JP2579688B2 - 高圧遮断器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高圧遮断器に係る。

本遮断器は切断室が六弗化硫黄のような誘電性ガスが
満たされており、更にアークエネルギが用いられ、ガス
に与えられる圧力を増すことによって切断に要するエネ
ルギを低減することができる。

本発明はさらに特定的には、ブローシリンダと、遮断
器を開路するさい、開路操作のためのエネルギをもたら
すために用いられる２次アークを発生することができる
補助接点対をもつ副次室とを備える遮断器に係る。

この種の遮断器は例えばフランス特許第8701514号に
よって公知である。

この種の遮断器において解決すべき問題は、ブローシ
リンダ内の圧力が小電流（低い操作エネルギ）の切断の
ため低いままであること及び、操作エネルギを増大する
ことなく大電流を切断するための圧力が大きいことであ
る。

本発明の目的は、低強度電流を切断するためであって
も操作エネルギが低いままである高圧遮断器を提供する
ことにある。

本発明の他の目的は、熱容積内の閉路時にアークの放
電が無い高圧遮断器を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、熱容積の放電アークを延
長することができ、従って電流が非常に強くなったとき
はそれ以上のエネルギが発生し得る高圧遮断器を提供す
ることにある。

本発明によれば、前述の目的は、加圧誘電性ガスが満
たされた絶縁性のジャケットを有する高圧遮断器であっ
て、ジャケットの内部に、互いに離間した第１の固定主
接点及び第２の固定主接点と、第１の固定主接点の対応
位置に配置された固定アーク接点と、第２の固定主接点
の対応位置に配置された筒状の固定部材と、一端が第２
の固定主接点に摺動自在に接触していると共に固定部材
を同軸的に収容しており、他端が第１の固定主接点に接
触するように並進移動自在な筒状の可動主接点と、可動
主接点及び固定部材と協働して環状の空所を規定するよ
うに可動主接点及び固定部材に同軸的に収容されている
と共に可動主接点に固定されており、一端が固定アーク
接点に接触するように構成された筒状の可動アーク接点
と、可動アーク接点の他端に固定されており、前記空所
を部分的に規定する第１のピストンと、可動主接点及び
可動アーク接点の間に摺動自在に受容され、且つばねを
介して前記固定部材に支持されており前記空所を前記可
動アーク接点の一端側の第１の容積と前記可動アーク接
点の他端側の第２の容積とに仕切る第２のピストンと、
第１のピストンに設けられた、第２の容積への第１の一
方向弁と、第２のピストンに設けられた、第１の容積か
ら第２の容積への第２の一方向弁と、固定部材に固定さ
れた第１の副次接点と、第２のピストンに固定されてお
り、第１の副次接点に近接するように構成された第２の
副次接点とを備え、前記第１及び第２の副次接点は前記
第２の容積の内部に配置される高圧遮断器によって達成
される。

本発明の高圧遮断器は、可動主接点及び可動アーク接
点が開路方向に移動したときに、以下の作用を呈する。

高圧遮断器を流れる電流が低強度のとき、第１の容積
のガスが圧縮され、この圧縮されたガスが、固定アーク
接点及び可動アーク接点の間のアークを吹き消し得る。

また、高圧遮断器を流れる電流が高強度のとき、第１
の容積のガスが圧縮され、この圧縮されたガスが、固定
アーク接点及び可動アーク接点の間のアークを吹き消し
得るのに加えて、第１及び第２の副次接点間のアークが
第２の容積内で熱を発生して第２の容積内のガスを膨張
させ、第２のピストンを可動主接点の他端側に向けて移
動させる。これにより、第１の容積内のガスの圧縮の程
度を増加させ得、アークを吹き消すブロー量を増加させ
得ると共に、第１のピストンを前述の開路方向へ移動さ
せて可動主接点の開路方向への移動を助力し得る。

次に添付図面を参照して本発明の遮断器の好ましい１
具体例について詳しく説明する。

第１図は六弗化硫黄のような誘電性ガスを数バールの
圧力をかけて満たした、セラミックのような絶縁材料の
ジャケット１を含む切断室を示す。

固定部は、ジャケット１の内部には放電防護カバー３
によって保護された第１の固定主接点としての接触ピン
２と、アーク効果に耐性のある合金で作られた先端4Aに
よって先端形成された固定アーク接点としての金属シリ
ンダ４とを含む。

可動部はアーク効果に対して耐性のある合金製の先端
部材5Aで先端を形成された可動アーク接点としての金属
シリンダ５を含む。

シリンダ５は図示しない操作軸に固定された例えばア
ルミニウム製の金属シリンダ６によって駆動される。シ
リンダ５及び６は相互に固定されてはおらず、反対にそ
れの間にある程度の遊びが可能である。駆動は後に説明
するシリンダ６の段部6B及びピストン42の段部42Aを介
して実行される。遊びはストッパ6Cによって限定され
る。

可動主接点としての金属管７はシリンダ５と同心であ
る。

管７は絶縁材料製のブローノズル８を支え、固定部と
一体的な例えばアルミウム製の金属ブロック９に接点ピ
ン10を介して電気的に接触する。

シリンダ５及び管７は穴12Aのあいた絶縁クラウン12
を介して接続されている。

シリンダ５及び管７によって限定された容積20は、ブ
ロック９に固定された固定部材としての金属管15によっ
て位置決めされたポリテトラフルオロエチレン、又はそ
の他の材料のような絶縁材料で作られた固定ピストン14
によって閉止される。即ち、容積20は、シリンダ５、管
７、クラウン12及びピストン14によって限定されてい
る。シリンダ５、管７、クラウン12及びピストン14は遮
断器のブローシリンダを構成する。

ピストン14にはオリフィス16があけられており、容積
20の内部から外部へ向かうガスの通過のみ許容する一方
向弁17を含んでいる。ピストン14は密閉継手18を含む。

ピストン14は金属管15に対して移動し得る。このため
管７に対してスライドする管21に固定され、さらに管21
はボール式ストッパ23及びばね25又は管15内に設けられ
た切欠き24と協働する他のシステムを持つ。圧縮状態で
働くばね25が、管15の先端のクラウン15Aと管21の先端
のクラウン21Aの間に配置されている。

ピストン14は管５上を直接的にではなく、電気接点29
を備え且つ円筒状の第２の副次接点30をその先端にもつ
ブロック28を介してスライドする。第１の副次接点31は
管15と一体的である。電極32が管５の延長部内の金属ブ
ロック33によって支えられ、更に絶縁材料製の管状部5B
によってそれから隔てられている。

金属管15、ピストン14、ブロック28及び副次接点30及
び接点31によって限定された容積35は絶縁ピストン42に
よって閉じられ、ピストン42は管５に固定され、且つ案
内セグメント43及び容積35の外部から内部へ向かうガス
の通過のみ許容する一方向弁44を備えている。

ブロック33は端部に穴46をもつ。同様に管６は穴47を
もつ。穴46,47の役割は後で説明する。

ブロック９は、開路工程の終りに可動部の残りとブロ
ック33を同じ電位に置くため管５の先端49と協働する接
点48を支える。

管15によって支えられる電極49Aは、開路操作の終り
にブロック28を管15の電位にすることを可能にする。

遮断器の作動は次の通りである。

遮断器が閉じると（第１図の位置）、電流はピン２、
管７、ピン10及びブロック９を通る。

弱電流の切断 装置の公称電流より低いか又はこれに等しい電流が問
題である。遮断器を開いたとき（第２図）、可動部は管
６によって駆動される。接点が分離すると、アーク50が
アーク接点4A及び5A間で発出する。

ほとんど同時に、アーク60が接点30及び電極32間に生
じ、次いで接点31に切換わる。こうして電流は接点４、
アーク50、管５、ブロック28、接点30、アーク60、接点
31、管15、及びブロック９を通る。アーク60は小エネル
ギで、容積35内の圧力増加は管15に対してピストン14を
移動させるためには不充分である。

容積20内の圧力は弁17が開くためにあまり増加しな
い。

しかし、ブローは電流が最初の通過でゼロにするよう
にアーク50を消すためには充分である。

強電流の切断 ここで問題となるのは短絡電流である。

第３図は管６が図の右方へ移動することによって開路
する状態の遮断器を示す。

極めて高い強度のアーク60は容積35の迅速な加熱と、
相関的にこの容積のガス圧の極めて大きな増加を引き起
こす。

この圧力増加は３つの効果をもつ。

−第１の効果は弁17を閉じることである。

−第２の効果は管15に対してピストン14を移動すること
である。

ボール22は切欠き24を離れ、ばね25が圧縮される。ピ
ストン14の移動は、１つは管15に対して他方は可動部に
対する２つの運動の重なり合いから生じ、容積20のガス
の非常に急速な圧縮と極めて強力なブローを生じる。

接点30及び31間に介入する補助距離によるアークの延
長は容積35のガスをより良く加熱することを可能にす
る。

−容積35のガス圧力増加の第３の効果は可動装置と一体
的なピストン42に対して強い圧力を加え、これが遮断器
の開路操作のための補助エネルギをもたらすことであ
る。

開路行程の終りには、ばね25はボール22が切欠き24内
に落下するまでピストン14を動かす。

開路運動の終りには（第４図）、シリンダ５、管７、
クラウン12及びピストン14で構成されるブローシリンダ
はピストン14を押し、ボール22をその切欠き24から出さ
せる。ピストン14はばね25の作用でストッパ15Aまで前
進することができる。こうしてピストン14と一体的な電
極30も同様に移動する。

電極32と接点30との間の距離L2はアーク接点4A及び5A
間の距離L1より小さい。

こうして閉路時には、閉じた容積35内に放電が生じる
ことは無い。

遮断器の閉路 管６は図の左方へ動かされる。ストッパ6Cは管５を駆
動する。容積35内の僅かな過圧が、合致する穴46及び47
によって管５の内部の体積70の方へ排出される。

閉路操作の終りには、第１図の配置が再び見い出され
る。

容積20内の突発的な減圧によるあらゆる抵抗は弁17の
開放によって避けられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の遮断器の切断室が閉路状態にある場合
を表す軸方向部分半断面図、第２図は低強度電流を切断
している開路行程状態を表す同様の断面図、第３図は高
強度電流を開路した状態を表す同様の断面図、第４図は
開路操作終了時の同様の断面図である。 １……ジャケット、２……接触ピン、４……金属シリン
ダ、５……シリンダ、７……金属管、5B……管状部、14
……固定ピストン、15……金属管、23……ボール式スト
ッパ、30,31……副次接点、35……容積。

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】加圧誘電性ガスが満たされた絶縁性のジャ
   ケットを有する高圧遮断器であって、ジャケットの内部
   に、互いに離間した第１の固定主接点及び第２の固定主
   接点と、第１の固定主接点の対応位置に配置された固定
   アーク接点と、第２の固定主接点の対応位置に配置され
   た筒状の固定部材と、一端が第２の固定主接点に摺動自
   在に接触していると共に固定部材を同軸的に収容してお
   り、他端が第１の固定主接点に接触するように並進移動
   自在な筒状の可動主接点と、可動主接点及び固定部材と
   協働して環状の空所を規定するように可動主接点及び固
   定部材に同軸的に収容されていると共に可動主接点に固
   定されており、一端が固定アーク接点に接触するように
   構成された筒状の可動アーク接点と、可動アーク接点の
   他端に固定されており、前記空所を部分的に規定する第
   １のピストンと、可動主接点及び可動アーク接点の間に
   摺動自在に受容され、且つばねを介して前記固定部材に
   支持されており、前記空所を前記可動アーク接点の一端
   側の第１の容積と前記可動アーク接点の他端側の第２の
   容積とに仕切る第２のピストンと、第１のピストンに設
   けられた、第２の容積への第１の一方向弁と、第２のピ
   ストンに設けられた、第１の容積から第２の容積への第
   ２の一方向弁と、固定部材に固定された第１の副次接点
   と、第２のピストンに固定されており、第１の副次接点
   に近接するように構成された第２の副次接点とを備え、
   前記第１及び第２の副次接点は前記第２の容積の内部に
   配置される高圧遮断器。
2. 【請求項２】第２のピストンが、可動主接点及び固定部
   材の間に配置された円筒部材を有しており、円筒部材
   は、先端において、ホール式ラチェット機構によって固
   定部材に結合されている請求項１に記載の高圧遮断器。
3. 【請求項３】円筒部材の先端部と固定部材の一端との間
   に圧縮ばねが設けられている請求項２に記載の高圧遮断
   器。
4. 【請求項４】可動アーク接点の他端に第３の副次接点が
   設けられており、遮断器が開いているとき、第２のピス
   トンが固定部材に当接するように構成されており、第１
   の副次接点及び第３の副次接点は、第１の副次接点及び
   第３の副次接点間の距離が、固定アーク接点の先端及び
   可動アーク接点の先端の間の距離より小さくなるように
   配置されている請求項１から３のいずれか一項に記載の
   高圧遮断器。
5. 【請求項５】固定部材には、遮断器が開いているとき、
   第２のピストンに接触する第４の副次接点が設けられて
   いる請求項１から４のいずれか一項に記載の高圧遮断
   器。
6. 【請求項６】可動アーク接点が、遮断器が再び閉じよう
   とするとき第２の容積内の過圧ガスを排出するように構
   成されている請求項１から５のいずれか一項に記載の高
   圧遮断器。