JP2595474Y2 - タービン動翼植込部の緩衝材 - Google Patents

タービン動翼植込部の緩衝材

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JP2595474Y2 JP1993035219U JP3521993U JP2595474Y2 JP 2595474 Y2 JP2595474 Y2 JP 2595474Y2 JP 1993035219 U JP1993035219 U JP 1993035219U JP 3521993 U JP3521993 U JP 3521993U JP 2595474 Y2 JP2595474 Y2 JP 2595474Y2
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智毅 田岡
考志 杉田
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ディスク溝と動翼植込
部との間に介設される緩衝材に係り、特に、軽量化およ
び取付容易化を図ったタービン動翼植込部の緩衝材に関
する。
【0002】
【従来の技術】図4に示すように、ガスタービンのター
ビンディスク1には開口部が狭まった凹状溝2が周方向
に間隔を隔てて刻設されており、これら凹状溝2にター
ビン動翼3の球根状の植込部4が嵌め込まれている。こ
こで、ディスク1の凹状溝2と動翼3の球根状植込部4
とはマクロ的に見ると細かな凹凸があるため、これらを
直に接触させるとその凸部において応力集中が発生し、
材料本来の限界応力より遥かに低いところで破壊してし
まう。特にタービン動翼3がセラミック製の場合は致命
的である。
【0003】そこで、図5に示すように、凹状溝2と球
根状植込部4との間に緩衝材5を介在させることが行わ
れている。この緩衝材5は、一定の厚さの金属板材から
なり、球根状植込部4に巻き付けられた状態で凹状溝2
に挿入されるものである。かかる緩衝材5は、その緩衝
機能上は厚くすることが望ましい。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、緩衝材5を厚
くすると重量が増す。重くなった緩衝材5は、タービン
ディスク1の回転時に径方向外方へ移動しようとする遠
心力が強くなり、凹状溝2の開口部6(くびれ部)に強
く接触する。よって、この接触部分が応力集中により破
壊する虞れがある。
【0005】また、緩衝材5の厚みが増すと、球根状植
込部4に密着させて巻き付けることが困難になる。この
ため、球根状植込部4に緩衝材5を巻き付けた後これを
ディスク1の凹状溝2に挿入するときに、凹状溝2と球
根状植込部4との嵌め合いがタイトであることから、緩
衝材5が凹状溝2に干渉して挿入しずらくなり、緩衝材
5が傷付いたりずれたりしやすい。
【0006】以上の事情を考慮して創案された本考案の
目的は、高速回転時の応力集中を緩和すべく軽量化を図
ると共に、ディスクの凹状溝への取付容易化を図ったタ
ービン動翼植込部の緩衝材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案は、タービンディスクの凹状の溝とタービン動
翼の球根状の植込部との間に介在される緩衝材におい
て、球根状植込部の両肩部にそれぞれ位置し凹状溝の開
口部に当たる一対のパット部と、これらパット部間を連
結しパット部の厚さより薄く形成された板状の連結部と
を有し、該連結部は、その内面が球根状植込部を下方か
ら包むように密着され、外面が凹状溝から離間するよう
に形成されているものである。
【0008】
【作用】タービンディスクが高速回転すると、ディスク
の凹状溝に嵌め込まれたタービン動翼の球根状植込部が
遠心力により径方向外方へ移動しようとし、球根状植込
部の両肩部が凹状溝の開口部に押し付けられる。つま
り、この両肩部のみが実質的に応力を受けることにな
る。
【0009】本考案はこの点に着目し、実質的に応力を
受ける球根状植込部の両肩部のみにパット部を設けたも
のである。すなわち、これらパット部間を結ぶ連結部は
緩衝機能が不要なため極めて薄く形成することができ、
全て一様な厚さとなっていた従来の緩衝材より大幅に軽
量化できる。
【0010】また、このように連結部を薄くすることに
より、パット部と連結部とからなる緩衝材を球根状植込
部に沿って巻き付ける際に、薄い連結部が球根状植込部
の形状に沿って容易に変形するため、密着性が向上す
る。よって、球根状植込部に緩衝材を巻き付け、これを
ディスクの凹状溝に挿入する際の作業性が、連結部の外
面が凹状溝から離間するように形成されていることとも
相俟って向上する。
【0011】なお、上記連結部を省略すると左右のパッ
ト部がばらばらになり、各パット部を球根状植込部の両
肩部に位置させることが困難となる。よって、上記連結
部は左右のパット部を繋ぎその位置合わせを行うために
必要な部材である。
【0012】
【実施例】以下に本考案の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0013】図1に示すように、ガスタービンのタービ
ンディスク1には、開口部が狭まった凹状溝2が周方向
に間隔を隔てて刻設されており、これら凹状溝2にター
ビン動翼3の球根状の植込部4が嵌め込まれている。上
記タービンディスク1は耐熱金属(インコネル等)から
なり、タービン動翼3はセラミック(窒化珪素等)から
なっている。タービン動翼3の球根状植込部4とタービ
ンディスク1の凹状溝2とは、これらを組み付けたとき
所定の間隙が生じるように形成されている。
【0014】球根状植込部4の両肩部には、根元方向に
末広がりに形成された断面ハ字状の二平面からなる当り
部4aが形成されている。これら当り部4aは、NC切
削装置により極めて精度よく平滑に仕上げられており、
その両端にはエッジ7が形成されている。また、左右の
当り部4aの下方は滑らかな曲線によって接続され、植
込部4全体が球根状に形成されている。
【0015】凹状溝2の開口部には、上記当り部4aに
所定間隙を隔てて符合する断面ハ字状の二平面からなる
押え部2aが形成されている。これら押え部2aも、同
様にNC切削装置(NCワイヤカット)により極めて精
度よく平滑に仕上げられている。そして、左右の押え部
2aの下方は滑らかな曲線によって接続され、凹状溝2
全体が球根状に形成されている。
【0016】球根状植込部4と凹状溝2との間隙には、
ニッケル等の比較的軟らかい耐熱性金属からなる緩衝材
8が介設される。緩衝材8は、球根状植込部4の当り部
4a(両肩部)に位置し凹状溝2の押え部2a(開口
部)に当たるパット部8aと、これらパット部8a間を
連結しパット部8aの厚さより薄く形成された連結部8
bとからなっている。かかる緩衝材8は、球根状植込部
4にこれを下方からくるむように密着され、そのパット
部8aが当り部4aのエッジ7に引っ掛かって位置決め
される。
【0017】緩衝材8の展開図を図2に示す。緩衝材8
は、薄板の表面が凹凸状に形成されて成っている。この
成形にはフォトエッチングが用いられる。つまり、薄板
の片面を全面マスキングすると共に他面を連結部8bを
除いてマスキングし、この状態でエッチング処理を行
う。これにより、連結部8bのみがエッチングされ、そ
の厚さがパット部8aの半分程度になる。具体的には、
パット部8aの厚さが0.1mm 程度、連結部8bの厚さが
0.05mm程度に形成されている。
【0018】緩衝材8の長手方向の両端部9は、波型状
に形成されている。これは緩衝材8を嵌め込む凹状溝2
が、図3に示すようにタービンディスク1に対して斜め
に形成されているからである。つまり、この斜めの凹状
溝2内に緩衝材8を嵌め込んだときに、緩衝材8の長手
方向の両端部9がタービンディスク1の端面10と一致
するようになっている。よって、嵌込後の後処理は不要
である。この波型形状もフォトエッチングによって形成
される。すなわち、薄板の両面を所定の波型状にマスキ
ングしておけば、マスキングの無い部分が両面からエッ
チングされ型抜されることになる。
【0019】かかる緩衝材8は、球根状植込部4に巻き
付けられ、その状態で凹状溝2に挿入される。これによ
り、球根状植込部4と凹状溝2との間隙に緩衝材8が介
設される。また、緩衝材8を球根状植込部4に巻き付け
て緩衝材8に予め大まかな形状癖をつけておき、この緩
衝材8を凹状溝2に半分程度樋状に挿入してそれをガイ
ドとして球根状植込部4を挿入するようにしてもよい。
これは、凹状溝2(金属)と緩衝材8(金属)のフリク
ションが、球根状植込部4(セラミック)と緩衝材8
(金属)のフリクションより大きいため、球根状植込部
4(セラミック)に緩衝材8(金属)を巻き付けた状態
で凹状溝2(金属)に挿入すると、緩衝材8(金属)が
凹状溝2(金属)に食い付いて球根状植込部4(セラミ
ック)をスムーズに挿入できなくなる虞れがあるからで
ある。
【0020】次に、本実施例の作用について述べる。
【0021】タービンディスク1が高速回転すると、デ
ィスク1の凹状溝2に嵌め込まれたタービン動翼3の球
根状植込部4が遠心力により径方向外方へ移動しようと
し、球根状植込部4の当り部4a(両肩部)が凹状溝2
の押え部2a(開口部)に押し付けられる。このとき、
当り部4aと押え部2aとの間に介設されたパット部8
aが緩衝機能を発揮する。これら当り部4aと押え部2
aとは、NC加工によって極めて平滑に形成されている
ので応力が一カ所に集中することはなく、面当りにより
効率よく応力を緩衝する。
【0022】球根状植込部4の当り部4a以外の部分は
凹状溝2に押し付けられない。よって、上記パット部8
a間を結ぶ連結部8bは緩衝機能が不要であり、薄く
(パット部8aの半分程度の厚さ)形成しても何等支障
はない。従って、全て一様な厚さとなっていた図5に示
す従来の緩衝材5より大幅に軽量化できる。この結果、
タービンディスク1の高速回転時に径方向外方へ移動し
ようとする緩衝材8の遠心力が弱まり、凹状溝2の押え
部2a(開口部)に生じる応力が大幅に緩和される。
【0023】また、このように連結部8bを薄くするこ
とにより、緩衝材8を球根状植込部4に沿って巻き付け
る際に、薄い連結部8bが球根状植込部4の形状に沿っ
て容易に変形することになる。板材の剛性はその厚さの
3乗で効いてくるため、板厚を1/2 にすると剛性は1/8
と激減するからである。よって、連結部8bは、様々な
曲率のカーブからなる球根状植込部4の形状に沿って容
易に変形し、植込部4に密着する。
【0024】従って、球根状植込部4に緩衝材8を巻き
付け、これをディスク1の凹状溝2に挿入する際の作業
性が、連結部8bの外面が凹状溝から離間するように形
成されていることとも相俟って向上する。緩衝材8が球
根状植込部4に密着していないと、球根状植込部4と凹
状溝2との嵌め合いが極めてタイトであるため、挿入時
に緩衝材8が凹状溝2と緩衝してしまい緩衝材8が傷付
いたりずれたりしてしまうが、本実施例によればこの欠
点が解消できる。また、連結部8bと凹状溝2との間隙
は、タービン動翼3およびディスク1への冷却空気の通
路となる。
【0025】なお、上記連結部8bを省略すると左右の
パット部8aがばらばらになり、各パット部8aを球根
状植込部4の当り部4aに位置させることが困難とな
る。よって、上記連結部8bは、左右のパット部8aを
繋ぎその位置合わせを行うために必要な部材であり、そ
れに必要な厚さを有していればよい。
【0026】また、図2に一点鎖線で示すように緩衝材
8の中央部に凸部10を設け、その凸部10を溝2内の
底部に当接させ、位置合わせするようにしてもよい。こ
の場合、溝2内の底部を精度よく平滑に仕上げておけば
高精度の位置合わせが可能である。
【0027】
【考案の効果】以上説明したように本考案に係るタービ
ン動翼植込部の緩衝材よれば次に如き優れた効果を発揮
できる。
【0028】(1) 応力緩和の機能を全く損なうことなく
軽量化できるので、高速回転時に緩衝材に加わる遠心力
により凹状溝の開口部に生じる応力集中を軽減できる。
【0029】(2)連結部の内面が球根状植込部を下方
から包むように密着されていると共に、その連結部の外
面が凹状溝から離間するように形成されているので、凹
状溝への取付作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示すタービン動翼植込部の
緩衝材の断面図である。
【図2】上記緩衝材の展開図であり、(a) は平面図、
(b) は断面図である。
【図3】上記緩衝材が嵌め込まれる凹状溝が形成された
タービンディスクの側面図である。
【図4】タービン動翼とタービンディスクとの組付状態
を示す図である。
【図5】従来例を示すタービン動翼植込部の緩衝材の断
面図である。
【符号の説明】
1 タービンディスク 2 凹状の溝 2a 開口部である押え部 3 タービン動翼 4 球根状の植込部 4a 両肩部である当り部 8 緩衝材 8a パット部 8b 連結部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01D 5/30 F04D 29/34 F04D 29/30

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タービンディスクの凹状の溝とタービン
    動翼の球根状の植込部との間に介在される緩衝材におい
    て、球根状植込部の両肩部にそれぞれ位置し凹状溝の開
    口部に当たる一対のパット部と、これらパット部間を連
    結しパット部の厚さより薄く形成された板状の連結部と
    を有し、該連結部は、その内面が球根状植込部を下方か
    ら包むように密着され、外面が凹状溝から離間するよう
    に形成されていることを特徴とするタービン動翼植込部
    の緩衝材。
JP1993035219U 1993-06-29 1993-06-29 タービン動翼植込部の緩衝材 Expired - Fee Related JP2595474Y2 (ja)

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