JP3919076B2 - 転がり軸受およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、転がり軸受や直動軸受、ボールネジ、シャフト等の転動装置に関するものであり、特に精密機器への適用に最適な転がり軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から精密機器には転がり軸受が用いられており、また近年ではハードディスク等のコンピューター周辺機器やVTRに転がり軸受が用いられている。そしてこれらの分野で用いられている比較的小型の転がり軸受は、他の用途でそれほど問題とならなかった静粛性が大きな問題となっている。
【0003】
従来、前記転がり軸受には高炭素クロム鋼(SUJ)またはSUS440C級のステンレス鋼が用いられていた。高炭素クロム鋼(SUJ)は静粛性に優れるが、耐食性に関して劣り、SUS440Cは耐食性には優れているが静粛性の点で劣るものであった。
【0004】
これに対して例えば特開昭61−163244で開示された中炭素13%クロム鋼は高炭素クロム鋼(SUJ)の耐食性を、SUS440Cの静粛性を改善したものとして広く一般的に使用されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年ハードディスク等のコンピューター周辺機器類は例えば1インチ当たりのトラック数が25000以上の大容量化、そして高速化に伴い静粛性の要求は前記の中炭素13%クロム鋼が開示された時点に対して非常に高いレベルになってきている。
【0006】
上述した特開昭61−163244に開示される転がり軸受は、従来の高炭素クロム鋼(SUJ)やSUS440Cに対して、化学成分と共晶炭化物のサイズ、量を規定することにより、従来の転がり軸受に対して、静粛性、耐食性を改善することができたが、近年の使用環境の飛躍的な進歩による、より高い静粛性の要求レベルを必ずしも満足しなくなってきた。
【0007】
本発明の目的は、例えば10000rpm以上の回転数であっても静粛性を飛躍的に改善するとともに、従来と同等の耐食性を有し、VTR、コンピューター周辺機器、精密計器類の性能向上にとって欠くことのできない転がり軸受を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、静粛性に及ぼす炭化物、硬さの影響を検討し、以下の構成を採用することで静粛性を大きく改善できることを見いだした。そして、その達成するに好ましい化学成分、更には熱処理方法といった製造方法の詳細をも確立し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち本発明の転がり軸受は、アウターレースとインナーレースとの間に複数個の転動体を介装した転がり軸受において、前記アウターレース、インナーレースおよび転動体の少なくとも一つが、質量%で、C:0.40〜0.60%、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以下、Cr:8.0〜9.52%を含み、残部Feおよび不純物からなる鋼からなり、焼入れ温度1000℃以上、サブゼロ処理温度−70℃以下、焼戻し温度150〜200℃の熱処理を行なうことにより、硬さが740HV以上であり、含有する炭化物が長径で1.2μm以下、面積率で0.5〜3.5%、炭化物の短径/長径が0.9〜1.0であることを特徴とする転がり軸受である。
【0010】
上記の鋼については、具体的には、C:0.40〜0.60%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.1〜0.5%、Cr:8.0〜9.52%を含み、残部Feおよび不純物を含有する鋼からなること、さらにはその鋼が、W、Moの1種または2種を1/2W+Moで0.1〜2.0%含む鋼からなること、あるいは、Nb、Vの1種または2種を1/2Nb+Vで0.05〜0.50%含む鋼からなることが好ましい。加えて、N:0.05%未満、Al:0.01%以下、O:50ppm以下であることが望ましい。
【0011】
そして、本発明の転がり軸受の製造方法は、上述した転がり軸受の製造方法において、質量%で、C:0.40〜0.60%、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以下、Cr:8.0〜9.52%を含み、残部Feおよび不純物を含有する鋼素材に焼入れ温度1000℃以上、サブゼロ処理温度−70℃以下、焼戻し温度150〜200℃の熱処理を行ない、前記アウターレース、インナーレースおよび転動体の少なくとも一つとすることを特徴とする転がり軸受の製造方法である。鋼素材については、勿論、上述の化学組成も適用が可能であり、好ましくは再溶解法または連続鋳造法により溶製した鋼素材、さらに具体的には減面率15%以上の冷間引抜きにより得た鋼素材とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の転がり軸受の炭化物サイズおよびその限定理由を述べる。
前述の特開昭61−163244で開示された中炭素13%クロム鋼は溶鋼が凝固する際に共晶反応によって生ずる共晶炭化物のサイズおよび量を限定することによって従来のものに対して静粛性を改善させた。しかし、本発明は静粛性のより高い要求レベルを満足するために、熱処理後の未固溶炭化物のサイズおよび量を限定したことが大きな特徴である。
【0013】
転がり軸受は、焼なまし状態の鋼を塑性加工等により荒形状とし、その後、熱処理、仕上げ加工を行なうのが一般的であるが、熱処理後に焼なまし状態で存在していた炭化物が一部固溶せず残留する。この未固溶炭化物は熱処理時の結晶粒成長を抑制して転がり軸受の強度と靭性を兼備させるとともに、耐摩耗性を付与させるため有益であるが、粗大な炭化物が軸受のレースのトラック面、または転動体の表面に現れた場合、この炭化物と周囲の基地との被削性の差により正しい仕上げ面形状となりがたく静粛性を低下させる。
【0014】
このため炭化物の大きさを極力小さくすることが必要である。よって本発明では長径で1.2μm以下、好ましくは0.8μm以下とする。また、静粛性に関わる仕上げ面性状について、研磨後の極微小な凹凸が方向性をもたないようにするため、その炭化物の短径/長径の比を0.9〜1.0とする。軸受の組織中に分散する炭化物については、従来の手法によるものが鋼材の溶製時の凝固過程にて溶鋼から晶出する共晶炭化物を対象に調整されてきたところ、本発明の場合、焼なまし時に析出する炭化物を主体に調整するものであることから、上記の炭化物形態を容易に達成することが可能である。
【0015】
炭化物はそのサイズを上記理由により限定するほか、トラック面等に粗大なものが出現する可能性を低下させるために、絶対量をも制限することが必要であり、本発明では面積率で3.5%以下、好ましくは2.5%以下とする。なお、本発明においては、軸受として適度な耐摩耗性を付与させることと、研磨性、耐食性、疲労特性を低下させない炭化物の面積率として、0.5%以上とし、短径0.2μm以上の炭化物としてもよい。
【0016】
次に硬さの限定理由について述べる。
硬さは基本的に軸受の耐久性を付与するため必要である。さらに硬さが低いと仕上げ加工時に基地が傷ついてしまい正しい仕上げ面形状となりがたく静粛性を低下させる。よって本発明では740HV以上とする。好ましくは760HV以上とする。なお、硬さの上限を設定する必要はないが、使用する研磨砥粒の硬さからすれば、上限を考慮しておくべきである。例えば硬さが1500HV以上の研磨砥粒が使用されることを考慮すれば、これら鋼系の素材で製造された軸受が1000HVを超えることはなく、製造性の面で決定されるものである。
【0017】
次に材料組成の限定理由を述べる。
Cは硬さを付与するために必須の元素であり、このためには0.40%以上が必要である。しかし多すぎると粗大な炭化物が増加して静粛性、被削性、耐食性を低下させるので0.60%以下とする。
【0018】
Siは耐摩耗性を増大させる効果があり、0.1%以上の含有が好ましい。しかし、過剰になると加工硬化を増長し、被削性を低下させるので上限を0.5%とする。
【0019】
Mnは焼入れ性を向上させる効果があり、0.1%以上の含有が好ましい。しかし、過剰になると残留オーステナイト量が増加して熱処理硬さが低下する。このため0.5%以下とする。
【0020】
Crは基地に固溶して耐食性を増す。このためには8.0%以上必要である。Crの一部はCと結合して熱処理後に未固溶炭化物となるが多すぎると粗大な炭化物が増加し、熱処理硬さが低下するのでC含有量との関係で9.52%以下とする。
【0021】
W、Moは耐摩耗性向上のために1/2W+Moで0.1%以上添加して良い。しかし多すぎても効果の増大が認められず、コストが高くなるので添加する場合は2.0%以下とした。
【0022】
Nb、Vは耐摩耗性向上、結晶粒微細化のために1/2Nb+Vで0.05%以上添加して良い。しかし多すぎると粗大炭化物が出現して静粛性、被削性を著しく低下させるので添加する場合は0.50%以下とした。
【0023】
なお、Nは鋼に添加された合金元素と結びついて硬い窒化物を生成したり、炭化物に固溶して炭化物の硬さを増加させる。この窒化物や窒素を固溶した炭化物と周囲の基地との被削性の差により正しい仕上げ面形状となりがたく静粛性を低下させるので0.05%未満とするのが好ましい。
【0024】
さらに、鋼中に含まれるAl系の酸化物は転がり軸受の疲労寿命を低下させるのでAlは0.01%以下、Oは50ppm以下とするのが好ましい。
【0025】
なお、本発明の転がり軸受の場合、その構成するアウターレース、インナーレースおよび転動体の少なくとも一つが本発明の提案する上記の鋼であれば、本発明の効果を得ることができる。例えば、転動体に本発明の提案する上記の鋼を適用し、アウターレース、あるいはインナーレースに高炭素クロム鋼(SUJ)やSUS440C級のステンレス鋼、そして述べた中炭素13%クロム鋼といった従来から使用・提案されている鋼を適用してもよく、その他の組み合わせにて本発明の転がり軸受としてもよい。本発明に好ましくは、アウターレース、インナーレースおよび転動体の全てを本発明の提案する上記の鋼にて構成した転がり軸受である。
【0026】
次に本発明の転がり軸受の製造方法について述べる。
本発明の転がり軸受の場合、その構成するアウターレース、インナーレースおよび転動体の少なくとも一つが本発明の提案する上記の鋼であれば、本発明の効果を得ることができる。この場合、その部位に適用する鋼の炭化物形態が重要であって、その達成のためにも好ましい化学成分、そして、製造工程、特に熱処理工程が重要となる。
【0027】
すなわち、本発明の各部位を構成する鋼においては、特にその熱処理後に残留する未固溶炭化物について粗大なものを抑制する手段を確立することが重要である。そこで、本発明者らは、上記の化学組成に合わせて、熱処理条件をも詳細に見直すことでその達成に有効な手法を見いだした。具体的には、本発明の化学組成を有する鋼素材に焼入れ温度1000℃以上、サブゼロ処理温度−70℃以下、焼戻し温度150〜200℃の熱処理を行ない、前記アウターレース、インナーレースおよび転動体の少なくとも一つとするものである。
【0028】
まず、焼入温度は本発明の軸受に必要な硬さと耐食性を得るために1000℃以上、望ましくは1020℃を超える温度とする。ただし、結晶粒が過度に大きくなると靭性が低下したり、焼入冷却過程で粒界に炭化物が析出すると耐食性を損なうので1070℃以下とすることが好ましい。そして、重要となるのは、焼入れ温度からの冷却に続くサブゼロ処理であって、この処理温度を−70℃以下とすることで、残留オーステナイトの残存を極力防ぐ。そして、その後の焼戻し温度については、使用時の熱安定性のために150〜200℃としている。
【0029】
なお、供する鋼素材については、粗大炭化物と同様、酸化物である介在物も静粛性を低下させることから、できるだけ少ないことが望ましい。本発明の場合、VAR(真空アーク再溶解法)やESR(エレクトロスラグ再溶解法)といった再溶解法や連続鋳造法によって溶製した鋼素材とすることが好ましい。
【0030】
また、これら各部位は、焼なまし状態の鋼を塑性加工等により荒形状とし、その後、熱処理、仕上げ加工を行なって製造するのが一般的であるが、熱処理に供される鋼素材としては、熱処理時に結晶粒、炭化物をさらに微細にできる冷間加工状態であることが望ましい。このため、更には減面率15%以上の冷間引抜きによって塑性加工された鋼素材とすることが好ましい。一例を示せば、減面率15%以上の冷間引抜きにより得た鋼素材を、例えば750〜880℃で焼鈍し、その焼鈍状態にて荒形状に加工、その後、熱処理、仕上げ加工とする一連の工程である。
【0031】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。
表1はESRにて溶製した鋼塊であり、本発明および比較例の転がり軸受の材料の化学組成を示す。ここでNo.10は上述した特開昭61−163244に開示される従来の転がり軸受の材料である。
【0032】
【表1】
【0033】
次に、本発明および比較例の転がり軸受の材料鋼塊を鍛造、圧延して熱間棒鋼とし、そして減面率20%の冷間引抜きにより断面20mm×20mmの線材に仕上げ、適宜750〜880℃の焼鈍を経て、熱処理を行った。表2に熱処理した後の硬さおよび炭化物状況を示す。熱処理条件としては、焼入れ:1050℃で30分加熱後5barガス冷、サブゼロ処理:−80℃で60分保持、焼戻し:160℃で90分加熱後空冷でそれぞれ処理した。炭化物の測定は、倍率4000倍の走査型電子顕微鏡で4000μm2の面積について炭化物の最大粒径、短辺/長辺比、面積率を測定した。
【0034】
【表2】
【0035】
図1は本発明の転がり軸受No.4に使用した鋼材の前記熱処理後の金属ミクロ組織(×4000)、図2は従来の転がり軸受No.10に使用した鋼材の前記熱処理後の金属ミクロ組織(×4000)を示す。図1に明らかなように、本発明の転がり軸受の鋼材は粗大な炭化物が存在しない緻密な組織を呈しているが、従来の転がり軸受の鋼材は図2に示すように長径が2μmを超えるような粗大な炭化物が存在している。
【0036】
これら熱処理後にて、耐摩耗性および耐食性を評価した。耐摩耗性に関しては、大越式摩耗試験によって行った。相手材はSUS440C(60HRC材)で摩擦距離400m、最終荷重67N、摩擦速度1.96m/sである。耐食性は、JIS−Z2371塩水噴霧試験を10時間行ない、発錆状況を目視で判断した。全面に発錆が広がったものは×、点状ながらひとつひとつの発錆が1mm程度径以上で大きいものを△、発錆があってもそれが小さいものを○としている。
【0037】
また、静粛性は転がり軸受を用いて回転数1000rpmにて評価を行ない、No.10を1とした時の指数で表した。数字が大きいほど静粛性が良いことを示す。転がり軸受としては、上記線材を用いて作製、同様の熱処理条件とし、図3に示すようなアウターレース1とインナーレース2との間に複数個のボール3を介装し、図中に記載した寸法(単位mm)の玉軸受を使用した。なお、アウターレース1、インナーレース2、ボール3は同じ化学組成の鋼からなる。表2にこれら諸特性の比較を併せて示す。
【0038】
表2に示す通り本発明は、耐摩耗性は従来の転がり軸受No.10に若干劣るが、耐食性は同等である。そして、静粛性は従来の転がり軸受No.10に対して著しく向上している。図1、2に示したように、本発明の転がり軸受の鋼材は粗大な炭化物が存在しない緻密な組織を呈しているが、従来の転がり軸受の鋼材は粗大な炭化物が存在しており、これが静粛性を悪化させている原因になっているものと推察される。よって、本発明の転がり軸受とすることで、その諸特性に優れることがわかる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば静粛性を飛躍的に改善するとともに従来と同等の耐食性を有する転がり軸受とすることができ、VTR、コンピューター周辺機器、精密計器類の性能向上にとって欠くことのできない技術となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受を構成する鋼材の金属ミクロ組織の顕微鏡写真である。
【図2】従来の転がり軸受を構成する鋼材の金属ミクロ組織の顕微鏡写真である。
【図3】本発明の転がり軸受の一例を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1.アウターレース、2.インナーレース、3.ボール(転動体)
Claims (12)
- アウターレースとインナーレースとの間に複数個の転動体を介装した転がり軸受において、前記アウターレース、インナーレースおよび転動体の少なくとも一つが、質量%で、C:0.40〜0.60%、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以下、Cr:8.0〜9.52%を含み、残部Feおよび不純物からなる鋼からなり、焼入れ温度1000℃以上、サブゼロ処理温度−70℃以下、焼戻し温度150〜200℃の熱処理を行なうことにより、硬さが740HV以上であり、含有する炭化物が長径で1.2μm以下、面積率で0.5〜3.5%、炭化物の短径/長径が0.9〜1.0としたことを特徴とする転がり軸受。
- 質量%で、C:0.40〜0.60%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.1〜0.5%、Cr:8.0〜9.52%を含み、残部Feおよび不純物を含有する鋼からなることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
- 鋼が、質量%にて、W、Moの1種または2種を1/2W+Moで0.1〜2.0%を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の転がり軸受。
- 鋼が、質量%にて、Nb、Vの1種または2種を1/2Nb+Vで0.05〜0.50%を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の転がり軸受。
- 鋼が、質量%にて、N:0.05%未満、Al:0.01%以下、O:50ppm以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の転がり軸受。
- 請求項1に記載された転がり軸受の製造方法において、質量%で、C:0.40〜0.60%、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以下、Cr:8.0〜9.52%を含み、残部Feおよび不純物を含有する鋼素材に焼入れ温度1000℃以上、サブゼロ処理温度−70℃以下、焼戻し温度150〜200℃の熱処理を行ない、前記アウターレース、インナーレースおよび転動体の少なくとも一つとすることを特徴とする、転がり軸受の製造方法。
- 鋼素材が、質量%で、C:0.40〜0.60%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.1〜0.5%、Cr:8.0〜9.52%を含み、残部Feおよび不純物を含有する鋼からなることを特徴とする請求項6に記載の転がり軸受の製造方法。
- 鋼素材が、質量%にて、W、Moの1種または2種を1/2W+Moで0.1〜2.0%を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の転がり軸受の製造方法。
- 鋼素材が、質量%にて、Nb、Vの1種または2種を1/2Nb+Vで0.05〜0.50%を含むことを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の転がり軸受の製造方法。
- 鋼素材が、質量%にて、N:0.05%未満、Al:0.01%以下、O:50ppm以下であることを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載の転がり軸受の製造方法。
- 再溶解法または連続鋳造法により溶製した鋼素材とすることを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載の転がり軸受の製造方法。
- 再溶解法または連続鋳造法により溶製し、減面率15%以上の冷間引抜きにより得た鋼素材とすることを特徴とする請求項6ないし11のいずれかに記載の転がり軸受の製造方法。
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