JP2580948B2 - トラベラー交換方法 - Google Patents

トラベラー交換方法

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JP2580948B2
JP2580948B2 JP5125104A JP12510493A JP2580948B2 JP 2580948 B2 JP2580948 B2 JP 2580948B2 JP 5125104 A JP5125104 A JP 5125104A JP 12510493 A JP12510493 A JP 12510493A JP 2580948 B2 JP2580948 B2 JP 2580948B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リング精紡機のリング
に挿着されたトラベラーを自動的に交換するトラベラー
交換方法に関し、特にトラベラー交換の為に予め弛まさ
れた糸がトラベラーから抜けるのを防止してトラベラー
の交換を確実にするトラベラー交換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、トラベラーが用いられるリング精
紡機を図10により説明する。リング精紡機101は加
撚機構102とドラフト機構103を有している。ドラ
フト機構103は、バックローラ104、エプロン10
5を有するミドルローラ106、およびフロントローラ
107の上下ローラ対を順に上から下へと配列し、各ロ
ーラ対の上ローラがクレードルアームで開閉可能に支持
され、各ローラ対の下ローラが駆動されるものである。
太径のスライバS又は粗糸Sはドラフト機構103を経
て糸となる。この糸に以下に述べる加撚機構102を経
て紡績糸となる。加撚機構102は、ボビン2が挿着さ
れるスピンドル軸1と、ボビン2の長手方向に沿って上
下動自在でありトラバース可能なリングレール4と、リ
ングレール4に固定されたリング5と、リング5のフラ
ンジ6に挿着されて周方向に走行自在なトラベラー7
と、バルーン制御リング9と、スネルワイヤ8とを下か
ら上へと配列したものである。スピンドル軸1は複数錘
に共通のベルト3で通常1〜2万RPM前後の高速回転
している。糸Yは、スネルワイヤ8及びバルーン制御リ
ング9及びトラベラー7を経てボビン2に巻き取られ
る。ボビン2が回ると、トラベラー7は糸に引っ張られ
て、リング5のフランジ6上を走行し、糸に撚りを与え
る。上方から送られた糸の長さに相当した分だけ、ボビ
ン2とトラベラー7との間に回転数の差があり、この長
さだけボビン2に巻き取られる。すなわち、リング5と
トラベラー7は回転数差を生じさせるための摩擦抵抗体
であると同時に、加撚作用と巻取作用を行うための走行
方向変換機構となっている。
【0003】トラベラー7はC字型の金具でリング5の
フランジ6に挿着されている。このトラベラー7はフラ
ンジ6上を1〜2万RPM前後で高速回転するため、摩
耗する。そこで、1〜2週間毎にトラベラー7を古いも
のから新しいものへと交換する必要がある。従来のトラ
ベラー交換方法は人手によるものであった。すなわち、
適宜な爪金具を用いて古いトラベラーを外し、新しいト
ラベラーを挿着する。この新しいトラベラーの挿着に際
して、人手による道具としてトラベラー取付装置が用い
られることもある。この従来のトラベラー交換方法は道
具を使うものの人手によるものであり、多数錘を有する
リング精紡機のトラベラーを全数交換するとなると、熟
練者でも相当の時間を要する。そのため、このトラベラ
ー交換のための要員が必要である。
【0004】そこで、トラベラー交換を自動化するトラ
ベラー交換方法が望まれるようになった。このような自
動のトラベラー交換方法は、トラベラーに至る糸を弛
め、給糸ボビンを回してトラベラーを所定の位置にして
トラベラー交換を行い、交換後の糸の弛みを取るという
順に行われる。これを一つの給糸ボビンに対して順番に
行うと、サイクルタイムが長くなる。そこで3つの給糸
ボビンに対して、トラベラーに至る糸を弛めておく準備
工程と、トラベラー交換を行う作業工程と、交換後の糸
の弛みを取る仕上げ工程とを同時に行い、給糸ボビンを
一つずつずらし、一つの給糸ボビンについて、準備工程
と作業工程と交換工程をを順次切り換えて行ないサイク
ルタイムを短縮するトラベラー交換方法を提案した。
【0005】このトラベラー交換方法の準備ステーショ
ンでは、図10のボビン2を逆転させて糸Yを弛め、テ
ンサ28に吸収する。作業ステーションへ移行するため
に、一旦、テンサ28に吸収された糸Yの弛みを解放す
る。そして作業ステーションの別のテンサ20で糸Yの
弛みを吸収し、今度はボビン2を正転させ、トラベラー
7を所定位置に移動させる
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した自
動のトラベラー交換方法にあっては、準備ステーション
から作業ステーション移行時に、一旦、テンサ28に吸
収された糸Yの弛みを解放する。そのため、この時の糸
Yには張力が無く、撚りの与えられた糸Yは、ループを
形成して縮む。この場合に、糸Yが自重で落下するのが
早いと、ループが図11に示すようなトラベラー7の開
口部近くに形成されることがある。すると、作業ステー
ションで、別のテンサ20が糸Yの弛みを吸収し、糸Y
に適当な張力が与えてトラベラー7を所定位置に移動さ
せる際、トラベラー7から糸Yがするりと抜け、トラベ
ラー7を交換可能な所定位置移動させることができず、
トラベラー7がリングに残ったままになり、トラベラー
交換失敗に至るという問題を有していた。
【0007】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、予めトラベ
ラーに至る糸を弛めておく場合に、糸がトラベラーの開
口部から抜けることをなくし、トラベラー交換失敗を減
少させることができるトラベラー交換方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のトラベラー交換
方法は、トラベラーに至る糸を弛めておく準備工程と、
トラベラー交換を行う作業工程と、交換後の糸の弛みを
取る仕上げ工程とを順次行うトラベラー交換方法におい
て、前記準備工程は、糸の弛みを開閉可能なテンサで吸
収し、テンサの吸収限度を越えて更に糸を弛ませた後に
テンサを開放する工程を含むものである。
【0009】
【作用】開閉可能なテンサの吸収限度を越えて更に糸を
弛ませると、トラベラーの上側に盛り上がるように糸が
弛み、この弛みの規制によってトラベラーに至る糸の落
下が阻止され、トラベラーに至るまでにループが形成さ
れる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明のトラベラー交換方法を示す図であ
り、特に以下に詳述する準備ステーションでのテンサ2
8の作動と給糸ボビン2の回転との時間経過を示してい
る。
【0011】図1(a)はテンサ28がトラベラー7に
至る糸Yを挟む位置に進出した状態を示している。テン
サは固定爪28aと可動爪28bとからなり、糸Yは固
定爪28aと可動爪28bの間に位置している。そして
図1(b)のように、給糸ボビン2がa方向に逆転して
糸Yを弛める。糸Yの弛みは可動爪28bが固定爪28
aに噛み合いで吸収される。可動爪28aが距離FSだ
けフルストロークすると、もはやテンサ28には糸Yが
吸収されなくなる。つぎに図1(c)のように、給糸ボ
ビン2が更にb方向に逆転して糸Yを弛める工程を付加
する点が重要である。
【0012】図1(c)において、糸Yはテンサ28に
は吸収されないので、給糸ボビン2からトラベラー7に
至る糸Y1の部分が弛みループを形成しようと盛り上が
る。そしてトラベラー7に至る糸Y2に寄りかかり、糸
Y2を規制する。したがって図1(d)のようにテンサ
28が開放され、トラベラー7に至る糸Y2が弛んで
も、糸Y2は垂れ下がることがなく、トラベラーから抜
けるようにループが形成されない。その結果つぎに詳述
する作業ステーションでのトラベラー交換作業で給糸ボ
ビン2をc方向に正転させて糸Y1を張ってトラベラー
7を所定位置まで移動させる。
【0013】つぎに、上述したトラベラー交換方法に適
用されるトラベラー交換機の要部である操作部の機器構
成と各機器の作動を以下に説明する。図2はリングレー
ル4に沿って走行する操作部の正面図である。図2にお
いて、操作部11は、第1操作部11aと、第2操作部
11bと、第3操作部11cとからなり、図3はトラベ
ラー交換機の第2操作部11bの上面図である。図2の
第1操作部11aに、テンサ20,28が設けられてい
る。第2操作部11bに、リング5に嵌入される半円部
を有する位置決め板16と、糸寄せレバー21と、トラ
ベラー取り外し装置22と、トラベラー挿着装置23
と、回収ボックス15とが設けられている。第3操作部
11cに、ボビン2の下方に当接自在なローラ17,1
8,19が設けられている。
【0014】上述した操作部11a,11b,11c
は、横方向には第1ステーションS1と、第2ステーシ
ョンS2と、第3ステーションS3とを形成している。
第1ステーションS1ではトラベラー交換に際して必要
な糸の弛みを得る準備工程を行い、第2ステーションS
2ではトラベラー交換の作業工程を行い、第3ステーシ
ョンS3では糸を張り交換後の仕上げ工程を行う。そし
て操作部11はピッチPずつ走行し、3つの給糸ボビン
2に対して一斉に準備工程と作業工程と仕上げ工程とを
行う。
【0015】第1ステーションS1には、位置決め板1
6と、ボビン2に接離自在なローラ17と、テンサ28
とが備えられている。第2ステーションS2には、位置
決め板16と、ボビン2に接離自在なローラ18と、テ
ンサ20と、糸寄せレバー21と、トラベラー取り外し
装置22と、トラベラー挿着装置23と、回収ボックス
15とが備えられている。第3ステーションS3には、
ボビン2に接離自在なローラ19と、弛み除去装置24
とが備えられている。なお、ローラ17,18,19を
除く、位置決め板16、テンサ20,28、糸寄せレバ
ー21、トラベラー取り外し装置22、トラベラー挿着
装置23、弛み除去装置24は共通のカム軸に取り付け
られたカム列により作動するようになっている。
【0016】つぎに、具体的なトラベラー交換方法を各
ステーションでの作動に基づいて説明する。図2のロー
ラ17,18,19は3本のボビン2側面に当接可能で
あり、モータにより別個に回転可能となっている。操作
部11が図面右から左へとトラベラー交換作業を行うも
のとすると、第1ステーションにおいて、トラベラー交
換に際して必要な糸Yの弛みを得るために、ボビン2を
逆転させて糸Yを弛める。そして、スネルワイヤ8から
フロントローラ107までの丁度中間位置に設けられた
テンサ28に、弛められた糸Yを最大限に貯めて、スネ
ルワイヤ8からボビン2への糸Yの弛みを吸収し、糸Y
の張った状態を維持する。そして、その後更に、糸を弛
める。次に、第2ステーションへ移行するために、一
旦、テンサ28に吸収された糸Yの弛みを解放する。
【0017】そして、再び、スネルワイヤ8からフロン
トローラ107までの丁度中間位置に設けられた作業ス
テーションのテンサ20で糸Yの弛みを吸収し、今度は
ボビン2を正転させ、テンサ20に貯められた糸を巻き
つつ、糸Yに適当な張力を与える。適当な張力が与えら
れた糸Yによりトラベラー7を所定位置(次に述べるト
ラベラー取り外し装置がストッパーとなって所定位置が
決まる)に移動させて、トラベラー7を交換する。仕上
げステーション移行時には、テンサ20に貯めた糸を解
放する。そして、最後に仕上げステーションで、ボビン
2を正転させて糸の弛みを除き糸を張り、トラベラー交
換を完了する。
【0018】ここで、本発明のトラベラー交換方法にお
いて、弛められた糸Yの弛みをテンサ28によって最大
限に吸収し、更に糸Yに弛みを与えるのは、第1ステー
ションから第2ステーション移行時に、撚りの与えられ
た糸Yが、テンサ28から解放されて張力が無くなった
ときに、ループを形成して縮もうとする際に、そのルー
プがトラベラー7の上方にできやすくするためである。
【0019】このように、弛められた糸Yの弛みをテン
サ28によって最大限に吸収し、更に糸Yに弛みを与え
る工程を準備工程に含ませると、従来のようにループが
図11に示すようなトラベラー7の開口部近くに形成さ
れることが少なくなり、トラベラー7の開口部から糸Y
がするりと抜け、トラベラー7を交換可能な所定位置移
動させることができずに、リングに残したまま交換が出
来ないという問題がなくなる。
【0020】図4及び図5は第1ステーションのテンサ
28と第2ステーションS2のテンサ20の構造と作動
を示す図であり、図5左図は上面図であり、図5右図は
D矢視図である。図4において、テンサ20,28は、
3本の爪47を有する櫛31と、2本の爪48を有する
櫛32とからなり、テンサ20,28全体は、リング精
紡機101の糸Yに対して進退可能である。櫛31及び
櫛32の爪47、爪48はそれぞれのボード31a、3
2aから突き出ており、櫛32が固定された軸45が、
2本の爪48が櫛31の爪47の間に位置するように、
櫛31に設けられた孔46に回転自在に差し込まれてい
る。そのため、一対の櫛31、32のそれぞれの爪4
7、48は軸45の回転により噛み合い自在となってお
り、爪47、48のそれぞれの屈曲部47a及び48a
に糸Yを保持し、テンサに糸Yを貯める。
【0021】そして、第2ステーションのテンサ20に
は、この噛み合いの十分な度合いを検出するリミットス
イッチ26が、ボード32aの内側に設けられ、その検
出片26aがボード31aの内側に設けられている。こ
の噛み合いの度合いは、糸Yの弛み量をあらわしてお
り、十分な糸Yの弛み量が得られると、即ち、十分な噛
み合い量となると、ボード32aの内側に設けられたリ
ミットスイッチ26がボード31aの内側に設けられた
検出片26aに当接し、リミットスイッチ26がONに
なり、給糸ボビン2からの糸の繰り出しが停止される。
【0022】尚、テンサ20,28全体の退避動作や軸
45の回転は、位置決め板16、糸寄せレバー21、ト
ラベラー取り外し装置22、トラベラー挿着装置23、
弛み除去装置24は共通のカム軸に取り付けられたカム
列により作動するようになっている。
【0023】つぎに、図5によりテンサ20,28の作
動を説明する。(a)では、テンサ20、28は第1操
作部に退避している。(b)では、テンサ20、28が
退避位置から方向に進出すると、糸Yが爪47,48
の屈曲部47a、48a間に位置する。そして、爪48
が方向に軸45を中心に移動すると、噛み合って
(c)の状態になると、糸Yはジグザクになり、弛みが
吸収され、糸Yが貯められる。
【0024】第1ステーションS1のテンサ28は、ト
ラベラー交換に際して必要な糸Yの弛みを予め得るため
のものであるが、糸Yの弛み量が不十分であると、次に
述べる第2ステーションS2の糸寄せレバーの作動が不
完全になるので、第2ステーションS2のテンサ20
は、糸寄せレバーが確実に作動するために、十分に正確
な糸Yの弛み、即ち、張力を知る必要がある。そこで、
図4に示すリミットスイッチ26及び検出片26aが設
けられている。
【0025】このリミットスイッチ26の作動は以下の
通りである。まず、図5において、テンサ20が方向
に進出し、爪47,48が方向に噛み合う。つぎに、
テンサ20に充分な弛みがあるかどうかをリミットスイ
ッチ26が検出する。糸Yの弛み量が不十分であると、
爪47,48の噛み合いが不十分であるので、リミット
スイッチ26がONにならない。この場合、図示されな
いローラを逆転させて給糸ボビンから糸を繰り出す。爪
47,48の噛み合いが十分になり、リミットスイッチ
26がONになると、給糸ボビン2を逆転させての糸の
繰り出しが停止される。つぎに、図示されないローラを
正転させ給糸ボビンに糸を巻くことでトラベラーを所定
の位置に走行させる。トラベラーが所定の位置で停止す
ると糸が張るので、リミットスイッチ26が再びOFF
になって糸の張りが検出され、次の継続動作に支障がな
いことが確認される。なお、テンサ20,28の実施例
として一対の櫛31,32を用いるゲートテンサを説明
したが、エアーの吸引・呼び出しによって弛みを吸収す
るエアテンサを用いることもできる。しかし、エアテン
サはエア源を必要とするのでゲートテンサが好ましい。
【0026】図1のように、上述のテンサ20,28は
第1操作部11aに設けられ、ガイド棒11dを介して
図示されない台車部に対して固定されており、一定高さ
である。そのため、スネルワイヤ8からフロントローラ
107までの丁度中間位置でテンサ20,28が作動す
ることになる。一方、第2操作部11bはリングレール
4の停止位置に追従できるように、図示されない台車1
2に対して昇降自在であり、任意の高さに設定できる。
【0027】図6は糸寄せレバーの構造と作動を示す図
であり、同図(a)は上面図、同(b)(c)(d)は
糸の状態図である。同図(a)において、糸寄せレバー
21は一対のレバー33,34から成り、先端に引っ掛
け部33a,34aが形成されている。引っ掛け部33
aがトラベラー7より下流の糸Y2をフランジ6の内側
へと寄せ、引っ掛け部33bがトラベラー7より上流の
糸Y1をフランジ6の外方へと寄せ、糸Yがフランジ6
の上面を斜めに横切るように保持したものである。この
場合、引っ掛け部33aのA点と、引っ掛け部33bの
C点と、その中間のB点の糸の位置は、フランジ6に対
して同図(b)に示される位置にある。したがって、同
図(a)のB点の位置にトラベラー7を挿着すると同時
にトラベラー7に糸Yが掛かった状態になる。ところ
で、トラベラー挿着装置が新しいトラベラーを挿着した
後に、トラベラー取り外し装置が古いトラベラーを取り
外す手順により、糸Yが古いトラベラーと共に運ばれな
いようにすることが好ましい。この場合、新旧2つのト
ラベラーが横切り部分A−Cに位置する必要がある。そ
こで、横切り部分A−Cの起点Aをリング5の内周円の
接線にほぼ重なるように糸を保持すると、横切り部分A
−Cを最も長くできる。内周円の接線から外れる程横切
り部分A−Cが短くなる。なお、この糸寄せレバー21
の作動の前に、次に述べるトラベラー取り外し装置22
が所定位置となり、そのアーム35がストッパーとなっ
て、ローラ18の正転と共に走行するトラベラー7を所
定の位置に止めておく。
【0028】図7はトラベラー取り外し装置の構造と作
動を示す図である。同図(a)(b)に示すように、ト
ラベラー取り外し装置22はアーム35の先端にトラベ
ラー7に対する取り外し部材としての爪35aが形成さ
れたものであり、アーム35は筒体39に対しての回
転が可能となっている。この筒体39に固定部材として
の押さえ板40が取り付けられており、アーム35の爪
35aが方向に回転すると、押さえ板40の先端40
aと爪35aでトラベラー7を取り込むようにして保持
できるようになっている。また、筒体39はその全体が
方向に前進可能となっている。さらに、アーム35が
トラベラー7に対するストッパー兼用となっており、図
2のローラ18が正転し糸が巻かれると、図7(b)に
示すようにトラベラー7が移動し、押さえ板40と爪3
5aの間に入り、アーム35に当たって停止する。そし
て、アーム35が方向に旋回すると、同図(c)に示
すように、トラベラー7を取り込むようにしてリングの
フランジ6から浮き上がらせる。さらに、に筒体39が
方向に前進すると、同図(d)のようにトラベラー7
がリングのフランジ6から外れる。なお、トラベラー取
り外し装置22が所定位置に前進した場合、トラベラー
7がこのトラベラー取り外し装置22に当たる位置に存
在すると、トラベラーの取り外しが失敗する。そこで、
図2に示されるように、弾性材のレバー27により、ト
ラベラー7をトラベラー取り外し装置22の接触位置か
らトラベラーを押しやって排除するようになっている。
【0029】図8はトラベラー挿着装置の構造と作動を
示す図であり、同図(a)は全体斜視図、同図(b)は
要部拡大図である。同図(a)おいて、トラベラー挿着
装置23は、トラベラー7の多数が嵌め込まれたアーム
36と、切り出し部材37と、板バネ38とからなって
いる。切り出し部材37の方向の移動により、トラベ
ラー7の一つを押さえながら先端に送り出す。同図
(b)のようにアーム36の先端36aは屈曲してお
り、トラベラーは上下方向のC型に保持される。そし
て、トラベラー挿着装置23の全体が方向に後退する
と、トラベラー7がリングのフランジ6に挿着される。
同時に、同図(a)の板バネ38により、フリーになっ
たトラベラー7が紙面厚み方向の奥側に弾き飛ばされ
る。
【0030】図9は糸弛み除去装置の構造と作動を示す
上面図である。弛み除去装置24は、L字型レバー57
の片方の腕にブラシ58を植設したものであり、他方の
腕に対するスプリング59とストッパー60により図示
の姿勢を保っている。また、レバー57の他方の腕に対
してリミットスイッチ61が配設されている。図2のロ
ーラ19でボビンが正転すると、弛んだ糸が巻かれる
が、糸が張ると、トラベラー7がリング5に沿って走行
する。このトラベラー7はブラシ58に突っ込み、レバ
ー57を反時計方向に揺動させ、リミットスイッチ61
が作動し、糸が張られたことが確認され、ローラの回転
を止める。このように、トラベラー7を交換した後に糸
を張っておかないと、リング精紡機のスタート時に糸切
れが発生する。
【0031】つぎに、上述したトラベラー交換機の作動
を詳細に説明する。図1において、操作部11は3つス
テーションS1,S2,S3を有しており、第1ステー
ションS1でトラベラー交換に際して必要な糸の弛みを
得る準備工程を行うようにし、第2ステーションS2で
はトラベラー交換の作業工程を行い、第3ステーション
S3で糸を張り交換後の仕上げ工程を行うよう分担し、
一斉に作業を行うことによりサイクルタイムを短くして
いる。第1ステーションS1では、位置決め板16が進
出してリング5に嵌入し、操作部11が位置決めされ
る。つぎに、ローラ17が進出してボビン2を逆転さ
せ、糸を弛ませる。この糸の弛みをテンサ28で最大限
に吸収し、テンサ28から解放後、縮んだ糸Yのループ
がトラベラー7の上方に出来やすくするために、更に糸
を弛める。そして、テンサ28が糸を解放した後、操作
部11がワンピッチPだけ図面左側に走行する。つぎ
に、第2ステーションS2のテンサ20により再び糸Y
がジグザグとなって貯められ、糸Yは所定の糸張力で繰
り出し又は送り込みができるようになる。この時、縮ん
だ糸Yのループはトラベラー7の上方に存在するので、
トラベラー7の開口部から糸Yが抜けることなく、弛ん
だ糸の全部がテンサ20に貯められる。つぎに、図7
(a)に示されるように、トラベラー取り外し装置22
のアーム35がフランジ6上の所定位置に進出する。つ
ぎに、図1のローラ18が正転すると、テンサに貯めら
れた糸Yが繰り出され、糸の回転と共にトラベラー7が
リング5に沿って時計方向に走行する。そして、図7
(a)のアーム35の爪35aでトラベラー7が係止さ
れ、所定位置でトラベラー7の走行が停止する。このと
きのローラ18の回転は予め設定された制御装置で所定
数だけ回転するようになっている。つぎに、図6の糸寄
せレバー21がテンサに貯められた糸を更に繰り出しつ
つ、糸Yを上からリング5のフランジ6上を横切るよう
に寄せる。その結果、図6(a)に示されるように、糸
Yはトラベラー7の挿着と取り外しに支障がない位置に
保持される。
【0032】つぎに、図8(a)に示されるように、ア
ーム36でC字型に保持されたトラベラー7がリングの
フランジ6に対する所定位置まで進出し、全体が方向
に後退する。トラベラー7の内側端はフランジ6に引っ
掛けられたまま、トラベラー7の外側端が引き延ばさ
れ、フランジ6に挿着され、板バネ38でトラベラー7
が紙面厚み方向奥側に弾き飛ばされる。つぎに、図7
(b)に示されるように、アーム35が方向に回転
し、爪35aと先端40aがトラベラー7を取り込んだ
後に、アーム35が方向に前進すると、トラベラー7
は図7(c)に示されるようにリングのフランジ6から
外れる。外れたトラベラー7は爪35aと先端40aで
保持されたままであり、トラベラー取り外し装置22の
退出と共にトラベラー7が図3の回収ボックス15の上
まで運ばれ、爪35aと先端40aが離れることにより
トラベラー7を回収ボッスク内15に落とされる。
【0033】その後、図6の糸寄せレバー21が元の退
避位置に戻り、糸の弛みは図1のテンサ20に再び貯め
られた後に、テンサ20が解放される。つぎに、解放さ
れたテンサ20が元の退避位置に戻り、操作部11が1
ピッチPだけ図面左側に走行する。つぎに、ローラ19
が正転し、糸が張った状態を図9の弛み除去装置24で
検出してローラ19が停止すると、糸の弛みが無くなり
元の状態になる。このように、従来人手でしか出来ない
とされてきた、トラベラーの交換が完全に自動化され
る。また、人手による交換では古いトラベラーが飛散し
ていたが、トラベラー交換機に古いトラベラー回収ボッ
クスを付設しているので、リング精紡機の回りを清掃す
る必要もなくなる。
【0034】
【発明の効果】本発明のトラベラー交換方法は、トラベ
ラー交換に際して必要な糸の弛みを得る準備工程に、リ
ング精紡機のトラベラーに掛けられた糸の弛みをテンサ
によって最大限に吸収し、更に糸を弛める工程を含ませ
ることにより、弛められた糸のループがトラベラーの上
方に出来るようにして、交換前に、糸がトラベラーの開
口部から抜けることをなくし、トラベラー交換失敗を減
少させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトラベラー交換方法を示す図である。
【図2】トラベラー交換機の操作部の正面図である。
【図3】トラベラー交換機の第2操作部の上面図であ
る。
【図4】テンサの構造を示す斜視図である。
【図5】テンサの作動を示す図である。
【図6】糸寄せレバーの構造と作動を示す図である。
【図7】トラベラー取り外し装置の構造と作動を示す図
である。
【図8】トラベラー挿着装置の構造と作動を示す図であ
る。
【図9】糸張力センサの構造と作動を示す図である。
【図10】リング精紡機の正面図である。
【図11】従来のトラベラー交換方法における不具合を
示す図である。
【符号の説明】
7 トラベラー 11 操作部 11a 第1操作部 20,28 テンサ 101 リング精紡機 S1 第1ステーション(準備工程) S2 第2ステーション(作業工程) S3 第3ステーション(仕上げ工程) Y 糸
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−78931(JP,A) 特開 平5−86519(JP,A) 特開 平5−86520(JP,A) 特開 平5−86521(JP,A) 特開 平5−86522(JP,A) 特開 平5−86523(JP,A) 特開 平5−86524(JP,A) 特開 平5−86525(JP,A) 特開 平5−86526(JP,A) 特開 平5−86527(JP,A) 特開 平5−86528(JP,A) 特開 平5−86529(JP,A) 特開 平5−132828(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラベラーに至る糸を弛めておく準備工
    程と、トラベラー交換を行う作業工程と、交換後の糸の
    弛みを取る仕上げ工程とを順次行うトラベラー交換方法
    において、前記準備工程は、糸の弛みを開閉可能なテン
    サで吸収し、テンサの吸収限度を越えて更に糸を弛ませ
    た後にテンサを開放する工程を含むことを特徴とするト
    ラベラー交換方法。
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