JP2569121Y2 - 車椅子用揺動脚体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、車椅子用揺動脚体に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、病院等において使用されている車
椅子は、足の不自由な人等が自力で動かすか、又は介添
者に押してもらうように設計されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、車椅子を自
力で動かすほどの体力がなく、又介添者がいない場合に
は、車椅子は、単に椅子としての機能しか果し得なかっ
た。

【０００４】例えば、体力の衰えた入院中の高齢者は、
車椅子があっても、同車椅子を自力で動かすほどの体力
がないために、ベッドに寝たっきりになることが多く、
かえって病状を悪化させていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで、本考案では、車
椅子の車輪に着脱自在に取付けて、同車椅子をロッキン
グチェアに変更可能とした車椅子用揺動脚体を提供せん
とするものである。

【０００６】そして、本考案に係る車椅子用振動脚体
は、前後方向に伸延させて形成した左右一対の側壁を、
車椅子の車輪幅よりも広幅の間隔を開けて配置し、両側
壁の下端間に、下方へ膨出状に弯曲させて形成した底壁
を介設して、車椅子の車輪の下側部を収容可能な揺動脚
体本体を形成し、左右の側壁の上端部には揺動脚体本体
内に収容した車椅子の車輪を係止する係止部を設けたこ
とに特徴を有する。

【０００７】

【作用】車椅子をロッキングチェアとして使用する場合
には、同車椅子の左右側車輪にそれぞれ車椅子用揺動脚
体を取付ける。

【０００８】この際、車椅子の車輪の下側部を揺動脚体
本体内に収容すると共に、同揺動脚体本体の左右側壁の
上端部に設けた係止部に係止させる。

【０００９】このようにして、車椅子の座部に着座し
て、床部又は床部上に載置した足載台等を足で強く押し
たり緩めたりすると、揺動脚体本体の底壁が下方へ膨出
状に弯曲しているために、車椅子全体がロッキングチェ
アとして機能する。

【００１０】また、車椅子用揺動脚体は、車椅子から取
外すことにより、容易に格納しておくことができる。そ
して、車椅子用揺動脚体は、車椅子の左右側いずれにも
取付けることができるように互換性をもたせて、使い勝
手を良くしている。

【００１１】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照しながら
説明する。

【００１２】図１に示すＡは、本考案に係る車椅子用揺
動脚体であり、同車椅子用揺動脚体Ａは、車椅子Ｂの左
右側の前後車輪にそれぞれ着脱自在に取付け可能として
いる。

【００１３】ここで、まず、車椅子Ｂについて説明する
と、図１に示す車椅子Ｂは、病院等において一般的に使
用されている折畳み式のものであり、図１〜図３中、１
は座部、２はキャスター式の前車輪、2aは前車軸、2bは
車軸支持フォーク、2cは支軸、2dはステー、３は後車
輪、４は跳上げ格納式の足載部、4aは足載部支軸、4aは
足載部支軸、５は手押し用ハンドル、６はブレーキレバ
ーである。Ｆは床部である。

【００１４】そして、後車輪３の外側方には、図１及び
図３に示すように、後車輪回動用リング７を棒状ステー
８を介して取付けており、同棒状ステー８は、後車輪回
動用リング７の円周方向に一定の間隔を開けて複数個配
設している。8aはステー固定ボルトである。

【００１５】本考案に係る車椅子用揺動脚体Ａは、図４
及び図５に示すように、前後方向に伸延させて形成した
左右一対の側壁10,11 を、車椅子Ｂの車輪幅Ｗよりも広
幅の間隔を開けて配置し、両側壁10,11 の下端間に、下
方へ膨出状に弯曲させて形成した底壁12を介設して、図
２及び図３に示すように、車椅子Ｂの前後車輪２，３の
下側部を収容可能な揺動脚体本体13を形成し、左右の側
壁10,11 の上端部には揺動脚体本体13内に収容した車椅
子Ｂの前後車輪２，３を係止する係止部14を設けてい
る。15は、軽量化を兼ねて形成した手掛り用長孔、16,1
7,18は補強板である。

【００１６】そして、係止部14は、左右側壁10,11 の前
部にそれぞれ前車軸係止用凹部14a,14a を形成し、左右
側壁10,11 の中途部と後部とにそれぞれ棒状ステー係止
用凹部14b,14b,14c,14c を形成して構成している。

【００１７】このようにして、揺動脚体本体13内に前車
輪２と後車輪３とを収容すると共に、図２に示すよう
に、前車輪２の前車軸2aを前車軸係止用凹部14a,14a に
係止させる一方、図３に示すように、後車輪３の下方に
位置する棒状ステー８，８をそれぞれ棒状ステー係止用
凹部14b,14c に係止させることにより、車椅子Ｂの左右
側の前後車輪２，２，３，３にそれぞれ車椅子用揺動脚
体Ａ，Ａを取付けることができるようにしている。

【００１８】そして、車椅子Ｂの座部１に着座して、床
部Ｆ又は床部Ｆ上に載置した足載台等を両足で強く押し
たり緩めたりすると、揺動脚体本体13の底壁12が下方へ
膨出状に弯曲しているために、車椅子Ｂ全体をロッキン
グチェアとして機能させることができる。

【００１９】また、図１に示すように、揺動脚体本体13
は、車椅子Ｂに取付けた状態において、前端13a が座部
１よりも前方に位置し、後端13b が後車輪３の後端より
も後方に位置するようにして、ロッキングチェアとして
使用している際に、車椅子Ｂが前方や後方に転倒するこ
とがないように設計している。

【００２０】さらに、左右側壁10,11 の間隔は、図５に
示すように、後端部幅t1を前端部幅t2よりも広幅に形成
して、後車輪３に対して内側方へ偏位させて取付けられ
ている前車輪２と、後車輪３とを一緒に揺動脚体本体13
内に収容することができるようにしている。そして、車
椅子用揺動脚体Ａは、車椅子Ｂの左右側いずれの前後車
輪２，３にも取付け可能として、互換性をもたせること
により、使い勝手を良くしている。

【００２１】

【考案の効果】本考案によれば、次のような効果が得ら
れる。

【００２２】すなわち、車椅子に本考案に係る車椅子用
揺動体を取付けることにより、簡単に車椅子をロッキン
グチェアにすることができる。

【００２３】そのために、特に、病院に入院中の高齢者
で、自力で車椅子を動かすことのできない人にとって
は、好んで車椅子をロッキングチェアとして使用するよ
うになり、離床のきっかけとなる。

【００２４】そして、ロッキングチェアとしての使用時
には、車椅子が揺れることによって使用者の臀部に加わ
る圧力が分散するために、長時間の着座も可能となり、
さらに、揺れることにより、「めまい」の改善及び全身
の調整が可能となり、自分の脚で蹴って車椅子をゆり動
かすことによる下肢のリハビリ効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る車椅子用揺動脚体を取付けた車椅
子の側面図。

【図２】図１のI-I 線断面図。

【図３】図１のII-II 線断面図。

【図４】車椅子用揺動用脚体の側面図。

【図５】同車椅子用揺動脚体の平面図。

【符号の説明】

Ａ 車椅子用揺動脚体 Ｂ 車椅子 １ 座部 ２ 前車輪 2a 前車軸 ３ 後車輪 ４ 足載部 ５ 手押し用ハンドル ６ ブレーキレバー ７ 後車輪回動用リング ８ 棒状ステー 10 左側壁 11 右側壁 12 底壁 13 揺動脚体本体 14 係止部 14a 前車軸係止用凹部 14b 棒状ステー係止用凹部 15 手掛り用長孔 16 補強板 17 補強板 18 補強板 Ｗ 車輪幅

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車椅子の車輪に着脱自在に取付けて、同
   車椅子をロッキングチェアに変更可能とした車椅子用揺
   動脚体であって、 前後方向に伸延させて形成した左右一対の側壁を、車椅
   子の車輪幅よりも広幅の間隔を開けて配置し、両側壁の
   下端間に、下方へ膨出状に弯曲させて形成した底壁を介
   設して、車椅子の車輪の下側部を収容可能な揺動脚体本
   体を形成し、左右の側壁の上端部には揺動脚体本体内に
   収容した車椅子の車輪を係止する係止部を設けたことを
   特徴とする 車椅子用揺動脚体。