JP2585279Y2

JP2585279Y2 - 水田作業車輌におけるクラッチ機構

Info

Publication number: JP2585279Y2
Application number: JP2227692U
Authority: JP
Inventors: 周二田中; 輝彦津田; 克佐々木; 幸雄加藤
Original assignee: MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA
Current assignee: MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA
Priority date: 1992-03-13
Filing date: 1992-03-13
Publication date: 1998-11-18
Anticipated expiration: 2007-03-13
Also published as: JPH0574211U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、乗用田植機等の水田作
業車輌に係り、詳しくは運転席に配置したクラッチペダ
ルによってクラッチ本体の断・接を行う水田作業車輌に
おけるクラッチ機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、乗用田植機においては、機体の
左右方向中央の前端部にエンジンが搭載されており、エ
ンジンの後方の斜め下方にクラッチ本体を収納したミッ
ションケースが配設されている。このミッションケース
の配設位置は、運転席からみると、着座姿勢をとったと
きの運転者の足元のステップの下方、つまり前側中央に
てステアリングホイールを支持するステアリングコラム
のちょうど下方にあたる。また、無段変速装置を積載す
るものにあっては、その主要構成部材であるプーリ、ベ
ルト等を、エンジン及びミッションケースの左側方に配
置し、これにより、両者を無段変速可能に連結してい
る。

【０００３】このミッションケース左側方に配置した無
段変速装置は、ステアリングコラムの左側において、上
方に延びる操作レバーを例えば左手で前後方向に揺動
し、これにより低速側と高速側との間を無段階に変速す
る。なお、運転席の右側には右手で操作する前後進用の
変速レバーや苗植付作業用の操作レバー等が配置されて
いる。

【０００４】一方、ステアリングコラムの基端部を挟ん
で右側ステップ上にはブレーキペダルが、また、左側の
ステップ上にはクラッチペダルがそれぞれ配置されてい
る。このクラッチペダルは、ミッションケースの左側方
に配設された連結ロッド等を介してミッションケース内
のクラッチ本体に連結されており、クラッチペダルを左
足で踏み込むことにより、クラッチ本体を断状態にし、
走行のための動力及び植付作業のための動力を断つよう
にしている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術によると、左足で操作するクラッチペダルと、
中央のミッションケース内のクラッチ本体との間に介装
された連結ロッド等とが、ミッションケースの左側方に
配置されるため、同じくミッションケースの左側方に配
置されると共に可動部分を多数含み適宜に点検整備が必
要な無段変速装置の整備性が悪いという問題があった。

【０００６】そこで、本考案は、機体の左右方向に長く
延びるクラッチバーを配設してその左端側と右端側と
に、それぞれクラッチペダルと連結ロッドとをミッショ
ンケースに対して左右に振り分けて連結することによ
り、無段変速装置の整備性を向上させた水田作業車輌に
おけるクラッチ機構を提供することを目的とするもので
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案は、上述事情に鑑
みてなされたものであって、ミッションケース（３）内
にクラッチ本体（４２）を配設してなる水田作業車輌
（Ｐ）において、左右方向に延びると共に回動自在に支
持されたクラッチバー（９５）と、該クラッチバー（９
５）に一体的に連結されて該クラッチバー（９５）を回
動するクラッチペダル（９６）と、該クラッチバー（９
５）と前記クラッチ本体（４２）との間に介装されると
共に、該クラッチバー（９５）の回動によって該クラッ
チ本体（４２）を作動させる連結ロッド（９２）と、を
備え、前記クラッチバー（９５）を前記走行機体（１
９）の運転席（４）のステップ（９７）の下方に配置す
ると共に、該クラッチバー（９５）と前記クラッチペダ
ル（９６）との連結部及び該クラッチバー（９５）と前
記連結ロッド（９２）との連結部を、前記ミッションケ
ース（３）に対して左右両側に振り分けてなる、ことを
特徴とする。

【０００８】この場合、前記クラッチバー（９５）を、
前記走行機体（１９）の左側フレーム（１９ａ）と右側
フレーム（１９ｂ）とを連結する横フレーム（１９ｃ）
に近接させて配置すると共に、該左側フレーム（１９
ａ）と右側フレーム（１９ｂ）とによって回動自在に支
持する構成とすると好ましい。

【０００９】

【作用】以上の構成に基づき、ミッションケース（３）
の一側方に配置されたクラッチペダル（９６）を踏み込
むと、クラッチバー（９５）が回動し、ミッションケー
ス（３）の他側方に配置された連結ロッド（９２）がそ
の長手方向に移動する。これにより、例えばアーム（８
９）等を介してミッションケース（３）内のクラッチ本
体（４２）が作動する。

【００１０】また、クラッチバー（９５）を回動自在に
支持する左側、右側フレーム（１９ａ，１９ｂ）は、横
フレーム（１９ｃ）によって補強されており、この横フ
レーム（１９ｃ）との接続部近傍においてそれぞれクラ
ッチバー（９５）の左右両端部を回動自在に支持する。
これにより、左側、右側フレーム（１９ａ，１９ｂ）に
おけるクラッチバー（１９ｃ）の支持部分の強度を十分
に確保することができる。

【００１１】

【考案の効果】以上説明したように、走行機体（１９）
の左右方向に長く延びるクラッチバー（１９ｃ）を介し
て、クラッチ本体（４２）を操作する連結ロッド（９
２）と、クラッチペダル（９６）とをそれぞれミッショ
ンケース（３）の左右両側に振り分けて配置することに
より、ミッションケース（３）を挟んで、例えば無段変
速装置（２）と連結ロッド（９２）とを左右反対側に配
置することができるので、無段変速装置の整備について
の作業性を格段に向上させることができる。

【００１２】更に、左側、右側フレーム（１９ａ，１９
ｂ）が、それぞれ横フレーム（１９ｃ）との接続部近傍
の強度の高い部分においてクラッチバー（９５）を回動
自在に支持することにより、クラッチペダル（９６）を
操作したときに、左側、右側フレーム（１９ａ，１９
ｂ）に有害な変形が生じることを防止して、クラッチ本
体（４２）の断・接操作を確実なものとすることができ
る。

【００１３】なお、前記カッコ内の符号は図面を対照す
るものであるが、何等本考案の構成を限定するものでは
ない。

【００１４】

【実施例】以下、図面に沿って本考案による実施例につ
いて説明する。

【００１５】乗用田植機Ｐは、図４ないし図６に示すよ
うに、エンジン１、ミッションケース３及びフレーム１
７等よりなる機体１９を有しており、この機体１９の後
方には昇降リンク２０を介して田植装置２１が支持され
ており、この田植装置２１の下部にはプランタ２２が取
付けられると共に、フロート２３が取付けられている。
また、ミッションケース３は両側に横アクスルハウジン
グ２５ａ，２５ｂが突設されており、この横アクスルハ
ウジング２５ａ，２５ｂに、下方に向いて（少し斜め前
外方）縦アクスルハウジング２６ａ，２６ｂが固定され
ている。そして、この縦アクスルハウジング２６ａ，２
６ｂは弾性的に伸縮できると共に、下端に前輪２７，２
７を軸支している。また、ミッションケース３の下部後
端からドライブシャフト２９がフレーム１７の下面に沿
って後方に延設され、このドライブシャフト２９がリヤ
アクスルハウジング３０に連結されている。そして、こ
のリヤアクスルハウジング３０の両端部にリヤミッショ
ン３１ａ，３１ｂが設けられており、このリヤミッショ
ン３１ａ，３１ｂに水田車輪からなる後輪３２，３２が
軸支されている。なお、このリヤアクスルハウジング３
０内にはクラッチ及びブレーキが設けられており、後輪
３２，３２には、左右独立して動力が断・接されると共
に、ブレーキが掛けられるようになっている。また、ミ
ッションケース３の上部後端からＰＴＯ軸３３が後方に
延設され、プロペラシャフト３５を介して、プランタ２
２等にミッションケース３内の伝動装置Ｇ（図１参照）
からの動力が伝達されるようになっている。

【００１６】次に、図１に沿って、ミッションケース３
内のギヤ伝動装置Ｇについて説明すると、ミッションケ
ース３はほぼ中央で２分割され、ボルト・ナットにより
一体に組立てられている。主軸Ａの左側端はミッション
ケース３の外側に突出しており、従動側プーリ９が取付
けられており、主軸Ａの中間部には、カラー３６が設け
られ、このカラー３６と左側ベアリングとにスリーブ３
７が軸方向移動を制止されて、主軸Ａに軸支されてお
り、このスリーブ３７に転位ギヤ３９とギヤ４０とが一
体に設けられている。そして、主軸Ａの右側部にスプラ
イン等を介してクラッチケース４１が軸方向移動可能に
取付けられており、このクラッチケース４１とスリーブ
３７との間に主クラッチ４２が形成されている。

【００１７】この主クラッチ４２を更に詳細に説明する
と、クラッチケース４１の底部には皿ばね７２が複数個
積層されており、この皿ばね７２の左側に当接して押え
板７３が設けられ、この押え板７３の内周縁が前記カラ
ー３６に当接するようになっている。そして、クラッチ
ケース４１にセパレータプレート７５が軸方向摺動自在
に取付けられており、このセパレータプレート７５に挟
まれたクラッチプレート７６がスリーブ３７に軸方向摺
動自在に取付けられている。なお、スリーブ３７は接合
部３７ａにより２分割されて、組立を容易にするように
され、この接合部３７ａは互に角型の凹凸片が嵌合する
ようになっている。また、セパレータプレート７５の外
側に止め板７７が設けられていて、この止め板７７が止
め輪７９によりクラッチケース４１に制止されて、プレ
ート７５，７６がクラッチケース４１から脱出しないよ
うになっている。

【００１８】また、ベアリング８０がクラッチケース４
１の背部に当接するようになっており、このベアリング
８０のインナレースが偏心部片８１に取付けられてい
る。この偏心部分８１は、図７、図８に示すようにクラ
ッチ操作軸８２に偏心して取付けられており、軸８２の
中間部はミッションケース３内の支持部８３によって回
動自在に支持されると共に、ミッションケース３の上方
から突出する先端部８２ａは六角等の角柱状に形成され
ている。先端部８２ａにはアーム８９の一端部に形成さ
れたボス部８９ａが嵌着され、ロックナット９０ａを有
するボルト９０によって固定されている。また、アーム
８９の他端部にはピン部８９ｂが突設され、ピン部８９
ｂには、ナット部材９１ａが回動自在に装着されると共
に、ナット部材９１ａには連結ロッド９２の一端部がね
じ込まれている。連結ロッド９２の他端部は別のナット
部材９１ｂにねじ込まれており、連結ロッド９２の一方
の端部を逆ねじに形成しておくことで、連結ロッド９２
を回すことにより、両ナット部材９１ａ，９１ｂ間の距
離を調節することができるようになっている。ナット部
材９１ｂは、ピン部９１ｃを介してアーム９３によって
回動自在に支持され、アーム９３はカラー部９３ａが機
体１９の左右方向に延びるクラッチバー９５の右端側
（図７の右側）に位置決め固定されている。

【００１９】クラッチバー９５は、その左右両端部を機
体１９の左側フレーム１９ａ、右側フレーム１９ｂによ
って回動自在に支持されると共に、両フレーム１９ａ，
１９ｂを連結する横フレーム１９ｃに近接してほぼ平行
に配置されている。クラッチバー９５の左端部の左側フ
レーム１９ａの外側には、中間部が屈曲したクラッチペ
ダル９６の基端部９６ａが位置決め固定されている。ク
ラッチペダル９６は不図示の付勢部材によってクラッチ
バー９５を中心に時計方向の力が常時付与されており、
また、その上限の位置は、運転席４の足元のステップ９
７の裏面側に固着したストッパ９９によって規制されて
いる。

【００２０】このように、左側フレーム１９ａと右側フ
レーム１９ｂとは、強度的に強い横フレーム１９ｃとの
接続部分の直近においてクラッチバー９５の両端部を支
持しているので、クラッチペダル９６を踏み込んでクラ
ッチバー９５を回動させた場合も、左側、右側フレーム
１９ａ，１９ｂが強度不足によって不要に変形すること
を防止し、クラッチ全体の確実な動作を可能にする。

【００２１】更に、機体１９の左右中央に配置したミッ
ションケース３、その左側方に配置した無段変速装置２
に対し、左右方向に長く延びるクラッチバー９５の左側
にクラッチペダル９６を、また右側に連結ロッド９２等
を配置する、つまりミッションケース３に対し、無段変
速装置２と連結ロッド９２等を左右両側に振り分けて配
置することにより、無段変速装置２の整備性の向上を図
っている。なお、主クラッチ４２の操作は、クラッチペ
ダル９６を踏み込むことにより、クラッチバー９５、連
結ロッド９２、アーム８９、軸８２を介し、更に前述の
偏心部片８１、ベアリング８０を介して、クラッチケー
ス４１を移動することによって行う。クラッチ４１は、
このクラッチケース４１を左方に移動すると断となる一
方、右方に移動すると接となるようになっている。

【００２２】また、主軸Ａはミッションケース３の前方
に位置し、クラッチ操作軸８２はこの主軸Ａの前側に位
置している。そして、この主軸Ａの少し上方後側に位置
したプランタ軸Ｄから作業機用出力装置をなすＰＴＯ軸
３３が後方に延設されている。また、スリーブ３７とプ
ランタ軸Ｄとの間に形成された作業機用変速装置８５を
なす株間変速装置３９，４０，４５は主クラッチ４２の
斜め上方後方に位置している。また、走行用変速装置８
６は主軸Ａの斜め後方下方に位置している。そして、走
行用正逆転切換え装置８７はプランタ軸Ｄと変速軸Ｂと
の間に位置する。これ等作業機用出力装置３３、作業機
用変速装置８５、走行用変速装置８６及び走行用正逆転
切換装置８７を形成する空間の隙いた部分に主クラッチ
４２及びそのクラッチ操作軸８２が設けられている。

【００２３】また、プランタ軸Ｄにスプライン等により
スリーブ４３が固定されており、このスリーブ４３の外
周にスプライン等によりギヤ４５が軸方向摺動可能に取
付けられると共に、このスリーブ４３の内側端にギヤ４
６が取付けられている。そして、プランタ軸Ｄの中間部
右側にベベルギヤ４７がプランタ軸Ｄと相対回転可能に
取付けられており、このベベルギヤ４７とプランタ軸Ｄ
との間にトルクリミッタ４９が形成されている。なお、
前記転位ギヤ３９はギヤ４０よりも歯数が少なく形成さ
れており、ギヤ４５が転位ギヤ３９またはギヤ４０に噛
み合うことにより、プランタ軸Ｄに対して株間変速が可
能になっている。また、このベベルギヤ４７が前記ＰＴ
Ｏ軸３３のベベルギヤに噛み合うようになっている。

【００２４】また、変速軸Ｂの左端部にはギヤ５０が軸
方向摺動可能に取付けられ、右部にはギヤ５１ａ，５１
ｂを有する双子ギヤ５１が軸方向摺動可能に取付けられ
ている。また、変速軸Ｃの左部には前記ドライブシャフ
ト２９（図６参照）のベベルギヤに噛み合うベベルギヤ
５２が固定されており、変速軸Ｃの右側部には、前記ギ
ヤ５１ａに噛み合うギヤ５３ａと、ギヤ５１ｂに噛み合
うギヤ５３ｂとが固定されている。そして、変速軸Ｃの
中間部には、ディファレンシャルギヤケース５５のギヤ
５５ａに噛み合うギヤ５６が固定されている。また、こ
のディファレンシャルギヤケース５５の両側には前記し
たアクスルハウジング２５ａ，２５ｂ，２６ａ，２６ｂ
（図４参照）内のドライブシャフトを介して前輪２７，
２７が駆動されるようになっている。

【００２５】次に、図２を参照してベルト式無段変速装
置２について説明すると、エンジン１の出力軸からなる
駆動軸５の基端部に油圧駆動用プーリ７が固定されてお
り、この油圧駆動用プーリ７の外側の駆動軸５に駆動側
プーリ６の固定シーブ６ａがキー等により固定されてい
る。そして、この固定シーブ６ａの外側のボス部に可動
シーブ６ｂがキー等により、軸方向摺動自在に取付けら
れている。また、可動シーブ６ｂのボス部に、ベアリン
グ等を介して、回転自在に、カム部１１ａを有するカム
部材１１が取付けられている。このカム部１１ａは軸５
を中心とする円周面においてスパイラル状の複数のプロ
フィルを有するものであり、このカム部１１ａのプロフ
ィル上を転動するローラ部材１２がリング１２ａに、放
射状に取付けられ、このリング１２ａが固定シーブ６ａ
のボス部外端側に回転自在に取付けられている。

【００２６】また、ミッションケース３（図２の下方）
の外側面に、主軸Ａを中心とするカム部３ａ（形状は前
記カム部１１ａと同様）が突設されており、このカム部
３ａのプロフィル上を転動するローラ部材１５がリング
１５ａに放射状に取付けられれている。そして、このリ
ング１５ａが従動側プーリ９の可動シーブ９ｂのボス部
に回転自在に取付けられている。なお、可動シーブ９ｂ
はキー等により主軸Ａに軸方向摺動自在に取付けられて
おり、固定シーブ９ａは軸Ａ端に固定されている。

【００２７】また、カム部材１１、ローラ部材１２、リ
ング１２ａ等により駆動側調節装置１３が構成されてお
り、カム部３ａ、ローラ部材１５、リング１５ａ等によ
り従動側調節装置１６が構成されている。また、駆動側
プーリ６と従動側プーリ９とに無端ベルト１０が張設さ
れている。

【００２８】また、リング１２ａから外方に延設された
アーム１２ｃがエンジン等より側方に突出した固定部材
８に設けられたピン８ａ（ねじ込ピン）により回り止め
されている。

【００２９】次に、ベルト式無段変速装置２の操作装置
１８について、図３及び図２を参照して説明すると、図
２に示すカム部材１１にアーム１１ｂが突設されてお
り、リング１５ａにアーム１５ｂが突設されており、こ
れ等アーム１１ｂと１５ｂとがリンク１４により連結さ
れていて、軸５及び軸Ａとアーム１１ｂ及び１５ｂとリ
ンク１４とによりほぼ平行四辺形が形成されている。そ
して、リング１２ａから突設されたアーム１２ｃを回り
止めするピン８ａにアーム５７が枢支され、このアーム
５７の先端にタイトプーリ５９が軸支されていると共
に、基端には引張ばね６０が取付けられており、この引
張ばね６０の引張力により、タイトプーリ５９を介し
て、無端ベルト１０に所定の張力を付与するようになっ
ている。また、機体１９に横方向を向いて設けられ軸６
１に取付片６２が軸支され、この取付片６２に軸６３が
設けられ、この軸６３に作動片６５ａが軸支され、この
作動片６５ａに操作レバー６５が取付けられている。ま
た、前記取付片６２にレバー６６が取付けられ、このレ
バー６６の先端とアーム１１ｂの先端とが長さ調節可能
なロッド６７により連結されている。また、作動片６５
ａに突起６５ｂが設けられており、この突起６５ｂが逆
転切換え軸６９のアーム６９ａに係合している。そし
て、図１に示す変速軸Ｂに設けられた摺動するギヤ５０
が、主軸Ａ上のギヤ４５に噛み合ったときに機体１９が
前進、プランタ軸Ｄ上のギヤ４６に噛み合ったときに機
体１９が後進するようになっている。

【００３０】なお、図３(b) に示すようなコ字状のガイ
ド７１が機体１９に取付けられていて、操作レバー６５
に取付けられて一体に移動するレバー６５ｇがガイド７
１に沿って操作される。ガイド７１の底部に沿って左右
に移動させると、右側（図３(b) で上側）が前進側、左
側が後進側であり、途中に中立位置となっている。ま
た、操作者側にて前後進の切換えが行われ、前方にレバ
ー６５を移動すると高速になるようになっている。

【００３１】また、図１に示す油圧ポンプ軸Ｅに取付け
られたプーリ７０と図２で示した油圧駆動用プーリ７と
にベルト７ａが張設されている。

【００３２】次に、本実施例の作用を説明する。

【００３３】圃場において、エンジン１を作動させる
と、エンジンの出力軸である駆動軸５（図２参照）が回
転するに伴い、駆動側プーリ６、無端ベルト１０、従動
側プーリ９を介して、主軸Ａが駆動される。ついで、主
クラッチ４２を接にすると、ギヤ４０が回転し、ギヤ４
５、プランタ軸Ｄ、トルクリミッタ４９を介して、ベベ
ルギヤ４７が駆動されて、このベベルギヤ４７に噛み合
うベベルギヤを介してＰＴＯ軸３３（図５、図６参照）
が駆動される。この際、ギヤ４５を転位ギヤ３９に噛み
合わせると株間変速される（ギヤ４０に噛み合っている
ときよりも株間距離が大きくなる）。

【００３４】また、ギヤ４０、ギヤ５０、変速軸Ｂ、ギ
ヤ５１ａ、ギヤ５３ａ、変速軸Ｃ、ベベルギヤ５２、ド
ライブシャフト２９を介して後輪３２，３２が低速で駆
動される。この際、ギヤ５１ａと５３ａとの噛み合いを
ギヤ５１ｂと５３ｂとの噛み合いに切換えると高速で後
輪３２，３２が駆動される。

【００３５】また、変速軸Ｃ上のギヤ５６がディファレ
ンシャルギヤケース５５のギヤ５５ａに噛み合うことに
より、前輪２７，２７が駆動される。そして、前記後輪
３２，３２と同様に高、低速に切換えることができる。

【００３６】また、ギヤ５０を変速軸Ｂ上で右側に移動
して、ギヤ４０との噛み合いが断たれて中立位置とな
り、更に、右側に移動すると、プランタ軸Ｄ上のギヤ４
６に噛み合わせる（図１は展開図であるため、噛み合わ
ないように表示されている）。すると、主軸Ａ、主クラ
ッチ４２、ギヤ４０、ギヤ４６、ギヤ５０を介して、変
速軸Ｂに低速の後進方向の回転が伝達される。そして、
この後は前記前進時と同様にして、前輪２７，２７、後
輪３２，３２に前進時よりも低速の回転が伝達される。

【００３７】なお、当然のことながら、作業機用変速装
置８５はギヤ４５を転位ギヤ３９とギヤ４０とに噛み合
わせ換えし、走行用変速装置８６はギヤ５１ａとギヤ５
３ａとの噛み合いからギヤ５１ｂと５３ｂとの噛み合わ
せ換えし、正逆転切換装置８７はギヤ５０をギヤ４０か
ら４６に噛み合わせ換えするものであり、噛み合わせ換
えされるギヤ間には速度差があるので、クラッチペダル
９６を踏み込んでクラッチ操作軸８２を操作して、主ク
ラッチ４２を断にしたときに、前記のギヤ噛み合わせ換
えすることにより、噛み合わせ換えするギヤに対する衝
撃は緩和される。

【００３８】次に、図２、図３(a) ，(b) を参照して、
ベルト式無段変速装置２及びその操作装置１８の作用を
説明すると、操作レバー６５をコ字型のガイド７１の底
部で軸６３の回りに回動すると、突起６５ｂ、アーム６
９ａを介して逆転切換え軸６９が回動され、アーム６９
ｂにより中央が中立で、右端（図３(b) では上端）が前
進に、左端が後進にセットされる。即ち、ギヤ４０，５
０の噛み合いで前進、ギヤ４６，５０の噛み合いで後進
される。ついで、前進または後退の位置で操作レバー６
５をガイド７１に沿って向う側へ、即ち、図３(a) にお
いて軸６１を中心に反時計回りに回動すると、レバー６
６、ロッド６７、リンク１４を介して、アーム１１ｂ，
１５ｂがほぼ同角度反時計回り方向に回動される。アー
ム１１ｂを介して、カム部１１ａのリフトが大きくな
り、ローラ部材１２によりカム部材１１が内側に移動さ
れ、可動シーブ６ｂを内側に寄せると共に、アーム１５
ｂを介して、ローラ部材１５をカム部３ａのリフトが小
さい位置に移動させ、可動シーブ９ｂを内側（右側）に
寄せる。従って、無端ベルト１０は、図２において外側
に表示した位置（実線にて図示）に移動し、駆動軸５の
回転数よりも主軸Ａの回転数を増大させる。また、操作
レバー６５を図３(a) において、時計回り方向に回動す
ると、前記と逆に、図２において内側に表示した位置
（二点鎖線にて図示）に移動して、軸５の回転数が減速
されて、主軸Ａに伝達される。そして、操作レバー６５
の移動量は無段にできるので、このベルト式無段変速装
置２は無段の変速が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ミッションの展開断面図。

【図２】そのベルト式無段変速装置の断面正面図。

【図３】(a) はその操作装置の側面図、(b) はその操作
レバーのガイドを示す平面図。

【図４】その機体を示す平面図。

【図５】その機体の側面図。

【図６】本考案を実施する乗用田植機の側面図。

【図７】クラッチペダルをはじめとするクラッチを操作
する各部材の配置を示す平面図。

【図８】同じく各部材の配置を示す側面図。

【符号の説明】

２無段変速装置（ベルト式無段変速装置）３ミッションケース４運転席１９走行機体（機体）１９ａ左側フレーム１９ｂ右側フレーム１９ｃ横フレーム４２クラッチ本体（主クラッチ）９２連結ロッド９５クラッチバー９６クラッチペダル９７ステップＰ水田作業車輌（乗用田植機）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者加藤幸雄島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地１三菱農機株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A01C 11/02 313 B60K 23/02

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ミッションケース内にクラッチ本体を配
設してなる水田作業車輌において、左右方向に延びると共に回動自在に支持されたクラッチ
バーと、該クラッチバーに一体的に連結されて該クラッチバーを
回動するクラッチペダルと、該クラッチバーと前記クラッチ本体との間に介装される
と共に、該クラッチバーの回動によって該クラッチ本体
を作動させる連結ロッドと、を備え、前記クラッチバーを前記走行機体の運転席のステップの
下方に配置すると共に、該クラッチバーと前記クラッチ
ペダルとの連結部及び該クラッチバーと前記連結ロッド
との連結部を、前記ミッションケースに対して左右両側
に振り分けてなる、ことを特徴とする水田作業車輌におけるクラッチ機構。
【請求項２】前記クラッチバーを、前記走行機体の左
側フレームと右側フレームとを連結する横フレームに近
接させて配置すると共に、該左側フレームと右側フレー
ムとによって回動自在に支持してなる、ことを特徴とする請求項１記載の水田作業車輌における
クラッチ機構。