JP2591110Y2 - スポットライト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は劇場での舞台照明やＴＶ
スタジオでの照明等に使用されるスポットライトに関
し、詳しくは光学機構を内蔵する灯体の外側に装備され
るアームの取付構造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のスポットライトにおける灯体に対
するアームの取付構造は図５及び図６に示すように、灯
体16の外側面に形成されたガイド溝17にナット18を保持
したアーム取付台19が該ガイド溝に沿って移動調整自在
に取り付けられ、そうしたアーム取付台19の外側に、ア
ーム20下部の皿バネ21を有した部分が回転可能に当接さ
れ、更にアームの外側よりネジ杆22を固着した締付ハン
ドル23を前記皿バネ21、アーム取付台19を貫通してアー
ム取付台19に固着されたナット18に螺合締着すること
で、アーム20を灯体16に定着している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来の構造にあってはアームを定着する為に該アームの外
側からネジ杆を突設した締付ハンドルを用いているが、
この場合、灯体に孔を開けないようにする為にネジ杆が
螺合されるナットは灯体の外側面から浮いた状態でアー
ム取付台に支持されている。その為に、アーム取付台は
ナットを収容する為に平板を外側に折り曲げてナットの
高さ分に相当する空間部が形成されている。尚、灯体に
孔を開けた場合は、光が外に漏れないようにするための
構造を装備しなければならず、灯体の構造が複雑化し、
且つ重量増となる等の問題点を有する。

【０００４】従って、灯体の左右外側面におけるアーム
取付部分の締付ハンドルの外側面までの突出量は多く、
因って全幅も長くなり、スポットライトを並設設置する
場合に多くのスポットライトを設置出来ないといった不
具合を有する。又、灯体からの突出量が多い為にデザイ
ン上においてもスッキリしないといった問題点を有して
いた。

【０００５】本考案は上述したような従来の技術が有す
る問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするとこ
ろは、全幅が短く、狭い場所にも設置可能なスポットラ
イトを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
為に本考案が講じた技術的手段は、光学機構を内蔵する
灯体の左右外側面に形成されたガイド溝にアーム取付台
を嵌合係着して移動調整自在に取り付けると共に、該ア
ーム取付台には外側方に向けてネジ杆を起立固定し、そ
のアーム取付台の外側に門形をなしたアームの両側下部
をネジ杆に嵌合して回動可能に支持すると共に、ネジ杆
側端に締付ハンドルを締着した構成を特徴とする。

【０００７】上記のアーム取付台はガイド溝に嵌合され
る基板と、ガイド溝の外側に配置される押え板とで構成
され、両者はネジ止めによって締着し、ネジ止めを弛め
ることでアーム取付台はガイド溝に沿って前後方向に移
動調整自在とされている。又、締付ハンドルにはナット
が埋設されてネジ杆と螺合し得るように構成されてい
る。尚、アームの両側下部には従来の構造と同様皿バネ
が取り付けられている。

【０００８】

【作用】上記した手段によれば、ガイド溝に移動調整自
在に取り付けられたアーム取付台に、外側方向に向けて
ネジ杆が起立固定されているため、アームの両側下部は
該ネジ杆に外側より嵌合し、且つそのアームの外側より
締付ハンドルを前記ネジ杆に螺合することでアームの定
着が行われる。そして、ネジ杆はアーム取付台に起立固
定されるため、該取付台は平板状でよく、灯体の外側面
に近接して配置される。

【０００９】

【考案の効果】本考案のスポットライトは、光学機構を
内蔵する灯体の左右外側面に前後方向に延びるガイド溝
を形成し、その左右のガイド溝にアーム取付台を嵌合係
着して移動調整自在に取り付けると共に、該アーム取付
台には外側方に向けてネジ杆を起立固定し、そのアーム
取付台の外側に門形をなしたアームの両側下部をネジ杆
に嵌合して回動可能に支持すると共に、ネジ杆側端に締
付ハンドルを締着したものであるから、アーム取付台は
平板形態で、しかも灯体の外側面に近接して配置される
ため、アームの取付位置は従来構造に比較して灯体側に
接近させることができる。因って、アームの構造が従来
と同じであるとすれば灯体の左右外側面からの突出量は
従来品の約 2/3程になり、全幅を小さくすることができ
る。

【００１０】従って、スポットライトを設置する際、そ
れらの取付ピッチが短くなり、同じ面積に対して従来品
の設置台数よりも多く設置することができる。又、従来
品と比較して灯体の左右外側面の突出量を少なくできる
為、デザイン上においてもスッキリした外観に仕上げる
ことができる。

【００１１】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
ると、図１はスポットライトの外観を示し、１は灯体、
２は門形に形成したアームで、そのアーム２は灯体１の
左右外側面に前側から後側に亘って形成したガイド溝３
に前後方向に移動調整自在に取付けたアーム取付台４を
介して上下方向に回動可能に取り付けられている。

【００１２】灯体１は従来構造と同様、金属材を用いて
筒状に形成され、その内部には光学機構を構成する電
球、反射鏡、及びレンズ等（図示省略）が収容配置さ
れ、後側の開口部には後カバーが開閉自在に取り付けら
れている。

【００１３】灯体１のガイド溝３に取付けられるアーム
取付台４は、ガイド溝３内に嵌合されて前後方向に摺動
する基板５と、その基板５と略同形状でガイド溝３の外
側より基板５に対向配置する押え板６と、前記押え板６
の外側面に固着する円形の受け座７とで構成され、基板
５には押え板６を締着する為のビス８が外側方向に向け
て固着されており、押え板６には前記ビス８が貫通する
孔９が開設され、孔９を貫通したビス８にナット10を締
着することで灯体１のガイド溝３の縁を狭持し、アーム
取付台４が固定化される。又、押え板６の外側面に固着
される受け座７は円形の周縁に外側に突出するフランジ
を一体に突出しており、該受け座７に接合されるアーム
２に固着の皿バネが外れたりしないようにしてある。

【００１４】更に、上記した基板５の外側面の略中央位
置には外側方向に向けてネジ杆11が起立固定され、その
ネジ杆11は押え板６の中央に開口した孔を通して外側に
突出し、アーム２の両側下部が嵌合され締付ハンドル12
で締着されるようになっている。

【００１５】門形に形成されたアーム２の両側下部はプ
レス加工等によって平板状に成型され、その平板部のア
ーム取付台４と対向する面に皿バネ13がリベット等によ
って固着され、それらの中央部にはネジ杆11が貫通突出
する孔14が開口され、突出するネジ杆11に締付ハンドル
12を螺合締着し得るようになっている。

【００１６】上記締付ハンドル12はその中央の軸芯部に
ナット15が埋設固定され、ネジ杆11と螺合するように構
成されている。尚、前記したアーム取付台４においてア
ーム２側の皿バネ13を受ける受け座７を押え板６と別体
構造としたが、押え板６に環状の縁を一体に形成して受
け座を省略してもよいことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るスポットライトの一実施例を示す
側面図である。

【図２】図１の（２）−（２）線に沿える拡大断面図で
灯体内部の光学機構を省略して示す。

【図３】アーム取付部分の拡大断面図である。

【図４】アーム取付部分の分解図で一部を切欠して示
す。

【図５】従来のスポットライトにおけるアーム取付部分
の拡大断面図である。

【図６】図５に示すアーム取付部分の分解図である。

【符号の説明】

１…灯体 ２…アーム ３…ガイド溝 ４…アーム取付台 11…ネジ杆 12…締付ハンドル

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 光学機構を内蔵する灯体の左右外側面に
   前後方向に延びるガイド溝を形成し、その左右のガイド
   溝にアーム取付台を嵌合係着して移動調整自在に取り付
   けると共に、該アーム取付台には外側方に向けてネジ杆
   を起立固定し、そのアーム取付台の外側に門形をなした
   アームの両側下部をネジ杆に嵌合して回動可能に支持す
   ると共に、ネジ杆側端に締付ハンドルを締着したスポッ
   トライト。