JP2592397B2 - 耐焼付性,耐摩耗性に優れた摺動材料用アルミニウム青銅 - Google Patents
耐焼付性,耐摩耗性に優れた摺動材料用アルミニウム青銅Info
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Description
材料に適した耐焼付性,耐摩耗性に優れたアルミニウム
青銅に関するものである。
BC系,LBC系,PBC系のものが多く使用されてい
るが、これらの材料はいずれも強度が弱いので、近年の
連続的高速・高圧条件のような過酷な条件下に使用する
摺動用材料としては不十分である。また、AlBC系や
HBSC系のものは強度面では優れているものの、耐焼
付性に問題がある。
定されているものは、上記したようにいずれも過酷な条
件下で使用する摺動用材料としては満足できるものでは
ない。また、銅合金のなかでアルミニウム青銅系のもの
は、機械的強度,特に疲労強度には優れているものの、
耐焼付性は大変劣る。
材料にあった問題点を解決し、耐摩耗性と耐焼付性を高
いレベルで両立させることのできる摺動材料用アルミニ
ウム青銅を提供することを目的としている。
ために、本発明の摺動材料用アルミニウム青銅は、 Al:6〜11重量%, Mn:3〜8重量%, Si:1〜4重量%, Ni,Coのうちの1種又は2種:0.5〜3.0重量
%, を含有し、残部をCuおよび不可避的不純物からなるも
のを熱処理したことを要旨としているのである。
ム青銅系は、機械的強度,特に疲労強度は最も優れてい
るが、耐焼付性は大変劣る。本発明は、この耐焼付性を
改善するために、上記した成分構成とすることで、Cu
−Al系合金のα+β相、或いはβ相の母材に微細なマ
ンガン珪化物を分散させて耐焼付性,耐摩耗性を向上さ
せようとしているのである。但し、マンガン珪化物(Mn
5Si3)は鋳放し状態では一般に針状組織であり機械的強
度が不足するので、熱処理を施してマンガン珪化物(Mn
5Si3)を微細粒状組織となすことで、耐力ならびに疲労
強度を向上させ、耐摩耗性と耐焼付性の両者を高いレベ
ルで両立させているのである。なお、本発明における熱
処理とは、アルミニウム青銅系材料における通常の温度
範囲内の焼入,焼戻しをいう。
銅における化学組成の限定理由を説明する。Al:Al
は母地のα/βの比率を調整でき、引張特性を大きく作
用する。Cu−Al二元合金においてはAl量の増加に
伴って引張強さは増大するが、11重量%を超えて含有
すると、γ2 相が析出して引張強さを低下させる。ま
た、6重量%未満であると600N/mm2 以上の引張
強さが得られない。従って、本発明ではAlの含有量を
6〜11重量%としている。
化物を構成する主要な元素であり、Siとの配合比によ
って含有量が定まるものではあるが、マンガン珪化物
(Mn5Si3)が多くなりすぎると延性が低下するので、8
重量%以下としている。また、3重量%未満ではマンガ
ン珪化物が少なすぎて耐焼付性が低下する。従って、本
発明ではMnの含有量を3〜8重量%としている。本発
明者の実験では、更に好ましい範囲は6〜7重量%であ
る。
Mnとでマンガン珪化物(Mn5Si3)を構成する主要な元
素であり、Mnとの配合比によって含有量が定まるもの
ではあるが、Siが1重量%未満ではマンガン珪化物が
少なく耐焼付性,耐摩耗性が低下する。一方、4重量%
を超えると延性が低下する。従って、本発明ではSiの
含有量を1〜4重量%としている。
(γ2相の析出を防止)させると同時に耐食性を向上さ
せる元素であり、またCoは母地の組織の微細化と、N
iと同様にγ2相の生成を抑制することによる機械的性
質を改善させる元素であるが、いずれも0.5重量%未
満ではその効果が低い。一方、Niは3重量%を超える
とNiを主成分とする析出物が現れて延性を低下させ、
またCoは3重量%を超えるとその効果が飽和する。従
って、本発明ではNi,Coのうちの1種又は2種の含
有量を0.5〜3.0重量%としている。
の実施例を比較例と対比しながら説明する。なお、これ
らの実施例は本発明摺動材料用アルミニウム青銅の効果
を示す例示であって、本発明の技術的範囲を何等制限す
るものではないことは勿論である。
ルミニウム青銅を溶解して、それぞれの試験片に準拠し
た形状の金型に鋳込み、JIS Z 2201に規定する4号試験
片、直径22mm,厚さ5mmの円板4、及び図1に示
す形状のVブロック1を製造して各種試験を行った。そ
の結果を表3及び表4に示す。なお、表1及び表2中に
おける熱処理材とは、850℃で2時間加熱した後油冷
し、続いて525℃で2時間保持した後空冷処理したも
のである。
である。そして、この表1に示す実施例における各種試
験結果を示したのが表3である。また、同様に表2は本
発明の比較例で、No.11〜21は本発明の成分含有
量から外れたもの、No.22は特殊高力黄銅、及びN
o.23〜25はJISに規定された材料であり、表2
中のNo.11〜21は*印を付した点において本発明
の範囲から外れている。そして、この表2に示す比較例
における各種試験結果を示したのが表4である。
る試験は、図1に示すように、300rpmで回転させ
た状態のS45C(機械構造用炭素鋼鋼材)の表面を高
周波焼き入れしてロックウェル硬度HRCを57.0と
したピン2を、試験片である2個のVブロック1で所定
の荷重を作用させて挟持することによって行うものであ
り、焼付性(F値)は初期荷重を200kgfに設定し
た後、16kgf/秒で荷重を増加し、焼付を生じるま
での荷重とトルクを計測・記録し、下記数式1によって
求める。そして、このF値が大きい程焼付性が良好であ
ると判定する。
200kgf,500kgfでの一定荷重を作用させて
10分間試験を行った後、摩耗減量(mg)を測定し、
比重より摩耗量(mm3 )を求めた。
すように、直径が6mmであるボール(SUJ2)3を
試験片である円板4上の半径7.5mmの位置に500
gfで押しつけ、円板4を250rpm(周速度11.
78m/分)で1062回転(走行距離50m)回転さ
せた時の前記ボール3のホルダーを保持している弾性ブ
レードの変形によって求めた。
S Z 2241に規定する引張試験方法により、またブリネル
硬さはJIS Z 2243に規定するブリネル硬さ試験方法によ
り、また疲労強度は小野式回転曲げ疲れ試験方法によっ
て行った。
1ではそれぞれAl,Mn,Si,Ni,Coの含有量
のどれかが本発明の範囲を外れているので、表4より明
らかなように、耐焼付性,耐摩耗性等のいずれかに着眼
した場合には本発明よりも優れているものもあるが、耐
焼付性と耐摩耗性が高いレベルで両立していない。
量は本発明の範囲内であるが、本発明のように熱処理を
行わず鋳放しのままであるので、機械的性質が劣ってい
る。また、No.13は耐焼付性,摩擦係数は優れてい
るが、Niを主成分とする析出物が相手材の摩耗を促進
し、相手材の摩耗量が多くなるという問題がある。ま
た、No.14は本発明の実施例にPbを添加したもの
で滑り性能は優れているが、その反面摩耗量が多くなっ
ている。
iを主成分とする析出物が現れてマンガン珪化物の効果
がうすれるため、摩耗量が多く摩擦係数も高い。また、
No.16・17はAlの含有量が本発明の範囲を外れ
ており、さらに、No.16ではNi,Coのいずれも
含有していないので必要な引張強さが得られない。また
No.18・19は特にMnの含有量が本発明の範囲外
で、耐焼付性,摩耗量,摩擦係数が劣っている。またN
o.20はNi,Coのいずれも含有しておらず、か
つ、Siの含有量がMnの含有量に比べて少なすぎるの
で耐焼付性,摩耗量が劣っている。No.23〜25は
それぞれJISに規定されたものであるが、本発明の実
施例よりも機械的性質や耐焼付性,耐摩耗性等が劣って
いる。
必要な引張強さが得られなかったので、疲労強度,焼付
性等の試験は行わなかった。また、No.21は熱処理
時にクラックが発生し、試験片を製作できなかったの
で、各種試験を行っていない。
実施例は、いずれも耐焼付性,耐摩耗性に優れ摩擦係数
も低いので、摺動用材料として適しているのが判る。ま
た、その他の機械的性質についても本発明の実施例は十
分満足できる値を示している。すなわち、本発明では耐
焼付性と耐摩耗性が高いレベルで両立している。
ウム青銅は耐摩耗性と耐焼付性を高いレベルで両立させ
ることができるので、過酷な条件であっても摺動材料用
部材として長期間にわたって使用が可能となる。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 Al:6〜11重量%, Mn:3〜8重量%, Si:1〜4重量%, Ni,Coのうちの1種又は2種:0.5〜3.0重量
%, を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなるも
のを熱処理したことを特徴とする耐焼付性,耐摩耗性に
優れた摺動材料用アルミニウム青銅。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP5289236A JP2592397B2 (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | 耐焼付性,耐摩耗性に優れた摺動材料用アルミニウム青銅 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5289236A JP2592397B2 (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | 耐焼付性,耐摩耗性に優れた摺動材料用アルミニウム青銅 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07138680A JPH07138680A (ja) | 1995-05-30 |
JP2592397B2 true JP2592397B2 (ja) | 1997-03-19 |
Family
ID=17740550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP5289236A Expired - Lifetime JP2592397B2 (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | 耐焼付性,耐摩耗性に優れた摺動材料用アルミニウム青銅 |
Country Status (1)
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-
1993
- 1993-11-18 JP JP5289236A patent/JP2592397B2/ja not_active Expired - Lifetime
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