JP2580806B2 - 電解ドレッシング方法および装置 - Google Patents

電解ドレッシング方法および装置

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JP2580806B2 JP1302713A JP30271389A JP2580806B2 JP 2580806 B2 JP2580806 B2 JP 2580806B2 JP 1302713 A JP1302713 A JP 1302713A JP 30271389 A JP30271389 A JP 30271389A JP 2580806 B2 JP2580806 B2 JP 2580806B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、導電性結合剤を使用した砥石に電解ドレッ
シングを施すための方法および装置に関する。
「従来の技術」 シリコン、フェライト、セラミックス等の硬質脆性材
料の切断または研削を行なう場合には、砥石の耐摩耗性
を高めるために、砥粒として超砥粒を使用するととも
に、結合剤として金属を使用したメタルボンド砥石また
は電鋳砥石等が使用されることが多い。
ところで、この種のメタルボンド砥石または電鋳砥石
では、上記のような硬質脆性材料の切断を行なうと、結
合剤の摩耗速度に比して超砥粒の摩耗が早く、研削開始
後の早期に研削面における超砥粒の切刃が平坦化すると
ともに超砥粒の突出量が小さくなり、切れ味の低下が著
しいという問題があった。
このため従来では、切れ味の回復を図るために、SiC
やAl2O3砥粒を用いたドレッシング砥石を用い、研削の
合間に頻繁にあるいは研削と同時に砥石の研削面に当
て、ドレッシングを行なう方法が採られていた。
しかし、この方法では、結合剤とともに超砥粒をも破
損するため、砥粒層の摩耗が激しく、砥石寿命が大幅に
短縮するうえ、ドレッシング作業によって研削盤の稼働
率が制限され、作業効率の低下を招く欠点があった。
そこで、第5図に示すように、研削と並行して研削面
の電解ドレッシングを行なう方法が一部で提案されてい
る。
図中符号1は円板状の切断砥石で、研削盤のスピンド
ル軸2に装着され、この砥石1の外周の一部を覆って電
極3が配置されている。
この電極3は全体が銅などの金属で成形され、一対の
三日月状の側板3Aと、これら側板3Aを平行に固定する天
板部3Bとからなり、天板部3Bの中央には給液路4が接続
されている。
そして砥石1を回転させ、被削材Wを研削しつつ、砥
石1のスピンドル軸2に電源の陽極を、電極3に陰極を
接続し、同時に給液路4から電解液を供給することによ
り、回転する砥石1の砥粒層の金属結合剤を徐々に溶出
させる。
この方法によれば、砥粒を残して結合剤だけを除去す
るから、超砥粒を損傷することなく、その発刃を促進し
て切れ味を良好に維持する効果が得られる。
「発明が解決しようとする課題」 ところが上記のドレッシング方法では、砥石1に陽極
を直接接続しているうえ、電極3が側板部3Aを有するた
め、これら側板部3Aと対向する砥石の側面部においても
ドレッシングが進行する。このため、この方法を特に半
導体素子の加工などに使用される極薄刃砥石に使用する
と、砥石の薄肉化が無視できず、切断幅の精度が低下す
る欠点があった。
また、上記の方法では、電極3と砥石1との間隙量は
数mmから数cm程度の比較的大きな値に制定せざるを得な
いから、砥石の研削面の凹凸を形状修正する効果は小さ
く、ツルーイングは別途行なわねばならなかった。
さらに、スピンドル軸2に直接大電流を流すため、切
り込み量の制御を被削材Wと砥石1との間の抵抗値で制
御する方式の研削盤に使用した場合には、漏れ電流が誤
作動等を引き起こし、悪影響を及ぼすおそれがあった。
「課題を解決するための手段」 本発明は上記の各課題を解決するためになされたもの
で、まず本発明の電解ドレッシング方法は、一対の電極
の間および周辺に絶縁体を配置し、これら電極の先端を
露出してなるドレッシング治具を、各電極の先端が砥石
の研削面と一定間隔を空けて対向するように配置し、各
電極と研削面との間に電解研削液を供給するとととも
に、電極の少なくとも一方と砥粒層との抵抗値を測定
し、この抵抗値が一定範囲の値をとるようにドレッシン
グ治具を砥石に対し進退させつつ、各電極間に通電する
ことを特徴とする。
なお、電解ドレッシングに先立ち各電極の先端を絶縁
体で覆っておき、この絶縁体に対しドレッシングすべき
砥石で切り込むことにより、前記砥石の肉厚より僅かに
開口幅の大きいスリットを形成し、このスリットの底部
で各電極の先端面を露出させてもよい。
一方、本発明に係わる電解ドレッシング装置は、一対
の電極を絶縁状態で支持し、これら電極の先端面を露出
させたドレッシング治具と、前記電極の少なくとも一方
と前記砥粒層との抵抗値を測定する離間量検出機構と、
前記ドレッシング治具を各電極の先端面が砥石の研削面
と対向するように支持するとともに、前記離間量検出機
構からの出力信号に応じてドレッシング治具を砥石に向
けて進退させる離間量調整機構と、各電極と研削面との
間隙に電解研削液を供給するための給液手段と、各電極
間に通電する給電機構とを具備したことを特徴とする。
なお、前記ドレッシング治具は、絶縁体に一対の電極
を互いに離間して埋設し、前記絶縁体の先端に砥石の外
周部の肉層より大きい幅のスリットを形成し、前記各電
極の先端を前記スリットの底面に間隔を空けて露出させ
てなり、前記スリットに砥石の外周部を差し入れた状態
で電解ドレッシングを行なうようにしてもよい。
また、前記ドレッシング治具には、前記各電極の間に
給液手段として給液路が形成されていてもよい。
「作 用」 上記の電解ドレッシング方法および装置によれば、ド
レッシング速度は通電量を調整することによりフィード
バック制御可能なので、研削と同時進行してドレッシン
グを行なうことにより、研削面での砥粒摩耗速度とドレ
ッシング速度を均衡させることが可能で、長期に亙って
良好な研削効率を維持できる。
また、砥石の研削面と対向して配置した一対の電極間
に通電するため、一方の電極から出た電流は研削液を伝
わって砥石に入り、砥石の研削面の表面部分を流れて、
他方の電極と対向する研削面から流れ出て、最終的に他
方の電極に電流が入る。その際に、砥石の研削面から金
属結合剤が溶出し、ドレッシングが進行する。したがっ
て、砥粒層の側面部分には殆ど電流が流れず、砥粒層の
側面は殆どドレッシングされることがないから、砥粒層
の薄肉化を防いで、長期に亙って良好な研削精度が維持
できる。
また、砥粒層と電極との間の抵抗値を直接あるいは間
接的に検出してドレッシング治具の位置を制御するの
で、研削面と電極との間隙を正確な極く小さい一定値に
保つことが容易である。このため、研削面の凹凸に対応
して鋭敏にドレッシング強度が変化し、研削面の形状修
正効果が高い。
また、砥粒層には、各電極の間に対向する狭い範囲の
表層部分においてのみ通電されるので、砥石の他の部分
に余計な電流が流れず、研削盤の制御回路等の誤作動を
招くおそれがない。
また、ドレッシング治具の先端にスリットが形成さ
れ、このスリットの底面に各電極の先端面が露出されて
いる場合には、スリットの両側壁面で砥石の砥粒層の側
面が電気的に遮蔽されるため、砥粒層の側面がドレッシ
ングされることが一層防止できる。
さらに、ドレッシング治具に各電極の間に給液路を形
成し、この給液路を通じて電解研削液を供給した場合に
は、各電極と研削面との狭い間隙に効果的に電解研削液
が供給できる。したがって、ドレッシング効率が高めら
れるとともに、研削面から溶出した金属イオンが電極表
面に析出しにくいという利点も得られる。
「実施例」 第1図は、本発明に係わる電解ドレッシング装置の一
実施例を示す概略図である。
図中符号10は、導電性結合剤を使用したメタルボンド
砥石、電鋳砥石あるいは電着砥石等の切断砥石であり、
研削盤のスピンドル軸11に固定され、ワークテーブル12
上に固定されたワークWをノズル13から研削液を供給し
つつ切断する。
一方、符号14はドレッシング治具で、これは第2図に
示すように直方体状の絶縁体15と、この絶縁体15の内部
に間隔を空けて平行に埋設された一対の細長い板状の電
極16から構成されている。また、電極16はスリット18の
底面に対応する部分を除き、リード線を含めて、絶縁体
15および絶縁被覆によって絶縁されている。
前記絶縁体15の中心には、各電極16の中間に沿って給
液孔17が形成されるとともに、絶縁体15の先端面の中央
には、砥石10の外周部がほぼ隙間なく入る幅のスリット
18が上下に向けて形成され、このスリット18の底面にお
いて前記各電極16の先端面の一部が露出している。
このようなスリット18を形成するには、第4図に示す
ように、各電極16を基端部のみが露出し(ただし電気的
な絶縁被覆は施されている)、先端が揃った状態で絶縁
体15の内部に平行に埋設した後、各電極16の先端が露出
する位置まで、ドレッシングすべき砥石10で研削する。
この方法によれば、砥石肉厚に適合した幅を有するスリ
ット18の形成が容易である。
なお、絶縁体15の材質としては、各種のプラスチッ
ク、セラミックス、その他いかなる絶縁材を用いてもよ
いが、被削性の良いものが好ましい。また電極16の材質
としては、Ni,Ni基合金,ステンレス,Ta等の高耐食性金
属、あるいはカーボン、グラファイト等が好適である。
なお、図示の電極16は細長い板状であるが、この形状に
限る必要はなく、棒状や端子状としてもよい。
電極16の厚さは、砥石径や砥石厚さに応じて決定され
る。また、電極16の間隔は、電解研削液を通じて電極16
間で短絡しないように考慮すべきである。さらに、電極
16に接続されたリード線間も十分に絶縁すべきである。
そして、ドレッシング治具14は離間量調整機構19の駆
動部20に固定され、スリット18に砥石10の外周部を奥ま
で挿入した状態で支持されている。
この離間量調整機構19は駆動源として高精度ステッピ
ングモータ等を具備し、後述する離間量検出機構24から
の出力信号に応じてドレッシング治具14を砥石10に向け
て進退させる。
そして各電極16には、電流計21を介して給電装置22が
接続され、設定可能な一定電流が供給される。給電装置
22の出力容量は、砥石10種類、必要なドレッシング速度
等を考慮して決定すべきであるが、通常の砥石に対して
は50V×10Å程度あればよい。
また、各電極16間には電圧計23が接続され、この電圧
計23はさらに離間量検出機構24に接続されている。この
離間量検出機構24は、電極16間の電圧が所定の上限値を
上回る(各電極16と砥石10との抵抗が増大する)と離間
量調整機構19を作動させ、極間電圧が上限値を下回る位
置までドレッシング治具14を前進させる。また、電極間
電圧が下限値を下回る(各電極16と砥石10との抵抗が減
少する)と、離間量調整機構19を作動させて下限値を上
回る位置までドレッシング治具14を後退させる構成とな
っている。
以上の装置を使用するには、給液孔17を給液ポンプ
(図示略)に接続し、一定流量で電解研削液をスリット
18と砥石10の間隙に供給する。そして給電装置22、離間
量検出機構24、離間量調整機構19をそれぞれ作動させ、
ドレッシング治具14を動かして、各電極16と砥石10の研
削面との間隔が一定範囲となるように調節する。最適離
間量は砥石10の種類によって異なり、例えば電鋳薄刃砥
石の場合には1〜500μm、望ましくは5〜100μm程度
に設定される。1μm未満では電極16と砥石10との短絡
がドレッシング開始当初に生じてドレッシング効率が低
下したり、切粉の通過により電極16の損耗が進んで好ま
しくない。一方、500μmより大では形状修正効果が低
下するとともに、砥石側面がドレッシングされる割合が
相対的に増加し、砥石研削面のドレッシング効率が相対
的に低下する問題も生じる。
また、電極16の先端面での電流密度は0.1〜100、望ま
しくは0.1〜50Å/cm2とされる。0.1A/cm2未満では十分
なドレッシングが行なえず、100A/cm2より大では電解液
の電気分解速度が増大し、電流増に見合うドレッシング
効果が期待できない。なお、電極16の先端面での電流密
度が砥石研削面での電流密度にほぼ対応する。
電極16への通電は連続的に行なうことが望ましいが、
研削中に断続的に行なってもほぼ同様な効果が得られ
る。また、電流は図示のように直流であっても、交流、
パルス電流等であってもよい。
電解研削液としては、砥石10と電極16との間隔が小さ
いことから、通常使用されている電気伝導度の低い研削
液も使用可能であるが、ドレッシング効率を高めるに
は、電気伝導度を向上するためにNO3 -,Cl-,SO4 2-等を含
む電解質を添加することが望ましい。また、これらの電
解質の添加による装置本体の腐食を防止するため、併せ
てインヒビターを添加してもよい。
上記構成からなる電解ドレッシング装置および方法に
よれば、ドレッシング速度は電極16への通電量を調整す
ることによりフィードバック制御可能なので、研削と同
時進行してドレッシングを行なうことにより、研削面で
の砥粒摩耗速度とドレッシング速度を均衡させることが
可能で、長期に亙って良好な研削効率を維持できる。
また、砥石10の研削面と対向して配置した一対の電極
16間に通電するため、電流は研削液を伝わって主に研削
面の表面部分に流れ、砥石10の側面部分には殆ど流れな
い。これにより、砥石10の側面がドレッシングされず、
砥石10の薄肉化を防いで、長期に亙って良好な研削精度
が維持できる。
また、この例では、各電極16間の電圧を計測してドレ
ッシング治具14の位置を制御するので、研削面と電極16
との間隙を正確な極く小さい一定値に保つことが容易で
ある。このため、研削面の凹凸に対応して鋭敏にドレッ
シング強度が変化し、研削面の形状修正効果が高いう
え、砥石10と電極16間の抵抗値を計測する構成に比して
単純化できる。また、砥石10には、各電極16の間に対向
する狭い範囲の表層部分においてのみ通電されるので、
砥石10の他の部分に余計な電流が流れず、研削盤の制御
回路等の誤作動を招くおそれがない。
また、ドレッシング治具14の先端にスリット18が形成
され、このスリット18の底面に各電極16の先端面が露出
しているので、スリット18の両側壁面で砥石10の側面が
遮蔽され、側面からの結合材の溶出を一層防止できる。
さらに、ドレッシング治具14に各電極16の間に給液孔
17を形成し、この給液孔17を通じて電解研削液を供給し
ているので、各電極16と砥石10との狭い間隙に効果的に
電解研削液が供給でき、ドレッシング効率が高められ
る。
なお、ドレッシングの進行に伴い、非常に低い効率と
はいえ陰極側の電極16の先端面にイオン化した金属結合
剤が再析出することは避けられない。しかし、砥石10の
研削面から突出した超砥粒によってこの析出金属は削り
落とされてしまうため、陰極側の電極16と砥石10とが短
絡するおそれはない。
なお、本発明は上記実施例に限定されず、必要に応じ
て以下のように各部構成を変更してよい。
例えば、上記実施例では定電流型の給電装置22を使用
し、各電極16間の電圧を測定することにより、各電極16
と砥石10との抵抗を間接的に検出していたが、その代わ
りに、砥石10のスピンドル軸11といずれか一方の電極16
間の抵抗値(あるいは電圧)を直接計測して治具位置を
制御してもよい。
また、ドレッシング治具14の内部に給液路を形成せ
ず、外部から給液する構成としてもよいし、さらに、カ
ップ型砥石や内周刃型砥石など円板形砥石以外の砥石に
本発明を適用することも可能である。
「実験例」 次に、実験例を挙げて本発明の効果を実証する。
(実験例1) 第1図と同様の装置を作成し、研削と平行して下記の
ダイヤモンド電鋳砥石(電析Niボンド)のドレッシング
を行なった。
外径101mm×厚さ0.3mm×内径40mm ダイヤモンド砥粒径:20/30μm 砥粒含有率35vol%、刃先突出量5mm ドレッシング治具としては、厚さ1.0mm×幅5mmのSUS3
04板を電極として2枚、10mmの間隔を平行に空けて基端
のみ露出させてエポキシ樹脂中に埋設し、樹脂硬化後、
各電極の中間に電極と平行に6mmφの給液孔を形成し
た。さらに各電極の基端にリード線を接続した後、基端
を絶縁材で被覆した。
次に、このドレッシング治具を、マイクロメータを備
えた離間量調整機構を介してスライシングマシンに固定
し、砥石の中心に向けて進退可能として砥石の外周部に
対向させた。さらに、各電極と砥石との間に、それぞれ
抵抗計を接続した。
次いでスライシングマシンを作動させ、電鋳薄刃砥石
を回転させつつ、離間量調整機構によりドレッシング治
具を砥石に向けて移動し、その先端面に切り込んだ。そ
して2つの抵抗計が共に短絡を示した時点で切り込みを
停止し、その位置からマイクロメータを用いドレッシン
グ治具を5μm後退させた。
次いで、各電極を直流定電流電源に接続し、給液孔の
先端に給液ノズルを固定したうえ、給液孔の基端に給液
ポンプを連結した。
以上の準備が完了した後、以下の研削条件およびドレ
ッシング条件で研削実験を行なった。
被削材:Al2O3・TiC材、 縦75mm×横75mm×厚さ4mm 送り速度:30mm×min. 切込深さ:4.5mm ピッチ:1mm 総研削距離:5.25m 研削液:市水+インヒビター少量+NaNO310g/ ドレッシング電流:0.1A 各電極と研削面の距離:5〜50μm その結果、法線方向の切断抵抗は切断初期で1kgWを示
した後、0.5kgWで一定化した。5.25m切断後の電鋳薄刃
砥石の半径摩耗は38μm、被削材表面における各切断ラ
インでの最大チッピングのばらつき範囲は20〜25μmの
非常に狭い範囲にあった。
また、刃先の形状変化を別の同材質の被削材にハーフ
カットで切り込んで、形成された溝の断面形状から調べ
たところ、刃先先端から200μmの位置での摩耗による
砥石の薄肉化量は僅か10μmであった。
次に、砥石切り込み量を摩耗分補正した後、ドレッシ
ング治具の位置を適正化し、再び新たな前記と同材質の
被削材の切断を、前記と同じ研削条件で行ない、これら
の操作を繰り返して被削材を5回切断した。
各切断完了後の、カーフ幅、切断抵抗、最大チッピン
グ、刃先先端から200μmの位置での薄肉化量および半
径方向の累積摩耗量をそれぞれ測定した。その結果を第
1表に示す。なお、測定を行なったのは、各被削材の最
終切断ラインの中央部である。
(比較例1) 前記実験例1におけるドレッシング治具の代わりに、
幅15mm×厚さ15mmの矩形状のドレッシング砥石(WC400
・ビトリファイド砥石)を前記と同じ被削材の前端に沿
って配置し、前記と同じ切断条件で被削材の切断を行な
うとともに、各切断ライン毎にドレッシング砥石を切断
した。このようにして被削材1枚を加工し終わる毎に切
り込み量を補正しつつ、5枚の被削材を切断した。
前記実施例と同じ項目について測定した結果を第1表
に示す。
(実験例2) 第1図と同様の装置を作成し、研削と平行して下記の
ダイヤモンドメタルボンド砥石(ボンド:85wt%Cu+15w
t%Sn)のドレッシングを行なった。
外径101mm×厚さ1.0mm×内径40mm ダイヤモンド砥粒径:40/60μm 砥粒含有率25vol%、刃先突出量10mm ドレッシング治具としては、厚さ2.0mm×幅5mmのカー
ボン板を電極として2枚、10mmの間隔を平行に空けて基
端のみ露出させてエポキシ樹脂中に埋設し、樹脂硬化
後、各電極の中間に電極と平行に6mmφの給液孔を形成
した。さらに各電極の基端にリード線を接続した後、基
端を絶縁材で被覆した。
次に、このドレッシング治具を、マイクロメータを備
えた離間量調整機構を介してスライシングマシンに固定
し、砥石の中心に向けて進退可能として砥石の外周部に
対向させた。さらに、各電極と砥石との間に、それぞれ
抵抗計を接続した。
次いでスライシングマシンを作動させ、メタルボンド
砥石を回転させつつ、離間量調整機構によりドレッシン
グ治具を砥石に向けて移動し、その先端面に切り込ん
だ。そして2つの抵抗計が共に短絡を示した時点で切り
込みを停止し、その位置からマイクロメータを用いドレ
ッシング治具を300μm後退させた。
次いで、各電極を直流定電流電源に接続し、給液孔の
先端に給液ノズルを固定したうえ、給液孔の基端に給液
ポンプを連結した。
次に、砥石を回転させ、給液ポンプを作動して給液ノ
ズルから研削液を供給し、直流安定化電源の電流値を0.
15Aに設定して電極間に通電し、電極間の電圧を測定し
た。得られた電圧値15Vに対して直流電源の電圧上限を1
8V、下限を14Vに設定し、研削中はこれら上限・下限値
に従って離間量調整機構を作動させ、砥石の研削面と電
極との離間量を一定化する構成とした。
以上の準備が完了した後、以下の研削条件およびドレ
ッシング条件で研削実験を行なった。
被削材:Al2O3材、 縦200mm×横120mm×厚さ5mm 送り速度:30mm/min. 切込深さ:6.5mm ピッチ:2mm 総研削距離:10m 研削液:市水+インヒビター少量+NaCl5g/ ドレッシング電流:0.15A その結果、法線方向の切断抵抗は切断初期で22kgWを
示した後、約1.7kgWで一定化した。10m切断後のメタル
ボンド砥石の半径摩耗量は350μm、被削材表面におけ
る各切断ラインでの最大チッピングのばらつき範囲は30
〜35μmの非常に狭い範囲にあった。
また、刃先の形状変化を別の同材質の被削材にハーフ
カットで切り込んで、形成された溝の断面形状から調べ
たところ、刃先先端から500μmの位置での摩耗による
砥石の薄肉化量は僅か20μmであった。
(比較例2) 前記実験例2におけるドレッシング治具の代わりに、
幅15mm×厚さ15mmの矩形状のドレッシング砥石(WC220
・ビトリファイド砥石)を前記と同じ被削材の前端に沿
って配置し、前記と同じ切断条件で被削材の切断を行な
うとともに、各切断ライン毎にドレッシング砥石を切断
した。
前記実験例と同じ項目について測定した結果、法線方
向の切断抵抗は切断初期で2.4kgWを示した後、切断距離
3mで3.1kgW、6mで4.8kgW、10mで5.9kgWと切断距離の増
加に従い徐々に増加した。
10m切断後のメタルボンド砥石の半径摩耗量は580μm
だった。被削材表面における各切断ラインでの最大チッ
ピングのばらつき範囲は35〜50μmだった。また刃先先
端から500μmの位置での摩耗による砥石の薄肉化量は4
5μmだった。
(実験例3) 第1図と同様の装置を作成し、研削と平行して下記の
ダイヤモンド電鋳砥石(電析Niボンド)のドレッシング
を行なった。
外径76.2mm×厚さ0.13mm×内径40mm ダイヤモンド砥粒径:8/16μm 砥粒含有率31vol%、刃先突出量3mm ドレッシング治具としては、厚さ0.5mm×幅5mmのSUS3
04板を電極として2枚、10mmの間隔を平行に空けて基端
のみ露出させてエポキシ樹脂中に埋設し、樹脂硬化後、
各電極の中間に電極と平行に6mmφの給液孔を形成し
た。さらに各電極の基端にリード線を接続した後、基端
を絶縁材で被覆した。
次に、このドレッシング治具を、マイクロメータを備
えた離間量調整機構を介してスライシングマシンに固定
し、砥石の中心に向けて進退可能として砥石の外周部に
対向させた。
次に、直流安定化電源に各電極を接続し、電流値を0.
05A、電圧値を8Vに合わせ、電極間に通電しつつスライ
シングマシンを作動させ、電鋳薄刃砥石を回転させつ
つ、離間量調整機構によりドレッシング治具を砥石に向
けて移動し、その先端面に切り込んだ。そして電極間の
電圧が降下し、短絡を示した時点で切り込みを停止し、
その位置からマイクロメータを用いドレッシング治具を
50μm後退させた。次いで、給液孔の先端に給液ノズル
を固定したうえ、給液孔の基端に給液ポンプを連結し
た。
以上の準備が完了した後、以下の研削条件およびドレ
ッシング条件で研削実験を行なった。
被削材:鏡面研摩されたHIPフェライト(ワックスでテ
ーブルに接合) 縦20mm×横50mm×厚さ2mm 送り速度:20mm/min. 切込深さ:2.5m ピッチ:0.5mm 総切断ライン数:90(ライン)×100(被削材) 研削液:市水+インヒビター少量+NaNO310g/ ドレッシング電流:0.05A 前記試験を5回実施したが、いずれも被削材の台金か
らの剥離・飛散を生じることなく、それぞれ設定値であ
る9000ラインの切断が行なえた。
(比較例3) 前記実験例3におけるドレッシング治具を用いず、他
の条件は実験例3と同一にして、切断試験を5回実施し
た。
その結果、いずれの切断試験においても、設定値に至
る前に被削材が台金から剥離・飛散し、平均的な被削材
の飛散を生じるまでの切断ライン数は826ラインだっ
た。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明に係わる電解ドレッシン
グ方法および装置によれば、以下のような優れた効果が
得られる。
ドレッシング速度は通電量を調整することによりフ
ィードバック制御可能なので、研削と同時進行してドレ
ッシングを行なうことにより、研削面での砥粒摩耗速度
とドレッシング速度を均衡させることが可能で、長期に
亙って良好な研削効率を維持できる。
砥石の研削面と対向して配置した一対の電極間に通
電するため、電流は研削液を伝わって主に研削面の表面
部分に流れ、砥粒層の側面部分には殆ど流れない。これ
により、砥粒層の側面がドレッシングされることが少な
く、砥粒層の薄肉化を防いで、長期に亙って良好な研削
精度が維持できる。
砥粒層と電極との間の抵抗値を検出してドレッシン
グ治具の位置を制御するので、研削面と電極との間隙を
正確な極く小さい一定値に保つことが容易である。この
ため、研削面の凹凸に対応して鋭敏にドレッシング強度
が変化し、研削面の形状修正効果が高い。
砥粒層には、各電極の間に対向する狭い範囲の表層
部分においてのみ通電されるので、砥石の他の部分に余
計な電流が流れず、研削盤の制御回路等の誤作動を招く
おそれがない。
ドレッシング治具の先端にスリットを形成した場合
には、スリットの両側壁面で砥石の側面が遮蔽されるた
め、砥石の薄肉化が一層防止できる。
ドレッシング治具に各電極の間に給液路を形成した
場合には、この給液路を通じて電解研削液を供給するこ
とにより、各電極と研削面との狭い間隔に効果的に電解
研削液が供給できる。したがって、ドレッシング効率が
高められるとともに、研削面から溶出した金属イオンが
電極に析出しにくいという利点も得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わる電解ドレッシング装置の一実施
例を示す概略図、第2図および第3図は同装置のドレッ
シング治具を示す縦断面図および正面図、第4図はスリ
ット形成前のドレッシング治具を示す縦断面図である。 一方、第5図は従来の電解ドレッシング方法を示す概略
図である。 W……被削材、10……砥石、11……スピンドル軸、14…
…ドレッシング治具、15……絶縁体、16……電極、17…
…給液孔(給液路)、18……スリット、19……離間量調
整機構、20……駆動部、21……電流計、22……給電機
構、23……電圧計、24……離間量検出機構。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性結合剤を使用した砥粒層を有する砥
    石を軸回りに回転しつつ、前記砥粒層の研削面を電解ド
    レッシングする方法であって、 一対の電極の間および周辺に絶縁体を配置し、これら電
    極の先端を露出してなるドレッシング治具を、各電極の
    先端が砥石の研削面と一定間隔を空けて対向するように
    配置し、 各電極と研削面との間に電解研削液を供給するととも
    に、電極の少なくとも一方と砥粒層との抵抗値を測定
    し、この抵抗値が一定範囲の値をとるようにドレッシン
    グ治具を砥石に対し進退させつつ、各電極間に通電する
    ことを特徴とする電解ドレッシング方法。
  2. 【請求項2】前記電解ドレッシングに先立ち、前記各電
    極の先端を絶縁体で覆っておき、この絶縁体に対しドレ
    ッシングすべき砥石で切り込むことにより、前記砥石の
    肉厚より僅かに開口幅の大きいスリットを形成し、この
    スリットの底部で各電極の先端面を露出させることを特
    徴とする請求項1記載の電解ドレッシング方法。
  3. 【請求項3】導電性結合剤を使用した砥粒層を有する砥
    石を軸回りに回転しつつ、前記砥粒層の研削面を電解ド
    レッシングする装置であって、 一対の電極を絶縁状態で支持し、これら電極の先端面を
    露出させたドレッシング治具と、 前記電極の少なくとも一方と前記砥粒層との抵抗値を測
    定する離間量検出機構と、 前記ドレッシング治具を各電極の先端面が砥石の研削面
    と対向するように支持するとともに、前記離間量検出機
    構からの出力信号に応じてドレッシング治具を砥石に向
    けて進退させる離間量調整機構と、 各電極と研削面との間隙に電解研削液を供給するための
    給液手段と、 各電極間に通電する給電機構とを具備したことを特徴と
    する電解ドレッシング装置。
  4. 【請求項4】前記ドレッシング治具は、絶縁体に一対の
    電極を互いに離間して埋設し、前記絶縁体の先端に砥石
    の外周部の肉層より僅かに大きい幅のスリットを形成
    し、前記各電極の先端を前記スリットの底面に間隔を空
    けて露出させてなり、前記スリットに砥石の外周部を差
    し入れた状態で電解ドレッシングを行なうことを特徴と
    する請求項3記載の電解ドレッシング装置。
  5. 【請求項5】前記ドレッシング治具には、前記各電極の
    間に給液手段として給液路が形成されていることを特徴
    とする請求項3または4記載の電解ドレッシング装置。
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