JP4454294B2 - 乗用田植機の機体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、操向自在な前車輪と操向不能な後車輪を備えた4輪駆動型の走行機体の後部に苗植付け装置を昇降リンク機構を介して連結した植付け条数が4条〜6条程度の比較的小型の乗用田植機の機体構造に関する。
上記乗用田植機としては、前車輪および後車輪を支持したミッションケースの後部に昇降リンク機構の基部が連結される支持フレームを立設したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−16号公報
提案されている上記機体構造は、ミッションケースを機体の強度メンバーとすることで主フレームを廃止しているので、主フレームの前部にミッションケースを連結するとともに、主フレームの後部に昇降リンク機構連結用の支持フレームを立設した中型あるいは大型の乗用田植機の機体構造に比べて構造が簡素であり、小型の乗用田植機に有効に活用できるものである。しかし、その反面、機体の強度メンバーであるミッションケースに内装した機構の点検整備は、苗植付け装置を分離して機体を大きく分解する大掛かりな作業となり、ミッションケース単体を取外して点検整備することができる主フレーム付きの機体構造を備えた仕様の機種に比べてメンテナンス性が低いものになる問題がある。
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、主フレームを備えない構造でありながら、ミッションケースのメンテナンス性を高めることができるようにすることを主たる目的としている。
第1の発明は、操向自在な前車輪と操向不能な後車輪を備えた4輪駆動型の走行機体の後部に苗植付け装置を昇降リンク機構を介して連結した乗用田植機において、
前記前車輪及び後車輪を支持したミッションケースを左右二分割構造に構成して、このミッションケースに前記昇降リンク機構の基部が連結される支持フレームを立設し、前記ミッションケースの左右分割ケース部分のそれぞれに前記支持フレームをボルト締め連結するとともに、前記支持フレームとの連結を解除した一方の分割ケース部分を他方の分割ケース部分から分離可能に構成してあり、前記支持フレームを、前記昇降リンク機構の基部の連結箇所における上部から前記左右の分割ケース部分のそれぞれに連結される左右一対のフレーム杆を備えて構成し、前記一方の分割ケース部分に、この分割ケース部分から突設した連結部を備えて、前記一方の分割ケース部分に連結される前記フレーム杆を、このフレーム杆の前端部が前記連結部の内側に位置する状態で前記連結部に連結してあることを特徴とする。
上記構成によると、左右分割ケース部分のボルト連結を解除するとともに、一方の分割ケース部分と支持フレームとの連結を解除して、一方の分割ケース部分およびこれに支持されている機構部を、支持フレームを残した他方の分割ケース部分から分離することで、ミッションケースの内部を点検整備することができる。この場合、他方の分割ケース部分に残された支持フレームに昇降リンク機構を連結したままでよい。
従って、第1の発明によると、主フレームを備えずミッションケース自体を強度メンバーとした機体構造を採用するものでありながら、ミッションケースのメンテナンス性を高めることができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、前記前車輪操向用のパワーステアリングユニットを前記ミッションケースの上に配備するとともに、前記支持フレームとの連結を解除されない他方の分割ケース部分にのみ前記パワーステアリングユニットを連結支持してあるものである。
上記構成によると、パワーステアリング仕様の機種において、ミッションケースの一方の分割ケース部分を分離する場合に、残される他方の分割ケース部分にのみ連結支持されているパワーステアリングユニットを取外す必要はなく、ミッションケースのメンテナンス性を高める上で有効となる。
第3の発明は、上記第1の発明において、前記前車輪操向用のステアリング操作軸を支持したハンドルグポストを前記ミッションケースの上に配備するとともに、前記支持フレームとの連結を解除されない他方の分割ケース部分にのみ前記ハンドルポストを連結支持してあるものである。
上記構成によると、マニュアルステアリング仕様の機種において、ミッションケースの一方の分割ケース部分を分離する場合に、残される他方の分割ケース部分にのみ連結支持されているハンドルポストを取外す必要はなく、ミッションケースのメンテナンス性を高める上で有効となる。
第4の発明は、上記第1〜3のいずれか一つの発明において、前記ミッションケースに備えた苗植付け装置駆動用のPTO軸を、前記支持フレームとの連結を解除されない他方の分割ケース部分から突設してあるものである。
上記構成によると、ミッションケースの一方の分割ケース部分を分離する場合に、残される他方の分割ケース部分にPTO軸が装備されているので、他方の分割ケース部分の支持フレームに昇降リンク機構を介して苗植付け装置を連結するとともに、PTO軸と苗植付け装置とを軸伝動連結したままでミッションケースを開けることができ、ミッションケースのメンテナンス性を高める上で有効となる。
第5の発明は、請求項1〜4のいずれか一つの発明において、前記分割ケース部分の接合面の少なくとも一方に凹溝を設けて、接合面間に油圧系の油路を形成してあるものである。
上記構成によると、ミッションケースの左右分割構造を利用することで、外部配管無く油路を形成することができ、請求項1〜4のいずれか一つの発明の上記効果をもたらすとともに、部品点数の節減およびコスト低減に有効となる。
図1に、本発明に係る乗用田植機の全体側面が、また、図2に、その全体平面がそれぞれ示されている。この田植機は、操向自在な前車輪1と操向不能な後車2を備えた四輪駆動型の走行機体3の後部に、油圧シリンダ4で駆動される平行四連リンク構造の昇降リンク機構5を介して苗植付け装置6が連結され、また、走行機体3の後部に設けた運転座席7の後方箇所に施肥装置8が配備されるとともに、走行機体3の前部にエンジンボンネット9、フロントパネル10、ステアリングハンドル11、等が備えられ、更に、エンジンボンネット9の左右に予備苗のせ台12が立設装備された構造となっている。
前記苗植付け装置6は4条植え仕様に構成されており、苗を載置して一定ストロークで往復横移動する苗のせ台15、この苗のせ台15の下端から1株分づつ苗を切り出して田面に植付けてゆく4組の回転式の植付け機構16、田面の植付け箇所を均平整地する3個の整地フロート17、等を備えて構成されている。
前記施肥装置8は、肥料ホッパ18に貯留した粉粒状の肥料をホッパ下端部に備えられた繰出し機構19によって設定量づつ繰出し、繰出された肥料を電動ブロワ20からの搬送風によって4本の供給ホース21に送り出し、前記整地フロート17に取り付けた4個の作溝器22にまで風力搬送し、作溝器22によって植付け苗の横側近傍の田面に引っかき形成した施肥溝に肥料を送込んで埋設するように構成されている。
前記走行機体3の前部にはミッションケース25が配備され、このミッションケース25の前部左右から横向きに突設した前車軸ケース25aの端部に、前車輪1を軸支した回動ケース26が縦心P周りに操向回動可能に装備されるとともに、ミッションケース21の後部には、サスペンション機構27で弾性支持された左右一対のスイングケース28が支点a周りに独立上下揺動可能に装着され、この左右スイングケース28の後端に左右の後車輪2がそれぞれ軸支され、さらに、前記エンジンボンネット9内に収容されたエンジン29がミッションケース25から前方に突設された前フレーム30に搭載されている。
前記エンジン29は、出力軸31を左横向きに突設した横軸型の空冷ガソリンエンジンが利用されており、クランクケース29aの上部に連設したシリンダ部29bが後方に傾斜された嵩低いものに構成され、クランクケース29aの前端下部とシリンダ部29bとが防振ゴム32を介して前フレーム30に防振状態に搭載されている。
また、エンジンボンネット9内の上部に燃料タンク32が配備されるとともに、前フレーム30の前端部には、運転者が地上に降りて操縦する斜面での移動時に利用する補助レバー33が、図示のように略鉛直に起立した格納姿勢と、前方に振り出し揺動させた作用姿勢とに亘る一定範囲で下部支点b周りに前後揺動可能に装着されており、畦の乗り越え、運搬車両の荷台への積み下ろし、のように機体が大きく前後傾斜する状態で自走させる場合において、作用姿勢に振り出した補助レバー33を地上に降りた運転者が押さえ込むことで機体前部が浮き上がることを抑制する。
前記ミッションケース25は走行機体を構成する強度メンバーとして機能するものであり、機体左右中心を分割線とした左右二分割構造となっており、左右分割ケース部分25L,25Rをボルト締め連結して構成されている。
ミッションケース25の後部には支持フレーム34が立設され、この支持フレーム34に、前記昇降リンク機構5を構成するアッパリンク5aとロアーリンク5bの基端部および前記油圧シリンダ4の基端部が枢支連結されるとともに、運転座席7、後部フェンダ14、バッテリ、座席周りの各種レバー類が支持されている。
支持フレーム34は、左右一対の縦フレーム部34aと、両縦フレーム部34aに亘って架設された横フレーム34bおよび縦フレーム部34aの下端から前方に延出された連結フレーム34cと、両縦フレーム部34aの上下中間部から斜め前方下方に向けて延出された左右一対の斜めフレーム杆34d,34eとで構成されており、連結フレーム34cの下端部がミッションケース25の後端面に後方からボルト締め連結されるとともに、斜めフレーム杆34d,34eの前端がミッションケース25にボルト連結されている。
ここで、図14,図15,図16に示すように、右側の斜めフレーム杆34eの前端部にはボルト挿通孔75が形成されていて、ミッションケース25における右側の分割ケース部分25Rの右外側面にねじ込まれるボルト76で締結されるのに対して、図13,図15,図16に示すように、左側の斜めフレーム杆34dの前端部にはナット77が溶接固定されており、左側の分割ケース部分25Lから突設された連結部78の内側に斜めフレーム杆34dの前端部を位置させて、外側から挿通したボルト79をナット77にねじ込むことで、左側の斜めフレーム杆34dの前端部を左側の分割ケース部分25Lに連結するよう構成されている。
図6に、この田植機における伝動構造の概略が示されている。
ミッションケース25の左側面には主変速装置として油圧式の無段変速装置(HST)35が連結されており、前記エンジン29の出力軸31と無段変速装置35の入力軸(ポンプ軸)36とがベルト37を介して巻き掛け連動されるとともに、無段変速装置27の出力軸(モータ軸)38から取り出された変速出力がミッションケース25の入力軸39に伝達され、この動力が第2軸40にギヤ伝達された後、走行系と植付け系に分岐されて以下のように伝動される。
〔走行伝動系〕
ミッションケース25には前車輪1に対するデフ装置41が装備されるとともに、このデフ装置41から差動駆動可能に左右に延出された車輪駆動用の伝動軸42が、ミッションケース25の前車軸ケース25aに挿通支架されている。一方(この例では右側)の伝動軸42にはデフ装置41の入力筒軸43が遊嵌されており、この入力筒軸43と前記第2軸40とが走行用の副ギヤ変速装置44を介して連動連結され、入力筒軸43にスプライン装着したシフトギヤ45を左右にシフト操作してその大小のギヤ45a,45bを第2軸40に備えたギヤ46a,46bに選択咬合することで、高低2段に変速された走行系動力が入力筒軸43に伝達されるようになっている。
左右の車軸ケースの外方端部に縦軸心P周りに回動自在に装着した回動ケース26には、前記縦軸心Pに沿って縦伝動軸47が挿通支持されており、この縦伝動軸47の上端と前記伝動軸42とがベベルギヤ伝動機構48を介して連動連結されるとともに、回動ケース26の下部に支承した前車軸49と縦伝動軸47の下端とがベベルギヤ減速伝動機構50を介して連動連結されている。
ミッションケース25における後端部の左右には後車軸ケース25bが一体突設され、この後車軸ケース25bに、前記スイングケース28の支点aと同心に配備された左右一対の横向き伝動軸51が突合せ状態で挿通支持され、前記デフ装置41の入力筒軸43に固着された出力用スプロケット52と、前記両横向き伝動軸51の突合せ端部に遊嵌した入力用スプロケット53に亘ってチェーン54が巻回されるとともに、入力用スプロケット53と左右の横向き伝動軸51とがサイドクラッチ55を介してそれぞれ連動連結されている。
前記スイングケース28は、後車軸ケース25bの外端部に上下回動可能に後ろ向き片持ち状に遊嵌装着され、スイングケース28に挿通した前後向き伝動軸56の前端部と横向き伝動軸51とがベベルギヤ伝動機構57を介して連動連結されるとともに、スイングケース28の後端部に備えた後車軸58と前後向き伝動軸56の後端部とがベベルギヤ減速伝動機構59を介して連動連結され、もって、左右の後車輪2が前車輪1と同調して駆動されるとともに、独立して上下動できるようになっている。
前記サイドクラッチ55は多板式摩擦クラッチに構成されており、駆動側となるクラッチドラム61が入力用スプロケット53の左右の側面に固着されるとともに、横向き伝動軸51に従動側となるクラッチボス62がスプライン装着され、クラッチドラム61に係合支持された複数の摩擦板63とクラッチボス62に係合支持された複数の摩擦板64とが交互に重合配備され、クラッチボス62を内装したバネ65によって横外方に付勢シフトして摩擦板63,64群を圧接することで、クラッチドラム61からクラッチボス62への動力伝達がなされる「クラッチ入り」状態がもたらされ、また、クラッチボス62をバネ65に抗して後退移動させて摩擦板63,64群の圧接を解除することで、クラッチドラム61からクラッチボス62への動力伝達を断つ「クラッチ切り」状態がもたらされるようになっている。
後車軸ケース25bにはクラッチ操作軸66が貫通装着されており、このクラッチ操作軸66を回動操作してその内端に形成した偏心ピン66aを軸心方向に変位させることクラッチボス62を接当操作するようになっている。
一方(この例では左側)のサイドクラッチ55におけるクラッチドラム61に作用するブレーキ68が装備されている。このブレーキ68は、クラッチドラム61に外嵌されてサイドクラッチ用摩擦板63の係合溝に係合されたリング状の摩擦板69と、ミッションケース25の内面に回転不能に係合されたリング状の摩擦板70とを軸心方向に重合させて構成されたものであって、ミッションケース25に貫通装着したブレーキ操作軸71を回動操作して、ブレーキ操作軸71に連結した操作アーム71aで両摩擦板69,70を圧接することでクラッチドラム61およびこれと一体化された入力用スプロケット53を制動するよう構成されている。
なお、ブレーキ操作軸71は運転ステップ13の右側前方に配備されたブレーキペダル72に連動連結されており、ブレーキペダル72を踏み込んで入力用スプロケット53を制動することで、これに連動連結された左右の後車輪2および左右の前車輪1を同時に制動することができるようになっている。また、詳細な構造は図示しないが、エンジン29と無段変速装置35を連動連結するベルト37に作用するテンション式の主クラッチ73とブレーキペダル72とがリンク連係されており、ブレーキペダル72を踏み込むと制動がかかって機体が停止するとともに、主クラッチ73が切り操作されて無段変速装置35へのエンジン動力の伝達が断たれるようになっている。
また、ブレーキペダル72にはブレーキ操作レバー74が一体固着されて機体前方に向けて延出されており、運転者が地上に降りて操縦する際に、ブレーキ操作レバー74を押し下げることで地上から機体停止操作を行うことができるようになっている。
〔植付け伝動系〕
ミッションケース25の前記入力軸39には同心状に第3軸81が遊嵌されており、この第3軸81と前記第2軸40が3段の変速を行う株間変速装置82によって連動連結されている。そして、第3軸81から取り出された動力が、ケース外のギヤ対83,84およびベベルギヤ伝動機構85を介して前後向き動力に変換された後、トルクリミッタ86および植付けクラッチ87を介してPTO軸88に伝達されるようになっている。PTO軸88はミッションケース25の上部において後方に向けて突出配備されており、このPTO軸88から取り出された植付け系の動力は、伸縮および上下に屈折可能な軸伝動機構89を介して上下動する前記苗植付け装置6に伝達される。
なお、ケース外に配備されたギヤ対83,84を入れ替え、あるいは交換することによっても株間変速装置82で3段に選択可能な株間を全体的に変更することが可能となっている。
また、前記PTO軸88は、機体左右中心に対して右側に偏位して右側の分割ケース部分25Rから突設され、その延出端部が右側の分割ケース部分25Rの後端部に備えた軸受けブラケット80で支持されている。
また、ミッションケース25の後部寄り箇所には中間PTO軸91が横架支承され、中間PTO軸91に遊嵌したスプロケット92が、後車輪2への伝動系に配備されたチェーン54の中間部位に咬合されている。また、中間PTO軸91には、スプロケット92に側面から係脱可能なクラッチボス93がシフト可能にスプライン装着されており、クラッチボス93をバネ94によってシフトしてスプロケット92に咬合させることで中間PTO軸91から走行速度に同調した動力を取り出すことができ、また、クラッチボス93をバネ94に抗して後退シフトしてスプロケット92から離脱させることで、動力の取り出しを遮断することができるようになっている。そして、この中間PTO軸91のケース外端部と施肥装置8における前記繰出し機構19とが図示されないクランク式の伝動機構によって連動連結されている。このように、繰出し機構19を走行速度に対して所定比率で駆動することで、株間変速によって株間を変更しても単位走行距離(単位面積)当たりの肥料繰出量を常に設定値(繰出し機構での調節は可能)に維持することができる。なお、施肥装置8を備えない仕様の機種では中間PTO軸91を省略しておくことができる。
次に前記前車輪1を操向操作するステアリング構造について説明する。
前車輪1を軸支した左右の回動ケース26にはナックルアーム101が取り付けられており、左右のナックルアーム101がラック・ピニオン式のステアリング機構102に連動連結されている。ステアリング機構102は、ミッションケース25における前端下部の角部に、前車輪駆動用の前記伝動軸42と平行に配備されており、ミッションケース25に左右移動可能に貫通横架されたラック杆103と、ラック杆103の後面に形成されたラック部103aに咬合するピニオンギヤ104から構成されている。そして、ミッションケース25から左右に突設されたラック杆103の両端部と左右のナックルアーム101とが球ジョイント105と連係ロッド106で連動連結されている。なお、ラック杆103の両端部とミッションケース25のラック杆挿通ボス部25cとに亘って蛇腹状の伸縮ブーツ107が装着されて、ラック杆103が泥水などから保護されている。
前記ピニオンギヤ104は、ミッションケース25の前部に縦姿勢で挿通配備されたピニオン操作軸108の下部に固着されており、このピニオン操作軸108の上端が、ミッションケース25の上端に取り付けられた油圧式パワーステアリングユニット109の出力軸109bに連結され、パワーステアリングユニット109の上面に備えられた操作軸109aとステアリングハンドル11とが、上下の自在継ぎ手110およびステアリング操作軸111を介して連動連結されている。従って、ステアリングハンドル11を回動することで、パワーステアリングユニット109を介してピニオン操作軸108が強力に回動操作され、ピニオンギヤ104の回動によってラック103杆が左右に咬合移動されて、左右の回動ケース26とこれに軸支した前車輪1がハンドル回動方向に操向されるのである。
ここで、前記ピニオン操作軸108は、ミッションケース25に組み込まれた内部伝動機構とケース前壁との間に、機体の左右方向中央に位置するよう縦姿勢で挿通配備されており、その下端がピニオンギヤ104の下方に突出されるとともに、その突出軸部分がボールベアリングなどの軸受け112を介してミッションケース25に支持されている。
また、前記パワーステアリングユニット109は、左右分割構造のミッションケース25における分割線上に位置して配備されるとともに、右側の分割ケース部分25Rの上面にのみボルト締め連結されている。
また、上記ステアリング構造と後後輪2に対する左右サイドクラッチ55とが連係されて、機体操向操作に連動して旋回内側となる後車輪2のサイドクラッチ55を自動的に切り操作する自動操向機構Aが備えられている。
図11に示すように、この自動操向機構Aは、左右のナックルアーム101と左右のクラッチ操作軸66の操作レバー66aとを長孔融通cを備えた連係ロッド113で交叉状に連動連結して構成されており、図11(イ)に示すように、前車輪1が直進位置にある時には左右のサイドクラッチ55が共に「クラッチ入り」状態にあり四輪駆動での直進走行が行われる。そして、この直進状態から前車輪1が設定角度(数十°)未満で操向された場合には、ナックルアーム101の回動変位が長孔融通cによって吸収されて連係ロッ113ドが操作されることはなく、左右のサイドクラッチ55は共に「クラッチ入り」状態に維持される。つまり、機体向きを少し変更する程度の操向では自動操向機構が働くことはない。そして、畦際でのUターン旋回、等のために前車輪1が直進状態から設定角度(数十°)以上に例えば左側に大きく操向された場合には、図11(ロ)に示すように、右側のナックルアーム101が長孔融通cよりも大きく回動変位し、左側のクラッチ操作軸66に連係された一方の連係ロッド113だけが前方に引っ張り変位されて左側のクラッチ操作軸66だけが前方に操作される。従って、この場合は、旋回内側となる左側後車輪2のサイドクラッチ55が自動的に「クラッチ切り」状態となって旋回内側の後車輪2は遊転状態となり、大きく左に操向された左右の前車輪1と旋回外側となる右側の後車輪2による3輪駆動で機体は小さい旋回半径で左方に旋回する。
なお、パワーステアリングユニット109および苗植付け装置昇降用の油圧シリンダ4の油圧源、並びに、無段変速装置35のチャージ油圧源となる油圧ポンプ114が、無段変速装置35の入力軸36の延出端から取り出された動力で駆動されるようになっている。そして、前記油圧ポンプ114はミッションケース25に貯留された潤滑を作動油としており、ミッションケース25の前面下部から抜き出された油がカートリッジ型のフィルタ115を経て油圧ポンプ114に吸引されるようになっており、フィルタ115と油圧ポンプ114とがミッションケース25の前壁内部に形成された油路dを介して連通接続されている。ここで、前記油路dは、ミッションケース25を構成する左右の分割ケース部分25L,25Rの各接合面に型成形された凹溝116を合わせることによって形成されており、外部配管を要することなく、かつ、無加工で、配管のない作動油吸引流路が形成されている。
本発明の田植機は以上のように構成されており、左右分割構造のミッションケース25の分解整備が以下のようにして行われる。
すなわち、分解整備に際しては、左側の前車輪1および後車輪2を取外すとともに、左側のスイングケース28をミッションケース25から抜き外し、左側前車輪1の回動ケース26とステアリング機構102との連係や左側サイドクラッチと自動操向機構Aとの連係を解除した状態で、左右の分割ケース部分25L,25Rを接合連結しているボルト連結を全て解除するとともに、支持フレーム34における左側の縦フレーム部34dの下端部とミッションケース25とのボルト連結を解除し、さらに、左側の斜めフレーム杆34dの前端部と左側の分割ケース部分25Lとのボルト連結を解除すると、図17に示すように、左側の分割ケース部分25Lはそのまま内装横架した伝動軸類の軸心方向に分離移動することができる。
この場合、支持フレーム34、PTO軸88、パワーステアリングユニット109は右側の分割ケース部分25Rに連結装備されたままであるので、これらに連係された各機構や構造は特に分解あるいは分離する必要はない。
〔他の実施例〕
(1)図18に示すように、マニュアルステアリング仕様で実施することもできる。この場合、ステアリング操作軸111を挿通支持したハンドルポスト117の下端取付け座を前記パワーステアリングユニット109に代えて片方の分割ケース部分25Rの上面に連結固定することになり、ミッションケース25の一方の分割ケース部分25Lを分離して内部の点検整備を行う際、ハンドルポスト117を取外す必要はない。
(2)ミッションケース25の接合面間に形成する前記油路dは、片方の接合面にのみ凹溝116を形成して構成することもできる。
田植機の全体側面図 田植機の全体平面図 機体前部の側面図 機体の走行系を示す一部切欠き平面図 前車輪駆動部を示す正面図 伝動系統図 ミッションケースの内部構造を示す縦断背面図 後車輪への動力分岐部を示す横断平面図 ミッションケース前部の縦断側面図 ステアリング構造を示す一部切欠き正面図 自動操向作動を示す概略平面図 機体の側面図 機体後部の左側面図 機体後部の右側面図 機体後部の平面図 機体後部の縦断正面図 分解状態の機体後部を示す縦断正面図 ステアリング仕様の異なった実施例における機体前部の側面図
1 前車輪
2 後車輪
3 走行機体
5 昇降リンク機構
6 苗植付け装置
25 ミッションケース
25L 分割ケース部分
25R 分割ケース部分
34 支持フレーム
34d フレーム杆
34e フレーム杆
78 連結部
88 PTO軸
109 パワーステアリングユニット
111 ステアリング操作軸
116 凹溝
117 ハンドルポスト
d 油路

Claims (5)

  1. 操向自在な前車輪と操向不能な後車輪を備えた4輪駆動型の走行機体の後部に苗植付け装置を昇降リンク機構を介して連結した乗用田植機において、
    前記前車輪及び後車輪を支持したミッションケースを左右二分割構造に構成して、このミッションケースに前記昇降リンク機構の基部が連結される支持フレームを立設し、
    前記ミッションケースの左右分割ケース部分のそれぞれに前記支持フレームをボルト締め連結するとともに、前記支持フレームとの連結を解除した一方の分割ケース部分を他方の分割ケース部分から分離可能に構成してあり、
    前記支持フレームを、前記昇降リンク機構の基部の連結箇所における上部から前記左右の分割ケース部分のそれぞれに連結される左右一対のフレーム杆を備えて構成し、
    前記一方の分割ケース部分に、この分割ケース部分から突設した連結部を備えて、前記一方の分割ケース部分に連結される前記フレーム杆を、このフレーム杆の前端部が前記連結部の内側に位置する状態で前記連結部に連結してあることを特徴とする乗用田植機の機体構造。
  2. 前記前車輪操向用のパワーステアリングユニットを前記ミッションケースの分割線上に配備するとともに、前記支持フレームとの連結を解除されない他方の分割ケース部分にのみ前記パワーステアリングユニットを連結支持してある請求項1記載の乗用田植機の機体構造。
  3. 前記前車輪操向用のステアリング操作軸を支持したハンドルポストを前記ミッションケースの上に配備するとともに、前記支持フレームとの連結を解除されない他方の分割ケース部分にのみ前記ハンドルポストを連結支持してある請求項1記載の乗用田植機の機体構造。
  4. 前記ミッションケースに備えた苗植付け装置駆動用のPTO軸を、前記支持フレームとの連結を解除されない他方の分割ケース部分から突設してある請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗用田植機の機体構造。
  5. 前記分割ケース部分の接合面の少なくとも一方に凹溝を設けて、接合面間に油圧系の油路を形成してある請求項1〜4のいずれか一項に記載の乗用田植機の機体構造。
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