JP2589191B2

JP2589191B2 - 止水用被覆体

Info

Publication number: JP2589191B2
Application number: JP1313404A
Authority: JP
Inventors: 孝之川藤; 登始夫明坂
Original assignee: TOA GURAUTO KOGYO KK; Iseki Kaihatsu Koki KK
Current assignee: TOA GURAUTO KOGYO KK; Iseki Kaihatsu Koki KK
Priority date: 1989-12-04
Filing date: 1989-12-04
Publication date: 1997-03-12
Anticipated expiration: 2012-03-12
Also published as: JPH03177698A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、下水道用管路、電線用管路、電線用管路等
のような管路の止水に用いる止水用被覆体に関する。

（従来の技術）下水道管、上水道管、電線用管等の管路における漏水
防止方法の一つとして、実公昭62−18709号公報に記載
されているように、ゴム製のスリーブと、該スリーブの
内側に配置されたコイルばねとを備える被覆体を、スリ
ーブが管路を規定する管の内壁面にコイルばねにより押
圧された状態に、配置する補修方法がある。しかし、こ
の補修方法では、スリーブのコイルばねと接触していな
い部位がスリーブの周りから中心に向かう力により変形
しやすいから、地下水が管路内へ流入しやすく、したが
ってこれを防止すべくスリーブを厚くしてその機械的強
度を高めねばならない。

ガス管や水道管におけるガスまたは水の漏洩を防止す
る方法の一つとして、特開昭57−65492号公報に記載さ
れているように、ゴム製のスリーブ（シール部材）と、
該スリーブの端部内側に配置された拡開可能の一対のバ
ンドとを備える被覆体を、スリーブの両端部が管路を規
定する管の内壁面にバンドにより押圧された状態に、配
置する補修方法がある。しかし、この補修方法で用いる
被覆体では、物体保持具として作用するバンドがシート
状であり、また一端部にバックルを設けているにすぎな
いから、バンドの長手方向両端部が前記軸線方向におけ
る逆の方向へ相対的に変位するように、バンドが不規則
に拡開されるおそれがある。このように、バンドが不規
則に拡開されると、スリーブが不規則に変形されるし、
バンドが正確に拡開された状態に維持されず、その結果
スリーブが管の内面に確実に押圧されず、漏水防止効果
が低減する。また、この補修方法では、スリーブの軸線
方向中央部がスリーブの周りから中心に向かう力により
変形しやすいから、前記中央部の機械的強度を高めるべ
くスリーブの軸線方向中央部の機械的強度を高めなけれ
ばならない。

不透水性を有する弾性変形可能のスリーブと、拡開可
能に渦巻状に巻かれた状態で前記スリーブ内の内側に配
置されたシート状のベースとを含む、管路の漏水防止用
被覆体が提案された（特願平１−207839号）。前記ベー
スは、これが拡開されたとき、互いに係合してベースを
筒状に維持する少なくとも一対の係合部を備える。この
被覆体は、その直径寸法がその軸線方向全体にわたって
縮小された状態で被処理箇所に移動され、次いで被処理
箇所においてベースが拡開されることにより、管の内壁
面に該内壁面を覆うように配置される。被覆体が被処理
箇所に配置された状態において、ベースは、両係合部に
より筒状に維持され、これによりスリーブを管の内壁面
に押圧した状態に保持する。しかし、前記被覆体では、
物体保持具として作用するベースがシート状であるか
ら、ベースの軸線方向の一方における直径寸法が他方の
それより大きくなるように、ベースが不規則に拡開され
るおそれがある。このように、ベースが不規則に拡開さ
れると、スリーブが不規則に変形されるし、ベースが正
確に拡開された状態に維持されず、その結果スリーブが
管の内面に正しく押圧されず、漏水防止効果が低減す
る。

（解決しようとする課題）本発明の目的は、保持具およびスリーブを正しい状態
に維持し、また機械的強度を効果的に高めることにあ
る。

（解決手段、作用、効果）本発明の、管内に止水のために配置される被覆体は、
不透水性を有する弾性変形可能スリーブと、該スリーブ
を前記管の内面に保持する物体保持具とを含む。前記物
体保持具は、一端部および他端部を有しかつ前記一端部
が前記他端部の内側となるように拡開可能に筒の形に巻
かれたシート状のベース部と、該ベース部に設けられ、
該ベース部が拡開されたとき互いに共同して前記ベース
をほぼ筒状に維持する一対の固定部と、前記ベース部の
軸線方向の各縁部に形成された変形部であって前記一端
部から前記他端部にわたって伸び、前記ベース部の半径
方向外方に突出するように変形された変形部とを含む。
前記スリーブは前記ベース部の周りにあって前記変形部
の間に配置されている。

被覆体は、その外径より大きい内径を有する管内の箇
所で保持具のベースが拡開機により拡開されることによ
り、管内に維持される。ベースが拡開されるとき、ベー
スはその前記両端部が前記軸線方向へ相対的に変位する
ことを前記変形部により阻止され、スリーブはこれが保
持具に対し前記軸線方向へ変位することを前記変形部に
より防止される。このため、ベースが管内で正しく拡開
されるとともに、スリーブが管の内面に正しく押圧され
るから、保持具が正しい状態に維持され、スリーブが正
しい状態に保持される。保持具が押しつぶされるような
力に対する機械的強度は、変形部がリブと同様の作用を
することにより高められる。

本発明によれば、ベース部の一端部から他端部にわた
って伸びかつベース部の半径方向外方に突出する変形部
をベース部の軸線方向の各縁部に形成し、またスリーブ
をベース部の周りにあって変形部の間に配置したから、
ベース部が正しく拡開されるとともに、スリーブが管の
内面に正しく押圧され、その結果、保持具が正しい状態
に維持され、スリーブが正しい状態に保持される。ま
た、変形部がリブと同様の作用をし、その結果保持具が
押しつぶされるような力に対する機械的強度が向上す
る。

前記固定部は、前記一端部に形成された少なくとも１
つの雌係合部と、前記雌係合部と係合可能に前記他端部
に形成された少なくとも１つの雄係合部とを含むことが
好まし。これにより、構造が簡単な固定手段とすること
ができる。

（実施例）第１図を参照するに、保持具10は、弾性変形可能の細
長いシート状のベース部12を含む。第１図は保持具10の
展開斜視図であるから、ベース部12は平坦であるように
示されている。しかし、ベース部12は、実際には、一端
部が他端部の内側となるように、半径方向へ拡大可能に
すなわち拡開可能に渦巻状に巻かれている。

保持具10は、また、ベース部12の前記一端部にベース
部12の幅方向に間隔をおいて形成された一対の雌係合部
14と、ベース部12が半径方向へ拡大すなわち拡開された
とき、雌係合部14と係合可能にベース部12の前記他端部
に形成された複数の雄係合部16,18とを含む。両雌係合
部14は、図示の例では、ベース部12に固定されたＺ字状
の断面形状の金具からなる。雄係合部16および18は、図
示の例では、それぞれ、ベース部12の他端縁部と、前記
他端部に形成された矩形の穴20を規定する部位である。
しかし、係合部14,16,18は、他の形状の係合部であって
もよく、たとえば雄係合部16,18を雌係合部14と類似の
金具とすることができる。

保持具10は、さらに、ベース部12の幅方向両縁部から
雌係合部14の側に半径方向外方に突出するように形成さ
れた変形部22を含む。各変形部22は、ベース部12の対応
する縁部から半径方向外方へ所定の角度または所定の曲
率半径で変形されており、また、ベース部12の対応する
縁部にベース部12の一端から他端まで連続して形成され
ている。

第２図に示すように、保持具10を止水用の被覆体24に
用いるとき、保持具10は、雌係合部14の側の端部が雄係
合部16,18の側の端部の内側となるように、渦巻状に巻
かれた状態で、弾性変形可能のスリーブ26の内側に配置
される。

スリーブ26は、第２図および第３図に示すように、そ
の筒状部28の軸線方向の各端部に、対応する端部外周を
連続して伸びるように形成された複数の突出部30,32,3
4,36を有する。突出部30,32,34,36は、第３図に示すよ
うに、三角形の断面形状を有しており、また、三角形の
底辺に対応する部位が筒状部28の側となるように形成さ
れている。

スリーブ26の軸線方向における最も外側すなわち最端
部に位置する突出部30と、最も内側（中央部側）に位置
する突出部36とは、筒状部28と同一の材料でかつ筒状部
16に一体に作られている。これに対し、両突出部30,36
の間に位置する突出部32,34の内側の部位は、水を吸収
して膨張する高分子材料からなる。しかし、突出部32,3
4は、筒状部28と同一の材料で、筒状部28と一体に作ら
れていてもよい。

突出部32,34の内側の部位は、筒状部28に埋め込まれ
ている。これにより、突出部32,34は、スリーブ26の軸
線方向へ変位することを阻止されている。突出部32,34
の一部を筒状部28に埋め込む代りに、突出部32,34を筒
状部28に接着してもよいし、成形時または加硫時に突出
部32,34と筒状部28とを一体的に接合または結合しても
よい。

保持具10は、ステンレス、銅、銅合金のように耐腐食
性を有する金属材料製であることが好ましい。これに対
し、スリーブ26は、ゴム、合成樹脂のように不透水性を
有する高分子材料製であることが好ましい。

スリーブ26の内径、スリーブ26の軸線方向長さ、筒状
部28の厚さ、突出部の高さ、突出部の断面形状、突出部
の厚さは、それ等相互の関係、漏水防止処理をすべき管
の大きさ、被処理箇所の大きさ等に応じて任意に選択す
ることができる。しかし、スリーブ26の外径は処理すべ
き管の内径より小さい。また、スリーブ26の内径は保持
具10をその雌係合部14と雄係合部16または18とが係合す
る状態に拡開させたときのベース部12の外径より小さ
い。

図示の例では、スリーブ26の筒状部28の厚さは、保持
具10の変形部22の突出高さとほぼ同じである。このた
め、スリーブ26の突出部32,34は、その大部分が保持具1
0からその半径方向外方へ突出する。

図示の例では、保持具10の幅すなわち軸線方向長さ
は、スリーブ26の軸線方向長さよりやや大である。ま
た、保持具10およびスリーブ26の長さは、防水処理をす
べき管の内径により異なる。ベース部12の厚さは、スリ
ーブ26のそれより小さくてよい。

次に、被覆体24を用いる止水方法について説明する。

第４図に示すように、先ず、被覆体24は、該被覆体を
半径方向へ拡大させる拡開機40に配置される。

拡開機40は、軸部42と、該軸部にこれの軸線方向へ間
隔をおいて固定されかつ圧縮空気にような圧力流体によ
り風船状に膨張される一対の膨張部44とを備える。この
ような拡開機40としては、たとえば、本発明の出願人の
一人である東亜グラウト工業株式会社から、パッカーな
る商品名で販売されている止水栓または止水材注入機を
用いることができる。拡開機40は、膨張部44が収縮され
た状態で、ベース部12の内側に入れられる。

次いで、膨張部44は、地上に配置された流体源からホ
ースを介してニップル46へ供給される圧縮空気のような
圧力流体により、被覆体24が拡開機40に対して変位しな
い程度に膨張され、その状態に維持される。ニップル46
は軸部42に取り付けられており、軸部42はニップル46に
供給された圧力流体のための流路を有する。

第４図に示すように、止水処理をすべき管48内の被処
理箇所には、被覆体24を配置するための凹所50が形成さ
れている。凹所50は、管48の内壁面を周方向へ連続して
伸びる。凹所50の幅すなわち軸線方向長さは被覆体24の
それとほぼ同じであるが、凹所50の深さは突出部30,32,
34,36の高さを含む被覆体24の厚さよりやや小さい。被
処理箇所は、隣り合う管の間の連結部すなわち継目部で
あってもよいし、また、管48に形成された亀裂部分であ
ってもよい。

次いで、被覆体24および拡開機40は、管48内をその一
端部から凹所50の箇所まで移動される。被覆体24および
拡開機40は、たとえば、拡開機40に連結されたロープ52
を管48の他端部の側へ引くことにより、管48内を移動さ
せることができる。管48内を撮像するテレビカメラを被
覆体24および拡開機40とともに移動させつつ、テレビカ
メラによる映像をモニタで監視することにより、被覆体
24および拡開機40を所定の位置へ移動させることができ
る。

被覆体24および拡開機40が管48内の所定の箇所へ移動
されると、膨張部44がニップル46を介して供給される圧
力流体によりさらに膨張される。これにより、被覆体24
は、ベース部12の両端部が僅かに重なる程度にすなわち
雌係合部14と雄係合部16または18が係合可能になる程度
に拡開されて管48の内壁面に押圧される。その結果、ス
リーブ26は、管48の内面に押圧されて圧縮変形する。し
かし、被覆体24が管48の内壁面に押圧されたとき、突出
部30,32,34,36が主として弾性変形される。

次いで、膨張部44内の圧力流体が除去された後、拡開
機40がテレビカメラとともに管48から除去される。

膨張部44内の圧力流体が除去されると、スリーブ26が
保持具10を縮小させる力をベース部12に作用させるか
ら、第５図に示すように、ベース部12の雄係合部16また
は18は雌係合部14に嵌合される。これにより、保持具10
は僅かに縮小するが、この縮小分は突出部30,32,34,36
が僅かに復元することにより吸収される。このため、ス
リーブ26の突出部30,32,34,36は、第４図に示すよう
に、管48の内壁面に押圧されかつ圧縮された状態に維持
される。この結果、管48からの漏水および管48への漏水
が防止され、また、被覆体24は管48内に突出しないよう
に凹所50に配置される。

第５図では、突出部は、弾性変形されていないように
示されているが、実際には第４図に示すように変形され
ている。また、第５図では、雌係合部14が雄係合部18と
が係合した状態を示すが、管48および凹所50の内径によ
っては雌係合部14と雄係合部16とが係合する。

図示の例のように、ベース部12の周方向へ間隔をおい
た複数箇所に雄係合部16,18（または雄係合部であって
もよい）を形成すれば、管の大きさに誤差があっても、
両係合部を確実に係合させることができる。

上記の止水処理作業の間、保持具10の互いに重ねられ
た両端部が変形部22により保持具10の軸線方向への相対
的な移動を阻止されているから、ベース部12ひいては保
持具10は、正しく拡開され、管48内に正しい状態に維持
される。

図示の例では、保持具10がベース部12の長手方向全体
にわたって伸びる変形部22を有するから、雌係合部14と
雄係合部16または18とが係合された後に、保持具10の半
径方向外方から内方へ向かう力に対する保持具10の機械
的強度が向上する。

しかし、保持具10の機械的強度の向上を目的としない
場合には、各変形部22は、連続していなくてもよいし、
また、雌係合部14が形成されている端部にのみ形成して
もよい。

スリーブ26の突出部30,32,34,36の断面形状は、上記
以外の形状であってもよい。また、スリーブ26に突出部
30,32,34,36を設ける代りに、スリーブ26の筒状部26の
厚さを大きくしてもよい。

保持具10を拡開された状態に維持する固定手段として
の係合部は、図示の例以外の他の形状であってもよい。

雌係合部は、第６図（Ａ）に示す係合部60のように、
ベース部62の一部をプレス加工等によりベース部62の一
方の側から他方の側へ打出した舌片からなる係合部であ
ってもよいし、第６図（Ｂ）に示す係合部64のように、
ベース部66の一端部をＹ字状に折り曲げることによって
形成された係合部であってもよく、さらに、第６図
（Ｃ）に示す係合部68のように、ベース部70の一端に形
成された複数の穴からなる係合部であってもよい。第６
図（Ｃ）に示す雌係合部68を用いる場合は、雌係合部68
に嵌合可能にベース部70の他端部に形成された突起を雄
係合部72とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の被覆体で用いる保持具の一実施例を展
開して示す斜視図、第２図は第１図の保持具を用いた被
覆体の一実施例を示す斜視図、第３図は第２図の被覆体
で用いるスリーブの一実施例を示す断面図、第４図は被
覆体を拡開機により半径方向へ拡大させた状態を示す断
面図、第５図は雌係合部と雄係合部とを係合させた状態
を示す側面図、第６図（Ａ），（Ｂ）および（Ｃ）はそ
れぞれ雌係合部の他の実施例を示す図である。 10:保持具、12:ベース部、 14,16,18,60,64,68,72:係合部、 22:変形部、24:被覆体、26:スリーブ、48:管。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】管内に止水のために配置される被覆体であ
って、不透水性を有する弾性変形可能のスリーブと、該
スリーブを前記管の内面に保持する物体保持具とを含
み、前記物体保持具は、一端部および他端部を有しかつ
前記一端部が前記他端部の内側となるように拡開可能に
筒の形に巻かれたシート状のベース部と、該ベース部に
設けられ、該ベース部が拡開されたとき互いに共同して
前記ベースをほぼ筒状に維持する一対の固定部と、前記
ベース部の軸線方向の各縁部に形成された変形部であっ
て前記一端部から前記他端部にわたって伸び、前記ベー
ス部の半径方向外方に突出するように変形された変形部
とを含み、前記スリーブは前記ベース部の周りにあって
前記変形部の間に配置されている、止水用被覆体。
【請求項２】前記固定部は、前記一端部に形成された少
なくとも１つの雌係合部と、前記雌係合部と係合可能に
前記他端部に形成された少なくとも１つの雄係合部とを
含む、請求項（１）に記載の被覆体。