JP2590231Y2 - 反転機構付枚葉輪転印刷機 - Google Patents

反転機構付枚葉輪転印刷機

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JP2590231Y2
JP2590231Y2 JP1993052265U JP5226593U JP2590231Y2 JP 2590231 Y2 JP2590231 Y2 JP 2590231Y2 JP 1993052265 U JP1993052265 U JP 1993052265U JP 5226593 U JP5226593 U JP 5226593U JP 2590231 Y2 JP2590231 Y2 JP 2590231Y2
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reversing
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cam
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聡郎 細川
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は紙搬送方向に対する上流
側の胴と下流側の胴との間にこれら両胴と周面を対接さ
せて配設された反転胴を備え、両面刷を可能にした反転
機構付枚葉輪転印刷機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】印刷の多様化に伴い一台の機械で片面刷
と両面刷とを可能にした各種の反転機構付枚葉輪転印刷
機が提案されており、その一例として、紙の搬送方向に
対する上流側の倍径圧胴と下流側の倍径圧胴との間に倍
径の反転胴を設けたものが特開昭59−19155号公
報に開示されているので以下これについて説明する。
【0003】図21ないし図25はこの公報に開示され
た反転機構付枚葉輪転印刷機を示しており、図21は片
面刷状態で示す胴配列図、図22は圧胴外周部の縦断面
図、図23,図24、図25はそれぞれ両面刷動作を説
明するために示す胴配列図である。
【0004】これらの図において、印刷機1の第1の印
刷ユニット2と第2の印刷ユニット3とは、それぞれ周
面に印刷用の版が装着された版胴4と、版の表面にイン
キと湿し水とを供給する図示しないインキ装置と給水装
置とを備えており、版胴4の下方には、この版胴4と同
径で周面にブランケットが巻かれたゴム胴5が、周面を
対接させて配設されている。
【0005】さらに、ゴム胴5の下方には、このゴム胴
5の2倍の径を有する紙搬送方向上流側の圧胴6と、同
じく下流側の圧胴7とが、各ゴム胴5と周面を対接させ
て設けられており、これら両方の圧胴6,7間には、こ
れと同径の反転胴8が、これら両胴6,7に周面を対接
させて配設されている。
【0006】9はスイング装置であって、カム機構で開
閉するスイング爪を備えており、給紙装置によりフィー
ダボードを経て差板10上へ1枚ずつ送り込まれた紙1
1の端をくわえてこの紙11を圧胴6へ供給するように
構成されている。
【0007】圧胴6の外周部を円周方向へ2等分する箇
所には、断面3角形状に形成された切欠き6aが設けら
れており、各切欠き6a内の軸受12に回動自在に軸支
された爪軸13上には、複数個の爪14がホルダを介し
て並列固定されている。
【0008】また切欠き6aの壁面段部には、爪14と
でくわえ爪装置15(以下単に爪15という)を構成す
る複数個の爪台16が各爪14に対応して固定されてお
り、図示しないカム機構で爪軸13が所定の角度だけ往
復回動することにより爪15が開閉して紙11をくわえ
るように構成されている。
【0009】また、下流側圧胴7の外周部を円周方向に
2等分する箇所に設けられた切欠き内にも、カム機構で
開閉する爪17と爪台18とからなる複数組のくわえ爪
装置19(以下単に爪19という)が軸方向に並設され
ている。
【0010】さらに、反転胴8の外周部を円周方向に2
等分する位置に設けられた各切欠き内には、カム機構で
開閉する複数個の反転爪20と、図示しないブロアとの
間をロータリバルブ等を介して接続された複数個の吸口
21とが、互いに反転胴8の円周方向と軸方向とに位相
を違えてそれぞれ軸方向に並設されている。
【0011】また、下流側の圧胴7と対接する渡し胴2
2の外周部を円周方向に2等分する位置に設けられた各
切欠き内には、カム機構で開閉する爪23と爪台24と
からなる複数組のくわえ爪装置25(以下単に爪25と
いう)が軸方向に並列して設けられている。
【0012】以上のように構成された反転機構付枚葉輪
転印刷機の動作を説明する。片面刷の場合には、図21
に示すような状態で印刷作業を開始すると、スイング装
置9の爪から圧胴6の爪15にくわえ替えられて搬送さ
れる紙11には、ゴム胴5と圧胴6との間で1色目の印
刷が施され、この紙11は、圧胴6の爪15から反転胴
8の反転爪20にくわえ替えられて搬送されたのち、圧
胴7の爪19にくわえ替えられて搬送される。
【0013】このように圧胴7の周面に添接して搬送さ
れる紙29には、ゴム胴5と圧胴7との間を通過すると
きに先程と同じ面に2色目の印刷が施され、引き続き搬
送され紙11は、圧胴7の爪19から渡し胴22の爪
25にくわえ替えられて次の印刷ユニットまたは排紙装
置へ搬送される。
【0014】このような片面刷から両面刷に移行する場
合には、圧胴6を含む紙搬送方向に対する上流側の胴群
を、反転胴8に対し紙11のほゞ天地方向長さ分だけ円
周方向へ位相調節して図21に示す状態から図23に示
す状態にしたのち印刷作業を開始すると、図23に示す
ように、上流側圧胴6の爪15にくわえられて搬送され
る紙11には、ゴム胴5と圧胴6との間で表面に印刷が
施され、この紙11は圧胴6と反転胴8との対接点を通
過して圧胴6の下側周面に添接されるようにして搬送さ
れる。
【0015】そして、この紙11の尻側端部が両胴6,
8の対接点に達すると、図24に示すように、この紙尻
を吸口21が吸引し、開閉する反転爪20にくわえさせ
るので、この状態で反転胴8の回転が続けられるととも
に、爪15による紙11のくわえが解放されるので、図
25に示すように、反転爪20にくわえ端をくわえられ
て搬送される紙11は、反転して裏返しになる。さらに
紙11の先端部は反転爪20から下流側圧胴7の爪19
にくわえ替えられて搬送され、ゴム胴5と圧胴7との間
を通過するときに裏面に印刷が施されて両面刷となる。
【0016】本装置においては、このように搬送される
紙11を胴周面から剥離させるエア吹き装置が付設され
ている。すなわち、図22に示すように、上流側圧胴6
の外周切欠き6a内に設けられた前記軸受12の孔12
aには、エア源に接続されて切欠き6aの軸方向に延び
るエア管26が支持されていて、このエア管26と前記
爪台18とは、ノズル管27によって連結されており、
このノズル管26は、爪台15の上端面において大気中
に開口されている。なおこの開口は、爪14によって閉
塞されないように、爪14の爪先から外れた位置に設け
られている。
【0017】このように構成されていることにより、両
面刷に際し、図24に示すように、紙尻を反転爪21に
くわえられて搬送されることにより反転される紙11の
くわえ側端部が、爪15によるくわえから解放されると
きに、ノズル管26からエアが噴出するので、圧胴5の
周面に密着しようとする紙11の端部が剥離されるの
で、吸口21に吸着されている紙11が天地方向にずれ
たり吸着が解かれたりすることがない。
【0018】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに動作する従来の反転機構付枚葉輪転印刷機において
は、上記のように、ノズル管26が両面刷の場合におけ
る紙11のくわえ側端部に開口しており、このノズル管
26から噴出するエアを紙11のくわえ側端部に吹き付
けてこの紙11を圧胴6の周面から剥離させようとする
ものであるが、実際にはノズル管26から噴出するエア
の大部分が紙11のくわえ側へ流れてしまうことが多
く、紙11と胴周面との間へ流れ込むことが少なくて紙
11が胴周面から剥離せずに密着したまゝになることが
多いので、吸口21に吸着されている紙11の紙保持力
が低下し、紙11が吸口21の吸着面上で滑って印刷見
当を狂わせたり、吸着面から剥離されて損紙が発生した
りするという問題がある。
【0019】本考案は以上のような点に鑑みなされたも
ので、両面刷される紙の反転時における保持部材の紙保
持力の低下を無くすることを可能にした反転機構付枚葉
輪転印刷機を提供することを目的にしている。
【0020】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本考案では、紙搬送方向に対する上流側の胴と
下流側の胴との間にこれら両胴と周面を対接させて配設
された反転胴と、この反転胴に設けられ上流側の胴に巻
付けられた紙の紙尻を保持してこの紙を反転させながら
下流側の胴へ受渡す反転機構とを備えた反転機構付枚葉
輪転印刷機において、上流側の胴に巻付けられた紙の紙
尻を保持する紙尻保持装置と、この紙尻保持装置で保持
されて上流側の胴の周面から剥離される紙と上流側の胴
の周面との間へエアを吹き込むエア吹き装置を設けた。
【0021】また請求項2記載の考案においては、エア
吹き装置からのエアの吹き出し方向を調整する調整装置
を設けた。
【0022】
【作用】片面刷から両面刷に移行する場合には、紙搬送
胴に対接する胴を含む上流側の胴群を紙搬送胴に対し紙
のほゞ天地方向の長さだけ円周方向へ位相調節したのち
印刷作業を開始すると、表面に印刷が施された紙は、上
流側圧胴と反転胴との対接点を通過し、上流側胴に巻付
けられる。巻付けられた紙の紙尻が上流側圧胴と反転胴
との対接点に達すると、紙は紙尻を紙尻保持装置で保持
されて反転しながら搬送される。こうして反転された紙
は紙保持装置にくわえ替えられて搬送されながら裏面に
印刷が施されて両面刷になる。
【0023】このようにして行われる紙の反転におい
て、紙尻保持装置で紙尻を保持されて搬送される紙と上
流側胴の周面との間へは、エア吹き装置によって紙尻側
からエアが吹き込まれるので、上流側胴の周面に密着し
ようとする紙は、吹き込まれるエアによって完全に剥離
される。
【0024】エア吹き装置の調整によってエア吹き方向
が変えられるので、紙の剥離し易い最良のエア吹き方向
を選択することができる。
【0025】
【実施例】図1ないし図20は本考案に係る反転機構付
枚葉輪転印刷機の実施例を示し、図1は一部を展開して
示す反転胴の左半部の一部破断正面図、図2は一部を展
開して示す反転胴の右半部の一部破断正面図、図3は図
2の III−III 断面図,図4は図1のIV−IV断面図、図
5は図2の V-V断面図、図6は一部を展開して示す反転
胴の左半部の一部破断正面図、図7は一部を展開して示
す反転胴の右半部の一部破断正面図、図8は図6のVIII
視側面図、図9は図7のIX視側面図、図10は反転胴の
平面図、図11は図10のXI−XI断面図、図12は紙尻
保持部材駆動用カム機構の動作を説明するために示す反
転胴の側面図、図13は吸口の断面図、図14は紙のく
わえ替え動作を説明するために示す爪,爪台,吸口の側
面図、図15は吸口と反転爪との動作を説明するために
示す反転胴近傍の側面図、図16,図17はそれぞれス
トップカムの斜視図、図18はエア吹き装置の平面図、
図19はエア吹き装置が設けられた反転胴と圧胴との概
要側面図、図20は図19に示す状態から胴がわずかに
回転した状態で示す反転胴と圧胴との対接部の概要側面
図である。
【0026】図において、左右のフレーム61,62に
は、図に矢印で示す胴の回転方向すなわち紙の搬送方向
に対する上流側の胴である倍径の第1圧胴63と、同じ
く下流側の胴である倍径の第2圧胴64とが両端軸を回
転自在に軸支されていて、これらの圧胴63,64間に
は、周面をこれら両胴63,64に対接させた紙搬送胴
としての倍径の反転胴65が、ころがり軸受66を介し
て回転自在に軸支されており、この反転胴65の外周部
には、胴のほゞ全長にわたる切欠き65aが設けられて
いる。
【0027】切欠き65aの底面には、固定部67aと
これに枢着された回動部67bとからなる駆動軸ブラケ
ット67が固定されており、この駆動軸ブラケット67
の回動部67bと、切欠き65aを閉塞する片側のベア
ラ68に固定されたブラケット69とには、ベアラ68
を貫通する駆動軸70の両端部が、回動自在に軸支され
ている。
【0028】そしてこの駆動軸70の一端には、遊端部
にカムフォロア72が枢着されたころ付レバー71が基
端部を固定されており、このころ付レバー71のカムフ
ォロア72は、フレーム62側に回動自在に支持された
ギア173に固定されて爪台移動手段を構成する爪台移
動カム73の、大径部73aと小径部73bとからなる
カム面に対接させている。
【0029】そしてこの爪台移動カム73は、図2に示
すように、ギア173と噛合うギア174aを一端に備
えており、フレーム62に回動自在に支持されたピン1
74の他端に設けられている6角頭174bにスパナを
かけて回動操作することにより、爪台移動カム73は、
ギア174aを介してギア173とともに回動し、両面
刷と片面刷との所定の位置の間で移動自在となるように
構成されている。
【0030】また、駆動軸70の一端には、駆動レバー
74が、駆動軸ブラケット67の内側に隣接して固定さ
れており、この駆動レバー74の遊端部に一端を回動自
在に枢着された駆動ロッド75の他端には、連結レバー
76が回動自在に枢着されている。
【0031】一方、切欠き65aの底面には、矩形状の
断面を有し切欠き65aの軸線方向に延びる規制部材と
しての長尺のストップバー77が、爪台81(後述)に
対する爪92(後述)の圧接作用線上に位置して固定さ
れており、また、切欠き65aの底面には、左右一対の
ブラケット78,79が、ベアラ68に隣接して固定さ
れている。
【0032】さらに、左右のブラケット78,79に
は、軸線方向に延びる貫通孔を備えた爪台バー80が、
ころがり軸受を介して両端軸を回動自在に軸支されてお
り、この爪台バー80の一方の揺動端部には、爪台部材
としての複数個の爪台81が、各爪92に対応して並設
されている。
【0033】82は爪台バー80の内孔を貫通して挿入
されたトーションバーであって、このトーションバー8
2は、図4に示すように、前記一方のブラケット79に
円周方向へ回動調節自在に固定されたトーションバーホ
ルダ83の6角孔に一方の6角頭82aを嵌合させるこ
とにより一端を固定されており、また、トーションバー
82の他方の6角頭82bは、回動自在な爪台バー80
の他端に設けられた6角孔に嵌合されている。
【0034】この結果、爪台バー80はトーションバー
82に蓄勢されたねじりばね力で前記ストップバー77
に当接することにより、カムフォロア72を爪台移動カ
ム73のカム面に圧接させる方向への回動限を規制され
るように構成されている。
【0035】前記駆動軸ブラケット67の回動部67b
と連結レバー76との間には、トーションバー82のね
じりばね力の付勢方向と同方向、すなわちカムフォロア
72を爪台移動カム73のカム面に圧接させる方向に付
勢する圧縮コイルばね84が介装されている。
【0036】さらに、切欠き65aの底面には、固定部
85aと、これに枢着された回動部85bとからなる左
右一対のホルダ85が固定されており、その回動部85
bと前記爪台バー80との間には、カムフォロア72を
爪台移動カム73のカム面に圧接させる方向に付勢する
圧縮コイルばね86が介装されている。
【0037】こうすることにより、反転胴65側のカム
フォロア72が、フレーム62側の爪台移動カム73の
カム面に圧接された状態で反転胴65が回転してカムフ
ォロア72が周回すると、カム面の高低と圧縮コイルば
ね84,86およびトーションバー82のばね力との協
働により爪台バー80が所定のタイミングで揺動し、爪
台81が、図14に実線で示すように、反転胴65の周
面と先端面が同一面となるような作動位置と、図14に
鎖線で示すように傾動して反転胴65の周面から没入す
る退避位置との間で移動するように構成されている。
【0038】次に爪台81とともにくわえ爪装置を構成
する爪と、その移動装置について説明する。爪台81の
斜め下方に位置して左右のベアラ68の軸受孔にそれぞ
れ嵌着された軸受87,88と、切欠き65aの軸線方
向に並列して切欠き65の底面に固定された複数個の軸
受89とには、爪軸90が回動自在に軸支されていてこ
の爪軸90上には、複数個の爪ホルダ91が軸線方向に
並列して固定されており、各爪ホルダ91には、爪台8
1との間で紙をくわえる爪部材としての爪92がそれぞ
れ固定されている。
【0039】図1,図2,図9に示すように片方の軸受
88に円周方向へ回動調節自在に固定されたトーション
バーホルダ93の6角孔には、爪軸90の内孔を貫通す
るトーションバー94の一端に形成された6角頭94a
が嵌合固定されており、このトーションバー94の他端
に形成された6角頭94bは、爪軸90の一端に形成さ
れた6角孔に嵌合されている。
【0040】片方のフレーム61には、図8,図14に
示すように、大径部95aと小径部95bとからなるカ
ム面を備えた爪開閉装置としての爪開閉カム95が固定
されており、この爪開閉カム95のカム面には、爪軸9
0の端部に固定されているころ付レバー96の遊端部に
枢着されたカムフォロア97が、トーションバー94の
ねじりばね力によって幅方向の半部を圧接されている。
【0041】また、図1,図14に示すように、爪開閉
カム95のボス部には、大径部172aと小径部172
bとからなるカム面を備えた爪移動装置としての爪移動
カム172が回動自在に支持されており、この爪移動カ
ム172は、爪開閉カム95のボス部に回動自在に支持
されたギア175にボルトで固定されていてギア175
と一体的に回動できるように構成されている。
【0042】一方、フレーム61には、一端に6角頭1
76bが形成されたピン176が回動自在に支持されて
おり、このピン176の他端には、ギア175と噛合う
ギア176aが固定されている。
【0043】さらに爪移動カム172は、その大径部1
72aを、爪開閉カム95の大径部95aよりも大径に
形成されており、小径部172bを、爪開閉カム95の
小径部95bよりも小径に形成されている。そしてこの
爪移動カム172の大径部172aのカム面には、前述
したころ付レバー96側のカムフォロア97がトーショ
ンバー94のねじりばね力によって幅方向の残り半部を
圧接されている。
【0044】こうすることにより、反転胴65が回転す
ると、カムフォロア97が爪移動カム172の小径部1
72bに対応している間は、カムフォロア97が爪開閉
カム95のカム面に圧接されながら周回するので、カム
面の高低とトーションバー94のねじりばね力とで爪ホ
ルダ91が爪92を伴って揺動し、爪92が、図14に
符号92aで示すように紙をくわえる閉位置と、符号9
2bで示すように紙をくわえから解放する位置との間で
移動して爪92が開閉し紙をくわえ替えるように構成さ
れている。
【0045】また、この状態から反転胴65が回動して
カムフォロア97が爪移動カム172の大径部172a
に対応すると、爪開閉カム95のカム面から離間して爪
移動カム172の大径部172aに圧接されながら周回
するので、爪ホルダ91が爪92を伴いトーションバー
94のねじりばね力に抗して回動し、爪92が図14に
符号92a,92bで示す作動位置から符号92cで示
すように反転胴65の周面に対し没入する退避位置へ移
動するように構成されている。
【0046】また、6角頭176bにスパナをかけてピ
ン176を回動させることによりギア176aを介して
ギア175が回動し、爪移動カム172が、両面刷に対
応する位置と片面刷に対応する位置との間で回動するよ
うに構成されている。
【0047】なお、図15において、圧胴63,64に
は、爪と爪台とからなるくわえ爪装置98,99(以下
爪98,99という)が、圧胴63,64の外周部を円
周方向に2等分する箇所の切欠き内に設けられており、
このうち、反転胴65の爪92と爪台81とからなるく
わえ爪装置100は反転爪100と呼ばれている。
【0048】次に紙尻保持装置とその回動装置ならびに
移動装置について説明する。前記両側の各ベアラ68に
嵌着されたころがり軸受101には、図10ないし図1
2に示す反転胴65の切欠き65b,65c内を機台の
幅方向に延びてその中央部で2分割された上下レバー駆
動軸102の一端がそれぞれ回動自在に軸支されてお
り、これら上下レバー駆動軸102の他端はそれぞれ反
転胴65の軸方向中央部において切欠き65b,65c
の底面に固定されたトーションバーホルダ103の本体
103aに回動自在に軸支されている。
【0049】各上下レバー駆動軸102の円板68外方
への突出部には、L字状に形成された上下レバー104
が、割締め固定されており、これら上下レバー104の
一方の遊端部に枢着されたカムフォロア105は、フレ
ーム61,62側に固定された大径部106aと小径部
106bとからなる上下カム106の外周カム面に対接
されている。
【0050】前記トーションバーホルダ103の本体1
03aに円周方向へ回動調節自在に固定された蓋体10
3bの6角孔には、上下レバー駆動軸102の内孔を貫
通するトーションバー107の一端に形成された6角頭
107aが嵌合固定されており、トーションバー107
の他端に形成された6角頭107bは、上下レバー駆動
軸102の一端に形成された6角孔に嵌合されている。
【0051】こうすることにより、トーションバー10
7にねじりばね力が蓄積された状態で蓋体103bを固
定すると、カムフォロア105が上下カム106のカム
面に圧接され、反転胴65が回動すると、上下カム10
6のカム面の高低とトーションバー107のばね力との
協働で、上下レバー104が所定のタイミングで揺動す
るように構成されている。
【0052】一方、各ベアラ68の軸受孔に嵌着された
ころがり軸受108には、管状に形成されて図10ない
し図12に示す反転胴65の切欠き65b,65c内を
機台の幅方向に延びてその中央部で2分割された送りレ
バー駆動軸109の一端が、それぞれ回動自在に軸支さ
れており、これら送りレバー駆動軸109の他端は、そ
れぞれ反転胴65の軸方向の中央部において切欠き65
b、65cの底面に固定されたトーションバーホルダ1
10の本体110aに回動自在に軸支されている。
【0053】各送りレバー駆動軸109のベアラ68外
方への突出部には、L字状に形成された送りレバー11
1が、割締め固定されており、これら送りレバー111
の一方の遊端部に枢着されたカムフォロア112は、フ
レーム61,62側に固定された大径部113aと小径
部113bとからなるカム面を備えた送りカム113の
外周カム面に対接されている。
【0054】前記トーションバーホルダ110の本体1
10aに円周方向へ回動調節自在に固定された蓋体11
0bの6角孔には、上下レバー駆動軸102の内孔を貫
通するトーションバー114の一端に形成された6角頭
114aが嵌合固定されており、トーションバー114
の他端に形成された6角頭114bは、送りレバー駆動
軸109の一端に形成された6角孔に嵌合されている。
【0055】こうすることにより、トーションバー11
4にねじりばね力が蓄積された状態で蓋体110bを固
定すると、カムフォロア112が送りカム113のカム
面に圧接され、反転胴65が回動すると、送りカム11
3のカム面の高低とトーションバー114のばね力との
協働で、送りレバー111が所定のタイミングで揺動す
るように構成されている。
【0056】図6,図8に示すように、反転胴65の片
方のベアラ68外方には、前記上下レバー104の遊端
部に連結ピン115で回動自在に枢着されたL字状の吸
口駆動レバー116が設けられており、また、前記送り
レバー111の遊端部にピン117で一端を回動自在に
枢着された連結リンク118の他端は、上記吸口駆動レ
バー116の基部近傍にピン119で回動自在に枢着さ
れている。
【0057】さらに、図7,図9に示すように、反転胴
65の他方のベアラ68外方には、前記上下レバー10
4の遊端部に連結ピン120で回動自在に枢着された吸
口駆動レバー121とギアホルダ122とが重なり合っ
て設けられており、また、前記送りレバー111の遊端
部にピン123で一端を回動自在に枢着された連結リン
ク124の他端は、吸口駆動レバー121の基部近傍に
ピン180で回動自在に枢着されている。
【0058】上記ギアホルダ122の外周部には、円弧
状のセグメントギア125が固定されており、上記吸口
駆動レバー121の遊端部には、このセグメントギア1
25と噛合う中間ギア126が回動自在に枢着されてい
る。
【0059】片方のベアラ68側に設けられた吸口駆動
レバー116の遊端部と、他方の円板68側に設けられ
た吸口駆動レバー121の遊端部との間には、上記中間
ギア126と噛合うギア127が軸端部に固定された両
端閉塞中空状の吸口軸128が、回動自在に軸支されて
おり、この吸口軸128上には、後程詳述する複数個の
吸口129が、爪92と軸線方向に位相を違えて並設さ
れている。
【0060】こうすることにより、反転胴65が回転し
て送りカム113の高低により両側の送りレバー111
が揺動すると、連結リンク118,124を介して吸口
駆動レバー116,121が連結ピン115,120を
中心に揺動し、中間ギア126がセグメントギア125
と噛合いながら転動するので、中間ギア126とギア1
27との噛合により、吸口軸128および吸口129が
自転しながら反転胴65の周方向へ往復動するように構
成されている。
【0061】そして、この吸口129の移動に際して
は、両側の上下レバー104が上下カム106により揺
動し、連結ピン115,120が反転胴65の半径方向
に上下動するので、吸口駆動レバー116,121やセ
グメントギア125が吸口129等を伴い一体となって
上下動し、前記反転胴65の円周方向への移動との合成
運動により、図9に実線と鎖線とで示すように、爪92
と爪台81とを越えるような円弧運動をするように構成
されている。130は基端部を送りレバー駆動軸109
側に回動自在に支持されて遊端部をギアホルダ122に
枢着されギアホルダ122の円周方向への移動を規制す
るギア固定レバーである。
【0062】次に前記吸口129の構造と、この吸口1
29に対する吸気装置について説明する。図6,図7お
よび図13において、吸口129は、中空状の吸口軸1
28に割締め固定された吸口ホルダ129aと、この吸
口ホルダ129aに固定された吸口本体131とで形成
されており、吸口本体131には、吸口軸128の内孔
128aとの間を通気孔128b,130aで連通され
て外部へ開口する吸気口131aが穿設されている。
【0063】一方、フレーム61の外側面に固定された
ブラケット132には、全体を符号133で示すロータ
リバルブが、円筒状に形成された外筒134のフランジ
部をボルト135で固定されて支持されており、このロ
ータリバルブ133は、前記外筒134と、この外筒1
34に嵌着されて固定された内筒136と、この内筒1
36を介して回転自在に軸支され前記反転胴65の端軸
137の端面にこの端軸137と同芯状に形成された回
転軸138とで構成されている。
【0064】139は外筒134のねじ孔に螺入された
ニップルであって、図示しないポンプの吸気側との間を
ホース140で連結されており、ニップル139は内筒
136の周面に開口されている。内筒136には、その
内周と外周とを貫通する長孔136aが設けられてお
り、この長孔136aは、反転胴65と一体的な回転軸
138に設けられたL字状のエア通路138aに連通さ
れている。
【0065】一方、反転胴65側には3方への開口14
1a,141b,141cを備えたT字管141が設け
られており、その開口141aと前記孔138aとの間
はホース142で連結されている。また、開口141b
と前記吸口軸128の一端との間は、ホース142a
と、連結ピン115,吸口駆動レバー116に設けられ
たエア通路143とで連通されている。さらに、開口1
41cと吸口軸128の他端との間は、ホース142b
と、連結ピン120,吸口駆動レバー121に設けられ
たエア通路171とで連通されている。
【0066】こうすることにより、反転胴65が回転す
ると、長孔136aと孔138aとが反転胴65の1回
転中の所定のタイミングで連通され、大気が吸口129
から吸引されて紙尻が吸口129に吸着されるように構
成されている。
【0067】このように構成された反転機構付枚葉輪転
印刷機には、搬送紙と胴周面との間へエアを吹き付ける
エア吹き装置と、両面刷と片面刷との印刷切替装置が付
設されているが、これらを説明する前に、本印刷機によ
る両面刷動作を、圧胴および反転胴がいずれも倍径の場
合を例にとり図15を併せ用いて説明する。
【0068】図15において、各印刷胴が矢印方向に回
転すると、紙搬送方向上流側の胴である倍径の第1圧胴
63の爪98にくわえられて胴周面に巻付けられること
により搬送される紙150は、そのくわえ端が両胴6
3,65の対接点に達したのちも爪98のくわえから解
放されることなく圧胴63の周面に巻付けられる。
【0069】このようにして巻付けられる紙150の紙
尻が両胴63,65の対接点に達したとき、すなわち、
吸口129が圧胴63の中心と反転胴65の中心とを結
ぶ線上に来たときに、反転胴65と一体的に回動する回
転軸138のエア通路138aが、内筒136の長孔1
36aと対応した状態で反転胴65が回転を続けること
により、ホース142,142a,142bと、エア通
路143,171とで吸気口131aとニップル139
とが連通されてポンプが吸気口から大気を吸引するの
で、紙150の紙尻が吸口129に吸引される。
【0070】吸口129が紙尻を吸引すると同時に、反
転胴65の回転により吸口回動装置のカムフォロア11
2の対接位置が、送りカム113の大径部113aから
小径部113bへと移動し、送りレバー111の揺動と
連結リンク124の進退とを介して吸口駆動レバー11
6,121が揺動するので、中間ギア126がセグメン
トギア125と噛合って自転しながらセグメントギア1
25上を転動するように公転し、中間ギア126と噛合
うギア127と、これと一体の吸口129も回動しなが
ら反転胴65の円周方向へ移動する。
【0071】このように吸口129が回動しながら反転
胴65の半径方向に移動すると同時に、反転胴65の回
転により吸口移動装置のカムフォロア105の対接位置
が、上下カム106の大径部106aから小径部106
bへと移動して上下レバー104が揺動し、ギア固定レ
バー130を回動させながらギアホルダ122およびセ
グメントギア125と吸口駆動レバー116およびギア
127等を一体的に反転胴65の半径方向に移動させて
吸口129を反転胴65の周面から突出させるので、前
記半径方向への移動との合成運動により、吸口129は
図15に符号129A〜129Gで示すように図の時計
方向に自転しながら反転胴65の周面外側に沿って周回
する。
【0072】この場合、吸口129は、紙尻を保持する
吸着面が、圧胴63の周面から剥離される紙150の延
びる方向すなわち反転胴65の接線方向とほゞ平行状態
になるので、紙尻が紙150の圧胴63の周面に密着す
ることにより生ずる張力によって吸口129の吸着面か
ら剥がされるというようなことがない。
【0073】このようにして吸口129が紙尻を保持し
て符号129Gで示す位置まで移動することにより紙1
50は裏返しに反転される。なお、吸口129が両胴6
3,65の対接点に位置して紙尻を吸引するまでは、圧
胴63の爪98は閉じていて紙150をくわえから解放
せず、吸口129が紙150の紙尻を吸引すると同時に
爪98が開いて紙150をくわえから解放する。紙15
0は爪98のくわえから解放されたのちも圧胴63の周
面に密着している。
【0074】反転胴65が回転して紙150を吸着した
吸口が符号129Gで示す位置に達すると、ロータリバ
ルブの作用で吸口129からのエアの吸引が断たれ、紙
150の吸着が解かれる。これと同時に、カムフォロア
97が、トーションバー94のねじりばね力に抗して爪
開閉カム95の小径部95bから大径部95aに移動す
るので、反転爪100の爪ホルダ91が揺動して爪92
が図14に符号92bで示す位置から符号92aで示す
位置へ移動し、吸口129による吸着から解放される紙
150は反転爪100の爪92と爪台81とのくわえ面
にくわえ替えされる。
【0075】反転胴65がさらに回動して反転爪100
が圧胴64の爪99に対向すると、前記と同様にして反
転爪100と爪99が開閉して紙150のくわえ替えが
行われ、紙150は爪99にくわえられて搬送されなが
ら裏面に印刷が施される。
【0076】一方、符号129Gで示す位置で反転爪1
00に紙150のくわえ替えを終わった吸口は、両胴6
4,65の対接点に達するまでの間にほゞ90°回転す
るとともに、反転胴65の周面に対し没入するように半
径方向へ移動するので、吸口129が圧胴64の周面と
干渉するというようなことがない。
【0077】さらに反転胴65が回転すると、吸口12
9は両胴64,65の対接点から両胴65,63の対接
点まで移動するが、この間において、吸口129は、吸
口回動装置によりほゞ360°回動しながら反転胴65
の円周方向に移動するとともに、吸口移動装置により爪
100を乗り越えるように反転胴65の周面に対し出没
するように反転胴65の半径方向に移動する。
【0078】このような両面刷印刷動作において、反転
爪100が圧胴63との干渉を避けるために反転爪10
0が反転胴65の周面に対して没入する。すなわち、反
転爪100が圧胴63の中心と反転胴65の中心とを結
ぶ線上の手前までくると、カムフォロア72が圧縮コイ
ルばね84,86およびトーションバー82のばね力に
抗して爪台移動カム73の大径部73aから小径部73
bへ移動するので、反転爪100の爪台バー80が、こ
ろ付レバー71,駆動軸70,駆動ロッド75および連
結レバー76を介して回動し、爪台81が図14に鎖線
で示す退避位置へ移動する。
【0079】この爪台81の退避位置への移動に引き続
き、カムフォロア97がトーションバー94のねじりば
ね力に抗して爪開閉カム95のカム面から爪移動カム1
72の大径部172aに移動することにより、反転爪1
00の爪ホルダ91が揺動して爪92が図14に符号9
2cで示す位置へ移動するので、反転爪100が反転胴
65の周面から没入し、圧胴63の周面と干渉すること
がない。
【0080】さらに反転胴65が回転して反転爪100
が両胴63,65の中心を結ぶ線上を過ぎると、カムフ
ォロア97ガトーションバー94のねじりばね力により
爪移動カム172の大径部172aから爪開閉カム95
のカム面へと移動するので、反転爪100の爪92が図
14に符号92cで示す退避位置から符号92bで示す
位置へ移動する。
【0081】この爪92の移動に引き続きカムフォロア
72が圧縮コイルばね84,86およびトーションバー
82のばね力と爪台移動カム73のカム面の高低との協
働により爪台バー80が揺動してストップバー77に当
接することにより、爪台バー80の爪92方向への移動
が規制されるので、爪台81は図14に鎖線で示す退避
位置から実線で示す作動位置へ移動する。
【0082】反転胴65がさらに回転すると、図15に
符号129Gで示す位置で反転爪100のカムフォロア
97がトーションバー94のねじりばね力により爪開閉
カム95の小径部95bへ移動するので、爪92は図1
4に符号92aで示す位置へ移動して紙150は吸口1
29から爪台81と爪92とのくわえ面にくわえ替えら
れる。この反転爪100による紙150のくわえに際し
てストップバー77が爪台81に対する爪92の圧接作
用線上に位置して固定されているので、爪台バー80の
たわみが規制されて正確なくわえ替えを行うことができ
る。
【0083】このように動作する反転機構付枚葉輪転印
刷機にはエア吹き装置が付設されているので、以下これ
を図4〜図6,図15,図18〜図20を用いて説明す
る。前記ロータリバルブ133の外筒134に設けられ
たねじ孔には、図示しないポンプの排気側との間をホー
ス152で連結されたニップル151が螺入されてお
り、ニップル151は、内筒136の周面に開口されて
いる。
【0084】内筒136には、その内周と外周とを貫通
して円周方向へ長くなる長孔153が、軸線方向に対し
ニップル151と対応して設けられており、この長孔1
53は、反転胴65と一体的な回転軸138に設けられ
たL字状のエア通路138bに連通されている。
【0085】一方、反転胴65に設けられた切欠き65
aの底面には、左右一対のブラケット190が固定され
ており、このブラケット190には、厚み方向に二つ割
されたエア吹きバー155が、両端軸を回動自在に軸支
されて任意の回動位置で固定できるように構成されてい
る。
【0086】191は上記回転軸138のエア通路13
8bとの間をホース154で連結されてエア吹きバー1
55の軸線方向に延びるエア吹き管であって、二つ割さ
れたエア吹きバー155に挟持されており、このエア吹
き管191には、その内孔と連通する複数個のノズル1
92がエア吹きバー155の軸線方向に並列して固着さ
れている。
【0087】そして、ノズル192の指向方向は、圧胴
63の周面と、反転のためにこの周面から剥離される紙
150との間へ向けられており、所定の角度だけ回動調
整したのち固定されるように構成されている。
【0088】このように構成されていることにより、図
15に示すように、第1圧胴63と反転胴65とが対接
して回転すると、図19に示すように、圧胴63の周面
と、この周面から剥離される紙150との間にエアが吹
付けられるので、紙150が圧胴63の周面に密着して
剥がされないというようなことがなく、圧胴63の周面
から確実に剥離される。またエア吹きノズルは、その指
向方向を調節できるように回動自在に固定されているの
で、エアを第1圧胴63とその周面から剥離される紙1
50との間へ正確に吹付けることができる。
【0089】次に片面刷から両面刷および両面刷から片
面刷へと切替える印刷切替装置について説明する。主と
して図10ないし図12において、紙搬送胴としての反
転胴65の周面を平面状に切欠いて設けた互いに対向す
る二つの切欠きのうちの片方の切欠き65b内には、前
述したように胴の軸方向中央部でそれぞれ2分割された
上下レバー駆動軸102と送りレバー駆動軸109とが
互いに平行状態で軸架されており、これら2分割された
両方の駆動軸102,109には、それぞれ遊端部にカ
ムフォロア156,157が枢着されたカムレバー15
8,159が基部を割締め固定されている。
【0090】また、前述したように上記各駆動軸10
2,109には、フレーム61,62側の前記吸口移動
用上下カム106と吸口回動用送りカム113とにトー
ションバーのばね力でカムフォロア105,112を圧
接させた上下レバー104と送りレバー111とがそれ
ぞれ軸着されている。
【0091】また、反転胴65の切欠きのうちの他方の
切欠き65c内にも切欠き65b内と同じく中央部で2
分割された上下レバー駆動軸102と、送りレバー駆動
軸109とが互いに平行状態で軸架されていて、これら
上下レバー駆動軸102と送りレバー駆動軸109とに
は、遊端部にカムフォロア160,161がそれぞれ枢
着されたカムレバー162,163が基部を割締め固定
されている。
【0092】また、前述したように上記各駆動軸10
2,109には、フレーム61側の吸口移動用上下カム
106と吸口回動用送りカム113とにトーションバー
のばね力でカムフォロア105,112を圧接させた上
下レバー104と送りレバー111とがそれぞれ軸着さ
れている。
【0093】同じく図10に図示された片方の切欠き6
5bの底面には、半円状に形成されて端面のカム面に前
記カムフォロア156をそれぞれ対接させた一対の第1
ストップカム164が、正面視を矩形状に形成されたホ
ルダ165で保持されて回動自在に設けられており、ま
た、同じく片方の切欠き65bの底面には、扇形に形成
されて端面のカム面に前記カムフォロア157を圧接さ
せた一対の第2ストップカム166が、正面視を矩形状
に形成されたホルダ167で保持されて回動自在に支持
されている。
【0094】さらに図10では図示せず図11,図12
では側面視を示す他方の切欠き65c内にも、切欠き6
5b内のものと同構成のホルダ178,180,第2ス
トップカム177,第1ストップカム179,カムレバ
ー162,163およびカムフォロア160,161等
が設けられている。
【0095】切欠き65b側のホルダ165と切欠き6
5c側のホルダ178とには、6角頭付きの連結軸16
8が回動自在に軸支されており、この連結軸168に
は、切欠き65b側に前記第1ストップカム164が固
定され、切欠き65c側に前記第2ストップカム177
が固定されている。また、切欠き65b側のホルダ17
8と切欠き65C側のホルダ167とには、6角頭付き
の連結軸169が回動自在に軸支されており、この連結
軸169には、切欠き65b側に前記第2ストップカム
166が固定され、切欠き65c側に前記第2ストップ
カム179が固定されている。
【0096】両方の第1ストップカム164,179は
互いに同一形状に形成されており、図16において第1
ストップカム164(179)は、前記連結軸168
(169)が嵌合される孔164b(179b)が穿設
されたボス部164a(179a)と、カム面164d
(179d),164e(179e),164f(17
9f)を備えたフランジ部164c(179c)とで構
成されている。
【0097】そして図16に示すように、、上記フラン
ジ部164c(179c)を構成するカム面は、高い水
平面164f(179f)と、これより低い水平面16
4d(179d)と、これら高い水平面164f(17
9f)と低い水平面164d(179d)とを連結する
上り,下りのゆるやかな傾斜面164e(179e)と
で形成されている。
【0098】このように構成されていることにより、第
1ストップカム164(179)が回動すると、カムフ
ォロア156(161)が、トーションバー114のね
じりばね力に抗してカム面の水平面164dから傾斜面
164e(179e)へ移動してカムレバー158(1
63)を移動させる。
【0099】さらに、第1ストップカム164(17
9)が回動すると、カムフォロア156(161)がカ
ム面の水平面164f(179f)へ移動するので、カ
ムレバー158(163)を介して送りレバー駆動軸が
回動し、カムフォロア112が送りカム113のカム面
から離間して吸口129の回動装置が非作動の状態にな
る。
【0100】また、両方の第2ストップカム166,1
77は、互いに同一形状に形成されており、図17に示
すように、第2ストップカム166(177)は、前記
連結軸169(168)が嵌合される孔166b(17
7b)を有するボス部166a(177a)と、カム面
166d(177d),166e(177e),166
f(177f)を備えたフランジ部166c(177
c)とによって構成されている。
【0101】図17に示すように、上記フランジ部16
6c(177c)を構成するカム面は、高い水平面16
6f(177f)と、これより低い水平面166d(1
79d)と、これら高い水平面166f(177f)と
低い水平面166d(177d)とを連結する上り,下
りのゆるやかな傾斜面166e(177e)とで形成さ
れている。
【0102】このように構成されていることにより、第
2ストップカム166(177)が回動すると、カムフ
ォロア160(157)が、トーションバー107のね
じりばね力に抗してカム面の水平面166f(177
f)から傾斜面166e(177e)へ移動してカムレ
バー162(159)を移動させる。
【0103】さらに、第2ストップカム166(17
7)が回動すると、カムフォロア160(157)がカ
ム面の水平面166f(177f)へ移動するので、カ
ムレバー162(159)を介して上下レバー駆動軸が
回動し、カムフォロア105が上下カム106のカム面
から離間して吸口129の移動装置が非作動の状態にな
る。
【0104】このように第1ストップカム164,17
9と第2ストップカム166,177の傾斜面164
e,179e,166e,177eの傾斜角度が小さく
形成されているので、小さい力でこれらのストップカム
をカムフォロア側の付勢力に抗して容易に移動させるこ
とができる。
【0105】また、連結軸168により反転胴65の一
方の切欠き65b側からの操作により第1ストップカム
164と第2ストップカム177とをいっせいに回動さ
せることができ、反転胴65に設けられた2組の吸口1
29のうちの一方を非作動の状態にすることができると
ともに、連結軸169を反転胴65の他方の切欠き65
c側から操作することにより他方の吸口129を非作動
の状態にすることができ、両面刷と片面刷との切替作業
を小さい力で確実に実施することができる。
【0106】以上のように構成されていることにより、
両面刷から片面刷に切替える場合には、圧胴63を含む
上流側の胴群を反転胴65に対し紙150のほゞ天地方
向の長さだけ円周方向へ位相調節したのち、ピン174
をその6角頭174bにスパナをかけて回動させると、
ギア174a,173を介して爪台移動カム73が移動
する。
【0107】また、ピン176をその6角頭176bに
スパナをかけて回動させると、ギア176a,175を
介して爪台移動カム172が回動するので、反転胴65
が回転すると、反転爪100が、反転胴65と圧胴64
との対接点から、反転胴65と圧胴63との対接点へ移
動する間に反転爪100が退避位置へ移動し、反転胴6
5と圧胴63との対接点に達する前に反転爪100が作
動位置へ移動するように反転爪100が作動し、片面刷
時の紙の搬送に支障をきたすことがない。
【0108】このあと、連結軸168,169をその6
角頭にスパナをかけて回動操作すると、ストップカム1
64、166,177,179が回動してカムフォロア
156,157,160,161に対応することにより
これらを押すので、駆動軸109,102が回動してカ
ムフォロア112,105が、上下カム106のカム面
大径部と送りカム113のカム面大径部とのいずれより
も外側へ移動して反転胴65が回転してもカムフォロア
112,105がこれらのカム面に触れなくなるので、
吸口129が回動したり移動したりすることがなく、反
転胴65の周面内側に没入した状態で静止する。したが
って、吸口129の回動,移動系内の部材を摩耗させた
りすることがない。
【0109】なお、前記実施例では、反転胴65に対接
する上流側および下流側の胴として圧胴63,64を例
示したが、圧胴63,64に代えて渡し胴にしたり、あ
るいは、上流側の胴と下流側の胴とのいずれか一方を圧
胴にして他方を渡し胴にしたりしてもよい。
【0110】さらに、本実施例では、紙保持装置をくわ
え爪とその作動機構とで構成した例を示したが、これに
限定するものではなく、例えば紙尻保持部材と同じよう
な吸口129や紙を突き刺すピン、またはこれらを組合
わせたものでもよい。
【0111】また、紙尻保持装置は本実施例のように吸
口に限定するものではなく、紙尻をピンで突き刺して保
持したり、くわえ爪でくわえて保持したり、あるいは吸
口とくわえ爪とを併用したりしてもよい。
【0112】
【考案の効果】以上の説明により明らかなように本考案
によれば紙搬送方向に対する上流側の胴と下流側の胴と
の間にこれら両胴と周面を対接させて配設された反転胴
と、この反転胴に設けられ上流側の胴に巻付けられた紙
の紙尻を保持してこの紙を反転させながら下流側の胴へ
受渡す反転機構とを備えた反転機構付枚葉輪転印刷機に
おいて、上流側の胴に巻付けられた紙の紙尻を保持する
紙尻保持装置と、この紙尻保持装置で保持されて上流側
の胴の周面から剥離される紙と上流側の胴の周面との間
へエアを吹き込むエア吹き装置を設けたことにより、両
面刷における紙の反転に際し、エア吹きノズルが反転胴
とともに一体となって周回し、このエア吹き装置のノズ
ルから噴出するエアが、上流側の胴の周面とこの周面か
ら剥離される紙との間へ反転動作中終始確実に吹き込ま
れて紙が上流側胴の周面から確実に剥離されるので、紙
尻保持部材による紙の保持力が弱まって紙保持面から剥
がされたり滑ったりするというようなことがなく、印刷
物の品質が向上するとともに紙落とし等の事故がなくな
り、損紙の発生量が減少する。
【0113】また、請求項2記載の考案においては、紙
の剥離し易い最良のエア吹き方向を選択することができ
るので、紙の剥離がさらに確実になって紙尻保持部材に
よる紙の保持力が維持され、印刷物の品質がさらに向上
するとともに、紙落とし等の事故による損紙の発生量が
減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一部を展開して示す反転胴の左半部の一部破断
正面図である。
【図2】一部を展開して示す反転胴の右半部の一部破断
正面図である。
【図3】図2の III−III 断面図である。
【図4】図1のIV−IV断面図である。
【図5】図2の V-V断面図である。
【図6】一部を展開して示す反転胴の左半部の一部破断
正面図である。
【図7】一部を展開して示す反転胴の右半部の一部破断
正面図である。
【図8】図6のVIII視側面図である
【図9】図7のIX視側面図である。
【図10】反転胴の平面図である。
【図11】図10のXI視側面図である。
【図12】紙保持用カム機構の動作を説明するために示
す反転胴の側面図である。
【図13】吸口の断面図である。
【図14】紙のくわえ替え動作を説明するために示す
爪,爪台,吸口の正面図である。
【図15】吸口と反転爪との動作を説明するために示す
反転胴近傍の側面図である。
【図16】ストップカムの斜視図である。
【図17】ストップカムの斜視図である。
【図18】エア吹き装置の平面図である。
【図19】エア吹き装置が設けられた反転胴と圧胴との
概要側面図である。
【図20】図19に示す状態から胴がわずかに回転した
状態で示す反転胴と圧胴との対接部の概要側面図であ
る。
【図21】従来の反転機構付枚葉輪転印刷機の片面刷状
態で示す胴配列図である。
【図22】従来の反転機構付枚葉輪転印刷機における圧
胴外周部の縦断面図である。
【図23】両面刷動作を説明するために示す従来の反転
機構付枚葉輪転印刷機の胴配列図である。
【図24】両面刷動作を説明するために示す従来の反転
機構付枚葉輪転印刷機の胴配列図である。
【図25】両面刷動作を説明するために示す従来の反転
機構付枚葉輪転印刷機の胴配列図である。
【符号の説明】
63 圧胴 64 圧胴 65 反転胴 80 爪台バー 81 爪台 90 爪軸 92 爪 98 爪 99 爪 100 反転爪 129 吸口 150 紙

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙搬送方向に対する上流側の胴と下流側
    の胴との間にこれら両胴と周面を対接させて配設された
    反転胴と、この反転胴に設けられ前記上流側の胴に巻付
    けられた紙の紙尻を保持してこの紙を反転させながら前
    記下流側の胴へ受渡す反転機構とを備えた反転機構付枚
    葉輪転印刷機において、前記上流側の胴に巻付けられた
    紙の紙尻を保持する紙尻保持装置と、この紙尻保持装置
    で保持されて前記上流側の胴の周面から剥離される紙と
    前記上流側の胴の周面との間へエアを吹き込むエア吹き
    装置を設けたことを特徴とする反転機構付枚葉輪転印刷
    機。
  2. 【請求項2】エア吹き装置からのエアの吹き出し方向を
    調整する調整装置を設けたことを特徴とする請求項1記
    載の反転機構付枚葉輪転印刷機。
JP1993052265U 1993-09-02 1993-09-02 反転機構付枚葉輪転印刷機 Expired - Lifetime JP2590231Y2 (ja)

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