JP2582062B2 - 光ファイバの線引き方法 - Google Patents

光ファイバの線引き方法

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JP2582062B2 JP62015869A JP1586987A JP2582062B2 JP 2582062 B2 JP2582062 B2 JP 2582062B2 JP 62015869 A JP62015869 A JP 62015869A JP 1586987 A JP1586987 A JP 1586987A JP 2582062 B2 JP2582062 B2 JP 2582062B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、石英系光ファイバの線引き方法に関するも
のであり、さらに詳細には、コアガラスの軟化点温度
T1、クラッドガスの軟化点温度T2の間にT1>T2なる関係
を有した光ファイバ用母材を線引きして低損失の光ファ
イバを製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、石英系光ファイバでは屈折率制御用ドーパント
として主にGeO2を用い、コア組成がGeO2−SiO2、クラッ
ド組成がSiO2である光ファイバが実用化されている。特
に上記組成の単一モード光ファイバにおいては損失が0.
2db/kmの極低損失化が達成されている。
GeO2をコアにドープした光ファイバで低損失化を実現
するには、GeO2濃度分布制御技術、コアとクラッド界面
との不整合除去技術、母材段階でのコア、クラッドの寸
法制御技術など母材製造工程における諸技術を確立しな
ければならない。光ファイバ用母材の製造方法であるVA
D法においては、前記諸技術がすでに確立され、非常に
高品質な光ファイバ用母材が製造されている。
最終的な光ファイバは、上記母材を高温炉で加熱して
細径化する線引き工程によって製造される。GeO2−SiO2
をコアとし、SiO2をクラッドとする母材の線引き条件を
検討したところ、炉内最高温度がSiO2のクラッドの軟化
点温度以上であれば線引き可能であり、線引き張力が1.
6×106乃至1.6×108Paの広い範囲で低損失光ファイバが
得られることがわかっている。すなわち、GeO2−SiO2
コアとし、SiO2をクラッドとする光ファイバでは、前記
の母材製造工程における諸技術を確立し、最適化するこ
とにより低損失光ファイバが得られている。
ところで、石英系光ファイバの耐放射線特性、耐水素
特性などの環境特性は、GeO2ドープコア光ファイバより
ドーパントを含まないSiO2コア光ファイバの方が優れて
いる。またSiO2コア光ファイバでは、コア材料固有のレ
ーリー散乱係数がGeO2−SiO2ガラスより小さくなるた
め、GeO2ドープコア光ファイバよりいっそうの低損失化
が期待できる。
SiO2をコアとする場合には、SiO2よりも屈折率を低下
させるドーパントをクラッドに添加しなければならな
い。このようにSiO2の屈折率を低下させるドーパントと
してはF(フッ素)、B(ホウ素)が有効であることが
知られている。しかしながら、Bをドープした光ファイ
バは、分子振動による赤外吸収の短波長領域への裾引き
のため使用波長領域(1.3〜1.6μm)での損失増加をも
たらすので長距離通信用として実用的ではない。従っ
て、Fをクラッドにドープした光ファイバ、すなわちSi
O2をコアとし、F−SiO2をクラッドとする光ファイバが
より実用的な可能性を有するとされている。
このSiO2をコアとし、F−SiO2をクラッドとする光フ
ァイバの製造を多孔質母材製造工程とガラス化工程から
成るVAD法によって試みると、Fが多孔質母材中のコア
とクラッドとなるべき部分に均一にドープされてしま
い、結果としてSiO2単独のコアが形成されないという問
題があった。
そこで、本発明者らはVAD法によるSiO2をコアとし、
F−SiO2をクラッドとする光ファイバの製造方法につい
て検討を進め、Fの拡散制御技術、さらにはVAD法によ
るSiO2をコア、F−SiO2をクラッドとする光ファイバの
製造方法を開発し、これらを特願昭59−106217号および
特願昭61−25272号に提案したものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、これらの特許出願で提案の方法に基づ
いて、ステップ型のSiO2をコアとし、F−SiO2をクラッ
ドとする単一モード光ファイバ用母材を製造し、低損失
化の検討を進めたところ、SiO2をコアとし、F−SiO2
クラッドとする単一モード光ファイバでは線引き条件に
よって得られた光ファイバのコアとクラッドとの間の比
屈折率差△は、母材段階でのコアとクラッドとの比屈折
率差△から大幅に変化する欠点を有していることが明ら
かになった。
例えば、母材製造においてSiO2のコアとF−SiO2のク
ラッドとの比屈折率差△が0.45%の場合、線引き条件に
よっては光ファイバでの比屈折率差△は0.22%まで変化
してしまう事実を見出した。このため単一モード光ファ
イバにとって重要な仕様であるカットオフ波長λが初
期設計値である1.2μmから0.8μmまで変化してしま
い、単一モード光ファイバの設計が困難となるばかりで
なく、最低損失となる波長1.5μm帯で曲げ等による散
乱損失により非常に大きな損失増加が生じてしまう欠点
がある。
本発明は、こうしたSiO2をコアとし、F−SiO2をクラ
ッドとする光ファイバの如き、コアガラスの軟化点温度
T1とクラッドガラスの軟化点温度T2との間にT1>T2なる
関係を有した光ファイバ用母材から線引きした光ファイ
バの欠点を解消し、該光ファイバ用母材の初期設定値
(比屈折率差、カットオフ波長)を光ファイバ化した後
まで保持する方法、ひいては低損失光ファイバの実現方
法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記した従来技術の問題点を解決する
ため、光ファイバ母材の製造工程および線引き工程を詳
細に検討した結果、線引き工程において上記した従来技
術の問題が誘発されていること、より詳細には上記従来
技術の諸問題は線引き張力が主原因であることを見出し
た。すなわち線引き時に加えた張力が光ファイバのコア
に残留することにより、比屈折率差が母材と光ファイバ
とで変化し、これが光ファイバのカットオフ波長を変化
させることを解明し、本発明を完成するに至ったもので
ある。
すなわち、本発明に従うと、コアガラスの軟化点温度
T1、クラッドガラスの軟化点温度T2の間にT1>T2なる関
係を有する石英系光ファイバ用母材を高温炉で加熱する
と同時に該母材を線引きして光ファイバを得る方法であ
って、線引き時の張力を該母材の比屈折率差に応じて調
整して線引き後の光ファイバのコアの残留応力を、母材
段階での比屈折率差をファイバ比後まで保持するような
値以下とすることを特徴とする光ファイバの線引き方法
が提供される。
この線引き張力は、1.6×106乃至2.3×107Paの範囲内
で調整するのが好ましい。
〔作用〕
まず本発明の方法の前提となる光ファイバのコアとク
ラッドの線引きにおける挙動を説明する。光ファイバは
線引き工程において母材を軟化点温度以上もしくはその
近傍の温度まで加熱して線引きして得られる。この際、
線引きによりファイバに加えられる線引き張力はコアと
クラッドのうちの軟化点温度の高い方の部分、すなわち
母材線引き温度において高い粘性をもつ部分で支えられ
る。
従来技術において実用化されているGeO2−SiO2をコア
とし、SiO2をクラッドとする単一モード光ファイバにお
いて、コアの軟化点温度をT1、クラッドの軟化点温度を
T2とすると、第2図(b)に示すようにT2>T1の関係に
ある。第2図(b)において、1はコア、2はクラッド
をそれぞれ示す。
第2図(b)に示すような関係の軟化点温度をそれぞ
れ有するコアおよびクラッドの光ファイバ母材では、線
引き後、まずクラッド2の粘度が高くなり、硬化する
が、コア1は依然低粘度を保持している。このとき、線
引き張力の大部分は軟化点温度が高いクラッド2で支え
られた状態で冷却される。従って、ファイバ全体が硬化
した後もクラッド2には線引き張力に応じた大きな応力
が残留するが、ファイバ断面の中心部に配置されるコア
1には引張り応力が加わらず、残留応力が生じない。
しかしながら、SiO2をコアとし、F−SiO2をクラッド
とする光ファイバでは、コア1の軟化点温度をT1、クラ
ッド2の軟化点温度をT2とすると、第2図(a)に示す
ようにT1>T2の関係を有する。この場合、線引き後、コ
ア1が先に高粘度となり、硬化して、大部分の割合で線
引き張力はコア1に負担されることとなる。従って、コ
ア1に引張り応力が残留する。この残留応力の大きさは
線引き張力に対応し、線引き張力が大きくなれば残留応
力も大きくなる。
このようにコアに引張り応力が加わると、光弾性効果
によってコアの屈折率が変化する。単一モード光ファイ
バのような細径のコアの場合、光弾性効果によるコアの
屈折率変化は次式で近似することができる。
△n≒Cδ (1) ここで、 △nはコアの屈折率の変化量、 Cはコアの光弾性定数、 δはコアに加わる引張り応力を示す。
SiO2コア場合、Cの値は−4.2×10-12Pa-1であり、
(1)式からコアに引張り応力が加わると、△nは負の
値になることがわかる。すなわち、線引き張力が大きく
なると残留応力も大きくなり、さらに残留応力に応じて
比屈折率差△(%)が減少し、これにより初期設定のカ
ットオフ波長λも変化してしまうことになる。
コア直径あるいはコア形状が光ファイバ内で局部的に
わずかに変化している場合、コア、クラッドの軟化点温
度が第2図(b)に示したT2>T1になる関係にあるGeO2
−SiO2コア、SiO2クラッド光ファイバではコアに対して
引張り応力が加わらないため前記コア部の非常に微少な
変化による損失増加は生じないが、軟化点温度が第2図
(a)に示したT2>T1の関係にあるSiO2コア、F−SiO2
クラッド光ファイバではコア部に大きな引張り応力が加
わるためコア部の微少な変化が損失増加となって現れて
くる。コアに加わる引張り応力は、例えば線引き張力を
「6.4×107Pa」とした場合、前者では「107Pa」以下
(熱応力)であるのに対して、後者では「7×108〜8
×108Pa」の非常に大きな値である。
以上のように、SiO2をコアとし、F−SiO2をクラッド
とする単一モード光ファイバでは、コア寸法の微小変化
や△およびλの変化などの原因によって使用波長域で
ある1.3〜1.6μm帯の損失が増加し、またこれらの現象
はコアに加わる残留応力の大きさ、具体的には線引き張
力に依存していることを本発明者等は見出し、本発明を
完成したものである。
すなわち、本発明はコアとクラッドの軟化点温度が、
第2図(a)のようにT1>T2の関係にある光ファイバ用
母材の線引き工程において、コアとクラッド間の比屈折
率差△(換言すると、コアとクラッド間に屈折率差を生
じせしめるドーパントの添加量)に応じた最適線引き張
力値によって線引きを行い、これによって母材段階での
比屈折率および設計カットオフ波長が線引き後のファイ
バまで保持され、低損失化を実現したものである。
添付の図面を参照して本発明の方法の原理をさらに詳
細に説明する。第1図は、本発明の原理の説明図であ
る。さらに詳細には第1図は、SiO2をコアとし、種々の
濃度のFを含有するF−SiO2をクラッドとする単一モー
ド光ファイバ用母材を線引きして光ファイバとするに際
し、線引き後の光ファイバの損失値が0.3dB/kmとなる線
引き力値と光ファイバ母材の引屈折率差との関係を示し
た図である。
第1図に示すグラフを用いて、所定の比屈折率差を有
する母材を第1図で示す比屈折率差に対応する線引き張
力で線引きすると、損失が0.3dB/kmの光ファイバが得ら
れる。本発明の方法に従うと、母材の比屈折率差より第
1図から対応する線引き力を読み取り、この読み取った
値以下に相当する線引き張力値で線引きを行うと、光フ
ァイバの損失を0.3dB/km以下にできる。
上述したようにクラッドに添加されるFの濃度が高い
ほど、クラッドの屈折率が低下する。従って、クラッド
に添加されるFの濃度が高いほど、光ファイバ母材の比
屈折率差が大きくなり、第1図から容易に理解できるよ
うに、線引き張力の上限値は小さくなる。これに対し
て、クラッドに添加されるFの濃度が少ないほど、光フ
ァイバ母材の引屈折率差が小さくなり、線引き張力の上
限値は大きくなる。
F−SiO2ガラスはSiO2ガラスに比べて軟化温度が低い
ことを前記したが、第1図を作成するのに用いた各光フ
ァイバのコアとクラッドの線引き時の挙動をガラス転移
点(Tg)で比較して検討してみる。すなわち、F−SiO2
およびSiO2のガラス転移点は軟化点と相関性を有するの
で、ガラス転移点での検討結果から軟化点に関連した特
性の傾向を知ることができる。
SiO2コアのガラス転移点は1200℃であり、比屈折率差
△がそれぞれ0.15%0.27%および0.45%であるファイバ
のF−SiO2クラッドはガラス転移点がそれぞれ約1000
℃、約800℃および約700℃である。第1図から、このよ
うにコア−クラッド間のガラス転移点の差が大きい光フ
ァイバほど、線引き後の光ファイバの損失増加を抑える
ための線引き張力の上限値が小さくなっているのがわか
る。
すなわち、線引き時に加えられる張力がコアおよびク
ラッドに与える応力の割合を考えると、クラッドの軟化
点温度(ガラス転移点の値に相対的に対応している)が
高い(コアの軟化点との差が小さい)ファイバほど、線
引き工程での硬化が早く、クラッドの応力分担率が大き
くなり、コアが負担する応力は小さくなる。従って、比
屈折率差△が小さいファイバほどコアが負担する応力を
一定とした状態での線引き張力を大きくできる。第1図
はこのようにコアに残留する応力が一定となるときの線
引き力値を示したものである。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。しかし
ながらこれらの実施例は本発明の単なる例示であって、
本発明の技術的範囲を何ら制限するものではない。
〔実施例〕
それぞれの引屈折率△が0.45%、0.27%および0.15%
の3種類のSiO2をコアとし、F−SiO2クラッドとする単
一モード光ファイバ用母材を製造した。なお、これらの
母材外径はいずれも25mmφであった。
これらの母材を高温炉を有した線引き装置によって線
引きした。線引きの際、炉の温度を調整してファイバの
線引き張力を変化させた。また、線引き速度は毎分60m
の一定速度とし、ファイバ化後直ちにシリコーン樹脂を
被覆した。このようにして種々の線引き張力で外径125
μmφの単一モード光ファイバを各々5km製造し、損失
波長特性を測定した。
第3図に光ファイバの線引き力と得られた光ファイバ
の損失値(波長1.55μm)の関係を示す。
第3図をSI単位系に換算すると、損失値が0.3db/kmと
なる張力は、△=0.45%の母材の場合、6.4×106Pa以下
である。△=0.27%の母材の場合1.2×107Pa以下、△=
0.15%の母材の場合2.3×107Pa以下であることがわか
る。なお、△=0.15%以下の比屈折率差では、ファイバ
の曲げによる放射損失が生じて実用的なファイバ構造と
なしえない。先に示した第1図はこの結果を示したもの
である。
従って第3図に示す結果から、SiO2をコアとし、F−
SiO2をクラッドとする単一モード光ファイバは2.3×107
Pa以下の張力で線引きを行うことにより低損失化が図れ
ることがわかる。なお、張力が1.6×106Pa以下では線引
きの際ファイバ外径の変動が生じ始め、これによって損
失が増加することを確認した。
第3図には、比較のためすでに実用化されているGeO2
−SiO2をコアとし、SiO2をクラッドとする単一モードフ
ァイバについての結果を併せて示した。この場合には、
張力が1.6×108Pa以下であれば低損失化を図ることがで
き、カットオフ波長の張力依存性は無く、本発明の方法
を適用する必要がないことがわかる。
第4図(a)には上記の母材のうちの△=0.45%の母
材を代表しての屈折率分布を示し、第4図(b)に、こ
の母材を張力6.4×107Paで線引きして得た光ファイバの
屈折率分布の変化を示した。このように本発明の範囲外
の線引き張力で線引きを行うと、比屈折率差△が0.45%
から0.22%に変化し所望の設計値を線引き後に保持でき
ないことがわかる。
第5図は、上記の母材のうちの△=0.45%の母材を線
引き張力を変えて線引きしたときに得られた光ファイバ
の比屈折率差の変化の実測値を示し、同時に本発明の方
法の適用対象外である。GeO2−SiO2をコア、SiO2をクラ
ッドとする単一モード光ファイバについての結果も併記
した。
さらに、第6図は、第5図に示した実験において得ら
れたファイバのカットオフ波長の関係の実測値を示した
図である。
これらの第5図および第6図をSI単位系に換算して考
えると、△=0.45%のSiO2をコアとし、F−SiO2をクラ
ッドとする単一モード光ファイバの線引きにおいて、張
力が約8×106Pa以上で比屈折率差およびカットオフ波
長が変化し始めているのがわかる。すなわち、線引き張
力値に応じて残留応力値が変化し、これにより比屈折率
差△さらにはカットオフ波長λが変化する。これは第
3図に示した損失増加が始まる張力値と一致している。
一方、第5図、第6図には比較のため、△=0.35%の
GeO2−SiO2をコア、SiO2をクラッドとする単一モード光
ファイバの結果も示しているが、この場合には測定張力
範囲では、比屈折率差及びカットオフ波長のいずれも張
力依存性を示さず一定であり、これらの結果からも本発
明の方法を適用する必要がないことがわかる。
なお、実施例の他に、コアにAl、Ti、Zrのうち1種類
をドープした、F−SiO2クラッド光ファイバでも軟化点
温度はT1>T2の関係にあり、これらの場合でも線引き張
力2.3×107Pa以下で低損失が図れる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明は、コアの軟化点温度T1
とクラッドの軟化点温度T2がT1>T2なる関係を有する光
ファイバ用母材を線引きする際に、母材の比屈折率差に
応じて線引き張力を決定することを特徴とする。この線
引き張力は2.3×107Pa以下、好ましくは2.3×107Pa〜1.
6×106Paの範囲とするのが好ましい。このようにして決
定された線引き張力で線引きを行うことにより、母材段
階での比屈折率差および設計カットオフ波長をファイバ
化後まで保持することができ、ひいては低損失光ファイ
バを得ることができる。
特に本発明は、SiO2をコアとし、F−SiO2をクラッド
とする単一モード光ファイバの低損失化に絶大な効果を
発揮する。
なお、コア材料組成が径方向に分布し、かつ少なくと
もコア中心軸にそった領域のガラス組成の軟化点温度が
クラッド部のガラス軟化点温度よりも高い場合について
も、本発明の方法の適用範囲内であることは議論をまた
ない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、SiO2をコアとし、F−SiO2をクラッドとする
光ファイバに所定の比屈折率差△を与える線引き力値を
示すグラフであり、本発明の原理を説明する図でもあ
り、 第2図(a)は、本発明の方法の適用対象である、SiO2
をコアとし、F−SiO2をクラッドとする単一モード光フ
ァイバの軟化点温度を示した図であり、 第2図(b)は、本発明の方法の適用対象外である、Ge
O2−SiO2をコアとし、SiO2をクラッドとする単一モード
光ファイバの軟化点温度を示した図であり、 第3図は、本発明の実施例で行った種々の比屈折率差の
光ファイバ母材を種々の線引き力で線引きして得られた
光ファイバの線引き力と損失値の関係を示した図であ
り、本発明の方法の対象外のGeO2−SiO2をコアとし、Si
O2をクラッドとする単一モード光ファイバ母材の結果も
併せて示し、 第4図(a)は、本発明の方法の適用対象である、SiO2
をコアとし、F−SiO2をクラッドとする単一モード光フ
ァイバの1例の母材段階での屈折率分布を示し、第4図
(b)は、第4図(a)の母材を本発明の方法の範囲外
である「6.4×107Pa」の張力で線引きした後のファイバ
の比屈折率を示した図であり、 第5図は、本発明の方法の適用対象であるSiO2をコア、
F−SiO2をクラッドとする単一モード光ファイバと本発
明の方法の適用対象外である、GeO2−SiO2をコア、SiO2
をクラッドとする単一モード光ファイバのそれぞれにつ
いて同一の母材を用い、線引き力を変えて線引きを行っ
たときに得られた光ファイバの比屈折率差の実測値を示
した図であり、 第6図は、第5図において得られたファイバについて線
引き力とカットオフ波長の関係の実測値を示した図であ
る。 (主な参照番号) 1……コア、2……クラッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 誠 茨城県那珂郡東海村大字白方字白根162 番地 日本電信電話株式会社茨城電気通 信研究所内 (72)発明者 須田 裕之 茨城県那珂郡東海村大字白方字白根162 番地 日本電信電話株式会社茨城電気通 信研究所内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コアガラスの軟化点温度T1、クラッドガラ
    スの軟化点温度T2の間にT1>T2なる関係を有する石英系
    光ファイバ用母材を高温炉で加熱すると同時に該母材を
    線引きして光ファイバを得る方法であって、線引き時の
    張力を該母材の比屈折率差に応じて調整して線引き後の
    光ファイバのコアの残留応力を、母材段階での比屈折率
    差をファイバ比後まで保持するような値以下とすること
    を特徴とする光ファイバの線引き方法。
  2. 【請求項2】線引き張力を1.6×106乃至2.3×107Paの範
    囲内で調整することを特徴とする特許請求の範囲第1項
    に記載の光ファイバの線引き方法。
  3. 【請求項3】上記石英系光ファイバ用母材のコアがSiO2
    で、クラッドがF−SiO2であることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項または第2項のいずれか1項に記載の光
    ファイバの線引き方法。
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