JP2575791B2 - デニム用綿糸の染色用染料、これを用いる染色法、ならびに染色物 - Google Patents

デニム用綿糸の染色用染料、これを用いる染色法、ならびに染色物

Info

Publication number
JP2575791B2
JP2575791B2 JP63089251A JP8925188A JP2575791B2 JP 2575791 B2 JP2575791 B2 JP 2575791B2 JP 63089251 A JP63089251 A JP 63089251A JP 8925188 A JP8925188 A JP 8925188A JP 2575791 B2 JP2575791 B2 JP 2575791B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
dyeing
denim
indigo
red
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63089251A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01261462A (ja
Inventor
均 越田
哲雄 坂川
隆幸 中山
公敏 加藤
広志 諏訪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP63089251A priority Critical patent/JP2575791B2/ja
Publication of JPH01261462A publication Critical patent/JPH01261462A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2575791B2 publication Critical patent/JP2575791B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、デニム用綿糸の染色に関し、詳細には、デ
ニム用綿経糸のような綿糸を染色する染料および染料組
成物、この染料または染料組成物を用いる綿糸の染色
法、ならびにこの染料または染料組成物を用いて着色さ
れた染色物に関するものである。
デニムは、衣料用生地としての綿の感触や丈夫さ等が
好まれ、作業用、婦人用ズボン、子供服等に広く使用さ
れている。
このようなデニムで作られたジーンズとしては、以前
から、ブルージーンズと称される衣料が広く普及してい
る。ブルージーンズが、このように多用されているの
は、インジコ染料により染色された生地の独特の色合い
と、経時的な色合いの変化が好まれ、この変化を応用す
ることによる感性を重視した衣料品の開発が可能なため
である。
しかし、近年ではファッションの多様化、個性化に伴
い、ブルージーンズのみでなく、赤色、黄色、緑色、黒
色など所謂カラージーンズの需要が増大してきた。その
ためジーンズ用生地であるデニムも、赤色〜褐色やグレ
ー色〜黒色などの各種の色調に着色することが要望され
ている。
〔従来の技術〕
カラージーンズの流行により要請されるカラーデニム
用綿糸の染色には、硫化染料、建染染料、反応染料また
はナフトール染料が使用されている。しかし、これらの
染料を使用して染色されたカラージーンズは、その染色
物の諸性質がインジゴ染料による染色物とは異なり、染
色生地から衣料におよぶ商品としての価値は、従来のブ
ルージーンズと異なることになる。
上述のように、ブルージーンズはその特有の色合いや
諸性質が衣料として好まれており、このような性能はカ
ラージーンズについても同様に望まれている。しかしな
がら、硫化染料、建染染料、反応染料またはナフトール
染料等による染色物ではこのような性能は得られない。
例えば、上記のような染料を用いる場合は、従来から
広く用いられているインジゴ染料を使用するブルージー
ンズ用ロープ染色設備で加工するには、これらの染料と
インジゴ染料の染着挙動が余りにも異なるため、このよ
うな染色加工には従来の設備は適用し難い。しかも、こ
れらの染料は塩素によるブリーチで殆ど脱色効果が期待
できず、したがって、インジゴ染料と通常の黄色および
赤色スレン染料を配合したブラック染めの綿経糸からな
るブラックデニムに、ブリーチを施すと青色のみが脱色
され黄色が残り著しく商品価値が損なわれる。すなわ
ち、インジコ染料と他の硫化染料、建染染料、ナフトー
ル染料、反応染料等との配合によるロープ染色物は、こ
れらの染料がインジゴ染料と異なり塩素によるブリーチ
で脱色効果が非常に小さいため、ブルーデニムにおける
ようなフェーディング効果が期待できず商品価値の面で
著しく見劣りがする。
以上のように、従来、インジゴ染料と同様の染着挙動
を示し、かつ性能も同様の染料は未だ紹介されておら
ず、従って、このような性能を有する新規の染料を用い
る綿糸の染色法、および染色された綿デニムやこのよう
なデニムを用いたカラージーンズも存在していない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、インジゴ染料と同様の染着挙動を示
し、かつブリーチにおけるような脱色効果もインジコ染
料と同様の性能を示す染料および染料組成物を提供する
ことである。
また、本発明の第2の目的は、上記の染料や染料組成
物を使用するデニム用綿糸のロープ染色法を提供するこ
とである。
さらに、本発明の第3の目的は、上記の染料または染
料組成物を使用し、赤色、橙色〜ブラウン色、またはグ
レー色〜黒色などの色調に染色したカラーデニム用綿糸
のような染色物を提供することである。
このような本発明の目的は、特定のキノフタロン誘導
体を染色色素として使用することにより達成された。す
なわち、キノフタロン誘導体単独で使用すれば、単色で
固有の色に着色することが可能で、黄色系および赤色系
のキノフタロン誘導体を混合して使用することによって
橙色〜ブラウン色に、またキノフタロン誘導体とインジ
ゴ染料とを混合して使用することによってグレー色〜黒
色に着色することが可能である。このような染料を使用
することにより、インジゴ染料染色法と同様の染色方法
により、染料の染着状態や染色物の経時的変化もインジ
ゴ染料に類似する染色物が得られる。このキノフタロン
誘導体単独、または赤色系及び黄色系のキノフタロン誘
導体からなる染料組成物や、キノフタロン誘導体とイン
ジゴ染料とを含有する染料組成物を使用する綿糸の染色
は、次の方法で可能である。例えば、多数の単糸を一本
のロープ状に揃えてトウの形にし、球状に巻き、この球
状綿糸を同時に多数本引き出して、絞りロールとエアリ
ング装置を付帯させた数対の染浴槽へ導き、短時間の染
色と酸化の工程を繰り返すことにより漸次濃厚に染色し
ていく連続的染色法であり、ロープ状のデニム用綿糸
を、キノフタロン誘導体を含有する染浴に浸漬し、絞
り、空気酸化を繰り返して染色する方法により赤色や橙
色〜ブラウン色さらにグレー色〜黒色のカラージーンズ
を得ることができる。
〔課題を解決するための手段〕
一般にブルージーンズ用デニムの綿糸は、多数の単糸
を一本のロープ状に揃えてトウの形にし、球状に巻き、
この球状綿糸を同時に多数本引き出して、還元された形
のインジゴ染料の液の入った数対の染浴槽へ導き、短時
間の浸漬と絞り、酸化の工程を繰り返すことにより連続
的に染色される。
本発明者らは、キノフタロン誘導体が、通常、セルロ
ーズ繊維の染色法では木綿に対して染着性がないが、驚
くべきことに前記のようなデニム用綿糸の染色工程の繰
り返しにより、一般式(I)又は(II)で表されるキノ
フタロン誘導体では漸次濃厚な赤色〜橙色に、一般式
(III)又は(IV)で表わされるキノフタロン誘導体で
は漸次濃厚な黄色に染色されること、すなわち、これら
のキノフタロン誘導体がインジゴ染料と同様の染着挙動
を示し、浸漬し、絞り、空気酸化を繰り返すことによる
デニム用綿糸のロープ染色が適用可能であることを見出
した。しかも染色物は耐光性が良好で、かつインジゴ染
色物と同様、塩素によるブリーチでの脱色効果や、染色
物の経時的変化もインジゴ染料と同様の性質を示すこと
を見出した。染着挙動がインジゴ染料と近似しているの
で、インジゴ染料との組合せによる黒色を始めとする配
合色の色出しが可能であり、カラージーンズの要望に対
応できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明に使用するキノフタロン誘導体は、一般式
(I)又は(II) (式中、XはH、BrまたはCl原子を、YはH、−COOR又
は−NHR(ここで、Rはアルキル基を示す)を示す)で
表される赤色系キノフタロン誘導体であり、また本発明
の染料組成物は、これら一般式(I)又は(II)の誘導
体の一種以上とインジゴ染料、一般式(I)又は(II)
の誘導体の一種以上と一般式(III)又は(IV) (式中、XはH、BrまたはCl原子を、YはH、−COOR又
は−COOC2H4OR基(ここで、Rはアルキル基を示す)を
示す)で表される黄色系キノフタロン誘導体,あるいは
これら三種の染料からなる組成物である。
また、本発明の染色方法は、デニム用綿経糸をロープ
状として、上記のような染料または染料組成物を含有す
る染浴に浸漬し、絞り、空気酸化を繰り返して染色する
ことを特徴とするデニム用綿糸のロープ染色法である。
さらに本発明の染色物は、このような方法で着色され
た染色物である。
本発明に用いる黄色系キノフタロン誘導体は上記の一
般式(III)又は(IV)で表されるものであり、具体的
にはつぎのような化合物が挙げられる。
すなわち、2−フタロイルメチリジン−3−ヒドロキ
シキノリン、2−フタロイルメチリジン−3−ヒドロキ
シ−4−ブロモキノリン、2−(エトキシエトキシカル
ボニルフタロイルメチリジン)−3−ヒドロキシキノリ
ン、2−(メトキシカルボニルフタロイルメチリジン)
−3−ヒドロキシキノリン、2−フタロイルメチリジン
−3−ヒドロキシ−4−クロロキノリン、2−ナフタロ
イルメチリジン−3−ヒドロキシキノリンが例示され
る。
これらの誘導体は、広い範囲での黄色系の色相を示
し、単独の使用でイエロージーンズの要望に応えること
ができる。
また、本発明に用いる赤色系キノフタロン誘導体は、
上記の一般式(I)又は(II)で表されるものであり、
具体的には 式(I)化合物としては 式(II)化合物としては が例示される。
これらの誘導体は広い範囲で赤色系の色相を示し、単
独の使用でレッドジーンズのようなカラージーンズの要
望に応えることができる。
本発明の染料組成物としては、上記の赤色系キノフタ
ロン誘導体と黄色系キノフタロン誘導体とを含有してな
るもの、赤色系キノフタロン誘導体とインジゴ染料とを
含有してなるもの、および赤色系と黄色系のキノフタロ
ン誘導体と更にインジゴ染料とを含有してなるものであ
り、赤色系および黄色系キノフタロン誘導体はそれぞれ
一種でも二種以上を混合して使用してもよい。
この一種以上の赤色系キノフタロン誘導体と、一種以
上の黄色系のキノフタロン誘導体及び/又はインジゴ染
料を含有してなる組成物において、種々の配合比率によ
り赤色、橙色〜ブラウン色、またはグレー色〜黒色に着
色可能な各種組成物を調製できる。例えば、ブラックジ
ーンズを得るためには、2−フタロイルメチリジン−3
−ヒドロキシ−4−ブロモキノリンキノリンと式(II)
の化合物とインジゴを約3:6:1の比率で含有してなる染
料組成物を適用するとよい。
染料組成物においては、インジゴ染料と赤色系および
黄色系キノフタロン誘導体との配合比率は特に限定され
ないが、所望の色相に応じてインジゴ染料と赤色系キノ
フタロン誘導体および黄色系キノフタロン誘導体とを各
々任意の割合で含有し、この組成物100部に対して、各
種の添加剤、例えば無水芒硝のような中性無機塩1〜20
部、リグニン系分散剤のようなアニオン系界面活性剤を
20部以下含有させて調製される。このような方法で得ら
れる染料組成物は、通常、粉状品として提供されるが、
組成物の形態は使用目的に応じて紛状品、顆粒品、ペー
スト品等の所望に応じ、各種の形態のものとして提供す
ることができる。
上記の誘導体または組成物を使用する本発明の染色方
法は、デニム用綿糸をロープ状とし、上記の一般式
(I)または(II)の赤色系キノフタロン誘導体、ある
いはこの赤色系キノフタロン誘導体を含む染料組成物を
含有する染浴に浸漬し、絞り、空気酸化を繰り返してデ
ニム用綿糸のロープ染色を実施する。
これらの赤色系及び黄色系キノフタロン誘導体を含有
する染浴は、アルカリ剤として、例えば苛性ソーダや、
苛性ソーダとソーダ灰混合のアルカリを加え調製する。
染浴中の前記キノフタロン誘導体の濃度は、所望の染色
物の濃度に応じて決められる。一般に濃厚原液を10〜50
g/の範囲で別浴として準備し、この濃厚原液を用いて
染浴中の濃度が0.5〜10g/の染色浴をそれぞれ調製す
る。
また、アルカリの使用量は前記キノフタロン誘導体を
溶解し得る量から少過剰使用すれば良い。ただし、染浴
中において前記キノフタロン誘導体は、必ずしも完全に
溶解する必要はない。
本発明の方法では、前記赤色系キノフタロン誘導体を
単独で使用して赤色〜橙色の色相の染色物を得るほか、
それを黄色系キノフタロン誘導体及び/またはインジゴ
と併用して、染色物の色相を、例えば橙色〜ブラウン色
やグレー色〜黒色の所望の色相にすることができる。
このためには、前記二種のキノフタロン誘導体とイン
ジゴ染料とを同一の染浴に併存させて染色する方法、お
よび前記の赤色キノフタロン誘導体の染浴、黄色キノフ
タロン誘導体の染浴及びインジゴ染料を含有する還元浴
を別々に調製し、それらを使用して染色する方法等が挙
げられる。
同一の染浴にキノフタロン誘導体とインジゴ染料を併
存させる染浴では、それぞれ個別に準備されたキノフタ
ロン誘導体とインジゴ染料を使用してもよく、本発明の
染料組成物を使用してもよい。
個別に準備された赤色系と黄色系キノフタロン誘導体
とインジゴ染料とを使用する場合は、先ずインジゴ染料
を、所望の色相に応じて必要量を使用し、インジゴ染料
を還元するのに必要なアルカリ、例えば苛性ソーダとハ
イドロサルファイトのような還元剤を添加し、室温ない
しは70℃で還元して還元浴を調製し、ついで、このイン
ジゴ染料の還元浴に赤色系と黄色系キノフタロン誘導体
を加えて三者を併存させた染浴を調製する。また、本発
明の染料組成物を使用する場合も、還元に必要な量の還
元剤とアルカリを加えて染浴を調製する。
また、染料として赤色系と黄色系キノフタロン誘導体
のみを含有する染浴、およびインジゴ染料のみを含有す
る還元浴をそれぞれ別に調製して染色する方法では、キ
ノフタロン誘導体を含有する染浴は前記のようなアルカ
リを加える方法で調製し、インジゴ染料を含有する還元
浴は染浴とは別浴の濃厚還元槽に苛性ソーダとハイドロ
サルファイトを添加し、前記と同様、室温ないしは70℃
で還元して濃厚還元浴を調製し、この還元浴から適度の
濃度の染浴に導く。
また赤色系キノフタロン誘導体と黄色系キノフタロン
誘導体との併用により染色する際にも、それぞれを別浴
に準備してもよく、同一の染浴に併存させてもよい。
本発明の染色方法の代表的実施態様はつぎの通りであ
る。すなわち、一般的なブルージーンズ用綿経糸と同様
に、多数の単糸を一本のロープ状に揃えてトウの形にし
球状に巻いた球状綿経糸を使用し、この球綿経糸を同時
に多数本引き出して、前記のように調製された染浴また
は還元液を入れた数対の染浴槽に短時間の浸漬をし、つ
いで絞り、さらに空気酸化の工程を繰り返すことにより
連続的に染色する。
例えば、赤色系と黄色系キノフタロン誘導体を含有す
る染浴およびインジゴ染料を含有する還元浴のそれぞれ
別浴による場合は、デニム用綿糸をインジゴ還元液のみ
を含む染浴槽へ浸漬、マングルで絞ったのちに空気酸化
する工程を数回繰り返して紺色に染色した後、赤色系と
黄色系キノフタロン誘導体のアルカリ溶解液、またはそ
れに加えてハイドロサルファイトを含む染浴に浸漬させ
て赤色および黄色を上掛け染色する。このような方法を
デニム用綿糸の所望の色相に応じて、数回繰り返して上
掛け染色する。
このような方法によってデニム用綿糸の配合色出しが
可能である。この方法は作業性の点から好ましい。
本発明の方法において、キノフタロン誘導体は、特に
還元操作を加えることなくアルカリ溶解液へデニム用綿
糸の浸漬を繰り返すことにより、漸次濃厚に染色するこ
とが可能であるが、インジゴ染料の場合と同様の還元操
作を与えることにより、より染着効果を増大させること
も出来る。
〔作用および効果〕
デニム用綿糸の連続的なロープ染色において本発明の
方法を適用すれば赤色、橙色〜ブラウン色、さらにグレ
ー色〜黒色等の幅広い色出しが可能である。得られた染
色物は耐光性が良好で、かつ塩素漂白による脱色機能を
有し、経時的な色調の変化はほとんどない。
染色された綿糸はこれを例えば経糸として、未染色糸
または染色糸と綾織としてカラーデニムを製造し、これ
を用いるカラージーンズとしての市場の要請に対応でき
るものである。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により説明する。なお、「部」
は重量部を示す。
実施例1 ミツイインジゴピュアーEX(三井東圧染料株式会社製
インジゴ)50部、固形苛性ソーダ40部、ハイドロサルフ
ァイト45部および水を加えて1000部とした液を70℃にて
15分間加熱してインジゴの濃厚還元液を得る。この液60
部をハイドロサルファイト1部、苛性ソーダ0.5部およ
び水を加えて1000部とし、インジゴの染色浴を調製し
た。この中へ湯洗したデニム用綿経糸を室温で30秒間浸
漬し、マングルで絞ったのち90秒間エアリングした。こ
の浸漬、絞り、エアリングの工程を6回繰り返した。次
にこの綿経糸を次式(A) で表わされる赤色系キノフタロン化合物1部、次式
(B) で表わされる黄色系キノフタロン化合物1.5部、固形苛
性ソーダ1.5部、および水を加えて1000部とした染浴
に、室温で30秒間浸漬し、マングルで絞ったのち90秒間
エアリングした。
この工程を2回繰り返した。水洗したのち乾燥すると
黒色のデニム用綿経糸が得られた。この染色物は耐光が
優れており、10%の有効塩素を含む次亜塩素酸ソーダの
3g/液に浸漬して40℃で20分間処理すると脱色効果が
得られた。
実施例2 前記式(A)で表される赤色系キノフタロン化合物2
部と前記式(B)で表わされる黄色キノフタロン化合物
6部、ミツイインジゴピュアーEX(三井東圧染料株式会
社製インジゴ)12部、ハイドロサルファイト20部、固形
苛性ソーダ20部および水を加えて1000部とした液を70℃
にて15分加熱して濃厚還元液を得た。
この液100部をハイドロサルファイト1部、苛性ソー
ダ0.5部および水を加えて1000部とし、染色浴を調製し
た。この中へ湯洗したデニム用綿経糸を室温で30秒間浸
漬し、マングルで絞ったのち90秒間エアリングした。こ
の浸漬、絞り、エアリングの工程を3回繰り返したのち
水洗、乾燥すると黒色のデニム用綿経糸が得られた。
この染色物は耐光が優れており、10%の有効塩素を含
む次亜塩素酸ソーダの3g/液に浸漬して40℃、20分間
処理すると脱色効果が得られた。
実施例3 実施例2においてインジゴピュアーEXおよび式(B)
の黄色のキノフタロン化合物を除いた他は実施例2と同
様の条件で処理した場合、赤色のデニム用綿経糸が得ら
れた。この染色物は耐光が優れており、10%の有効塩素
を含む次亜塩素酸ソーダの3g/液に浸漬して40℃にて2
0分間処理すると淡赤色に脱色した。
実施例4 インジゴピュアーEX60部に式(C) の赤色キノフタロン化合物10部、2−フタロイルメチリ
ジン−3−ヒドロキシ−4−ブロモキノリン30部に無水
芒硝5部を加え、染料組成物を調製した。
この染料組成物20部、固形苛性ソーダ20部、ハイドロ
サルファイト20部および水を加えて1000部とした液を、
70℃にて15分間加熱して濃厚還元液を調製する。この調
製液250部にハイドロサルファイト1部、固形苛性ソー
ダ0.5部を加え、水で1000部とし染浴を調製した。この
染浴の中に湯洗したデニム用綿経糸を室温で30秒間浸漬
し、マングルで絞ったのち90秒間エアリングした。この
浸漬、絞り、エアリングの工程を6回繰り返したのち水
洗乾燥すると黒色のデニム用綿経糸が得られた。
この染色物は耐光が優れており、10%の有効塩素を含
む次亜塩素酸ソーダの3g/液に浸漬して40℃、20分間
処理すると脱色され全体的に濃度が淡くなり色相はグレ
ー色であった。
実施例5 実施例1の式(A)の化合物に替えて前記式(C)で
表わされるオレンジ色のキノフタロン化合物を用いて同
様な染色を行い、水洗、乾燥すると実施例1と同様に黒
色デニム用綿経糸が得られ、その耐光性も優れており、
10%有効塩素を含む次亜塩素酸ソーダの3g/液に浸漬
して40℃、20分間処理すると脱色効果が見られ、その色
相はグレー色であった。
実施例6 実施例3において式(A)の化合物に替えて前記式
(C)の化合物を用い同様な条件で処理した場合、オレ
ンジ色のデニム用綿経糸が得られ、この染色物は実施例
3と同様耐光性も優れており、10%有効塩素を含む次亜
塩素酸ソーダの3g/液に浸漬して40℃、20分間処理す
ると淡オレンジ色に脱色した。
比較例1 代表的な黄色系建染染料のC.I.Vat Red 31(Mikethre
n Red F3B s/f:三井東圧染料株式会社製)とインジゴピ
ュアーEX(三井東圧染料株式会社製)を用い、実施例2
と同様の方法で綿経糸を染色した。実施例2で得られた
綿経糸と比較するため染着状態の観察および次の方法に
よる脱色試験を行った。
染着状態:カッターナイフで染色糸を切断し繊維断面を
観察した。
脱色試験:10%有効塩素を含む次亜塩素酸ソーダの3g/
液に浸漬して40℃、20分間処理する。
結果を表1に示す。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)又は(II) (式中、XはH、BrまたはCl原子を、YはH、−COOR又
    は−NHR(ここで、Rはアルキル基を示す)を示す)で
    表される赤色系キノフタロン誘導体を含有してなるデニ
    ム用綿糸の染色用染料。
  2. 【請求項2】請求項1記載の一般式(I)又は(II)で
    表される赤色系キノフタロン誘導体の一種以上とインジ
    ゴ染料とを含有してなることを特徴とするデニム用綿糸
    の染色用染料。
  3. 【請求項3】請求項1記載の一般式(I)又は(II)で
    表される赤色系キノフタロン誘導体の一種以上と一般式
    (III)又は(IV) (式中、XはH、BrまたはCl原子を、YはH、−COOR又
    は−COOC2H4OR基(ここで、Rはアルキル基を示す)を
    示す)で表される黄色系キノフタロン誘導体の一種以上
    とを含有してなることを特徴とするデニム用綿糸の染色
    用染料。
  4. 【請求項4】請求項3記載の一般式(I)又は(II)で
    表される赤色系キノフタロン誘導体の一種以上と一般式
    (III)又は(IV)で表される黄色系キノフタロン誘導
    体の一種以上およびインジゴ染料とを含有してなること
    を特徴とするデニム用綿糸の染色用染料。
  5. 【請求項5】デニム用綿糸をロープ状として、請求項1
    記載の染料、請求項2記載の染料、請求項3記載の染料
    または請求項4記載の染料を含有する染浴に浸漬し、絞
    り、空気酸化を繰り返して染色することを特徴とするデ
    ニム用綿糸のロープ染色法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の染色法で染色されたデニム
    用綿糸。
JP63089251A 1988-04-13 1988-04-13 デニム用綿糸の染色用染料、これを用いる染色法、ならびに染色物 Expired - Lifetime JP2575791B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63089251A JP2575791B2 (ja) 1988-04-13 1988-04-13 デニム用綿糸の染色用染料、これを用いる染色法、ならびに染色物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63089251A JP2575791B2 (ja) 1988-04-13 1988-04-13 デニム用綿糸の染色用染料、これを用いる染色法、ならびに染色物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01261462A JPH01261462A (ja) 1989-10-18
JP2575791B2 true JP2575791B2 (ja) 1997-01-29

Family

ID=13965541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63089251A Expired - Lifetime JP2575791B2 (ja) 1988-04-13 1988-04-13 デニム用綿糸の染色用染料、これを用いる染色法、ならびに染色物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2575791B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2031419C (en) * 1989-12-06 1995-06-20 Hitoshi Koshida Benzoquinone dye, rope-dyeing dye compositions, cotton rope-dyeing methods using same, and the thus dyed materials
ES2174156T3 (es) * 1996-09-05 2002-11-01 Bayer Ag Perinonas, quinoftalonas y perinona-quinoftalonas puenteadas.

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01261462A (ja) 1989-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2770437B2 (ja) ロープ染色法及びロープ染色物
KR930006365B1 (ko) 데님용 면사의 로프염색용 염료 조성물을 이용하는 염색법 및 염색물
DE2818653C2 (ja)
KR910004555B1 (ko) 데님(denim)용 면사의 염색용 염료 조성물
JP5312934B2 (ja) レッドバット染料の混合物、それらの製造、及びヒドロキシル含有材料を染色するためのそれらの使用
JP2575791B2 (ja) デニム用綿糸の染色用染料、これを用いる染色法、ならびに染色物
US5516338A (en) Water-soluble titanium salt-tannin dyes and methods of use thereof
JP2602937B2 (ja) ロープ染色用染料、これを用いる染色法、ならびに染色物
JP2515361B2 (ja) デニム用綿糸の染色用染料、これを用いる染色法、ならびに染色物
CA2031419C (en) Benzoquinone dye, rope-dyeing dye compositions, cotton rope-dyeing methods using same, and the thus dyed materials
KR910006135B1 (ko) 데님용 면사의 염색용 염료조성물을 사용하는 염색방법 및 염색물
US2508203A (en) Process for dyeing animal hairs with anthraquinone vat dyestuffs
JPH0532911A (ja) ロープ染色用染料組成物、これを用いる染色法、ならびに染色物
CH667101A5 (de) Dispersionsfarbstoff-mischungen.
JPS5936037B2 (ja) 抜蝕捺染法
JPH03223363A (ja) ロープ染色用染料および染料組成物、これらを用いる染色法、ならびに染色物
JP2006176935A (ja) 繊維製品の彩色方法
CH688670GA3 (de) Verfahren zur Herstellung spezieller Colorierungseffekte auf Textilmaterial und Farbstoffmischungen hierfuer.
JPS59164366A (ja) モノアゾ化合物及びそれを用いる疎水性繊維の染色又は捺染法
MXPA01005973A (en) Dyeing process and dye composition