合に縫製速度を遅くし、適当な処理を行うことが
行われているが、オペレータが常に縫製部位の変化に気
を付けていなければならない上、角部が近くなった時点
で縫製速度を遅くすることが必要であり、作業能率の向
上が妨げられる問題がある。
本発明は、以上の事情を背景として、ミシンベッド上
に配置された加工布を布送り装置によって布送り方向に
送りつつ、上下方向に移動可能な針棒の下端に固定され
た縫針を用いて縫い目を形成するミシンに設ければ、縫
製部位が角部であるか否かを自動的に検出することがで
きる装置を得ることを課題として為されたものである。
課題を解決するための手段 本発明は、上記の課題を解決するために、第1図に示
されるように、(a)発光部および受光部を備え、ミシ
ンベッド上に設定された広さの検出領域を有するととも
に、布送り方向および上下方向とほぼ直角な横方向に移
動可能な検出器と、(b)その検出器を横方向に移動さ
せることによりその検出器の検出領域を横方向に移動さ
せる検出器移動装置と、(c)検出器の検出領域より広
い面積を有してミシンベッド上に設けられ、発光部から
の放射光を前記受光部に向かって反射する反射面と、
(d)検出器移動装置が検出器をその検出器の検出領域
が加工布の布送り方向とほぼ平行な布縁の両側に跨がる
範囲で移動させる際、その移動に伴う検出器の出力信号
の変化率を演算し、その演算結果に基づいて検出器の検
出領域内にあるのが布の角部であるか否かを判定する角
部判定手段とを含むように構成される。
作用 以上のように構成された布角部検出装置において、反
射面上には加工布のうち縫製部位が載置され、発光部は
縫製部位に光を放射し、反射面の加工布により覆われな
い部分が受光部に向かって光を反射する。そして、縫製
部位が角部でない場合には、反射面の布縁より加工布側
の部分はすべて加工布により覆われてしまうのに対し、
縫製部位が角部の場合には、反射面の、横方向に延びる
布縁よりオペレータ側であって布送り方向に延びる布縁
より加工布側の部分は加工布により覆われない状態とな
る。したがって、縫製部位が角部である場合には、検出
器が検出器移動装置により横方向に移動させられる際の
検出器の出力信号の変化率が、縫製部位が角部ではない
場合に比較して小さくなり、出力信号の変化率に基づい
て縫製部位が角部であるか否かを判定することができ
る。例えば、出力信号の変化率がしきい値より小さい場
合には縫製部位が角部であると判定することができるの
である。
発明の効果 このように本発明に係る布角部検出装置によれば、縫
製部位が角部であることが自動的に検出されるため、角
部である場合には布縁倣い縫ミシンであれば倣い機能を
停止させ、他のミシンであれば縫製を中断する等、適宜
の処理を行うことができる。したがって、布縁倣い縫ミ
シンにおいては、角部における縫目線の曲がりを少なく
するために縫針の応答性を悪くせずに済み、布縁の急激
な変化に追従することができ、しかも、角部における縫
目線の曲がりのない布縁倣い縫ミシンが得られる。
また、布縁倣い縫ミシン以外のミシンにおいては、オ
ペレータが縫製部位に気を配りながら縫製を行う必要が
なくなり、また、角部が近づいた時点で縫製速度を遅く
する必要もなくなって作業能率を向上させることができ
る。
実施例 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第4図は本発明の一実施例であるミシンを示す図であ
り、このミシンは、上面が平らなベッド10と、そのベッ
ド10の右端から立ち上がった脚柱部12と、その脚柱部12
の上端から片持ち状にかつベッド10にほぼ平行に延びる
上方アーム14とから成るミシン機枠16を備えている。上
方アーム14の自由端側の頭部18にはミシンモータの起
動,停止を制御する起動スイッチ20が設けられ、上方ア
ーム14には更にこのミシンによって形成可能な複数種類
の縫目模様を表す現象が表示された表示板22と、縫目模
様を選択するために操作される模様選択スイッチ24とが
設けられている。また、脚柱部12には布縁から一定の距
離を隔てて縫目線を形成する倣い縫を行うための倣い縫
スイッチ26,縫代設定操作部材28,針揺動量調節操作部材
30および送り量調節操作部材32が設けられている。本ミ
シンにおいて倣い縫は直線縫によって行われるのであ
り、上記針揺動量調節操作部材30は直線縫以外の模様縫
を行うに当たり、針揺動量を調節する場合に操作され
る。
上記頭部18内には第2図に示されるようにコの字形の
ブラケット34が固定的に設けられており、このブラケッ
ト34に軸36によって針棒支持枠38が垂直な軸線のまわり
に回転可能に取り付けられている。針棒支持枠38は互に
逆向きに突き出す2対のアーム40,42を備えており、1
対のアーム40においてブラケット34に回動可能に取り付
けられている。そして、もう1対のアーム42によって針
棒44が上下方向に揺動可能に保持されており、その下端
に縫針46が固定されている。針棒44は、図示しない連結
機構によってミシンモータに連結されており、ミシンモ
ータの回転に伴って上下に往復運動させられるようにな
っている。また、針棒支持枠38はリンク48を介して針揺
動制御モータに接続されており、このモータの駆動によ
って針棒支持枠38が軸36のまわりに回動させられること
により、縫針46にミシンベッド面上において軸36の軸心
を中心とする円弧の軌跡を描く横方向揺動運動が与えら
れる。針棒支持枠38が描く円弧軌跡はその曲率半径が比
較的大きく、後述する布送り機構による加工布の送り方
向(布送り方向)に対してほぼ直角となる。
前記ミシン機枠16には、検出器としての布検出器50が
上記横方向に移動可能に取り付けられている。ミシン機
枠16に固定の支持体54には、ガイドロッド56が横方向に
取り付けられるとともに、スライド58が摺動可能に嵌合
されており、このスライド58の針棒44側の側面に布検出
器50が取り付けられている(第3図参照)。スライド58
は、支持体54にガイドロッド56と平行に取り付けられた
ねじ軸60に螺合されており、ねじ軸60が正逆両方向の回
転が可能な直流モータである布検出器移動用モータ62に
よって回転させられるとき、ガイドロッド56により案内
されて移動させられ、布検出器50の針棒支持枠38に対す
る横方向の位置が変えられる。ねじ軸60,布検出器駆動
用モータ62等が検出器移動装置を構成しているのであ
る。
上記モータ62には、布検出器50の位置を検出する位置
検出器64(第5図参照)が内蔵されている。この位置検
出器64は可変抵抗器により構成されており、布検出器50
の移動により抵抗値が変えられ、布検出器50の検出範囲
の横方向の中央位置を布検出器位置として出力するよう
にされている。また、66は支持体54に設けられた糸案内
部である。
布検出器50は、第2図に示されるように、赤外線を放
射する発光部72と、その赤外線の反射して来たものを受
光する受光部74とを備えている。受光部74の近傍には発
光部72からの放射光のみの通過を許容し、他の周波数の
光は遮断する光学フィルタ76が設けられている。
前記ミシンベッド10の上面には第2図に示されるよう
に開口が形成されており、この開口が針板78によって塞
がれている。この針板78には複数のスロットが形成さ
れ、このスロットから送り歯80が上方へ突出可能とされ
ている。この送り歯80は図示しない送り制御モータによ
って送り運動を与えられ、第3図に示される布押さえ足
82と共同して加工布84を前後方向に送るものである。送
り歯80,布押さえ足82,送り制御モータ等により布送り機
構が構成されているのであり、前記針棒支持枠38の揺動
方向は、この加工布84の送り方向に対してほぼ直角にな
るのである。
針板78には更に針孔86が形成されている。針孔86は縫
針46が描く円弧軌跡と同じ円弧を成すように形成されて
おり、この針孔86に隣接する位置に反射面88が形成され
ている。反射面88は、布検出器50の発光部72から放射さ
れた赤外線を受光部74に向かって反射するものであり、
第3図に示されるように、その布送り方向に平行な平面
による切断面が、前記横方向に延び、かつ、布検出器50
を通る水平軸線を中心とする円筒の一部を成し、下方に
凸の滑らかな凹面とされている。
反射面88上に想定される布検出器50の検出領域の多く
が加工布84によって覆われれば、受光部74の受光両が減
少するわけであり、受光部74は検出領域の加工布84によ
って覆われない部分の面積の変動に対応した検出信号を
出力する。なお、反射面88は針孔86に極く近接して設け
られているのに対し、布検出器50は針棒支持枠38等との
干渉を避けて一定距離手前側(オペレータ側)に外れた
位置に設けられている。そのため、布検出器50は第3図
に示されるように垂直軸線に対して小角度後ろ側(オペ
レータとは反対側)に傾斜させられており、布縁位置を
縫針46の中心線と針板66の上面との交点(以下、針落下
点という)にできる限り近い位置において検出し得るよ
うになっている。
第5図に本ミシンの制御装置を示す。前記模様選択ス
イッチ24が第5図の左端に示されている。この模様選択
スイッチ24には模様選択カウンタ100が接続されてお
り、模様選択スイッチ24の操作回数をカウントし、その
カウント内容を縫目信号発生装置102に供給する。ま
た、図示はしないが、このカウント内容に応じて、前記
表示板22に配設されている複数の発光ダイオードが発光
させられ、選択された縫目模様が示されるようになって
いる。
縫目信号発生装置102は形成可能な縫目模様の各々に
対応した縫目信号を記憶しており、それらの縫目信号中
から模様選択カウンタ100のカウント内容に対応した縫
目信号を選択して送り演算装置104と針揺動演算装置106
とに供給するようになっている。すなわち、縫目信号発
生装置102には前記縫針46がベッド10の上面より上方の
針上位置にある間、1個のパルス信号を発生するタイミ
ングパルス発生器108が接続されており、このタイミン
グパルスTPが供給される毎に縫目信号発生装置102は縫
目信号中の送り信号および針揺動信号をそれぞれ送り演
算装置104および針揺動演算装置106に供給するのであ
る。
上記送り演算装置104には送り調節装置110が、また、
針揺動演算装置106には針揺動調節装置112がそれぞれ接
続されている。送り量調節装置110は、前記送り量調節
操作部材32の操作に応じて変化する送り調節信号を送り
演算装置104に供給する。送り演算装置104は、この送り
調節信号と縫目信号発生装置102から供給される送り信
号との掛算を行って、縫目信号発生装置102から供給さ
れた送り信号に送り量調節操作部材32の操作位置に対応
した変更を加えた上で、送り駆動制御回路116に供給す
る。針揺動演算装置106も同様にして縫目信号発生装置1
02から供給される針揺動データに針揺動量調節操作部材
30の位置に対応した変更を加えた上、マルチプレクサ11
8を経て針揺動制御回路120に供給する。その結果、送り
駆動制御回路116が送り制御モータ122を、また、針揺動
制御回路120が針揺動制御モータ124をそれぞれ制御し、
縫針46の揺動および送り歯80による布送り量が適宜制御
されて、模様選択スイッチ24の操作によって選択された
縫目模様が形成されることとなる。
前記布検出器50の移動は、布検出器移動制御装置125
により制御される。この制御装置125は比較器126を備え
ており、布検出器50および基準信号発生器127が接続さ
れている。基準信号発生器127は布検出器50の布縁に対
する位置を設定する基準信号を発生するものであり、本
実施例において基準信号は、布検出器50の検出領域の半
分が加工布84に覆われた場合の受光量に対応する大きさ
にセットされている。比較器126は布検出器50の出力信
号KSと基準信号とを比較し、その差に対応したレベルの
差分信号MSをモータ制御回路128に供給する。モータ制
御回路128は差分信号MSが0となるようにモータ62の駆
動を制御し、それによりスライド58が移動させられて布
検出器50はその出力信号が基準信号と一致する位置に移
動させられる。布検出器50は布縁に追従して移動させら
れ、その検出領域の横方向の中央位置と布縁とが一致し
た状態とされるのである。したがって、布検出器50の位
置が布縁位置であり、布検出器50の位置データから縫代
データを引いたデータが針棒44の揺動位置データであ
る。
前記倣い縫スイッチ26は、模様選択カウンタ100およ
びマルチプレクサ118に接続されている。このスイッチ2
6がオン状態とされることにより、模様選択カウンタ100
がリセットされて縫目信号発生装置102からは直線縫の
縫目信号が出力されるとともに、マルチプレクサ118は
針揺動演算装置106の出力信号ではなく倣い縫制御装置1
30の出力信号(以下、針揺動倣い信号HSと言う)を針揺
動制御回路120に供給する状態に切り換えられる。
倣い縫制御装置130は、前記布検出切50,倣い縫スイッ
チ26のオン信号の立ち上がり時にトリガパルスを発生す
るトリガパルス発生器132,前記縫代設定操作部材28の操
作位置に対応した大きさの縫代信号を発生する縫代信号
発生装置134,位置制御装置138を備えている。この倣い
縫制御装置130において、位置制御装置138には、布検出
器50,トリガパルス発生器132,縫代信号発生装置134のそ
れぞれの出力信号が供給されるとともに、位置検出器64
の検出信号が供給されるようになっている。但し、位置
検出器64から出力される検出信号は、針棒揺動範囲の左
端に対応する位置において0ボルトとなるようにされて
いる。また、位置制御装置138はそれら出力信号に加
え、ミシン停止信号とオア回路150を経て供給される前
記タイミングパルス発生器108からのタイミングパルスT
Pとに応じて、前記マルチプレクサ118に針揺動倣い信号
を供給するようになっている。位置制御装置138は、第
6図に示されるように、CPU154,ROM156,RAM158およびこ
れらを接続するバス160を含むマイクロコンピュータか
ら成っている。バス160には、入力インタフェース162が
接続されている。入力インタフェース162には、布検出
器50,位置検出器64,トリガパルス発生器132,縫代信号発
生装置134,オア回路150が接続されるとともに、ミシン
停止信号が入力されるようになっている。バス160には
また、出力インタフェース164が接続されており、この
出力インタフェース164から前記マルチプレクサ118に針
揺動倣い信号HSが出力される。
CPU154にはインターバルタイマ166が設けられてい
る。インターバルタイマ166は、縫針46が針上位置にあ
る期間より遥かに短い時間を繰返し計測するものであ
る。また、RAM158には、布検出器50の検出データを記憶
する第一検出データメモリ168,第二検出データメモリ17
0,布検出器50の位置を記憶する第一布検出器位置メモリ
172,第二布検出器位置メモリ174および初期フラグ176が
設けられており、ROM156には、第7図にフローチャート
で示される針棒44の位置を制御するためのプログラムを
始めとして縫製に必要な種々のプログラムが記憶されて
いる。
なお、タイミングパルス発生器108がタイミングパル
スTPを発するのは、ミシンモータが回転して針棒44が上
下往復運動している場合のみであるため、ミシンが停止
している状態においてもタイミングパルスTPに類似のク
ロックパルスが位置制御装置138に供給されるように、
クロックパルス発生器180が設けられている。ただし、
クロックパルス発生器180から出力されたクロックパル
スは、縫針46が上死点近傍位置にあることを検出する上
死点検出器(図示省略)から上死点信号が供給されると
ともに、ミシン停止信号が入力されている状態において
のみアンド回路182およびオア回路150を経て位置制御装
置138に供給されるようになっている。
上記のように構成されたミシンによって倣い縫を行う
場合には、オペレータはまず加工布84を、それが縫針46
の左側に位置し、かつ、縫目形成希望位置が針孔86のほ
ぼ中央となるようにセットする。そして、倣い縫スイッ
チ26を操作すれば模様選択カウンタ100がリセットさ
れ、それまでいかなる縫目模様が選択されていた場合で
も直線倣い縫が選択された状態となる。また、マルチプ
レクサ118が倣い縫制御装置130の出力信号を針揺動制御
回路120に供給する状態に切り換えられる。さらに、布
検出器移動制御装置125においては、比較器126が布検出
器50の検出信号と基準信号発生器127の基準信号とを比
較し、モータ制御回路128がモータ62を両信号の差が0
となるように駆動し、布検出器50の検出領域の横方向の
中央位置が布縁位置と一致させられる。
このように布縁位置に追従して移動させられる布検出
器50の位置を基準にして縫針46および針棒44の位置が制
御されるのであるが、以下、この制御について、第7図
に示されるフローチャートに基づいて説明する。まず、
ステップS1(以下、単にS1と記載する。他のステップに
ついても同じ。)において図示しないミシンモータが回
転中であるか否かの判定が行われる。この判定はミシン
停止信号が供給されているか否かによって行われるので
あり、ミシンモータが回転していない場合には判定結果
はNOとなってS2が実行され、停止時の針棒位置制御が行
われる。位置検出器64により検出される布検出器50の位
置データが読み込まれるとともに、その位置データから
縫代を表わすデータを引くことにより針棒44の揺動位置
が求められ、縫針44が布縁から縫代分離れた縫目線形成
位置に位置決めされるのである。ただし、針棒44はオア
回路150からクロックパルスが供給されている場合にの
み揺動させられるのであって、クロックパルスが供給さ
れていない場合には縫針46を上死点近傍の位置に移動さ
せる等の処理が行われる。
ミシンモータが回転中である場合にはS1の判定結果は
YESとなり、S3において縫針46がミシンベッド10より上
の針上位置にあるか否かの判定が行われる。縫針46の位
置を変えることができるのは縫針46が加工布84から上方
へ抜け出ているときのみであるため、この判定が行われ
る。具体的にはタイミングパルスTPが発せられているか
否かの判定が行われるのであり、発せられていない場合
は判定結果はNOであって、S4において初期フラグ176が
リセットされた後、プログラムの実行はメインルーチン
に戻る。また、タイミングパルスTPが発せられている場
合には判定結果はYESとなり、S5において初期フラグ176
がセットされているか否かの判定が行われる。このステ
ップが1回目に行われる場合、初期フラグ176はリセッ
トされているため判定結果はNOであり、S6において初期
フラグ176がセットされた後、S7において布検出器50の
検出データが読み込まれる。この検出データは布検出器
50の検出領域のうち、加工布84に覆われない部分からの
反射光量を表わすものであり、S8において第二検出デー
タメモリ170に記憶される。
次いでS9において布検出器50の位置が読み込まれ、S1
0において第二布検出器位置メモリ174に記憶された後、
S11において針棒位置の演算が行われる。この演算は、
前述のように布検出器50の位置データから縫代データを
引くことにより行われるのであり、それにより算出され
た針棒位置データはS12において針揺動倣い信号HSとし
てマルチプレクサ118に出力される。マルチプレクサ118
は供給された針棒位置データを針揺動制御回路120に出
力し、針揺動制御モータ124が針棒44を針棒位置データ
により設定される位置に移動させるべく駆動される。そ
して、S13においてインターバルタイマ166が作動させら
れ、一定短時間の経過の後、プログラムの実行はメイン
ルーチンに戻る。
インターバルタイマ166によって計測される時間は、
縫針46が針上位置にある時間より遥かに短く、ミシンが
停止させられない限り次にS3が実行されるときの判定結
果はYESとなる。そして、初期フラグ176がセットされて
いるためS5の判定結果はYESとなり、S14において布検出
器50の検出データが読み込まれ、S15において第二検出
データメモリ170に記憶される。このとき、先にS8にお
いて記憶された検出データは第一検出データメモリ168
に移される。そして、S16において第二検出データメモ
リ170に記憶された検出データから第一検出データメモ
リ168に記憶された検出データを引いて差Aを求める演
算が行われる。続いて、S17において布検出器50の位置
が読み込まれ、S18において第二布検出器位置メモリ17A
に記憶される。このとき、先にS10において記憶された
位置データは第一布検出器位置メモリ172に移される。
次いでS19において第二布検出器位置メモリ174に記憶
された位置データから第一布検出器位置メモリ172に記
憶された位置データを引いて差Bを求める演算が行わ
れ、S20においてS16で求められた検出データの差AをS1
9で求められた位置データの差Bで除した値の絶対値が
定数Kより小さいか否かの判定が行われる。定数K以上
である場合は縫製部位が角部であり、定数Kより小さい
場合は角部でないと判定される。以下、このように判定
される理由について説明する。なお、加工布84は縫針46
が針上位置にある間送られるのであるが、ここではまず
説明を分り易くするために針揺動制御が行われる間は加
工布84は送られず、加工布84の横方向の移動もないもの
とする。
縫製部位が角部でなく、例えば第8図(a)に示され
るように布検出器50の検出領域186の横方向の中央位置
Oに対して左方向にずれたとする。その場合の検出電圧
をV1(図には検出領域186のうち反射光の得られる部分
にハッチングが施されており、この部分の大きさが検出
電圧V1の大きさに対応する。以下、第8図(b),第9
図においても同じ。)、針棒44の揺動範囲の左端Cから
中央位置Oまでの距離をL1とする。この場合、検出電圧
V1は基準電圧(基準信号に対応する電圧)より大きくな
るため、検出電圧を減少させるべく布検出器50は左方向
に移動させられる。そのため、次に布検出器50の検出デ
ータが読み込まれるとき、布検出器50は第8図(b)に
示されるように前回より左側の位置にあり、そこで得ら
れる検出電圧V2は検出電圧V1より小さくなり、中央位置
Oと針棒揺動範囲の左端Cとの距離L2もL1より小さくな
る。このように縫製部位が角部でない場合には、検出領
域186の布縁より加工布84側の部分はすべて加工布84に
より覆われており、布検出器50が移動するとき受光量は
検出領域186の布送り方向の全体にわたって変化する。
加工布84が右方向にずれた場合も、2個の検出電圧,布
検出器位置の差の正負が逆になる以外同じである。
それに対して、縫製部位が角部である場合には、第9
図(a)に示されるように加工布84の角部が検出領域18
6に侵入し、検出領域186の、横方向に延びる布縁よりオ
ペレータ側であって、布送り方向に延びる布縁より加工
布84側の部分が加工布84により覆われない状態となる。
この場合の検出電圧をV1、検出領域186の中央位置Oと
針棒揺動範囲の左端Cとの距離をL1とする。この場合に
は、角部が検出領域186に侵入する前に比較して受光量
が増大するため、布検出器50は加工布84が左方向にずれ
た場合と同様に左に移動させられる。そのため、次に布
検出器50の検出データが読み込まれる場合には、布検出
器50は第9図(b)に示されるように左に移動した位置
にあり、この位置で読み込まれる布検出器50の検出電圧
V2は検出電圧V1より小さく、検出領域186の中央位置O
と針棒揺動範囲の左端Cとの距離L2もL1より小さくな
る。
この場合、検出領域186中、受光量が変化するのは横
方向の布縁よりオペレータとは反対側の部分のみであっ
て、横方向の布縁よりオペレータ側の部分については受
光量は変わらない。したがって、受光量の変化率(布検
出器50の移動距離に対する受光量の変化の割合の絶対値
であって、|(V2−V1)/(L2−L1)|で表される)
は、縫製部位が角部である場合の方が角部でない場合よ
り小さく、各場合の変化率の間にしきい値を設定し、そ
のしきい値と受光量の変化率とを比較することにより縫
製部位が角部であるか否かを判定することができる。前
記S20における定数K、このしきい値である。
加工布84が送られれば、それに伴って送り方向の布縁
位置も変化するのが普通であり、この位置の変化が上記
受光量の変化率を変動させる。例えば、第8図の(a)
から(b)への間に送り方向の布縁位置の変化がなかっ
た場合の受光量の変化率がαであるとすれば、(a)か
ら(b)への間に送り方向の布縁位置が予想される最大
量だけ右へ変化したときの受光量の変化率はα−Δ
なり、左へ同量変化したときのそれはα+Δとなるの
である(α,Δはいずれも正数。以下のβ,Δ2
も同様)。
また、第9図の(a)から(b)への間に送り方向の
布縁位置の変化も横方向の布縁位置の変化もなかった場
合の受光量の変化率をβとすれば、送り方向の布縁位置
の変化がなく、横方向の布縁位置の変化のみがあった場
合の受光量の変化率はβ+Δとなり、これに送り方向
の布縁位置の右への変化が加わった場合には、β+Δ
−Δ、左への同量の変化が加わった場合にはβ+Δ
+Δとなる。
つまり、加工布が送られつつある場合に角部でない部
分において予想される受光量の変化率の最小値はα−Δ
であり、角部において予想される受光量の変化率の最
大値はβ+Δ+Δである。したがって、α−Δ
β+Δ+Δであれば、これら両値の間にしきい値を
設定することにより、加工布が送られつつある場合で
も、受光量の変化率としきい値との比較によって、角部
であるか否かを判定することが可能であることになる。
そして、実際上、上記不等式が満足されるように布検出
器50,反射面88,位置制御装置138等を設定することが可
能なのである。換言すれば、上記Δ12は加工布
84のオペレータによる送り方向制御精度の予測値や位置
制御装置138等の設定によって決まる値であり、その決
まった値に対して上記βがαより上記不等式を満足する
量だけ小さくなった際、布角部を検出し得ることとな
る。
以上の原理によりS20の判定が行われるのであるが、
この判定結果がNOの場合は縫製部位が角部ではなく、S1
1が実行され、針棒位置の演算が行われて針棒44が布縁
に追従すべく移動させられる。針棒位置制御ルーチン
は、針棒46が針上位置にあり、縫製部位が角部でない場
合、繰返し実行され、縫針46が縫目線形成位置に位置決
めされる。また、S20の判定結果がYESの場合は縫製部位
が角部であり、S11およびS12をバイパスしてS13が実行
され、一定時間の経過の後、プログラムの実行はメイン
ルーチンに戻る。縫製部位が角部の場合には、針棒位置
の制御は行われず、縫目はほぼそれまでの縫目線の延長
線上に形成されることとなって縫目線の曲がりが防止さ
れる。なお、この場合には布縁倣い縫が行われないので
あるが、この状態で形成される縫目の数は少ないため、
縫代が肉眼で判るほど設定から外れてしまうことはな
い。
このように本実施例の布縁倣い縫ミシンにおいては、
縫製部位が角部であるか否かが自動的に検出され、角部
の検出に基づいて布縁倣い機能が停止されるため、角部
であるにもかかわらず倣い縫が行われて縫目線に曲がり
が生ずることがなく、また、角部における縫目線の曲が
りを少なくするために縫針位置制御の応答性を悪くする
必要がないため、布縁の急激な変化にも追従することが
でき、良好な倣い縫を行うことができる。
さらに、本実施例のミシンは布縁倣い縫用であって、
検出器,反射面,検出器移動装置がもともと設けられて
いるため、布角部検出装置を安価に構成し得る利点があ
る。
以上の説明から明らかなように、本実施例において
は、ROM156のS16およびS20を記憶する部分およびCPU154
のこれらステップを実行する部分等が角部判定手段を構
成しているのである。
なお、上記実施例においては、倣い縫が直線縫によっ
て行われる場合について説明したが、ジグザグ縫等、模
様縫で行われるミシンや、布縁倣い縫ミシン以外のミシ
ンにも本発明に係る布角部検出装置を設けることができ
る。例えば、加工布が送られていない時期に布検出器50
を一定量横方向に移動させ、その移動の前後における布
検出器50の出力信号の差自体をしきい値と比較すること
によっても角部であるか否かを判定することができる。
布検出器50の一定量の横方向移動の前後における布検出
器50の出力信号同士の差は、出力信号の変化率の一種で
あり、出力信号同士の差がしきい値より小さい場合には
縫製部位が角部であると判定することができるのであっ
て、この態様の布角部検出装置は布縁倣い縫ミシン以外
のミシンにも設置し得るのである。
その他、いちいち例示することはしないが、当業者の
知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明
を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を概略的に示すブロック図であ
る。第2図は本発明の一実施例である布縁倣い縫ミシン
の頭部をそのカバーを外した状態で示す斜視図である。
第3図は上記ミシンの頭部をそのカバーを外した状態で
示す側面図である。第4図は上記ミシンの外観を概略的
に示す斜視図である。第5図は上記ミシンの制御回路を
示すブロック図である。第6図はその制御回路を構成す
る位置制御装置の構成を示すブロック図である。第7図
はその位置制御装置のROMに記憶されたプログラムのう
ち本発明に関連の深い部分を取り出して示すフローチャ
ートである。第8図(a),(b)は縫製部位が角部で
ない場合における布検出器の移動に伴う受光量の変化を
説明する図である。第9図(a),(b)は縫製部位が
角部である場合における布検出器の移動に伴う受光量の
変化を説明する図である。 10:ベッド、44:針棒 46:縫針、50:布検出器 60:ねじ軸、62:布検出器移動用モータ 72:発光部、74:受光部 84:加工布、88:反射面 130:倣い縫制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミシンベッド上に配置された加工布を布送
    り装置により布送り方向に送りつつ、上下方向に移動可
    能な針棒の下端に固定された縫針を用いて縫い目を形成
    するミシンに適用される布角検出装置であって、 発光部および受光部を備え、前記ミシンベッド上に設定
    された広さの検出領域を有するとともに、前記布送り方
    向および前記上下方向とほぼ直角な横方向に移動可能な
    検出器と、 その検出器を前記横方向に移動させることにより前記検
    出領域を横方向に移動させる検出器移動装置と、 前記検出領域より広い面積を有して前記ミシンベッド上
    に設けられ、前記発光部からの放射光を前記受光部に向
    かって反射する反射面と、 前記検出器移動装置が前記検出器を前記検出領域が前記
    加工布の前記布送り方向とほぼ平行な布縁の両側に跨が
    る範囲で移動させる際、その移動に伴う検出器の出力信
    号の変化率を演算し、その演算結果に基づいて前記検出
    領域内にあるのが布の角部であるか否かを判定する角部
    判定手段と を含むことを特徴とする布角部検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS61257675A (ja) * 1985-05-11 1986-11-15 ブラザー工業株式会社 布縁倣い縫ミシン

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