JP2579309B2 - ラジアルタイヤ - Google Patents

ラジアルタイヤ

Info

Publication number
JP2579309B2
JP2579309B2 JP62029390A JP2939087A JP2579309B2 JP 2579309 B2 JP2579309 B2 JP 2579309B2 JP 62029390 A JP62029390 A JP 62029390A JP 2939087 A JP2939087 A JP 2939087A JP 2579309 B2 JP2579309 B2 JP 2579309B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carcass
tire
bead
maximum width
height
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62029390A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63199102A (ja
Inventor
義秀 児島
正博 奥
光重 出井
一夫 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP62029390A priority Critical patent/JP2579309B2/ja
Publication of JPS63199102A publication Critical patent/JPS63199102A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2579309B2 publication Critical patent/JP2579309B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、操縦安定性及び乗り心地を改善したラジア
ルタイヤに関する。
〔従来技術〕
近年、カーカスプライのコードをタイヤの周方向に直
角に配するとともに、トレッド部に沿って円周方向に強
固なブレーカ層を設けたラジアルタイヤが多用されつつ
ある。
しかし、このようなラジアルタイヤでは、ブレーカ層
の剛性が高く、従ってコーナリング力が大でありかつ転
がり抵抗を減じ耐摩耗性を向上できるとはいえ、このよ
うな剛性の大なるブレーカ層は路面の凹凸、突起物を乗
越す際の衝撃力の緩衝効果、即ちエンベロープ性能に劣
り、乗心地を悪くする。
他方ラジアルタイヤでは、カーカスプライが周方向に
直角に配列され、横剛性が減じるため、横ぶれ等を生じ
易く、このために、タイヤの高さを減じたいわゆる偏平
タイヤが用いられる。
しかしタイヤの偏平化するときには、縦方向の剛性を
も増すことにより、前記エンロープ性能をさらに低下さ
せ、路面の凹凸、突起物を乗り越す際の衝撃が、ビード
部、リムをへて車両に伝達されやすく、乗心地が阻害さ
れる。このように、操縦安静性と乗り心地性能とは二律
背反の条件ではあるが、ときに偏平タイヤえはこの傾向
が著しくなる。
他方、このようなラジアルタイヤは、従来、成型され
たタイヤに標準内圧を付加したときにもカーカスの変形
が生じない自然平衡形状となる内腔形状を具える金型に
いよって加硫、成形されている。
ここで自然平衡形状とは、自然平衡形状理論によって
求められるカーカスプロフアイルをいい、この自然平衡
形状理論とは、ホッフアバース(W.Hofferberth)が、K
autsch.Gummi(8−1955,124〜130頁)で論じたもので
あって、この理論は、ブレーカ層は内圧の充填によって
変形しない剛のリング体と考え、このブレーカ層と、他
方の変形を生じないビードコアーとの間に配され、サイ
ドウオール部からビード部に跨る不伸長のカーカスを、
該内圧の充填によって変形を生じない形状に、加硫金型
によって予め成形することを意図している。
なおこのホッフアバースの理論は、バイアスタイヤに
ついてのものであるが、赤坂氏によって、日本複合材料
学会誌VOL3.4(1977)の149〜154頁「ラジアルタイヤの
断面形状について」において、ラジアルタイヤにおいて
も適応しうるように拡張されている。
又この自然平衡形状理論の適用については、少なくと
も次の2点において補完するのが好ましい。
第1に、ブレーカ層が金属コードなどからなる場合に
おいても、実際には完全な剛体ではなく、内圧によって
多少の変形が生じ、特に偏平比が小さな偏平タイヤであ
るほど、内圧充填によるカーカスの押し上げによって、
該ブレーカ層が変形しがちであること。
第2に、ビード部付近では、カーカスの折り返し部
分、ビードエーペックス、その他の補強層によって剛性
が大であり、従って、ビードコアーから、通常リムポイ
ントといわれるカーカスプロフアイルの変曲点、即ち等
価ビード位置までの範囲では、自然平衡形状理論に一致
せず、従って、該理論による曲線は、前記等価ビード位
置を起点として考えること。
このように、従来のタイヤで採用される自然平衡形状
理論は、前記したごとく、加硫金型内で加硫成形された
金型内のタイヤを、標準のリムに装填しかつ標準の内圧
を充填したときにも、カーカスの形状の変化を伴わず、
カーカスに均一な張力を生じさせる曲線とするための理
論であり、又通常、加硫金型内においてモールドタイヤ
のクリップリング巾、即ちビード底部の外面間の長さ
は、装着されるリムの巾と等しく設定される。
翻って、前記した操縦安定性と乗心地との二律背反の
条件を充足するべく、このような自然平衡形状理論に基
づくカーカスプロフアイルを意識的に変形させる提案
が、例えば特公昭61−28521号(特開昭58−161603号)
公報によってなされている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前述のごとく、従来の自然平衡形状理論に基づくカー
カスプロフアイルでは、前記二律背反の条件を充足しえ
ない。又前記特公昭61−28521号公報が提案するタイヤ
(以下本明細書において変形タイヤ1Aという)は、第4
図に破線で示すごとく、前記自然平衡形状理論に基づく
曲線1B(一転鎖線で示す)に比べて、カーカスプロフア
イル上方部に曲率半径R1Aを小とし、従って上方部で
は、自然平衡形状理論のカーカスプロフアイルよりも、
外向きに膨出し、全体として上膨らみ形状に形成されて
いる。なお前記提案では、このようなカーカスプロフア
イルを得るには、前記クリップリング巾をリムの巾より
も大としたモールドを用いることを必須とする旨の主張
をしている。
しかしこのような変形タイヤ1Aにあっては、内圧充填
に際して全ブレーカ張力は増加するが、張力分布は従来
のタイヤの同様の傾向を示す。
なお、内圧充填によるタイヤ断面プロフアイルの変形
を考慮したものとして、横剛性、前後剛性を高めること
を意図して例えば特開昭61−157402号公報のものが、又
ラジアルタイヤにおける剛性の断層部分を中心とする初
期歪による早期故障を防ぐことを意図して特開昭54−13
6001号公報のものが提案されている。
しかしながら、前者は、内圧充填による最大せり出し
変形をカーカスの最大巾一に近いタイヤ半径方向外方で
導くものであり、下膨らみ状に変形させる本願とは基本
的に相違する。なお後者のものは、リムフランジ面を通
る半径線がカーカスのビード部で交わる交点から上方に
おいてカーカスが内圧充填に際してその内圧と、ベルト
層で生じる圧力以外には力を受けるつり合い状とし、か
つ前記交点下方を反転状とするものであるが、このもの
はビードワイヤの上端高さと同じ程度の低高さのリムフ
ランジを用いることを主体としている以上、本願とは、
別異の技術的思想に基づくといえる。
本発明は、カーカスの最大巾位置PMをリムベースライ
ンに近づけかつ最大巾位置の上方部、下方部の曲率半径
を適宜に設定し、ブレーカ層のシヨルダ部での張力を増
すとともに全ブレーカ張力を減じることによって、操縦
安定性に加えて乗心地をも改善でき、前記要請に適合し
うるラジアルタイヤの提供を目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、タイヤのトレッド部、サイドウオール部を
通りかつ両端をビード部のビードコアで折返したラジア
ル方向配列のカーカスと、該カーカスの主体部とその折
返し部との間に配されるとともにカーカスに沿ってのび
る先細かつゴム材からなるビードエーペックスと、前記
トレッド部の内方かつカーカスの外側に配され低伸張コ
ードからなるブレーカ層とを具えるとともに、正規リム
に取付けかつ標準内圧を充填した状態において、前記正
規リムのリムベースラインからカーカスの最大巾位置PM
迄の半径方向の高さhは、リムベースラインからトレッ
ド面最高位置までの半径方向の高さHとの高さ比h/Hは
0.4〜0.5であり、しかも前記最大巾位置PMを通りかつ前
記リムベースラインと平行な線Y上に夫々中心を有しし
かも前記ブレーカ層の少なくとも2層が重複する領域の
端部から前記リムベースラインと直角にのびる垂線Xが
トレッド部においてカーカスに交わる第1の交点P1と最
大巾位置PMとを通る円弧の曲率半径R1は、前記垂線Xが
ビード部においてカーカスに交わる第2の交点P2と前記
最大巾位置PMとを通る円弧の曲率半径R2よりも大とする
とともに、前記カーカスは、前記最大巾位置PMと前記第
2の交点P2との間の範囲において前記最大巾位置PM寄り
の外膨らみの上曲線部と、前記第2の交点P2寄りかつ該
上曲線部と変曲点Bをへて滑らかに連なる内膨らみの下
曲線部とを具え、この上曲線部の曲率半径は最大巾位置
PMから変曲点Bに向かって漸減することを特徴とするラ
ジアルタイヤである。
以下本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
リムRmに組こまれるとともに標準の内圧を充填した状
態の右半分を断面で示す第1図において、ラジアルタイ
ヤ1は、ビードコア2が通る両側のビード部3と、該ビ
ード部3から半径方向外向きにのびるサイドウオール部
4と、その上端を継ぐトレッド部5とを具えるととも
に、ビード部3、サイドウオール部4、トレッド部5に
は、前記ビードコア2のまわりを内側から外側に向かっ
て折返したカーカス6の本体部が跨設される。又トレッ
ド部5には、カーカス6の外側にブレーカ層7を配置す
るとともに、カーカス6の本体部とその折返し部との間
にはビードエーペックス9を設ける一方、タイヤ1は、
リムRmのフランジ11、11に、ビード部3を嵌合わせるこ
とにより、該リムRmに装着される。
前記カーカス6は、コードをタイヤ赤道面Cに対して
約80゜〜90゜の角度に配列したいわゆるラジアル方向コ
ード配列体であり、コードとしてナイロン、ポリエステ
ル、レーヨン、芳香族ポリアミド繊維、スチールが採用
される。このカーカス6は1〜3層のカーカスプライが
用いられる。
又、前記ブレーカ層7は、カーカス6側に配する第1
のプライ7Aとその上側の第2プライ7Bの例えば2層構造
体であり、第1、第2のプライ7A、7Bはともに金属コー
ドを用いてしかも夫々タイヤ赤道面Cに対して比較的浅
い角度でかつ逆方向にに傾斜して配される。又第1のプ
ライ7Aは第2のプライ7Bよりも広巾であり、又第1のプ
ライ7Aの両端は、サイドウオール部4とトレッド部5と
の交わり部下方まで延在している。又ビード部3には、
ビードコア2下端から、カーカス6の折返し部に沿って
上方にのびかつ前記ビードエーペックス9の上端をこえ
て延びる補強層9が設けられてる。なお補強層9は、金
属コードの他、適宜の有機繊維コードの1層又は複数枚
体からなる。
なお本実施例では、ラジアルタイヤ1は、標準内圧充
填時においてビード部3下端即ちリムベースラインRmB
からトレッド部5の上表面であるタイヤトレッド面12の
最大高さ点aまでの距離、即ちタイヤ全高さHと、タイ
ヤ巾Wとの比H/Wが1よりも小、例えば0.7以下の偏平タ
イヤとして形成されている。
さらに本発明のラジアルタイヤ1は、前記リムRmのリ
ムベースラインRmBからカーカスの最大巾位置PM迄の半
径方向を高さhと、前記タイヤ全高さHとの高さ比h/H
を0.4〜0.5の範囲に設定している。
又前記ブレーカ層7Aと7Bが重複する領域の端部bから
リムベースラインRmBと直角にのびる垂線Xがトレッド
部5においてカーカス6と交わる第1の交点P1と前記最
大巾位置PMとを通る円弧20の曲率半径R1は、前記垂線X
がビード部3においてカーカス6と交わる第2の交点P2
と、前記最大巾位置PMとを通る円弧21の曲率半径R2より
も大としている。なお前記円弧20、21は、前記最大巾位
置PMを通りかつ前記リムベースラインRmBと平行な線Y
上に夫々中心を有している。なお本明細書において、第
1の交点P1と最大巾位置PMとの間の範囲をカーカス6で
の上方部といい、最大巾位置PMと前記第2の交点との間
の範囲を下方部という。
このように高さh、曲率半径R1、R2を定めることによ
って、前記変形タイヤ1Aが、自然平衡形状理論に基づく
曲線に比べて、第4図に破線で示したごとく、ブレーカ
層7に連なる上方部が外に膨らむ上膨らみ状をなすのに
対して、本発明のタイヤ1は、第4図に実線で示すよう
に、最大巾位置PMの下方部において膨出する下膨らみ
の、いわゆるおたふく形状となる。なお高さの比h/Hが
0.5よりも小であり、かつ曲率半径R1が曲率半径R2より
も大であることは、カーカスプロフアイルを下膨らみと
し、自然平衡形状理論に基づく曲線とは異ならなせるた
めの要件であり、又高さ比h/Hは0.4以下であるときに
は、ビード部3において、カーカスラインが自然平衡形
状理論に基づく曲線1Bとは過度に異なり、ビード部3に
おける急激な曲率変化を生じさせ、該部分で応力集中が
生じ易く、耐久性を損ないがちである他、製造も困難と
なる。
なお自然平衡形状理論による曲線1Bは、次式により求
められる。
ここで、第3図に示すように、 D:ブレーカ層7の少なくとも2層が重複する領域の端部
bから半径方向に延び車軸Z(Z軸)と直角、従ってリ
ムベースラインRmBと平行な前記線Yと直角な垂線X
(r軸)がカーカス6に交わる交点(前記第1の交点P1
に相当)。
C:カーカスの最大巾の位置(前記最大巾位置PMに相
当)。
r:Z軸からのタイヤ半径方向の高さ。
rC:Z軸から前記カーカス上の前記点C(前記最大巾位置
PMに相当)までの半径方向の高さ。
rD:Z軸から、カーカス6の前記交点D(前記第1の交点
P1に相当)までの半径方向の高さ。
ΦD:前記交点D(前記第1の交点P1に相当)におけるカ
ーカス6に対する法線Y1と前記Z軸とがなす角。
なお(1)式においては、ベルト層7の少なくとも前
記端部bの近傍において、カーカス6が円弧をなすもの
として求められる。又(1)式は、前記交点D(前記第
1の交点P1に相当)を通るr軸と、Z軸との交点Gを原
点として求めたものであって、このように、高さrを与
えることによって、前記r軸からの水平方向の偏位量、
即ちZ値を計算でき、自然平衡形状理論による曲線を求
めうるのである。
さらに、ビード部3の部分では、前記したごとく、比
較的大なる曲げ剛性を有しており、従って、剛性の大な
る範囲の上端、即ち前記等価ビード位置Bから前記点C
をへて交点Dに至る領域において自然平衡形状理論は適
用される。なお、前記等価ビード位置Bの付近では、そ
の下方は、該位置Bの上方の、自然平衡形状理論により
求まる外向きに凸な円弧と滑らかに連なる内向きに凸な
円弧として形成され、該位置Bは変曲点即ちリムポイン
トをなす。
このように、自然平衡形状理論では、(1)式からも
明らかなように、前記高さrC、rDの位置及び前記角度Φ
Dを与えられたとき、その曲線が決定される。なお、前
記点CのZ値を予め与えるときには、角度ΦD、高さrC
の一方を与えることにより、他方を求めうる。
なお資源平衡形状理論の(1)式を、前記r値と、カ
ーカスプロフアイルの各部の曲率半径Rとによって表示
するごとく変換したときには、該自然平衡形状理論によ
る曲線は、r・R=一定として表示されうる。
従って、自然平衡形状理論によるカーカス6の曲線
は、r値の減小、即ち前記第1の交点P1から等価ビート
位置Bに亘って、徐々に曲率半径Rを増大する曲線とな
る。これに比して、前記特公昭61−28521号(特開昭58
−161603号)公報等の変形タイヤ1Aはその傾向を著大と
したものであり、他方、ラジアルタイヤ1は、第1の交
点P1から等価ビード位置Bにかけて曲率半径を減じるカ
ーカスプロフアイルを具えるのである。
さらに本例では、ラジアルタイヤ1においても前記第
1の交点P1から最大巾位置PMまでは自然平衡形状理論に
より求められたプロフアイルに近似した曲線を採用して
いる。なおここで採用する自然平衡形状理論による曲線
とは、(1)式において、最大巾位置PMまでの高さh
を、タイヤ全高さHの0.4倍以上0.5倍よりも小と予め規
定したうえ、該(1)式によって求められた曲線をい
い、カーカスプロフアイル全体を自然平衡形状理論に基
づき求めた曲線とは自ずと相違している。
さらに最大巾位置PMから第2の交点P2との間の範囲、
即ち下方部では、その曲率半径は、前記曲率半径R2の半
径端が通る円弧(第2図に細線で示す)よりも、交点P2
に向けて前記変曲点、即ち等価ビード位置B迄徐々に内
方に外れ半径を漸減し、変曲点Bに至る外膨らみの上曲
線部を形成するとともに、上曲線部は、変曲点Bにおい
て、曲率半径の中心点をカーカス6の外側に有し、第2
の交点P2を通る内膨らみの下曲線部と接し、このように
カーカス6の下方部は、外、内膨らみの上、下曲線部を
具えている。このようなカーカスプロフアイルは、前記
第1の交点P1から最大巾位置PMに至る上方部を形成する
自然平衡形状理論による曲線を下方部に延長して第2図
に示す破線1Bdに比べて、該タイヤ1の下方部は大幅に
タイヤ内方に凹む(なお、前記した第4図では、第1の
交点P1と下端の点(リムポイント)の高さを揃えて比較
したのに対して、第2図では、上方部のみの高さを略同
一として自然平衡形状理論による曲線の下方部を破線1B
dで示している)。
従って、上方部の円弧20の曲率半径R1に比べて、下方
部の円弧21の曲率半径R2が小となる。
又ラジアルタイヤ1では、下方部をこのように故意に
自然平衡形状理論に基づく曲線1Bに比べて内向きに変形
させて保持するため、曲げ硬さ、寸法の大なるビードエ
ーペックス9を用いている。
ビードエーペックス9は、前記変曲点Bを越えて、ビ
ードコア2から高さ9hまでのびる先細のゴム体であり、
そのゴム硬度は85〜98゜、好ましくは90〜95度(ショア
A硬度)の硬質ゴムを用いている。さらに前記変曲点B
におけるタイヤ軸方向の厚さ9tは、前記高さhの0.06〜
0.09倍程度、好ましくは0.07〜0.09倍程度とし、かつ高
さ9hを前記hの0.75〜0.90倍とし、従来のものに比べて
その形状を大に形成している。
前記したごとく、自然平衡形状理論によるカーカスプ
ロフアイルは、内圧充填によっても、該カーカスプロフ
アイルがその形状を変化しない曲線である。
これに対して、本願発明のラジアルタイヤ1では、内
圧充填後において、前記したごとく自然平衡形状理論に
よる曲線1Bに比して下膨らみとなり、又前記変形タイヤ
1Aは上膨らみとなる。
他方、ラジアルタイヤにおける操縦性能と乗心地性能
とは、前記したごとく、二律背反の条件であり、操縦安
定性能はブレーカ層の剛性を増すことにより向上し、乗
心地性能はブレーカ層剛性を低下させることによって向
上できる。
他方、ブレーカ層の剛性は、該ブレーカ層のコード自
体が有する剛性に加えて、内圧充填によって該ブレーカ
層7に作用する張力も、該ブレーカ層7の変形に際して
は抵抗となり、従ってこの張力もブレーカ層の剛さを増
す見掛けの剛性として作用する。
他方、自然平衡形状理論のカーカスプロフアイルを有
するタイヤにおいても、内圧の充填とともに、トレッド
面12のクラウン部分即ち中央部分がシヨルダに比べてブ
レーカ層張力が大となる張力分布を呈する。
これは、前記したごとく、ブレーカ層7は完全な剛体
ではなく、又カーカス6も実際は、内圧充填によってお
る程度伸長する。その結果、タイヤ軸心方向とほぼ平衡
なカーカスコード層を具えたカーカス6は、その膨張と
ともにブレーカ層7の下面を押し上げ、該ブレーカ層7
の半径を増す。この像径時においてブレーカ層7はその
中央部分が最も外に膨出し易く、従って、円周方向の張
力は、クラウン部分が最も大となりシヨルダ部分に至る
に従い漸減する張力分布を呈する(自然平衡形状理論に
おける曲線での張力分布を第5図に一点鎖線で示してい
る)。さらに本発明のラジアルタイヤ1の張力分布を実
線で示している。
前記した自然平衡形状理論における曲線1Bでの張力分
布に対して、本発明のラジアルタイヤ1の場合には、シ
ヨルダ部分で張力が増加する反面、中央部分で張力が減
少しており、さらに全体としての全張力が低下してい
る。
これは、前記したごとく、本発明のラジアルタイヤ1
は自然平衡形状理論に基づく曲線からは外れたカーカス
プロフアイルを具えていることによる。従って、内圧充
填に際しては、ブレーカ層7とともにカーカス6に作用
する各部の応力が、内圧と平衡するように変形し、この
変形によって自然平衡形状理論に基づく曲線1Bに近づく
のである。なお変形タイヤ1A、ラジアルタイヤ1は、こ
の変形後においても、自然平衡形状理論によるカーカス
プロフアイルとは、前記のごとく、その形状を異にして
いる。
その結果、ブレーカ層7の端部bの付近では、本発明
のラジアルタイヤ1においては、この自然平衡形状理論
に近づく変形は、第4図に示すように、カーカス6が上
方に変形することになり、ブレーカ層7を押し上げるご
とく作用する。このブレーカ層7の端部bの押し上げに
よって、該ブレーカ層7のシヨルダ側部分の張力を増
し、シヨルダ側部分の見掛けの剛性を向上しうるのであ
る。これに対して、変形タイヤ1Aの上膨らみの曲線(1A
で示す)は、自然平衡形状理論に近づく変形による結果
であって、むしろブレーカ層7を押し下げ、シヨルダ側
部分の張力を増加させえない。
さらに、全ブレーカ張力、即ちブレーカ層7の全巾に
わたって作用する円周方向の全張力は、第7図の参照し
て、次式により求める。
T=(1/2)×Dr・P(WB−2Ra・sinθ) ……(2) ここでTは全ブレーカ張力、Drはブレーカ層7の第1
の交点P1における内径、WBはブレーカ層の巾、Raは第1
の交点P1におけるカーカスの曲率半径、θは第1の交点
P1での接線が、リムベースラインRmBと平行な線となす
角度、Pは内圧である。
(2)式からわかるように、Ra、θを大にすることに
よって、ブレーカ層7に作用する全張力Tは低下する。
従って、最大巾位置となる点が他に比して半径方向外
方にあることにより第7図を参照して第4図に示すよう
に、上方部の曲率半径R1A、角度θがともに小となる変
形タイヤ1Aでは全張力Tが自然平衡形状理論による曲線
1Bの場合に比して大となり、又前記曲率半径R1が曲線1B
の場合よりも大かつ角度θも大となる本発明のラジアル
タイヤ1では、全ブレーカ張力Tを低下させうるのであ
る。
このように、ラジアルタイヤ1においては、ブレーカ
層7のシヨルダ側の部分の張力が大、しかも全ブレーカ
張力Tは減少する。
又見掛けの剛性をシヨルダ側の部分で増すことは、操
縦安定性能を向上しうる。
ラジアルタイヤ1では前記のごとくシヨルダ側部分に
おいて張力が増すことにより接地面における縁部d(第
6図(a)に示す)の見掛けの剛性が向上する。他方、
タイヤのコーナリング時におけるブレーカ層7の変形を
第6図(b)に示すように、コーナリングに際しては面
内で側方に膨れるごとく湾曲し、面内の曲げモーメント
が生じるのである。従って、本発明のタイヤ1のよう
に、接地面の側縁d即ちシヨルダ側部分での剛性を増す
ことによって、前記側縁dで大となる曲げモーメントに
対する反力、面内曲げ剛性を有効に高めることができ、
コーナリング力を向上することによって操縦安定性を改
善しうるのである。
さらに、ラジアルタイヤ1においてブレーカ層7全張
力を低下させることは、ブレーカ層7全体に渡るブレー
カ層のタイヤ半径方向における曲げ剛性、即ち面外曲げ
剛性を低下させることとなる。従って、路面の凹凸、突
起物を乗り越す際の衝撃を効果的に緩衝でき、乗心地を
改善できる。
なおカーカスプロフアイルとは、カーカス6の厚さ中
心を結ぶ線であり、又標準内圧とは、標準使用状態にお
いてタイヤに充填される内圧乃至はその上下10%の範囲
の圧力をいう。
〔実施例〕
タイヤサイズ185/60R14の第1図に示すタイヤを、第
1表に示す仕様により試作した。
さらに、第4図に示す、自然平衡形状理論に基づくカ
ーカスプロフアイル1Bを有するタイヤを比較例として試
作した。なおこれらのタイヤは、いずれもカーカスプロ
フアイルのみを異にし、その構造は、第1図のものと同
一としている。これらのタイヤを、5・1/2JJ×14の正
規のリムにリム組し、かつ標準内圧2.0kg/cm2の内圧を
充填し、各部の寸法を測定した。その結果を第1表に示
している。
さらにコーナリング力と突起乗越し時におけるタイヤ
軸に作用する反力を室内ドラム試験機で測定した結果
を、比較例1を100とした指数表示で第1表に併記して
いる。数字が大であるほど結果は良好であることを示
し、実施例品コーナリング力及び突起乗越において比較
例品よりも優れていることがわかる。さらに1.3のFF
車で実車のフイーリング評価を行った。その結果を同様
な指数表示によって第1表に示している。実施例品は操
縦安定性、乗心地性ともに優れている。
〔発明の効果〕 このように本発明のラジアルタイヤは、カーカスの最
大巾位置および最大巾位置の高さ比を0.4〜0.5とし、最
大巾位置の上方部の曲率半径R1を下方部の曲率半径R2よ
りも大、しかも下方部内に変曲点を位置させてその上曲
線部を外膨らみ、その下曲線部を内膨らみとしているた
め、カーカスライン、とくに上方部のカーカスラインの
曲率変化がベルト層のショルダ部を有効に押上げること
が可能となりショルダー部の見掛けの剛性を全張力を増
すことなく高めることができ、操縦安定性と乗心地性と
をともに充足しうるラジアルライヤを提供しうる。
【図面の簡単な説明】
第1図は内圧を充填した状態である本発明の一実施例を
示す断面図、第2図はそのカーカスプロフアイルを説明
する線図、第3図は自然平衡形状理論を説明する線図、
第4図は本発明のラジアルタイヤと、自然平衡形状理論
によるタイヤと、変形タイヤとの内圧充填後の状態の各
カーカスプロフアイルを誇張して示す線図、第5図は内
圧充填によるブレーカ層に作用する張力分布を示す線
図、第6図(a)は接地面における張力分布を示す線
図、第6図(b)はコーナリング力を説明する線図、第
7図は全張力の計算式を説明する線図である。 2……ビードコア、3……ビード部、4……サイドウオ
ール部、 5……トレッド部、6……カーカス、7……ブレーカ
層、8……補強層、 9……ビードエーペックス、20、21……円弧。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 一夫 兵庫県神戸市北区ひよどり台1丁目1番 地 (56)参考文献 特開 昭61−157402(JP,A) 特開 昭54−136001(JP,A) 特開 昭58−161603(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤのトレッド部、サイドウオール部を
    通りかつ両端をビード部のビードコアで折返したラジア
    ル方向配列のカーカスと、該カーカスの主体部とその折
    返し部との間に配されるとともにカーカスに沿ってのび
    る先細かつゴム材からなるビードエーペックスと、前記
    トレッド部の内方かつカーカスの外側に配され低伸張コ
    ードからなるブレーカ層とを具えるラジアルタイヤにお
    いて、 正規リムに取付けかつ標準内圧を充填した状態におい
    て、前記正規リムのリムベースラインからカーカスの最
    大巾位置PM迄の半径方向の高さhと、リムベースライン
    からトレッド面最高位置までの半径方向の高さHとの高
    さ比h/Hは0.4〜0.5であり、 かつ前記最大巾位置PMを通りかつ前記リムベースライン
    と平行な線Y上に夫々中心を有ししかも前記ブレーカ層
    の少なくとも2層が重複する領域の端部から前記リムベ
    ースラインと直角にのびる垂線Xがトレッド部において
    カーカスに交わる第1の交点P1と前記最大巾位置PMとを
    通る円弧の曲率半径R1は、前記垂線Xがビード部におい
    てカーカスに交わる第2の交点P2と前記最大巾位置PMと
    を通る円弧の曲率半径R2よりも大とするとともに、 前記カーカスは、前記最大巾位置PMと前記第2の交点P2
    との間の範囲において前記最大巾位置PM寄りの外膨らみ
    の上曲線部と、前記第2の交点P2寄りかつ該上曲線部と
    変曲点Bをへて滑らかに連なる内膨らみの下曲線部とを
    具え、 この上曲線部の曲率半径は最大巾位置PMから変曲点Bに
    向かって漸減することを特徴とするラジラルタイヤ。
  2. 【請求項2】前記ビードエーペックスは、ビードコアか
    ら前記変曲点をこえてのびしかも該ビードエーペックス
    のビード底から先端までの高さ9hは前記高さhの0.75〜
    0.90倍であり、変曲点Bの位置におけるタイヤ軸方向の
    圧さ9tが前記高さhの0.07〜0.09倍であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載のラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】前記ビードエーペックスはショアA硬度
    が、85〜98゜の硬質ゴムからなることを特徴とする特許
    請求の範囲第1、又は第2項記載のラジアルタイヤ。
JP62029390A 1987-02-10 1987-02-10 ラジアルタイヤ Expired - Fee Related JP2579309B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62029390A JP2579309B2 (ja) 1987-02-10 1987-02-10 ラジアルタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62029390A JP2579309B2 (ja) 1987-02-10 1987-02-10 ラジアルタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63199102A JPS63199102A (ja) 1988-08-17
JP2579309B2 true JP2579309B2 (ja) 1997-02-05

Family

ID=12274814

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62029390A Expired - Fee Related JP2579309B2 (ja) 1987-02-10 1987-02-10 ラジアルタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2579309B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101610918B (zh) * 2007-02-14 2011-12-07 株式会社普利司通 充气轮胎
JP4900016B2 (ja) * 2007-04-17 2012-03-21 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
JP6029265B2 (ja) * 2011-07-26 2016-11-24 株式会社ブリヂストン 空気入りラジアルタイヤ
JP2017507835A (ja) * 2014-02-27 2017-03-23 コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン タイヤの改善されたボディプライ形状
JP2016088221A (ja) * 2014-10-31 2016-05-23 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
EP3812180B1 (en) 2018-06-25 2023-12-13 Bridgestone Corporation Run-flat tire

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61157402A (ja) * 1984-12-28 1986-07-17 Bridgestone Corp 乗用車用へん平ラジアルタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63199102A (ja) 1988-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4282918A (en) Carcass arrangement in shoulder of pneumatic tire
JP3983270B2 (ja) 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP2574816B2 (ja) 安全タイヤ
JP3645277B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4648560B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP2554499B2 (ja) 扁平ラジアルタイヤ
JPH01101203A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JPH0123323B2 (ja)
US4976300A (en) Pneumatic tire profile
JP2579309B2 (ja) ラジアルタイヤ
JP2721359B2 (ja) ビート部耐久性に優れる空気入りラジアルタイヤ
JPS63154402A (ja) ラジアルタイヤ
JPH0717129B2 (ja) ラジアルタイヤ
JPH0648109A (ja) 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP4255254B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP3497941B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4263934B2 (ja) 空気入りタイヤ
EP0292563B1 (en) Radial tire for passenger cars and production thereof
JP2003516894A (ja) 構造エンジニアリングの第1の原則に基づくタイヤ構造
JPH1120405A (ja) 空気入りタイヤ
JP4177643B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3197951B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2003205702A (ja) 空気入りタイヤ、空気入りタイヤ用リムホイール、及びタイヤ・リム組立体
JP3730618B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3410648B2 (ja) 重荷重用タイヤ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees