JP2589865B2 - 複合型真空ポンプ - Google Patents

複合型真空ポンプ

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は半導体製造設備等に用いられる複合型真空
ポンプに関するものである。
〔従来の技術〕
半導体・液晶等の製造プロセスにおけるCVD装置、ド
ライエッチング装置、スパッタリング装置、蒸着装置等
には、真空環境を作り出すための真空ポンプが必要不可
欠である。近年、半導体プロセスのクリーン化・高真空
化等の動向に伴い、真空ポンプに対する要求水準はます
ます高度になってきている。
高真空あるいは超高真空を作り出すために、半導体設
備では通常粗引き真空ポンプ(容積式)とターボ分子ポ
ンプ(運動量移送式)の2台のポンプを用いて真空排気
を行っている。まず粗引きポンプで大気からある程度の
真空圧に到達後、ターボ分子ポンプに切り換えて、所定
の真空圧を得るのである。
(1)粗引ポンプ 第5図は従来の容積式真空ポンプ(粗引きポンプ)の
一種であるねじ溝式真空ポンプを示すものである。従来
のねじ溝式の真空ポンプは、各ロータ104、105のそれぞ
れにねじ溝106,107の凹凸が形成されていて、凹部と凸
部をお互いに噛み合せることにより、両者の間に密閉空
間を作り出している。両ロータ104と105が回転すると、
その回転に伴い、前記密閉空間の容積が変化して、吸入
作用と吐出作用を行うのである。
第5図のねじ溝式真空ポンプでは、2個のロータ10
4、105の同期回転はタイミングギヤ110a、110bの働きに
よっている。すなわち、モータ108の回転は、駆動ギヤ1
09aから中間ギヤ109bに伝達され、両ロータ104、105の
軸に設けられて、互いに噛み合っているタイミングギヤ
の一方110bに伝達される。両ロータ104、105の回転角の
位相は、これら2個のタイミングギヤ110a、110bの噛み
合いにより調節されている。この種の真空ポンプでは、
このように、モータの動力伝達と同期回転ギヤを用いて
いるので、前記各ギヤが納められている機械作動室に満
たされた潤滑油111が、前記ギヤに潤滑のために供給さ
れる構成となっている。
(2)ターボ分子ポンプ 第6図は従来の運動量移送式真空ポンプの一種である
タービン翼を持つねじ溝式のターボ分子ポンプを示すも
のである。ターボ分子ポンプも、前述した粗引きポンプ
同様に、半導体プロセスのクリーン化に対応できる構造
が用いられている。第6図で示すターボ分子ポンプの場
合、油潤滑による玉軸受構造に代わり、磁気軸受が用い
られている。
第6図においては、205a、205bは回転軸207を支持す
るラジアル磁気軸受、206はスラスト磁気軸受である。
ハウジング201内に筒形ロータ202が収納されており、こ
の筒形ロータ202の上部にはタービン翼203が、下部には
ねじ溝204が備えられている。ターボ分子ポンプは、動
翼(タービン翼)及びねじ溝を高速で回転させることに
より、気体の分子運動に一定の方向性を与えて、ポンプ
作用を得ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら前述した真空ポンプ及びこれらの真空ポ
ンプを組み合わせた真空排気システムには、以下述べる
ような課題があった。
従来の粗引きポンプ(容積式真空ポンプ)では、大気
圧に近い粘性流の領域で排気するが、得られる動作範囲
は大気からせいぜい10-3torr程度までの真空圧にしか達
しない。一方、上述した従来のターボ分子ポンプでは、
得られる作動範囲が10-8〜10-10torr程度まで達する
が、大気圧に近い粘性流の領域では気体を排気すること
ができない。そこで、従来はまず粗引きポンプ(例えば
前述したねじ溝式真空ポンプ)で10-2〜10-3torr程度ま
で真空引きした後、ターボ分子ポンプに切り換えて所の
真空圧に到達するようにしている。
しかし、近年の半導体プロセスの複合化に伴い、複数
個の真空チャンバーを独立させて真空排気する、いわゆ
るマルチチャンバー方式が半導体加工設備の主流を占め
るようになっている。このマルチチャンバー化に対応す
るためには、チャンバー1つ1つに粗引きポンプとター
ボ分子ポンプの組合せからなる真空排気システムを必要
とする。しかしこのような真空排気システムをすべての
チャンバーに対して適用すると、真空排気系の装置全体
が大型化・複雑化してしまうという問題点があった。
容積式真空ポンプの一軸上に、ターボ分子ポンプを配
置し、両者を一体化する提案は、従来例えば特開昭62−
279281号公報等に見られる。しかしターボ分子ポンプが
分子流領域で有効な排気性能を発揮するためには、数万
rpmで回転させる必要がある。一方粗引きポンプは、機
械的擢動を伴うトルクの伝達手段であるタイミングギヤ
を必要とし、せいぜい数千rpmが限界である。したがっ
て両者の回転数は一致せず、両者の複合化は困難であっ
た。
この問題点を解決するため本発明は、一台で大気圧か
ら高真空まで一気に引くことができる複合型ポンプを提
供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、この発明にかかる複合型真
空ポンプは、ハウジング内に収納された複数個のロータ
と、これらのロータの回転を支持する軸受と、前記ハウ
ジングに形成された流体の吸入口および吐出口と、前記
複数個のロータをそれぞれ独立して回転駆動するモータ
と、この複数個のモータを電子制御により同期運転する
ことにより、前記ロータおよび前記ハウジングで形成さ
れる密閉空間の容積変化を利用して流体の吸入,排気を
行う容積式の真空ポンプを構成すると共に、前記複数個
のロータの同軸上で、運動量移送式の真空ポンプを設け
たものである。
上記構成により、本発明の複合型真空ポンプは、一台
で大気から高真空あるいは超高真空まで一気に引くこと
ができる。
〔作用〕
容積式ポンプを構成する各ロータを、それぞれ独立し
たモータで駆動すると共に、各ロータを電子制御を用い
て同期運転させることにより、従来のタイミングギヤを
用いた機械的擢動を伴うロータ間の大きなトルク伝達が
不要となる。その結果、装置の高速化が容易となる。こ
の容積式ポンプのロータの一軸上には、分子流領域で高
い排気性能を持つ運動量移送式の真空ポンプが形成され
ている。高速同期制御により、気体分子の排気作用が有
効に働く数万rpmの領域、すなわち運動量移送式真空ポ
ンプが十分な排気性能を発揮できる領域まで回転数をあ
げることができる。一方、容積式粗引きポンプの回転数
の上限値には制約はなく、容積式の粗引きポンプと運動
量移送式の高真空ポンプの一体化が、本発明により可能
となる。
さらに従来、数千rpmが限界だった粗引きポンプの回
転数を数万rpmにアップすることにより、モータの小型
化が可能となる。例えばモータの外径寸法は、動力と同
一とすれば、おおよそ回転数に逆比例するからである。
〔実施例〕
第1図はこの発明にかかる複合型真空ポンプの第1実
施例を表す。この真空ポンプの回転部分は、ハウジング
1内に収納されており、このハウジング内は上部の第1
室11と下部の第2室12に分かれている。第1室11はその
下方で第2室と連通している。第1室11には第1回転軸
2が収納されており、第2室12にはこの第1回転軸と平
行に第2回転軸3が配置されている。なお両回転軸2,3
は磁気軸受により支持されている。両回転軸の円盤状部
分21,31に向かい合って、スラスト磁気軸受161が配置さ
れている。171はラジアル磁気軸受である。また筒形の
ロータ4,5が、両軸2,3の上端部で嵌合されている。各ロ
ータ4,5の外周面には、互いに噛み合うようにして、ね
じ溝42,52が形成されている。これら両ねじ溝の互いに
噛み合う部分は、容積式真空ポンプ構造部分Aとなって
おり、第2室12内に収納されている。すなわち、両ねじ
溝42,52の噛み合い部分の凹部(溝)と凸部およびハウ
ジング1の間で形成された密閉空間が、両回転軸2,3の
回転に伴い周期的に容積変化を起こし、この容積変化に
より吸入・排気作用が得られる。
容積式真空ポンプ構造部分Aから離れた筒形ロータ4
の単軸の上部外周面には、ねじ溝43が形成されている。
このねじ溝43とハウジング1の内壁の間で運動量移送式
の真空ポンプ構造部分Bを構成している。この真空ポン
プ構造部分Bは、第1室11内に収納されている。このね
じ溝43の分子ドラッグ作用により、吸気孔14から流入し
た気体を、容積式真空ポンプが収納されている空間(第
2室12)へ排気する。さらに容積式真空ポンプに流入し
た気体は、排気孔15から外部へ排出される。
回転軸2,3を駆動するサーボモータ6,7は、いずれもポ
ンプ構造部分A,Bの吸入側と反対側に、並列に配置され
ている。
第1回転軸2,第2回転軸3は、前記サーボモータ6,7
により、実施例では数万rpmの高速で回転する。両軸の
回転は、各回転軸3,2の吸入側とは反対側の下端部に設
けられたロータリエンコーダ8,9により検出される。こ
の回転位置検出信号により、実施例では各ロータ4,5を
非接触で高速同期回転をさせている。
各回転軸2,3と、筒形ロータ4,5の密閉部は、回転軸の
上端部で嵌合されている。そのため、真空ポンプ構造部
分A,B共その吸入側は密閉構造となっている。したがっ
て吸入孔14から流入した気体は、真空ポンプ構造部分A
→Bを経る間、モータ、軸受等に直接哂されることはな
い。したがって本発明を用いた実施例の構造により、腐
蝕性ガスを扱うプロセスに対応できる真空ポンプのドラ
イ化・クリーン化が、低真空から超高真空排気まで、同
時に実現できるのである。
筒型ロータ4,5の各下端外周面には、ねじ溝42,52同士
の接触防止用ギヤ44,54が設けられている。これらの接
触防止用ギヤ44,54は、両回転軸2,3の同期回転が円滑に
行われているときには互いが接触することはないが、万
一、この同期がずれたときには、ねじ溝42,52同志の接
触に先立って、互いに接触することにより、両ねじ溝4
2,52の接触衝突を防止する働きをする。
この発明にかかる複合型真空ポンプでは、吸入口は、
運動量移送式真空ポンプ構造部分Bの上流側に設けられ
ている吸入口14だけでもよく、この場合バルブ等の切り
換えなく、一気に大気から超高真空まで引くことができ
る。もし運動量移送式真空ポンプ構造部分Bにおける狭
いスリットが排気抵抗となる場合は、真空ポンプ構造部
分Aの上流側に第2吸気孔19を設け、この第2吸気孔19
から直接気体を吸入してもよい。この場合排気時間の短
縮が図れる。
なお、吸気口19から粗引きを行うときは、第1吸気口
14は閉じていても良い。
第2図は本発明の第2の実施例であり、各回転軸を静
圧気体軸受で支持した場合のポンプの構成を示す。16,1
7は両回転軸の円盤状のスラスト軸受面21,31及びラジア
ル軸受面と対向する固定側に設けられたオリフィスであ
る。このオリフィスに高圧の圧縮気体が供給される。
ところで、運動量移送式真空ポンプ(ターボ分子ポン
プあるいはドラックポンプ)では、一般に、排気側で10
-2〜10-4torr程度の真空圧が維持されていないと、十分
な排気性能を発揮できない。ところがこの実施例では、
静圧軸受を構成するために、筒形ロータ4,5の内部空間4
5,55に圧縮気体を導入しており、これが運動量移送式真
空ポンプの排気性能を劣化させないかが懸念される。し
かしこの実施例では、吸気口14側に位置する筒形ロータ
の上端部41,51が密閉構造になっているため、その内部
空間45,55は、真空ポンプ構造部分Aを通じてのみ、真
空ポンプ構造部分Bに連通する。したがって、これらの
内部空間45,55に流入した圧縮気体は、真空ポンプ構造
部分Aで遮断されて、真空ポンプ構造部分Bの排気側に
達することがない。そのために、この圧縮気体は運動量
移送式真空ポンプ構造部分Bにより真空排気作用を妨げ
ることがないのである。
なお、この実施例では、圧縮気体としてN2ガスを用い
ている。その結果、回転軸2,3とモータが収納されてい
る部分の空間の圧力が若千上昇する。このようにすれ
ば、CVD、ドライエッチングなどのような腐蝕性ガスを
取り扱うプロセスにこのポンプを使用する場合も、モー
タ内部への腐蝕性ガスの侵入を防止することができる。
なお、回転軸を支持する軸受けは、とくに限定される
ものではないが、非接触式ならばより高速化を図ること
ができる。
第3図に、第1、第2の実施例に共通な筒形ロータ4,
5の外観図を示す。
第4図は本発明の第3の実施例を示す。この実施例
は、運動量移送式真空ポンプをタービン翼を備えたもの
にすることにより、さらに低い真空到達圧を得られる様
にしたものである。真空ポンプ構造部分Bにおいて、第
1、第2の実施例では、気体分子に運動量を与えて気体
分子を排気する手段として、ねじ溝式のドラックポンプ
を用いた。しかしねじ溝式では、通常10-8torr程度の真
空圧が到達限界である。さらに低い真空圧、例えば10
-10torr程度の極高真空圧を得るためには、気体分子に
運動量を与える手段として、タービン翼を用いる方法が
有効であるが、次の様な問題点がある。
この発明にかかる複合型真空ポンプでは、真空ポンプ
構造部分Bが収納された第1室11は、大気圧またはそれ
に近い気圧状態下で、回転を開始することになる。この
場合装置が高速回転になったとき、タービン翼に加わる
揚力によってタービン翼が破壊される可能性が大きく、
タービン翼を用いることが出来ない。
しかし本実施例では、上記の懸念を生じることなく、
次の方法でタービン翼を用いることが出来る。第4図に
おいて、第1図と同じ符号が付された部分は同じ構造部
分を表す。この第3実施例は、以下の点で、第1実施例
と異なる。すなわち、運動量移送式真空ポンプ構造部分
Bにおいて、気体分子に運動量を与える手段の一部がタ
ービン翼431になり、残りの部分がねじ溝432になってい
る。また容積式真空ポンプ構造部分Aが収納されたハウ
ジングの一部(ねじ溝式容積ポンプの中間部)に第2吸
気口19が設けられている。第2吸気口19が設けられてい
る位置に対応する各ロータの外周部には、円周溝433が
形成されている。この円周溝433は、第2吸気口19から
吸入される気体の流入通路抵抗を低減するために形成さ
れたものである。
したがって、容積式真空ポンプ構造部分Aは、上部の
容積式ポンプ(A−1)と下部の容積式ポンプ(A−
2)が、第2吸気孔19を途中に介在して、シリーズに連
結されたものと考えることができる。
上記構成において、第1吸気口14を閉じ、第2吸気口
19を開いた状態で、ポンプの回転を開始する。このと
き、運動量移送式真空ポンプ構造部分Bの排気側は、回
転開始直後では大気圧下にある。
しかし第1吸気孔14は閉じられており、かつ運動量移
送式真空ポンプが収納された空間の空隙部Sは極めて小
容積である。この空間S中の気体は、上部容積式ポンプ
(A−1)の排気作用により、直ちに排出される。その
ために、真空ポンプ構造部分Bの排気側は、回転が開始
されると、すみやかに10-2〜10-3torr程度の真空圧に到
達する。その後ポンプの回転数が数万rpmのレベルまで
上昇しても、真空ポンプ構造部分Bのタービン翼431
は、高速回転にもかかわらず破壊される恐れかないので
ある。真空ポンプ構造部分Bの吸気側(真空チャンバ
ー)すなわち、容積式ポンプ(A−2)の上流側の圧力
が容積式ポンプ(A−2)の作用により、10-2〜10-3to
rr程度の真空度になったあとは、第2吸気口19を閉じて
第1吸気口14を開く。その後はタービン翼による気体分
子の排気作用により、10-10torrレベルの極高真空にま
で到達することができる。
なお、真空ポンプ構造部分Bの気体分子に運動量を与
える手段の全部がタービン翼431であってもよい。
また回転位置検出センサーによる検出方法は、必ずし
も絶対角度である必要はなく、二つの回転軸の相対位置
を検出する方法でもよい。
〔発明の効果〕
この発明にかかる真空ポンプは、2軸のロータの組み
合わせからなる容積式真空ポンプ構造部分の一軸上に、
運動量移送式真空ポンプ構造部分を形成し、かつこの2
軸を電子制御により高速同期運転するものである。その
ため、次の様な効果が得られる。
(1)一台で大気から超高真空(10-8torr以下)まで一
気に引ける。
本発明により、低真空領域と高真空・超高真空領域で
最も排気性能の優れた方式のポンプを一台に集約するこ
とができる。すなわち、低真空領域で高い排気効率を持
つ容積式真空ポンプと、高真空・超高真空領域で低い真
空到達圧と高い排気効率を持つトーボ分子ポンプの両方
の特徴を合わせ持つことができる。
(2)大幅な小型化と排気系の簡素化が図れる。
これは次の理由によるものである。
タイミングギヤを省略し、モータの高速化が図れる。
本発明では、個々のロータが独立したモータで駆動さ
れるようになっているので、従来のねじ溝式真空ポンプ
の様なギヤを用いた大きなトルク伝達が不要となる。容
積式ポンプや容積式コンプレッサでは、2個以上のロー
タの相対運動により、容積の変化する密閉空間を作り出
す必要があり、従来は伝達ギヤやタイミングギヤ、ある
いはリンクやカム機構を用いた複雑な伝達メカニズムに
よって、前記2個以上のロータの同期回転を行ってい
た。タイミングギヤや伝達メカニズムの部分に潤滑油を
供給することにより、ある程度の高速化は可能である
が、装置の振動,騒音,信頼性を考慮したとき、回転数
の上限はせいぜい1万rpmであった。これに対し、この
発明では、前述のように機械的擢動をともなう複雑なメ
カニズムの潤滑上の課題が解決し、、ロータの回転部を
1万rpm以上の高速で回転させることができるととも
に、メカニズム部分の省略による装置の簡素化が実現で
きる。
モータの高速化により、モータが小型化でき、ポンプ
本体も小型化できる。
真空ポンプの動力はトルクと回転数の積であり、回転
数が上がるとトルクが小さくて済む。したがって、この
発明では、高速化によるトルク低減により、モータを小
形化できるという副次的効果も生じる。さらに、この発
明では、個々のロータを互いに独立したモータで駆動す
るようにしているため、個々のモータに必要なトルクは
さらに小さくなる。その結果実施例で示す様に、2つの
回転軸のそれぞれにビルトインした形で、モータを同一
方向かつ並列に配置したポンプ構成ができる。
第5図で示す従来粗引きポンプの場合、低速回転のた
めモータ108の外径は各ロータ104,105の外径よりもはる
かに大きく、たとえモータを2個用いても、各ロータ10
4、105の真下にモータを配置することは困難である。し
たがって本発明を用いた真空ポンプは、従来のモータの
設置スペースが不要となり、ポンプ本体の大幅なコンパ
クト化が図れるのである。
(3)低真空から超高真空までクリーン排気ができる。
本発明を用いれば、実施例に示す様に、回転軸を締結
するロータの密閉側を真空中に配置できる。そのため吸
入口から流入した気体は、超高真空→低真空に至る経路
で、モータ、軸受等に直接哂されることはない。この構
成が可能なのは、真空側とは反対側に設ける2つのモー
タの外径寸法が、高速同期制御により小さくできるから
である。
この発明の容積式真空ポンプの構造部分に、ロータが
外周部にねじ溝を備えたものにすると、たとえばルーツ
型真空ポンプでは1回転で1回の吐出であって流入流出
する作動流体が大きな脈動を伴うのに対し、ねじ溝式で
はほぼ流れが連続流に近くなる。そのため、各軸のモー
タにかかるトルクの変動が小さくなる。トルク変動は各
回転軸の同期制御回転を乱す原因となるが、トルク変動
の小さなねじ溝式の採用によって、より高速・高精度の
同期制御が容易となるのである。
ねじ溝式の場合、構造上、吸入側と吐出側の間が多段
の凹凸嵌合によって密閉されるため、内部リークによる
悪影響が小さくなって、真空到達速度を高くとることが
できる。
また、ねじ溝型ロータは、ギヤ型、ルーツ型、スクリ
ュー型のような凹凸の振動が大きい異形ロータとは異な
り、回転中心軸に垂直な断面が比較的円形に近く、外周
部の付近まで空洞にすることができる。そのため内部空
間が大きくとれて、ここを実施例のごとく軸受部に利用
する等の利用ができ、装置の小形化を大いに図ることが
できるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例における複合型ポンプの
断面図、第2図は本発明の第2の実施例における複合型
ポンプの断面図、第3図は第2図の要部断面図、第4図
(a)は本発明の第3の実施例を示す断面図、同図
(b)は同実施例におけるタービン翼とねじ溝の一部を
示す斜視図、第5図、第6図は従来の真空ポンプを示す
断面図である。 1……ハウジング、2……第1回転軸、3……第2回転
軸、4,5……筒形ロータ、8,9……ロータリーエンコーダ

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジング内に収納された複数個のロータ
    及びこれらのロータのそれぞれに締結された複数個の軸
    と、これらの軸の回転を支持する軸受と、前記ハウジン
    グに形成された流体の吸入口および吐出口と、前記複数
    個の軸をそれぞれ独立して回転駆動する複数個のモータ
    と、この複数個のモータを電子制御により同期運転する
    ことにより、前記ロータおよび前記ハウジングで形成さ
    れる密閉空間の容積変化を利用して流体の吸入・排気を
    行う容積式の真空ポンプを構成すると共に、前記複数個
    の軸の同軸上に、運動量移送式の真空ポンプを配置した
    ことを特徴とする複合型真空ポンプ。
  2. 【請求項2】前記モータの回転位置情報を検知する検出
    手段と、この検出手段からの信号によって、前記複数個
    のモータを電子制御により同期運転することを特徴とす
    る請求項1記載の複合型真空ポンプ。
  3. 【請求項3】前記運動量移送式の真空ポンプは一部にね
    じ溝が形成された高真空ポンプあるいは超高真空ポンプ
    であることを特徴とする請求項1記載の複合型真空ポン
    プ。
  4. 【請求項4】前記容積式の真空ポンプは、ねじ溝式真空
    ポンプであることを特徴とする請求項1記載の複合型真
    空ポンプ。
  5. 【請求項5】前記複数個のモータはいずれも前記軸の流
    体の吸入口側とは反対側に配置されていることを特徴と
    する請求項1記載の複合型真空ポンプ。
  6. 【請求項6】前記軸の流体吸入側の前記軸端部近傍に、
    前記ローラが締結されていることを特徴とする請求項1
    記載の複合型真空ポンプ。
  7. 【請求項7】前記容積式真空ポンプの中間部に第2の吸
    入口が配置され、かつ前記運動量移送式の真空ポンプ
    は、タービン翼を備えていることを特徴とする請求項1
    記載の複合型真空ポンプ。
JP25579890A 1990-08-01 1990-09-25 複合型真空ポンプ Expired - Fee Related JP2589865B2 (ja)

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