JP2580261B2 - 絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する一体化成形体およびその製造方法 - Google Patents

絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する一体化成形体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2580261B2
JP2580261B2 JP63149733A JP14973388A JP2580261B2 JP 2580261 B2 JP2580261 B2 JP 2580261B2 JP 63149733 A JP63149733 A JP 63149733A JP 14973388 A JP14973388 A JP 14973388A JP 2580261 B2 JP2580261 B2 JP 2580261B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
silicone rubber
insulating
cured
rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63149733A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01317759A (ja
Inventor
利行 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP63149733A priority Critical patent/JP2580261B2/ja
Priority to GB8913701A priority patent/GB2222171B/en
Priority to US07/366,422 priority patent/US5053167A/en
Priority to DE3919869A priority patent/DE3919869C2/de
Publication of JPH01317759A publication Critical patent/JPH01317759A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2580261B2 publication Critical patent/JP2580261B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する
一体化成形体およびその製造方法、より詳しくは導電性
ゴム部分が電気的固定接点または可動接点として、ある
いは帯電防止機能を有し、長い間圧縮されているか、ま
たは圧縮が繰り返される電子、電気応用器具用の部品と
して、特にはゴム材料がシリコーンゴムであるときに有
用な、絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する一体
化成形体およびその製造方法に関するものである。
(従来の技術) 絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを結合一体化して
なる成形体は、近年各種電子機器の部品、例えば卓上計
算機、電話、リモートコントロール、コンピューター端
末の入力装置の一部としてのラバーコンタクト、各種表
示装置の回路基板、回路基板同士の複数の電極を接続す
るインターコネクター、あるいは複写機、ファクシミ
リ、ワードプロセッサーなどの紙送り用帯電防止性ゴム
ロール、プラテンゴムロール、接点ゴムロール、電磁気
シールド材などに広く使用されてきている。
しかして、この絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とか
らなる一体化成形体の製造については、このいずれか一
方のゴム材料を活性化エネルギーが33kcal/モル以上で
あるパーオキサイドで硬化して両者を強固に接着させる
方法(特公昭56-41417号公報参照)、カーボンブラック
と接触しても加硫阻害を起さないように導電性ゴム材料
を非アシル系パーオキサイドで硬化するか、白金触媒使
用の付加反応型シリコーンゴムとし低温、短時間で硬化
させてエネルギー消費の節約と生産効率を向上させる方
法(特公昭61-39188号公報、同61-34982号公報参照)な
どが知られている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、このような方法で製造された従来公知の一体
化成形体は、絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分との接着
性、生産効率の点では評価されるものの、2つのゴム部
分の硬化形態のうち、少なくとも一方が付加反応型であ
る場合には、長時間圧縮された状態で使用されるか、あ
るいは何百万回も圧縮や変形が繰返されると、ゴムの永
久歪が大きくなって初期の形状が維持できす、変形した
ものとなって各機能が低下していた。すなわち、少なく
とも一方が付加反応型シリコーンゴムからなる導電性シ
リコーンゴム部分と絶縁性シリコーンゴム部分が一体化
された成形体の特性として、両部分の密着性と圧縮永久
歪特性を満足するものではなかった。この両者の特性が
満足されないと、例えば、ラバーコンタクトにおいて
は、導電接点部が接触する電極の構成材料(例えば銅
箔、導電ペーストなど)の厚みに起因する凹凸変形を受
けるために、導電接点部と絶縁性ゴム部分との接着部に
応力が加えられて接点が剥れたり、入力により多くの押
圧力が必要となって入力ミスを生じたり、さらにはスト
ロークの変化によって入力フィーリングがわるくなると
いう欠点がもたらされた。
また、表示素子の電極と対向する電極を有する回路基
板間に挾持して導通を得るインターコネクターにおいて
は、圧縮に伴うゴムの反撥力で接続電極面への接触圧力
を高めて接触抵抗を低減しているが、この変形や圧縮永
久歪によって接触圧力が弱くなって接触抵抗が増大し、
さらには表示装置の表示品位を低下させるばかりか、ガ
ラスを主要構成材料とする破壊され易い表示素子をゴム
弾性で支持している力が失われてくることから、落下時
などの衝撃によって表示素子が破壊されたり、電極ピッ
チが0.7以下と極小である表示素子と回路基板との間で
位置ズレを起し、表示能力を欠くようになるという欠点
がある。
なお、帯電防止性ゴムロールなどのように、常時圧縮
された状態で、かつ回転による連続的なしごきによって
変形部が移動するというような過酷な使用における変形
や圧縮永久歪による影響は、スムースな紙送りを不可能
としたり、1枚ずつ送るべきところを2枚送りとした
り、紙づまりを起すということになり、さらには絶縁性
ゴム部分と導電性ゴム部分との接着部が損なわれてロー
ルの芯部分と外周ゴム部分とで回転速度の異なるものと
なり、プラテンロールの場合にはロール部の凹みによっ
て印字ムラが生じるという欠点がある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、このような不利、欠点を解決することので
きる絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する一体化
成形体およびその製造方法に関するもので、非アシル系
パーオキサイドの存在下での加硫硬化により得られた絶
縁性シリコーンゴム硬化物と、カーボンブラックを5〜
75重量%含有する、1分子中に少なくとも2個のビニル
基を含有するオルガノポリシロキサン(以下、ビニル基
含有オルガノポリシロキサンとする)、オルガノハイド
ロジエンポリシロキサン、非アシル系パーオキサイドお
よび白金系触媒とからなる導電性付加反応型シリコーン
ゴム硬化物とが、一体化されてなることを特徴とする絶
縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する一体化成形
体、および非アシル系パーオキサイドを含有する絶縁性
シリコーンゴム組成物と、カーボンブラックを5〜75重
量%含有する、ビニル基含有オルガノポリシロキサン、
オルガノハイドロジェンポリシロキサン、非アシル系パ
ーオキサイドおよび白金系触媒とからなる導電性付加反
応型シリコーンゴム組成物との、いずれか一方を硬化さ
せた後、ついで他方のシリコーンゴム組成物を硬化一体
化させるか、または両者を同時に硬化一体化させた後、
200℃で4時間以上無負荷で加熱し、2次硬化させるこ
とを特徴とする絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有
する一体化成形体の製造方法に関するものである。
すなわち、本発明者は前記したような欠点のない絶縁
性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する一体化成形体お
よびこの製造方法について種々検討した結果、絶縁性ゴ
ム部分を非アシル系パーオキサイドを含有するシリコー
ンゴム組成物とし、導電性ゴム部分をカーボンブラック
を5〜75重量%含有する、ビニル基含有オルガノポリシ
ロキサン、オルガノハイドロジエンポリシロキサン、非
アシル系パーオキサイドおよび白金系触媒とからなる導
電性付加反応型シリコーンゴム組成物とし、これらを硬
化一体化させた後、200℃で4時間以上加熱して2次硬
化したものとすると、その理由は明確ではないが、一方
の硬化物の接着すべき界面に他方の加硫反応成分と同様
の反応成分が形成されているために、接着界面において
相互に化学結合あるいは化学親和力が作用して接着力が
増大し、導電性ゴム部分においても一部が非アシル系パ
ーオキサイドで加硫されているために低い圧縮永久歪を
有し、絶縁性ゴム部分と同様の低い圧縮永久歪を有して
いるので、一体化成形体が相互によく接着し、低い圧縮
永久歪を有するようになることを見出して、本発明を完
成させた。
(発明の実施の形態) 本発明の一体化成形体を構成する絶縁性ゴム部分は、
非アシル系パーオキサイドの存在下での加硫硬化によっ
て得られる絶縁性シリコーンゴム硬化物であることが必
要とされる。
この絶縁性シリコーンゴム硬化物は、常温で液状また
は生ゴム状である、前記ビニル基含有オルガノポリシロ
キサン、例えば、ジメチルシロキサン−メチルビニルシ
ロキサン共重合体、ジメチルシロキサン−メチルフエニ
ルシロキサン−メチルビニルシロキサン共重合体、メチ
ル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン−メチ
ルビニルシロキサン共重合体などで、分子鎖末端がシラ
ノール基、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル
基、メチルフエニルビニル基などで封鎖されたものに、
補強性シリカ系充填剤、例えば乾式気相熱分解法や湿式
沈殿法で得られたホワイトカーボンやこれをシランカッ
プリング剤で処理して親水性を減少させた充填剤に、硬
化剤を添加し、さらに必要に応じて増量剤、耐熱添加
剤、顔料などの添加剤を添加したシリコーンゴム組成物
の硬化物からなっている。
この硬化剤を、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジ
クロロベンゾイルパーオキサイドのようなアシル系パー
オキサイドとすると、パーオキサイドの分解で得られた
ラジカル成分が導電性ゴム部分中のカーボンとの接触に
よって捕獲され、パーオキサイドの有する活性化エネル
ギーが失われ、硬化阻害が生じるので、活性化エネルギ
ーの大きい非アシル系パーオキサイドとすることが必要
である。このような硬化剤には、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ル−2,5(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α′
−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベ
ンゼン、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサ
ドなどのようなハイドロ系、ジアルキル系、ケタール
系、エステル系のパーオキサイドから選択されるものが
例示される。
これらの内、得られるシリコーンゴム硬化物の圧縮永
久歪と後記する導電性シリコーンゴム硬化物との接着性
を改善するために活性化エネルギーの高いものがよく、
また製造の際のエネルギー消費の点からは分解温度の低
いものがよいので、この両方を満足する、ジクミルパー
オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサンが特に好ましい。
なお、これらの配合量は、ビニル基含有オルガノポリ
シロキサン100重量部に対して、補強性シリカ系充填剤
を5〜200重量部の範囲、非アシル系パーオキサイドを
0.1〜5重量部の範囲とすればよい。
他方、本発明の一体化成形体を構成する導電性ゴム部
分は、カーボンブラックを5〜75重量%含有する、ビニ
ル基含有オルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジ
エンポリシロキサン、非アシル系パーオキサイドおよび
白金系触媒とからなる導電性付加反応型シリコーンゴム
組成物の硬化物であることが必要とされる。
この導電性付加反応型シリコーンゴム組成物には、上
記絶縁性シリコーンゴム硬化物で用いたのと同じビニル
基含有オルガノポリシロキサンに、カーボンブラックを
添加して導電性としたオルガノポリシロキサンが主剤と
して用いられる。
こゝに添加されるカーボンブラックはファーネスブラ
ック、アセチレンブラック、グラファイトのほかカーボ
ン繊維、カーボンウイスカーとしてもよいが、この配合
量が5重量%より少ないと導電性および接着性が不充分
となり、75重量%より多くすると得られる組成物の加工
性が低下し、導電性、接着性もそれ以上には向上しない
ので、5〜75重量%の範囲とする必要がある。
導電性としたオルガノポリシロキサンは、これを付加
反応型のものとするために、さらにオルガノハイドロジ
エンポリシロキサンと白金系触媒とが添加される。この
オルガノハイドロジエンポリシロキサンは、式 で示され、分子中に上記ビニル基含有オルガノポリシロ
キサン中のビニル基と付加反応するけい素原子に結合し
た水素原子(≡SiH)を少なくとも2個含有しているこ
とが必要であり、式中のRは水素原子またはメチル基、
エチル基およびフェニル基から選択される1価の炭化水
素基、mは10〜1,000の整数であるものとすればよい。
このオルガノハイドロジエンポリシロキサンの配合量
は、付加反応の理論上からはビニル基含有オルガノポリ
シロキサンのビニル基とオルガノハイドロジエンポリシ
ロキサン中のけい素結合水素原子が1:1のモル比のもの
とすればよいが、ビニル基1モルに対してけい素結合水
素原子を0.5〜1モルとしても余剰のビニル基は非アシ
ル系パーオキサイドで消費されることになり、けい素結
合水素原子を1〜6モルとする余剰のけい素結合水素原
子は非アシル系パーオキサイドによって消費されるビニ
ル基以外のビニル基と反応してもなお余剰となるが、こ
の余剰分は付加反応に対して機能障害を及ぼさず、むし
ろ絶縁性シリコーンゴム部分との接着強度向上の一要因
となるので、ビニル基1モルに対して0.5〜6モルとな
るようにするのが好ましい。
なお、このビニル基含有オルガノポリシロキサンのビ
ニル基とオルガノハイドロジエンポリシロキサンのけい
素結合水素原子の量の関係は、両オルガノポリシロキサ
ンの分子量と、各オルガノポリシロキサンの1分子中に
存在する、ビニル基とけい素結合水素原子の数によって
影響されるが、一般的にはビニル基含有オルガノポリシ
ロキサン100重量部に対してオルガノハイドロジエンポ
リシロキサンを0.5〜30重量部の範囲とすればよい。
こゝに使用される白金系触媒は白金黒、白金海綿のよ
うな白金、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一
価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィンまた
はビニルシロキサンとの錯体などの白金化合物から選択
すればよいが、この配合量は触媒量、すなわちビニル基
含有オルガノポリシロキサン100重量部に対して、白金
として50〜2,000ppmの範囲とすればよい。
上記成分からなる導電性付加反応型シリコーンゴム組
成物では、その硬化物はカーボンブラックなどによる補
強効果によってある程度の機械的強度を有するが、これ
をさらにすぐれたものとするために補強性充填剤を添加
してもよく、これには乾式性シリカ、けいそう土、また
はこれらをオルガノシラン、オルガノシロキサンなどで
疎水化処理したものなどが例示されるが、この配合量
は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン100重量部に
対して120重量部より多くするとシリコーンゴムのゴム
弾性が失われるので0〜120重量部の範囲とするのがよ
い。また、この導電性付加反応型シリコーンゴム組成物
の付加反応速度を調節するために、これに有機窒素化合
物、アルキン系化合物、すず化合物などの付加反応速度
遅延剤を添加することは任意とされる。
この導電性付加反応型シリコーンゴム組成物は、これ
をそのまま加熱処理すればシリコーンゴム硬化物とする
ことができるが、本発明では、得られるシリコーンゴム
硬化物を圧縮永久歪の改善されたものとすると共に、前
記した絶縁性シリコーンゴム硬化物と導電性シリコーン
ゴム硬化物とを両方の組成物に配合されている非アシル
系パーオキサイドによって相互に架橋を行なわせるた
め、あるいは化学的親和力をもたせるために、前記した
絶縁性オルガノポリシロキサンに配合したものと同種の
非アシル系パーオキサイドを配合する必要があり、この
添加量はビニル基含有オルガノポリシロキサン100重量
部に対して0.1〜5重量部とすればよい。なお、この組
成物に必要に応じ増量剤、耐熱性添加剤、顔料などの添
加剤を添加することは任意とされる。
また、この導電性シリコーンゴム硬化物はその圧縮永
久歪を改善する目的で部分的に非アシル系パーオキサイ
ドによって硬化させる必要があるが、この方法は、例え
ばオルガノハイドロジエンポリシロキサンのけい素結合
水素原子の量をビニル基含有オルガノポリシロキサンの
ビニル基より少なく反応させて残りのビニル基を非アシ
ル系パーオキサイドによって硬化させるか、あるいは付
加反応の反応速度を付加反応速度遅滞剤の添加などによ
り調整し、非アシル系パーオキサイドによる反応速度と
同程度にすることによって導電性シリコーンゴム部分を
非アシル系パーオキサイドにより部分的に硬化するよう
にすればよい。
本発明の一体化成形体は、上記した非アシル系パーオ
キサイドを含有する絶縁性シリコーンゴム組成物と同じ
く非アシル系パーオキサイドを含有する導電性付加反応
型シリコーンゴム組成物のいずれか一方を、圧縮成形、
射出成形、押出成形(熱気加硫)、トランスファー成
形、嫌気状態で熱気加硫する巻き蒸し成形などで成形、
硬化した後、他方のシリコーンゴム組成物と接触させ、
所定の金型内で他のシリコーンゴム組成物を成形硬化し
て一体化させ、ついで少なくとも200℃で4時間以上無
負荷の状態で2次硬化させることにより得ることができ
る。
これによれば導電性付加反応型シリコーンゴム組成物
の絶縁性シリコーンゴム硬化物と接着すべき界面には、
非アシル系パーオキサイドによって生成した反応物が付
加反応によって生じて反応物による界面を改質するこ
と、および導電性と絶縁性のシリコーンゴム部分中の未
反応非アシル系パーオキサイドが一次および/または2
次の加熱硬化の操作によって相互に化学結合を有する反
応を行なうために、導電性ゴム部分と絶縁性ゴム部分と
が緊密に一体化された成形体を得ることが可能となる。
さらに導電性ゴム部分の内部にも非アシル系パーオキ
サイドによる硬化反応を生じるために、付加反応型より
も低い圧縮永久歪をもち、一体化している絶縁性ゴム部
分の該特性と同等の特性を有することから、ムラのない
均質な両ゴム部分かなる一体化成形体を得ることが可能
となる。
なお、この2次硬化の条件は成形体の厚みによって異
なるようにすることがよく、例えば、この厚みが2mm以
下のときには4時間、2〜5mmのときには8時間、5〜5
0mmのときには10時間以上とすることがよく、これによ
ればこの温度が高い程、また時間が長い程両者の密着
性、圧縮永久歪が改良される。
(発明の効果) 本発明の一体化成形体は非アシル系パーオキサイドを
含有する絶縁性シリコーンゴム組成物と非アシル系パー
オキサイドを含有する導電性付加反応型シリコーンゴム
組成物とを一体化成形したものであり、これらのシリコ
ーンゴム組成物がいずれも非アシル系パーオキサイドを
含有することから相互に密着性が改良されたものとなる
ので、この一体化成形体は絶縁性シリコーンゴム硬化物
と導電性付加反応型シリコーンゴム硬化物とが強固に密
着したものとなり、かつ同時に圧縮永久歪の改良された
ものになり、したがって各種用途に有利に使用し得るも
のになるという工業的な有益性が与えられる。
(実施例) つぎに本発明の実施例をあげるが、例中の部は重量部
を示す。
実施例1 ジメチルシロキサン単位99.8モル%とメチルビニルシ
ロキサン単位0.2モル%からなる共重合体生ゴム100部に
ジクミルパーオキサイド1.5部を添加し、よく混練して
金型に投入し、160℃で10分間、100kg/cm2の圧力下で圧
縮成形し、絶縁性シリコーンゴム硬化物を得た。
ついで、上記共重合体生ゴム100部と導電性アセチレ
ンブラック・デンカブラック〔電気化学工業社製、商品
名〕50部とを均一になるまで混練し、ついで両末端トリ
メチルシリル基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイド
ロジエンシロキサン共重合体(ジメチルシロキサン単位
50モル%、メチルハイドロジエンシロキサン単位50モル
%、粘度5cS)0.4部、塩化白金酸のイソプロパノール溶
液(白金含有量0.34重量%)0.1部、メチルブチノール
0.02部およびジクミルパーオキサイド1.5部を加えて均
一になるまで混練し、これをさきに成形した絶縁性シリ
コーンゴム硬化物とともに別の金型に投入し、120℃で
1分間、100kg/cm2の圧力下で圧縮成形したところ、絶
縁性シリコーンゴム部分と導電性シリコーンゴム部分と
が硬化一体化したので、さらに220℃で10時間2次硬化
したところ、本発明の一体化成形体が得られた。
この一体化成形体の両ゴム部分を引張り強さ試験機の
治具に挟んで引張り強さ試験を行なったところ、アセチ
レンブラックを30.0重量%含有する導電性シリコーンゴ
ム部分で破断し、境界面は無傷であった。それぞれのゴ
ム部分を20%圧縮し、150℃で22時間放置した後、それ
ぞれの圧縮永久歪を測定したところ、絶縁性ゴム部分は
9%、導電性ゴム部分は10%であった。
なお、比較のために上記両組成物の硬化一体化物にお
いて、2次硬化を施さなかったものの圧縮永久歪を同様
の方法で測定したところ、絶縁性ゴム部分が10%、導電
性ゴム部分が13%であり、また上記導電性付加反応型シ
リコーンゴム組成物においてジクミルパーオキサイドを
用いなかったほかは同様に加熱硬化して得た成形物を、
220℃で10時間2次硬化したところ、その圧縮永久歪は
絶縁性ゴム部分が10%、導電性ゴム部分が22%であっ
た。
実施例2 両末端ジメチルビニルシリル基封鎖のジメチルポリシ
ロキサン(平均重合度320)100部と導電性ファーネスブ
ラック・ケッチエンブラックEC(ライオンアクゾ社製、
商品名)15部を均一になるまで混練し、これにさらに実
施例1で使用したジメチルシロキサン・メチルハイドロ
ジエンシロキサン共重合体1.5重量部、塩化白金酸のイ
ソプロパノール溶液(白金含有量0.34重量%)1.0部、
メチルブチノール0.05部およびジクミルパーオキサイド
1.0部を添加して均一になるまで混練し、射出成形機に
注入して脱気し、ついで150℃で20秒間、射出圧力40kg/
cm2の条件下で射出成形して導電性ファーネスブラック
を13.0重量%含有する導電性付加反応型シリコーンゴム
硬化物を得た。
次に、比表面積130m2/gの疎水化処理ヒュームドシリ
カ15部を含有する液状シリコーンゴムとジクミルパーオ
キサイド1.5部を均一に混合してなる絶縁性シリコーン
ゴム組成物を調製して射出成形機に注入し脱気した。
一方、上記導電性付加反応型シリコーンゴム硬化物を
金型中に入れておき、そこに、この絶縁性シリコーンゴ
ム組成物を150℃で20秒間射出圧力40kg/cm2の条件で射
出成形したところ、導電性ファーネスブラックを13.0重
量%含有する導電性シリコーンゴム部分と疎水化処理ヒ
ュームドシリカを13.0重量%含有する絶縁性シリコーン
ゴム部分とが硬化一体化したので、これをさらに200℃
で5時間2次硬化して1次硬化で分解しなかったジクミ
ルパーオキサイドを活性化させたところ、本発明の一体
化成形体が得られた。
この一体化成形体の表面はきわめて平滑で表面・内部
ともに均一に硬化していた。この両ゴム部分を引張り強
さ試験機の治具に挟んで引張り強さ試験をしたところ、
導電性ファーネスブラックを13.0重量%含有する導電性
シリコーンゴム部分で破断し、境界面は無傷であり、破
断引張強さは18kg/cm2であった。
比較例として、絶縁性シリコーンゴム組成物と導電性
付加反応型シリコーンゴム組成物とを、上記と逆の順序
で成形し、得られた一体化物についての2次硬化を同時
に行なったところ、導電性ファーネスブラックを13.0重
量%含有する導電性ゴム部分と疎水化処理ヒュームドシ
リカを13.0重量%含有する絶縁性ゴム部分の接着力は15
kg/cm2であり、その圧縮永久歪は導電性ゴム部分、絶縁
性ゴム部分ともほゞ10%前後で小さい歪をもつものであ
った。
また、カーボンブラックの影響を知るために、上記疎
水化処理ヒュームドシリカを13.0重量%含有する絶縁性
シリコーンゴム硬化物をさきに成形しておいて、これを
射出成形機の金型に入れておき、そこに同じく疎水化処
理ヒュームドシリカを13.0重量%含有する液体シリコー
ンゴムを、150℃で20秒間、射出圧力40kg/cm2の条件で
射出成形し、2次硬化したところ、両ゴム部分の接着力
は17kg/cm2であり、圧縮永久歪も同様であった。
実施例3 ジメチルシロキサン単位99.7モル%とメチルビニルシ
ロキサン単位0.3モル%からなる共重合体生ゴム100部と
導電性ファーネスブラック・ケッチェンブラックEC(前
出)15部を均一になるまで混練し、さらにジメチルシロ
キサン・メチルハイドロジエンシロキサン共重合体0.8
部、塩化白金酸のイソプロパノール溶液(白金含有量0.
34重量%)0.2部と2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン1.0部を加えて速やかに混練
し、金型に投入して100℃で2分間、100kg/cm2の圧力下
で圧縮成形し、導電性ファーネスブラックを13.0重量%
含有する導電性付加反応型シリコーンゴム硬化物を得
た。
ついで、湿式法シリカ28.6重量%を含有する未加硫シ
リコーンゴム100部に2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン1.5部を添加してよく混練
し、これをさきに成形した導電性ファーネスブラックを
13.0重量%含有する導電性付加反応型シリコーンゴム硬
化物とともに別の金型に投入し、170℃で10分間、100kg
/cm2の圧力下で圧縮成形し、220℃で4時間2次硬化し
たところ、導電性ファーネスブラックを13.0重量%含有
する導電性シリコーンゴム部分と、湿式法シリカを28.6
重量%含有する絶縁性シリコーンゴム部分とが強固に接
着し一体化した本発明の一体化成形体が得られた。
この一体化成形体の両ゴム部分の引張強さ試験機の治
具に挟んで引張強さ試験を行ったところ、ケッチェンブ
ラックを含有する導電性シリコーンゴム部分で破断し、
境界面は無傷であり、破断引張強さは40kg/cm2であっ
た。
それぞれのゴム部分の圧縮永久歪を実施例1と同様に
して測定したところ、絶縁性部分は9%、導電性ゴム部
分は12%であった。
なお、比較のために、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサンの代わりにジクミルパーオ
キサイドを添加したほかは同様にして作製した一体化成
形体についても、圧縮永久歪および接着力の評価を行な
ったが、ほゞ同じ結果が得られた。また、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを用い
なかったほかは同様にして作製した一体化成形体につい
て、圧縮永久歪を測定したところ、導電性ゴム部分は26
%で、カーボンブラックの影響もあるが非アシル系パー
オキサイドの効果が確認された。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非アシル系パーオキサイドの存在下での加
    硫硬化により得られた絶縁性シリコーンゴム硬化物と、
    カーボンブラックを5〜75重量%含有する、1分子中に
    少なくとも2個のビニル基を含有するオルガノポリシロ
    キサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、非ア
    シル系パーオキサイドおよび白金系触媒とからなる導電
    性付加反応型シリコーンゴム硬化物とが、一体化されて
    なることを特徴とする絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分
    とを有する一体化成形体。
  2. 【請求項2】非アシル系パーオキサイドを含有する絶縁
    性シリコーンゴム組成物と、カーボンブラックを5〜75
    重量%含有する、1分子中に少なくとも2個のビニル基
    を含有するオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロ
    ジェンポリシロキサン、非アシル系パーオキサイドおよ
    び白金系触媒とからなる導電性付加反応型シリコーンゴ
    ム組成物との、いずれか一方を硬化させた後、ついで他
    方のシリコーンゴム組成物を硬化一体化させ、200℃で
    4時間以上無負荷で加熱し、2次硬化させることを特徴
    とする絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する一体
    化成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】非アシル系パーオキサイドを含有する絶縁
    性シリコーンゴム組成物と、カーボンブラックを5〜75
    重量%含有する、1分子中に少なくとも2個のビニル基
    を含有するオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロ
    ジェンポリシロキサン、非アシル系パーオキサイドおよ
    び白金系触媒とからなる導電性付加反応型シリコーンゴ
    ム組成物とを、同時に硬化一体化させた後、200℃で4
    時間以上無負荷で加熱し、2次硬化させることを特徴と
    する絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する一体化
    成形体の製造方法。
JP63149733A 1988-06-17 1988-06-17 絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する一体化成形体およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2580261B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63149733A JP2580261B2 (ja) 1988-06-17 1988-06-17 絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する一体化成形体およびその製造方法
GB8913701A GB2222171B (en) 1988-06-17 1989-06-14 Method for the preparation of an integral rubber article having electrically insulating and conductive parts
US07/366,422 US5053167A (en) 1988-06-17 1989-06-15 Method for the preparation of an integral rubber article having electrically insulating and conductive parts
DE3919869A DE3919869C2 (de) 1988-06-17 1989-06-19 Verfahren zur Herstellung eines integrierten Gummiartikels mit elektrisch nichtleitenden und leitenden Teilen

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63149733A JP2580261B2 (ja) 1988-06-17 1988-06-17 絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する一体化成形体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01317759A JPH01317759A (ja) 1989-12-22
JP2580261B2 true JP2580261B2 (ja) 1997-02-12

Family

ID=15481625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63149733A Expired - Lifetime JP2580261B2 (ja) 1988-06-17 1988-06-17 絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する一体化成形体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2580261B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014004757A (ja) * 2012-06-25 2014-01-16 Fujikura Ltd ゴム成形品の製造方法及び電気部品の製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5679211B2 (ja) * 2011-12-02 2015-03-04 信越ポリマー株式会社 転写印刷用転写シートおよびその製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5641417B2 (ja) * 1973-05-09 1981-09-28
JPS5128309A (ja) * 1974-09-02 1976-03-10 San Ando Shii Konsarutanto Kk Sandodoreenkohonokeeshingudonyukokutsusakusochi
JPS58205761A (ja) * 1982-05-25 1983-11-30 ト−レ・シリコ−ン株式会社 シリコ−ンゴム成形体とその製造方法
JPS59102970A (ja) * 1982-12-06 1984-06-14 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 布地用接着剤
JPS60115661A (ja) * 1983-11-28 1985-06-22 Shin Etsu Chem Co Ltd プライマ−組成物
JPS6455239A (en) * 1987-08-26 1989-03-02 Shinetsu Chemical Co Manufacture of conductive silicone rubber formed article

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014004757A (ja) * 2012-06-25 2014-01-16 Fujikura Ltd ゴム成形品の製造方法及び電気部品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01317759A (ja) 1989-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4505848A (en) Silicone rubber molded products and a method for producing same
KR100561160B1 (ko) 내열 열전도성 실리콘 고무 복합 시트 및 그의 제조 방법
JP3592809B2 (ja) フッ素樹脂被覆定着ロール用シリコーンゴム組成物およびフッ素樹脂被覆定着ロール
US5458937A (en) Semiconductor roll
US10584227B2 (en) Silicone rubber composition and power cable
US20080260981A1 (en) Antistatic silicone rubber mold-making material
JPH0564993B2 (ja)
KR20070109932A (ko) 고연포율 실리콘 고무 스폰지
US5053167A (en) Method for the preparation of an integral rubber article having electrically insulating and conductive parts
JP3041213B2 (ja) 耐熱熱伝導性シリコーンゴム複合シート
US4842943A (en) Unitary molded silicone rubber product from two different silicone rubbers and a method for their manufacture
JP5358934B2 (ja) シリコーンゴムの製造方法
JP2580261B2 (ja) 絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する一体化成形体およびその製造方法
JPH0711010A (ja) 耐熱熱伝導性シリコーンゴム成形品
JP3325213B2 (ja) シリコーンゴムスポンジの製造方法およびシリコーンゴムスポンジ
US5449714A (en) Preparation of conductive silicone rubber composition
JPH08120176A (ja) 半導電性シリコーンゴム組成物
JP2006182823A (ja) 高電圧電気絶縁性シリコーンゴム用組成物、高電圧電気絶縁性シリコーンゴム組成物および高電圧電気絶縁体
JPH01317760A (ja) 絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する一体化成形体およびその製造方法
JPH01317761A (ja) 絶縁性ゴム部分と導電性ゴム部分とを有する一体化成形体およびその製造方法
JP4520159B2 (ja) シリコーンゴム組成物
JP3732322B2 (ja) シリコーンゴムスポンジ組成物およびこれを用いたシリコーンゴムスポンジ
JPH0150582B2 (ja)
JP3611025B2 (ja) シリコーンゴム組成物
KR101099174B1 (ko) 실리콘 고무 조성물