JP2569556Y2 - 大電流チョークコイル - Google Patents

大電流チョークコイル

Info

Publication number
JP2569556Y2
JP2569556Y2 JP4053593U JP4053593U JP2569556Y2 JP 2569556 Y2 JP2569556 Y2 JP 2569556Y2 JP 4053593 U JP4053593 U JP 4053593U JP 4053593 U JP4053593 U JP 4053593U JP 2569556 Y2 JP2569556 Y2 JP 2569556Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
casting
winding
bobbin
heat dissipation
assembly
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4053593U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH077123U (ja
Inventor
公二 石井
一三 小林
道之 梅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP4053593U priority Critical patent/JP2569556Y2/ja
Publication of JPH077123U publication Critical patent/JPH077123U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2569556Y2 publication Critical patent/JP2569556Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Insulating Of Coils (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、大電流用のノイズフィ
ルタ、ラインフィルタ等に使用する大電流チョークコイ
ルに係り、とくに放熱性や形状の小型化に配慮した大電
流チョークコイルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、家庭や事務所内で使用する各種の
電気、電子機器のオン・オフに伴って発生するノイズ
や、外部から商用電源線路を通って飛び込んでくるノイ
ズを抑制するために、チョークコイルとコンデンサ等を
組み合わせたノイズフィルタが実用に供されている。
【0003】とくに、大電力の電気、電子機器用のノイ
ズフィルタやラインフィルタの場合、チョークコイルの
電流容量も大きなものが要求される。従来のこの種の大
電流チョークコイルは、トロイダルコア等の閉磁路コア
に断面が円形の一般的なエナメル被覆導線を巻回してコ
イル部とし、放熱のためにコアも含め全体を絶縁樹脂で
注形(モールド)した構成となっていた。さらに、本出
願人により、トロイダルコアに巻線したコイル部を金属
製放熱板上に近接配置し、該コイル部と放熱板間に樹脂
を注形して、コイル部の発熱を樹脂を介して放熱板に伝
導させる構成が提案されている(実開平3−10103
6号)。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、トロイ
ダルコアは、巻線の自動化に適さず、また、金属製放熱
板上にコアに巻線したコイル部を配置する場合、放熱板
にコイル部が接触すると絶縁不良となり、また放熱板と
コイル部の距離が開き過ぎると放熱板への熱伝導が悪化
し、放熱板を設けた効果が薄れてしまう問題がある。ま
た、放熱板とコイル部間に絶縁シートを介在させて樹脂
注形することも考えられるがやはり絶縁シートの存在が
放熱板への熱伝導を妨げてしまう。
【0005】本考案は、上記の点に鑑み、巻線を設ける
ボビンの形状を工夫することにより、巻線とその巻線を
樹脂注形するための注形用放熱ベースとの位置関係を適
切に規定して、巻線の放熱性の改善を図り得るようにす
るとともに、組み立て容易な構造とした大電流チョーク
コイルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の大電流チョークコイルは、フランジ付きボ
ビン組立体の巻胴部の外周に巻線を設け、注形用放熱ベ
ースに前記ボビン組立体を前記フランジ部分にて嵌合
し、前記注形用放熱ベースに樹脂を注形して前記巻線下
部のみが前記樹脂に浸るようにするとともに、磁気コア
を前記巻胴部内側に挿置した構成としている。
【0007】前記注形用放熱ベースは放熱板となる底板
上に注形枠を載置した構成とし、該注形枠に前記フラン
ジを嵌合させる構成としても良い。
【0008】また、前記ボビン組立体は、複数の巻胴部
を有し、それぞれフランジ部を有するボビン分割体を一
体化したものでも良い。
【0009】また、前記ボビン組立体の複数の巻胴部間
に仕切り部を設ける構成でも良い。
【0010】また、前記フランジの外側端面に、前記磁
気コアが部分的に嵌まる凹部を形成する構成としても良
い。
【0011】また、前記注形用放熱ベースに折り曲げ部
分を設け、該折り曲げ部分で前記磁気コアを固定する構
成としても良い。
【0012】
【作用】本考案の大電流チョークコイルにおいては、注
形用放熱ベースに巻線を有するフランジ付きボビン組立
体をフランジ部分にて嵌合し、注形用放熱ベースとフラ
ンジ付きボビン組立体とを一体化しているため、巻線と
注形用放熱ベースとの位置関係が適切かつ正確に規定で
きる。すなわち、巻線が注形用放熱ベースに直接接触せ
ずに近接対向するように前記ボビン組立体を注形用放熱
ベースで位置決め、支持できる。
【0013】このフランジ付きボビン組立体と注形用放
熱ベースとの一体化は、両者の嵌合により容易に実行で
き、従来のように巻線とその巻線を樹脂注形するための
ベース(ケース)との位置関係を何らかの手段で規定保
持したり、巻線とベース間に絶縁シートを介在させたり
するといったことが不要になり、組立作業の効率化を図
ることができる。また、巻線と注形用放熱ベースとの間
の絶縁樹脂による注形(モールド)は、巻線下部が樹脂
に浸れば良く、絶縁樹脂の注形量が少なくて済むので経
済性に優れている。また、磁気コアをボビン組立体の巻
胴部内側に挿置しており、樹脂は磁気コアにかからない
ため、樹脂注形時や使用時の発熱に起因するコアへの無
用のストレスを無くすことができ、コアの磁気特性の劣
化を防止することができる。
【0014】さらに、巻線下部を絶縁樹脂で注形したと
き、巻回された巻線間に絶縁樹脂が入り込み、巻線で発
生した熱が効果的に絶縁樹脂を介し注形用放熱ベースに
伝導され、放熱されることになる。
【0015】また、前記ボビン組立体として、それぞれ
フランジ部を有するボビン分割体を連結一体化した構成
のものを使用すれば、予め空心で巻回成形した巻線を用
いることができ、その巻線の内周に対を成すボビン分割
体の巻胴部を嵌挿して一体化することで巻線を有するボ
ビン組立体が構成でき、巻線の線材径が太い場合にボビ
ン組立体の巻胴部に直接巻線を巻回するよりも作業性が
向上し、組立が容易になる。
【0016】また、前記ボビン組立体の複数の巻胴部間
に絶縁用の仕切り部を設ける構成とすれば、巻線全体を
樹脂注形しなくとも巻線相互間の絶縁性が確保され、巻
線と注形用放熱ベースとの間の絶縁樹脂による注形部分
が巻線下部の必要最小限で済み、絶縁樹脂量がより一層
削減できる。
【0017】また、前記フランジの外側端面に、前記磁
気コアが部分的に嵌まる凹部を形成する構成とすれ
ば、、磁気コアの一部が該凹部に嵌まることでフランジ
からの磁気コアの突出部分を小さくすることができ、磁
気コアの磁路長を小さくできるとともに、コアの小型化
ひいては大電流チョークコイルの小型化を図ることがで
きる。
【0018】また、前記注形用放熱ベースに折り曲げ部
分を設け、該折り曲げ部分で前記磁気コアを固定する構
成とすれば、磁気コアの固定のための接着等の作業が不
要になり、組立が容易になる。
【0019】
【実施例】以下、本考案に係る大電流チョークコイルの
実施例を図面に従って説明する。
【0020】図1乃至図9は本考案の第1実施例を示
す。これらの図において、閉磁路を成す磁気コア組立体
1は、フェライト等のU型磁気コア1A,1Bを突き合
わせ一体化したものであり、コイル部2は、絶縁樹脂製
ボビン組立体3の一対の真直ぐな円筒状巻胴部12の外
周に、断面が略矩形のエナメル被覆導線である平角導線
を所要回数巻回してなる巻線4をそれぞれ設けたもので
ある。注形用放熱ベース7は、樹脂溜まりを有するよう
に注形枠5を放熱板となる金属製底板6上に載置固定し
たものである。そして、前記コイル部2のボビン組立体
3を前記注形用放熱ベース7の注形枠5に嵌合し、さら
に、コイル部2と注形用放熱ベース7の金属製底板6と
の間に熱伝導性の良好なエポキシ系あるいはウレタン系
の絶縁樹脂8を注形し、磁気コア組立体1をコイル部2
に嵌挿して接着一体化することにより大電流チョークコ
イルが構成されている。
【0021】前記U型磁気コア1A,1Bは対をなした
真っすぐな円柱状脚部9とそれを連結する連結部10か
らなっている。
【0022】前記ボビン組立体3は、ポリブチレンテレ
フタレート(PBT)やポリプロピレン等の熱可塑性絶
縁樹脂で成型された一対のボビン分割体3A,3Bを突
き合わせて嵌合一体化したものである。
【0023】前記ボビン分割体3A,3Bは、ともに同
じ形状に成型されており、フランジ11の内側端面に、
一対の分割円筒状巻胴部12A,12Bと、その分割円
筒状巻胴部12A,12B間に位置する分割仕切り部1
3Aを一体にそれぞれ形成したものである。前記フラン
ジ11には、その下端面から両側面の中間より上にかけ
て、前記注形用放熱ベース7の注形枠5に嵌合させるた
めの嵌合溝15が形成されており、フランジ11の外側
端面には、上端に端子取付部16が垂直に(庇状に)垂
直に形成されているとともに、分割円筒状巻胴部12
A,12Bのコア挿置穴20同士を連絡するように窪ん
だ凹部17が設けられており、前記端子取付部16の下
面中央から前記凹部に向かって仕切突片18が形成され
ている。また、図9に示すように、前記端子取付部16
下面には、上面に通じる端子挿通穴21とその両側の一
対の端子係合溝22が、中央の仕切突片18を中心とし
て左右対称にそれぞれ設けられている。さらに、フラン
ジ11の上部側には、仕切突片18近傍両側に一対の巻
線端部挿通穴23が、両側端に一対の巻線端部係合溝2
4がそれぞれ設けられている。そして、前記分割円筒状
巻胴部12Aの先端部には環状凸部25が形成されてお
り、分割円筒状巻胴部12Bの先端部には内周のコア挿
置穴20に沿って環状凹溝26が形成されている。前記
分割仕切り部13Aは、薄板部27の上部と下部とに厚
肉部28A,28Bを有している。図9において、前記
薄板部27の先端側には、ボビン分割体3A,3Bの中
心(中心線C参照)より一方の先端部分が除去された段
差面29が形成されており、厚肉部28A,28Bの先
端側には、中心に対し片側に嵌合凸部31が、他方に嵌
合凹部32がそれぞれ形成されている。なお、図7及び
図8に示すように、前記分割仕切り部13A下側の厚肉
部28Bの底面は、フランジ11の下端面よりも上方に
位置するように形成されている。
【0024】ところで、前記ボビン分割体3A,3Bの
一体化は、両者が同一の形状で形成されているので、図
7又は図9で示すように両者が点対称に向かい合うよう
に配置し、相互に嵌合することで行われる。嵌合時に
は、ボビン分割体3Aの分割円筒状巻胴部12Aの環状
凸部25がボビン分割体3Bの分割円筒状巻胴部12B
の環状凹溝26と嵌合し、ボビン分割体3Bの環状凸部
25がボビン分割体3Aの環状凹溝26に嵌合すること
で、コア挿置穴20を有する一対の真直ぐな円筒状巻胴
部12を構成する。同時に、ボビン分割体3A,3B中
央の分割仕切り部13Aにおいて、図8に示すように、
一方のボビン分割体の嵌合凸部31が他方のボビン分割
体の嵌合凹部32と嵌合するとともに、両者の薄板部2
7の段差面29がそれぞれ対接し、対向するボビン分割
体3A,3B中央に連続した仕切り部13が形成され
る。このようにして、ボビン組立体3が構成される。
【0025】図4の如く、端子30は、導体金属で略L
字状に形成したものであり、前記端子取付部16の端子
挿通穴21に挿通する端部に、リード線等を接続するた
めのリード穴34が設けられ、他方の端部には巻線端部
係合切欠35が設けられている。また、端子30のボビ
ン分割体3A,3Bへの取り付けは、端子30の巻線端
部係合切欠35をフランジ11内側の巻線端部挿通穴2
3に対応させ、リード穴34を有する端部を端子挿通穴
21に挿通し、仕切突片18の両側に対向する端子係合
溝22Aに嵌合させて行う。ボビン分割体3Bへの端子
30の取り付けは、端子30の向きを図4とは反対にし
端子30の巻線端部係合切欠35をフランジ11外側の
巻線端部係合溝24に対応させ、リード穴34を有する
端部を端子挿通穴21に挿通し、外側に位置する端子係
合溝22Bに嵌合させて行う。このようにして、ボビン
分割体3A,3Bに、端子30が一対ずつ設けられる。
なお、仕切突片18が両方の端子30間を絶縁隔離して
いるので、巻線端部挿通穴23同士が近接していても充
分な絶縁耐圧を確保できる。
【0026】前記巻線4は、前記ボビン組立体3の円筒
状巻胴部12の外周に装着できるように平角導線を予め
空心状態で円筒状に巻回成形したものであり、内側に位
置する一方の端部4Aを前記巻線端部挿通穴23に、他
方の端部4Bを前記巻線端部係合溝24にそれぞれ挿入
できるように折り曲げてある。
【0027】前記注形枠5は、ポリブチレンテレフタレ
ート(PBT)やポリプロピレン等の熱可塑性絶縁樹脂
で成型されており、前後面と両側面を有し、それらの4
面で囲まれた内側は抜き穴40になっており、前面と後
面の壁部41には前記ボビン分割体3A,3Bの嵌合溝
15と嵌合するための略方形状の嵌合切欠42が形成さ
れ、両側の側壁部43は肉厚に形成されており、その側
面中央に係合凸部44がそれぞれ形成されている。
【0028】前記底板6は、鉄板等の熱伝導の良い金属
製であって放熱板として機能するものであり、前後端の
中央に取付穴46を有する取付部47がそれぞれ設けら
れており、両側端の中央には前記注形枠5の係合凸部4
4と係合するための係合穴48を有する係合部49が折
り曲げ立設されている。
【0029】ここで、第1実施例における大電流チョー
クコイルの組立について説明する。まず、端子30を一
対ずつ一体に設けたボビン分割体3A,3Bを用意し、
一方のボビン分割体3Aの分割円筒状巻胴部12A,1
2Bの外周に円筒状に巻回成形された一対の巻線4をそ
れぞれ嵌挿する。このとき、図4のように巻線4の端部
4Aをボビン分割体3Aの巻線端部挿通穴23から端子
30の巻線端部係合切欠35に挿通する。そして、巻線
4のボビン分割体3Aが嵌挿されている部分の反対側か
ら、他方のボビン分割体3Bの分割円筒状巻胴部12
A,12Bを巻線4の内側に嵌挿するとともに、ボビン
分割体3A,3Bを突き合わせて嵌合一体化し、ボビン
組立体3を形成する。このとき、巻線4の端部4Bをボ
ビン分割体3Bの巻線端部係合溝24から端子30の巻
線端部係合切欠35に挿通する。また、ボビン分割体3
A,3B及び一対の巻線4を一体化した後、巻線4の両
端部4A,4Bとそれらを挿通した端子30の巻線端部
係合切欠35近辺とをはんだ付けで接続する。なお、巻
線4の外周下方端はフランジ11下端面より上方に位置
する(巻線4が金属製底板6に直接接触してしまわない
ために必要である。)。このようにして、一対の円筒状
巻胴部12に巻線4が巻回されたコイル部2が構成され
る。
【0030】一方、前記注形枠5を底板6上に載置し、
注形枠5の係合凸部44と底板6の係合穴48を係合す
ることで一体化し、注形用放熱ベース7を構成する。該
注形用放熱ベース7は、注形枠5の抜き穴40により放
熱板である底板6の上面が露出しており、注形枠5で囲
まれた樹脂溜まりが形成される。なお、注形枠5と底板
6の一体化は、接着剤による接着等を併用しても良い。
【0031】次に、前述のコイル部2と、前記注形用放
熱ベース7との一体化を行う。両者の一体化は、ボビン
組立体3の両側のフランジ11に形成されている嵌合溝
15と、注形枠5の嵌合切欠42を設けた壁部41の縁
部とを嵌合させるとともに、コイル部2と底板6との間
の注形枠5の壁部41及び側壁部43の4面で囲まれた
樹脂溜まりに熱伝導性の良好な絶縁樹脂8を注入し、モ
ールド(樹脂注形)することで行われる。このとき、ボ
ビン組立体3と注形枠5の嵌合は、フランジ11の下端
面が底板6に接するまで行われるが、ボビン組立体3中
央の仕切り部13下側の厚肉部28B底面が、フランジ
11の下端面よりも少し上方に位置するように形成され
ていることから、ボビン組立体3中央の仕切り部13に
より底板6上面が仕切られることがなく、両側の巻線4
間下方に隙間を有しているので、絶縁樹脂8は、巻線4
の下部を含む、抜き穴40より露出する底板6上面の全
体にわたって浸透することができる。なお、このボビン
組立体3と注形用放熱ベース7との嵌合一体化により、
巻線4の下端と底板6上面とは、放熱性の損なわれない
程度の微少間隔(例えば1mm以下)で対向し、絶縁樹脂
8により絶縁されている。絶縁樹脂8の注形量は、巻線
4の下部のみが浸るように設定する。
【0032】次に、前記コイル部2のボビン組立体3の
両側から、一対のU型磁気コア1A,1Bの対をなした
真っすぐな円柱状脚部9をコア挿置穴20にそれぞれ嵌
挿し、前記脚部の対向する端面をそれぞれ当接して磁気
コア組立体1を構成するとともに、該磁気コア組立体1
とボビン組立体3とを接着剤を用いて接着固定し一体化
する。このとき、ボビン組立体3両側のフランジ11外
側端面に凹部17が設けられていることにより、U型磁
気コア1A,1Bの連結部10の一部が該凹部17に嵌
まることでフランジ11からの突出部分を小さくするこ
とができる。
【0033】以上のようにして、大電流チョークコイル
が得られる。なお、この大電流チョークコイルの各種電
子機器への取り付けは、底板6に設けられている取付部
47の取付穴46を利用して行われ、電気的な接続は、
ボビン組立体3両側上端の端子取付部16に設けられて
いる端子30のリード穴34にリード線を挿通して、絡
げ又ははんだ付けすることにより行われる。
【0034】上記第1実施例の大電流チョークコイル
は、一対の巻線4を有するコモンモードチョークコイル
として使用できる。この第1実施例によれば、樹脂注形
するための注形用放熱ベース7と嵌合して該注形用放熱
ベース7との位置関係を正確に規定することができるボ
ビン組立体3を用いることにより、ボビン組立体3に設
けられた巻線4の下端と注形用放熱ベース7の底板6と
の間隔を適切に維持でき(例えば1mm以下の微小間隔に
でき)、絶縁樹脂8の注形は巻線4と注形用放熱ベース
7の底板6とが放熱性の損なわれない程度の微少間隔を
空けて配置された状態で実行でき、絶縁樹脂8で注形す
る範囲を必要最小限に留めて、樹脂注形に必要な樹脂量
を従来の磁気コア及びコイル部の全体を絶縁樹脂で樹脂
注形する場合よりも大幅に削減することができ、金属製
の底板6からの放熱による巻線の放熱性の改善を図るこ
とができる。また、底板6上に絶縁シート等を配置する
ことも不要である。
【0035】また、ボビン組立体3と注形用放熱ベース
7との一体化は、ボビン組立体3のフランジ11下端面
の嵌合溝15に注形用放熱ベース7の壁部41の縁部を
嵌め込むことで容易に実行でき、組立作業の効率化を図
ることができる。また、コイル部2と注形用放熱ベース
7との一体化後に絶縁樹脂8を樹脂注形することで、注
形用放熱ベース7に対してボビン分割体3A,3Bから
なるボビン組立体3を確実に固定できる。
【0036】また、磁気コア組立体1はボビン組立体3
のコア挿置穴20に挿入されており、注形樹脂である絶
縁樹脂8が直接触れないため、樹脂注形時や使用時の発
熱に起因する磁気コアへの無用のストレスを無くすこと
ができ、磁気コアの磁気特性の劣化を防止することがで
きる。
【0037】さらに、ボビン組立体3が同一形状のボビ
ン分割体3A,3Bを嵌合一体化することで構成されて
おり、該ボビン分割体3A,3Bは1つの金型で成形で
きるため、製造が容易で経済性にも優れている。そし
て、コイル部2の一対の巻線4間中央には、ボビン組立
体3の仕切り部13が設けられており、その仕切り部1
3の下側の厚肉部28B底面がフランジ11の下端面よ
りも少し上方に位置するように形成されていることか
ら、コイル部2と注形用放熱ベース7の底板6間への絶
縁樹脂8の確実な浸透が行えるとともに、絶縁樹脂8に
よる注形は仕切り部13の下端部分までの巻線下部を含
む最小限で済み、この注形部分より上方は仕切り部13
により巻線4間の絶縁性が確保される。
【0038】また、ボビン組立体3両側のフランジ11
外側端面に凹部17が設けられていることにより、U型
磁気コア1A,1Bの連結部10の一部が該凹部17に
嵌まることでフランジ11からの突出部分を小さくする
ことができ、磁気コアの磁路長を小さくできるととも
に、磁気コアの小型化ひいては大電流チョークコイルの
小型化を図ることができる。
【0039】また、平角導線を用いた巻線4を用いてい
るので、平角導線を用いた巻線4の幅の狭い面がボビン
外周に対向するように当該平角導線を巻回することでボ
ビン組立体3の巻線幅に対して一般的な断面円形の導線
よりも多い回数巻回することができ、1層巻で所要のイ
ンダクタンス及び電流容量を得ることが容易となる。ま
た、巻線4間の隙間に絶縁樹脂8を入り込ませることが
でき、ラジエータ効果により巻線4の発熱が絶縁樹脂8
に良好に伝導され、放熱性が改善される。
【0040】さらに、巻線4は、平角導線を前記ボビン
組立体3の円筒状巻胴部12に適合するように予め円筒
状に巻回成形しているため、ボビン分割体3A,3Bと
嵌合一体化するだけでよくボビン組立体3の円筒状巻胴
部12に直接巻回するよりも容易にコイル部2を構成す
ることができる。
【0041】図10は本考案の第2実施例を示す。この
図において、注形用放熱ベース7Aを構成する底板6A
は、その前端及び後端の取付部47が設けられている部
分以外の部分に、折り曲げ加工等により底板6Aに垂直
なコア押さえ51をそれぞれ立設したものである。該コ
ア押さえ51は、上側部分を湾曲加工して弾性を持たせ
ており、磁気コア組立体1と一体化したコイル部2を注
形用放熱ベース7Aに装着する際に、コイル部2より突
出している磁気コア組立体1の両端面を両側から挟み込
む如く保持するものである。
【0042】従って、この第2実施例の構成では、磁気
コア組立体1のコイル部2への固定の際の接着剤による
接着等の必要がなくなり、大電流チョークコイルの組立
が容易になる。その他の構成及び作用効果は前記第1実
施例と同様である。
【0043】なお、第2実施例においてコア押さえ51
は底板6Aの前端及び後端にそれぞれ少なくとも1個設
けるものとし、前端及び後端にそれぞれ複数個設けても
良い。
【0044】図11及び図12は本考案の第3実施例を
示す。これらの図において、注形用放熱ベース7Bを構
成する底板6Bは、その両側端に取付穴46を有する取
付部47Bを設けるとともに、該取付部47Bの両側に
係合穴48Bを有する係合部49Bをそれぞれ折り曲げ
加工等で立設し、前端及び後端の中央にそれぞれ折り曲
げ加工等により垂直なコア押さえ51Bを立設したもの
である。また、注形枠5Bは、その両側面の両側に前記
底板6Bの係合穴48Bと係合する係合凸部44Bをそ
れぞれ形成したものである。注形用放熱ベース7Bは、
注形枠5Bの係合凸部44Bと底板6Bの係合穴48B
とを係合することで一体化して構成したものであり、前
後端のコア押さえ51Bは、前記第2実施例と同様に、
磁気コア組立体1と一体化したコイル部2を注形用放熱
ベース7Bに装着する際に、磁気コア組立体1の両端面
を両側から挟み込む如く保持するものである。従って、
この第3実施例の構成では、磁気コア組立体1のコイル
部2への固定の際の接着剤による接着の必要がなくな
り、大電流チョークコイルの組立が容易になる。なお、
その他の構成及び作用効果は前記第1実施例と同様であ
る。
【0045】なお、上記各実施例では一対のU型磁気コ
アを突き合わせた磁気コア組立体を例示したが、U型磁
気コアの代わりにコイル部の円筒状巻胴部を貫通する長
さの一対の脚部を有するU型磁気コアとその脚部端面間
を連結するI型磁気コアとを用い、U型磁気コアの脚部
端面とI型磁気コアとを突き合わせて矩形状(ロ字状)
の閉磁路を有する磁気コア組立体を構成しても良い。
【0046】また、上記各実施例では、注形用放熱ベー
スを樹脂製の注形枠と金属製の底板を一体化して構成し
ていたが、熱伝導性の良い金属で、底面及び4側面で囲
まれた樹脂溜まりを有し、かつ取付部あるいはコア押さ
えを一体に有する注形用放熱ベースを形成してもよい。
【0047】さらに、上記各実施例ではボビン組立体と
して一対の同形状のボビン分割体を嵌合一体化して構成
していたが、一方のボビン分割体にのみ円筒状巻胴部を
形成し、他方のボビン分割体を端子付きフランジとして
形成し、両者を嵌合一体化してボビン組立体を構成して
も良い。
【0048】また、円筒状巻胴部を1個又は3個以上有
するボビン組立体を用いても良く、その場合、巻線及び
磁気コア組立体の形状又は組み合わせを適宜変更しても
良い。
【0049】また、上記各実施例では平角導線を予め円
筒状に巻回形成して巻線を構成していたが、ボビン組立
体の円筒状巻胴部に直接巻回してもよく、また、平角導
線のかわりに断面が円形状の丸導線を用いて巻線を構成
しても良い。
【0050】
【考案の効果】以上説明したように、本考案の大電流チ
ョークコイルによれば、巻線を有するフランジ付きボビ
ン組立体をフランジ部分にて注形用放熱ベースと嵌合一
体化するため、巻線と注形用放熱ベースとの位置関係を
適切かつ正確に規定でき、このフランジ付きボビン組立
体と注形用放熱ベースとの一体化を容易に実行でき、組
立作業の効率化を図ることができる。また、巻線と注形
用放熱ベースとの間の絶縁樹脂による注形は、必要最小
限に抑えられ、樹脂は磁気コア組立体に触れないため、
絶縁樹脂量が少なくて済むので経済性に優れているとと
もに、樹脂注形時や使用時の発熱に起因する磁気コアへ
の無用のストレスを無くすことができ、磁気コアの磁気
特性の劣化を防止することができる。さらに、コイル部
を絶縁樹脂で注形したとき、巻回された巻線間に絶縁樹
脂が入り込み、巻線で発生した熱が効果的に絶縁樹脂を
介し放熱機能を持つ注形用放熱ベースに伝導されるの
で、放熱性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る大電流チョークコイルの第1実施
例における磁気コア組立体とコイル部を示す分解斜視図
である。
【図2】第1実施例における注形用放熱ベースを示す分
解斜視図である。
【図3】第1実施例を示す平面図である。
【図4】同正面図である。
【図5】同側面図である。
【図6】図3のVI−VI断面図である。
【図7】第1実施例におけるボビン組立体の分解状態を
示す側面図である。
【図8】第1実施例におけるボビン組立体を示す中央部
の側断面図である。
【図9】第1実施例におけるボビン組立体の分解状態を
示す底面図である。
【図10】本考案の第2実施例を示す側面図である。
【図11】本考案の第3実施例を示す平面図である。
【図12】同側面図である。
【符号の説明】
1 磁気コア組立体 1A,1B U型磁気コア 2 コイル部 3 ボビン組立体 3A,3B ボビン分割体 4 巻線 5,5B 注形枠 6,6A,6B 底板 7,7A,7B 注形用放熱ベース 8 絶縁樹脂 11 フランジ 12 円筒状巻胴部 12A,12B 分割円筒状巻胴部 13 仕切り部 13A 分割仕切り部 15 嵌合溝 17 凹部 30 端子 51,51B コア押さえ

Claims (6)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フランジ付きボビン組立体の巻胴部の外
    周に巻線を設け、注形用放熱ベースに前記ボビン組立体
    を前記フランジ部分にて嵌合し、前記注形用放熱ベース
    に樹脂を注形して前記巻線下部のみが前記樹脂に浸るよ
    うにするとともに、磁気コアを前記巻胴部内側に挿置し
    たことを特徴とする大電流チョークコイル。
  2. 【請求項2】 前記注形用放熱ベースは放熱板となる底
    板上に注形枠を載置したものであり、該注形枠に前記フ
    ランジが嵌合してなる請求項1記載の大電流チョークコ
    イル。
  3. 【請求項3】 前記ボビン組立体は複数の巻胴部を有し
    ており、フランジを有するボビン分割体を一体化したも
    のである請求項1又は2記載の大電流チョークコイル。
  4. 【請求項4】 前記ボビン組立体は、複数の巻胴部間に
    仕切り部を有するものである請求項3記載の大電流チョ
    ークコイル。
  5. 【請求項5】 前記フランジの外側端面に、前記磁気コ
    アが部分的に嵌まる凹部が形成されている請求項1、
    2、3又は4記載の大電流チョークコイル。
  6. 【請求項6】 前記注形用放熱ベースに折り曲げ部分を
    設け、該折り曲げ部分で前記磁気コアを固定してなる請
    求項1、2、3、4又は5記載の大電流チョークコイ
    ル。
JP4053593U 1993-06-30 1993-06-30 大電流チョークコイル Expired - Fee Related JP2569556Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4053593U JP2569556Y2 (ja) 1993-06-30 1993-06-30 大電流チョークコイル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4053593U JP2569556Y2 (ja) 1993-06-30 1993-06-30 大電流チョークコイル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH077123U JPH077123U (ja) 1995-01-31
JP2569556Y2 true JP2569556Y2 (ja) 1998-04-28

Family

ID=12583156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4053593U Expired - Fee Related JP2569556Y2 (ja) 1993-06-30 1993-06-30 大電流チョークコイル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2569556Y2 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1097927A (ja) * 1996-09-24 1998-04-14 Tdk Corp コイル部品
JP2004140006A (ja) * 2002-10-15 2004-05-13 Minebea Co Ltd コモンモードチョークコイル及びラインフィルタ
JP2008108937A (ja) * 2006-10-26 2008-05-08 Densei Lambda Kk インダクタンス部品の放熱構造
JP2009218294A (ja) * 2008-03-07 2009-09-24 Sumitomo Electric Ind Ltd リアクトル
JP2010129917A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Tdk Corp コイル部品
JP2012023083A (ja) * 2010-07-12 2012-02-02 Mitsubishi Electric Corp リアクトル装置
JP5562262B2 (ja) * 2011-01-05 2014-07-30 三菱電機株式会社 リアクトル
JP5614652B2 (ja) * 2011-02-04 2014-10-29 住友電気工業株式会社 リアクトルの製造方法
JP5937784B2 (ja) * 2011-03-14 2016-06-22 株式会社タムラ製作所 コイル装置
JP5932247B2 (ja) * 2011-06-10 2016-06-08 株式会社タムラ製作所 コイル装置用ボビン
EP2725591B9 (en) 2011-06-27 2016-05-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Inductor and manufacturing method therefor
WO2013001592A1 (ja) 2011-06-27 2013-01-03 トヨタ自動車株式会社 リアクトル、および、その製造方法
JP5903817B2 (ja) * 2011-09-20 2016-04-13 トヨタ自動車株式会社 リアクトル装置
CN103229257A (zh) * 2011-11-04 2013-07-31 丰田自动车株式会社 电抗器及其制造方法
JP5495076B2 (ja) * 2012-02-29 2014-05-21 住友電気工業株式会社 リアクトル、リアクトルの製造方法及びコンバータ
JP6278250B2 (ja) * 2013-08-28 2018-02-14 日立金属株式会社 リアクトル
JP6281971B2 (ja) * 2013-08-30 2018-02-21 株式会社西本合成販売 高周波変成器用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー及び高周波変成器
JP6274511B2 (ja) * 2014-01-06 2018-02-07 株式会社西本合成販売 リアクトル用コイルボビン兼巻鉄心ホルダー及びリアクトル
JP6631274B2 (ja) * 2016-01-26 2020-01-15 Tdk株式会社 巻線部品
JP6820893B2 (ja) * 2018-10-05 2021-01-27 株式会社タムラ製作所 コイル部品

Also Published As

Publication number Publication date
JPH077123U (ja) 1995-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2569556Y2 (ja) 大電流チョークコイル
WO1998018143A1 (fr) Bobine d'arret
JPH07220950A (ja) インダクタンス素子
JPH11273975A (ja) コモンモードチョークコイル
JPH07245217A (ja) インダクタンス素子及び該素子用コイル
CN109473255B (zh) 线圈装置
JPH10125545A (ja) チョークコイル
JPH11176660A (ja) コイルを含む電気回路装置
JP2001274023A (ja) 面実装インダクタンス素子
JP2020126909A (ja) コイル部品
JP3346188B2 (ja) チョークコイル
JP3379358B2 (ja) チョークコイル
JP3512758B2 (ja) 小型トランス
JPH0624994Y2 (ja) 高周波トランス
JPH0778717A (ja) 面装着型インダクタンス素子
JPH0737296Y2 (ja) トランス
JP4341096B2 (ja) チョークコイル
JP3518360B2 (ja) 内燃機関用点火コイル
JP2621397B2 (ja) フライバックトランス
JPS60171707A (ja) 小型トランス
JPH0729613Y2 (ja) 表面実装型チョークコイル
JPS6015308Y2 (ja) モ−ルド型内燃機関点火装置
JP3706839B2 (ja) トリガコイル
JP2592905Y2 (ja) 成層形トランス
JP3571094B2 (ja) 薄型トランス

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19971125

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees