JP2577322Y2 - プリンターの外装構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、プリンターの外装（ケ
ーシング）構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、プリンターの外装構造は、上面、
両側面および前後面の５面を覆うメインカバーと、底面
を覆うボトムカバーとの２分割構造、あるいはメインカ
バーから前面を覆うフロントカバーを更に分割した３分
割構造からなるものが一般的であった。

【０００３】また、プリンター内部の機器の冷却は、メ
インカバーの側面又は背面に格子状の排気穴を設けて、
そこからファンによって送られた熱を外部へ排出する
か、ボトムカバーに排気穴を設けて、この排気穴に吹き
出し口を向けて設置されたファンによって熱を外部へ排
出していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の外装構造のうち、前者の２分割構造では、例え
ばメインカバーの前面に用紙挿入口を開設し、この挿入
口から防音壁を内方向に突出して設けようとした場合、
金型構造が複雑になるという欠点があった。また２分割
構造の場合、メインカバーの一つの面にスイッチパネル
が設けられることが多いために、例えばＯＥＭ（相手先
ブランド）仕様の製品を製造する際に制約を受けること
があった。

【０００５】また後者の３分割の外装構造では、前面を
覆うフロントカバーに防音壁が設けられていないため、
外部にプリンター内の動作音が漏れるという欠点があっ
た。

【０００６】さらに、前者および後者には、上記した問
題点のほか、下記のような共通の課題があった。

【０００７】メインカバー成形用の金型の構造が複雑
で、金型の費用が高くつくので、部品単体価格、ひいて
はプリンター全体の価格が高くなる。またメインカバー
は、同一機種であれば仕様に関係なく共通使用されるた
め、そのメインカバーの一つの面にスイッチパネルを設
ける構造では、多様化するニーズに十分には対応できな
い。

【０００８】ところで、上記した従来のプリンターの内
部冷却構造のように、メインカバーの側面や背面に排気
穴を設けると、内部の騒音が外部へ漏れる問題があり、
またボトムカバーに対して平行にファンを設置すると、
大きな設置面積が必要となって、ファン自体や他の部品
の大きさが制約されるという問題があった。

【０００９】本考案は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、前面に用紙挿入口を備え、しかも
プリンター内の動作音が漏れにくく、ケーシングを構成
する各カバーの成形用金型の構造を簡略化でき、多様な
仕様にも容易にデザインの変更が可能なプリンターの外
装構造を提供することを目的としている。

【００１０】本考案のもう１つの目的は、プリンターの
内部を効率よく冷却でき、しかもプリンター内部の動作
音の漏れを少なくできるプリンターの外装構造を提供す
ることを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本考案のプリンターの外装構造は、プリンターの底面
を覆うボトムカバーと、用紙挿入口およびこの挿入口か
ら内方に突出した防音壁を備えるとともに、前記挿入口
を開閉することができるカバー部材を備え、プリンター
の前面を覆うフロントカバーと、用紙の排出口を備え、
プリンターの両側面および背面を覆うメインカバーと、
プリンターの上面を覆うトップカバーとから構成されて
いる。

【００１２】また請求項２記載のように、前記トップカ
バーに、スイッチパネルを設けてもよい。

【００１３】さらに請求項３記載のように、前記ボトム
カバーに排気穴を開設し、プリンター内部のボトムカバ
ー上にファンをその吹き出し口を側方に向けて設置し、
このファンの吹き出し口と前記排気穴とをダクトで接続
することができる。

【００１４】

【作用】上記の構成を有する本考案のプリンターの外装
構造によれば、ボトムカバー、フロントカバー、メイン
カバーそしてトップカバーに分割されているので、各カ
バーの金型による成形が容易になり、金型の構造が簡略
化される。また、簡単な構造の金型によりフロントカバ
ーの用紙挿入口より内向けに防音壁を一体に成形でき、
容易に防音効果を得ることができる。さらに前記挿入口
を開閉することができるカバー部材を設けているので、
カバー部材を閉じたときは、用紙挿入口を 閉塞でき、防
音効果をより高めることができる。

【００１５】請求項２記載の外装構造によれば、トップ
カバーまたはスイッチパネルを交換することによって、
各種仕様にあわせてデザインを変更できる。

【００１６】請求項３記載の外装構造によれば、ファン
からの排気をダクトによって案内してボトムカバーの排
気穴へ導くため、騒音が直接外部へ漏れることがなくな
る。

【００１７】

【実施例】以下、本考案のプリンターの外装構造を具体
化した一実施例を図面を参照して説明する。

【００１８】図１は本考案にかかるプリンターの外装構
造の実施例を示す外観側面図、図２は図１のプリンター
の中央縦断面図である。

【００１９】図１および図２に示すように、プリンター
のケーシングは、底面を覆うボトムカバー１と、前面を
覆うフロントカバー２と、両側面および背面を覆うメイ
ンカバー３と、上面を覆うトップカバー４とに分割され
ている。そして、ボトムカバー１の前端部にフロントカ
バー２の下端部が、また、ボトムカバー１の後端部にメ
インカバー３の下端部がそれぞれ嵌合固定され、さら
に、トップカバー４の前端部がフロントカバー２に、ト
ップカバー４の後端部がメインカバー３にそれぞれ嵌合
固定されている。

【００２０】図２に示すように、フロントカバー２に
は、単票用紙を手差しによって挿入するための挿入口５
が開設され、この挿入口５にカバー部材１４が開閉自在
に取り付けられている。このカバー部材１４は、前方へ
開放した状態で水平に保持されるが、このためにカバー
部材１４の両側に円弧状のガイド部材１７の一端部が固
定され、ガイド部材１７の他端部がフロントカバー２の
両側面に係合するようになっている。カバー部材１４が
水平に開放された状態で、ほぼ面一に連続する用紙ガイ
ド１６がプリンターの内方へ向けて水平に配設されてい
る。またフロントカバー２の一部が、その上端部から用
紙ガイド１６の先端に向けて下向きに傾斜して延設さ
れ、防音壁６に形成されている。用紙ガイド１６の奥に
は、給紙ローラ１７が配備され、さらにその奥に印字ヘ
ッド１９とプラテン１８とが対向して設けられている。
それに加えて、カバー部材１４を閉じたときには、図２
から明らかなように、内方へ突出した防音壁６がカバー
部材１４の収容スペースを形成し、そのカバー部材１４
が挿入口５を閉塞し、フロントカバー２の前面と面一と
なり、前方への突出部分がなくなる。

【００２１】カバー部材１４の下方には、トラクタカバ
ー部材１３が開閉可能に装着されている。このトラクタ
カバー部材１３の下方には、閉鎖状態で連続帳票の挿入
口１３ａが形成される。トラクタカバー部材１３の内側
には、トラクタ１２が配備されている。

【００２２】メインカバー３の背面の中央部に開口部が
開設され、この開口部の上部にペーパースタッカー８が
開閉自在に軸支されるとともに、ペーパースタッカー８
の下方に、別のトラクタカバー部材１５が開閉自在に軸
支されている。トラクタカバー部材１５の内側には、別
のトラクタ１１が配備されている。またペーパースタッ
カー８の上面を覆うウインドカバー７が、メインカバー
３の上端部に回転自在に取り付けられている。そして、
ウインドカバー７とペーパースタッカー８とにより、用
紙排出口９が形成されている。

【００２３】単票用紙は、用紙挿入口５から用紙ガイド
１６を通り給紙ローラ１７により印字ヘッド１９へ送ら
れて印字された後、用紙排出口９からペーパースタッカ
ー８へ排出される。また連続帳票は、挿入口１３ａから
挿入され、トラクタ１２により搬送され、印字ヘッド１
９へ送られ印字された後、用紙排出口９からペーパース
タッカー８へ排出される。

【００２４】図３は図１のプリンターの平面図である。
同図に示すように、トップカバー４の前部には、スイッ
チパネル１０が設けられている。

【００２５】図４は図１のプリンターの一部を拡大して
示す縦断面図である。同図に示すように、プリンター内
部の支持フレーム３１の側方に電源３２が配置され、こ
の電源３２から発生する熱を強制的に排出するファン３
３が、その吹き出し口をフレーム３１側に向けてフレー
ム３１と電源３２の間に配置されている。ボトムカバー
１の一部に排気穴３４が開設され、この排気穴３４から
ダクト３５が形成されて、フレーム３１に開設された排
気穴３１ａにダクト３５の一端が接続されている。そし
て電源３２の熱は、ファン３３により排気穴３１ａおよ
びダクト３５を通してボトムカバー１の排気穴３４から
下方へ排出される。また、ファン３３の吹き出し口の向
きを側方（横向き）にしているので、プリンター内部で
例えば印字ヘッド１９（図２）の移動方向と平行な空間
の冷却を効率よく行うことができる。

【００２６】

【考案の効果】以上説明したことから明らかなように、
本考案のプリンターの外装構造には、次のような優れた
効果がある。 （１）プリンターの前面に用紙挿入口を備えているの
で、使い易く、しかも挿入口から内方へ向けて防音壁が
設けられているので、プリンター内の動作音が漏れにく
い。またプリンターのケーシングを構成するカバーが４
分割されているので、各カバーの成形用金型の構造を簡
略化でき、金型費用を安くできる。さらに用紙挿入口を
カバー部材にて開閉するようにしているので、カバー部
材を閉じたときは、用紙挿入口を閉塞でき、プリンター
内の動作音を漏れにくくするのに有利である。

【００２７】（２）請求項２記載の外装構造では、上記
した(1)の効果に加えて、デザインの変更が容易なの
で、多様な仕様に対応できる。

【００２８】（３）請求項３記載の外装構造では、ファ
ンからの排気をダクトによって案内して底面へ導くた
め、騒音が直接外部へ漏れることがなく、また冷却効率
も高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるプリンターの外装構造の実施例
を示す外観側面図である。

【図２】図１のプリンターの中央縦断面図である。

【図３】図１のプリンターの平面図である。

【図４】図１のプリンターの一部を拡大して示す縦断面
図である。

【符号の説明】

１ ボトムカバー ２ フロントカバー ３ メインカバー ４ トップカバー ５ 挿入口 ６ 防音壁１０ スイッチパネル １４ カバー部材 ３１ａ 排気穴 ３３ ファン ３４ 排気穴 ３５ ダクト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B41J 29/13 B41J 29/08

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プリンターの底面を覆うボトムカバー
   と、用紙挿入口およびこの挿入口から内方に突出した防
   音壁を備えるとともに、前記挿入口を開閉することがで
   きるカバー部材を備え、プリンターの前面を覆うフロン
   トカバーと、用紙の排出口を備え、プリンターの両側面
   および背面を覆うメインカバーと、プリンターの上面を
   覆うトップカバーとから構成されることを特徴とするプ
   リンターの外装構造。
2. 【請求項２】 前記トップカバーに、スイッチパネルを
   設けた請求項１記載のプリンターの外装構造。
3. 【請求項３】 前記ボトムカバーに排気穴を開設し、プ
   リンター内部のボトムカバー上にファンをその吹き出し
   口を側方に向けて設置し、このファンの吹き出し口と前
   記排気穴とをダクトで接続した請求項１又は２記載のプ
   リンターの外装構造。