JP2588634Y2 - トーショナルダンパ - Google Patents

トーショナルダンパ

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JP2588634Y2
JP2588634Y2 JP1991093952U JP9395291U JP2588634Y2 JP 2588634 Y2 JP2588634 Y2 JP 2588634Y2 JP 1991093952 U JP1991093952 U JP 1991093952U JP 9395291 U JP9395291 U JP 9395291U JP 2588634 Y2 JP2588634 Y2 JP 2588634Y2
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亀▲高▼健一
伊藤輝幸
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案はトーショナルダンパに
関し、特に、放熱性、冷却性に優れるトーショナルダン
パに関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】一般に、この種のトーシ
ョナルダンパは、クランクシャフト等の回転軸に連結さ
れて回転軸と一体に回転する円盤状のハブの一側面に、
ゴム状弾性体を介して加硫接着等により、環状の慣性体
を一体に連結して構成されている。
【0003】そして、クランクシャフト等の回転軸が回
転すると、その回転にともなってハブが一体に回転し、
このハブの回転がゴム状弾性体を介して慣性体に伝わ
り、このとき慣性体がゴム状弾性体を介してハブの捩じ
り振動の慣性質量として作用することにより、回転軸に
発生する捩じり振動を吸収できるようになっている。
【0004】しかしながら、上記のような従来のトーシ
ョナルダンパにあっては、ゴム状弾性体の放熱面積が小
さいために、慣性体が慣性質量として作用してゴム状弾
性体が発熱した場合、ゴム状弾性体の内部に熱がこもっ
てしまい、ゴム状弾性体が熱疲労を起こす恐れがある。
【0005】この考案は前記のような従来のもののもつ
問題点を解決したものであって、ゴム状弾性体の放熱面
積を大きくするとともに、回転時にゴム状弾性体を強制
的に冷却できるようにすることによって、ゴム状弾性体
の温度上昇を小さく抑えて、耐久性を向上させることの
できるトーショナルダンパを提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】本考案は上記問題点を解
決するために、回転軸と一体に回転するハブの軸方向一
方側面にゴム状弾性体を介して前記回転軸と同心に配置
される環状の慣性体を連結し、前記慣性体は内周側に位
置する小マスと、該小マスより大径に形成され該小マス
の外周側に位置する大マスを備えることにより、前記小
マス及び大マスとの間に間隙を形成されたトーショナル
ダンパにおいて、前記小マスの自由端面には軸方向に突
出するフィンを設け、前記自由端面を内周から外周に向
かってハブ側へ傾斜する傾斜面を形成し、該傾斜面の最
大径部は前記大マスの自由端面よりハブ側へ位置すると
いう構成を有するものである。
【0007】
【作用】この考案は、外周側に位置する大マス及び内周
側に位置する小マスを有し、前記小マスのフィンが設け
られる自由端面を傾斜させ該傾斜面の最大径部を前記大
マスの自由端面よりハブ側へ位置することにより、トー
ショナルダンパが回転したときに両慣性体の間に形成さ
れた窪み部を強制空冷する空気の流れを発生させること
ができる。即ち、単に両慣性体の自由端面を冷却するだ
けではなく、小マスで形成された空気の流れを大マスの
側方を通過させずに、両慣性体間の間隙に入り込むよう
な流れを作り出し大マスの内周面に当たることとなり、
両慣性体間に形成された窪み部の中に乱流を大きく発生
し、前記窪み部内にこもった空気を追い出し、慣性体及
びゴム状弾性体を効果的に冷却することができる。よっ
て、ゴム状弾性体が発熱による温度上昇を低く抑えられ
るので、ゴム状弾性体のばね定数の変化が低くなること
によって性能の安定を図り、熱疲労を少なくできるため
耐久性を高めることができる。
【0008】
【実施例】以下、図面に示すこの考案の実施例について
説明する。図1〜図4には、この考案によるトーショナ
ルダンパの第1の実施例が示されていて、図1は全体を
示す概略断面図、図2は図1に示すものを左方向から見
た部分図、図3は図1に示すものを右方向から見た部分
図、図4は図3に示すものをA−A線に沿って見た拡大
断面図である。
【0009】すなわち、このトーショナルダンパは、ク
ランク軸等の回転軸に一体に連結されて回転軸と一体に
回転する円盤状のハブ1と、このハブ1の一側面側に所
定の間隔をおいて位置するとともに、ハブ1と反対側の
面に複数のフィン7、8が一体に形成されている環状の
小マス3およびこれよりも大径の環状の大マス4からな
る慣性体2と、この慣性体2の各マス3、4と前記ハブ
1との間を一体に連結する環状のゴム状弾性体5、5
と、前記ハブ1の他側面側に一体に取り付けられるとと
もに、ハブ1と反対側の面に複数のフィン9が一体に形
成されている円盤状のフィン部材6とから構成されてい
る。
【0010】前記ハブ1の中心部には、クランク軸等の
回転軸を挿通させるための取付用の孔10が穿設されて
いるとともに、外周縁部は径方向に環状に張り出してい
て、この張り出した部分には前記慣性体2の小マス3及
び大マス4が前記ゴム状弾性体5,5を介して加硫接着
等により一体に連結されている。尚、前記小マス3はハ
ブの内周側に位置し、大マス4は前記小マスに対し外周
側に配置されるというものである。
【0011】前記慣性体2を構成する小マス3および大
マス4は、断面が方形状で環状をなしていて、一側面側
を前記ハブ1の張り出した部分の一側面側に、前記ゴム
状弾性体5、5を介して加硫接着等により一体に連結さ
れるようになっているとともに、他側面側には、軸線方
向に突出する角形状のフィン7、8が、周方向に向かっ
て所定の間隔ごとに一体に形成されている。
【0012】前記フィン部材6の一側面は、前記ハブ1
の他側面と合致する形状・寸法に形成されているととも
に、他側面の軸線方向に張り出した部分には、軸線方向
に突出し、かつ、内外周側が開口する断面が角形状のフ
ィン9(図4参照)が、周方向に向かって所定の間隔ご
とに一体に形成されている。
【0013】そして、上記のように構成したトーショナ
ルダンパのハブ1を、その中心部の取付用の孔10を介
して図示しないクランクシャフト等の回転軸に一体に連
結して、回転軸が回転すると、回転軸の回転にともなっ
てハブ1、およびハブ1に一体に取り付けられているフ
ィン部材6が一体に回転し、このハブ1およびフィン部
材6の回転が、ハブ1の一側面側にゴム状弾性体5、5
を介して一体に連結されている慣性体2の小マス3およ
び大マス4に伝達されることになる。
【0014】そして、上記のような過程において、回転
軸側から捩じり振動が入力すると、その捩じり振動は、
回転軸からハブ1に伝達されることになるが、ハブ1に
ゴム状弾性体5、5を介して一体に連結されている小マ
ス3と大マス4とからなる慣性体2が、ハブ1に伝達さ
れる捩じり振動の慣性質量として作用することにより、
回転軸に発生する捩じり振動を吸収できることになる。
【0015】また、前記ゴム状弾性体5、5は、慣性体
2の小マス3および大マス4が捩じり振動の慣性質量と
して作用することにより、径方向内外、捩じり方向、お
よび軸線方向に大きく変形して自己発熱し、温度が上昇
することになるが、ハブ1の他側面側に一体に取り付け
られているフィン部材6の複数のフィン9、慣性体2の
小マス3複数のフィン7、および慣性体の大マス4の複
数のフィン8によって、ゴム状弾性体5、5の放熱面積
を大きくすることができるので、温度上昇を極めて小さ
く抑えることができることになる。
【0016】また、回転時に、フィン部材6の複数のフ
ィン9、慣性体2の小マス3の複数のフィン7、および
慣性体2の大マス4の複数のフィン8によって、ゴム状
弾性体5、5を冷却する空気の流れを発生させることが
でき、また、この場合、フィン部材6のフィン9の内外
周側は開口しているので、さらに冷却効果を高めること
ができることになり、これらにより、ゴム状弾性体5、
5の温度上昇を極めて小さく抑えることができることに
なる。
【0017】上記のように、この実施例によるトーショ
ナルダンパにあっては、ハブ1側に設けたフィン9と慣
性体2側に設けたフィン7、8とによって、ゴム状弾性
体5、5の放熱面積を著しく大きくすることができると
ともに、各フィン7、8、9によってゴム状弾性体5、
5を強制的に冷却する空気の流れを生じさせることがで
きるので、ゴム状弾性体5、5が熱疲労を起こす恐れが
全くなくなり、これにより、耐久性を著しく高めること
ができることになる。
【0018】なお、前記の説明においては、フィン部材
6のフィン9の形状を角形状に形成したが、これに限定
することなく、図5に示すように半丸形状であってもよ
く、図6に示すように三角形状であってもよく、また、
ハブ1の方向に凹ませて、図7に示すように角形状、図
8に示すように半丸形状、図9に示すように三角形状に
形成してもよいものである。
【0019】図10および図11には、この考案による
トーショナルダンパの第2の実施例が示されていて、図
10は全体を示す概略断面図、図11は図10に示すも
のを右方向から見た部分図であって、この実施例に示す
トーショナルダンパは、ハブ1にフィン11を一体に形
成したものであって、その他の構成は前記第1の実施例
に示すものと同様の構成を有しているので、前記第1の
実施例に示すものと同一の部分には、同一の番号を付し
てその構成の詳細な説明は省略するものとする。
【0020】すなわち、この実施例に示すハブ1のフィ
ン11は、ハブ1に、周方向に向かって所定の間隔ごと
に、一側から他側に貫通する切り込みを設けて、その切
り込みを慣性体2と反対側に起立させて構成したもので
あって、各フィン11の根元部には、フィン11の形状
と合致する開口部12が形成され、この開口部12を介
してゴム状弾性体5が大気と接触するようになってい
る。
【0021】そして、上記のように構成したこの実施例
によるトーショナルダンパのハブ1を、その中心部の取
付用の孔10を介して図示しないクランク軸等の回転軸
に一体に連結した場合においても、前記第1の実施例に
示すものと同様の作用効果を示すことになり、回転軸側
から捩じり振動が入力した場合には、小マス3と大マス
4とからなる慣性体2が、ハブ1に伝達される捩じり振
動の慣性質量として作用することにより、回転軸に発生
する捩じり振動を吸収できることになる。
【0022】そして、上記の場合においても、ゴム状弾
性体5、5は、慣性体2の小マス3および大マス4が捩
じり振動の慣性質量として作用することにより、径方向
内外、捩じり方向、および軸線方向に大きく変形して自
己発熱し、温度上昇することになるが、この場合におい
ても、ハブ1に一体に形成した複数のフィン11、慣性
体2の小マス3の複数のフィン7、および慣性体2の大
マス4の複数のフィン8によって、ゴム状弾性体5、5
の放熱面積を著しく大きくすることができるので、ゴム
状弾性体5、5の温度上昇を極めて小さく抑えることが
できることになる。
【0023】また、回転時に、ハブ1の複数のフィン1
1、慣性体2の小マス3の複数のフィン7、および慣性
体2の大マス4の複数のフィン8によって、ゴム状弾性
体5、5を強制的に冷却する空気の流れを発生させるこ
とができ、また、この場合、ハブ1各フィン11の根元
部にはそれぞれ開口部12が形成されていて、この開口
部12を介してゴム状弾性体5、5が大気と接触するよ
うになっているので、さらに冷却効果を高めることがで
きることになり、これにより、ゴム状弾性体5、5の温
度上昇を極めて小さく抑えることができることになる。
【0024】上記のように、この実施例によるトーショ
ナルダンパにあっても、前記第1の実施例に示すものと
同様に、ハブ1のフィン11と慣性体2のフィン7、8
とによって、ゴム状弾性体5、5の放熱面積を著しく増
やすことができるとともに、各フィン7、8、11によ
ってゴム状弾性体5、5を強制的に冷却する空気の流れ
を生じさせることができるので、ゴム状弾性体5、5が
熱疲労を起こす恐れが全くなくなり、これにより、耐久
性を高めることができることになる。
【0025】図12〜図14には、この考案によるトー
ショナルダンパの第3の実施例が示されていて、図12
は全体を示す概略断面図、図13は図12に示すものを
右方向から見た部分図、図14は図13に示すもののB
−B線に沿って見た拡大断面図であって、この実施例に
示すトーショナルダンパは、ハブ1に一体にフィン13
を形成したものであって、その他の構成は前記第1の実
施例に示すものと同様の構成を有しているので、前記第
1の実施例に示すものと同一の部分には同一の番号を付
してその構成の詳細な説明は省略するものとする。
【0026】すなわち、この実施例に示すハブ1に一体
に形成したフィン13は、図14に断面図で示すよう
に、ハブ1の一部を軸方向に突出させて断面が半丸形状
になるように形成したものであって、この場合のフィン
13の内外周側は前記第1の実施例に示すものと違って
閉塞されている。
【0027】そして、上記のように構成したこの実施例
によるトーショナルダンパのハブ1を、その中心部の取
付用の孔10を介してクランク軸等の回転軸に一体に連
結した場合においても、前記第1の実施例に示すものと
同様の作用効果を示すことになり、回転軸側から捩じり
振動が入力した場合には、小マス3と大マス4とからな
る慣性体2が、ハブ1に伝達される捩じり振動の慣性質
量として作用することにより、回転軸に発生する捩じり
振動を吸収できることになる。
【0028】そして、上記の場合においても、ゴム状弾
性体5、5は、慣性体2の小マス3および大マス4が捩
じり振動の慣性質量として作用することにより、径方向
内外、捩じり方向、および軸線方向に大きく変形して自
己発熱し、温度上昇することになるが、この場合におい
ても、ハブ1に一体に形成されている複数のフィン1
3、慣性体2の小マス3の複数のフィン7、および慣性
体2の大マス4の複数のフィン8によって、ゴム状弾性
体5、5の放熱面積を著しく大きくすることができるの
で、ゴム状弾性体5、5の温度上昇を極めて小さく抑え
ることができることになる。
【0029】また、回転時に、ハブ1の複数のフィン1
3、慣性体2の小マス3の複数のフィン7、および慣性
体2の大マス4の複数のフィン8によって、ゴム状弾性
体5、5を強制的に冷却する空気の流れを発生させるこ
とができるので、ゴム状弾性体5、5の温度上昇を極め
て小さく抑えることができることになる。
【0030】したがって、この実施例によるトーショナ
ルダンパにあっても、前記第1の実施例に示すものと同
様に、ハブ1のフィン13と慣性体2のフィン7、8と
によって、ゴム状弾性体5、5の放熱面積を著しく増や
すことができるとともに、各フィン7、8、13によっ
てゴム状弾性体5、5を強制的に冷却する空気の流れを
生じさせることができるので、ゴム状弾性体5、5が熱
疲労を起こす恐れが全くなくなり、これにより、耐久性
を高めることができることになる。
【0031】なお、前記の説明においては、フィン13
の形状を半丸形状に形成したが、図15に示すように角
形状、図16に示すように三角形状に形成してもよいも
のである。
【0032】図17〜図18には、この考案によるトー
ショナルダンパの第4の実施例が示されていて、図17
は全体を示す概略断面図、図18は図17に示すものを
右方向から見た部分であって、この実施例に示すトーシ
ョナルダンパは、別体で形成したフィン部材14を、ハ
ブ1の慣性体2と反対側の面にスポット溶接やプロジェ
クション溶接等により一体に溶着したものであって、そ
の他の構成は前記第1の実施例に示すものと同様の構成
を有しているので、前記第1の実施例に示すものと同一
の部分には、同一の番号を付してその構成の詳細な説明
は省略するものとする。
【0033】すなわち、この実施例に示すフィン部材1
4は、平板状で環状をなすとともに、一側面側から他側
面側に貫通する所望の形状の切り込みを、周方向に向か
って所定の間隔ごとに複数箇所に形成して、各切り込み
を慣性体2と反対側に起立させてフィン15としたもの
であって、各フィン15の根元部には、フィン15の形
状と合致する開口部16が形成されるようになってい
る。
【0034】そして、上記のように構成したこの実施例
によるトーショナルダンパのハブ1を、その中心部の取
付用の孔10を介して図示しないクランク軸等の回転軸
に一体に連結した場合においても、前記第1の実施例に
示すものと同様の作用効果を示すことになり、回転軸側
から捩じり振動が入力した場合には、小マス3と大マス
4とからなる慣性体2が、ハブ1に伝達される捩じり振
動の慣性質量として作用することにより、回転軸に発生
する捩じり振動を吸収できることになる。
【0035】そして、上記の場合においても、ゴム状弾
性体5、5は、慣性体2の小マス3および大マス4が捩
じり振動の慣性質量として作用することにより、径方向
内外、捩じり方向、および軸線方向に大きく変形して自
己発熱し、温度上昇することになるが、この場合におい
ても、ハブ1に一体に取り付けたフィン部材14の複数
のフィン15、慣性体2の小マス3の複数のフィン7、
および慣性体2の大マス4の複数のフィン8によって、
ゴム状弾性体5、5の放熱面積を著しく大きくすること
ができることになるので、ゴム状弾性体5、5の温度上
昇を極めて小さく抑えることができることになる。
【0036】また、回転時に、ハブ1に一体に取付けた
フィン部材14の複数のフィン15、慣性体2の小マス
3の複数のフィン7、および慣性体2の大マス4の複数
のフィン8によって、ゴム状弾性体5、5を強制的に冷
却する空気の流れを発生させることができ、また、この
場合、フィン部材14の各フィン15の根元部にはそれ
ぞれ開口部16が形成されているので、さらに、ゴム状
弾性体5、5の冷却効果を高めることができることにな
り、これにより、ゴム状弾性体5、5の温度上昇を極め
て小さく抑えることができることになる。
【0037】上記のように、この実施例によるトーショ
ナルダンパにあっても、前記第1の実施例に示すものと
同様に、ハブ1に一体に設けたフィン部材14のフィン
15と慣性体2のフィン7、8とによって、ゴム状弾性
体5、5の放熱面積を著しく増やすことができるととも
に、各フィン7、8、15によってゴム状弾性体5、5
を強制的に冷却する空気の流れを生じさせることができ
るので、ゴム状弾性体5、5が熱疲労を起こす恐れが全
くなくなり、これにより、耐久性を高めることができる
ことになる。
【0038】図19および図20には、この考案による
トーショナルダンパの第5の実施例が示されていて、図
19は全体を示す概略断面図、図20は図19に示すも
のを右方向から見た部分図であって、この実施例に示す
トーショナルダンパは、ハブ1の慣性体2と反対側の面
に、周方向に向かって所定の間隔ごとに、軸線方向に突
出する直方体形状のフィン17を一体に形成したもので
あって、その他の構成は前記第1の実施例に示すものと
同様の構成を有しているので、前記第1の実施例に示す
ものと同一の部分には同一の番号を付してその構成の詳
細な説明は省略するものとする。
【0039】そして、上記のように構成したこの実施例
によるトーショナルダンパのハブ1を、その中心部の取
付用の孔10を介して図示しないクランク軸等の回転軸
に一体に連結した場合においも、前記第1の実施例に示
すものと同様の作用効果を示すことになり、回転軸側か
ら捩じり振動が入力した場合には、小マス3と大マス4
とからなる慣性体2が、ハブ1に伝達される捩じり振動
の慣性質量として作用することにより、回転軸に発生す
る捩じり振動を吸収できることになる。
【0040】そして、上記の場合においても、ゴム状弾
性体5、5は、慣性体2の小マス3および大マス4が捩
じり振動の慣性質量として作用することにより、径方向
内外、捩じり方向、および軸線方向に大きく変形して自
己発熱し、温度上昇することになるが、この場合におい
ても、ハブ1に一体に形成した複数のフィン17、慣性
体2の小マス3の複数のフィン7、および慣性体の大マ
ス4の複数のフィン8によって、ゴム状弾性体5、5の
放熱面積を著しく大きくすることができることになるの
で、ゴム状弾性体5、5の温度上昇を極めて小さく抑え
ることができることになる。
【0041】また、回転時に、ハブ1の複数のフィン1
7、慣性体2の小マス3の複数のフィン7、および慣性
体2の大マス4の複数のフィン8によって、ゴム状弾性
体5、5を強制的に冷却する空気の流れを発生させるこ
とができので、ゴム状弾性体5、5の温度上昇を極めて
小さく抑えることができることになる。
【0042】上記のように、この実施例によるトーショ
ナルダンパにあっても、前記第1の実施例に示すものと
同様に、ハブ1のフィン17と慣性体2のフィン7、8
とによって、ゴム状弾性体5、5の放熱面積を著しく増
やすことができるとともに、各フィン7、8、17によ
ってゴム状弾性体5、5を強制的に冷却する空気の流れ
を生じさせることができるので、ゴム状弾性体5、5が
熱疲労を起こす恐れが全くなくなり、これにより、耐久
性を高めることができることになる。
【0043】図21には、この考案によるトーショナル
ダンパの第6の実施例による概略断面図が示されてい
て、この実施例に示すトーショナルダンパは、慣性体2
を構成する小マス3と大マス4とを、軸線方向に所定の
寸法だけオフセットさせて、小マス3と大マス4との間
に形成される窪み部18の開口部面積を大きくし、さら
に、ハブ1の慣性体2と反対側の面に、前記第5の実施
例に示すものと同様に、周方向に向かって所定の間隔ご
とに、軸線方向に突出する直方体形状のフィン17を一
体に形成したものであって、その他の構成は前記第1の
実施例に示すものと同様の構成を有しているので、前記
第1の実施例に示すものと同一の部分には同一の番号を
付してその構成の詳細な説明は省略するものとする。
【0044】そして、上記のように構成したこの実施例
に示すトーショナルダンパのハブ1を、その中心部の取
付用の孔10を介して図示しないクランク軸等の回転軸
に一体に連結した場合においても、前記第1の実施例に
示すものと同様の作用効果を示することになり、回転軸
側から捩じり振動が入力した場合には、小マス3と大マ
ス4とからなる慣性体2が、ハブ1に伝達される捩じり
振動の慣性質量として作用することにより、回転軸に発
生する捩じり振動を吸収できることになる。
【0045】そして、上記の場合においても、ゴム状弾
性体5、5は、慣性体2の小マス3および大マス4が捩
じり振動の慣性質量として作用することにより、径方向
内外、捩じり方向、および軸線方向に大きく変形して自
己発熱し、温度上昇することになるが、この場合におい
ても、ハブ1に一体に形成した複数のフィン17、慣性
体2の小マス3の複数のフィン7、および慣性体2の大
マス4の複数のフィン8によって、ゴム状弾性体5、5
の放熱面積を著しく大きくすることができることになる
ので、ゴム状弾性体5、5の温度上昇を極めて小さく抑
えることができることになる。
【0046】また、回転時に、ハブ1の複数のフィン1
7、慣性体2の小マス3の複数のフィン7、および慣性
体2の大マス4の複数のフィン8によって、ゴム状弾性
体5、5を強制的に冷却する空気の流れを発生させるこ
とができるので、ゴム状弾性体5、5の温度上昇を極め
て小さく抑えることができることになり、また、この場
合、慣性体2の小マス3と大マス4とを軸線方向にオフ
セットさせて、両者間に形成される窪み部18の開口部
面積を大きくしてあるので、両者間に熱がこもることが
なくなるとともに、慣性体2のフィン7、8によって引
き起こされる空気の流れの一部をこの窪み部18内に取
り入れることができるので、ゴム状弾性体5、5の温度
上昇を小さく抑えることができることになる。
【0047】上記のように、この実施例によるトーショ
ナルダンパにあっても、前記第1の実施例に示すものと
同様に、ハブ1のフィン17と慣性体2のフィン7、8
とによって、ゴム状弾性体5、5の放熱面積を著しく増
やすことができるとともに、各フィン7、8、17によ
ってゴム状弾性体5、5を冷却する空気の流れを生じさ
せることができ、また、慣性体2の小マス3と大マス4
と軸方向にオフセットさせて、両マス3、4間に形成さ
れる窪み部18の開口部面積を大きくしたことにより、
ゴム状弾性体5、5を効果的に冷却することができるこ
とになり、これにより、ゴム状弾性体5、5が熱疲労を
起こす恐れが全くなくなるので、耐久性を高めることが
できることになる。
【0048】なお、前記各実施例におけるハブおよびそ
れに一体に形成されるフィン、フィン部材およびそれに
一体に形成されるフィン、慣性体およびそれに一体に形
成されるフィンは、アルミ合金等の放熱性に優れる材料
で形成すれば、より放熱性が向上するものである。
【0049】
【考案の効果】この考案は、外周側に位置する大マス及
び内周側に位置する小マスを有し、前記小マスのフィン
が設けられる自由端面を傾斜させ該傾斜面の最大径部を
前記大マスの自由端面よりハブ側へ位置することによ
り、トーショナルダンパが回転したときに両慣性体の間
の窪み部を強制空冷する空気の流れを発生させることが
できる。即ち、単に両慣性体の自由端面を冷却するだけ
ではなく、小マスで形成された空気の流れが大マスの側
方を通過せずに、前記窪み部に入り込むような流れを作
って大マスの内周面に当たることとなり、両マス間に形
成された窪み部の中に乱流を大きく発生し、慣性体及び
ゴム状弾性体を効果的に冷却することができる。よっ
て、ゴム状弾性体が発熱による温度上昇を低く抑えられ
るので、ゴム状弾性体のばね定数の変化が低くなること
によって性能の安定を図り、熱疲労を少なくできるため
耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案によるトーショナルダンパの第1の実
施例を示した概略断面図である。
【図2】図1に示すものを左方向から見た部分図であ
る。
【図3】図1に示すものを右方向から見た部分図であ
る。
【図4】図3に示すものをA−A線に沿って見た拡大断
面図である。
【図5】フィンの他の実施例を示した断面図である。
【図6】フィンの他の実施例を示した断面図である。
【図7】フィンの他の実施例を示した断面図である。
【図8】フィンの他の実施例を示した断面図である。
【図9】フィンの他の実施例を示した断面図である。
【図10】この考案によるトーショナルダンパの第2の
実施例を示した概略断面図である。
【図11】図10に示すものを右方向から見た部分図で
ある。
【図12】この考案によるトーショナルダンパの第3の
実施例を示した概略断面図である。
【図13】図12に示すものを右方向から見た部分図で
ある。
【図14】図13に示すもののB−B線に沿って見た拡
大断面図である。
【図15】フィンの他の実施例を示した断面図である。
【図16】フィンの他の実施例を示した断面図である。
【図17】この考案によるトーショナルダンパの第4の
実施例を示した概略断面図である。
【図18】図17に示すものを右方向から見た部分図で
ある。
【図19】この考案によるトーショナルダンパの第5の
実施例を示した概略断面図である。
【図20】図19に示すものを右方向から見た部分図で
ある。
【図21】この考案によるトーショナルダンパの第6の
実施例を示した概略断面図である。
【符号の説明】
1……ハブ 2……慣性体 3……小マス 4……大マス 5……ゴム状弾性体 6、14……フィン部材 7、8、9、11、13、15、17……フィン 10……取付用の孔 12、16……開口部 18……窪み部
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭60−129531(JP,U) 実開 昭57−174841(JP,U) 実開 昭60−84847(JP,U) 実開 平3−112156(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16F 15/12 - 15/139

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸と一体に回転するハブの軸方向一方
    側面にゴム状弾性体を介して前記回転軸と同心に配置さ
    れる環状の慣性体を連結し、前記慣性体は内周側に位置
    する小マスと、該小マスより大径に形成され該小マスの
    外周側に位置する大マスを備えることにより、前記小マ
    ス及び大マスとの間に間隙を形成されたトーショナルダ
    ンパにおいて、 前記小マスの自由端面には軸方向に突出するフィンを設
    け、前記自由端面を内周から外周に向かってハブ側へ傾
    斜する傾斜面を形成し、該傾斜面の最大径部は前記大マ
    スの自由端面よりハブ側へ位置することを特徴とするト
    ーショナルダンパ。
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