JP2571070Y2 - 弁装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、各種の被制御流体の流
量制御を行なう制御弁に用いて好適な弁装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の弁装置として、図３に示し
たような構造による流量制御弁が知られている。これを
簡単に説明すると、図中符号１は弁本体、２はその上面
開口部に複数個のボルト３およびナット４によって取付
けられている上蓋で、この上蓋２にはその内端にバルブ
プラグ（弁体）５を有する弁軸６のロッド部６ａが貫通
して上、下方向に摺動動作可能に支持されている。そし
て、この弁軸６は、前記弁本体１側に固定された円筒状
のプラグガイド７内で摺動自在に支持されると共に、そ
のロッド部６ａは蓋体２内に配設された軸封ユニット８
にて液密性を保って支持され、上端が弁本体１の上方に
突出している。また、図中９は被制御流体１０の流通口
９ａと全閉時に前記バルブプラグ５が着座する着座部９
ｂを有するシートリングで、このシートリング９は前記
弁本体１内に形成された流体通路を仕切る隔壁１１に穿
設された開口部１２にガスケット１３を介して取付けら
れている。シートリング９の上端部９Ａは下端部９Ｂよ
り大径に形成され、この大径部９Ａは前記隔壁１１の上
面側に形成された座ぐり部１４にガスケット１３を介し
て嵌合されている。一方、小径部９Ｂは外周面に雄ねじ
が形成され、前記開口部１２の内周面に形成された雌ね
じに螺合されている。なお、このような構成による弁装
置の流体制御動作は周知の通りであり、その説明は省略
する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、上述した弁
装置において、ガスケット１３はシートリング９と開口
部１２との間のシール性を確保するためシートリング９
の大径部９Ａによって座ぐり部１４の底面に圧着固定さ
れているので、交換時にシートリング９は簡単に取り外
すことができても、ガスケット１３は簡単に取り外すこ
とができず、交換作業に手間がかかるという問題があっ
た。また、特に弁本体１の頸部が上方に長く延在する、
所謂ロングボンネットタイプの弁装置および弁本体１の
上面開口部から手を入れることができない小型の弁装置
においては、シートリング９およびガスケット１３の取
付け、分解作業の際、シートリングとガスケット用の別
々の特殊治具を用いて弁本体１内に順次挿入する必要が
あり、作業性が著しく悪いという不具合があった。

【０００４】したがって、本考案は上記したような従来
の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするとこ
ろは、シートリングとガスケットを一体化することによ
り、シートリングの脱着操作時にガスケットも同時に脱
着することができ、これら両部品の取付け、分解作業が
簡単かつ容易で、作業性を向上させるようにした弁装置
を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案に係る弁装置は、弁本体内を仕切る隔壁の開口
部にガスケットを介して螺合固定されたシートリング
と、前記弁本体内に進退移動自在に配設され全閉時に前
記シートリングの着座部に着座するバルブプラグとを備
え、前記シートリングは小径部のねじ溝と大径部の間の
外周面に形成された環状溝部を有し、前記ガスケットは
前記シートリングの雄ねじ部に螺合する雌ねじを内周面
に有し、前記環状溝部内に保持されていることを特徴と
する。

【０００６】

【作用】本考案によれば、ガスケットはシートリングの
雄ねじ部に螺合された後、環状溝部によって保持されて
おり、シートリングの脱着操作時にシートリングと共に
脱着される。

【０００７】

【実施例】以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。図１は本考案に係る弁装置の一実施例
を示す断面図、図２はシートリングとガスケットの断面
図である。なお、第３図と同一構成部品のものに対して
は同一符号を以て示し、その説明を省略する。

【０００８】さて、本考案によれば、前述した構成によ
る弁装置において、弁本体１内を仕切る隔壁１１の開口
部１２に螺合固定されるシートリング９は、その外周面
で大径部９Ａと小径部９Ｂとの境部に形成された環状溝
部２０を有している。環状溝部２０の溝幅Ｗは、ガスケ
ット１３の板厚Ｔより大きく（Ｗ＞Ｔ）、溝径Ｄはガス
ケット１３の穴径Ｄ1 より小さく（Ｄ＜Ｄ1 ）設定され
ている。ガスケット１３の内周面にはシートリング９の
小径部９Ｂ外周面に形成された雄ねじ部２１に螺合する
雌ねじ２２が形成されている。そして、ガスケット１３
はシートリング９の雄ねじ部２１に螺合された後環状溝
部２０内に位置されることで、シートリング９と一体化
されている。この場合、ガスケット１３はＷ＞Ｔ、Ｄ＜
Ｄ1 により環状溝部２０内において軸線方向および径方
向に移動自在に保持されているが、雌ねじ部２２が雄ね
じ部２１に当たるため、シートリング９から脱落するこ
とはない。なお、２３はシートリング９を締結、弛緩さ
せるための回転操作部である。

【０００９】このような構成において、ガスケット１３
はシートリング９の環状溝部２０に保持されることによ
りシートリング９と一体化されているので、この状態で
シートリング１３を隔壁１１の開口部１２にねじ込む
と、ガスケット１３を座ぐり部１４に嵌挿しシートリン
グ９の大径部９Ａにより座ぐり部底面に圧接することが
できる。また、シートリング９を緩めて開口部１２から
抜き出す際には、たとえガスケット１３が座ぐり部底面
に張り付いていても環状溝部２０によってガスケット１
３を持ち上げて座ぐり部底面から剥しシートリング９と
一体に取り出すことができる。したがって、シートリン
グ９およびガスケット１３の取付け、取外し作業が簡単
かつ容易で、作業性を向上させることができ、特にガス
ケット用の特殊な治具が不要で、ロングボンネットタイ
プや小型の弁装置に適用して有効である。

【００１０】なお、本考案は上述した実施例構造には限
定されず、弁装置各部の形状、構造等を適宜変形、変更
し得るものである。

【００１１】

【考案の効果】以上説明したように本考案に係る弁装置
によれば、シートリングの外周に環状溝部を形成し、ガ
スケットの内周面にシートリングの雄ねじ部に螺合する
雌ねじを形成し、このガスケットをシートリングの環状
溝部で保持することにより、シートリングとガスケット
とを一体化したので、シートリングを弁本体の隔壁開口
部にねじ込む際ガスケットも同時に組み込むことがで
き、またシートリングを隔壁開口部から取り外す際には
ガスケットもシートリングと共に取り外すことができ
る。したがって、シートリングとガスケットの取付け、
取外し作業が簡単かつ容易で、作業性を向上させること
ができるという実用上優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る弁装置の一実施例を示す断面図で
ある。

【図２】シートリングとガスケットの断面図である。

【図３】弁装置の従来例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 弁本体 ２ 上蓋 ５ バルブプラグ ６ 弁軸 ７ 円筒状プラグガイド ９ シートリング ９ａ 着座部 １１ 隔壁 １２ 開口部 １３ ガスケット １４ 座ぐり部 ２０ 環状溝部 ２１ 雄ねじ部 ２２ 雌ねじ部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 弁本体内を仕切る隔壁の開口部にガスケ
   ットを介して螺合固定されたシートリングと、前記弁本
   体内に進退移動自在に配設され全閉時に前記シートリン
   グの着座部に着座するバルブプラグとを備え、前記シートリングは小径部のねじ溝と大径部の間の外周
   面に形成された環状溝部を有し、 前記ガスケットは前記シートリングの雄ねじ部に螺合す
   る雌ねじを内周面に有し、前記環状溝部内に保持されて
   いることを特徴とする弁装置。