JP2574802B2 - 比熱測定装置 - Google Patents

比熱測定装置

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JP2574802B2 JP18303587A JP18303587A JP2574802B2 JP 2574802 B2 JP2574802 B2 JP 2574802B2 JP 18303587 A JP18303587 A JP 18303587A JP 18303587 A JP18303587 A JP 18303587A JP 2574802 B2 JP2574802 B2 JP 2574802B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、比熱測定装置に関し、さらに言えば、質量
が既知である固体試料の比熱を断熱容器を使用して測定
する比熱測定装置に関するものである。
[従来の技術] セラミック材料などの固体物質の比熱を測定する場
合、従来は、例えば次のようにして行っていた。まず、
内部に水を収容した断面容器と、比熱を測定しようとす
る物質(以下、被測定物質という)の試料とを用意す
る。次に、その試料を所定温度に加熱した後、前記水に
投入して撹拌する。水中でその試料は水との間で熱交換
を行い、やがて熱平衡に達するので、その時の温度(熱
平衡温度)を測定する。加熱された前記試料の温度(加
熱温度)と前記平衡温度との差より、前記試料の放出す
る熱量すなわち熱容量の値を知ることができる。そこ
で、その熱容量値と、予め測定しておいた前記試料の質
量値から、その試料の比熱が算出される。その際の熱容
量測定には、例えば水熱量形が使用される。
[解決すべき問題点] しかし、この従来の方法では、熱平衡に達するまでの
撹拌作業に多大の労力と長い時間が必要であると共に、
正確な値を算出するための補正作業に手間どるという問
題点がある。
また、水と反応する物質や水に浸けると形状が崩れる
物質については比熱を測定できないと共に、加熱後の温
度が100℃を越えないようにしなければならないという
問題点もある。
そこで、本発明の目的は、従来のような撹拌作業を行
わなくても固体試料の熱平衡を達成できると共に、水と
の接触によって影響を受ける物質についても比熱測定が
可能である比熱測定方法および比熱測定装置を提供する
ことにある。
本発明の他の目的は、100℃を越える温度まで物質を
加熱することが可能である比熱測定装置を提供すること
にある。
本発明の他の目的は、比熱測定作業に要する労力を軽
減できると共に、測定誤差の発生も抑制できる比熱測定
装置を提供することにある。
[問題点の解決手段] 本発明の比熱測定装置は、質量m12が既知である固体
試料の比熱c1Xを測定する比熱測定装置であって、
(a)熱容量がKである断熱容器と、(b)前記断熱容
器内において前記試料に接触せしめられる第1測定探子
と、(c)前記断熱容器内において、比熱c01および質
量m01が既知である固体基準物質に接触せしめられる第
2測定探子と、(d)前記第1測定探子を介して前記試
料の温度を測定すると共に、前記第2測定探子を介して
前記基準物質の温度を測定する温度測定手段と、(e)
前記第2測定探子を前記温度測定手段または加熱用電源
に選択的に接続可能とする切換スイッチとを備え、前記
断熱容器の内部に配置された前記試料が熱的に安定した
時の温度t12を前記第1測定探子および前記温度測定手
段を用いて測定し、他方、前記切換スイッチにより前記
第2測定探子を前記加熱用電源に接続してその電源によ
り前記基準物質を前記断熱容器の外部で加熱した後、そ
の基準物質を前記断熱容器の内部に収容して前記試料に
接触させ、そして、前記切換スイッチにより前記温度測
定手段に接続した前記第2測定探子およびその温度測定
手段を用いて接触開始時の前記基準物質の温度t11を測
定し、さらに、接触状態にある前記基準物質と前記試料
とが熱平衡に達した時の温度θを前記第1測定探子、
前記第2測定探子および前記温度測定手段を用いて測定
し、こうして得られたt12、t11およびθの測定値を用
いて次の関係式 より前記試料の比熱c1Xを算出するようにしたことを特
徴とする。
本発明の比熱測定装置では、前記第2測定探子が、前
記基準物質に接触する抵抗体と、その低抗体を前記温度
測定手段に接続する導線とを備えており、前記第1測定
探子が、前記試料に接触する熱接点と、その熱接点を前
記温度測定手段に接続する熱電対線とを備えているのが
好ましい。
前記基準物質が二つの半体から構成され、前記第2測
定探子の抵抗体がそれら半体の間に接触・挟持されてい
るか、あるいは、前記第2測定探子の抵抗体が前記基準
物質の内部に埋設されているのが好ましい。
前記第2測定探子は、複数個設けられていてもよい。
[作用] 本発明の比熱測定装置では、断熱容器の内部におい
て、固体試料と固体基準物質とを接触させてそれらを熱
平衡させ、接触開始時から熱平衡時までの間に基準物質
と試料の間で移動した熱量を求めることにより、試料の
比熱を測定する。
固体試料が接触せしめられる基準物質が塗体であるた
め、従来のように撹拌作業を行わなくても熱平衡を達成
できる。これは、比熱測定作業に要する労力の軽減につ
ながる。
また、水との接触によって影響を受ける物質について
も、比熱の測定が可能であると共に、100℃を越える温
度まで物質を加熱することも可能である。
さらに、基準物質と試料の接触開始からそれらの熱平
衡に達するまでの間に、撹拌作業と断熱容器の内部観察
が不要であるため、断熱を十分に保つことができ、測定
誤差の発生を抑制することができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を添付図面を参照しながら具体
的に説明する。
(第1実施例) 第1図(a)および第1図(b)は、本発明の比熱測
定装置の第1実施例を示す断面図である。
第1実施例の比熱測定装置10は、適宜の断熱材料によ
って形成された断熱容器20と、断熱容器20の内部で固体
基準物質22の温度を測定するのに使用される基準測定探
子(第2測定探子)21と、断熱容器20の内部で比熱未知
の固体試料(以下、「被測定試料」という)25または比
熱既知の固体試料(以下、「標準試料」という)23の温
度を測定するのに使用される試料測定探子(第1測定探
子)24と、基準測定探子21および試料測定探子24がそれ
ぞれ電気的に接続された温度測定器30とを有している。
基準測定探子21は、切換スイッチ31によって、温度測
定器30または加熱用電源32に選択的に接続できるように
達成されている。固体基準物質22の温度を測定する場合
には、基準測定探子21は温度測定器30に接続され、固体
基準装置22を加熱する場合には、加熱用電源32に接続さ
れる。
基準測定探子21は、第3図に明瞭に示すように、基準
物質22に接触せしめられた抵抗線(たとえば白金線)21
aと、その抵抗線21aの両端に一端がそれぞれ接続された
2本の導線21b、21cとを備えている。導線21b、21cの他
端には、切換スイッチ31の対応する端子にそれぞれ接続
されている。温度測定時には、抵抗線21aで検知した熱
データは導線21b、21cと切換スイッチ31を介して温度測
定器30に伝達され、それに基づいて基準物質22の温度値
が算出される。加熱時には、切換スイッチ31と導線21
b、21cを介して電源32から抵抗線21aに適宜電圧が印加
され、それによって基準物質22が加熱される。
試料測定探子24は、熱接点24aと、2本の熱電対線24
b、24cとを備えており、熱電対を構成している。熱接点
24aは、測定時に被測定試料25または標準試料23に接触
せしめられる。熱電対線24b、24cの一端は熱接点24aに
それぞれ接続され、他端は温度測定器30に対応する端子
にそれぞれ接続されている。熱接点24aで検知した熱デ
ータは、熱電対線24b、24cによって温度測定器30に伝達
され、それに基づいて被測定試料25または標準試料23の
温度値が算出される。
被測定試料25は、質量m12は既知であるが、比熱c1X
未知の物質(たとえば、セラミックス)の一片より形成
される。
標準試料23は、比熱c02および質量m02がいずれも既知
の適宜の物質(たとえば、石英ガラスあるいは金属)の
一片より形成される。標準試料23は、断熱容器20の熱容
量Kを求めるために使用される。
基準物質22は、比熱c01および質量m01がいずれも既知
の適宜の物質であり、たとえば銅あるいは銀などの良熱
伝導体が使用される。基準物質22は、被測定試料の比熱
c1Xおよび断熱容器20の熱容量Kを求める際の基準とし
て使用される。
次に、以上の構成を持つ比熱測定装置10を使用して、
被測定試料25の未知の比熱ck1Xを測定する方法について
説明する。この方法では、まず最初に、基準物質22と標
準試料23を用いて断熱容器20の熱容量Kを求め、その
後、基準物質22と被測定試料25を用いて同様の測定を行
って、被測定試料25の比熱c1Xを算出する。
なお、断熱容器20の熱容量Kが予め判明している場合
は、熱容量Kの測定作業は不要である。また、この第1
実施例では、基準物質22、標準試料23、被測定試料25の
形状と大きさをいずれも同じにしてある。
断熱容器20の熱容量Kを求める際には、まず、標準試
料23のみを断熱容器20の内部に配置する。次に、断熱容
器20の内部において、その標準試料23に試料測定探子24
の熱接点24aを接触せしめ、その温度変化を温度測定器3
0によって記録しながら、標準試料23が熱的に安定する
のを待つ。換言すれば、断熱容器20の内部において標準
試料23が熱平衡に達し、その温度が時間的に一定になる
のを待つ。そして、熱平衡に達した時に標準試料23の温
度値を、標準試料23の初期温度t02(℃)とする。
次いで、切換スイッチ31を操作して基準測定探子21を
電源32に接続し、断熱容器20の外部において、電源32よ
り抵抗線21aの適宜の電圧を印加して基準物質22を所定
温度まで加熱する。基準物質22の温度がその全体にわた
って均一になったことを確認した後、基準物質22を断熱
容器20の内部に収容する。
その後、切換スイッチ31を操作して基準測定探子21を
温度測定器30に切換・接続し、温度測定器30で基準物質
22の温度を測定・記録できるようにしてから、第1図
(a)に示すように、その基準物質22を標準試料23に対
して接触させる。接触開始時の基準物質22の温度値を、
基準物質22の初期温度t01(℃)とする。
そして、基準物質22と標準試料23の接触状態における
温度変化を、温度測定器30によって測定・記録しなが
ら、基準物質22と標準試料23とが熱平衡に達するのを持
つ。温度測定器30で記録した温度データより、基準物質
22と標準試料23が熱平衡に達した時の温度θ(℃)を
判読する。
熱力学の法則より、熱平衡状態においては基準物質22
と標準試料23の間に m01c01(t01−θ)=(m02c02+K)(θ−t02) の関係式が成立する。基準物質22の比熱c01および質量m
01と標準試料23の比熱c02および質量m02が既知であり、
温度測定器30で記録した温度データより、基準物質22の
初期温度t01、標準試料23の初期温度t02および熱平均温
度θが既知であるから、断熱容器20の熱容量Kは次の
式から算出できる。
次に、被測定試料25の比熱c1Xを測定する方法につい
て説明する。前述したように、被測定試料25はセラミッ
ク材料などの所望の物質であり、その質量m12は既知で
ある。
まず、断熱容器20の内部に配置されている基準物質22
および標準試料23を、基準測定探子21および試料測定探
子24と共に取り出す。その後、被測定試料25のみを断熱
容器20の内部に配置する。
次に、断熱容器20の内部において、その被測定試料25
に試料測定探子24の熱接点24aを接触せしめ、その温度
変化を温度測定器30によって記録しながら、標準試料23
が熱的に安定するのを待つ。換言すれば、断熱容器20の
内部において被測定試料25が熱平衡に達し、その温度が
時間的に一定になるのを待つ。そして、熱平衡に達した
時の被測定試料25の温度値を、被測定試料25の初期温度
t12(℃)とする。
次いで、上記した断熱容器20の熱容量Kを求める場合
と同様に、切換スイッチ31を操作して基準測定探子21を
電源32に切換・接続し、断熱容器20の外部において、電
源32より抵抗線21aに適宜の電圧を印加して基準物質22
を所定温度まで加熱する。基準物質22の温度がその全体
にわたって均一になったことを確認した後、基準物質22
を断熱容器20の内部に収容する。この基準物質22は、断
熱容器20の熱容量Kを求める場合に用いたと同じもので
ある。
その後、切換スイッチ31を操作して基準測定探子21を
温度測定器30に切換・接続し、温度測定器30で基準物質
22の温度測定・記録できるようにしてから、第1図
(b)に示すように、その基準物質22を被測定試料25に
対して接触させる。接触開始時の基準物質22の温度値
を、基準物質22の初期温度t11(℃)とする。
そして、基準物質22と被測定試料25の接触状態におけ
る温度変化を、温度測定器30によって測定・記録しなが
ら、基準物質22の被測定試料25とが熱平衡に達するのを
待つ。温度測定器30で記録した温度データより、基準物
質22と被測定試料25が熱平衡に達した時の温度θ
(℃)を判読する。
熱力学の法則より、熱平衡状態においては基準物質22
と被測定試料25の間に m01c01(t11−θ)=(m12c1X+K)(θ−t12) の関係式が成立する。基準物質22の比熱c01および質量m
01と被測定試料25の質量m12が既知であり、温度測定器3
0で記録した温度データより、基準物質22の初期温度
t11、被測定試料25の初期温度t12および熱平衡温度θ
が既知であるから、被測定試料25の比熱c01は次の式か
ら算出できる。
(第2実施例) 第2図(a)と第2図(b)は、本発明の比熱測定装
置の第2実施例を示す断面図である。
第2実施例の比熱測定装置は、第1実施例において、
二つの基準物質を使用するようにしたものである。二つ
の基準物質は、異なる材料であってもよいし同一の材料
であってもよい。
第2実施例の比熱測定装置10は、適宜の断熱材料によ
って形成された断熱容器20と、断熱容器20の内部で基準
物質22の温度を測定するのに使用される基準測定探子21
と、断熱容記20の内部で比測定試料25または標準試料23
の温度を測定するのに使用される試料測定探子24と、断
熱容器20の内部で他の基準物質27の温度を測定するのに
使用される基準測定探子26と、基準測定探子21および24
と試料測定探子24とがそれぞれ電気的に接続された温度
測定器30とを有している。
基準測定探子21は、切換スイッチ31によって、温度測
定器30または加熱用電源32に選択的に接続できるように
構成されている。固体基準物質22の温度を測定する場合
には、基準測定探子21は温度測定器30に接続され、固体
基準物質22を加熱する場合には、加熱用電源32に接続さ
れる。
基準測定探子21は、第3図に明瞭に示すように、基準
物質22に接触せしめられた抵抗線(たとえば白金線)21
aと、その抵抗線21aの両端に一端がそれぞれ接続された
2本の導線21b、21cとを備えている。導線21b、21cの他
端は、切換スイッチ31の対応する端子にそれぞれ接続さ
れている。温度測定時には、抵抗線21aで検知した熱デ
ータは導線21b、21cと切換スイッチ31を介して温度測定
器31に伝達され、それに基づいて基準物質22の温度値が
算出される。加熱時には、切換スイッチ31と導線21b、2
1cを介して電源32から抵抗線21aに適宜電圧が印加さ
れ、それによって基準物質22が加熱される。
同様に、基準測定探子26は、切換スイッチ31Aによっ
て、温度測定器30または加熱用電源32Aに選択的に接続
できるように構成されている。固体基準物質27の温度を
測定する場合には、基準測定探子26は温度測定器30に接
続され、固体基準物質27を加熱する場合には、加熱用電
源32Aに接続される。
基準測定探子26は、第3図に明瞭に示すように、基準
物質27に接触せしめられた抵抗線(たとえば白金線)26
aと、その抵抗線26aの両端に一端がそれぞれ接続された
2本の導線26b、26cとを備えている。導線26b、26cの他
端は、切換スイッチ31Aの対応する端子にそれぞれ接続
されている。温度測定時には、抵抗線26aで検知した熱
データは導線26b、26cと切換スイッチ31Aを介して温度
測定器30に伝達され、それに基づいて基準物質27の温度
値が算出される。加熱時には、切換スイッチ31Aと導線2
6b、26cを介して電源32から抵抗線26aに適宜電圧が印加
され、それによって基準物質27が加熱される。
試料測定探子24は、第1実施例のそれと同じ構成を持
つ。すなわち、熱接点24aと、2本の熱電対線24b、24c
とを備えており、熱電対を構成している。熱接点24a
は、測定時に被測定試料25または標準試料23に接触せし
められる。熱電対線24b、24cの一端は熱接点24aにそれ
ぞれ接続され、他端は温度測定器30の対応する端子にそ
れぞれ接続されている。熱接点24aで検知した熱データ
は、熱電対線24b、24cによって温度測定器30に伝達さ
れ、それに基づいて被測定試料25または標準試料23の温
度値が算出される。
被測定試料25、標準試料23および基準物質22は、第1
実施例と同じものである。基準物質27は、この第2実施
例では、基準物質22と同一の材料でできており、基準物
質22と同一の比熱c01および同一の質量m01′を有してい
るとしている。これは操作上の便宜を考慮したものであ
り、基準物質22とは異なる材料で形成してもよいことは
勿論である。
次に、以上の構成を持つ比熱測定装置10を使用して、
被測定試料25の比熱c1Xを測定する方法について説明す
る。この方法では、まず最初に、基準物質22と標準試料
23を用いて断熱容器20の熱容量Kを求め、その後、基準
物質22と被測定試料25を用いて同様の測定を行い、被測
定試料25の比熱c1Xを算出する。
なお、断熱容器20の熱容量Kが予め判明している場合
は、熱容量Kの測定作用は不要である。また、この第2
実施例では、基準物質22および27、標準試料23、被測定
試料25の形状と大きさをいずれも同じにしてある。
断熱容器20の熱容量Kを求める際には、まず、標準試
料23のみを断熱容器20の内部に配置する。次に、断熱容
器20の内部において、その標準試料23に試料測定探子24
の熱接点24aを接触せしめ、その温度変化を温度測定器3
0によって記録しながら、標準試料23が熱的に安定する
のを待つ。換言すれば、断熱容器20の内部において標準
試料23が熱平衡に達し、その温度が時間的に一定になる
のを待つ。そして、熱平衡に達した時の標準試料23の温
度値を、標準試料23の初期温度t02(℃)とする。
次いで、切換スイッチ31を操作して基準測定探子21を
電源32に接続し、断熱容器20の外部において、電源32よ
り抵抗線21aに適宜に電圧を印加して基準物質22の所定
温度まで加熱する。この時、スイッチ31を温度測定器30
と電源32の間で間歇的に切り換えれば、基準物質22の温
度変化を容易に知ることができ、便宜である。
それと同時に、切換スイッチ31Aを操作して基準測定
探知26を電源32Aに接続し、断熱容器20の外部におい
て、電源32Aより抵抗線26aに適宜の電圧を印加して基準
物質27を基準物質22と同じ温度まで加熱する。基準物質
22の場合と同様に、この時にスイッチ31Aを温度測定器3
0と電源32Aの間で間歇的に切り換えれば、基準物質27の
温度変化を容易に知ることができ、便宜である。
なお、この第2実施例では、基準物質22および27を同
じ温度まで加熱しているが、これは囲碁の操作上の便宜
のためであるから、基準物質22および27を互いに異なる
温度まで加熱してもよいことは勿論である。
基準物質22および27の温度がそれらの全体にわたって
均一になったことを確認した後、両基準物質22および27
の断熱容器20の内部に収容する。
その後、切換スイッチ31および31Aを操作して基準測
定探子21および26を温度測定器30に切換・接続し、温度
測定器30で両基準物質22および27の温度測定・記録でき
るようにしてから、第2図(a)に示すように、それら
基準物質22および27を標準試料23にその両側からそれぞ
れ接触させる。接触開始時の基準物質22および27の温度
値を、基準物質22および27の初期温度t01(℃)とす
る。
そして、基準物質22および27と標準試料23の接触状態
における温度変化を、温度測定器30によって測定・記録
しながら、基準物質22および27と標準試料23とが熱平衡
に達するのを待つ。温度測定器30で記録した温度データ
より、基準物質22および27と標準試料23が熱平衡に達し
た時の温度θ(℃)を判読する。
熱力学の法則より、熱平衡状態においては基準物質22
および27と標準試料23の間に 2m01c01(t01−θ)=(m02c02+K)(θ−t02) の関係式が成立する。基準物質22および27の比熱c01
よび質量m01と標準試料23の比熱c02および質量m02が既
知であり、温度測定器30で記録した温度データより、基
準物質22および27の初期温度t01、標準試料23の初期温
度t02および熱平衡温度θが既知であるから、断熱容
器20の熱容量Kは次の式から算出できる。
次に、被測定試料25の比熱c1Xを測定する方法につい
て説明する。
まず、断熱容器20の内部に配置されている基準物質22
および27と標準試料23とを、基準測定探子21および26と
試料測定探子24と共に取り出す。その後、被測定試料25
のみを断熱容器20の内部に配置する。
次に、断熱容器20の内部において、その被測定試料25
に試料測定探子24の熱接点24aを接触せしめ、その温度
変化を温度測定器30によって記録しながら、被測定試料
25が熱的に安定するのを待つ。換言すれば、断熱容器20
の内部において被測定試料25が熱平衡に達し、その温度
が時間的に一定になるのを待つ。そして、熱平衡に達し
た時の被測定試料25の温度値を、被測定試料25の初期温
度t12(℃)とする。
次いで、上記した断熱容器20の熱容量Kを求める場合
と同様に、切換スイッチ31を操作して基準測定探子21を
電源32に切換・接続し、断熱容器20の外部において、電
源32より抵抗線21aに適宜の電圧を印加して基準物質22
を所定温度まで加熱する。同時に、切換スイッチ31Aを
操作して基準測定探子26を電源32Aに切換・接続し、断
熱容器20の外部において、電源32Aより抵抗線26aに適宜
の電圧を印加して基準物質27を基準物質22と同じ温度ま
で加熱する。
基準物質22および27の温度がそれらの全体にわたって
均一になったことを確認した後、基準物質22および27を
断熱容器20の内部に収容する。これらの基準物質22およ
び27は、断熱容器20の熱容量Kを求める場合に用いたの
と同じものである。
その後、切換スイッチ31および31Aを操作して基準測
定探子21および26を温度測定器30に切換・接続し、温度
測定器30で基準物質22および27の温度を測定・記録でき
るようにしてから、第2図(b)に示すように、それら
基準物質22および27を被測定試料25にその両側から接触
させる。接触開始時の基準物質22および27の温度値は、
基準物質22の初期温度t11(℃)とする。
そして、基準物質22および27と被測定試料25の接触状
態における温度変化を、温度測定器30によって測定・記
録しながら、基準物質22および27と被測定試料25とが熱
平衡に達するのを待つ。温度測定器30で記録した温度デ
ータより、基準物質22および27と被測定試料25が熱平衡
に達した時の温度θ(℃)を判読する。
熱力学の法則より、熱平衡状態においては基準物質22
と被測定試料25の間に 2m01c01(t11−θ)=(m12c1X+K)(θ−t12) の関係式が成立する。基準物質22および27の比熱c01
よび質量m01と被測定試料25の質量m12が既知であり、温
度測定器30で記録した温度データより、基準物質22およ
び27の初期温度t11、被測定試料25の初期温度t12および
熱平衡温度θが既知であるから、被測定試料25の比熱
c01は次の式から算出できる。
(実施例) 次に、本発明の作用効果を確認するため、上述した第
1実施例の比熱測定装置を実際に製作して次のようにし
て実験を行った。その結果を第5図および第6図に示
す。第5図は、断熱容器20の熱容量測定時における基準
測定探子21の熱起電力の経時変化を示すグラフである。
第6図は、被測定試料25の比熱測定時における試料測定
探子24の熱起電力の経時変化を示すグラフである。
基準物質22としては、比熱c01が0.392(J/g・K)
で、質量m01が19.85gである銅を使用した。標準試料23
としては、比熱c02が0.92(J/g・K)で、質量m02が75.
00gの石英ガラスを使用した。
まず、標準試料23を断熱容器20の内部で配置し、熱的
に安定した時の初期温度t02を測定すると、第5図に示
すように、16℃(基準測定探子21の抵抗線21aの抵抗値:
106.35Ω)であった。他方、断熱容器20の外部で基準物
質22を加熱し、その温度が全体として均一になるように
した。その後、断熱容器20の内部に収容し、標準試料23
に接触させた。接触開始時の基準物質22の初期温度
01は、110℃(基準測定探子21の抵抗線21aの抵抗値:14
3.01Ω)であった(第5図参照)。
続いて、断熱容器20の内部において、互いに接触せし
められた基準物質22と標準試料23が熱平衡に達した時の
温度θを測定すると、25℃(基準測定探子21の抵抗線
21aの抵抗値:109.90Ω)であった(第5図参照)。
したがって、断熱容器20の熱容量Kは と算出された。
次に、基準物質22および標準試料23を断熱容器20から
取り出してから、質量m12が64.90gの被測定試料25を断
熱容器20の内部に配置した。そして、熱的に安定した時
の初期温度t12を測定すると、第6図に示すように、16.
06℃(基準測定探子21の抵抗線21aの抵抗値:106.37Ω)
であった。他方、断熱容器20の外部で基準物質22を加熱
し、その温度が全体として均一になるようにした。その
後、断熱容器20の内部に収容し、被測定試料25に接触さ
せた。接触開始時の基準物質22の初期温度t11は109.81
℃(基準測定探子21の抵抗線21aを抵抗値:142.94Ω)と
なった。
続いて、断熱容器20の内部において、互いに接触せし
められた基準物質22と被測定試料25が熱平衡に達した時
の温度θを測定すると、24.99℃(基準測定探子21の
抵抗線21aの抵抗値:109.85Ω)であった(第6図参
照)。
したがって、被測定試料25の比熱c1Xは、 と算出された。
(変形例) 上記両実施例では、第3図に示してあるように、基準
測定探子21および26の抵抗線21aおよび26aが基準物質22
および27の一主面にそれぞれ接触せしめられている。し
かし、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の
変形が可能である。
例えば、第4図(a)に示すように、基準物質22およ
び27をそれぞれ2つの基準物質半体22Aおおび22Bと27A
および27Bとに分割して構成し、それら半体22Aおよび22
Bと27Aおよび27Bの間に基準測定探子21および26の抵抗
線21aおよび26aをそれぞれ挟み込むようして接触させて
もよい。
さらに、第4図(b)に示すように、基準物質22およ
び27の内部に直径方向に孔22Cおよび27Cをそれぞれ穿設
し、それらの孔22Cおよび27Cに基準測定探子21およb26
の抵抗線21aおよび26aをそれぞれ挿入してもよい。
[発明の効果] 以上の説明より明らかなように、本発明の比熱測定装
置によれば、従来のような撹拌作業を行わなくても試料
の熱平衡を達成できると共に、水との接触によって影響
を受ける試料(例えば焼成前のセラミックスなど)につ
いても測定が可能である。また、100℃を越える温度ま
で物質を加熱することが可能である。さらに、比熱測定
作業を要する労力を軽減できると共に、測定誤差の発生
も抑制できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、(b)は本発明の比熱測定装置の第1実
施例を示す断面図である。 第2図(a)、(b)は本発明の比熱測定装置の第2実
施例を示す断面図である。 第3図は第1図(a)、(b)および第2図(a)、
(b)に示した実施例に使用した基準物質と基準測定探
子の構成を示す斜視図である。 第4図(a)、(b)は第1図(a)、(b)および第
2図(a)、(b)に示した実施例に使用した基準物質
と基準測定探子の変形例を示す斜視図である。 第5図は、断熱容器の熱容量測定時における基準測定探
子の熱起電力の経時変化を示すグラフである。 第6図は、被測定試料の比熱測定時における試料測定探
子の熱起電力の経時変化を示すグラフである。 10……比熱測定装置 20……断熱容器 21、26……基準測定探子 21a、26a……抵抗線 21b、26b……導線 21c、26c……導線 22……基準物質 22A、22B……基準物質半体 23……標準試料 24……試料測定探子 24a……抵抗線 24a……導線 24c……導線 25……被測定試料 27……基準物質 27A、27B………基準物質半体 30……温度測定器 31、31A……切換スイッチ 32、32A……加熱用電源

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量m12が既知である固体試料の比熱c1X
    測定する比熱測定装置であって、 (a)熱容量がKである断熱容器と、 (b)前記断熱容器内において前記試料に接触せしめら
    れる第1測定探子と、 (c)前記断熱容器内において、比熱c01および質量m01
    が既知である固体基準物質に接触せしめられる第2測定
    探子と、 (d)前記第1測定探子を介して前記試料の温度を測定
    すると共に、前記第3測定探子を介して前記基準物質の
    温度を測定する温度測定手段と、 (e)前記第2測定探子を前記温度測定手段または加熱
    用電源に選択的に接続可能とする切換スイッチとを備
    え、 前記断面容器の内部に配置された前記試料が熱的に安定
    した時の温度t12を前記第1測定探子および前記温度測
    定手段を用いて測定し、他方、前記切換スイッチにより
    前記第2測定探子を前記加熱用電源に接続してその電源
    により前記基準物質を前記断熱容器の外部で加熱した
    後、その基準物質を前記断熱容器の内部に収容して前記
    試料に接触させ、そして、前記切換スイッチにより前記
    温度測定手段に接続した前記第2測定探子およびその温
    度測定手段を用いて接触開始時の前記基準物質の温度t
    11を測定し、さらに、接触状態にある前記基準物質と前
    記試料とが熱平衡に達した時の温度θを前記第1測定
    探子、前記第2測定探子および前記温度測定手段を用い
    て測定し、こうして得られたt12、t11およびθの測定
    値を用いて次の関係式 より前記試料の比熱c1Xを算出するようにした ことを特徴とする比熱測定装置。
  2. 【請求項2】前記第2測定探子が、前記基準物質に接触
    する抵抗体と、その抵抗体を前記温度測定手段に接続す
    る導線とを備えており、前記第1測定探子が、前記試料
    に接触する熱接点と、その熱接点を前記温度測定手段に
    接続する熱電対線とを備えている特許請求の範囲第1項
    に記載の比熱測定装置。
  3. 【請求項3】前記基準物質が二つの半体から構成され
    た、前記第2測定探子の抵抗体がそれら半体の間に接触
    ・挟持されている特許請求の範囲第2項に記載の比熱測
    定装置。
  4. 【請求項4】前記第2測定探子の抵抗体が前記基準物質
    の内部に埋設されている特許請求の範囲第2項に記載の
    比熱測定装置。
  5. 【請求項5】前記第2測定探子が複数個設けられている
    特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の比熱
    測定装置。
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