JP2592912B2 - ポリビニルアセトアセタール樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリビニルアセトアセタール樹脂の製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリビニルアセトアセタール樹脂の製造方
法に関し、特に高アセタール化度であり、且つ粒径のバ
ラツキが少なく、また物理的な作用によって粒子の形状
が壊れ難い樹脂が比較的短時間で得られるポリビニルア
セトアセタール樹脂の製造方法に関する。
(従来の技術) ポリビニルアセトアセタール樹脂の製造方法は、ポリ
ビニルブチラール樹脂ほど研究されていない状況であ
り、その反応条件は多く公表されていないのが現状であ
る。本発明者等の知見によれば、ポリビニルアセトアセ
タール樹脂の製法上の問題点は以下の通りである。
アセトアルデヒドとポリビニルアルコールとの反応姓
が低いために、ポリビニルブチラールと比較すると樹脂
を析出させるのに長時間を要する。またアセトアルデヒ
ドとポリビニルアルコールとの初期の反応によって得ら
れる低アセタール化物が水溶性を有するため、水相中で
は水分子がアセタール化物の未反応水酸基と水和状に結
合し、アセトアルデヒドによる攻撃から該水酸基を保護
しているので、高アセタール化度の樹脂を得ることが難
しい。
ポリビニルアセトアセタール樹脂のアセタール化度を
高める方法として、使用する酸触媒を増量し、且つその
低アセタール化物が水溶性であるポリビニルアセトアセ
タール樹脂特有の性質を利用して、アルデヒドを投入
後、所定温度で一定時間以上保持することにより、その
低アセタール化物とアセトアルデヒドとをさらに反応さ
せる方法を挙げることができる。
すなわち、ポリビニルアルコール水溶液に触媒とアセ
トアルデヒドとを投入してポリビニルアルコールとアセ
トアルデヒドとを反応させることにより、樹脂のアセタ
ール化度を徐々に上昇させ、反応物であるアセタール化
物が水溶性から非水溶性へ変化してゆく過程において、
所定温度で所定時間保持するのである。
上記方法では、比較的アセタール化度の高いポリビニ
ルアセトアセタール樹脂が得られる。ところが、この樹
脂の粒径分布を調べてみると粒度分布が広く、粒径100
μm以上の粗大粒子及び10μm以下の微細粒子の含量が
多いのである。従って、得られた樹脂の上記した耐熱姓
や溶剤溶解性が発揮され難い欠点があり、また樹脂中に
微細粒子の含量が多い場合には、この微細粒子が飛散し
易いため作業性が低下し、粗大粒子の含量が多い場合に
は、該粒子内に酸触媒等が残留することにより、物性等
を低下させるおそれもある。
(発明が解決しようとする課題) 上記したように、ポリビニルアルコール水溶液に触媒
とアセトアルデヒドとを添加してポリビニルアルコール
とアセトアルデヒドとを反応させ、反応物であるアセタ
ール化物を所定温度で所定時間保持することにより、ポ
リビニルアセトアセタール樹脂を製造する方法におい
て、得られる樹脂の粒径にバラツキを生じる原因は以下
のように推測される。
つまり、ポリビニルアルコールとアセトアルデヒドと
が反応する際の温度の変動は、アセタール化度の上昇度
合を変動させ、そのアセタール化度の上昇度合の変動は
析出する樹脂の一次粒子の大きさを変化させる。そし
て、この一次粒子の大きさの変化が樹脂粒子のその後の
粒径分布を決定づける主要な要因となっているのであ
る。従って、得られる樹脂の粒度分布を狭くするために
は、反応温度を厳格に制御しなければならない。ところ
が、このような反応温度を厳格に制御するためには、攪
拌熱、外気温度、反応熱など内的、外的要因を全て制御
する必要があって、設備費が高くなる欠点がある。
さらに、上記のように水相中での反応においては、樹
脂粒子は反応工程で所定の粒子形状に作られるが、反応
工程の後工程、例えば、中和、洗剤、脱水、乾燥工程等
での攪拌、振動、遠心分離等の機械的・物理的外力によ
り、粒子が相互に合着したり、粉砕されるため、樹脂の
粒径がばらつき易いという欠点もある。
本発明は上記欠点を解決するものであり、その目的
は、アセタール化度が高く、しかも粒径分布の狭いポリ
ビニルアセトアセアール樹脂を厳格な温度制御を必要と
しない比較的安価な設備で、比較的短時間に製造するこ
とができるポリビニルアセトアセタール樹脂の製造方法
を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明のポリビニルアセトアセタール樹脂の製造方法
は、酸触媒下、水相中でポリビニルアルコールとアセト
アルデヒドとを反応させてポリビニルアセトアセタール
樹脂を製造する方法であって、前記アセトアルデヒドの
全量をポリビニルアルコールと混合して終わる前、又は
アセトアルデヒドの全量をポリビニルアルコールと混合
すると同時に、炭素数3以上のアルデヒドをポリビニル
アルコール中のビニルアルコールユニット2モルに対し
て0.002モル〜0.2モル混合する工程と、ポリビニルアル
コールとアセトアルデヒド及び炭素数3以上のアルデヒ
ドとの反応によってアセタール化物が析出した後、該反
応系を40〜75℃の温度に保つ工程と、を包含しており、
そのことにより上記目的が達成される。
以下に、本発明を詳細に説明する。
まず、ポリビニルアルコールを水に完全に溶解させ、
またこの水に酸触媒を加えてポリビニルアルコール水溶
液を調製する。ここで、ポリビニルアルコールは、重合
度300〜3500のものが通常使用され、ケン化度88.0〜99.
5モル%のものが好適に使用される。水に溶解されるポ
リビニルアルコールの量は、水溶液に対して4〜15重量
%とするのが好ましい。酸触媒の添加量は、通常、水溶
液に対して4〜10重量%とする。酸触媒の添加量が水溶
液に対して4重量%未満の場合には、一般にアセタール
化が充分に進行せず製造時間が長くなり、10重量%を越
える場合には、過剰の酸によってアセトアルデヒドがア
ルドール縮合を起こすため、得られるポリビニルアセト
アセタール樹脂が着色するおそれがある。使用し得る酸
触媒には、例えば、塩酸、硫酸、硝酸があり、特に塩酸
が好ましい。
次に、このようにして調製したポリビニルアルコール
水溶液とアセトアルデヒド及び炭素数3以上のアルデヒ
ドとを混合して、ポリビニルアルコールとアセトアルデ
ヒド及び炭素数3以上のアルデヒドとを反応させる。炭
素数3以上のアルデヒドは、アセトアルデヒドの全量を
ポリビニルアルコール水溶液と混合し終わる前、又はア
ルデヒドの全量をポリビニルアルコール水溶液と混合す
ると同時に、該水溶液と混合してポリビニルアルコール
と反応させる。
ここで、ポリビニルアルコールとアセトアルデヒド及
び炭素数3以上のアルデヒドとを混合する形態は、例え
ば、以下の方法を採用することができる。
タンクに入れたポリビニルアルコール水溶液に炭素数
3以上のアルデヒドの全量を投入し、所定時間の後、こ
のタンク内にアセトアルデヒドの全量を投入して反応に
供する。
タンクに入れたポリビニルアルコール水溶液に、炭素
数3以上のアルデヒドの全量とアセトアルデヒドの全量
とを同時に投入することにより、ポリビニルアルコール
と炭素数3以上のアルデヒド及びアセトアルデヒドとを
共に反応に供する。
ここにおいて、炭素数3以上のアルデヒドとアセトア
ルデヒドとを同時に投入するとは、次の場合を含めるも
のとする。
上記の場合を除いて、タンク内に炭素数3以上のア
ルデヒドを投入した直後に、アセトアルデヒドを投入す
る場合、タンク内にアセトアルデヒドを投入した直後に
炭素数3以上のアルデヒドを投入する場合、およびタン
ク内に炭素数3以上のアルデヒドとアセトアルデヒドと
を所定時間内で一緒に投入する場合、炭素数3以上のア
ルデヒドとアセトアルデヒドとを混合した混合アルデヒ
ドをタンク内に投入する場合等。
タンクに入れたポリビニルアルコール水溶液に、アセ
トアルデヒドを所定時間をかけて投入すると共に、その
アセトアルデヒドの投入の間に炭素数3以上のアルデヒ
ドをタンク内に投入する。またはこの逆の場合。
タンクに入れた炭素数3以上のアルデヒドまたは/及
びアセトアルデヒドにポリビニルアルコールを投入する
場合。
なお、タンク内に入れられた各液体は通常の攪拌装置
によって常時攪拌・混合するのが好ましいが、上記各液
体の投入の際、あるいは投入時と含めた反応の際に攪拌
を停止したり、攪拌速度を遅くしても良い。
本発明で使用し得る炭素数3以上のアルデヒドとして
は、例えば、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒ
ド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルア
ルデヒド、ベンズアルデヒド、ベンズアセトアルデヒド
等が挙げられるが、例示したものに限らない。この炭素
数3以上のアルデヒドは上記した各アルデヒドを単独で
用いてもよく、あるいは併用することもできる。炭素数
3以上のアルデヒドの添加量は、ポリビニルアルコール
中のビニルアルコールユニット2モルに対して0.002モ
ル〜0.2モル、より好適には0.005モル〜0.15モルとす
る。添加量が、0.002モルを下回る場合には、後述する
ように得られるポリビニルアセトアセタール樹脂の粒径
分布を狭くする効果は小さい。0.2モルを越える場合に
は、相対的にアセトアルデヒドによる樹脂のアセタール
化部分の割合が低下するため、ポリビニルアセトアセタ
ール樹脂の特性が得られ難い。
アセトアルデヒドの添加量は、良好な物性を得るため
にビニルアルコールユニット2モルに対して0.7〜2.2モ
ルとするのが好ましい。さらに、反応温度は8〜17℃の
範囲で実施するのが好ましい。
このようにしてポリビニルアルコールと炭素数3以上
のアルデヒド及びアセトアルデヒドとを反応させると、
アセタール化が徐々に進行して反応物であるアセタール
化物が水溶性から非水溶性へ変化していくためにアセタ
ール化物が比較的容易に析出してくる。ここで、反応温
度が8℃未満の場合には、アセタール化物の析出に長時
間を要する上に、得られるポリビニルアセトアセタール
樹脂の粒径にバラツキを生じ易く、反応温度が17℃を越
える場合には、アセタール化物の溶解限界点が低下する
ため、低アセタール化物の析出を生じる傾向にある。こ
の低アセタール化物は巨大粒子状となっており、アセト
アルデヒドがさらに反応し難いため、アセタール化がそ
れ以上進行することがなく、従って、高アセタール化度
のポリビニルアセトアセタール樹脂が得られないことと
なる。
次に、アセタール化物が析出した後、反応系を40〜75
℃の温度範囲で1時間以上保つのが好ましい。すなわ
ち、40〜75℃の温度範囲内の所定温度で、通常の温度制
御装置を用いた温度制御で1時間以上保つのが好まし
い。この析出後の保持温度が低過ぎる場合には、粒子を
物理的に壊れ難くする効果が小さく、また析出後の保持
温度が高過ぎる場合には、得られる樹脂が粗大化し、粒
径の大きいものが得られることになる。また、恒温保持
時間が1時間未満では、一般にその粒子安定効果は乏し
い。
その後、通常行われている方法で、酸触媒の中和、塩
の除去、未反応アルデヒドの除去を行い、乾燥工程を経
て粉末状のポリビニルアセトアセタール樹脂が得られ
る。このようにして製造されたポリビニルアセトアセタ
ール樹脂のアセタール化度は、一般に65モル%以上であ
り、アセトアルデヒドによるアセタール化部分の割合は
通常、全アセタール化部分の約80重量%以上、好ましく
は85重量%以上とされる。また、粒子の平均粒径は殆ど
の場合、30〜55μmである。さらに、粒子の粒度分布を
示す指標として、この樹脂に含まれる100μm以上の粗
大粒子を測定すると、該粗大粒子の割合は樹脂全体量の
0.3重量%以下、10μm以下の微細粒子を測定すると、
該微細粒子は樹脂全体量の0.3重量%以下である。な
お、上記した反応の諸条件については、適宜変更するこ
とができ、反応条件の範囲外であっても、本発明の趣旨
を逸脱するものではない。
上記したように、炭素数3以上のアルデヒドをポリビ
ニルアルコールに添加することにより、炭素数3以上の
アルデヒドによるビニルアセタール環が形成され、ここ
で生成するアセタール化部分は疎水性であるので、従来
のようにポリビニルアルコールとアセトアルデヒドとだ
けを反応させる場合に比べて、アセタール化物が析出し
易いと共に、均一な粒径のアセタール化物が析出し易い
のである。これは、炭素数3以上のアルデヒドの添加に
より、疎水性のアセタール化部分が形成されてアセター
ル化物全体の水に対する溶解限界点(水に対する限界ア
セタール化度)が低下することと、早期に均一な核を形
成しつつアセタール化物が析出することに起因するもの
と推察される。
また、本質的に脱アセタール化をおこしやすいアセト
アセタール化部分は、炭素数3以上のアルデヒドを添加
すると、炭素数3以上のアルデヒドによるアセタール環
とその側鎖の存在が、脱アセタールに伴う分子間アセタ
ール化反応を防ぐ役割をするので、脱アセタール化反応
を起こし難くなり、溶剤溶解性を改善することとなる。
さらに、上記のようにアセタール化物が析出した後、
所定の温度条件で保つことにより、得られたポリビニル
アセトアセタール樹脂の粒子を壊れ難いものとすること
ができ、上記反応工程以降の各工程において、該粒子が
物理的外力の作用を受けたとしても、粒子が相互に合着
したり、粉砕されるてその粒径が変化するのを防止する
ことができる。つまり、析出した直後の樹脂の一次粒子
(アセタール化物)は、未反応の水酸基の周辺に水が接
近して存在していて水和している状態であるので、非常
に脆く、またこのような状態でアセタール化反応が進行
したとしても、水が粒子の分子内又は分子間に取り込ま
れた状態となっていて、水がその粒子から有効に排除さ
れ難い。そこで、上記のようにアセタール化物が析出し
た後、その反応系を40〜75℃にて恒温保持することによ
り、樹脂分子同志の接近を可能とし、水を粒子から有効
に排除することができ、粒子を物理的に壊れ難くするこ
とで各工程での操作等によって粒径が変化するのを防止
することができる、と推察される。
このようにして得られたポリビニルアセトアセタール
樹脂は、粒度分布が狭く、また耐熱性及び溶剤溶解性に
優れているので、例えば耐熱性に優れた接着剤用樹脂と
して用いることができる。
(実施例) 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
尚、樹脂の組成分析は,先ずJIS K6728「ポリビニル
ブチラール試験方法」に準拠して、2種のアルデヒドに
よってアセタール化された部分の重量%を,滴定法によ
って算出した。また、同じくJIS K6728に基づいてビニ
ルアセテート部分の割合(重量%)を算出した。
一方、樹脂を流延法等により厚さ数十μm程度の膜に
調製し、その赤外吸収スペクトルから混合アルデヒドの
それぞれのアルデヒドによるアセタール化部分の割合を
算出した。またポリビニルアルコールの重合度は,実施
例4で1700、実施例7で1000のものを用いた以外は比較
例も含めて全て2400のものを用いた。
実施例1 攪拌羽根を備えた5のセパラブルフラスコに純水28
10gを入れ、これにポリビニルアルコール(重合度240
0、ケン化度98.8モル%)220gを加えて攪拌することに
より、ポリビニルアルコールを水に完全に溶解させた。
次に、この溶液を20℃に保ち、これに35重量%濃度の塩
酸645gを加えた。その後、液温を10℃まで下げて、この
フラスコ内にブチルアルデヒドを3.6g(ポリビニルアル
コール中のビニルアルコールユニット2モルに対して0.
02モル)添加した。添加後、5分間放置し、次いでフラ
スコ内にアセトアルデヒド143gを加えたところ、50分後
にアセタール化物が析出した、続いて、この反応系を60
℃に昇温して2時間この温度で保った後、水洗及び中和
して、溶液に含まれる触媒、塩及び未反応のアルデヒド
を除去し、微粒子状のポリビニルアセトアセタール樹脂
を得た。
得られた樹脂のアセタール化度は75.7モル%であっ
た。また、この樹脂の平均粒径は40μmであった。この
樹脂に含まれる100μm以上の粗大粒子は樹脂全体量の
0.05重量%、10μm以下の微細粒子は樹脂全体量の0.1
重量%であった。
実施例2〜7 表1に示すように、ポリビニルアルコールの重合度、
反応温度、ビニルアルコールユニット2モルに対するア
セトアルデヒドの添加モル数、炭素数3以上のアルデヒ
ドの種類とその添加量、アセトアルデヒドの投入時を基
準とした時の炭素数3以上のアルデヒドの投入時期及び
析出後の恒温保持条件等を変えた以外は、実施例1と同
様にして微粒子状のポリビニルアセトアセタール樹脂を
製造した。但し、塩酸触媒の添加量は、実施例3及び7
では水溶液濃度が5重量%、実施例4では4重量%とし
た以外は全て6重量%になる量とした。また、得られた
樹脂の平均粒径、粗大粒子及び微細粒子を実施例1と同
様にして測定した。それらの結果を表1にまとめて示
す。
比較例1 添加するブチルアルデヒドの量をビニルアルコールユ
ニット2モルに対して0.001モルとした以外は、実施例
1と同様にしてポリビニルアセトアセタール樹脂を製造
した。
得られた樹脂の平均粒径、粗大粒子及び微細粒子を実
施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。比較
的1の樹脂の平均粒径は、各実施例の平均粒径とほぼ同
等であるが、比較的1の樹脂に含まれる粗大粒子及び微
細粒子の割合は、各実施例と比較して多く、樹脂の粒度
分布が広いことが分かる。また、析出に要する時間が長
い。
比較例2 ブチルアルデヒドを添加しないで実施し、かつ樹脂粒
子析出後の恒温保持温度を35℃とした以外は実施例1と
同様にしてポリビニルアセトアセタール樹脂を製造し
た。得られた樹脂の平均粒径、粗大粒子及び微細粒子を
実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。比
較例2の樹脂の平均粒径は、各実施例の平均粒径とほぼ
同等であるが、比較例2の樹脂に含まれる粗大粒子及び
微細粒子の割合は、各実施例と比較して多く、樹脂の粒
度分布が広いことが分かる。また、析出に要する時間が
長い。
比較例3及び4 炭素数3以上のアルデヒドの投入時期及び析出後の恒
温保持条件を変えた以外は、実施例1と同様にして微粒
子状のポリビニルアセトアセタール樹脂を製造した。
得られた樹脂の平均粒径、粗大粒子及び微細粒子を実
施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。比較
例3の樹脂の平均粒径は、非常に大きくなっており、し
かも比較例3の樹脂に含まれる粗大粒子及び微細粒子の
割合は、各実施例と比較して多く、樹脂の粒度分布が広
いことが分かる。また、比較例4では樹脂の析出時間が
長く、得られた樹脂の粒度分布も広いものであった。
(発明の効果) このように、本発明によれば、炭素数3以上のアルデ
ヒドをポリビニルアルコールに対して所定量添加してい
るので、反応温度に大きく影響されることなくほぼ均一
な粒径のアセタール化物を短時間に析出させて、ポリビ
ニルアセトアセタール樹脂の粒径分布を狭めることがで
きる。しかも、アセタール化物が析出した後、所定の温
度条件で保っているので、得られたポリビニルアセトア
セタール樹脂の粒子を壊れ難いものとして、粒径がばら
つくのを防止することもできる。
従って、従来のように、反応温度が厳格に制御する高
価な設備を必要とすることなく、高アセタール化度を有
し、且つ粒度分布の狭いポリビニルアセトアセタール樹
脂を短時間に得ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸触媒下、水相中でポリビニルアルコール
    とアセトアルデヒドとを反応させてポリビニルアセトア
    セタール樹脂を製造する方法であって、 前記アセトアルデヒドの全量をポリビニルアルコールと
    混合し終わる前、又はアセトアルデヒドの全量をポリビ
    ニルアルコールと混合すると同時に、炭素数3以上のア
    ルデヒドをポリビニルアルコール中のビニルアルコール
    ユニット2モルに対して0.002モル〜0.2モル混合する工
    程と、ポリビニルアルコールとアセトアルデヒド及び炭
    素数3以上のアルデヒドとの反応によってアセタール化
    物が析出した後、該反応系を40〜75℃の温度に保つ工程
    と、を包含するポリビニルアセトアセタール樹脂の製造
    方法。
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