JP2579685B2 - 感熱転写材 - Google Patents

感熱転写材

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JP2579685B2 JP1168404A JP16840489A JP2579685B2 JP 2579685 B2 JP2579685 B2 JP 2579685B2 JP 1168404 A JP1168404 A JP 1168404A JP 16840489 A JP16840489 A JP 16840489A JP 2579685 B2 JP2579685 B2 JP 2579685B2
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は，特定の近赤外線を選択的に吸収する近赤外
線吸収剤を含む層を有する，耐光性に優れた，ほぼ無色
あるいはカラーの感熱転写材に関する。さらに詳細に
は，紫外線による近赤外線吸収効果の低下を抑えた，近
赤外線吸収剤を含む層を有する感熱転写材を用いて感熱
転写記録することにより耐光性に優れ，製品イメージに
合う，または目立たないバーコード等を与える感熱転写
材に関する。
（従来の技術） 従来，ファクトリーオートメーション,POS,流通にお
いて製品管理の合理化を図る為に製品にバーコードが付
与されているが，黒以外の色の色材のほとんどはバーコ
ードリーダーの検出波長域に充分な吸収を持っていない
為，色の選択範囲が限定される。その為，製品イメージ
に合わせて任意に色調のバーコードを付与することがで
きず，製品の美観を損なうものであった。
特開昭64−30788号公報でカーボンブラックを除く近
赤外線吸収剤を熱溶融性インキ層に添加する方法が提案
されているが，バーコードの例では耐光性が劣り，太陽
光に曝すと充分な吸収効果が得られなくなった。また，
単純に隠蔽性の高い色剤と混合した場合，近赤外線吸収
の効果が充分発揮されないという欠点があった。
また，ベースフィルムの表面に単に熱溶融性インキ層
を設けたものを用いて感熱転写記録することにより得ら
れる転写物表面は，平滑なベースフィルムと熱溶融性イ
ンキとの界面で剥離する為，平滑性が高く，光沢のある
表面になってしまう。しかし，光沢を有する面は一般に
角度によっては読取りが難しく，無光沢な印字表面が望
まれている。
（発明が解決しようとする課題） 本発明者等は，黒以外のバーコードを作成する方法に
ついて鋭意検討した結果，耐光性，美観に優れ，製品イ
メージを損なわないほぼ無色またはカラーのバーコード
用等の感熱転写材を提供するものである。
〔発明の構成〕
（課題を解決するための手段） すなわち，本発明は、基材に、熱転写時に凝集破壊を
起こす層、紫外線吸収剤を含む熱溶融性インキ層および
690〜1000nmに吸収極大波長を有する、カーボンブラッ
ク以外の近赤外線吸収剤を含む熱溶融性インキ層を順次
設けてなることを特徴とする黒以外のバーコード用感熱
転写材に関する。
本発明の感熱転写材は、紫外線吸収剤を含む層を有し
ているので、本発明の感熱転写材を用いてサーマルヘッ
ドにより記録した場合には、耐光性に優れ、製品のイメ
ージに合うほぼ無色またはカラーの黒以外のバーコード
記録物を得ることができる。上記バーコード記録物は、
近赤外線を吸収検出する通常のバーコードリーダーによ
って読み取ることができ、各種製品の製品管理のために
付与される製造ロット番号や品番などの照合に有効であ
る。
本発明の紫外線吸収剤は,290〜400nmの有害な紫外線
を吸収する作用を持つもので，たとえば表１の化合物を
挙げることができる。上記紫外線吸収剤を含む層を熱転
写時に凝集破壊を起こす層と近赤外線吸収剤を含む層と
の間に設けて紫外線対策を施すことにより，記録物中の
近赤外線吸収剤の劣化を防ぎ，紫外線による近赤外線吸
収効果の低下を抑えることができる。また紫外線吸収層
中に抗酸化剤を併用することによりさらに効果を高めて
もよい。
近赤外線吸収剤を含む層の上には，カラー化のために
カーボンブラック以外の任意の色材を含む熱溶融性着色
インキ層を設けることができる。上記着色層中に使用可
能な色材は，赤，緑，青，黄，紅，藍の染・顔料，パス
テル・白・パール顔料，螢光染料，金・銀色の金属粉末
等であり，特に制限を受けるものではない。
なお，場合によっては近赤外線吸収剤を含む層にカー
ボンブラック以外の着色剤を添加することも可能である
が，その場合，近赤外線の波長領域において隠蔽性の低
い色材を使うことが望ましい。例えば金属粉末のように
近赤外線の波長領域において隠蔽性の高い色材を使用す
る場合には近赤外線吸収剤と色材の層を分けたほうがよ
い。
本発明の近赤外線吸収剤とは通常690〜1000nm範囲の
電磁波を吸収するもので，例えば表２の化学構造式の化
合物やジチオール金属錯塩系，アントラキノン系，メル
カプトナフトール金属錯塩系，ナフトキノン系，シアニ
ン色素系等を挙げることができる。
ただし，用途によっては，異なる波長の近赤外線吸収
剤が用いられるために,1種または２種以上の近赤外線吸
収剤を使用することが好ましい。
熱転写時に凝集破壊を起こす層は、熱溶融性インキ層
の転写・剥離時に凝集破壊を起こし、その破壊表面に凹
凸により、バーコード記録物に艶消し効果を与え、バー
コードリーダーによる読み取りを容易にする。なお、凝
集破壊を起こす層には、通常は着色剤を含まない。凝集
破壊性層に含有される化合物としては，例えば高級脂肪
酸アミドもしくはその誘導体がある。なお，凝集破壊性
層については，特願昭62−60215号明細書に開示してあ
る。
本発明の紫外線吸収層，近赤外線吸収層，着色層およ
び凝集破壊層を基材上に設けるためにはホットメルトコ
ーティング法あるいは，より好ましくは上記化合物を媒
体中に分散した塗液をソルベントコーティングする方法
がある。紫外線吸収層，近赤外線吸収層および凝集破壊
層の塗布厚は，それぞれ0.1μｍ及至２μｍが適当であ
る。着色層の塗布厚は0.5ないし10μｍが適当である。
塗布厚が薄すぎると各層の効果が少なくなり，厚すぎる
と総塗布厚が大きくなり，転写材をロール巻きにしたと
き，巻き太りを起こしたり，エネルギー感度が低下して
しまう。
本発明の支持体には，従来公知のベースフィルムを用
いることができる。例えばポリエステルフィルム（ポリ
エチレンテレフタレート，ポリエチレンナフタレート
等），ポリアミドフィルム（ナイロン等），ポリオレフ
ィンフィルム（ポリプロピレン等），セルロース系フィ
ルム（トリアセテート等），ポリカーボネートフィルム
等がある。ポリエステルフィルムは，耐熱性，機械強
度，引張強度，引張安定性などが優れ最も好ましい。こ
の基材は薄いほど熱伝導性がよいが強度やインキ層の塗
工のし易さから３〜50μが最も好ましい。また，基材の
熱溶融性インキ層の反対面に耐熱性の樹脂からなるバッ
クコート層を設けてもよい。
本発明の熱溶融性インキ層には，従来公知の組成に使
用されている成分をそのまま用いることができる。かか
る成分の一例としては，ワックスおよび熱可塑性樹脂等
であり，これらをバインダーとして上記した染料や顔料
等によって着色したものなどが挙げられる。ワックスと
しては，キャンデリラワックス，カルナバワックス，ラ
イスワックス，木ろう，ホホバ油などの植物系ワック
ス，みつろう，ラノリン，鯨ろうなどの動物系ワック
ス，モンタンワックス，ペトロラタムなどの石油ワック
ス，合成ワックスとしてはフッシャートロピッシュワッ
クス，ポリエチレンワックスなどの合成炭化水素，モン
タンワックス誘導体などの変性ワックス，硬化ひまし
油，硬化ひまし油誘導体などの水素化ワックス，ラウリ
ン酸，パルミチン酸，ミリスチン酸，ステアリン酸,12
ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸，および脂肪酸ア
ミド，脂肪酸アニリド，イミドロウなどのワックス類，
樹脂としては，アクリル系，スチレン系，ロジン系，ビ
ニル系，アセタール系，ゴム系が好ましい。
上記熱溶融性インキには必要に応じて，少量の可塑
剤，分散剤，活性剤，帯電防止剤，安定剤等の添加剤を
混ぜることができる。
（実施例） 以下，実施例によって本発明を詳細に説明する。実施
例中の部は，すべて「重量部」を表す。
実施例１ 下記組成の塗液をアトライターにて常温で分散混合
し，凝集破壊層形成用インキを得た。得られたインキを
６μｍのポリエチレンテレフタレートフィルム上にグラ
ビアコート法にて塗布厚１μｍに塗布した。
ステアリン酸リチウム（融点216℃） １部 カルナバワックス 19部 エバフレックス420 １部 （三井ポリケミカル（株）製） トルエン 79部 ついで、下記組成の塗液をアトライターにて常温で充
分に分散し、得られた紫外線吸収インキを上記凝集破壊
層の上にグラビアコート法にて塗布厚１μｍに塗布し
た。
エチレン−酢酸ビニル共重合体 １部 （三井ポリケミカル（株）製「エバフレックス577-
2」） カルナバワックス（野田ワックス（株）製「カルナバワ
ックスNo.1」） 19部 ベンゾトリアゾール（日本チバガイギー（株）製「TINU
VIN 900」） 0.5部 抗酸化剤（日本チバガイギー（株）製「IRGANOX 101
0」） 0.1部 トルエン 50部 メチルイソブチルケトン 29.4部 さらに、下記組成の塗液をアトライターにて常温で充
分に分散し、得られた近赤外線吸収インキを上記紫外線
吸収層の上にグラビアコート法にて塗布厚1.6μｍに塗
布した。
エチレン−酢酸ビニル共重合体 １部 （三井ポリケミカル（株）製「エバフレックス577-
2」） カルナバワックス 19部 近赤外線吸収剤 0.2部 （ICIジャパン（株）製「PRO-JET IR SC101756」） トルエン 50部 メチルイソブチルケトン 29.8部 さらに、平均粒径0.5mmのガラスビーズが容積で60％
充填された５リットルのサンドミル中に予備混合した下
記組成物をギヤポンプによって２リットル／分の速度で
仕込み、サンドミルを10m/秒の速度で回転して混練を10
回繰り返し、得られた熱溶融性インキを上記近赤外線吸
収層の上にグラビアコート法にて塗布厚５μｍに塗布
し、感熱転写材を得た。
ライスワックス（野田ワックス（株）製「LP-200」）20
部 水性アクリル樹脂 ８部 （東洋インキ製造（株）製「リオクリルAP-2」、固形分
27％） 水 40部 エタノール 29部 CIダイレクトレッド２ ３部 （日本化薬（株）製「カヤラスベンゾパーブリン4B」） 得られた感熱転写材を用いて、バーコードラベルプリ
ンターでベック平滑度100秒の記録紙にバーコードを印
字したところ、耐光性に優れた艶消しのバーコード記録
物が得られ、読み取り波長780nmのバーコードリーダー
で読み取りが可能であった。また、記録物を晴天３日間
太陽光に曝したのち、分光光度計（島津製作所（株）
「UV-365」）にて780nmにおける反射率を測定したとこ
ろ、吸収率の低下は約８％であった。
比較例１ 実施例１の近赤外線吸収インキをグラビアコート法に
て６μｍのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗
布厚５μｍに塗布した。実施例１と同様の方法で評価し
たところ，読み取り波長780nmのバーコードリーダーで
読み取れたが，耐光性が悪く780nmにおける吸収率の低
下が約37％認められた。
比較例２ 実施例１の近赤外線吸収層および熱溶融性インキ層を
グラビアコート法にて６μｍのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に塗布厚それぞれ1.6μｍおよび５μｍ
に順次塗布した。実施例１と同様の方法で評価したとこ
ろ，読み取り波長780nmのバーコードリーダーで読み取
れたが，耐光性が悪く780nmにおける吸収率の低下が約3
0％認められた。
（発明の作用および効果） 本発明の大きな特徴は、紫外線吸収剤を含む層を設け
て紫外線対策を施すことにより、太陽光に曝されても劣
化しない、耐光性に優れたバーコードが得られる点にあ
る。本発明の感熱転写材を用いれば、近赤外線を吸収検
出するバーコードリーダーにより読み取れる、耐光性に
優れたバーコード記録物を得ることができる。
また、本発明の別の大きな特徴は、熱転写時に凝集破
壊を起こす層を有しているので、艶消し効果を有し、バ
ーコードリーダーによる読み取りが容易なバーコード記
録物が得られる点にある。
さらに、本発明の別の特徴は、近赤外線吸収剤を含む
層にカーボンブラック以外の着色剤を含有させることに
より、任意の色調の、製品のイメージに合う美しく高級
感のあるカラーのバーコード記録物が得られる点にあ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−159087（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−30788（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−57392（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−85990（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−1585（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−60794（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−224392（ＪＰ，Ａ)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】基材に、熱転写時に凝集破壊を起こす層、
    紫外線吸収剤を含む熱溶融性インキ層および690〜1000n
    mに吸収極大波長を有する、カーボンブラック以外の近
    赤外線吸収剤を含む熱溶融性インキ層を順次設けてなる
    ことを特徴とする黒以外のバーコード用感熱転写材。
  2. 【請求項２】上記近赤外線吸収剤を含む層が、さらにカ
    ーボンブラック以外の着色剤を含むことを特徴とする請
    求項１記載の黒以外のバーコード用感熱転写材。
  3. 【請求項３】上記基材の熱溶融性インキ層と反対面に耐
    熱保護層を形成してなる請求項１または２記載の黒以外
    のバーコード用感熱転写材。
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