JP2581638Y2 - 連結装置を備えたロールボックスパレット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は工場や倉庫、物流センタ
ー等で荷物の保管や運搬に使用されるロールボックスパ
レットに関するものであり、特に二以上のロールボック
スパレットを容易に連結できる連結装置を備えたもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来のロールボックスパレットは図６に
示すように荷物を載せるための搭載板Ａの周囲の三方に
コの字形に外周柵Ｂが取付けられ、その外周柵Ｂの下部
に移動用のキャスターＣが取付けられ、図７に示すよう
に搭載板Ａを上方にはね上げ可能とし、また、搭載板Ａ
をはね上げた時に三方の外周柵Ｂを内側と外側に開閉で
きるように、隣接する外周柵Ｂ同士を連結してある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このロールボックスパ
レットは搭載板Ａの上に荷物を載せて、人が押すか引く
かして荷物を運搬する。この場合、従来は一人で一台ず
つ移動しているので、荷物を積んだロールボックスパレ
ットが多くなると何度も往復しなければならず、運搬に
時間がかかり作業効率が悪かった。時間をかけないよう
にするためには運搬する作業員を多くしなければなら
ず、その様にすると人件費が高くなるという問題があっ
た。

【０００４】本考案の目的は、ロールボックスパレット
同士を手軽に連結でき、一度に複数台運搬できるように
したロールボックスパレットを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案の連結装置を備え
たロールボックスパレットは下方にキャスターが取付け
られ且つ内側と外側に開閉可能に連結された数枚の外周
柵と、外周柵の内側にはね上げ可能に取付けられた搭載
板を備えたロールボックスパレットにおいて、その搭載
板の裏面に連結具を設け、外周柵に他のロールボックス
パレットの連結具と係止可能な係止具を設け、連結具は
その使用時に搭載板の裏面に設けられた収容空間から搭
載板の外側に突出するように引き出し可能であり、不使
用時には前記収容空間内に収納可能としてあり、係止具
は連結具の引き出し方向と反対側の外周柵に設けてあ
る。

【０００６】

【作用】本考案のロールボックスパレットでは、図１に
示す様に搭載板３に取付けられている連結具４をその使
用時には搭載板３の裏面に設けられた収容空間１７から
搭載板３の外側にまで引き出して、他のロールボックス
パレット７の外周柵２に設けられている係止具５と連結
すれば、二つのロールボックスパレットを連結でき、同
様にして所望台数のロールボックスパレットを連結する
ことができ、その連結されたロールボックスパレットを
一度に移動することができる。

【０００７】

【実施例】本考案の連結装置を備えたロールボックスパ
レットを図１〜図４に基づいて詳細に説明する。

【０００８】図１の２は外周柵２であり、これは搭載板
３に搭載した荷物の荷崩れや落下を防止するためのもの
である。そして具体的には図２に示す様に下方にキャス
ター１が取付けられ、更に、両外側の外周柵２の支柱８
を内側と外側に開閉できるように、中央の外周柵２の支
柱９に連結具１０により回動自在に連結してある。

【０００９】図１の３は荷物を乗せる搭載板であり、こ
れは図２に示す様に中央の外周柵２の下部に、図示され
ていない連結具により同外周柵２側にはね上げ可能に取
付けられており、その裏面に２本の棒状の取付け具１１
が平行に配置されている。

【００１０】図１の４は連結具である。これは図２に明
示する様に搭載板３の裏側の２本の取付け具１１の間に
配置されて、同取付け具１１に溶接により固定されてい
る。そして具体的には搭載板３の裏面に取付ける端面形
状コ字状のケース１２（図２、３）、図３に明示する様
に同ケース１２の底面１３に開口された差込み孔１４
と、同ケース１２の両側壁１５の内面に溶接で取付けら
れてケース１２の底面１３との間に収容空間１７を形成
する棒状のレール１８と、同レール１８の後端部を内側
下方に折曲げて形成した後方ストッパー１９と、同レー
ル１２の内側に配置した移動体２０と、同移動体２０の
後部外側面に溶接で取付けられて収容空間１７内に配置
された移動ストッパー２１と、移動体２０の前方の連結
杆２２の外側に回動可能に被せたパイプ２３と、同パイ
プ２３に取付けたＵ字状のアーム２４と、同アーム２４
間に設けた補強材２５の底面に下方に突出する様に取付
けられて前記差込み孔１４に差込まれる移動規制突子２
６と、ケース１２の長手方向手前側端部で且つ前記収容
空間１７の手前に立設した前方ストッパー２７とから構
成されている。尚、アーム２４は、図２に示す様にアー
ム２４の全部を搭載板３の裏側に収納することができる
ように配置して、収納時にアーム２４が搭載板３の外側
に突出しないようにしてもよいし、又はアーム２４の一
部を搭載板３の裏側に収納することができるように配置
して、収納時にアーム２４が搭載板３の外側に少し突出
するようにしてもよい。

【００１１】この連結具４のアーム２４を図２に示す収
納状態から図１に示す様に搭載板３の外側まで引出すに
は次の様にする。 ．アーム２４の手前側端部２８を上方に持ち上げて、
図３に示す様に差込み孔１４に差込まれている移動規制
突子２６を同差込み孔１４から抜き出す。 ．その状態でアーム２４を図３の矢印方向に引く。こ
れにより、移動体２０が同方向に移動し、それに伴って
移動ストッパー２１が収容空間１７内を同方向にスライ
ドし、アーム２４がケース１２から外側に引出されて図
１に示す様に搭載板３の裏から外側に突出する。 ．このとき、アーム２４が必要以上に引出されると移
動ストッパー２１の手前側端面２９が前方ストッパー２
７に突き当たってそれ以上抜けない。

【００１２】アーム２４を図１の引出された状態から図
２に示す様に搭載板３の裏側に収納するには次の様にす
る。 ．引出されているアーム２４を引出し時と反対側に押
込む。これにより、移動体２０が同方向に移動し、それ
に伴って移動ストッパー２１が収容空間１７内を同方向
にスライドし、アーム２４がケース１２内に収納され
る。 ．このとき、アーム２４が必要以上に押されると移動
ストッパー２１の後方側端面３０が後方ストッパー１９
に突き当たってそれ以上押込まれない。 ．アーム２４の手前側端部２８を下方に下げて、図３
に示す様に移動規制突子２６を差込み孔１４に差込む。
これにより、アーム２４の動きが規制されて不用意に移
動しない。

【００１３】図１の５は係止具である。これは図２に明
示する様に搭載板３の裏面で且つ連結具４のアーム２４
と反対側に取付けられている。そして具体的には図４の
ように板材を折り曲げてコ字状に形成された係止具本体
３１と、その上板３２と下板３３に形成された挿入孔３
４、３５に差し込まれるピンなどの差込み具３６とから
構成され、係止具本体３１の上板３２を搭載板３の裏面
に溶接してある。なお、搭載板３のうち係止具本体３１
の挿入孔３４、３５に対応する位置には、上記差込み具
３６を差込むための導入孔３７が形成されている。

【００１４】この係止具５を使用するには図５に示す様
に搭載板３の裏から引き出された連結具４のアーム２４
の先端部を、図４に示す様にから係止具本体３１の上板
３２と下板３３の間の空間３８にセットし、その状態で
差込み具３６を搭載板３の導入孔３７から係止具本体３
１の上板３２の挿入孔３４に挿入し、更にアーム２４の
先端部の差込み空間３９、下板３３の挿入孔３５間を貫
通してアーム２４を係止する。これにより前後のロール
ボックスパレットを互いに連結することができ、連結さ
れたロールボックスパレットを一度に移動することがで
きる。

【００１５】ロールボックスパレット同士の連結を解除
するには係止具本体３１の挿入孔３４、３５に差し込ま
れている差込み具３６を抜き取り、アーム２４の先端部
を上板３２と下板３３の間から外して搭載板３の裏に押
し込めばよい。

【００１６】図示したものは連結具４、係止具５を搭載
板３の裏面に取付けた場合の実施例であるが、本考案で
は連結具４、係止具５を外周柵２の内側に取付けてもよ
い。

【００１７】

【考案の効果】本考案のロールボックスパレットは次の
ような効果がある。 ．複数のロールボックスパレットを連結することがで
きるので、一度に多くのロールボックスパレットを運搬
することができ、運搬作業の能率が向上する。 ．速結具４、係止具５の構造が簡潔であるため製作が
容易であり、コストも安く、また、連結具４を搭載板３
に、係止具５を外周柵２に取付けるため取付けが容易で
かつ、それらを取付けてもロールボックスパレットの構
造が複雑になることもなく、格別コストアップになるこ
ともない。 ．連結具４は搭載板３の裏面に取付けられ、使用時に
搭載板３の外側に突出するように引き出して使用可能で
あるため連結に便利であり、不使用時には前記収容空間
１７内に収納可能としてあるのでロールボックスパレッ
トを個々に独立して使用する場合は邪魔にならない。ま
た、ロールボックスパレットを折畳んで収納する際も、
搭載板３を図２に示す様にはね上げれば連結具４が搭載
板３と共にはね上げられるので、外周柵２の折畳みの邪
魔にもならず、ロールボックスパレットの収納に支障が
なく、ネスティングが容易にでき、収納に場所をとらず
多くを収納できる。 ．連結具４が搭載板３の裏面に設けられているため荷
物の積み卸しの邪魔にならない。．係止具５が外周柵２に取付けられているため搭載板
３の全面に荷物を搭載しても連結具４を容易に係止する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のロールボックスパレットの斜視図。

【図２】本考案のロールボックスパレットの折畳み説明
図。

【図３】同ロールボックスパレットにおける連結具の説
明図。

【図４】同ロールボックスパレットにおける係止具の説
明図。

【図５】同ロールボックスパレットの連結状態を示す説
明図。

【図６】従来のロールボックスパレットの説明図。

【図７】従来のロールボックスパレットの折畳み説明
図。

【符号の説明】

１ キャスター ２ 外周柵 ３ 搭載板 ４ 連結具 ５ 係止具

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下方にキャスター（１）が取付けられ且つ
   内側と外側に開閉可能に連結された数枚の外周柵（２）
   と、外周柵（２）の内側にはね上げ可能に取付けられた
   搭載板（３）を備えたロールボックスパレットにおい
   て、その搭載板（３）の裏面に連結具（４）を設け、外
   周柵（２）に他のロールボックスパレットの連結具
   （４）と係止可能な係止具（５）を設け、連結具（４）
   はその使用時に搭載板（３）の裏面に設けられた収容空
   間（１７）から搭載板（３）の外側に突出するように引
   き出し可能であり、不使用時には前記収容空間（１７）
   内に収納可能としてあり、係止具（５）は連結具（４）
   の引き出し方向と反対側の外周柵（２）に設けてあるこ
   とを特徴とする連結装置を備えたロールボックスパレッ
   ト。